JP4551534B2 - ダイオキシン除去方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシンを含んだ物質からダイオキシンを除去するための方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年になってゴミ焼却炉からの煙や工場からの排水等に有害で分解しにくいダイオキシンが含まれていることが明らかになった。ダイオキシンで汚染された野菜や魚等の食物を摂取することにより、知らない間に人体が汚染されるということが分かった。更に、乳幼児の母親がダイオキシンで汚染された食物を摂取すると、母乳にダイオキシンが含まれて、乳幼児にもダイオキシンの悪影響があることも明らかになった。
【0003】
ダイオキシンは、ジベンゾパラジオキシン(ダイオキシン母核)に、少なくとも1ヶ所において水素(H)が塩素(Cl)に置換したものである。ダイオキシンの1例として図11に、4つの水素(H)が塩素(Cl)に置換した(テトラクロロジベンゾパラジオキシン)を示す。
ダイオキシンの仲間としては、ポリクロロジベンゾフラン(PCDF)と、コプラナーPCB(Co−PCB)とがある。ダイオキシン(PCDD)と、ポリクロロジベンゾフラン(PCDF)と、コプラナーPCB(Co−PCB)とを含めて「ダイオキシン類」と総称される。以後、「ダイオキシン類」を「ダイオキシン」として説明する。
【0004】
ダイオキシンを分解する方法としては、以下の(1)完全燃焼法、(2)熱分解法、(3)光分解法、(4)微生物分解法、(5)超臨界水分解法等が一般に知られている。
(1)の完全燃焼法は、ゴミの焼却の際に燃焼ガスを高温に保つことで、ダイオキシンの発生を抑制するものである。(2)の熱分解法は、酸素の少ない状態(還元雰囲気)で350〜400°Cでダイオキシンを加熱することにより、ダイオキシンに含まれる塩素を水素に置換してダイオキシンを分解するものである。(3)の光分解法は、太陽光または紫外線領域の波長の光を照射しつつオゾンを注入し、ダイオキシンを水,二酸化炭素,塩化物に分解するものである。(4)の微生物分解法は、酢酸エチル等の溶媒を用いることによりダイオキシン分解微生物の代謝活性を促進させてダイオキシンを脱塩素化するものである。(5)の超臨界水分解法は、高温高圧(400°Cで300気圧)の水の中にダイオキシンを溶解させ、ダイオキシンの溶解した臨界水に過酸化水素を酸化剤として添加して、ダイオキシンを水,二酸化炭素,塩化物に分解するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記(1)〜(5)のダイオキシンを分解処理する方法にはそれぞれ欠点を有している。(1)の完全燃焼法では、完全燃焼を行うために、燃焼室内のガスを均一にすることや、ガスの滞留時間を長く保つことが困難である。また、燃焼温度を1000°C以上に保たなければならないため、莫大な設備が必要となる。
(2)の熱分解法では、設備が高額で、しかも低酸素雰囲気下で反応が行われなかった場合には、逆にダイオキシンが多く生成される。(3)の光分解法では、毒性の最も高い2、3、7、8、−テトラクロロジベンゾパラジオキシンに紫外線または太陽光線を照射した時、完全分解するのに8時間から24時間程度の長い反応時間が必要であり、しかも分解工程が大気との解放状態で反応が行われるため、環境への悪影響がある。(4)の微生物分解法では、光分解法以上に長い反応時間を必要とし、しかも大気との解放状態で反応が行われるため環境への悪影響がある。また、微生物の代謝活性を高めるために、温度やph等を調整しなければならない。(5)の超臨界水分解法では、400°Cまでの加熱と300気圧までの加圧を必要とし、その後の急冷等の作業も必要であり、しかも莫大な設備費用がかかるものである。
【0006】
ゴミ等の焼却によって発生するダイオキシンは、野菜や果物や穀物や肉類や魚貝類等の食品の中に含まれる。また、太陽の下で乾燥させる衣類にダイオキシンが付着蓄積され、その衣類に付着されたダイオキシンによって、アトピー性皮膚炎が発生するという不具合があった。
ダイオキシンの分解処理方法として、上述の(1)〜(5)等の方法があるが、(1),(2),(5)は莫大な設備を要する欠点がある。(1),(5)は高温高圧のため衣類や食品等の日用品からのダイオキシンの除去に適応することができない。(2),(3),(4)はダイオキシンの除去に時間がかかるという欠点がある。
【0007】
本発明はこの点に鑑みてなされたもので、食品や衣類のような日用品だけでなく全てのダイオキシンを含む物質から、短時間でしかも簡単にダイオキシンを分解処理できるダイオキシン除去方法とその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るダイオキシン除去方法は、最初に強酸性カチオン交換樹脂に通し、次いで、アルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成る金属とトルマリンとを混在させたものと、黒曜石,真珠岩及び松脂岩のうちの少なくとも1つから成る岩石とのどちらか一方を先に他方を後に水を通すことによって生成した水の中に、ダイオキシンを含んだ物質を入れ、前記生成した水に入れた状態で前記物質に酸素を接触させるようにしたものである。
【0009】
