JP4551108B2 - Noc2ノックアウトマウス - Google Patents

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Description

本発明は、Noc2ノックアウトマウスに関し、より詳しくは、Noc2遺伝子を破壊してなる、ストレス性インスリン分泌不全発現マウスに関する。
調節されたエキソサイトーシスは、分泌性細胞における主要な生物学的プロセスの1つであり、シナプス小胞から神経伝達物質を放出するものである(1, 2)神経細胞において幅広く研究されてきた。内分泌細胞及び外分泌細胞等のような多くの非神経細胞は、種々の生物学的作用を発揮する内容物を含んだ、デンスコアベシクル(濃染されるコア小胞)として確認される分泌小胞を含んでいる(3)。分泌小胞のエキソサイトーシスは、アミン/ペプチド含有の内分泌細胞におけるホルモンの分泌(4, 5)、及び、外分泌細胞における消化酵素の分泌(6)において起こる。
Rab3は、低分子量GTP結合タンパク質であるRabファミリーのサブファミリーであり(7)、エキソサイトーシスにおけるターゲティング、ドッキング、プライミング及び融合の過程において重要な役割を演じている(8)。Rab3ファミリーには4つのアイソフォーム(A〜D)があり、それらの全てが、調節されたエキソサイトーシスと関係付けられてきた(9〜12)。ラブフィリン3(rabphilin 3)(13)やRim(Rim1及びRim2)(14, 15)及びNoc2(16)を含む、Rab3のエフェクターと考えられる分子が数種確認されている。Rim1及びラブフィリン3は、主として脳において発現されており(13, 14)、このことはシナプス小胞エキソサイトーシスへの関与を示唆するものである。Rim1欠損(Rim1-/-)のマウス及びCaenorhabditis elegansについての研究が、Rim1がシナプス小胞のプライミングに関与していることを示唆しているが(17〜19)、シナプス小胞エキソサイトーシスにおけるラブフィリン3の役割については明らかでない(20, 21)。
神経内分泌細胞及び内分泌細胞においては、Rim2(15)及びNoc2(16)(非特許文献1参照)の両方が主として発現されているが、このことは、分泌顆粒エキソサイトーシスへの関与を示唆するものである(3)。我々は、cAMP−GEFII(Epac2)及びPiccoloと相互作用するRim2が、インスリン顆粒の、cAMP依存性、プロテインキナーゼA(PKA)非依存性のエキソサイトーシスを担っていることを、先に示している(15, 22, 23)。
しかしながら、エキソサイトーシスにおけるNoc2の生理学的機能は、依然として不明なままである。PC12細胞中にNoc2を過剰発現させることにより、我々及び別の一グループは、Noc2がCa2+誘発エキソサイトーシスに対する正の(16)及び負の(24)作用を有することを、それぞれ見出している。
Kotake, K., Ozaki, N., Mizuta, M., Sekiya, S., Inagaki, N., & Seino, S. (1997) J Biol Chem. 272, 29407-29410.
上記の背景において、本発明は、Noc2の生理学的役割を直接決定するための手段として役立つNoc2ノックアウト動物(Noc2-/-)を作成すること、及び当該マウスにおいて発見された知見に基づき、内分泌系の疾病、特にインスリン分泌不全の原因究明と治療手段の開発のために役立つモデル動物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、Noc2遺伝子の欠損に関してホモ接合体であり、そのため機能するNoc2が産生されないマウスを提供するものである。そのようなマウスの生理機能の解析の過程で、それらのマウスが、通常の条件ではグルコース負荷で正常なインスリン応答と正常な血中グルコースレベルを示す一方、ストレス下ではグルコース負荷でインスリン応答が低下し血中グルコースレベルの上昇を起こすことが見出された。従って、ストレス性のインスリン分泌不全のメカニズムの解明のための、また、その治療薬の開発のための、インビボ(in vivo)の試験系として使用することができる。また、当該マウスは、外分泌系不全をも伴うことから、外分泌不全のメカニズムの解明と治療薬の開発のための試験系をも提供する。
