JP4552080B2 - 洗眼用カップホルダー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗眼薬を注ぎ眼に当てがって使用するカップを2個1組で支持する洗眼用カップホルダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンタクトレンズの普及に伴って、目薬を点眼して眼を洗浄する従来の方法のほかに、洗眼薬を用いる方法が急速に普及している。この方法では、洗眼薬が注がれたカップを、その開口縁部が眼の周囲に密着するように押しつけ、洗眼薬がカップと眼の周囲との間から漏れないようにしながら、眼球の表面全体を洗眼薬に浸すことにより、眼の汚れを洗い流したり、薬効を作用させたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した方法で両眼を洗浄する場合には、衛生上の観点から、片側の眼を洗浄した後に一旦カップを洗い、再度カップに洗眼薬を注いで、もう片方の眼を洗浄しなければならず、洗眼作業が面倒になっていた。
【0004】
したがって、カップを2個準備して、各カップに洗眼薬を注ぎ、左右の手でそれぞれカップを挟持ながら両眼を洗浄することもある。しかしながら、この場合は、各カップを別々に支持しなければならないため、安定性に欠け、それぞれの手への注意力が必要となる。また、小さなカップを個々に扱うことになるので、わずかな接触でカップが倒れ洗眼薬がこぼれてしまうこともあり、扱い難いという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題を解決すべくなされたものであり、洗眼薬が注がれた2個のカップを安定して支持するとともに、両眼の洗眼を同時に行うのに好適な洗眼用カップホルダーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、洗眼薬を注ぎ眼に当てがって使用するカップを2個1組で支持する洗眼用カップホルダーであって、前記2個のカップの各々を着脱自在に挟持し得るC字状に形成された1対の支持部材と、前記両支持部材を互いに連結するとともに、前記両支持部材の相対的な位置調節を可能にする可撓性を有した連結部材とを備えた洗眼用カップホルダーを提供するものである(第1発明)。
【0007】
前記支持部材は、該支持部材に支持されたカップの底面に当接する当接部材を備えたものとすることができる。
【0008】
本発明はまた、上記目的を達成するため、洗眼薬を注ぎ眼に当てがって使用するカップを2個1組で支持する洗眼用カップホルダーであって、前記カップの外周面の一部と当接可能な当接部及び前記カップの底部と係合可能な係合部により、前記カップを着脱自在に支持し得る2個の支持部材と、前記両支持部材を互いに連結するとともに、前記両支持部材の相対的な位置調節を可能にする可撓性を有した連結部材とを備えた洗眼用カップホルダーを提供するものである(第2発明)。
【0009】
前記連結部材は、前記カップが前記支持部材に支持され眼に当てがわれた状態において、顔の前方へ凸となる向きのU字形部分を備えたものとすることができる。
【0010】
前記連結部材は、前記カップが前記支持部材に支持された状態でカップの開口側に位置する第1の面と、前記開口側と反対方向に位置する第2の面とを備え、少なくとも前記第1の面に、前記連結部材の長手方向を横切る方向に延びる一以上の溝部が形成されたものとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る洗眼用カップホルダーの実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、複数の実施形態を通じて、同一又は同種の部分に同一の符号を付す。
【0012】
本発明に係る洗眼用カップホルダーの第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は洗眼用カップホルダーの正面図であり、図2はその平面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、このカップホルダー1は、可撓性のある直鎖状低密度ポリエチレンにより構成され、洗眼用のカップ2を支持するC字状に形成された2個の支持部材3と、両支持部材3を連結し、これらと一体的に形成された連結部材5とを備えている。
【0014】