本発明に係るダイオキシン除去方法は、前記ダイオキシンを含んだ物質に接触させる酸素を空気中の酸素としたものである。本発明は、前記生成した水を水槽内で循環手段によって循環させるようにしたものである。
【0010】
本発明は、ダイオキシンを含んだ物質が気体である場合に、最初に強酸性カチオン交換樹脂に通し、次いで、アルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成る金属とトルマリンとを混在させたものと、黒曜石,真珠岩及び松脂岩のうちの少なくとも1つから成る岩石とのどちらか一方を先に他方を後に水を通すことによって生成した水を、多数の容器内に入れ、最も上流側の容器内の創生水の中にダイオキシンを含んだ気体を導入すると共に酸素を導入し、前記最も上流側の容器の水面上と次の容器の水面下と連絡パイプで連結し、その後順に、相対的上流側の容器の水面上と相対的下流側の容器の水面下とを順次連絡パイプで連結し、前記最も上流側の容器内でダイオキシンを含んだ気体と前記酸素とを接触させ、前記最も上流側の容器内に溜る前記気体と前記酸素とを順次連絡パイプを経由して多数の容器内の前記生成した水の中に順に通過させるようにしたものである。
【0011】
本発明は、前記ダイオキシンを含んだ物質に接触させる酸素を空気中の酸素としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るダイオキシン除去装置の一例を示す構成図で、ダイオキシンを含んだ固形物あるいは液体からダイオキシン除去するための除去装置である。ダイオキシン除去装置は、水槽60と、外部から水槽60の内部の下位に空気を導入するための空気管62と、その空気管62から水槽60内の上方に向けて空気を投入する空気投入口としての噴射ノズル64と、水槽60の外部に配置されるものであって空気管62に空気を供給する空気供給装置66とを有する。水槽60内において、噴射ノズル64位置よりやや上方に落下防止用網68を水平面全域に敷設し、その落下防止用網68の上位に、ダイオキシンを含んだ固形処理物70を収納するための内籠72を備える。
この装置には、水槽60の内部へ水を供給するための水供給パイプ74と、水槽60内の水をオーバーフローさせるためのオーバーフローパイプ76と、水槽60内の水を循環させるための循環ポンプ78とが備えられる。
【0013】
水槽60内には水供給パイプ74から特殊な水が供給される。この特殊な水を以後「創生水(SOSEI Water)」と称する。この「創生水」は、ナトリウムイオン(Na+)とヒドロキシルイオン(H3O2 −)とヒドロニウムイオン(H3O+)とを含むものであり、「創生水」の製造方法並びに製造装置については特許第2889903号に既に明らかにされているが、「創生水」の製造方法の要部については後述する。なお、「創生水」には、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)とヒドロニウムイオン(H3O+)を含むが、ナトリウムイオン(Na+)を含まないものもあり、この点も後述する。
【0014】
ダイオキシンを分解する処理物が液体の場合には、水槽60の外部から水槽60の内部へダイオキシンを含む液体を導入するための液体導入パイプ80を備える。ダイオキシンを分解処理するものが液体の場合には、固形処理物70を収納した内籠72は水槽60の内部へ一般には入れないが、同時に入れておいても問題はない。液体導入パイプ80の水槽60内における開口部は、低い位置であるのが望ましく、例えば落下防止用網68のやや上位とする。
【0015】
ここで、ダイオキシンを含んだ固形処理物70からダイオキシンを分解する方法について説明する。例えば衣類や食品等のダイオキシンを含んだ固形処理物70を内籠72の中に入れ、水槽60内の創生水の水面下に沈める。そして、噴射ノズル64から空気(酸素)を固形処理物70に向けて噴射させる。これによって、ダイオキシンを含んだ固形処理物70は、創生水に浸された状態で空気(酸素)と接触する。空気は下方から固形処理物70に向けて噴射するのが、固形処理物70に空気が接触する量が大量となる観点から望ましいが、空気を横方向から固形処理物70に噴射させるものであっても良い。なお、噴射ノズル64から空気を噴射するとしたが、空気ではなくて噴射ノズル64から酸素ガスを噴射するようにしても良い。
水槽60内の創生水を、循環手段としての循環ポンプ78によって強制的に水槽60内で循環させる。これによって、創生水に含まれるナトリウムイオン(Na+)とヒドロキシルイオン(H3O2 −)とヒドロニウムイオン(H3O+)とを、ダイオキシンを含んだ固形処理物70により効率的に接触させる。
【0016】
固形処理物70に含まれるダイオキシンを例えば図11に示すものとすると、創生水と空気(酸素)とをダイオキシンを含んだ固形処理物70に接触させることにより、図11に示すダイオキシンは、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)と酸素(O2)とによって、図2に示すように、ベンゼン環の炭素(C)と結合していた塩素(Cl)が離れ、その塩素(Cl)の代わりに、水素(H)または酸素(O)がベンゼン環の炭素(C)と結合する。
ベンゼン環の炭素(C)から離れた塩素(Cl)は、ヒドロニウムイオン(H3O+)と結合して塩化水素(HCl)となる。この塩化水素(HCl)の塩素(Cl)は、最終的には創生水に含まれるナトリウムイオン(Na+)と結合して、塩化ナトリウム(NaCl)になる。
