JP4554242B2 - レーザ光照射装置およびそれを用いた蛍光観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物の所定の集光点に向けて複数のレーザ光を照射することで、測定対象物に高いエネルギーを照射することができるレーザ光照射装置に関する。
また、本発明は、このようなレーザ光照射装置を用いた蛍光観察装置にも関している。
現在、レーザ光は、その高い直進性や高いエネルギー特性などの特徴から、様々な分野で利用されている。その一例として、現在、薄層クロマトグラムの検出や蛋白質の構造研究の際のアミノ酸標識の検出、蛍光物質を用いた酵素活性の測定など、溶液試料中の微量な蛍光成分を高感度に分析する方法として、レーザ光を用いた蛍光分析方法が好ましく用いられている。このようなレーザ光を用いた蛍光分析法は、溶液にレーザ光を照射し、このレーザ光のエネルギーによって励起された溶液中の蛍光性物質から放出される蛍光を測定して蛍光性物質の分析(検出、および定量など)を行う方法である。このような蛍光分析法は、測定対象物質である蛍光性物質から放出される蛍光を直接測定するため、測定対象物質と他の物質との光の透過度を利用する吸光光度分析にくらべて感度が高く、はるかに少量の物質を分析できる。
このような蛍光分析法において、溶液試料中の微量蛍光物質を高感度に分析するために効果的で簡単な方法は蛍光物質に照射するレーザ光の強度を強くすることであり、レーザ光源単体から発振されるレーザ光の強度を強くするという第1の方法がある。
また、蛍光物質に照射するレーザ光の強度を強くする第2の方法として、高出力のレーザ光を照射することができるレーザ光照射装置を用いる方法がある。下記特許文献1では、基板上に互いに同一ピッチの2次回折格子を備えた複数の面発光LD(レーザダイオード)を、各々の2次回折格子が上記基板上の一点に向かうよう、この一点を中心とした同心円上に配置したレーザ光照射装置が開示されている。
特開平7−38205号公報
図6は、特許文献1に開示されるレーザ光照射装置の一例の概略を示す平面図である。また、図7は、図6に示すレーザ光照射装置の動作について説明する概略図であり、レーザ光照射装置を図7に示すA−A’線で切断した際の断面図を示す。
特許文献1に開示されるレーザ光照射装置70では、図6に示すように、複数の面発光LD72が、基板上に各々の2次回折格子が基板74上の一点に向かうよう、この一点を中心とした同心円上に配置されている。このレーザ光照射装置70において、複数の面発光LD72を互いに等しい注入電流で駆動してレーザ発振させると、図7に示すように、複数の面発光素子各々から基板の垂直方向に出射するレーザ光72a、72bは同一波長、同一位相となり、素子中央で互いに干渉して合成されて、高出力のレーザ光76が得られる。特許文献1では、このようなレーザ光照射装置において、各面発光レーザ素子を同一の駆動電流でレーザ発振させることにより、同一位相で同一波長の複数のレーザ光が合成された高出力のレーザ光を所定方向に安定して出力することを可能としている。
しかし、上述の第1の方法では安全性の点で問題があり、特許文献1に記載の方法(第2の方法)においては、レーザ光72aおよび72bは基板に垂直に発振されており、各面発光LD72からのレーザ光を合成するには、面発光LD72からレーザ光を所定の拡がりをもって出射する必要がある。通常、LDからはある程度の放射角をもったレーザ光が出力されるが、このようなレーザ光は球面波に近い形で進行する(様々な波数ベクトル成分)。そのため、特許文献1のように、基板に垂直に発振する複数の面発光LDからのレーザ光を合成した場合、基板に垂直な方向に進行する以外にも様々な方向に進行する(レーザが無指向性である)といった問題点がある。このような無指向性のレーザ光では、例えば、上述の蛍光分析において、測定対象物質に対して不必要に広い範囲にレーザ光を照射してしまったり、また、例えば観測装置のレンズなどの測定装置の受光面にかなりの強度のレーザ光が入射してしまうなどの問題点があり、このようなレーザ光では高精度な分析を行うことができない。発明は、以上のような問題点を解決するために、指向性の強い同一波長の複数のレーザ光を1点に集中させるレーザ光照射装置およびそれを用いた蛍光観察装置を提供することを目的とする
