JP2011518566A - Abi1/hssh3bp1コンディショナルノックアウトマウス - Google Patents

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Abstract

Abi1/Hssh3bp1遺伝子の条件的破壊を有する、遺伝的に操作したコンディショナルノックアウトマウスが、その作成および使用方法と共に開示される。一実施形態において、本発明は、体細胞および生殖細胞が、条件的に破壊されたAbi1/Hssh3bp1遺伝子を含むコンディショナルノックアウトマウスを提供し、ここで該破壊は、該マウスが検出可能なレベルのAbi1/Hssh3bp1タンパク質を産生できないことを引き起こす。

Description

関連出願への相互参照
この出願は、米国特許法§119(e)の下、2008年4月25日に出願された、米国仮特許出願第61/048,130号(この全体の内容は、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
発明の分野
本開示は、Abi1/Hssh3bp1遺伝子に条件的欠失を有する、遺伝的に操作したコンディショナルノックアウトマウスおよび関連する方法に関連する。
腫瘍形成の共通のメカニズムの1つは、1つまたはそれ以上のいわゆる癌抑制遺伝子の不活性化である。癌抑制遺伝子(「腫瘍予防」または「抗腫瘍」遺伝子としても知られる)は、細胞の成長、分裂および増殖、細胞分化のような、多くの基本的な細胞過程の調節において、および細胞と他の細胞との、および細胞外環境とのコミュニケーションにおいて、重要な役割を果たしている。癌抑制遺伝子の不活性化は、通常特定の組織内の細胞増殖の調節において壊滅的な結果を有し、そして通常腫瘍の増殖を引き起こす。
腫瘍細胞の選択的増殖の利点は、多くの場合腫瘍抑制因子および癌遺伝子の対立する機能の機能的不均衡によって達成される。増殖因子受容体(表皮増殖因子受容体[EGFR]および血小板由来増殖因子受容体[PDGFR]のような)、またはシグナル伝達分子(PI−3キナーゼ、RasまたはMycのような)のような癌遺伝子の機能の増加が、細胞の増殖可能性を促進する。これが腫瘍抑制因子の機能の低下と組み合わさり、そして不活性化変異によって安定化する場合、細胞は、問題の平衡を保つためのアポトーシスまたは老化のような保護的反応を無くし得る。染色体の転座のような遺伝的イベントを含む、さらなるゲノムの不安定性は、多くの場合変異の影響を安定化し、続いて抗アポトーシス、抗老化、そして増殖促進(pro−proliferative)シグナルのさらなる増幅を引き起こす。
最近発見された、TMPRSS2−ETS遺伝子ファミリーの染色体転座および癌抑制遺伝子の遺伝的変化は、前立腺腫瘍形成(tumorogenesis)を引き起こす、新形成性形質転換の最もよくある原因である。公知の前立腺癌癌抑制遺伝子は、Pten、p53、Rb、Nkx3.1、KLF6、およびp27を含む。しかし、原発性前立腺癌において、さらなる癌抑制遺伝子が不活性化されることが明らかである。multi−hit/multi−gene仮説によって、決定的な増殖/生存/アポトーシス経路を調節するいくつかの遺伝子が変化して、完全な浸透性前立腺癌を引き起こすに違いない。例えば、マウスにおいて、非浸潤性から高度に浸潤性の腫瘍への進行に関して、Ptenの喪失は、p53の喪失を伴わなければならない。同様の関係が、2番目のノックアウト遺伝子がNkx3.1またはp27である、他のPtenダブルノックアウトモデルにおいて見出された。
最近同定された前立腺癌癌抑制遺伝子は、Hssh3bp1であり、それは実験室の培養条件で、前立腺腫瘍細胞の増殖を阻害する。タンパク質である、Hssh3bp1遺伝子産物の発現は、前立腺腫瘍を有する患者の何人かにおいて失われている。さらに、Hssh3bp1は、白血病の悪性過程に関与する、Abi1キナーゼの機能を調節する。Abi1/Hssh3bp1の不活性化変異が、原発性腫瘍において見出された。