更に本発明は、Noc2遺伝子の欠損に関してヘテロ接合体であるマウスをも提供する。そのようなマウスは、雌雄の交配とNoc2遺伝子産物の有無確認の試験を通じて、Noc2遺伝子の欠損に関してホモ接合体であるマウスの産生のための手段として使用することができるほか、それ自体、ストレス下でのインスリン分泌に、また外分泌にも、少なくとも潜在的な欠陥を有するマウスとして、ヘテロ接合体マウスと同様の用途に用いることができる。
また本発明は、Noc2遺伝子の欠損に関してホモ接合体又はヘテロ接合体であるマウスの組織をも提供する。そのような組織、例えばホモ接合体の膵島は、ストレス下でインスリンの分泌が阻害されることから、ストレスによって誘発されるタイプのインスリン分泌不全に対する治療薬の開発のためのインビトロ(in vitro)の試験系として用いることができる。
また本発明は、Noc2遺伝子の欠損に関してホモ接合体又はヘテロ接合体であるマウスの細胞をも提供する。そのような細胞、例えば膵β細胞は、膵島と同様に、ストレスによって誘発されるタイプのインスリン分泌不全に対する治療薬の開発のためのインビトロ(in vitro)の試験系として用いることができる。また、Noc2遺伝子の欠損に関してホモ接合体であるマウスの生殖細胞又は受精卵は、Noc2遺伝子の欠損に関してホモ接合体であるマウスの産生に用いることができる。
本発明は、内分泌系及び外分泌系の異常のメカニズムの究明のための、及びそれらの異常に対する治療薬の開発のための、インビボ及びインビトロの試験系を提供する。
本発明において、Noc2遺伝子の欠損とは、Noc2遺伝子が破壊されており、そのため、機能し得るNoc2タンパク質が産生されないことをいう。
本発明のマウスについて、「組織」の語は、如何なる組織をも含み、例えば膵島、下垂体、外分泌膵臓、胃腺、小腸腺、ブルンナー腺、唾液腺、乳腺その他の外分泌組織又はその腺房が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明のマウスについて、「細胞」の語は、如何なる体細胞、生殖細胞をも含み、例えば膵β細胞、膵臓腺房その他の腺房細胞等のような内分泌系、外分泌系の組織を構成する細胞のほか、精子、卵子等の生殖細胞及び受精卵が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明者等は、以下に記載するように、Noc2ノックアウトマウスを作成しその生理学的特徴につき調べた。
1.Noc2ノックアウトマウス(Noc2-/-)の作成
Noc2-/-マウスの遺伝子ターゲティング:
本発明者等は、Noc2遺伝子のエキソンを3挟んだイントロン2の途中からイントロン3の途中までを置換することによって、Noc2欠損マウスを作り出した(図1)。すなわち、129Svマウスゲノムライブラリー(λDASHファージライブラリー中)をラットのNoc2コード領域の全長cDNA(配列番号1)(ヌクレオチド1〜1934)を用いてスクリーニングした。9個の陽性クローンを単離し、制限酵素による消化と、ラットNoc2全長cDNAをプローブとしたサザンブロット解析を組み合わせることにより、制限酵素マップを作成した。具体的には、ラットNoc2全長cDNAをプローブに、GenBankデータベースをサーチしたところ、マウスNoc2遺伝子をコードするゲノム配列が得られた(配列番号2)(ヌクレオチド1〜20492)。この配列データと、9個のゲノムクローンの制限酵素地図を比較することにより、エキソン1からエキソン3を含む、約15kbの制限酵素地図を作成した(図1)。
得られた制限酵素地図をもとに、ターゲティングベクターを、マウスNoc2遺伝子のエキソン3より約0.5kb上流の位置から、エキソン3より約0.5kb下流の位置までの領域(イントロン2及び3の一部とエキソン3を含む。)を、ネオマイシン耐性遺伝子カセットで置き換え、マウスNoc2遺伝子のエキソン3より約6kb上流にあるプロモーター内のApaI部位からエキソン3より約0.5kb上流にあるイントロン2内のApaI部位までの断片を、5’側アームとし、マウスNoc2遺伝子のエキソン3より約0.5kb下流のNheI部位からエキソン3より約3.8kb下流にあるNheI部位までの断片を3’側アームとする形で作成した。負の選択のため、チミジンキナーゼカセットをターゲティングベクターの3’末端に付加した。
