JP4698766B2 - 蛍光検出装置および蛍光検出方法 - Google Patents
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Description
本発明は、測定対象物にレーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を受光し、この蛍光から得られる蛍光信号の信号処理を行う蛍光検出装置および蛍光検出方法に関する。
医療、生物分野で用いられるフローサイトメータは、光を照射することにより測定対象物の発する光を受光して、測定対象物の種類を特定し、分析する装置である。
具体的には、フローサイトメータは、細胞、DNA、RNA、酵素、蛋白等の生体物質を含む混濁液を蛍光試薬でラベル化し、圧力を与えて毎秒10m以内程度の速度で管路内を流れるシース液に測定対象物を流してラミナーシースフローを形成する。このフロー中の測定対象物にレーザ光を照射することにより、測定対象物に付着した蛍光色素が発する蛍光を受光し、この蛍光をラベルとして識別することで測定対象物を特定する。
具体的には、フローサイトメータは、細胞、DNA、RNA、酵素、蛋白等の生体物質を含む混濁液を蛍光試薬でラベル化し、圧力を与えて毎秒10m以内程度の速度で管路内を流れるシース液に測定対象物を流してラミナーシースフローを形成する。このフロー中の測定対象物にレーザ光を照射することにより、測定対象物に付着した蛍光色素が発する蛍光を受光し、この蛍光をラベルとして識別することで測定対象物を特定する。
このフローサイトメータでは、例えば、細胞内のDNA、RNA、酵素、蛋白質等の細胞内相対量を計測し、またこれらの働きを短時間で解析することができる。特に、医療分野において、蛋白質同士の相互作用に関する研究が盛んに行われ、FRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer:蛍光共鳴エネルギー移動)が効率よく利用されている。FRETは、レーザ光の照射によって励起された第1分子のエネルギーが第2分子を励起することにより、第1分子のエネルギーが第2分子のエネルギーに移動することをいう。
下記特許文献1には、蛍光検出情報の不確定要素を除外して、定量的にFRET効率を測定することを可能とする検出方法および装置が記載されている。
当該検出方法及び装置は、レーザ光の強度を所定の周波数で時間変調して測定対象サンプルについて照射し、このときの測定対象サンプルの蛍光を複数の検出センサで受光することにより、測定対象サンプルの蛍光の蛍光強度情報および位相情報を含む検出値を収集する。
当該検出方法及び装置は、レーザ光の強度を所定の周波数で時間変調して測定対象サンプルについて照射し、このときの測定対象サンプルの蛍光を複数の検出センサで受光することにより、測定対象サンプルの蛍光の蛍光強度情報および位相情報を含む検出値を収集する。
しかし、上記公報に記載される検出方法および装置では、測定対象サンプルが発する蛍光の蛍光強度のダイナミックレンジが広いので、蛍光を受光する受光素子の出力が飽和状態となり、蛍光の位相情報が得られない場合がある。
一方、光電子増倍管(PMT)の場合、加速電圧を制御してゲイン調整をすることにより、一般に受光素子の出力の飽和を防止することができる。しかし、このゲイン調整は、PMT内部で電子を加速させる加速電圧を制御し、電子走行時間が変化するため、蛍光の位相情報が正しく得られないといった問題がある。このため、較正用のテーブルを用意しておくといった煩雑さがある。
このような受光素子の出力の飽和の問題は、FRETを用いた蛍光検出に限られない。
一方、光電子増倍管(PMT)の場合、加速電圧を制御してゲイン調整をすることにより、一般に受光素子の出力の飽和を防止することができる。しかし、このゲイン調整は、PMT内部で電子を加速させる加速電圧を制御し、電子走行時間が変化するため、蛍光の位相情報が正しく得られないといった問題がある。このため、較正用のテーブルを用意しておくといった煩雑さがある。
このような受光素子の出力の飽和の問題は、FRETを用いた蛍光検出に限られない。
また、PMTやアバランシェフォトダイオード等の素子の受光面の前面に減光フィルタを設け、求められる蛍光強度に応じて減光フィルタを用いて機械的に光強度を調整することにより、受光素子の出力の飽和を防止することができる。しかし、この方法は、レーザ光の照射される測定位置を測定対象サンプルが通過する数10m秒等の短時間内に調整することは難しい。
そこで、本発明は、測定位置にある測定対象物にレーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を受光し、この蛍光から得られる蛍光信号の信号処理を行う蛍光検出装置および蛍光検出方法において、従来と異なる方法により、受光部の出力の飽和を改善することを目的とする。
上記目的は、測定位置を通過する測定対象物にレーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を受光し、この蛍光から得られる蛍光信号の信号処理を行う、フローサイトメータに用いる以下の蛍光検出装置により達成される。
すなわち、蛍光検出装置は、
(A)測定対象物に照射するレーザ光を出射するレーザ光源部と、
(B)レーザ光の照射された測定対象物から発する蛍光の蛍光信号を出力する受光部と、
(C)前記レーザ光源部から出射するレーザ光の強度を時間変調させるために、所定の周波数の変調信号を生成する光源制御部と、
(D)時間変調したレーザ光を測定対照物に照射することにより前記受光部で出力され、増幅された蛍光信号から、前記変調信号を用いて測定対象物の蛍光の蛍光緩和時間を算出し、さらに、前記蛍光信号から蛍光強度を算出する処理部と、を有し、
(E)前記受光部は、前記測定対象物の測定位置と蛍光の受光面との間に、蛍光を集光するレンズを有し、さらに、前記受光部は、前記レンズを通過した前記蛍光について、均一な光強度の分布を有する光束を形成させる手段と、この手段により形成された蛍光の前記光束を、複数の領域に分けて別々に受光する受光素子と、前記複数の領域毎に別々に分けて得られる部分蛍光信号を加算して1つの蛍光信号を出力する信号加算器と、前記部分蛍光信号を前記信号加算器に供給するか否かを行うスイッチング回路と、を有し、
(F)前記スイッチング回路は、前記複数の領域毎に設けられ、
(G)前記処理部は、前記蛍光強度が所定の閾値を越える場合、前記スイッチング回路による前記部分蛍光信号の前記信号加算器への供給数を制限する。
すなわち、蛍光検出装置は、
(A)測定対象物に照射するレーザ光を出射するレーザ光源部と、
(B)レーザ光の照射された測定対象物から発する蛍光の蛍光信号を出力する受光部と、
(C)前記レーザ光源部から出射するレーザ光の強度を時間変調させるために、所定の周波数の変調信号を生成する光源制御部と、
(D)時間変調したレーザ光を測定対照物に照射することにより前記受光部で出力され、増幅された蛍光信号から、前記変調信号を用いて測定対象物の蛍光の蛍光緩和時間を算出し、さらに、前記蛍光信号から蛍光強度を算出する処理部と、を有し、