上記課題を解決するために、本発明に係るレーザ光照射装置は、レーザ基板と、前記レーザ基板上に同一円周上に配置され、互いに同じ光強度および同じ波長のレーザ光をそれぞれ前記レーザ基板に対して垂直な方向に発する複数のレーザ素子と、前記レーザ基板と平行に配置されたレンズ基板と、前記レンズ基板上で且つ前記複数のレーザ素子に対応する位置にそれぞれ配置されると共に対応するレーザ素子から発せられたレーザ光を平行光とする複数のレンズと、前記レンズ基板と平行に配置されたプリズム基板と、前記プリズム基板上で且つ前記複数のレンズに対応する位置にそれぞれ配置されると共に対応するレンズを透過したレーザ光の光軸を屈曲させることにより前記複数のレーザ素子から発せられたレーザ光を前記同一円周の中心を通る前記レーザ基板の垂線上の集光点に集光させる複数のプリズムと、前記垂線の方向における前記レーザ基板、前記レンズ基板および前記プリズム基板の位置をそれぞれ調整することで前記集光点の位置を前記垂線に沿って調整する調整機構とを有するものである
なお、複数のレーザ素子は、それぞれ面発光レーザ素子であることが好ましい。
本発明に係る蛍光観察装置は、透明基板からなり且つ上面の所定位置に試料が載置されるステージと、前記レーザ基板の前記垂線が前記試料を通るように前記ステージの下方に配置されると共に上方に向けてレーザ光を照射する、上述したレーザ光照射装置と、前記ステージの上方に配置され且つ前記試料に対向する受光面を有すると共に前記レーザ光の照射により前記試料から発せられた蛍光を前記受光面で受ける対物レンズと、前記対物レンズによって導かれた蛍光を撮影する撮影装置とを備え、前記レーザ光照射装置の前記調整機構により前記集光点が前記試料に位置するように調整し、レーザ光を前記ステージの下面から上面に透過させて前記試料に照射するものである。
また、前記レーザ光照射装置は、前記複数のレーザ素子のそれぞれから発せられるレーザ光の光軸が前記対物レンズの受光面を通過しないようにこれらレーザ光を前記試料に照射することが好ましい。
本発明においては、複数のレーザ素子が配置されたレーザ基板と、複数のレンズが配置されたレンズ基板と、複数のプリズムが配置されたプリズム基板の位置をそれぞれ調節機構により調整することで、複数のレーザ素子から発せられたレーザ光の集光点の位置を調整して、測定対象物の集光点に高いエネルギーを照射することが可能となる。これにより、例えば蛍光分析など分析装置において測定対象物の集光点以外の部分(例えば、観察装置の受光面など)へのレーザ光の直接的な回りこむことを防ぐことができる。また光学系(レンズ)によって、照射するレーザ光の光束を絞って細いレーザ光とすることにより、レーザ光のエネルギーを効率よく所定の集光点に集中させることができ、測定対象物の集光点に高いエネルギーを照射することができる。
以下、本発明のレーザ光照射装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に照射に説明する。
図1は、本発明のレーザ光照射装置を備えて構成される蛍光の観察装置10(以降、装置10とする)の構成を示す概略図である。
装置10は、測定対象物である溶液試料11を表面に配置する、透明基板からなるステージ12と、ステージ12に配置された溶液試料11から蛍光を発生させるためにステージ12に配置された溶液試料11にレーザ光を照射する、本発明のレーザ光照射装置の一例であるレーザ光照射装置14と、レーザ光照射装置14から照射されたレーザ光によって生じた蛍光を撮影装置へと導く対物レンズ16と、対物レンズ16によって導かれた蛍光を撮影して観測像を得る撮影装置18と、溶液試料11へレーザ光の照射、および撮影装置18による観測像の撮影の制御を行うための制御部20とを有して構成されている。
装置10では、ステージ12の一方の表面(図1中の上側の面、以降、試料配置面とする)に配置された溶液試料11に、ステージ12の試料配置面と反対側の面から、レーザ光照射装置14によってレーザ光を照射する。この際、溶液試料11には、この溶液試料11の所定の集光点P(図2および図5参照)に、後述するように、レーザ光照射装置14が備える複数の面発光レーザ素子32それぞれから発振された各レーザ光が照射される。レーザ光照射装置14については後に詳述する。装置10は、この集光点Pに照射されたレーザ光のエネルギーによって生じた、溶液試料11の集光点Pにおける蛍光を観察するための装置である。