すなわち、エキソン3より約6kb上流にあるプロモーター内のApaI部位から、エキソン3より約0.5kb上流にあるイントロン2内のApaI部位までを切り出して断端を平滑化し、これをpSP72のPvuII部位にサブクローニングし、プラスミドに対しインサートが逆向きにクローニングされているものを選択した。このクローンDNAをXhoIで開環し、ネオマイシン耐性遺伝子カセットをコードするSalI−XhoI断片を挿入した。更に、できたクローンをSalIとXhoIで消化しインサート(「5’側アーム+Neo」という。)を切り出した。同時にpGEM3zのXbaI部位に、マウスNoc2遺伝子のエキソン3より約0.5kb下流のNheI部位から、エキソン3より約3.8kb下流にあるNheI部位までの断片(「3’側アーム」という。)をサブクローニングし、プラスミドに対しインサートが逆向きにクローニングされているものを選択した。このクローンのSalI部位に、上記の「5’側アーム+Neo」のSalI−XhoI断片を挿入し、更にSalI部位を用いてチミジンキナーゼ遺伝子カセットをコードするSalI−XhoI断片を挿入した。これをSalI消化することにより直鎖状とし、ターゲティングベクターを得た。
ターゲティングベクターを、ES細胞株(R1)にエレクトロポレーションで導入し、トランスフェクション後8日目に414個の生存クローンを採取した。相同組換えクローンは、サザンブロットで同定した(データ示さず)。すなわち、プローブとしてターゲティングベクターの3’側アームよりも下流の1.0kbのゲノム断片(NcoI〜SalI断片)を用い、ゲノムDNAはEcoRIで消化した。1個のES細胞クローンにおいて相同組換えが起きているのが判明した。このクローンを用いて、細胞集合によりキメラマウスを作り出し、マウス株を樹立した。Noc2遺伝子が破壊されていることは、ゲノムサザンブロット及びノーザンブロットにより確認した。これらのマウスをC57/BL6マウスと戻し交配した。
ヘテロ接合型(Noc2+/-)マウスを交配することによって、ホモ接合型(Noc2-/-)のノックアウトマウスを作成した。相同組換えは、マウスの尾から単離したゲノムDNAのサザンブロットによって、下記のようにして確認した。
その結果、図2に示すように、Noc2-/-マウスでは、5.7kbに相当するバンドが消失し、代わりに5.1kbに相当するバンドが出現していた。野生型マウス(Noc2+/+)では5.7kbに相当するバンドのみが、またNoc2+/-マウスでは5.7kb及び5.1kbにそれぞれ相当するバンドが確認された。また、Noc2mRNAの発現欠如も下記のようにして確認した。図3に示すように、野生型マウスの下垂体及び副腎に検出されるNoc2 mRNAは、Noc2-/-マウスでは検出されなかった。更に、Noc2-/-マウスと野生型マウスの膵島からの総RNAを用い、Noc2遺伝子転写産物について下記のようにしてRT−PCRを行った。図4に示すように、Noc2遺伝子転写産物は、Noc2-/-マウスには全く検出されなかった。
サザンブロット、ノーザンブロット及びRT−PCRの方法:
標準的方法により、マウスの尾及び各種組織から、ゲノムDNA(サザンブロット用)及び総RNA(ノーザンブロット用)を調製した。
ゲノムDNAはSspI及びSphIで消化した。DNA(10μg)又はRNA(20μg)を1%アガロースゲルで電気泳動し、ナイロン膜に移しとった。高ストリンジェント条件で、32P標識プローブを用いてハイブリダイゼーションを行った。サザンブロットに用いたプローブは示したNoc2のゲノムDNA断片(NcoI〜SalI断片)(配列番号3)であった。ノーザンブロットに用いたプローブは、マウスNoc2のcDNA断片(配列番号4)(5’側非翻訳領域のヌクレオチド1〜41及び3’側非翻訳領域のヌクレオチド948〜994を含む)のヌクレオチド1〜994に対応する断片であった。
ノーザンブロットに用いたプローブは、上記マウスのNoc2のcDNA断片の両端に5'-CGAAGCAGATGTGACTCCTG-3'(配列番号5)、及び5'-TTCTGGAAGAGTTTGCCTCA-3'(配列番号6)の2種のプライマーを設定し、PCRで増幅し、アガロースゲルで電気泳動後、該当するバンドを切り出し、精製して用いた。なおマウスのNoc2 cDNA断片は、上記の2種のプライマーを用いて、マウス膵β細胞株であるMIN6細胞から抽出したRNAから作成したcDNAを鋳型にPCRで増幅し、pGEM-T easy ベクターにサブクローニングして作製した。
RT−PCRは、膵島の総RNA(10μg)を用いて行った。PCR産物の推定サイズは345bpである。PCRは30サイクル行った。PCRによる増幅に用いたプライマーはNoc2の順方向配列5'-GCAGTGGAAATGATCAGTGG-3'(配列番号7)及び逆方向配列5'-CATCACGTTCCTCTGCATTG-3'(配列番号8)のものである。
2.Noc2ノックアウトマウスと正常マウスとからのキメラマウスの作成