(E)前記受光部は、前記測定対象物の測定位置と蛍光の受光面との間に、蛍光を集光するレンズを有し、さらに、前記受光部は、前記レンズを通過した前記蛍光について、均一な光強度の分布を有する光束を形成させる手段と、この手段により形成された蛍光の前記光束を、複数の領域に分けて別々に受光する受光素子と、前記複数の領域毎に別々に分けて得られる部分蛍光信号を加算して1つの蛍光信号を出力する信号加算器と、前記部分蛍光信号を前記信号加算器に供給するか否かを行うスイッチング回路と、を有し、
(F)前記スイッチング回路は、前記複数の領域毎に設けられ、
(G)前記処理部は、前記蛍光強度が所定の閾値を越える場合、前記スイッチング回路による前記部分蛍光信号の前記信号加算器への供給数を制限する。
前記処理部は、前記蛍光強度が所定の閾値を越える場合、前記スイッチング回路による前記部分蛍光信号の前記信号加算器への供給数を制限するとともに、前記供給数が制限されない場合に比べて大きな係数を用いて前記蛍光強度の値を補正することが好ましい。
前記受光部には、前記部分蛍光信号が前記スイッチング回路に供給される前に、前記複数の領域毎に前記部分蛍光信号をゲイン調整するゲイン調整器が設けられ、前記部分蛍光信号のゲインが揃えられていることが好ましい。
前記受光部には、前記部分蛍光信号が前記スイッチング回路に供給される前に、前記複数の領域毎に前記部分蛍光信号をゲイン調整するゲイン調整器が設けられ、前記部分蛍光信号のゲインが揃えられていることが好ましい。
前記受光部は、前記レンズと前記受光面の間に、拡散板を備え、前記レンズにより前記蛍光を前記拡散板上で結像させる構成であることが好ましい。
前記受光部は、前記レンズと前記受光面の間に、入射した蛍光を壁面で反射させる、前記レンズの光軸に平行に設けられた筒状の光導波管を備える構成であることも同様に好ましい。
あるいは、前記受光部の前記レンズは、集光した蛍光を略平行光とすることにより、均一な光強度の分布を有する光束を持つ蛍光を形成する、ことも同様に好ましい。
前記受光部は、前記レンズと前記受光面の間に、入射した蛍光を壁面で反射させる、前記レンズの光軸に平行に設けられた筒状の光導波管を備える構成であることも同様に好ましい。
あるいは、前記受光部の前記レンズは、集光した蛍光を略平行光とすることにより、均一な光強度の分布を有する光束を持つ蛍光を形成する、ことも同様に好ましい。
さらに、上記目的は、測定位置を通過する測定対象物にレーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を受光し、この蛍光から得られる蛍光信号の信号処理を行う、フローサイトメータで行う蛍光検出方法により、達成される。
すなわち、蛍光検出方法は、
(H)測定対象物に照射するレーザ光の強度を所定の周波数の変調信号で時間変調させて測定対象物に照射するステップと、
(I)測定対象物にレーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を、光強度の分布が均一な光束とし、前記蛍光の光束を、複数の領域に分けて受光することにより、複数の部分蛍光信号を生成するステップと、
(J)前記複数の部分蛍光信号の少なくとも一部を加算して1つの蛍光信号を生成するステップと、
(K)生成した前記蛍光信号を増幅し、増幅した前記蛍光信号から、前記変調信号を用いて測定対象物の蛍光の蛍光緩和時間を算出するステップと、
(L)前記蛍光信号から算出される測定対象物の蛍光の蛍光強度が所定の閾値を越える場合、前記部分蛍光信号の加算数を制限し、前記供給数が制限されない場合に比べて大きな係数を用いて前記蛍光強度の値を補正するステップと、を有する。
すなわち、蛍光検出方法は、
(H)測定対象物に照射するレーザ光の強度を所定の周波数の変調信号で時間変調させて測定対象物に照射するステップと、
(I)測定対象物にレーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を、光強度の分布が均一な光束とし、前記蛍光の光束を、複数の領域に分けて受光することにより、複数の部分蛍光信号を生成するステップと、
(J)前記複数の部分蛍光信号の少なくとも一部を加算して1つの蛍光信号を生成するステップと、
(K)生成した前記蛍光信号を増幅し、増幅した前記蛍光信号から、前記変調信号を用いて測定対象物の蛍光の蛍光緩和時間を算出するステップと、
(L)前記蛍光信号から算出される測定対象物の蛍光の蛍光強度が所定の閾値を越える場合、前記部分蛍光信号の加算数を制限し、前記供給数が制限されない場合に比べて大きな係数を用いて前記蛍光強度の値を補正するステップと、を有する。
上述の蛍光検出装置および蛍光検出方法では、レンズを通過した蛍光を、均一な光強度の分布を有する光束にした後、蛍光の光束を、複数の領域に分けて複数の領域で別々に受光する。上述の蛍光検出装置および蛍光検出方法は、均一な光強度の分布を持つ蛍光を、複数の受光面に分散させて受光するので、受光部における受光素子の出力の飽和を改善することができる。
また、スイッチング回路が用いられる場合、最初、スイッチング回路の全てをオン動作させたときに出力される蛍光強度が所定の閾値を越える場合、スイッチング回路の一部をオフに切り替えることができる。このため、処理部内での信号レベルをスイッチング回路にて自在に抑制することができるので、処理部内で処理可能な蛍光強度のダイナミックレンジを従来よりも大きく取ることができ、広いダイナミックレンジで蛍光緩和時間を算出することができる。
また、スイッチング回路が用いられる場合、最初、スイッチング回路の全てをオン動作させたときに出力される蛍光強度が所定の閾値を越える場合、スイッチング回路の一部をオフに切り替えることができる。このため、処理部内での信号レベルをスイッチング回路にて自在に抑制することができるので、処理部内で処理可能な蛍光強度のダイナミックレンジを従来よりも大きく取ることができ、広いダイナミックレンジで蛍光緩和時間を算出することができる。
以下、本発明の蛍光検出装置および蛍光検出方法を、添付図面に示された実施形態に基づいて説明する。
(実施形態)
図1は、蛍光検出装置を用いたフローサイトメータ10の概略構成図である。フローサイトメータ10は、信号処理装置20と分析装置(コンピュータ)80とを有する。信号処理装置20は、測定対象とする蛍光染色された蛍光蛋白質等の試料12が蛍光検出のための測定位置を通過するとき、レーザ光の照射を受けて試料12中の蛍光色素が発する蛍光の蛍光信号を検出して信号処理をする。分析装置80は、信号処理装置20で得られた処理結果から試料12中の測定対象物の蛍光緩和時間の算出および測定対象物の分析を行なう。
図1は、蛍光検出装置を用いたフローサイトメータ10の概略構成図である。フローサイトメータ10は、信号処理装置20と分析装置(コンピュータ)80とを有する。信号処理装置20は、測定対象とする蛍光染色された蛍光蛋白質等の試料12が蛍光検出のための測定位置を通過するとき、レーザ光の照射を受けて試料12中の蛍光色素が発する蛍光の蛍光信号を検出して信号処理をする。分析装置80は、信号処理装置20で得られた処理結果から試料12中の測定対象物の蛍光緩和時間の算出および測定対象物の分析を行なう。
