図1は、従来の情報記録再生システムの構成例を表している。IRD(Integrated Recorder/Decoder)1、デジタル信号記録再生装置2,3、およびデジタル信号再生装置4は、IEEE1394シリアルバス5により相互に接続されている。
IRD1は、その受信回路11により、衛星放送を受信し、受信したトランスポートストリームをパケット化回路12に出力する。パケット化回路12は、入力されたトランスポートストリームを、IEEE1394デジタルインタフェース規格に基づくアイソクロナスパケット(IPパケット)にパケット化し、デジタル信号記録装置2,3に出力する。
デジタル信号再生装置4は、ストレージメディア41(このストレージメディア41は、例えば、デジタル信号記録装置2において記録されたストレージメディア24、またはデジタル信号記録装置3で記録されたストレージメディア33に対応している)に記録されているデータを再生し、記録フォーマット復号器42で復号される。記録フォーマット復号器42の出力するトランスポートストリームは、パケット化回路43においてパケット化され、IEEE1394シリアルバス5を介してデジタル信号記録装置2,3に供給される。
デジタル信号記録装置2は、デパケット化回路21を有し、このデパケット化回路21は、IEEE1394シリアルバス5を介して入力されたアイソクロナスパケットのデータをデパケット化し、トランスポートストリームをCCI書き換え回路22を介して記録フォーマット符号化器23に出力される。デパケット化回路21はまた、トランスポートストリームをCCI解析回路25に出力する。CCI解析回路25は、トランスポートストリームの内部に含まれているコピー制御情報(Copy Control Information(CCI))を抽出、解析し、その解析結果をCCIエンコーダ26に出力している。
CCIエンコーダ26は、入力されたCCIを新たなCCIにエンコードし(変更し)、新たなCCIをCCI書き換え回路22に出力する。CCI書き換え回路22は、CCIエンコーダ26から供給されたCCIで、デパケット化回路21より供給されたトランスポートストリーム中のCCIを書き換えて、記録フォーマット符号化器23に出力される。記録フォーマット符号化器23は、入力されたトランスポートストリームを符号化し、ストレージメディア24に記録させる。
デジタル信号記録装置3のデパケット化回路31および記録フォーマット符号化器32は、デジタル信号記録装置2のデパケット化回路21および記録フォーマット符号化器23と同様の処理を行い、IEEE1394シリアルバス5を介して伝送されてきたデータをストレージメディア33に記録させる。このデジタル信号記録装置3には、デジタル信号記録装置2におけるCCI解析回路25、CCIエンコーダ26、およびCCI書き換え回路22が設けられていない。すなわち、デジタル信号記録装置3は、ストリームの内部に記録されているCCIを理解することができないノンコグニザント装置とされている。これに対して、デジタル信号記録装置2は、CCIの内容を理解することが可能なコグニザント装置とされている。
次に、その動作について説明する。例えば、IRD1により受信したデータをデジタル信号記録装置3で記録する場合、次のような動作が行われる。すなわち、IRD1の受信回路11により、所定のチャンネルの信号が受信されると、そのトランスポートストリームがパケット化回路12に入力される。パケット化回路12は、入力されたトランスポートストリームをアイソクロナスパケットにパケット化し、IEEE1394シリアルバス5を介してデジタル信号記録装置73に供給する。
デジタル信号記録装置3においては、デパケット化回路31が、入力されたアイソクロナスパケットをデパケット化し、トランスポートストリームを記録フォーマット符号化器32に出力する。記録フォーマット符号化器32は、入力されたトランスポートストリームを所定の方式で符号化し、ストレージメディア33に記録する。
IRD1より出力したデータをデジタル信号記録装置2において記録することも可能である。この場合、デパケット化回路21が、IEEE1394シリアルバス5を介して入力されたアイソクロナスパケットをデパケット化し、トランスポートストリームをCCI書き換え回路22とCCI解析回路25に出力する。CCI解析回路25は、入力されたトランスポートストリームに含まれるCCIを抽出、解析し、その解析結果をCCIエンコーダ26に出力する。CCIエンコーダ26は、入力されたCCIがcopy once(1回コピー可)であれば、これをcopy prohibited(コピー禁止)に変更し、copy free(コピー自由)である場合には、そのままにする。CCIがcopy prohibitedである場合には、CCIエンコーダ26は、CCI書き換え回路22を制御し、記録動作を禁止させる。