【0017】
ここで、創生水と空気(酸素)とによってダイオキシンを分解した計測結果を図3に示す。図3は、創生水3リットルの中に各種ダイオキシンを入れ、その後清浄な空気(1分間当たり5リットルの空気量)で30分間曝気した計測結果を示すものである。図3における、創生水3リットルの中に入れる各種ダイオキシンにおいて、「2378T4CDD」は100pg,「12378P5CDD」は100pg,−−「233’44’55’−H7CB(#189)」は250pg等とする。なお、回収濃度の数値については、小数点以下2桁を四捨五入したものである。
図3の計測結果によれば、創生水の中に入れたダイオキシンを空気で30分間曝気した後に、各種ダイオキシンを回収して、どれだけダイオキシンが減少しているかを示すものである。図3の計測結果によれば、平均77.9%のダイオキシンが回収されたことが示されている。言い換えると、22.1%のダイオキシンが30分間で消滅したことを意味している。
【0018】
図3の計測を行った企業名は「野外科学株式会社」で、住所は「〒065-0043北海道札幌市東区苗穂町12丁目2番39号」である。また、計量証明事業番号は、「北海道知事登録第607号」である。以下の図4乃至図6に示す各種の計測結果も「野外科学株式会社」の計測によるものであり、測定数値等も同一基準によるものである。
なお、これらの計測結果において、各種ダイオキシンの添加濃度の単位が非常に小さいものであるため、ダイオキシンの回収率においては±10%前後の値は誤差の範囲とみなすとされている。
しかし、10%の誤差の範囲があるとして、図3の計測結果の22.1%から10%を差し引いても(最大の譲歩をしても)、12.1%のダイオキシンが30分間で分解したことになり、本発明のダイオキシン除去方法は多大の効果があることを示すものである。
【0019】
以上の計測結果から、曝気時間を長くし、場合によっては新規な創生水を途中で追加したり、あるいは途中で新規な創生水を入れ替えることによって、数時間でダイオキシンを100%除去できることが類推できる。しかも、ダイオキシンが付着した物品を水の中に入れて空気を当てるだけでダイオキシンが分解されるので、衣類や食品等の日用品からダイオキシンを除去することができる。後述するが、創生水は洗浄機能を有すると共に魚介類や野菜等を腐らせない働きをするのでより、衣類や食品等の日用品を創生水の中に入れておいても何ら支障がない。
【0020】
図4は創生水3リットルの中に図3と同じ各種ダイオキシンを入れ、そのまま30分間放置した計測結果を示すものである。図4の計測が図3と異なるのは、空気の曝気を行わない点と、創生水に入れていた時間を倍(1時間)にした点である。図4の計測結果によれば、ダイオキシンの回収は88.3%である。ここで、10%の誤差を差し引いたとしても、創生水そのものによってもダイオキシンが分解されることが判明する。これは、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)及び/またはヒドロニウムイオン(H3O+)の働きによって、ダイオキシンが分解されると考えられる。但し、図3と図4との回収率から分るように、創生水と空気(酸素)による曝気との方が、創生水のみと比べて大量にダイオキシンを分解することが分かる。
【0021】
従来から、ダイオキシンの分解には過酸化水素が有効であるということが知られている。このため、創生水に過酸化水素を混合した実験結果を図5に示す。図5は、各種ダイオキシンを入れた創生水3リットルの中に、特級過酸化水素31%を360ml入れて、1時間放置したものである。図5における各種ダイオキシンの回収率は、92.9%であり、10%の誤差を考えると、創生水と過酸化水素との組み合わせではダイオキシンは分解しないことが分かる。
【0022】
図3の結果において、各種ダイオキシンは創生水の中からは減少したが、空気中に放出されたのではないかという疑問が生じた。このため、図3のダイオキシンの分解測定の際に、創生水を経由した空気を回収して、その中にダイオキシンが含まれているかどうかを計測した。その計測結果を図6に示す。図6は、創生水3リットルの中に各種ダイオキシンを入れて、その後清浄な空気(1分間当たり5リットルの空気量)で2時間曝気し、その後創生水2リットルを新規追加して30分間曝気した計測結果を示すものである。図6の計測結果によれば、創生水を経由した空気の中に含まれるダイオキシンの回収率は0.9%であった。即ち、回収率の誤差が±10%前後であることから、この回収率の数値から判断すると、図3のダイオキシンの分解の際に、空気中に各種ダイオキシンが放出されないことが明らかになった。
【0023】
以上のように、図3,図4,図5の計測結果から、創生水の中にダイオキシンを含んだ物質を入れ、空気(酸素)を噴射等で加えることによって、ダイオキシンが分解されることが証明された。更に、図6の計測結果から、創生水を経由した空気にダイオキシンが含まれることはないことも証明された。
【0024】
ダイオキシンの分解は、創生水に主に含まれるヒドロキシルイオン(H3O2 −)と空気中の酸素とによって、ベンゼン環の炭素(C)から塩素(Cl)を分離させ、分離した塩素(Cl)とヒドロニウムイオン(H3O+)とによって、塩化水素(HCl)を生成すると考えられる。