信号処理装置20は、レーザ光源部22と、受光部24、26と、制御・処理部28と、管路30とを有する。
制御・処理部28は、レーザ光源部22からのレーザ光を所定の周波数で強度変調させる制御部、及び試料12からの蛍光信号を処理する信号処理部を含む。管路30は、高速流を形成するシース液に含ませて試料12を流してラミナーシースフローを形成する。
管路30の出口には、回収容器32が設けられている。フローサイトメータ10には、レーザ光の照射により短時間内に試料12が特定の試料か否かを見つけ出し、他の試料から分離するためのセル・ソータを配置して別々の回収容器に分離するように構成することもできる。
制御・処理部28は、レーザ光源部22からのレーザ光を所定の周波数で強度変調させる制御部、及び試料12からの蛍光信号を処理する信号処理部を含む。管路30は、高速流を形成するシース液に含ませて試料12を流してラミナーシースフローを形成する。
管路30の出口には、回収容器32が設けられている。フローサイトメータ10には、レーザ光の照射により短時間内に試料12が特定の試料か否かを見つけ出し、他の試料から分離するためのセル・ソータを配置して別々の回収容器に分離するように構成することもできる。
レーザ光源部22は、所定の波長のレーザ光を出射する。レーザ光が管路30中の所定の位置に集束するようにレンズが設けられ、この集束位置が試料12の蛍光を調べる測定位置となる。
図2は、レーザ光源部22の構成の一例を示す図である。
レーザ光源部22は、レーザ光源22aと、レンズ22bと、レーザドライバ22cとを有する。
レーザ光源22aは、350nm〜800nmの可視光帯域内の所定の波長を有し、強度変調したレーザ光を出射する。レーザ光源22aは、例えば、赤色のレーザ光を強度が一定のCW(連続波)レーザ光として出射し、かつこのCWレーザ光の強度を所定の周波数で変調しながら出射する。あるいは、緑色のレーザ光を強度が一定のCWレーザ光として出射し、かつこのCWレーザ光の強度を所定の周波数で変調しながら出射する。あるいは、例えば、青色のレーザ光を、強度が一定のCWレーザ光として出射し、かつこのCWレーザ光の強度を所定の周波数で変調しながら出射する。
レンズ22bは、レーザ光を管路30中の測定位置に集束させる。レーザ光は、直径数10μm程度のビームとして試料12に照射する。レーザドライバ22cは、制御・処理部28から供給された信号を用いてレーザ光源22aを駆動する信号を生成する。
レーザ光源部22は、レーザ光源22aと、レンズ22bと、レーザドライバ22cとを有する。
レーザ光源22aは、350nm〜800nmの可視光帯域内の所定の波長を有し、強度変調したレーザ光を出射する。レーザ光源22aは、例えば、赤色のレーザ光を強度が一定のCW(連続波)レーザ光として出射し、かつこのCWレーザ光の強度を所定の周波数で変調しながら出射する。あるいは、緑色のレーザ光を強度が一定のCWレーザ光として出射し、かつこのCWレーザ光の強度を所定の周波数で変調しながら出射する。あるいは、例えば、青色のレーザ光を、強度が一定のCWレーザ光として出射し、かつこのCWレーザ光の強度を所定の周波数で変調しながら出射する。
レンズ22bは、レーザ光を管路30中の測定位置に集束させる。レーザ光は、直径数10μm程度のビームとして試料12に照射する。レーザドライバ22cは、制御・処理部28から供給された信号を用いてレーザ光源22aを駆動する信号を生成する。
レーザ光源22aとして例えば半導体レーザが用いられる。レーザ光は、例えば5〜100mW程度の出力である。一方、レーザ光の強度を変調する周波数(変調周波数)は、その周期が試料12の蛍光色素の蛍光緩和時間に比べてやや長い、例えば10〜50MHzである。
レーザ光源22aは、レーザ光が蛍光色素を励起して特定の波長帯域の蛍光を発するように、予め定められた波長帯域で発振する。レーザ光によって励起される蛍光色素は測定しようとする試料12に付着されており、試料12が測定対象物として管路30の測定位置を通過する際、測定位置でレーザ光の照射を受けて特定の波長で蛍光を発する。
受光部24は、管路30を挟んでレーザ光源部22と対向するように配置されており、測定位置を通過する試料12によってレーザ光が前方散乱することにより、試料12が測定位置を通過する旨の検出信号を出力する光電変換器を備える。この受光部24から出力される信号は、制御・処理部28に供給され、制御・処理部28において試料12が管路30中の測定位置を通過するタイミングを知らせるトリガ信号として用いられる。
一方、受光部26は、レーザ光源部22から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直な、測定位置を通る平面と、管路30中の試料12の流れ方向に対して垂直な、測定位置を通る平面との交線上の位置に配置されており、測定位置において試料12が発する蛍光を受光する光電子増倍管を備える。
図3は、受光部26の一例の概略の構成を示す構成図である。図3に示す受光部26は、レンズ26aと、拡散板26bと、バンドパスフィルタ26cと、PMT(光電子増倍管)26d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器26e1〜en(nは、1以上の整数)と、スイッチング回路26f1〜fn(nは、1以上の整数)と、信号加算回路(パワー・コンバイナ)26gと、レンズアレイ26h1〜hn(nは、1以上の整数)とを有する。
レンズ26aは、試料12が発する蛍光を集光するレンズである。
拡散板26bは、レンズ26により拡散板26bの面で結像した蛍光を拡散する板部材である。拡散板26bは、透明基板に入射した光が乱反射するように、表面が凹凸状に形成されたシート状のものや、透明基板中に乱反射を引き起こす微粒子等を分散させたシート状のものが用いられる。拡散板26bに入射した蛍光は、均一な光強度の分布を持った拡散光となって拡散板26bから出射する。
拡散板26bは、レンズ26により拡散板26bの面で結像した蛍光を拡散する板部材である。拡散板26bは、透明基板に入射した光が乱反射するように、表面が凹凸状に形成されたシート状のものや、透明基板中に乱反射を引き起こす微粒子等を分散させたシート状のものが用いられる。拡散板26bに入射した蛍光は、均一な光強度の分布を持った拡散光となって拡散板26bから出射する。
バンドパスフィルタ26cは、PMT26d1〜dnの受光面の前面に設けられ、所定の波長帯域の蛍光のみが透過するフィルタバンクである。透過する蛍光の波長帯域は、蛍光の波長帯域に対応して設定されている。
レンズアレイ26h1〜hnは、バンドパスフィルタ26cを通過した蛍光の光束のうち、後述する複数のPMT26d1〜dnの受光面の間隙や仕切部に位置する部分も効率よく受光されるように集光する。また、PMT26d1〜dnの仕切部に入射した蛍光によって仕切部内を電子が走り、走行時間の長い電子に基づいた不要な蛍光信号が生成される。したがって、レンズアレイ26h1〜hnは、PMT26d1〜dnの受光面に対応し、仕切部に蛍光が入射しないように、間隔や大きさが設定されている。