CCI書き換え回路22は、CCIエンコーダ26より、copy freeまたはcopy prohibitedのCCIが入力されたとき、このCCIでデパケット化回路21より入力されるトランスポートストリーム中のCCIを書き換え、記録フォーマット符号化器23に出力する。記録フォーマット符号化器23は、入力されたトランスポートストリームを符号化し、ストレージメディア24に記録する。
以上においては、IRD1が出力したデータを記録するようにしたが、デジタル信号再生装置4が再生したデータを記録することも可能である。この場合には、ストレージメディア41から再生されたデータが記録フォーマット復号器42で復号され、パケット化回路43でアイソクロナスパケットにパケット化される。そして、パケット化されたデータが、IEEE1394シリアルバス5を介してデジタル信号記録装置2,3に伝送される。そして、上述した場合と同様にして、記録動作が行われる。
受信回路11の出力するトランスポートストリームは、MPEG2 systems(ISO/IEC13818-1)のトランスポートストリームとされ、188バイト長のトランスポートパケット単位でビデオストリームとオーディオストリームが多重化されている。例えば、デジタル信号記録装置2がコンシュマーユースのDVCR(Digital Video Cassette Recorder)である場合、デパケット化回路21は、図2に示すように、MPEG2 systemsのトランスポートストリームの188バイト長のトランスポートパケットの先頭の1バイトのシンクバイトを除いた187バイトに、3バイトのTSP_extra_headerを付加し、出力する。このTSP_extra_headerのシンタックスは、図3に示すように構成されている。すなわち、このTSP_extra_headerには、21ビットのtime_stamp_counterが配置されている。このtime_stamp_counterは、ISO/IEC13818-1(MPEG2 systems)で定義するsmoothing bufferまたはT-STD(Transport Stream System Target Decoder)の入力におけるトランスポートパケットの第1バイト目の最初のビットの予定到着時刻を表している。
DVCRは、27MHzの周波数のクロックをトランスポートストリームに含まれるPCR(Program_Clock_Reference)にロックさせ、トランスポートパケットの第1バイト目が、smoothing bufferまたはT-STDへ入力されるときのクロックカウンタを、そのトランスポートパケットのtime_stamp_counterとして付加する。再生時においては、DVCRが有する27MHzの周波数のクロックのクロックカウンタ値と、トランスポートパケットのtime_stamp_counterの値が等しくなったとき、そのトランスポートパケットを出力する処理が行われる。
次に、本発明を適用したネットワークシステムの構成例について、図4を参照して説明する。図4においては、IRD51、ノンコグニザントレコーダ52、デジタル信号再生装置53、およびコグニザントレコーダ54が、IEEE1394シリアルバス55を介して相互に接続されている。なお、双方向にデータを授受することが可能なIEEE1394シリアルバス55には、各装置が、順次カスケードに接続されるが、説明の便宜上、IRD51とデジタル信号再生装置53の出力が、ノンコグニザントレコーダ52とコグニザントレコーダ54に供給されるように示されている。
IRD51の受信回路61は、図示せぬ衛星を介して送出されている放送電波を受信し、所定のチャンネルのトランスポートストリーム(transport stream)をCCI解析回路62に出力する。このトランスポートストリームは、MPEG2 systems(ISO/IEC13818-1)のトランスポートストリームとされており、188バイト長のトランスポートパケット(transport packet)単位で、ビデオストリームとオーディオストリームが多重化されている。
CCI解析回路62は、入力されたトランスポートストリームから、そこに含まれているCCIを抽出し、CCI-EMIエンコーダ63に出力される。CCIのトランスポートストリーム中の格納場所はアプリケーションによって異なるが、例えば、ビデオレイヤのcopyright_extension、または、PES_packetのPES_scrambling_controlなどとされる。CCIの内容には、コピー禁止(copy prohibited)、1回コピー可(copy once)、およびコピーフリー(copy free)の3種類がある。