また、ヒドロニウムイオン(H3O+)と空気中の酸素とによってによっても、ダイオキシンの分解は行われると考えられる。この場合、ヒドロニウムイオン(H3O+)は、ベンゼン環の炭素(C)から離れた塩素(Cl)と結合して、塩化水素(HCl)を生成する働きもするので、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)を含まずに、ヒドロニウムイオン(H3O+)のみを含む水では、ヒドロニウムイオン(H3O+)を大量に含む必要がある。
【0025】
ダイオキシンを含んだものが液体の場合には、創生水が入っている水槽60の内に、液体導入パイプ80からダイオキシンを含んだ液体を入れ、噴射ノズル64から空気を導入し、循環ポンプ78で水槽60内を移動させる。また、必要に応じて、水槽60内に創生水を途中で新規に追加する。これによって、固形処理物70に含まれたダイオキシンと同様に、液体に含まれたダイオキシンを分解することができる。
【0026】
図1はダイオキシンが固形物や液体に含まれている場合の除去装置であるが、ダイオキシンを含んだ気体からダイオキシンを除去するための除去装置の一例を図7に示す。
容器82の内部の下位に、容器82内に空気を投入噴射する噴射ノズル64を備える。容器82には、ダイオキシンを含んだ空気(排気)等の気体をその中に導入するための気体導入パイプ84が取り付けられる。容器82に隣接して多数の容器86を備え、容器82から順に隣り合う容器86同士を連絡パイプ88で連絡する。容器82と多数の容器86の内部には、創生水を所定の高さまで入れておく。気体導入パイプ84の容器82内の開口部は、水面の下位でしかも低位に位置させる。水槽同士を連絡する連絡パイプ88は、一方の水槽では水面より上位に開口し、他方の水槽では水面の下位でしかも低位に開口するよう設定する。
【0027】
気体導入パイプ84からダイオキシンを含んだ排気等を容器82内に導入する。ダイオキシンを含んだ空気は容器82内の創生水や噴射ノズル64から投入された空気(酸素)と接触する時間が少ない。このため、容器82に充満したダイオキシンを含んだ排気等と噴射ノズル64から投入された空気とを、連絡パイプ88を介して多数の容器86内の創生水を経由させるようにする。これによって、排気等に含まれるダイオキシンは容器82,86内で創生水と空気(酸素)とによって固形処理物20の場合と同様に分解される。
なお、多数の容器86のうち、幾つかの容器86内に空気を投入するための噴射ノズル64を備えるようにしても良い。
【0028】
次に、ナトリウムイオン(Na+)とヒドロキシルイオン(H3O2 −)とヒドロニウムイオン(H3O+)とを含む創生水の製造方法を、図8,図9,図10に基づいて説明する。
図8は創生水を製造するための製造装置の一例を示す構成図である。第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12とイオン生成器14と岩石収納器16とが、連絡管18a,18b,18cを介して、順に直列に連結されている。
第1の軟水生成器10には、例えば水道のような圧力のある水が水供給管20から連絡管22を介して第1の軟水生成器10に供給される。水供給管20と連絡管22との間には、蛇口のような入口用開閉弁24が備えられ、連絡管22の途中には逆止弁26が備えられる。岩石収納器16の出口側には吐出管28が取り付けられ、吐出管28の先端または途中に出口用開閉弁30が備えられる。
【0029】
水道水の場合、水供給管20から送り出される水は、第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12とイオン生成器14と岩石収納器16の順を経て、出口用開閉弁30を開くことによって吐出管28から取り出される。
水道水以外の場合は、図示しないが、水槽に溜めた水をポンプによって、水供給管20を経由して第1の軟水生成器10に導入する。この場合、ポンプと第1の軟水生成器10との間に逆止弁26を備える。
【0030】
第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12は、その内部に粒状のイオン交換樹脂32を大量に収納するもので、その断面図を図9に示す。軟水生成器10,12の本体34は筒状をしており、その筒状の上下端面に水の出入口36a,36bを有する。筒状の本体34の内部には、上下の端面からやや離れた位置の内壁に、それぞれ中央に穴を開けたシールド部材38a,38bを備える。その一対のシールド部材38a,38bの間に、イオン交換樹脂32を細かい網40に入れた状態で収納する。
上下の出入口36a,36bからやや離れた位置の内壁に、中央に穴を開けたシールド部材38を備えるのは、イオン交換樹脂32を細かい網40を一対のシールド部材38の間に配置し、出入口36a,36b付近に空間42a,42bを形成させるためである。また、シールド部材38a,38bの中央の穴から水を出入りさせるようにしたのは、水がイオン交換樹脂32に必ず接触させるためである。イオン交換樹脂32を網40に入れるのは、粒状のイオン交換樹脂32を洗浄するために取り出す際に、網40ごと粒状のイオン交換樹脂32を取り出せるようにしたものである。
【0031】
イオン交換樹脂32は、水に含まれているCa2 +やMg2 +やFe2 +等の金属イオンを除去して、水を軟水にするためのものである。イオン交換樹脂32としては、例えば、スチレン・ジビニルベンゼンの球状の共重合体を均一にスルホン化した強酸性カチオン交換樹脂(RzSO3Na)を用いる。このイオン交換樹脂32は、水に含まれているCa2 +やMg2 +やFe2 +等の金属イオンとは、以下のイオン交換反応を生じる。