撮影装置18は、例えば、I・I・CCD(Image Intensifier CCD;イメージインテンシファイアCCD)カメラであり、図示されない、対物レンズ16によって集光された蛍光の光子を電子に変換する光電面と、光電面によって変換された電子を増幅するMCP(Multi channel Plate;マルチチャンネルプレート)と、増幅された電子を撮影するCCD素子とを有して構成されており、対物レンズ16によって導かれた微小な光を撮影することが可能である。なお、撮影装置18は例えば公知のPMTアレイなどを用いた撮影装置であってもよく、撮影装置18の構成は特に限定されない。
制御部20は、高出力レーザ光の照射および撮影装置18による溶液試料から発生する蛍光の撮影動作を制御する部位であり、レーザ光照射装置14および撮影装置18と接続されている。制御部20は、上述の時間分解蛍光分析法による蛍光の観察のために、溶液試料11への高出力レーザ光の照射のタイミング、および高出力レーザ光の照射のタイミングに応じて、撮影像値18における蛍光の撮影のタイミングを制御する部位である。
蛍光分析(本実施形態では蛍光の観察のことを指す)を高精度に行うためには、溶液試料中のラマン光や器壁などからの散乱光(装置内構成物からの散乱光)の影響をなくすことが重要である。そのためには、溶液試料に発生する蛍光が有限の寿命時間を有するという特徴を利用して、高出力レーザ光を溶液試料11に照射した直後は観察(撮影装置18による撮影)は行わず、バックグラウンド光が減衰した後に観察を行うことが望ましい。そのためには、時間幅の短いパルスレーザ光によって蛍光を励起してナノ秒の時間分解能で蛍光の測定を行う、時間分解蛍光分析法を実施することが好ましい。制御部20は、このような時間分解蛍光分析法の実施のために、レーザ光照射装置14による高出力レーザ光の照射のタイミング、および撮影装置18による蛍光の撮影のタイミングをナノ秒単位で制御する部位である。
このような蛍光分析法において、ナノ秒単位の短パルスレーザによって、幅広い種類の種々の物質に蛍光を生じさせる必要がある。このため、レーザ光照射装置14は溶液試料11の集光点Pに、短い時間幅で高いエネルギーを照射する必要がある。図2は、このような本発明のレーザ光照射装置であるレーザ光照射装置14の構成の概略を示す図である。レーザ光照射装置14は、面発光レーザ素子32(以降、レーザ素子32とする)が所定の位置に配置されて構成されたレーザ基板34と、レーザ素子32からレーザ基板34の基板面に垂直に照射されたレーザ光を、それぞれ平行光とするための複数のレンズ36が配置されたレンズ基板38と、レンズ基板38によって平行光とされたそれぞれのレーザ光の光路を規制するための複数のプリズム40が配置されたプリズム基板42とを有して構成されている。なお、レーザ基板34とレンズ基板38、およびプリズム基板42は、それぞれ平行に配置されており、図示しないステージ調整機構によってそれぞれ独立に、基板表面と垂直な方向に上下動させることが可能な構成となっている。
レーザ基板34に配置されたレーザ素子32は、全て同一波長のレーザ光を発振可能なレーザ素子であり、公知の面発光レーザ素子である。この面発光レーザ素子は、現在様々な分野で多く用いられている端面発光型のレーザでは不可能である基板上の2次元アレイ化が可能であり、高密度に光源を集積することができるという特長をもっている。また、面発光レーザは、周波数変調が可能であるという特徴も有している。また、上述のレーザ基板34など、基板面への実装も容易であり、なおかつ価格も安価であるといった優れた特徴を有している。
図3は、レーザ基板34に配置された面発光レーザ素子32について説明する図で、面発光レーザ32の構成を示す概略図である。面発光レーザ素子である面発光レーザ32は、中心に光を放出する部位である活性層52があり、その上下に屈折率の違う材料を交互に積み重ねてゆき99パーセント以上の高い反射率を有する多層反射鏡(DBR)54が存在する。活性層52から出た光がこの上下の反射鏡54で反射されながら増幅されたレーザ光がレーザ基板34に垂直な方向に発振される。
図4は、レーザ基板34における、面発光レーザ素子32の配置について説明する図であり、レーザ基板34を図3中の上側からみた平面図である。図4に示すように、レーザ基板34には、このレーザ基板34の所定の位置C(以降中心位置Cとする)を中心点とする同心円の周上の位置に、複数のレーザ素子32が配置されている。複数のレーザ素子32は、それぞれ上記中心位置Cを点対称の中心とするレーザ素子32の対を構成している。