CCI-EMIエンコーダ63は、CCI解析回路62より入力されたCCIに基づいて、暗号化モード情報(Encryption_Mode Indicator(EMI))を生成し、パケット化回路64に出力している。このEMIは、CCIとともに、DTDG(Data Transmission Discussion Group)で標準化作業が行われているものであり、EMIのタイプには、モードA(proh)、モードB(once)、およびfreeの3種類がある。モードAは、copy prohibitedデータ用のモードであり、モードBは、copy onceデータ用のモードであり、freeは、copy freeの暗号化されていないコンテンツデータ用のモードである。パケット化回路64は、CCI解析回路62より供給されたトランスポートストリームのトランスポートパケットをIEEE1394シリアルバス55のアイソクロナスパケットにパケット化し、出力される。このとき、パケット化回路64は、トランスポートパケットを、EMIに基づいて暗号化する。
デジタル信号再生装置53は、ストレージメディア81(このストレージメディアは、ノンコグニザントレコーダ52により記録されたストレージメディア76、またはコグニザントレコーダ54により記録されたストレージメディア101に対応する)に記録されているデータを再生し、記録フォーマット復号器82で復号される。記録フォーマット復号器82は、ストレージメディア81より供給されるビデオストリーム中のCPI(Copy_Permission_Indicator)を抽出し、これをCPI-EMIエンコーダ83に出力するとともに、入力されたデータを復号し、そのトランスポートパケットをパケット化回路84に出力している。
CPIの詳細については後述するが、このCPIは、ノンコグニザントレコーダ52の記録フォーマット符号化器74、またはコグニザントレコーダ54の記録フォーマット符号化器99により、トランスポートパケットに付加されるものである。このCPIは、図5に示すように2ビットで表され、その値00はcopy freeを表し、その値10はcopy onceを表し、その値11はcopy prohibitedを表している。
CPI-EMIエンコーダ83は、入力されたCPIに基づいてEMIを生成し、パケット化回路84に出力する。パケット化回路84は、記録フォーマット復号器82より供給されるトランスポートパケットを、CPI-EMIエンコーダ83の出力するEMIに基づいて暗号化するとともに、アイソクロナスパケットにパケット化し、そのアイソクロナスパケットに、そのEMIを付加する。
上述したIRD1のパケット化回路64およびデジタル信号再生装置53のパケット回路84が生成するアイソクロナスパケットは、図6に示すような構成とされている。同図に示すように、先頭の8バイトは1394headerとされ、次の8バイトはCIP(Common Isochronous Paket)headerとされ、それに続いてdata fieldが配置されている。1394headerには、データ長(data_length)、チャンネル番号(channel)などの他、上述したEMIが配置されている。CIPheaderには、データの送出元を表すソースノードID(SID)の他、DBS(Data Block Size in quadlets)、FNなどが配置される。DBSはデータブロックの大きさ(パケット化の単位)を記録するフィールドであり、FNはパケット化する際に分割した数を記述するフィールドである。CIPheaderにはまた、DBC(data block continuity counter)が配置されている。
data fieldのdata_fieldには、トランスポートストリームのデータが配置される。すなわち、CCI解析回路62の出力するトランスポートストリームの188バイトのトランスポートパケットには、図7に示すように、4バイトのソースパケットヘッダが付加され、192バイトのソースパケットが構成される。1個のソースパケットは、24バイト×8個のデータブロックに分割される。そして、N個のデータブロックが、data_field中に配置される。この1個のアイソクロナスパケットに含まれるデータブロックの数Nは、0個、1個、2個、もしくは4個とされるか、または8個の倍数個とされ、このNの値が、CIPheaderのDBCに記述される。