2RzSO3Na + Ca2 + → (RzSO3)2Ca + 2Na+
2RzSO3Na + Mg2 + → (RzSO3)2Mg + 2Na+
2RzSO3Na + Fe2 + → (RzSO3)2Fe + 2Na+
即ち、イオン交換樹脂32を通すことによって、水に含まれているCa2 +やMg2 +やFe2 +等を除去することができる。イオン交換樹脂32として強酸性カチオン交換樹脂(RzSO3Na)を用いることによって、ナトリウムイオン(Na+)が発生する。イオン交換樹脂32は、Na+以外のものが発生するものであっても構わないが、Na+を発生するものの方が好ましい。
水が水道水であれば、その水道水の中にはCa2 +やMg2 +やFe2 +等の金属イオンの他に塩素が含まれているが、水道水がイオン交換樹脂32を通ることによって、この塩素には何も変化が生じない。
【0032】
一方、水(H2O)がイオン交換樹脂32を通ることによって、以下のように変化する。
H2O → H+ + OH− ……(1)
H2O + H+ → H3O+ ……(2)
即ち、(1) (2) に示すように、イオン交換樹脂32を通ることによって、水からは水酸化イオン(OH−)とヒドロニウムイオン(H3O+)とが発生する。このヒドロニウムイオン(H3O+)によって、水は界面活性作用を有する。
【0033】
このように、もし水が硬水であった場合に、イオン交換樹脂32を通過することによって、水からCa2 +やMg2 +やFe2 +等の金属イオンが除去されて軟水となる。また、イオン交換樹脂32を通過することによって、水の中にNa+とOH−とヒドロニウムイオン(H3O+)とが発生する。しかし、水道水に含まれている塩素(Cl)はイオン化しないでそのまま通過する。
【0034】
次に、前記イオン生成器14の部分断面図を図10に示す。イオン生成器14は、複数個のカートリッジ44を同じ配置で上下に連続して直列に連結したものである。各カートリッジ44の内部に、粒状のトルマリン46と板状の金属48とを収納する。
トルマリンは、プラスの電極とマイナスの電極とを有するもので、このプラスの電極とマイナスの電極によって、水に4〜14ミクロンの波長の電磁波を持たせ、かつ水のクラスターを切断してヒドロニウムイオン(H3O+ )を発生させるためのものである。その4〜14ミクロンの波長の電磁波が持つエネルギは0.004watt/cm2である。
ここで、トルマリン46とは、トルマリン石を細かく砕いたものであっても良いが、トルマリンとセラミックと酸化アルミニウム(銀を含むものもある)との重量比を約10:80:10とする市販のトルマリンペレットと呼ばれるトルマリン混合体であっても良い。このトルマリンペレットに含まれるセラミックは、プラスの電極とマイナスの電極を分離しておく作用をする。ここで、トルマリン46をセラミックに対し重量比10%以上の割合で混合させて800°C以上で加熱することによって、水の攪拌によって所定の期間(例えば直径4mmで約3ヶ月)で消滅するトルマリン46を作ることができる。
【0035】
前記金属48としては、アルミニウム、ステンレス、銀の少なくとも1種類の金属を用いる。この金属48としては、金属48としては、水中で錆を発生させたり水に溶けたりしない金属が望ましく、更に人体に悪影響を及ぼさないものが望ましい。この金属48のうち、アルミニウムは殺菌作用や抗菌作用と共に漂白作用を有しており、ステンレスは殺菌作用や抗菌作用と共に洗浄向上作用を有しており、銀は殺菌作用や抗菌作用を有している。アルミニウムが漂白作用を有しており、ステンレスは洗浄向上作用を有しているが、銀はアルミニウムやステンレスよりも殺菌作用や抗菌作用が強いので、例えば、漂白作用が必要で、しかも殺菌作用や抗菌作用を強くしたい場合には、アルミニウムに銀を混ぜれば良い。
金属48としては、銅や鉛は毒性を有しているので採用することができない。また、金等の高価な素材はコスト上からも採用することができない。
前記トルマリン46と金属48との重量比は、10:1〜1:10程度が望ましい。
【0036】
カートリッジ44は一端を開放した筒状をしており、その底面50に多数の穴52が設けられている。カートリッジ44の内部にトルマリン混合体46と金属48とを入れた場合に、底面50の穴52をトルマリン46や金属48が通過しないように穴52の大きさを設定する。
図10に示すように、各カートリッジ44は多数の穴52を設けた底面50を下側にし、その底面50の上にトルマリン46や金属48を載せる。そして、各カートリッジ44の内部を下位から上位に向かって流れるように設定する。即ち、各カートリッジ44においては、底面50の多数の穴52を通過した水が、下から上に向けてトルマリン46と金属48とに噴射するように設定されている。
ここで、水道水は高い水圧を有するので、その水圧を有する水がカートリッジ44内のトルマリン46と金属48に勢いよく衝突し、その水の勢いでトルマリン46と金属48とがカートリッジ44内で攪拌されるように、穴52の大きさ並びに個数を設定する。水が通過する勢いを用いてトルマリン46と金属48をカートリッジ44内で攪拌する方法としては、種々の手段が考えられるが、どのような従来既知の撹拌手段を用いても構わない。