レーザ基板34のレーザ素子32はそれぞれ、上述の制御部20と接続された図示しない光源制御手段と接続されており、制御部20からの指示に応じて光源制御手段から制御電圧がレーザ素子32に印加されることで、各レーザ素子32からレーザ基板34と垂直な方向に、所望の周波数のレーザ光を所望の時間幅で発振することが可能となっている。
レーザ素子32から発振されるレーザ光の発振方向(図2中の上側)には、レーザ基板34と所定の距離だけ離間して、レンズ基板38がレーザ基板34と平行に配置されている。レンズ基板38のレーザ素子32と対応する位置には、レンズ36が設けられている。レーザ素子32から出射されたレーザ光は、これらのレンズ36によって細いビーム径の平行光とされて、プリズム基板42に配置された各プリズム40に入射する。このレンズ基板38は、基板上のレーザ素子32に対応する位置にレンズが配置されていればよく、例えば、公知のマイクロレンズアレイなどが挙げられる。本発明におけるレンズ基板の構成は特に限定されない。
レンズ基板38の各レンズによって細いビーム径の平行光とされて、プリズム基板42の各プリズム40に入射したレーザ光は、各プリズム40によって光路が屈折される。各プリズム40は、各レーザ素子32から発振された全てのレーザ光の光軸を、上記中心位置Cを通るレーザ基板34の基板面に対する垂線上の所定の集光点Pに集光されるよう、それぞれ同一角度だけ前記中心位置Cの方向に屈折されるよう、構成されている。このプリズム基板42はガラス基板などの透明基板の表面の所定の位置にそれぞれプリズムを固定した構成のものであってもよいし、複数のプリズムが透明基板と一体に成型されたものであってもよく、プリズム基板42の構成は特に限定されない。
上述のように、レーザ基板34、レンズ基板38およびプリズム基板42は、それぞれ独立に各基板面の垂直方向に上下動可能な構成となっている。レーザ光照射装置14では、各基板の位置を調整することで、レーザ素子32から出射される各レーザ光の集光点Pを、上記中心位置Cを通るレーザ基板34の基板面に対する垂線上の任意の位置に調整可能となっている。
レーザ光照射装置14では、このような構成によって、レーザ基板34表面に配置された複数のレーザ素子32から発振されたレーザ光を、レンズ基板38によって細いビーム径の指向性の強い平行光とし、プリズム基板42の各プリズム40によって光軸方向が制御されて、レーザ基板34の基板面に対する垂線上の任意の集光点Pに集光することで、この溶液資料11の集光点Pに対し、複数のレーザ素子32から出力されたレーザ光の出力が合成された高いエネルギーを照射することを可能としている。
図5は、装置10を用いて行われる蛍光の観察の原理について説明する図であり、ステージ12、溶液試料11および対物レンズ16の周辺を拡大して示す概略図である。
ステージ12は、透明なガラス基板22を備えて構成されている。溶液試料11はこのガラス基板22の一方の表面である溶液配置表面22aに配置されている。レーザ光照射装置14からは、溶液試料11の溶液試料配置表面22aとの界面である溶液試料界面11aの所定の集光点Pに向けて複数のレーザ素子32からレーザ光が照射される。装置10は、このようにレーザ光照射装置14から複数のレーザ光を照射して溶液試料11の集光点Pに集中して短い時間幅で高いエネルギーを照射することができる。このエネルギーの照射よって集光点Pにおいて生じた蛍光は、対物レンズ16によって集光されて撮影装置18に導かれる。
なお、レーザ光照射装置14から照射された複数のレーザ光は、それぞれガラス基板22のレーザ光入射面(図5中の下側の面)で屈性する。レーザ光照射装置14は上述の各光学系によってレーザ光の照射方向および集光点が調節可能となっており、それぞれガラス基板22のレーザ光入射面での屈性を考慮して、これら光学系を調節することで溶液試料11の所定の集光点Pにレーザ光を集光することができる。