レンズアレイ26h1〜hnは、バンドパスフィルタ26cを通過した蛍光の光束のうち、後述する複数のPMT26d1〜dnの受光面の間隙や仕切部に位置する部分も効率よく受光されるように集光する。また、PMT26d1〜dnの仕切部に入射した蛍光によって仕切部内を電子が走り、走行時間の長い電子に基づいた不要な蛍光信号が生成される。したがって、レンズアレイ26h1〜hnは、PMT26d1〜dnの受光面に対応し、仕切部に蛍光が入射しないように、間隔や大きさが設定されている。
PMT26d1〜dnは、蛍光の蛍光信号を出力する部分で、蛍光の光束を、複数の領域に分けて複数の領域で別々に受光する。PMT26d1〜dnは、PMTを複数個束ねて形成されたものであるが、多チャンネルPMTを用いてもよい。受光部26では、PMTの替わりにアバランシェフォトダイオードを用いてもよい。
ゲイン調整器26e1〜enは、電流−電圧変換部と電圧調整部とを有する。電流−電圧変換部は、PMT26d1〜dnの出力は電流であるので、信号の加算処理を可能とするために電流を電圧に変換する。電圧調整部は、電圧増幅アンプの増幅率あるいは可変抵抗器の抵抗値の調整により電圧を調整する。これにより、一定の光強度の分布の光が入射しても、同じ電圧で蛍光信号が出力するようにゲイン調整される。すなわち、各領域の蛍光信号がスイッチング回路26f1〜fnに供給される前に、領域毎にゲインが調整されて揃えられている。各領域の蛍光信号(以降、部分蛍光信号という)のゲインを調整し領域間でゲインを揃えるのは、後述するように、スイッチング回路26f1〜fnにより部分蛍光信号の加算数を制御するからである。
ゲイン調整器26e1〜enは、電流−電圧変換部と電圧調整部とを有する。電流−電圧変換部は、PMT26d1〜dnの出力は電流であるので、信号の加算処理を可能とするために電流を電圧に変換する。電圧調整部は、電圧増幅アンプの増幅率あるいは可変抵抗器の抵抗値の調整により電圧を調整する。これにより、一定の光強度の分布の光が入射しても、同じ電圧で蛍光信号が出力するようにゲイン調整される。すなわち、各領域の蛍光信号がスイッチング回路26f1〜fnに供給される前に、領域毎にゲインが調整されて揃えられている。各領域の蛍光信号(以降、部分蛍光信号という)のゲインを調整し領域間でゲインを揃えるのは、後述するように、スイッチング回路26f1〜fnにより部分蛍光信号の加算数を制御するからである。
スイッチング回路26f1〜fnは、電圧信号となった部分蛍光信号を後述する信号加算回路26gへ供給するか否かの制御のために、各領域の部分蛍光信号の供給のオン/オフ動作を行う。このオン/オフ動作は、後述する分析装置80の信号制御部80dからの制御信号によって制御される。これにより、信号加算回路26gへ供給する部分蛍光信号数を制限することができる。
信号加算回路26gは、スイッチング回路26f1〜fnを介して供給された部分蛍光信号を加算して、1つの蛍光信号とする。すなわち、複数の領域のうち、スイッチング回路26f1〜fnを介して供給された部分蛍光信号が加算されて1つの蛍光信号が出力される。
信号加算回路26gは、スイッチング回路26f1〜fnを介して供給された部分蛍光信号を加算して、1つの蛍光信号とする。すなわち、複数の領域のうち、スイッチング回路26f1〜fnを介して供給された部分蛍光信号が加算されて1つの蛍光信号が出力される。
スイッチング回路26f1〜fnのオン/オフ動作の制御信号は、分析装置80において生成される。具体的には、分析装置80において算出される蛍光強度が所定の閾値を越える場合、スイッチング回路26f1〜fnに対して部分蛍光信号の信号加算回路26gへの供給数を制限するように制御信号を生成する。スイッチング回路26f1〜fnのうち、どの位置のスイッチング回路をONにするか、については、特に制限されない。蛍光信号は、拡散板26bによって均一な光強度の拡散光となってPMT26d1〜dnで受光されて得られた信号であり、しかも、各領域の部分蛍光信号のゲインが揃うように調整された信号であるからである。
信号加算回路26gで生成された1つの蛍光信号は、制御・処理部28の信号処理部42内のアンプ54に供給される。
なお、本実施形態では、ゲイン調整器26e1〜enおよびスイッチング回路26f1〜fnを設けるが、均一な光強度の光束を持った光を受光したPMT26d1〜dnが出力する各電流が揃っている場合、ゲイン調整器26e1〜enを省略し、スイッチング回路を通して各電流を選択的に加算した後、電圧に変換する構成を用いることもできる。電流の加算は、スイッチング回路を用いるだけなので簡素な構成とすることができる。
また、本実施形態では、スイッチング回路26f1〜fnのオン/オフ動作は、分析装置80の信号制御部80dからの制御信号によって制御される。しかし、フローサイトメータ10の操作者が、蛍光強度の算出結果の出力を参照しながら、マニュアル入力により、スイッチング回路26f1〜fnの中でオンあるいはオフにするスイッチング回路を設定してもよい。
信号加算回路26gで生成された1つの蛍光信号は、制御・処理部28の信号処理部42内のアンプ54に供給される。
なお、本実施形態では、ゲイン調整器26e1〜enおよびスイッチング回路26f1〜fnを設けるが、均一な光強度の光束を持った光を受光したPMT26d1〜dnが出力する各電流が揃っている場合、ゲイン調整器26e1〜enを省略し、スイッチング回路を通して各電流を選択的に加算した後、電圧に変換する構成を用いることもできる。電流の加算は、スイッチング回路を用いるだけなので簡素な構成とすることができる。
また、本実施形態では、スイッチング回路26f1〜fnのオン/オフ動作は、分析装置80の信号制御部80dからの制御信号によって制御される。しかし、フローサイトメータ10の操作者が、蛍光強度の算出結果の出力を参照しながら、マニュアル入力により、スイッチング回路26f1〜fnの中でオンあるいはオフにするスイッチング回路を設定してもよい。
制御・処理部28は、図4に示すように、信号生成部40と、信号処理部42と、コントローラ44と、を有する。信号生成部40及びコントローラ44は、所定の周波数の変調信号を生成する光源制御部を形成する。
信号生成部40は、レーザ光の強度を所定の周波数で変調(振幅変調)するための変調信号を生成する部分である。具体的には、信号生成部40は、発振器46、パワースプリッタ48及びアンプ50,52を有し、生成される変調信号を、アンプ50を介してレーザ光源部22のレーザドライバ22cに供給するとともに、アンプ52を介して信号処理部42に供給する。信号処理部42に変調信号を供給するのは、後述するように、信号加算回路26gから出力される蛍光信号を検波するための参照信号として用いるためである。なお、変調信号は、所定の周波数の正弦波信号であり、10〜50MHzの範囲の周波数に設定される。