水をトルマリンに噴射してトルマリンを攪拌するのは、その攪拌によってトルマリンと水とに摩擦が生じ、電極が水に溶け出して水のクラスターを切断し、ヒドロニウムイオン(H3O+)を大量に発生させるためである。また、水道水のような圧力のある水を穴52を通して下からトルマリン等に噴射することによって、攪拌手段を設けなくて済む。
【0037】
実際の設置例としては、内径5cmで深さが7cmの収容容積を有するカートリッジ44を4段に重ね、そのカートリッジ44内にトルマリン46と金属48とを充分収納するが、トルマリン46と金属48とがカートリッジ44内で自由に移動できるような分量とする。カートリッジ44の段数を増減しても構わないし、収容容積を大きくした1個のカートリッジ44にしても良い。
このように、トルマリン46と金属48を収容容積を小さくした複数のカートリッジ44に分散させて、それらの複数のカートリッジ44を接続させることで、水の勢いによってトルマリン46と金属48との撹拌効率を高めることができる。
カートリッジ44内に収納したトルマリン46は、水に溶けて数ヶ月で消滅するので、各カートリッジ44は例えば螺合等の手段によって容易に着脱出来るようにし、各カートリッジ44内にトルマリン46を容易に補充できるようにする。なお、金属48は水に溶けないので補充する必要がないが、トルマリン46と金属48とを入れたカートリッジ44全体を取替えることも可能である。カートリッジ44は使用流量の大小に応じてその収容容積を変えるようにしても良い。
【0038】
トルマリン46にはプラス電極とマイナス電極とがあるため、トルマリンが水で攪拌されると、水(H2O)は水素イオン(H+)と水酸化イオン(OH−)とに解離する。
H2O → H+ + OH− ……(1)
更に、水素イオン(H+ )と水(H2O)とによって、界面活性作用を有するヒドロニウムイオン(H3O+)が発生する。このヒドロニウムイオン(H3O+)の発生量は、前記イオン交換樹脂32によって発生する量よりはるかに多い量である。
H2O + H+ → H3O+ ……(2)
このヒドロニウムイオン(H3O+)の一部は、水(H2O)と結びついてヒドロキシルイオン(H3O2 −)と水素イオン(H+ )になる。
H3O+ + H2O → H3O2 − +2H+ ……(3)
このヒドロキシルイオン(H3O2 −)は、ヒドロニウムイオン(H3O+)と同様に界面活性作用を有し、衣服等を洗浄する働きをする。
【0039】
イオン交換樹脂32を通過した水を、イオン生成器14を通過させることによって、水の内部にヒドロニウムイオン(H3O+)とヒドロキシルイオン(H3O2 −)とH+ とOH− とが発生する。なお、イオン交換樹脂32を通過した塩素(Cl)と、イオン交換樹脂32で発生したNa+とは、反応することなくそのままイオン生成器14を通過する。
【0040】
イオン生成器14を通過した水を、次に、マイナス電子を帯びている岩石54を収納する岩石収納器16の内部を通過させる。マイナス電子を帯びている岩石54としては、現在知られているものとして黒曜石や真珠岩や松脂岩がある。黒曜石や真珠岩や松脂岩以外でも、マイナス電子を帯びている岩石であれば採用することができる。
創生水は、水道水をきれいな水にするだけでなく、おいしい水に変えることも研究の対象とした。おいしい水と言われている日本の名水100選を調べていくうちに、水に青粉等の浮遊物が混ざっていないものを3銘柄見つけ出した。水に青粉等の浮遊物が混ざっている場合、従来からこれを簡単に除去することが非常に難しいものである。そこで、この3銘柄の水が通過する岩石を調べた処、黒曜石や真珠岩や松脂岩であることが分かった。そしてこれらの岩石が共通し、青粉等の浮遊物が混ざらないものとして、マイナス電子を帯びている岩石であることを突きとめた。
【0041】
これら黒曜石や真珠岩や松脂岩は、原石の状態で−20〜−240mmvの酸化還元電位を有する。これらの黒曜石や真珠岩や松脂岩等を加工してパーライト(黒曜石等を砕いて800°C以上に熱したもの)にした時、−100〜−300mmvに酸化還元電位が上昇することが分かった。従って、マイナス電子を帯びている岩石54としては、黒曜石や真珠岩や松脂岩の原石でもよいが、それらのパーライトの方が望ましい。但し、岩石54は水に溶けたり、飲料水等として害になるものを除く。岩石収納器16は例えば内径を10cmとし、高さを80cmの筒とし、その内部に例えば5mm〜50mm粒程度の大きさのマイナス電子を帯びている岩石54を、水の通過流量を落とさない程度の量を収容する。
【0042】
この岩石収納器16の内部に、イオン生成器14を通過を通過した水を通過させるると、水にe−(マイナス電子)が加えられる。この結果、水道水に含まれている塩素(Cl)はマイナス電子によって、塩素イオンとなる。
Cl + e− → Cl− ……(4)
このCl−と前記Na+とはイオンとして安定した状態になる。安定した状態とは、蒸発することなくイオン状態が長期間保たれることを意味する。また、前記ヒドロキシルイオン(H3O2 −)もイオンとして安定した状態になる。
水が岩石54を通過することによって、イオン生成器14を通過した水と比べて、ヒドロニウムイオン(H3O+)が更に発生し、かつヒドロキシルイオン(H3O2 −)も更に発生する。
H2O + H+ → H3O+ ……(2)
H3O+ + H2O → H3O2 − + 2H+ ……(3)
水が岩石54を通過することによって、その他に、以下の反応も発生する。
OH− + H+ → H2O ……(5)
2H+ + 2e− → 2H2 ……(6)