ノンコグニザントレコーダ52のデパケット化回路71は、IRD51またはデジタル信号再生装置53から、IEEE1394シリアルバス55を介して伝送されてきたアイソクロナスパケットをデパケット化し、1394headerに含まれるEMIを抽出し、EMI解析回路72に出力する。また、デパケット化回路71は、アイソクロナスパケット中のdata_fieldに配置されていたトランスポートストリームのトランスポートパケットを抽出し、EMIに基づいて解読(平文化)し、それを記録フォーマット符号化器74に供給する。
EMI解析回路72は、入力されたEMIを解析し、解析した結果をEMI-CPIエンコーダ73に出力している。EMI-CPIエンコーダ73は、入力されたEMIに対応するCPIを生成し、記録フォーマット符号化器74に出力する。すなわち、このEMI-CPIエンコーダ73は、デジタル信号再生装置53のCPI-EMIエンコーダ83と逆の処理を行うものである。
発生回路75は、CCI_invalid_flagとして値1を発生し、記録フォーマット符号化器74に出力している。記録フォーマット符号化器74は、デパケット化回路71より供給されるトランスポートパケットを符号化し、その外部に、EMI-CPIエンコーダ73より供給されるCPIと、発生回路75より供給されるCCI_invalid_flagを付加し、図8に示すようなVDR_MPEG2_transport_streamのシンタックスのデータを生成し、ストレージメディア76に供給し、記録させる。
図8に示すように、記録フォーマット符号化器74が出力するVDR_MPEG2_transport_streamは、transport_packet()(デパケット化回路71の出力するトランスポートパケットはここに配置される)にTSP_extra_information()が付加された構成とされている。
このTSP_extra_information()のシンタックスは、図9に示されている。同図に示すように、このTSP_extra_information()には、EMI-CPIエンコーダ73が出力したCPI(copy_permission_indicator)と、発生回路75が出力したCCI_invalid_flagが含まれている。
なお、図10に示すように、そのTSP_extra_information()は、transport_packet()の前に付加しても良い。
コグニザントレコーダ54においては、デパケット化回路91が、IEEE1394シリアルバス55を介して入力されたアイソクロナスパケットをデパケット化し、1394ヘッダに含まれているEMIを抽出し、EMI解析回路96に出力する。また、デパケット化回路91は、EMIに基づいて、アイソクロナスパケットのデータフィールドに含まれていたトランスポートパケットを解読し、CCI解析回路92とCCI書き換え回路95に出力する。
EMI解析回路96は、入力されたEMIを解析し、解析結果をEMI-CCIエンコーダ97、またはEMI-CPIエンコーダ98に出力している。EMI-CCIエンコーダ97は、入力されたEMIに対応するCCIを生成し、スイッチ94の接点Bを介して、CCI書き換え回路95に出力している。EMI-CPIエンコーダ98は、入力されたEMIに対応するCPIを生成し、記録フォーマット符号化器99に出力している。このEMI解析回路96とEMI-CPIエンコーダ98は、ノンコグニザントレコーダ52のEMI解析回路72およびEMI-CPIエンコーダ73と基本的に同様の処理を行うものである。
CCI解析回路92は、入力されたトランスポートストリームのトランスポートパケットの内部に含まれるCCIを解析し、その解析結果をCCIエンコーダ93に出力している。CCIエンコーダ93は、入力されたCCIを新たなCCIに変更し、新たなCCIを、スイッチ94の接点Aを介して、CCI書き換え回路95に出力している。このCCI解析回路92およびCCIエンコーダ93は、図1に示した、従来のデジタル信号記録装置2のCCI解析回路25およびCCIエンコーダ26と基本的に同様のものである。
記録が行われる前に、CCI書き換え回路95は、IEEE1394シリアルバス55を介して、ストレージメディア81が、ノンコグニザントレコーダ52により記録されたストレージメディア76、またはコグニザントレコーダ54により記録されたストレージメディア101のいずれであるかを認識する。