洗眼用のカップ2は、通常、その水平断面形状が円形、長円形、卵形等である。各支持部材3は、その内面がカップ2の外周面に沿うように形成され、さらにカップ2が水平方向に脱離しないように挟持するため、C字形部分は、支持部材3に支持された基端部から2つに分岐して先端部へとカップ2の最大径部を越えて延びカップ2を周方向に囲む形状とされる。
【0015】
各支持部材3の一端部には、外向きフランジ7が形成され、このフランジ7の上面にカップ2の向きを決めるためのマーク11が形成されている。そして、洗眼時には、同図に示すように、支持部材3のフランジ7側から、洗眼用のカップ2が嵌め込まれ、支持部材3の内周面とカップ2の外周面とが密着することにより、カップ2が摩擦固定される。このとき、後述するカップ2に形成されているマークを、支持部材3のマーク11に一致させることで、支持部材3に対してカップ2を洗眼に適した向きに配置することができる。なお、マーク11の配置位置は任意であり、カップ2の向きを決めることが可能な位置であれば支持部材3上のどこであってもよい。
【0016】
連結部材5は、その中間部に、カップ2が支持部材3に支持され眼に当てがわれた状態で、顔の前方へ凸となる向きのU字形部分13が形成されており、このU字形部分13によって、連結部材5を屈曲させたり、或いは連結部材5を長手方向に伸縮させることができる。これにより、各カップ2を、使用者の眼の間隔、眼周辺部の角度に合わせて密着させることが可能となる。
【0017】
次に、このカップホルダー1の使用方法について説明する。洗眼を行うためには、まず、カップホルダー1の支持部材3に各々洗眼用のカップ2を嵌め込む。このとき、カップ2に形成されている縦筋状のマーク15を、上述した支持部材3のマーク11に位置決めする。続いて、各カップ2に所定量の洗眼薬を注いだ後、カップホルダー1を手指で支持しながら、連結部材5を屈曲乃至伸縮させて各カップ2の開口部2aを眼の周囲に密着させる。この状態で、洗眼薬が眼球を覆うように顔を仰向けの状態にして眼の洗浄を行う。
【0018】
以上のように、本実施形態に係る洗眼用カップホルダーによれば、カップホルダー1を支持しながら各カップ2の開口縁部を眼の周辺部に密着させることにより、左右の眼を同時に洗眼することができる。このとき、両カップ2は、支持部材3を介して連結部材5で連結されているため、両カップ2の水平度を容易に保つことができ、安定した状態で眼の周辺部に密着させることができる。また、マーク11、15により両カップ2を洗眼に適した向きに配置することができるため、両カップ2を同時により確実に眼の周辺部に密着することができる。
【0019】
また、両カップ2は、2個1組でカップホルダー1に安定して支持されるため、例えばカップが僅かな接触等によって倒れて洗眼薬がこぼれるのを防止することができる。しかも、2個のカップ2がバラバラの状態でなく、2個1組の状態で保持されるため、保管時においてカップ2の紛失を防止することもできる。
【0020】
さらに、連結部材5は、上記した可撓性のあるポリエチレンで構成されるとともにU字形部分13が形成されているため、連結部材5を屈曲、伸縮、或いは捻りによって両カップ2の相対的な位置決めを容易に行うことができ、これによって使用者の眼の位置や、眼周辺部の形状に合わせて、カップ2を眼の周辺部に確実に密着させることができる。なお、連結部材5は上記ポリエチレンのほか、ポリオレフィン系で、特に耐薬品性、低温安定性に優れたポリエチレン、ポリプロピレン等で構成するのが好ましい。
【0021】
上記第1実施形態では、支持部材3をC字状に形成してカップ2の外周面を支持しているが、これに限定されるものではなく、例えば支持部材を次のように構成すると、カップ2の垂直方向の位置が安定する。以下、図3及び図4を参照しつつ、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る洗眼用カップホルダーの正面図であり、図4はその平面図である。
【0022】
この第2実施形態が先に説明した第1実施形態と相違する主な点は、支持部材の構成である。
【0023】
図3及び図4に示すように、第2実施形態に係る洗眼用カップホルダー1の支持部材21は、連結部材5と一体的に形成されカップ2の外周面に当接する当接部23と、カップ2の底部に係合する係合部25とから構成されている。当接部23は、カップ2の外周に沿うように中心角が約120°の円弧状に形成されており、その一端部に外向きフランジ27が設けられている。係合部25は、底板29及び2個の突出片31,33からなる断面コ字状に形成されており、一方の突出片31が当接部23の下面に取り付けられている。そして、他方の突出片33と当接部23とでカップ2が水平方向に移動するのを規制している。