信号生成部40は、レーザ光の強度を所定の周波数で変調(振幅変調)するための変調信号を生成する部分である。具体的には、信号生成部40は、発振器46、パワースプリッタ48及びアンプ50,52を有し、生成される変調信号を、アンプ50を介してレーザ光源部22のレーザドライバ22cに供給するとともに、アンプ52を介して信号処理部42に供給する。信号処理部42に変調信号を供給するのは、後述するように、信号加算回路26gから出力される蛍光信号を検波するための参照信号として用いるためである。なお、変調信号は、所定の周波数の正弦波信号であり、10〜50MHzの範囲の周波数に設定される。
信号処理部42は、信号加算回路26gから出力される蛍光信号を用いて、レーザ光の照射により試料12が発する蛍光の位相遅れに関する情報を抽出する部分である。信号処理部42は、アンプ54と、IQミキサ58と、ローパスフィルタ60と、アンプ62と、を有する。アンプ54は、信号加算回路26gから出力される蛍光信号を増幅する。IQミキサ58は、増幅された蛍光信号を信号生成部40から供給された正弦波信号である変調信号を受け、この変調信号を参照信号として増幅された蛍光信号と合成する。ローパスフィルタ60は、IQミキサ58で処理された結果をフィルタリングして、直流成分を含む低周波成分を取り出す。アンプ62は、低周波成分の信号を増幅する。
IQミキサ58は、信号加算回路26gから供給される蛍光信号を、信号生成部40から供給される変調信号を参照信号として合成する装置である。具体的には、IQミキサ58は、参照信号を蛍光信号(RF信号)と乗算して、蛍光信号のcos成分と高周波成分を含む処理信号を生成するとともに、参照信号の位相を90度シフトさせた信号を蛍光信号と乗算して、蛍光信号のsin成分と高周波成分を含む処理信号を生成する。このcos成分を含む処理信号及びsin成分を含む処理信号は、ローパスフィルタ50に供給される。ローパスフィルタ50では、上記処理信号から蛍光信号のcos成分とsin成分が取り出され、この蛍光信号のcos成分(以降、Re成分データという)とsin成分(以降、Im成分データという)がアンプ62で増幅されて、分析装置80に供給される。
コントローラ44は、信号生成部40に所定の周波数の正弦波信号を生成させるように制御するとともに、受光部24から供給された検出信号を用いて、試料12の処理開始のトリガ信号を生成し、IQミキサ58に出力する。これにより、IQミキサ58は、試料12の測定位置のタイミングを知り、蛍光信号の処理を開始する。
分析装置80は、供給されたRe成分データ(蛍光信号のcos成分)およびIm成分データ(蛍光信号のsin成分)を用いて蛍光の位相遅れθおよび蛍光強度の値を求める。さらに、分析装置80は、この蛍光強度の値が予め設定された範囲からはずれるとき、スイッチング回路26f1〜fnにより、信号加算回路26gへ供給する部分蛍光信号の数を制限する制御信号を生成し、スイッチング回路26f1〜fnへ供給する。
図5は、分析装置80の概略の構成を示す図である。分析装置80は、蛍光強度信号生成部80aと、蛍光強度算出部80bと、位相遅れ算出部80cと、信号制御部80dと、蛍光緩和時間算出部80eとを有する。これらの各部分は、コンピュータが実行可能なプログラムを実行することで形成されるモジュールである。すなわち、分析装置80は、コンピュータ上で、ソフトウェアを起動することにより各機能が生成される。分析装置80には、この他に、AD変換器80fを備える。
蛍光強度信号生成部80aは、アンプ62から供給され、AD変換器80fでデジタル信号とされたRe成分データとIm成分データとを二乗加算して平方根を求めることにより、蛍光強度信号を算出する部分である。算出された蛍光強度信号は蛍光強度算出部80bに送られる。なお、蛍光強度信号は、試料12がレーザ光の測定点を通過する期間に連続して供給されるRe成分データとIm成分データを用いて算出される時系列データである。
蛍光強度算出部80bは、蛍光強度信号生成部80aから出力される時系列データの蛍光強度信号から、試料12が測定位置を通過する期間中の蛍光強度の値を求める。上述したスイッチング回路26f1〜fnのオン動作の数が制限されている場合、蛍光強度算出部80bは、このオン動作の数の情報を用いて、蛍光強度の値を求める。オン動作の数が制限されている場合、スイッチング回路26f1〜fnがすべてオンの場合に比べて、大きな補正係数の値を用いて蛍光強度の値を求める。求める値は、蛍光強度の各時間毎の値でもよいし、あるいは、測定位置を通過する期間中の1つの積分値でもよい。試料12の測定位置の通過は、受光部24から供給される検出信号により知ることができる。こうして求められた蛍光強度の値は、信号制御部80dに供給される。
位相遅れ算出部80cは、アンプ62から供給され、AD変換器80fでデジタル信号とされて供給されたRe成分データとIm成分データを用いてtan-1(Im/Re)(ImはIm成分データの値、ReはRe成分データの値である)を算出することで、位相遅れθを算出する部分である。算出された位相遅れθは信号制御部80dに供給される。また、蛍光緩和時間算出部80eに供給される。
位相遅れ算出部80cは、アンプ62から供給され、AD変換器80fでデジタル信号とされて供給されたRe成分データとIm成分データを用いてtan-1(Im/Re)(ImはIm成分データの値、ReはRe成分データの値である)を算出することで、位相遅れθを算出する部分である。算出された位相遅れθは信号制御部80dに供給される。また、蛍光緩和時間算出部80eに供給される。
蛍光緩和時間算出部80eは、位相遅れ算出部80cから供給された位相遅れθを用いて、蛍光緩和時間τをτ={1/(2πf)}・tanθに従って求める。蛍光緩和時間τを、上記式に従って求めることができるのは、蛍光は、略1次遅れの緩和応答に従うからである。なお、変調信号の周波数fは、予め固定されている。
信号制御部80dは、蛍光強度算出部80bから供給された蛍光強度の値が、予め設定された範囲に入るか否かを判定し、判定結果に応じて、スイッチング回路26f1〜fnの制御信号を生成する。上記値が予め設定された範囲に入る場合、蛍光強度の算出結果と蛍光緩和時間の算出結果を出力する指示を、蛍光強度算出部80bおよび蛍光緩和時間算出部80eに与える。
すなわち、信号制御部80dは、蛍光強度算出部80bから供給された蛍光強度の値が予め設定された範囲に入らない場合、スイッチング回路26f1〜fnのスイッチオフにする数を求め、これに応じて制御信号を生成する。具体的には、蛍光強度が所定の閾値を越える場合、スイッチング回路26f1〜fnによる部分蛍光信号の信号加算器26gへの供給数を制限する。
すなわち、信号制御部80dは、蛍光強度算出部80bから供給された蛍光強度の値が予め設定された範囲に入らない場合、スイッチング回路26f1〜fnのスイッチオフにする数を求め、これに応じて制御信号を生成する。具体的には、蛍光強度が所定の閾値を越える場合、スイッチング回路26f1〜fnによる部分蛍光信号の信号加算器26gへの供給数を制限する。