ストレージメディア81が、ノンコグニザントレコーダ52により記録されたストレージメディア76である場合、スイッチ94は、接点A側に切り替えられ、CCI書き換え回路95が、デパケット化回路91より供給されるトランスポートパケットに含まれるCCIを、CCIエンコーダ93より供給されるCCIで書き換え、記録フォーマット符号化器99に出力している。記録フォーマット符号化器99にはまた、発生回路100の出力する、トランスポートパケットに含まれるCCIが有効であることを表す値(0)のCCI_invalid_flagが供給されている。これに対して、ノンコグニザントレコーダ52の発生回路75が出力するCCI_invalid_flagは、トランスポートパケットに含まれるCCIが無効であることを表す値(1)である。
また、ストレージメディア81が、コグニザントレコーダ54により記録されたストレージメディア101である場合、スイッチ94は、接点B側に切り替えられ、EMI解析回路96から出力されたEMIの値が、EMI-CCIエンコーダ97に入力される。CCI書き換え回路95は、デパケット化回路91より供給されるトランスポートパケットに含まれるCCIを、EMI-CCIエンコーダ97より供給されるCCIで書き換え、記録フォーマット符号化器99に出力している。このとき、記録フォーマット符号化器99には、発生回路100の出力する値(0)のCCI_invalid_flagが供給されている。
記録フォーマット符号化器99は、CCI書き換え回路95より供給されるトランスポートパケットをストレージメディア用の記録フォーマットに符号化し(上述した場合と同様に、図8に示すVDR_MPEG2_transport_streamのフォーマットとし)、それをストレージメディア101に供給し、記録する。
次に、その動作について、IRD51またはデジタル信号再生装置53より出力したデータを、ノンコグニザントレコーダ52またはコグニザントレコーダ54において記録する場合を例として説明する。
IRD51の出力を記録する場合、受信回路61は、所定のチャンネルの放送電波を受信し、トランスポートストリームを出力する。上述したように、このトランスポートストリームは、MPEG2 systems(ISO/IEC13818-1)で規定するトランスポートストリームである。CCI解析回路62は、入力されたトランスポートストリームの所定の格納場所に格納されているCCIを抽出し、これを解析し、解析結果をCCI-EMIエンコーダ63に出力する。CCIの格納場所は、アプリケーションによって定義されるものであり、例えば、ビデオレイヤのcopyright_extensionまたはPES_packetのPES_scrambling_controlとされている。CCIは、コピー禁止(copy prohibited)、1回コピー可(copy once)、またはコピーフリー(copy free)のいずれかとされている。
CCI-EMIエンコーダ63は、入力されたCCIに基づいてEMIを決定する。上述したように、このEMIは、アイソクロナスパケットのペイロード(data_field)に含まれるデータが暗号化されているモードを表す情報であり、Aモード、Bモード、またはフリーの3種類のモードのいずれかとされる。CCIがコピー禁止であるとき、EMIはモードAとされる。CCIが1回コピー可のとき、EMIはモードBとされる。CCIがコピーフリーのとき、EMIはフリー(暗号化されていない)とされる。
CCI解析回路62は、受信回路61より供給されたトランスポートストリームのトランスポートパケットをパケット化回路64に出力する。パケット化回路64は、CCI解析回路62より供給されたトランスポートパケットをMPEG TSプロトコルに従ってアイソクロナスパケット化処理を実行する。すなわち、図7に示すように、188バイトのトランスポートパケットの先頭に、4バイトのソースパケットヘッダが付加され、192バイトのソースパケットが構成される。このソースパケットが、24バイト×8個のデータブロックに分割され、そのうちのN個のデータブロックがアイソクロナスパケットのdata_fieldに書き込まれる。このデータは、EMIに対応して暗号化される。すなわち、EMIがモードAのとき、モードAでデータが暗号化され、EMIがモードBのとき、データはモードBで暗号化される。EMIがフリーである場合、データは暗号化されない。このEMIは、図6に示すように、1394headerに付加される。
パケット化回路64で生成されたアイソクロナスパケットは、IEEE1394シリアルバス55に出力される。