レーザ光照射装置14では、このようにして溶液試料11の集光点Pに、複数のビーム径の細いレーザ光を集光し、集光点Pに高いエネルギーを照射することができる。装置10では、このように高いエネルギーを集光点Pに照射することで発生した蛍光を、対物レンズ16によって集光して撮影装置18によって撮影する。この際、溶液試料11の集光点Pに照射される複数のレーザ光は、それぞれ細いビーム径の指向性の強いレーザ光であり、溶液試料11の他の部分へのレーザ光の回りこみは極めて少なくなっている。また、これらレーザ光の光軸が対物レンズ16の受光面を通過しないよう、レーザ基板14の方向およびプリズム基板42に位置がそれぞれ調整されている。レーザ光照射装置から照射されるレーザ光は上述のように指向性の強いレーザ光であり、対物レンズ16へのレーザ光の周りこみは発生しない。
装置10では、このようにそれぞれは比較的低出力で安全性の高い、半導体レーザ素子を複数用い、これら複数のレーザ素子から発振されるレーザ光を上述のような光学系で調整(ビーム方向の制御やビーム径の調整)することで、指向性の強いビーム径の細いレーザ光を溶液試料11の集光点Pに集中させ、集光点Pに高いエネルギーを照射している。
この結果、溶液試料11の他の部分や対物レンズ16の受光面にレーザ光が直接回り込むこともなく、高い蛍光の励起エネルギーが必要な物質に対しても、バックグラウンドノイズ成分の少ない、高精度な撮影(ノイズ光の少ない撮影画像の取得)を可能としている。
このような装置10によって、蛍光時間分解分析(蛍光の撮影)は以下のように行われる。まず、ステージ12の試料配置面12に測定しようとする測定対象物質(例えば生体物質など)を含む溶液試料11を配置する。この測定対象物質には、レーザ素子32から出射されるレーザ光によって励起されて蛍光を発する所定の蛍光色素が付着されている。試料配置面12に溶液試料11が配置されると、レーザ基板34、レンズ基板38、プリズム基板42のそれぞれが、図示しない基板位置調節機構によってそれぞれ個別に位置調整されて、レーザ基板34の複数のレーザ32から発振されるレーザ光の集光位置Pが調整される。
各ステージ(レーザ基板34、レンズ基板38、プリズム基板42)の方向および位置の調整が終了すると、対物レンズ16が所定の位置に配置され、レーザ光照射装置14から溶液試料11へレーザ光の照射が開始される。
レーザ光の照射は、上述のように、制御部20からレーザ光照射装置14の図示しない光源制御手段にレーザ光の照射の指示が出され、図示しない光源制御手段から、各レーザ素子32に駆動電圧が印加されて、各レーザ素子42からレーザ光が発振されることで行われる。発振された複数のレーザ光は上述のように溶液試料11の集光点Pに集光され、この複数のレーザ光の合成されたエネルギーが溶液試料11の、試料背面11aの集光点P近傍に存在する測定対象試料に付着された蛍光色素が励起され、励起光が対物レンズ16に入射する。
制御部20は、溶液試料11への各レーザ素子32からのレーザの発振のタイミングに応じて、所定のタイミングで撮影装置18の図示しないI・I・CCDの電子シャッタを制御して試料界面11a近傍で発生する蛍光を撮影する。上述のように、蛍光が発生している時間(蛍光緩和時間)は、溶媒のラマン光などのバックグラウンド光が生じている時間(これらバックグラウンド光が対物レンズ16に入射している時間)に比べて長い。レーザ素子32からそれぞれ発振されるレーザ光のパルス幅をこの蛍光緩和時間より短くし、レーザ光の発振から蛍光緩和時間の間(数ナノ〜数百ナノsec)に、撮影装置18によってこの蛍光を撮影することで、バックグラウンド光ノイズを更に除去したより鮮明な蛍光の画像を得ることが可能である。
各レーザ素子32から発振されるレーザ光は、集光点Pにおいて必要な時間分解精度に応じた所定の時間内で蛍光色素が励起されるよう、レーザ光の出力およびレーザ光のパルス幅が調整されている。レーザ素子32は面発光レーザ基板であり、上記蛍光色素の種類(測定対象物の種類)や必要な時間分解能に応じて、出力や発振周波数が任意に変更可能となっている。
なお、本発明のレーザ光照射装置を用いた蛍光分析装置をしては、上述の時間分解測定に限定されるものではなく、レーザ光照射装置14から照射されるレーザ光は短パルス光に限定されず連続発振光でもよい。
なお、本実施形態では、レーザ素子32として面発光レーザ素子を用いた。本発明のレーザ光照射装置では、基板上に配置された同じ光強度および同じ波長で発振する半導体レーザ光照射器の対を有し、光学系によって各半導体レーザ光照射器の各レーザ光の照射方向がそれぞれ規制されて、この半導体レーザ光照射器の対を結ぶ線分の中心位置を通る垂線上の同じ位置に集光させていればよく、半導体レーザ光照射器および光学系の構成は特に限定されない。半導体レーザ光照射器としては、例えばストライプ型半導体素子であってもよい。また、半導体レーザ光照射器と光学系が一体となった各種レーザモジュールを基板上に配置してもよい。