【0024】
洗眼を行う場合には、各カップ2の底面が係合部25の底板29に当接するまで、しっかりとカップ2を支持部材21に嵌め込み、所定量の洗眼薬をカップ2に注いだ後、カップホルダー1を手指で支持しながら、連結部材5を屈曲乃至伸縮させ、各カップ2の開口部2aを眼の周囲に密着させて眼の洗浄を行う。
【0025】
以上のように、本実施形態によると、上記第1実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、カップ2の底部が係合部25に係合しているため、各カップ2の垂直方向の動きを規制することができるとともに、両カップ2の開口部2aの高さを容易に一致させることができる。その結果、より安定した状態で眼の洗浄を行うことができる。
【0026】
本実施形態では、当接部23を中心角が約120°の円弧状に形成しているが、これに限定されるものではなく、カップ2の外周面に当接可能な形状であればよい。
【0027】
また、本実施形態と同様にカップ2の垂直方向の移動を規制するため、第1実施形態の支持部材3を次のように構成してもよい。すなわち、図5及び6に示すように、支持部材3においてフランジ7が形成されている側と反対側の端部に、カップ2の底面と当接するT字形の当接部材35を取り付ける。このような構成により、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、当接部材35の形状は上記T字形に限定されず、カップ2の底面に当接して、垂直方向の移動を規制できるものであればよい。
【0028】
上記各実施形態では、連結部材5にU字形部分13を形成して両支持部材3、21間の距離を調整しているが、連結部材を次のように構成してもよい。なお、以下では、第1実施形態に係るカップホルダーに適用した例を説明する。
【0029】
図7及び図8に示すように、連結部材5の一方の面5a、つまり支持されたカップ2の開口部2a側の面5aに、連結部材5の長手方向と直交する複数の溝からなる第1溝部41を形成するとともに、連結部材5の他方の面5bにおいて一連の第1溝部41の両端を挟む位置に一対の溝からなる第2溝部43を形成する。こうすることで、例えば支持部材3を互いに近接させると、連結部材5は、第1及び第2溝部41,43の溝の空所を閉じるように変形する。その結果、第1溝部41を設けた部分は、複数の溝により湾曲形状(図7の仮想線)に変形し、第2溝部43を設けた部分は、湾曲した部分とその両側の部分との境界部分で屈曲する。したがって、予め湾曲形状としない簡単な構成で、連結部材5を容易に屈曲させることができ、コストの面からも有利である。
【0030】
ここで、溝の数、位置、その深さは、連結部材の材質や屈曲させる度合いによって適宜決定すればよい。なお、第1及び第2溝部41,43は、いずれか一方のみ設けた場合であっても、屈曲を容易にする効果がある。また、連結部材5が扱いやすい可撓性のある材料で構成されていれば、必ずしもU字形部分13や溝部41,43を設ける必要はない。
【0031】
上記各実施形態では、カップ2を支持部材3に嵌め込み摩擦接触により、カップ2を固定しているが、より確実にカップ2を支持するためには、カップホルダー1に次のような固定機構を設ければよい。すなわち、図9に示すように、カップ2の外周面下部に突起2bを形成するとともに、これに係合可能な溝部45を支持部材3の内周面に形成する。この構成により、カップ2を支持部材3に嵌め込んだときに、突起2bと溝部45とが係合するため、カップ2を支持部材3に確実に固定することができ、例えばカップ2が支持部材3上で滑って回ったりすることなく、洗眼作業をより安定して行うことができる。但し、この固定機構は、上記したものに限定されるものではなく、例えばカップ側に溝部を形成し支持部材側に突起部を形成してもよく、この他カップ2を支持部材3に着脱自在に固定できる種々の構造を採用することができる。
【0032】
なお、上記説明では、溝部を付した連結部材及び固定機構を第1実施形態のカップホルダーに適用しているが、第2実施形態のカップホルダーに適用できることは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明(第1発明)の洗眼用カップホルダーによれば、連結部材で連結されたC字状の支持部材により、2個のカップを挟持して一体的に保持できるので、両カップの水平度を容易に保つことができ、安定した状態でカップを眼の周辺に密着させることができる。
【0034】