デジタル信号再生装置53で再生した信号を記録する場合には、デジタル信号再生装置53においてストレージメディア81が再生され、再生されたデータが記録フォーマット復号器82で復号される。記録フォーマット復号器82は、復号した結果得られたトランスポートパケットをパケット化回路84に出力するとともに、トランスポートパケットの外部に付加されているCPIを抽出し、CPI-EMIエンコーダ83に出力する。CPI-EMIエンコーダ83は、入力されたCPIに対応するEMIを生成し、パケット化回路84に出力する。このCPIは、図5に示したように、コピー禁止(11)、1回コピー可(10)、またはコピーフリー(00)のいずれかとされている。CPI-EMIエンコーダ83は、CPIがコピー禁止であるとき、EMIをモードAとし、CPIが1回コピー可のとき、EMIをモードBとし、CPIがコピーフリーのとき、EMIをフリーとする。
パケット化回路84は、記録フォーマット復号器82より入力されたトランスポートパケットを、MPEG TSプロトコルに従ってアイソクロナスパケット化する処理を実行する。すなわち、パケット化回路84は、IRD1のパケット化回路64と実質的に同様の処理を実行する。そして、パケット化回路84で生成されたアイソクロナスパケットが、IEEE1394シリアルバス55に出力される。
IRD51の出力するアイソクロナスパケットと、デジタル信号再生装置53の出力するアイソクロナスパケットは、IEEE1394シリアルバス55の125μsの周期の異なるタイミングのスロットを利用して伝送される。
ノンコグニザントレコーダ52における記録処理は次のようになる。デパケット化回路71は、IEEE1394シリアルバス55を介して入力されたアイソクロナスパケットをデパケット化し、アイソクロナスパケットの1394ヘッダに含まれるEMIを抽出し、EMI解析回路72に出力する。また、デパケット化回路71は、data_fieldに保持されているトランスポートストリームのトランスポートパケットを抽出し、1394headerのEMIに基づいて解読(非暗号化)し、記録フォーマット符号化器74に出力する。
EMI解析回路72は、入力されたEMIを解析し、解析結果をEMI-CPIエンコーダ73に出力する。トランスポートパケットが、複数のアイソクロナスパケットに分割されており、それぞれのEMIが異なる場合には、EMI解析回路72は、それぞれのアイソクロナスパケットのEMIのうち、最強のコピー制限モードに対応するEMIを代表値として、これをEMI-CPIエンコーダ73に出力する。例えば、トランスポートパケットが、2個のアイソクロナスパケットに分割されており、それぞれのアイソクロナスパケットのEMIが、mode A(proh)とcopy freeであった場合、EMIの代表値は、mode A(proh)とされる。
EMI-CPIエンコーダ73は、EMI解析回路72から入力されたEMIを対応するCPIに変換する。EMIがcopy onceのとき、CPIはcopy prohibitedとされ、EMIがcopy freeのとき、CPIはcopy freeとされる。EMI-CPIエンコーダ73の出力するCPIは、記録フォーマット符号化器74に出力される。
なお、EMIがcopy prohibitedのとき、EMI-CPIエンコーダ73は、記録フォーマット符号化器74を制御し、記録動作を禁止させる。
発生回路75は、CCI_invalid_flagとして、値1を記録フォーマット符号化器74に出力する。すなわち、ノンコグニザントレコーダ52は、トランスポートパケットの内部のCCIを理解することができない(CCI解析回路を有していない)。そこで、いまストレージメディア76に記録されようとしているトランスポートパケットに含まれるCCIは、有効な値ではない(無効の値である)ことを表すフラグを記録するようにするのである。
記録フォーマット符号化器74は、デパケット化回路71より供給されたトランスポートパケットを、ストレージメディア用の記録フォーマットに符号化し、図8に示す構造を有するVDR_MPEG2_transport_stream()として、ストレージメディア76に記録する。図8に示すように、このVDR_MPEG2_transport_stream()には、TSP_extra_information()が含まれており、このTSP_extra_information()には、図10に示すように、CPI(copy_permission_indicator)と、CCI_invalid_flagが保持されている。
一方、コグニザントレコーダ4においては、デパケット化回路91がIEEE1394シリアルバス55を介してアイソクロナスパケットを受け取ると、アイソクロナスパケットの1394ヘッダに含まれるEMIを抽出し、これをEMI解析回路96に出力する。また、デパケット化回路91は、アイソクロナスパケットのdata_fieldに保持されていたトランスポートストリームのトランスポートパケットを分離し、EMIに基づいて解読した後、CCI書き換え回路95とCCI解析回路92に出力する。