信号制御部80dにおける蛍光強度の判定結果に応じて、スイッチング回路26f1〜fnのオン/オフ動作が実行される。算出された蛍光強度、蛍光緩和時間τ、時系列データの蛍光信号および位相遅れのデータが、図示されない出力装置へ出力される。
このようなフローサイトメータ10では、まず、試料12に照射するレーザ光の強度を所定の周波数の変調信号で時間変調させて、測定位置にて試料12に照射する。次に、試料12にレーザ光を照射することにより試料12が発する蛍光を、受光部26は、拡散板26bを用いて光強度の分布が均一な光束とし、この蛍光の光束を、PMT126d1〜dnにおいて、複数の領域に分けて受光する。これにより、複数の領域毎の部分蛍光信号を生成する。信号加算回路26gでは、生成された複数の領域毎の部分蛍光信号の少なくとも一部を加算して1つの蛍光信号を生成する。制御・処理部28および分析装置80では、生成した蛍光信号から、変調信号を用いて試料12の蛍光のRe成分データとIm成分データを取り出し、このRe成分データとIm成分データを用いて、蛍光緩和時間を算出する。そのとき、蛍光信号から算出される試料12の蛍光の蛍光強度が所定の閾値を越える場合、PMT126d1〜dnにて生成される領域毎の部分蛍光信号の加算数を制限する。
以上のように、フローサイトメータ10の受光部26は、レンズ26aと拡散板26bとを備え、受光部26は、レンズ26aを通過した蛍光を、拡散板26bを用いて均一な光強度の分布を有する光束を形成させた後、蛍光の光束を、PMT26d1〜dnにより、複数の領域に分けて複数の領域で別々に受光する。したがって、蛍光を均一な光強度の分布を持つ光として、複数の受光面に分散させて受光させるので、PMT26d1〜dnにおける出力の飽和を改善することができる。
また、最初、スイッチング回路26f1〜fnの全てをオン動作させ、分析装置80で算出される蛍光強度が閾値を越える場合、スイッチング回路26f1〜fnの一部をオフに切り替えることができる。このため、信号処理部42および分析装置80内での信号レベルを自在に抑制することができるので、信号処理部42および分析装置80内で処理可能な蛍光強度のダイナミックレンジを従来よりも大きく取ることができ、広いダイナミックレンジで蛍光緩和時間を算出することができる。受光する蛍光の強度分布は、光束内で均一であるので、スイッチング回路26f1〜fnによりオフにする部分蛍光信号の数の情報だけを得ればよく、どのスイッチング回路26f1〜fnをオフにするかを知る必要はない。
また、最初、スイッチング回路26f1〜fnの全てをオン動作させ、分析装置80で算出される蛍光強度が閾値を越える場合、スイッチング回路26f1〜fnの一部をオフに切り替えることができる。このため、信号処理部42および分析装置80内での信号レベルを自在に抑制することができるので、信号処理部42および分析装置80内で処理可能な蛍光強度のダイナミックレンジを従来よりも大きく取ることができ、広いダイナミックレンジで蛍光緩和時間を算出することができる。受光する蛍光の強度分布は、光束内で均一であるので、スイッチング回路26f1〜fnによりオフにする部分蛍光信号の数の情報だけを得ればよく、どのスイッチング回路26f1〜fnをオフにするかを知る必要はない。
(実施形態の変形例1)
図6は、図3に示す受光部26の変形例である受光部126の構成を示す図である。受光部126は、受光部26と同様に、レーザ光源部22から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直な、測定位置を通る平面と、管路30中の試料12の移動方向に対して垂直な、測定位置を通る平面との交線上に配置されており、測定位置において試料12が発する蛍光を受光する光電子増倍管を備える。
図6は、図3に示す受光部26の変形例である受光部126の構成を示す図である。受光部126は、受光部26と同様に、レーザ光源部22から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直な、測定位置を通る平面と、管路30中の試料12の移動方向に対して垂直な、測定位置を通る平面との交線上に配置されており、測定位置において試料12が発する蛍光を受光する光電子増倍管を備える。
受光部126は、試料12からの蛍光を集光するレンズ126aと、バンドパスフィルタ126cと、光導波管126iと、PMT(光電子増倍管)126d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器126e1〜en(nは、1以上の整数)と、スイッチング回路126f1〜fn(nは、1以上の整数)と、信号加算回路126gと、レンズアレイ126h1〜hn(nは、1以上の整数)とを有する。
レンズ126aと、バンドパスフィルタ126cと、PMT(光電子増倍管)126d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器126e1〜enと、スイッチング回路126f1〜fnと、信号加算回路126gと、レンズアレイ126h1〜hnは、レンズ26aと、バンドパスフィルタ26cと、PMT(光電子増倍管)26d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器26e1〜enと、スイッチング回路26f1〜fnと、信号加算回路26gと、レンズアレイ26h1〜hnと同様の構成及び機能を持つのでその説明は省略する。
レンズ126aと、バンドパスフィルタ126cと、PMT(光電子増倍管)126d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器126e1〜enと、スイッチング回路126f1〜fnと、信号加算回路126gと、レンズアレイ126h1〜hnは、レンズ26aと、バンドパスフィルタ26cと、PMT(光電子増倍管)26d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器26e1〜enと、スイッチング回路26f1〜fnと、信号加算回路26gと、レンズアレイ26h1〜hnと同様の構成及び機能を持つのでその説明は省略する。
光導波管126iは、レンズ126aの結像位置より受光面側に設けられ、蛍光の光束が拡散する状態でバンドパスフィルタ126cを通過した後入射される。光導波管126iは、多角柱(例えば、6角柱)の筒形状を成し、多角柱の壁面は完全反射面となっている。
レンズ126aを通過し、結像位置を通過した蛍光は、その光束を拡散させつつ、光導波管126iの壁面で反射させながら、レンズアレイ26h1〜hnに到達するので、レンズアレイ26h1〜hnに到達したとき、蛍光は、種々の方向に進む均一な光強度の分布を持つ拡散光となる。この均一な光強度の分布を持つ蛍光をレンズアレイ126h1〜hnにて集光し、PMT126d1〜dnに受光させる。光導波管126iは、例えば、エドモンドオプティックス社製のTECSPEC(登録商標)ライトパイプが挙げられる。