常法に従い、Noc2-/-親同士からの4分裂期の受精卵と、クラゲAequorea victoriaのグリーン蛍光タンパク質(GFP)を発現している野生型(Noc2+/+)の受精卵を合わせてキメラマウスを作成した。キメラ形成は、PCR又はゲノムサザンブロット法により判定した。GFPを発現している野生型の卵は、CAGプロモーターの調節下にGFPを発現している雄のトランスジェニックマウス(トランスジーンについてホモ接合)(26)を用いて準備した。すなわち、多数のGFP変異型の一つである増強型グリーン蛍光タンパク質(enhanced green fluorescent protein:EGFP)をコードするcDNAをPCRにより常法により増幅した。これらのプライマー中のEcoRI部位を、増幅したEGFPのcDNAをpCAGGS発現ベクター(ヒヨコのβ−アクチンプロモーター、サイトメガロウイルスのエンハンサー、β−アクチンのイントロン及びウシのグロビンポリアデニル化部位シグナルを含む)内に組み込むのに用いた。プロモーターからコード配列までを含む全インサートをBamHI及びSalIで切り出し、精製した。精製断片を野生型Noc2マウス受精卵に注射することにより、GFPトランスジェニックマウス株を作成し、仮親中に移植して発生させた。生後1日のマウスについて蛍光顕微鏡によりGFP発現の有無を調べ、これを発現しているマウスを選択した。
3.インビボ動物実験方法
経口グルコース耐性試験は、16時間絶食させた12〜20週齢の雄性マウスで行った。浸水ストレス実験は、先に記載した(25)ところに準じて、グルコース負荷後に個々に拘束ホルダー中に固定し20℃の水(水深5cm)に垂直に15分間浸漬したマウスを用いて、実施した。血中グルコースレベルは、Antosense Glucose II (三共)を用いて全血で測定した。血清インスリンレベルは、超高感度ラットインスリンELISAキット(森永)によって測定した。
4.単離膵島からのインスリン分泌の測定。
常法(27)により、コラゲナーゼ消化法で膵島を単離した。PTX(30ng/ml)の存在下又は不存在下に、RPMI1640倍地中で、膵島を48時間培養した。バッチインキュベーションは、先に記述したところに準じて行った(27)。培地中に放出されたインスリンは、ラジオイムノアッセイ(栄研化学)によって測定した。LacZ、Noc2wt(野生型)、又はNoc2AAA(変異型)のcDNAを有する組換えアデノウイルスを、メーカー(STRATAGENE)の説明書に従って作成した。Noc2AAAの作成ためには、先に記載したようにして(24)、Trp-Phe-Tyr(残基154〜156)を3個のアラニンで置換した。Noc2-/-マウスの膵島に、単離直後、これらのアデノウイルスを48時間感染させた。Flag標識したRab3のアイソフォームでトランスフェクトしたCOS−1細胞の細胞溶解液を、GTP−γSの存在下、GST−Noc2野生型(Noc2wt)又はGST−Noc2変異体(Noc2AAA)への結合につき評価した。
インスリン分泌実験も、新たに調製した膵島を培養することなく用いて行った。
5.単離膵臓腺房細胞からのアミラーゼ分泌の測定
コラゲナーゼ消化法により、膵臓腺房を調製した。アミラーゼ分泌実験は、Ohnishi et al. (28)に従って、僅かな改良を加えて行った。すなわち、単離した腺房を、先に記述したように(28)インキュベーション緩衝液〔10mM Hepes(pH7.4)、127mM NaCl、4.7mM KCl、0.6mM MgCl2、1.3mM CaCl2、0.6mM Na2HPO4、2.0mg/mlグルコース、Eagle’s MEMアミノ酸サプルメント、2mM L−グルタミン、1%BSA、0.01%大豆トリプシンインヒビターよりなる〕中に懸濁させ、37℃にて30分間プレインキュベートした。プレインキュベーションの後、腺房を遠心し、新たなインキュベーション緩衝液中に再懸濁させ、そして30pMのコレシストキニン(CCK)又は1μMのカルバコールの存在下若しくは不存在下に、37℃にてインキュベートした。インキュベーション中に上清に放出されたアミラーゼを、Amylase B-test WAKO (和光純薬工業)を用いて定量した。アミラーゼ分泌は、膵臓腺房細胞中の総細胞含量に対する培地への放出量として標準化した(アミラーゼ放出%として表示)。
6.インビトロ(in vitro)結合アッセイ