CCI解析回路92は、IRD51のCCI解析回路62と同一の機能を有しており、入力されたトランスポートパケットの内部に格納されているCCIを解析し、それをCCIエンコーダ93に出力する。CCIのトランスポートパケット内の格納場所は、アプリケーションによって定義されている。CCIエンコーダ93は、CCI解析回路92より入力されたCCIを必要に応じて更新する。入力されたCCIがcopy onceのとき、新たなCCIはcopy prohibitedとされ、入力されたCCIがcopy freeであるとき、そのままとされる。新たなCCIは、CCIエンコーダ93からCCI書き換え回路95に供給される。なお、CCIエンコーダ93は、CCI解析回路92より入力されたCCIがcopy prohibitedであるとき、CCI書き換え回路95を制御し、記録動作を禁止させる。
CCI書き換え回路95は、デパケット化回路91より入力されたトランスポートパケットの中のCCIを、CCIエンコーダ93より供給されたCCIで書き換えた後、記録フォーマット符号化器99に出力する。
EMI解析回路96、EMI-CPIエンコーダ98、および記録フォーマット符号化器99は、基本的にノンコグニザントレコーダ52のEMI解析回路72、EMI-CPIエンコーダ73、および記録フォーマット符号化器74と同様の処理を行う。すなわち、デパケット化回路91からCCI書き換え回路95を介して入力されたトランスポートパケットに、EMI-CPIエンコーダ98より供給されるCPIと、発生回路100より供給されるCCI_invalid_flagを付加して、図8に示すVDR_MPEG2_transport_streamとしてストレージメディア101に記録する。ただし、発生回路100が出力するCCI_invalid_flagは、その値が0とされている。すなわち、コグニザントレコーダ54は、CCI解析回路92を有しており、トランスポートパケット内に保持されているCCIを解析する機能を有している。このCCIは、上述したように、CCIエンコーダ93とCCI書き換え回路95で、新たな(正しい)CCIに書き換えられているので、ストレージメディア101に記録されるトランスポートパケットに含まれるCCIは、正しい値のものとなっている。そこで、このCCIが有効なCCIであることを表すように、CCI_invalid_flagが0とされる。
以上のようにして、IEEE1394シリアルバス55を介して伝送されてきたトランスポートストリームを記録したストレージメディア76またはストレージメディア101は、図11に示すような再生装置で再生される。この再生装置は、ストレージメディア101(または76)から再生された信号を記録フォーマット復号器111で復号し、得られたトランスポートストリームのトランスポートパケットをスイッチ113の接点c1を介してCCI書き換え回路114に出力するか、またはスイッチ113の接点c0を介してスイッチ115の接点c0に出力される。また、記録フォーマット復号器111は、入力された信号からCPIとCCI_invalid_flagを分離し、CPIをCPI-CCIエンコーダ112に出力し、CCI_invalid_flagをスイッチ113とスイッチ115に、その切替制御信号として出力される。
CPI-CCIエンコーダ112は、入力されたCPIをCCIに変換し、CCI書き換え回路114に出力している。CCI書き換え回路114は、スイッチ113の接点c1を介して記録フォーマット復号器111より入力されたトランスポートパケットのCCIをCPI-CCIエンコーダ112より供給されたCCIで書き換えて、スイッチ115の接点c1に出力している。スイッチ115は、接点c1または接点c0のいずれか一方に供給されている信号を選択し、出力端子116から出力される。
次に、その動作について説明する。ストレージメディア76またはストレージメディア101は、上述したように、図8に示すVDR_MPEG2_transport_streamのフォーマットで記録されており、記録フォーマット復号器111は、このフォーマットの信号からトランスポートパケットを分離し、これをスイッチ113に出力する。また、記録フォーマット復号器111は、入力されたVDR_MPEG2_transport_stream()に含まれるCPIとCCI_invalid_flagを抽出し、それぞれをCPI-CCIエンコーダ112またはスイッチ113,115に出力する。