レンズ126aを通過し、結像位置を通過した蛍光は、その光束を拡散させつつ、光導波管126iの壁面で反射させながら、レンズアレイ26h1〜hnに到達するので、レンズアレイ26h1〜hnに到達したとき、蛍光は、種々の方向に進む均一な光強度の分布を持つ拡散光となる。この均一な光強度の分布を持つ蛍光をレンズアレイ126h1〜hnにて集光し、PMT126d1〜dnに受光させる。光導波管126iは、例えば、エドモンドオプティックス社製のTECSPEC(登録商標)ライトパイプが挙げられる。
以上のように、受光部126は、図3に示す受光部26と同様に、レンズ126aと光導波管126iとを備え、受光部126は、レンズ126aを通過した蛍光を、光導波管126iを用いて均一な光強度の分布の光束を形成させた後、蛍光の光束を、PMT126d1〜dnにより、複数の領域に分けて複数の領域で別々に受光する。したがって、蛍光を均一な光強度の分布を持つ光として、複数の受光面に分散させて受光させるので、PMT126d1〜dnにおける出力の飽和を改善することができる。
また、最初、スイッチング回路126f1〜fnの全てをオン動作させたとき、分析装置80で算出される蛍光強度が閾値を越える場合、スイッチング回路126f1〜fnの一部はオフに切り替えることができる。このため、信号処理部42および分析装置80内での信号レベルを自在に抑制することができる。その結果、信号処理部42および分析装置80内で処理可能な蛍光強度のダイナミックレンジを従来よりも大きく取ることができ、広いダイナミックレンジで蛍光緩和時間を算出することができる。なお、分析装置80は蛍光強度を算出するとき、スイッチング回路126f1〜fnのオン動作の数の情報を用いて、蛍光強度を算出する。
また、最初、スイッチング回路126f1〜fnの全てをオン動作させたとき、分析装置80で算出される蛍光強度が閾値を越える場合、スイッチング回路126f1〜fnの一部はオフに切り替えることができる。このため、信号処理部42および分析装置80内での信号レベルを自在に抑制することができる。その結果、信号処理部42および分析装置80内で処理可能な蛍光強度のダイナミックレンジを従来よりも大きく取ることができ、広いダイナミックレンジで蛍光緩和時間を算出することができる。なお、分析装置80は蛍光強度を算出するとき、スイッチング回路126f1〜fnのオン動作の数の情報を用いて、蛍光強度を算出する。
(実施形態の変形例2)
図7は、図3に示す受光部26の変形例である受光部136の構成を示す図である。受光部136は、受光部26と同様に、レーザ光源部22から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直な、測定位置を通る平面と、管路30中の試料12の移動方向に対して垂直な、測定位置を通る平面との交線上に配置されており、測定位置において試料12が発する蛍光を受光する光電子増倍管を備える。
図7は、図3に示す受光部26の変形例である受光部136の構成を示す図である。受光部136は、受光部26と同様に、レーザ光源部22から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直な、測定位置を通る平面と、管路30中の試料12の移動方向に対して垂直な、測定位置を通る平面との交線上に配置されており、測定位置において試料12が発する蛍光を受光する光電子増倍管を備える。
受光部136は、試料12からの蛍光を集光させるレンズ136aと、バンドパスフィルタ136cと、PMT(光電子増倍管)136d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器136e1〜en(nは、1以上の整数)と、スイッチング回路136f1〜fn(nは、1以上の整数)と、信号加算回路136gと、レンズアレイ136h1〜hn(nは、1以上の整数)とを有する。
レンズ136aと、バンドパスフィルタ136cと、PMT(光電子増倍管)136d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器136e1〜enと、スイッチング回路136f1〜fnと、信号加算回路136gと、レンズアレイ136h1〜hnは、レンズ26aと、バンドパスフィルタ26cと、PMT(光電子増倍管)26d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器26e1〜enと、スイッチング回路26f1〜fnと、信号加算回路26gと、レンズアレイ26h1〜hnと同様の構成及び機能を持つのでその説明は省略する。
レンズ136aと、バンドパスフィルタ136cと、PMT(光電子増倍管)136d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器136e1〜enと、スイッチング回路136f1〜fnと、信号加算回路136gと、レンズアレイ136h1〜hnは、レンズ26aと、バンドパスフィルタ26cと、PMT(光電子増倍管)26d1〜dn(nは、1以上の整数)と、ゲイン調整器26e1〜enと、スイッチング回路26f1〜fnと、信号加算回路26gと、レンズアレイ26h1〜hnと同様の構成及び機能を持つのでその説明は省略する。
なお、レンズ136aの主点の位置と試料12の測定位置とを結ぶ線分がレンズ136aの光軸上に位置し、この線分の距離がレンズの焦点距離に略一致するようにレンズ136a(レンズ)は位置決めされている。したがって、試料12の発する蛍光は、レンズ136aを通過することにより、均一な光強度の分布を持つ略平行な光束を形成する。この略平行光束の蛍光は、複数の領域に分けてPMT136d1〜dnにより複数の領域で別々に受光される。なお、この例では、蛍光を略平行な光束とするが、完全に平行な光束には限定されない。蛍光は、少なくとも、PMT136d1〜dnの受光面に略均一に光束が広がるようになっているとよい。
以上のように、受光部136は、図3に示す受光部26と同様に、レンズ136aを通過した蛍光を、均一な光強度の分布を持つ略平行な光束を形成させた後、蛍光の光束を、PMT136d1〜dnにより、複数の領域に分けて複数の領域で別々に受光する。したがって、均一な光強度の分布を持つ蛍光を、複数の受光面に分散させて受光させるので、PMT136d1〜dnのそれぞれにおける出力の飽和を改善することができる。
また、最初、スイッチング回路136f1〜fnの全てをオン動作させたとき、分析装置80で算出される蛍光強度が閾値を越える場合、スイッチング回路136f1〜fnの一部をオフに切り替えることができる。このため、信号処理部42および分析装置80内での信号レベルを自在に抑制することができる。その結果、信号処理部42および分析装置80内で処理可能な蛍光強度のダイナミックレンジを従来よりも大きく取ることができ、広いダイナミックレンジで蛍光緩和時間を算出することができる。なお、分析装置80にて蛍光強度を算出するとき、スイッチング回路136f1〜fnのオン動作の数の情報を用いて、蛍光強度を算出する。