何れも全長の、野生型Noc2及び変異型Noc2(Noc2AAA)をGST−融合タンパク質として発現させ、メーカー(AMERSHAM)の説明書に従って精製した。全長のRab3A、B、C及びD並びにRab5のcDNAを、pFLAG−CMV−2(SIGMA)中にサブクローニングした。共沈アッセイのためには、LipofectAMINE (INVITROGEN)を用いてCOS−1細胞を各プラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクション後、細胞を、緩衝液中〔20mMのHEPES、pH7.4、200mMのNaCl、1mMのジチオスレイトール、5mMのMgCl2、1mMのATP及び0.26%(v/v)のCHAPS〕で超音波処理した。インビトロ結合アッセイは、先に記述した(15)ところに準じて行った。すなわち、FLAG標識したRab3アイソフォーム及びRab5でトランスフェクトしたCOS−1細胞からの細胞溶解液を、GDP−βS又はGTP−γSの存在下におけるグルタチオンビーズに固定化したGST−Noc2への結合について評価した。Rab3アイソフォームとRab5とGST−Noc2とは、抗Flag抗体による、又はラットNoc2に対するイムノグロブリンG精製抗体によるイムノブロットによって検出した。
7.組織学的分析
膵臓と、消化管の種々の部分とを、野生型マウス及びNoc2-/-マウスから取り出し、0.1Mリン酸緩衝液、pH7.4中、4%パラホルムアルデヒド中で浸漬固定した。固定された組織を、慣用の手順で乾燥させてパラフィン包埋した。5μm厚のパラフィン切片を、分泌顆粒についてはヘマトキシリン及びエオシン(HE)、Azan又は過ヨウ素酸シッフ(PAS)で染色し、膵臓ホルモンについては免疫染色した。膵臓、胃及び唾液腺からの小さい組織切片を、2.5%のグルタルアルデヒド及び1%のOsO4で後固定し、エポキシ樹脂に包埋した。やや薄い及び超薄の切片を、トルイジンブルー及び酢酸ウラニル/クエン酸鉛で、光学顕微鏡及び電子顕微鏡による観察用に、それぞれ染色した。
〔結果〕
Noc2遺伝子の破壊は、下垂体、副腎及び膵島からの総RNAのノーザンブロット分析又は逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)分析によって確認された。Noc2-/-マウスは正常に発生し繁殖力があり、全体的外観や挙動に何ら異常はみられない。Noc2は膵島のような内分泌組織おいて高レベルに発現されることから(16)、我々は先ず、内分泌膵臓機能を調べた。Noc2-/-マウスと野生型マウスとで、経口グルコース負荷後の血中グルコース及び血清中インスリンレベルは、正常な条件の下で少量の血液サンプルを採取したときには、同様であり、統計学的差はなかった(それぞれ、図5及び6)。しかしながら、より大量の血液を採取したときは、我々は偶然にも、野生型マウスはグルコース負荷後に共に正常なグルコースレベルとインスリン応答とを示すのに対し、Noc2-/-マウスは、野生型マウスに比して、低下したインスリン応答を伴った有意に高い血中グルコースレベルを示すことを見出した(データは示さず)。
大量の血液損失は、種々のストレス応答を引き起こすことが知られている(29)。そこで、Noc2-/-マウスにおけるストレスに対する内分泌膵臓の応答を調べるため、浸水ストレス(25)に対する血中グルコース応答及びインスリン応答を測定した。浸水ストレスは、経口グルコース負荷の後、Noc2-/-マウスにおいて血中グルコースレベルの持続的上昇とインスリン分泌の顕著な低下を引き起こしたが、野生型ではそのようなことはなかった(それぞれ、図7及び8)。すなわち、グルコース負荷後90分、120分及び180分の時点での血中グルコースレベルは、野生型マウスにおけるよりもNoc2-/-マウスにおいて有意に高く(各時間点において、n=13。90分では*P < 0.01、120及び180分では**P < 0.001)、また、グルコース負荷後30分の血清インスリンレベルは、野生型マウスに比してNoc2-/-マウスにおいて有意に低かった(野生型マウス、919.5±123.8pg/ml、n=22;Noc2-/-マウス、451.7±101.9pg/ml、n=22。*P<0.001)。このことは野生型マウスではインスリン分泌を高めることによって浸水ストレスに対して正常な血中グルコースレベルを維持することができるのに対し、Noc2-/-マウスではそれができないということを示している。