スイッチ113,115は、CCI_invalid_flagが0のとき、すなわち、記録フォーマット復号器111より出力されたトランスポートパケットのCCIが有効であるとき、スイッチ113,115を、それぞれ接点c0側に切り替えさせる。従って、いま、再生されているのが、コグニザントレコーダ54により記録されたストレージメディア101である場合、記録フォーマット復号器111より出力されたトランスポートパケットが、スイッチ113の接点c0、スイッチ115の接点c0を介して出力端子116からそのまま出力される。
これに対して、CCI_invalid_flagが1であるとき、すなわち、記録フォーマット復号器111の出力するトランスポートパケットに含まれるCCIが無効なCCIであるとき、スイッチ113,115は、接点c1側に切り替えられる。すなわち、いま再生されているのが、ノンコグニザントレコーダ52により記録されたストレージメディア76である場合、スイッチ113,115は、接点c1側に切り替えられることになる。
CPI-CCIエンコーダ112は、入力されたCPIを対応するCCIに変換する。すなわち、CPIがcopy onceのとき、CCIはcopy onceとされ、CPIがcopy prohibitedのとき、CCIはcopy prohibitedされ、CPIがcopy freeのとき、CCIはcopy freeとされる。
CCI書き換え回路114は、記録フォーマット復号器111からスイッチ113の接点c1を介して入力されたトランスポートパケットに含まれるCCIを、CPI-CCIエンコーダ112より供給されるCCIで書き換えて、スイッチ115の接点c1を介して出力端子116から出力する。
このように、この再生装置においては、ノンコグニザントレコーダ52により記録されたストレージメディア76を再生する場合にも、そのCCIを書き換えるようにしているので、出力されたトランスポートストリームは、コグニザントレコーダ54で記録した、ストレージメディア101から再生したトランスポートストリームと同様のトランスポートストリームとなる。従って、以後、CCIを解析可能なコグニザントレコーダにより記録しようとした場合、そのコピー制御情報に対応して、正確にコピーを管理することが可能となる。
以上においては、CCIとCCI_invalid_flagを各トランスポートパケット毎に記録するようにしたが、複数の任意の数のトランスポートパケット毎に記録したり、1つの番組単位、または、1つのカット(シーン)毎に記録するようにするなど、所定の単位毎に記録するようにしてもよい。
また、CPIとCCI_invalid_flagをトランスポートストリームとは独立した別のストリーム中に記録するようにしてもよい。例えば、複数のトランスポートストリームの番組がストレージメディアに記録される場合、ストレージメディアの記録内容を表すデータベースストリームを用意し、そこにCPIとCCI_invalid_flagを記録するようにしてもよい。
さらに、以上においては、トランスポートストリームを記録する場合を例として説明したが、本発明は、プログラムストリームを記録する場合にも適用することが可能である。この場合、プログラムストリームは、図12のVDR_MPEG2_program_streamの構成とされる。そこには、PSP_extra_information()が配置され、その中に、図13に示すように、CPIとCCI_invalid_flagが記録される。
さらに、DVストリームを記録する場合にも、本発明は適用することができる。この場合、DVストリームは、図14のVDR_ST_DVCR_streamに示す構成とされ、その中のSD_DVCR_frame_exra_information()中に、図15に示すように、CPIとCCI_invalid_flagが配置される。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、上記したような処理を行うコンピュータプログラムをユーザに提供する記録媒体としては、磁気ディスク、CD-ROM、固体メモリなどの他、ネットワーク、衛星などの通信媒体を利用することができる。
51 IRD, 52 ノンコグニザントレコーダ, 53 デジタル信号再生装置, 54 コグニザントレコーダ, 61 受信回路, 62 CCI解析回路, 63 CCI-EMIエンコーダ, 64 パケット化回路, 71 デパケット化回路, 72 EMI解析回路, 73 EMI-CPIエンコーダ, 74 記録フォーマット符号化器, 75 発生回路, 76 ストレージメディア, 91 デパケット化回路, 92 CCI解析回路, 93 CCIエンコーダ, 94 スイッチ, 95 CCI書き換え回路, 96 EMI解析回路, 97 EMI-CCIエンコーダ, 98 EMI-CPIエンコーダ, 99 記録フォーマット符号化器, 100 発生回路, 101 ストレージメディア