また、最初、スイッチング回路136f1〜fnの全てをオン動作させたとき、分析装置80で算出される蛍光強度が閾値を越える場合、スイッチング回路136f1〜fnの一部をオフに切り替えることができる。このため、信号処理部42および分析装置80内での信号レベルを自在に抑制することができる。その結果、信号処理部42および分析装置80内で処理可能な蛍光強度のダイナミックレンジを従来よりも大きく取ることができ、広いダイナミックレンジで蛍光緩和時間を算出することができる。なお、分析装置80にて蛍光強度を算出するとき、スイッチング回路136f1〜fnのオン動作の数の情報を用いて、蛍光強度を算出する。
以上、本発明の蛍光検出装置及び蛍光検出方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 フローサイトメータ
12 試料
22 レーザ光源部
22a レーザ光源
22b レンズ
22c レーザドライバ
24,26,126,136 受光部
26a、126a,136a レンズ
26b 拡散板
26c,126c,136c バンドパスフィルタ
26d1〜dn,126d1〜dn,136d1〜dn 光電子増倍管
26e1〜en,126e1〜en,136e1〜en ゲイン調整器
26f1〜fn,126f1〜fn,136f1〜fn スイッチング回路
26g,126g,136g 信号加算回路
26h1〜hn,126h1〜hn,136h1〜hn レンズアレイ
126i 光導波管
28 制御・信号処理部
30 管路
32 回収容器
40 信号生成部
42 信号処理部
44 コントローラ
46 発振器
48 パワースプリッタ
50,52,54,62 アンプ
58 IQミキサ
60 ローパスフィルタ
80 分析装置
80a 蛍光強度信号生成部
80b 蛍光強度算出部
80c 位相遅れ算出部
80d 信号制御部
80e 蛍光緩和時間算出部
12 試料
22 レーザ光源部
22a レーザ光源
22b レンズ
22c レーザドライバ
24,26,126,136 受光部
26a、126a,136a レンズ
26b 拡散板
26c,126c,136c バンドパスフィルタ
26d1〜dn,126d1〜dn,136d1〜dn 光電子増倍管
26e1〜en,126e1〜en,136e1〜en ゲイン調整器
26f1〜fn,126f1〜fn,136f1〜fn スイッチング回路
26g,126g,136g 信号加算回路
26h1〜hn,126h1〜hn,136h1〜hn レンズアレイ
126i 光導波管
28 制御・信号処理部
30 管路
32 回収容器
40 信号生成部
42 信号処理部
44 コントローラ
46 発振器
48 パワースプリッタ
50,52,54,62 アンプ
58 IQミキサ
60 ローパスフィルタ
80 分析装置
80a 蛍光強度信号生成部
80b 蛍光強度算出部
80c 位相遅れ算出部
80d 信号制御部
80e 蛍光緩和時間算出部
Claims (7)
- 測定位置を通過する測定対象物にレーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を受光し、この蛍光から得られる蛍光信号の信号処理を行う、フローサイトメータに用いる蛍光検出装置であって、
測定対象物に照射するレーザ光を出射するレーザ光源部と、
レーザ光の照射された測定対象物から発する蛍光の蛍光信号を出力する受光部と、
前記レーザ光源部から出射するレーザ光の強度を時間変調させるために、所定の周波数の変調信号を生成する光源制御部と、
時間変調したレーザ光を測定対照物に照射することにより前記受光部で出力され、増幅された蛍光信号から、前記変調信号を用いて測定対象物の蛍光の蛍光緩和時間を算出し、さらに、前記蛍光信号から蛍光強度を算出する処理部と、を有し、
前記受光部は、前記測定対象物の測定位置と蛍光の受光面との間に、蛍光を集光するレンズを有し、さらに、前記受光部は、前記レンズを通過した前記蛍光について、均一な光強度の分布を有する光束を形成させる手段と、この手段により形成された蛍光の前記光束を、複数の領域に分けて別々に受光する受光素子と、前記複数の領域毎に別々に分けて得られる部分蛍光信号を加算して1つの蛍光信号を出力する信号加算器と、前記部分蛍光信号を前記信号加算器に供給するか否かを行うスイッチング回路と、を有し、
前記スイッチング回路は、前記複数の領域毎に設けられ、
前記処理部は、前記蛍光強度が所定の閾値を越える場合、前記スイッチング回路による前記部分蛍光信号の前記信号加算器への供給数を制限する、ことを特徴とする蛍光検出装置。 - 前記処理部は、前記蛍光強度が所定の閾値を越える場合、前記スイッチング回路による前記部分蛍光信号の前記信号加算器への供給数を制限するとともに、前記供給数が制限されない場合に比べて大きな係数を用いて前記蛍光強度の値を補正する、請求項1に記載の蛍光検出装置。
- 前記受光部には、前記部分蛍光信号が前記スイッチング回路に供給される前に、前記複数の領域毎に前記部分蛍光信号をゲイン調整するゲイン調整器が設けられ、前記部分蛍光信号のゲインが揃えられている、請求項1または2に記載の蛍光検出装置。
- 前記受光部は、前記レンズと前記受光面の間に、拡散板を備え、前記レンズにより前記蛍光を前記拡散板上で結像させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光検出装置。
- 前記受光部は、前記レンズと前記受光面の間に、入射した蛍光を壁面で反射させる、前記レンズの光軸に平行に設けられた筒状の光導波管を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光検出装置。
- 前記受光部の前記レンズは、集光した蛍光を略平行光とすることにより、均一な光強度の分布を有する光束を持つ蛍光を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光検出装置。
- 測定位置を通過する測定対象物にレーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を受光し、この蛍光から得られる蛍光信号の信号処理を行う、フローサイトメータで行う蛍光検出方法であって、
測定対象物に照射するレーザ光の強度を所定の周波数の変調信号で時間変調させて測定対象物に照射するステップと、
測定対象物にレーザ光を照射することにより測定対象物が発する蛍光を、光強度の分布が均一な光束とし、前記蛍光の光束を、複数の領域に分けて受光することにより、複数の部分蛍光信号を生成するステップと、
前記複数の部分蛍光信号の少なくとも一部を加算して1つの蛍光信号を生成するステップと、
生成した前記蛍光信号を増幅し、増幅した前記蛍光信号から、前記変調信号を用いて測定対象物の蛍光の蛍光緩和時間を算出するステップと、
前記蛍光信号から算出される測定対象物の蛍光の蛍光強度が所定の閾値を越える場合、前記部分蛍光信号の加算数を制限し、前記供給数が制限されない場合に比べて大きな係数を用いて前記蛍光強度の値を補正するステップと、を有することを特徴とする蛍光検出方法。
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