浸水ストレスは、アドレナリン様応答を引き起こすことが知られていることから(25)、そして、膵β細胞においてα2−アドレナリン受容体を介した阻害性Gタンパク質であるGi/oシグナル発生の活性化はインスリン分泌を阻害することから(30〜32)、Noc2-/-マウスにおけるインビボでのインスリン応答の欠陥は、膵β細胞におけるGi/oシグナル発生の活性化に関係している可能性がある。Noc2-/-マウスインスリン分泌の欠陥という現象の基にあるメカニズムを調べるため、我々は、単離した膵島におけるインスリン分泌を調べた。図9に示すように、Noc2-/-マウスより単離してから24時間培養した膵島におけるCa2+誘発インスリン分泌(高K+刺激により評価)は、顕著に低下していた。すなわち、2.8mMグルコースでのインスリン分泌において差はなかったが(基底状態)、Noc2-/-マウスの高K+(60mM)誘発インスリン分泌は、野生型マウスに比して有意に低かった(野生型マウス、1.43±0.16ng/島/30分;Noc2-/-マウス、0.83±0.10ng/島/30分、n=12、*P < 0.0001)。単離後に膵島をPTX(30ng/ml、48時間)で処理したときは、野生型マウスとNoc2-/-マウスとの間で、高K+誘発インスリン分泌において差はなかった(白の丸及びカラムは、野生型マウス;黒の丸及びカラムはNoc2-/-マウス。数値は、平均±標準誤差。)
Noc2-/-マウスにおけるこの低下したインスリン分泌がGi/oシグナル発生の活性化によるものであるか否かを判定するために、我々は、Gi/oシグナル発生を阻害するものであるPTXのCa2+誘発インスリン分泌に対する効果を調べた。膵島のPTX処理(48時間)は、Noc2-/-マウスにおける低下したCa2+誘発インスリン分泌を完全に回復させた。培養膵島における結果とは対照的に、Noc2-/-マウス及び野生型マウスのから調製したばかりの膵島におけるCa2+誘発インスリン分泌は、同様であった(データは示さず)。培養膵島と調製したばかりの膵島との間のこの相違は、Noc2-/-膵島においては培養中にGi/oシグナル発生が活性化されることを示唆している(メカニズムは不明である)。これらの結果は、膵β細胞において、Gi/oシグナル発生の阻害による正常なインスリン分泌の維持にNoc2が必要であることを示している。Noc2の破壊は、Gi/oシグナルを顕在化させ、それによってインスリン分泌を阻害する。
Noc2は、ラブフィリン3のN末端領域と高い相同性を有しており(16)、Rab3Aに結合することが示されている(24)。Rab3には4つのアイソフォームがあるが(Rab3A〜D)、それら全てが、調節されたエキソサイトーシスに関連づけられている(9〜12)。我々は、Noc2が、GTP依存性にこれらのRab3のアイソフォームの全てに結合するがしかしRab5Aには結合しないということを見出した(図10)。このことはNoc2がRab3ファミリーのメンバーに特異的に結合することを示すものである。エキソサイトーシスにおけるNoc2のこの効果がRab3を必要とするか否かを判定するために、我々は、野生型Noc2及びRab3の如何なるアイソマーにも結合しない変異型Noc2(Noc2AAA)(24)を有するアデノウイルスベクターを作成し(図11)、膵島をこれらのベクターに感染させた。Noc2-/-マウスの培養膵島においてCa2+誘発インスリン分泌応答の欠如は、野生型Noc2遺伝子の導入によって完全に回復するのに対し、変異Noc2の導入は効果を持たないことが確認された(図12)。すなわち、Noc2-/-マウスにおける障害されたCa2+誘発インスリン分泌は、野生型のNoc2遺伝子導入により完全に回復したが(Ad−LacZ、0.69±0.07ng/島/30分;Ad−Noc2wt、1.20±0.11ng/島/30分、n=9、*P < 0.01)、変異型Noc2遺伝子導入は全く効果がなかった(Ad−Noc2AAA、0.65±0.11ng/島/30分、n=9:Ad−LacZ、Ad−Noc2wt、及びAd−Noc2AAAは、LacZ、Noc2wt、及びNoc2AAAを有するアデノウイルスを、それぞれ示す)(白のカラムは野生型マウス、黒のカラムはNoc2-/-マウス。数値は平均±平均偏差)。このことはCa2+誘発インスリン分泌に対するNoc2の作用がRab3との相互作用を必要とするものであることを示している。Rab3A-/-マウスもまた、インスリン分泌に欠陥を有することが示されており(33)、そのことは、本知見を補完すると共に、正常なインスリン分泌の維持におけるNoc2とRab3との間の相互作用の必要性を示唆するものである。Rab3媒介性のエキソサイトーシスとカップリングする三量体Gシグナルはこれまで同定されていないが、我々のこの結果は、膵β細胞におけるGi/oシグナル発生が、Noc2/Rab3相互作用と密接に関連していることを示している。