更に、水が岩石収納器16を通過すると、岩石54のマイナス電子によって、水の酸化還元電位が+340mmvから−20〜−240mmvになる。水に代えてお湯を使うと、マイナスの酸化還元電位がより安定する。
【0043】
以上のように、水を先ずイオン交換樹脂32に通過させ、次にトルマリン46と金属48とに通過させ、最後に岩石54を通過させた水が「創生水」である。
この創生水には、Na+と、Cl−と、H+ と、OH− と、ヒドロニウムイオン(H3O+)と、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)とが存在する。特に、ヒドロニウムイオン(H3O+)と、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)とが大量に発生する。Na+ もイオン交換樹脂32によって大量に発生する。Cl− は、水道水を原水とし、その原水に塩素が含まれている場合にのみ発生するが、原水に塩素が含まれていない場合には発生しない。
【0044】
この創生水の水質検査結果を、以下に示す。この創生水と比較する水道水の値をカッコ内に示す。但し、水道水において創生水と同じ値は、「同じ」とする。
亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素:1.8mg/l(同じ)、塩素イオン:6.8mg/l(9.0mg/l)、一般細菌:0個/ml (同じ)、シアンイオン0.01mg/l未満(同じ)、水銀:0.0005mg/l未満(同じ)、有機リン:0.1mg/l未満(同じ)、銅:0.01mg/l未満(同じ)、鉄:0.05mg/l未満(0.08mg/l未満)、マンガン:0.01mg/l未満(同じ)、亜鉛:0.005mg/l未満(0.054mg/l未満)、鉛:0.01mg/l未満(同じ)、六価クロム:0.02mg/l未満(同じ)、カドミウム:0.005mg/l未満(同じ)、ヒ素:0.005mg/l未満(同じ)、フッ素:0.15mg/l未満(同じ)、カルシウム・マグネシウム等(硬度):1.2mg/l(49.0mg/l)、フェノール類:0.005mg/l未満(同じ)、陰イオン海面活性剤0.2mg/l未満(同じ)、pH値:6.9(同じ)、臭気:異臭なし(同じ)、味:異味なし(同じ)、色度:2度(同じ)、濁度:0度(1度)
【0045】
この創生水は、製造コストが安価で、しかも大量に製造することができる。創生水は、更に以下に列挙する多くの効果を有する。
(a) 界面活性作用がある。
創生水に含まれるヒドロニウムイオン(H3O+)並びにヒドロキシルイオン(H3O2 −)には界面活性作用(OW型エマルジョン乳化作用)があるので、衣類や食品や食器等の洗浄する洗剤の代わりに創生水を使用することができる。
(b) 微弱エネルギ(育成光線)作用がある。
トルマリンは微弱エネルギ(4〜14ミクロンの波長の電磁波)を放出する。
この微弱エネルギは水の大きいクラスタを切断して、原水のクラスタ内に抱えこまれていた有毒ガスや重金属類を水から外部に放出する。これによって、創生水は人間が飲んで健康に良い水となる。この微弱エネルギは育成光線とも呼ばれ、吸収光であるために物体や動植物に吸収されやすい。物体や動植物に吸収される微弱エネルギは、物体や人間を含めた動植物の細胞に良い影響を与え、生物の成長を促進する。従って、食品等を創生水の中に長期間入れておいても問題はない。
(c) 抗菌作用並びに殺菌作用がある。
金属48としてのアルミニウム、ステンレス、銀のいずれにも、抗菌作用並びに殺菌作用がある。また、イオン交換樹脂32によってNa+を発生させる場合には、Na+ も抗菌作用並びに殺菌作用がある。この結果、創生水内に食品を漬けておく場合には、水道水の場合と比べてほとんど腐ることがない。更に、植物に創生水を与えると、害虫が付きにくくなる。
【0046】
製造した創生水を、岩石54を内蔵する岩石収納器16に再度あるいは数度通過させることによって、ヒドロニウムイオン(H3O+)とヒドロキシルイオン(H3O2 −)とを更に創生水内に大量に生成させることができる。
【0047】
創生水の製造方法としては、図8に示すように水をイオン交換樹脂32,トルマリン46と金属48,岩石54の順に通過を通過させたが、水をイオン交換樹脂32,岩石54,トルマリン46と金属48の順にしても良い。この場合でも、Na+ と、Cl−と、OH− と、ヒドロニウムイオン(H3O+)と、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)とH+ とを有する創生水を作ることができる。
【0048】
なお、創生水はNa+ と、ヒドロニウムイオン(H3O+)と、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)とを有すると前述したが、ナトリウムイオン(Na+ )を含まないもの(これも創生水とする)であっても、本発明のダイオキシン除去に応用することができる。
創生水の応用例として、図8において、第1の軟水生成器10と第2の軟水生成器12とを省略して、トルマリン46と金属48とを内蔵するイオン生成器14と岩石54を内蔵する岩石収納器16とを直列に連結して、それらに順に水を通過させる。これによって、OH− と、H+ と、ヒドロニウムイオン(H3O+)と、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)とを含んだ水(創生水の応用例)を作ることができる。