癌の新規治療の開発の成功は、標的臓器または組織の独特の解剖学的および生理学的特徴、および適当な間質−腫瘍相互作用、および適当な免疫学的反応を含む動物モデルを必要とする。遺伝的に操作したマウスは、これらの局面を提供する。標的遺伝子の、組織特異的発達的(Creリコンビナーゼ発現を促進する、発達的に調節される組織特異的プロモーターの使用によって)、または条件的(Creレトロウイルスベクターを促進するタモキシフェン応答性プロモーターの使用によって)破壊または過剰発現は、インサイツにおいてそれぞれ、ヒト腫瘍抑制因子の変異による不活性化または癌遺伝子の活性化によく似る。これは、遺伝子不活性化の初期の時点から、初期の病理組織学的変化による、および続いて腫瘍増殖およびもし起こるなら転移による、腫瘍形成の過程の評価を可能にする。異なるレベルの腫瘍抑制因子不活性化(1または2対立遺伝子ノックアウト、または低形質の産生、およびノックイン変異系統による)を評価する可能性は、細胞シグナル伝達経路および特異的前臨床モデルの産生の両方の理解を可能にする。
本開示は、Abi1/Hssh3bp1遺伝子の条件的破壊(ノックアウト)を有する、遺伝的に操作したマウスを含む。
そのゲノムがAbi1/Hssh3bp1遺伝子において操作した条件的破壊に関してヘテロ接合性である、トランスジェニックノックアウトマウス、ここでヘテロ接合状態の当該操作した条件的破壊は、機能的なAbi1/Hssh3bp1タンパク質の産生を阻害する。
1つの実施形態において、その体細胞および生殖細胞が、条件的に破壊されたAbi1/Hssh3bp1遺伝子を含むコンディショナルノックアウトマウスが提供され、ここでその破壊は、マウスが検出可能なレベルのAbi1/Hssh3bp1タンパク質を産生できないことを引き起こす。
別の実施形態において、その条件的破壊は、そのマウスを、フリッパーゼ(flippase)またはCreリコンビナーゼを発現するマウスと繁殖させることによって誘発される。別の実施形態において、そのコンディショナルノックアウトマウスは、Abi1/Hssh3bp1遺伝子の少なくとも一部に隣接する、ネオマイシン遺伝子、frt部位およびloxP部位を含む、組換えAbi1/Hssh3bp1対立遺伝子を含む。
別の実施形態において、Abi1/Hssh3bp1遺伝子の少なくとも一部は、Abi1/Hssh3bp1遺伝子のエキソン1である。さらに別の実施形態において、その条件的破壊は、Abi1/Hssh3bp1遺伝子のエキソン1において起こる。
そのコンディショナルノックアウトマウスの別の実施形態において、Abi1/Hssh3bp1遺伝子は、全てのマウスの組織において発現されない。さらに別の実施形態において、そのAbi1/Hssh3bp1遺伝子は、マウスの前立腺組織のような、マウスの組織の一部のみにおいて発現されない。
そのコンディショナルノックアウトマウスの別の実施形態において、そのマウスは、細胞運動性の破壊、方向持続性の増加、遊走距離の減少、および遊走速度の減少からなる群より選択される、少なくとも1つの表現型を示す。
1つの実施形態において、開示されたコンディショナルノックアウトマウスから単離された細胞が提供される。別の実施形態において、その細胞は、マウスの前立腺組織由来である。
1つの実施形態において、Abi1/Hssh3bp1遺伝子の一部を含む、Abi1/Hssh3bp1遺伝子コンディショナルノックアウト構築物が提供され、ここでAbi1/Hssh3bp1遺伝子のエキソン1は、5’loxP部位および3’選択マーカーカセットに隣接し、ここでその選択マーカーカセットは、frt部位および、3’frt部位の3’側および5’frt部位の3’側のloxP部位に隣接する。別の実施形態において、Abi1/Hssh3bp1遺伝子コンディショナルノックアウトは、配列番号第14番の配列を有する。
1つの実施形態において、開示されたノックアウト遺伝子構築物を、マウス胚幹(ES)細胞の集団にトランスフェクトする工程;選択マーカーを発現するトランスフェクトしたES細胞を選択する工程;トランスフェクトしたES細胞を、そのマウスの祖先の胚に導入する工程;胚を満期まで発生させて、生殖系列にコンディショナルノックアウト構築物を有するキメラマウスを産生する工程;キメラマウスを繁殖させて、条件的に破壊可能なAbi1/Hssh3bp1遺伝子を有するヘテロ接合性マウスを産生する工程;およびヘテロ接合性マウスを、フリッパーゼまたはCreリコンビナーゼを発現するマウスと繁殖させて、Abi1/Hssh3bp1遺伝子に破壊を有し、そして選択マーカーを含まないマウスを産生する工程を含む、Abi1/Hssh3bp1遺伝子において標的化条件的破壊を有するマウスを産生する方法が提供される。