我々は次に、Noc2-/-マウスの膵島の形態学的分析を行った。図13は、ヘマトキシリン・エオシン染色した外分泌膵臓の腺房細胞の光学顕微鏡(LM)分析(上側パネル)、及び腺房細胞の電子顕微鏡(EM)分析(下側パネル)の結果を示す(スケールバーは、上側パネルでは10μmを、下側パネルでは3μmを表す)。
膵臓ホルモンに対する免疫組織染色によってもまた電子顕微鏡分析によっても、Noc2-/-マウスの膵島の形態学にもインスリン分泌顆粒にも、明らかな異常は見られなかった。
しかしながら、興味深いことに、ある著しい異常が外分泌膵臓に現れていた(図13;下側パネル)。光学及び電子顕微鏡分析は、Noc2-/-マウスの外分泌膵臓における腺房細胞が、分泌顆粒(チモーゲン顆粒)の顕著な蓄積のために、細胞質全体にわたって肥大していることを示している。外分泌膵臓機能を評価するため、チモーゲン顆粒中の主要な分泌性タンパク質であるアミラーゼ(6)のインビトロでの分泌を調べた(図14:白のカラムは野生型マウス、黒のカラムはNoc2-/-マウス)。野生型マウスとは対照的に、Noc2-/-マウスの膵臓腺房細胞からは、共にアミラーゼ分泌の強力な刺激因子であることが知られているコレシストキニンやカルバコールの何れに対しても、これに応答したアミラーゼ分泌(アミラーゼ含量のうちのアミラーゼの放出%として表示)はない〔野生型マウス:5.6±0.9%(基底レベル)、13.0±0.7%(CCK刺激アミラーゼ分泌)及び15.6±0.8%(カルバコール刺激アミラーゼ分泌)、各々n=12、それぞれP < 0.0001;Noc2-/-マウス:4.9±0.5%(基底レベル)、5.8±0.5%(CCK刺激アミラーゼ分泌)及び6.2±0.5%(カルバコール刺激アミラーゼ分泌)、n=12:数値は平均±標準誤差〕。これらの結果は、Noc2が、外分泌膵臓におけるチモーゲン顆粒の調節されたエキソサイトーシスのための必須の分子であることを実証している。
Noc2-/-マウスの腺房細胞は、転写因子NeuroDを欠損したマウス(NeuroD-/-マウス)(34)のそれに似ている。NeuroD-/-マウスにおいては、腺房細胞中のチモーゲン顆粒の過多は、CCK分泌小腸細胞における発生上の欠陥による二次的なものであると考えられている。Noc2-/-マウスの膵臓腺房細胞におけるチモーゲン顆粒の過多が腺房細胞における原発的な欠陥によるものか又はCCK分泌小腸細胞における欠陥による二次的なものかを判定するために、我々は、マウスの4分裂期受精卵をあわせることにより、Noc2-/-マウスと緑色蛍光タンパク質(GFP)(GFP−Tg)を発現する野生型(Noc2+/+)マウスとの間のキメラマウスを作成した。もしも膵臓の腺房細胞のNoc2の破壊が、形態学的異常の直接の原因であるならば、キメラマウスの外分泌膵臓は、正常な外見を有する(GFP−Tgからマウスに由来する)GFP陽性腺房細胞と、チモーゲン顆粒の過多を伴った(Noc2-/-マウスに由来する)GFP陰性腺房細胞との混合集団よりなるモザイクパターンを示すはずである。キメラマウスの組織学的分析は、モザイクパターンを呈した(図15)。図15において、左側パネルは、ヘマトキシリン・エオシン(HE)染色した切片を示し、右側パネルは、蛍光顕微鏡で観察された切片を示す(スケールバーは10μmを表す)。図に見られるとおり、キメラマウスの外分泌膵臓は、正常な外観のGFP陽性の腺房細胞(GFP−Tgマウス由来)とGFP陰性のチモーゲン顆粒の過剰を有する腺房細胞(Noc2-/-マウス由来:白の線で囲ってある)との混合集団のモザイクパターンを示している。このことはNoc2-/-マウスの腺房細胞におけるチモーゲン顆粒の過多は、主としてNoc2の欠如によるものであることを示している。
Rab3Dが、膵臓腺房細胞に発現していることが示されている(35)。膵臓腺房細胞における野生型Rab3D及びその優勢ネガティブ型の過剰発現は、Rab3Dがチモーゲン顆粒のエキソサイトーシスの最終の諸段階を調節していることを示唆している(12, 28)。Rab3Dノックアウトマウスの一研究が、Rab3Dはチモーゲン顆粒のエキソサイトーシスには必須でないが顆粒の成熟の維持には必須であることを示している(36)。しかしながら、他のRab3アイソフォームがRab3Dの欠乏状態を代償している、という可能性は排除できない。我々は先に、オートラジオグラフィーにおける短時間(36時間)曝露によって評価したとき、Noc2 mRNAが内分泌組織中に主として発現されることを報告したが、また、より長時間(1週間)の曝露によって評価したとき、多くの組織において低レベルの発現を見出した。我々は、従って、Noc2-/-マウスの唾液腺(腺房細胞がアミラーゼ及び種々の増殖因子を分泌する)、胃腺(主細胞がペプシノーゲンを分泌する)及び小腸腺(パーネト細胞が抗菌性のリゾチームを分泌する)を含む、Rab3Dが発現される他の外分泌組織における組織学的変化を調べた。