連結部材は、各支持部材の相対的な位置を調整可能に構成されているため、使用者の眼の位置や、顔の形状に合わせて、カップを確実に眼の周辺部に密着させることができる。
【0035】
また、本発明(第2発明)の洗眼用カップホルダーによれば、洗眼用カップを支持する支持部材が、カップの外周面の一部と当接可能な当接部及びカップの底部と係合可能な係合部を備えているため、カップの垂直方向の移動を規制することができるとともに、カップの開口部の高さを容易に一致させることができ、その結果、安定した状態でカップを眼の周辺に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る洗眼用カップホルダーの正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る洗眼用カップホルダーの平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る洗眼用カップホルダーの正面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る洗眼用カップホルダーの平面図である。
【図5】本発明に係る洗眼用カップホルダーの支持部材の他の例を示す正面図である。
【図6】本発明に係る洗眼用カップホルダーの支持部材の他の例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る洗眼用カップホルダーの連結部材の他の例を示す正面図である。
【図8】本発明に係る洗眼用カップホルダーの連結部材の他の例を示す平面図である。
【図9】本発明に係る洗眼用カップホルダーの支持部材のさらに他の例を示す正面図である。
【符号の説明】
1…洗眼用カップホルダー
2…カップ
3,21…支持部材
5…連結部材
13…U字形部分
23…当接部
25…係合部
35…当接部材
41,43…溝部
Claims (5)
- 洗眼薬を注ぎ眼に当てがって使用するカップを2個1組で支持する洗眼用カップホルダーであって、
前記2個のカップの各々を着脱自在に挟持し得るC字状に形成された1対の支持部材と、
前記両支持部材を互いに連結するとともに、前記両支持部材の相対的な位置調節を可能にする可撓性を有した連結部材と
を備えたことを特徴とする洗眼用カップホルダー。 - 前記支持部材が、該支持部材に支持されたカップの底面に当接する当接部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の洗眼用カップホルダー。
- 洗眼薬を注ぎ眼に当てがって使用するカップを2個1組で支持する洗眼用カップホルダーであって、
前記カップの外周面の一部と当接可能な当接部及び前記カップの底部と係合可能な係合部により、前記カップを着脱自在に支持し得る2個の支持部材と、
前記両支持部材を互いに連結するとともに、前記両支持部材の相対的な位置調節を可能にする可撓性を有した連結部材と
を備えたことを特徴とする洗眼用カップホルダー。 - 前記連結部材は、前記カップが前記支持部材に支持され眼に当てがわれた状態において、顔の前方へ凸となる向きのU字形部分を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の洗眼用カップホルダー。
- 前記連結部材は、前記カップが前記支持部材に支持された状態でカップの開口側に位置する第1の面と、前記開口側と反対方向に位置する第2の面とを備え、
少なくとも前記第1の面に、前記連結部材の長手方向を横切る方向に延びる一以上の溝部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の洗眼用カップホルダー。
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JPH04232135A (ja) * | 1990-06-16 | 1992-08-20 | Artur Fischer Gmbh | 飲料容器用のホルダ |
JPH11299928A (ja) * | 1998-04-16 | 1999-11-02 | Tabata:Kk | 水中メガネ |
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2001
- 2001-03-23 JP JP2001085474A patent/JP4552080B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
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