本実施形態のレーザ光照射装置では、このように、所定の光学系で制御された複数のレーザ光を所定の集光点に集光させることで、この集光点に集中して高いエネルギーを照射することが可能である。本実施形態では、本発明のレーザ光照射装置の利用形態の一例として、時間分解蛍光分析装置における高出力レーザの照射装置について述べた。本発明のレーザ光照射装置の利用形態はこれに限定されず、プラズマのLIF診断や、レーザレーダのような高エネルギーを必要とする種々のアプリケーションに応用することができる。
以上、本発明のレーザ光照射装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明のレーザ光照射装置を備えて構成される、蛍光の観察装置の構成を示す概略図である。 本発明のレーザ光照射装置の一例の構成の概略を示す図である。 本発明のレーザ光照射装置における、レーザ基板に配置された面発光レーザ素子について説明する図である。 本発明のレーザ光照射装置における、レーザ基板の面発光レーザ素子の配置について説明する図である。 本発明のレーザ光照射装置を備えて構成される、蛍光の観察装置を用いて行われる蛍光の観察の原理について説明する図である。 従来のレーザ光照射装置の一例の概略を示す平面図である。 図6に示すレーザ光照射装置の動作について説明する概略図である。
符号の説明
10 装置
11 溶液試料
12 ステージ
14、70 レーザ光照射装置
16 対物レンズ
18 撮影装置
20 制御部
22 ガラス基板
22a 試料配置面
24 プリズム
32 面発光レーザ素子
34 レーザ基板
36 レンズ
38 レンズ基板
40 プリズム
42 プリズム基板
44 光源制御手段
72 面発光LD
72a、72b レーザ光

Claims (4)

  1. レーザ基板と、
    前記レーザ基板上に同一円周上に配置され、互いに同じ光強度および同じ波長のレーザ光をそれぞれ前記レーザ基板に対して垂直な方向に発する複数のレーザ素子と、
    前記レーザ基板と平行に配置されたレンズ基板と、
    前記レンズ基板上で且つ前記複数のレーザ素子に対応する位置にそれぞれ配置されると共に対応するレーザ素子から発せられたレーザ光を平行光とする複数のレンズと、
    前記レンズ基板と平行に配置されたプリズム基板と、
    前記プリズム基板上で且つ前記複数のレンズに対応する位置にそれぞれ配置されると共に対応するレンズを透過したレーザ光の光軸を屈曲させることにより前記複数のレーザ素子から発せられたレーザ光を前記同一円周の中心を通る前記レーザ基板の垂線上の集光点に集光させる複数のプリズムと、
    前記垂線の方向における前記レーザ基板、前記レンズ基板および前記プリズム基板の位置をそれぞれ調整することで前記集光点の位置を前記垂線に沿って調整する調整機構と
    を有することを特徴とするレーザ光照射装置。
  2. 前記複数のレーザ素子は、それぞれ面発光レーザ素子であることを特徴とする請求項に記載のレーザ光照射装置。
  3. 透明基板からなり且つ上面の所定位置に試料が載置されるステージと、
    前記レーザ基板の前記垂線が前記試料を通るように前記ステージの下方に配置されると共に上方に向けてレーザ光を照射する請求項1または2に記載のレーザ光照射装置と、
    前記ステージの上方に配置され且つ前記試料に対向する受光面を有すると共に前記レーザ光の照射により前記試料から発せられた蛍光を前記受光面で受ける対物レンズと、
    前記対物レンズによって導かれた蛍光を撮影する撮影装置と
    を備え、前記レーザ光照射装置の前記調整機構により前記集光点が前記試料に位置するように調整し、レーザ光を前記ステージの下面から上面に透過させて前記試料に照射することを特徴とする蛍光観察装置。
  4. 前記レーザ光照射装置は、前記複数のレーザ素子のそれぞれから発せられるレーザ光の光軸が前記対物レンズの受光面を通過しないようにこれらレーザ光を前記試料に照射する請求項3に記載の蛍光観察装置。
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