サイズが増大し形状が不規則な分泌顆粒蓄積が、Noc2-/-マウスについて調べた全ての外分泌細胞において顕著であった(図16:スケールバーは10μmを表す)。対照的に、Noc2-/-マウスの胃の表面粘膜細胞及び十二指腸上皮のゴブレット細胞等の、単に構成的なエキソサイトーシスを行うに過ぎない分泌細胞においては、形態学的変化はない(データ示さず)。これらの形態学的データは、Noc2が、Rab3Dと相互作用する形で、外分泌細胞における調節されたエキソサイトーシスに必要であることを示唆している。
Rab3のエフェクターの生理学的役割の決定は、Rab3媒介性のエキソサイトーシスのメカニズムの解明へ向けての非常に重要なステップである。ラブフィリン3のN末端又はC末端の過剰発現又はマイクロインジェクションが、種々の系でCa2+誘発エキソサイトーシスを阻害することが示されている(20)。しかしながら、ラブフィリン3ノックアウトマウスについての最近の研究は、Rab3A-/-マウスにおいてシナプス伝達の異常が見られないことを報告しており、このことは、神経細胞におけるRab3A媒介性のエキソサイトーシスにラブフィリン3は必要でないことを示唆するものである(21)。
Rim1-/-マウスの研究は、Rim1が、骨格タンパク質の一つとして、苔状繊維(mossy fibers)においてシナプス小胞をプライミングすることにより神経伝達物質の放出を調節していることを示唆している(17〜19)。Noc2の破壊は、明らかに、内分泌膵臓及び外分泌膵臓の双方における分泌機能に明確な異常を引き起こす。RAb3は調節されたエキソサイトーシスの後期の段階に関与することが示されているが、Rab3媒介性のエキソサイトーシスにカップリングする細胞内シグナルは、これまで同定されていない。本明細書に記載した我々の研究は、Noc2がRab3と相互作用し、その結果内分泌膵臓からのCa2+誘発インスリン分泌の阻害をもたらすGi/oシグナル発生を阻害すること、及び、Noc2が外分泌膵臓からのアミラーゼ分泌に必要であることを実証している。従って、Noc2は、内分泌細胞及び外分泌細胞の双方において、分泌顆粒の調節されたエキソサイトーシスの維持に極めて重要な分子である。
本発明は、内分泌系の疾患、特にインスリンの分泌不全を伴う疾病の原因究明と治療手段の開発のために役立つモデル動物及びスクリーニング系として利用することができる。
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ターゲティングベクターの作成方法を示す概要図。 マウスマウスのサザンブロット分析を示す。 野生型及びノックアウトマウスの下垂体及び副腎のNoc2 mRNAについてのノーザンブロット分析を示す。 マウス膵島のNoc2及びα−チュブリンについてのRT−PCR結果を示す。 経口グルコース負荷後のマウスの血中グルコースレベルの推移を示す。 経口グルコース負荷後のマウスの血中インスリンレベルの推移を示す。 浸水ストレス下におけるマウスの経口グルコース負荷後の血中グルコースレベルの推移を示す。 浸水ストレス下におけるマウスの経口グルコース負荷後の血中インスリンレベルの推移を示す。 単離後24時間培養したマウス膵島のインスリン分泌量を示す。 マウスNoc2とRab3アイソフォームとの結合を示す。 GST−Noc2(野生型、変異型マウス)とRab3アイソフォームとの結合を示す。 マウスのNoc2遺伝子を有するベクターの感染による、ノックアウトマウス膵島からのインスリンの分泌を示す。 マウス膵島の光学顕微鏡像及び電顕像を示す。 マウスの単離膵臓腺房からのアミラーゼ分泌を示す。 キメラマウスの膵臓腺房のヘマトキシリン・エオシン染色像及びGFP蛍光像。 Noc2ノックアウトマウスの外分泌細胞における分泌顆粒の蓄積を示す。

Claims (1)

  1. Noc2遺伝子の欠損に関してホモ接合体のマウスを準備し、これをストレス下におくことによる、グルコース負荷でインスリン応答の低下と血中グルコースレベルの上昇を示すマウスを得る方法。
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