なお、前述のイオン生成器14と岩石収納器16とを入れ替えても、OH−と、H+ と、ヒドロニウムイオン(H3O+)と、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)とを含んだ水を作ることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るダイオキシンを除去する方法によれば、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)及び/またはヒドロニウムイオン(H3O+ )を含む水にダイオキシンを含む物質を入れた状態で空気(酸素)を接触させることによって、ダイオキシンを容易にかつ短時間で分解することができる。
従来のダイオキシンを除去する方法等は、高温高圧下等で処理を行うために、日用品である衣類や食品からダイオキシンを除去することができなかった。これに対して本発明では、ダイオキシンを含んだ物質を水に漬けた状態で空気(酸素)を接触させるので、ダイオキシンを除去する物質が衣類や食品であっても、それらを損傷することなくダイオキシンを除去することができる。
【0050】
ヒドロキシルイオン(H3O2 −)及び/またはヒドロニウムイオン(H3O+ )を含む水は、界面活性作用を有するので、衣類からダイオキシンを除去する際に同時に衣類の洗浄ができる。また、ヒドロキシルイオン(H3O2 −)及び/またはヒドロニウムイオン(H3O+)を含む水は、微弱エネルギ(育成光線)作用と、抗菌作用並びに殺菌作用とを有するので、野菜や果物や魚介類等からダイオキシンを除去する際に、それらを創生水の中に入れておいても、それらが腐ることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイオキシン除去装置の一例を示す構成図である。
【図2】ダイオキシンが分解して塩素を含まなくなった化合物の構造図である。
【図3】創生水3リットルの中に各種ダイオキシンを入れて30分間空気を噴射し、その後に創生水の中からダイオキシンを回収した回収率を示す表である。
【図4】創生水3リットルの中に各種ダイオキシンを入れて1時間放置し、その後に創生水の中からダイオキシンを回収した回収率を示す表である。
【図5】創生水3リットルの中に各種ダイオキシンを入れて、特級過酸化水素31%を360ml入れて1時間放置し、その後に創生水の中からダイオキシンを回収した回収率を示す表である。
【図6】創生水3リットルの中に各種ダイオキシンを入れて2時間空気で曝気し、その後創生水を2リットル追加して30分間空気で噴射した場合において、創生水を経過した空気からダイオキシンを回収した回収率を示す表である。
【図7】本発明に係るダイオキシン除去装置の他の例を示す構成図である。
【図8】本発明に使用する水の製造装置の一例を示す構成図である。
【図9】図8に示す水の製造装置に用いる軟水生成器の断面図である。
【図10】図8に示す水の製造装置に用いるイオン生成器の要部断面図である。
【図11】ダイオキシンの一例を示す分子構造である。
【符号の説明】
32 イオン交換樹脂
46 トルマリン混合体
48 混合用金属
54 岩石
60 水槽
62 空気管
64 噴射ノズル
68 落下防止用網
70 固形処理物
72 内籠
78 循環ポンプ
82 容器
84 気体導入パイプ
86 容器
88 連絡パイプ
Claims (5)
- 最初に強酸性カチオン交換樹脂に通し、次いで、アルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成る金属とトルマリンとを混在させたものと、黒曜石,真珠岩及び松脂岩のうちの少なくとも1つから成る岩石とのどちらか一方を先に他方を後に水を通すことによって生成した水の中に、ダイオキシンを含んだ物質を入れ、前記生成した水に入れた状態で前記物質に酸素を接触させることを特徴とするダイオキシン除去方法。
- 前記ダイオキシンを含んだ物質に接触させる酸素を空気中の酸素としたことを特徴とする請求項1記載のダイオキシン除去方法。
- 前記生成した水を水槽内で循環手段によって循環させることを特徴とする請求項1記載のダイオキシン除去方法。
- ダイオキシンを含んだ物質が気体である場合に、最初に強酸性カチオン交換樹脂に通し、次いで、アルミニウム,ステンレス及び銀のうちの少なくとも1つから成る金属とトルマリンとを混在させたものと、黒曜石,真珠岩及び松脂岩のうちの少なくとも1つから成る岩石とのどちらか一方を先に他方を後に水を通すことによって生成した水を、多数の容器内に入れ、最も上流側の容器内の創生水の中にダイオキシンを含んだ気体を導入すると共に酸素を導入し、前記最も上流側の容器の水面上と次の容器の水面下と連絡パイプで連結し、その後順に、相対的上流側の容器の水面上と相対的下流側の容器の水面下とを順次連絡パイプで連結し、前記最も上流側の容器内でダイオキシンを含んだ気体と前記酸素とを接触させ、前記最も上流側の容器内に溜る前記気体と前記酸素とを順次連絡パイプを経由して多数の容器内の前記生成した水の中に順に通過させることを特徴とするダイオキシン除去方法。
- 前記ダイオキシンを含んだ物質に接触させる酸素を空気中の酸素としたことを特徴とする請求項4記載のダイオキシン除去方法。
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