図1は、Abi1/Hssh3bp1コンディショナルノックアウト(CKO)マウスの構築を示す。図1Aは、ノックアウト構築物の1つの実施形態を示す。図1Bは、Abi1/Hssh3bp1マウスを産生するためのクローニング戦略を示す。標的化ベクターを構築するために使用される約11.8kbの領域を、まずポジティブに同定されたBACクローンからサブクローニングした。その領域を、短いホモロジーアーム(SA)がエキソン1の3’まで1.9kb伸長するよう設計した。長いホモロジーアーム(LA)は、エキソン1の5’側で終わり、そして約9kbの長さであった。単一のloxP部位を、エキソン1の5’に挿入し、そしてloxP隣接ネオマイシン遺伝子カセットを、エキソン1の3’に挿入した。ネオマイシン遺伝子カセットは、2つのfrt部位によって、1つのloxP部位が5’frt部位の3’に結合した。その標的領域は0.9kbであり、エキソン1を含んでいた。loxP部位の位置の確認のため、および続く遺伝子型解析のために使用したプライマーの位置を示す:a、mAbi1loxP35’(配列番号第3番);b、DL75’(配列番号第7番);c、mAbi1Intr15’(配列番号第15番);d、LAN1(配列番号第1番);e、Neogene13’(配列番号第16番);f、Flankneo13’(配列番号第4番);g、A2(配列番号第2番);h、WT1(配列番号第17番);およびi、SG1(配列番号第18番)。「h」および「i」プライマーセット(矢印)は、野生型Abi1/Hssh3bp1遺伝子配列にのみ特異的である。 図1は、Abi1/Hssh3bp1コンディショナルノックアウト(CKO)マウスの構築を示す。図1Aは、ノックアウト構築物の1つの実施形態を示す。図1Bは、Abi1/Hssh3bp1マウスを産生するためのクローニング戦略を示す。標的化ベクターを構築するために使用される約11.8kbの領域を、まずポジティブに同定されたBACクローンからサブクローニングした。その領域を、短いホモロジーアーム(SA)がエキソン1の3’まで1.9kb伸長するよう設計した。長いホモロジーアーム(LA)は、エキソン1の5’側で終わり、そして約9kbの長さであった。単一のloxP部位を、エキソン1の5’に挿入し、そしてloxP隣接ネオマイシン遺伝子カセットを、エキソン1の3’に挿入した。ネオマイシン遺伝子カセットは、2つのfrt部位によって、1つのloxP部位が5’frt部位の3’に結合した。その標的領域は0.9kbであり、エキソン1を含んでいた。loxP部位の位置の確認のため、および続く遺伝子型解析のために使用したプライマーの位置を示す:a、mAbi1loxP35’(配列番号第3番);b、DL75’(配列番号第7番);c、mAbi1Intr15’(配列番号第15番);d、LAN1(配列番号第1番);e、Neogene13’(配列番号第16番);f、Flankneo13’(配列番号第4番);g、A2(配列番号第2番);h、WT1(配列番号第17番);およびi、SG1(配列番号第18番)。「h」および「i」プライマーセット(矢印)は、野生型Abi1/Hssh3bp1遺伝子配列にのみ特異的である。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図2は、本明細書中で開示された、代表的な遺伝子および対立遺伝子の配列を示す。図2Aは、5’loxP(下線)および3’loxP(二重下線)部位の両方、およびエキソン1(太い下線、コーディング鎖)を有する、ネオマイシン遺伝子を除去した後のAbi1 loxP導入対立遺伝子配列のDNA配列を示す。前向き配列決定プライマーDL75’(太いおよび下線、配列番号第7番)、および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’(太字、下線およびイタリック体、配列番号第4番)を示す。小文字の塩基は、フリッパーゼによるネオマイシン遺伝子の除去後に残るネオマイシンカセットのDNA配列を示す。図2Bは、全ての組換え要素を有し、そしてネオマイシン遺伝子を含む、ABL−1全長条件的対立遺伝子のDNA配列を示す。長いホモロジーアームを太字で示し、エキソン1を強調し、短いホモロジーアームに下線を引き、単一のloxP部位を二重下線で示し、そしてneoカセットに隣接するloxP/FRT部位を太い下線で示す。図2Cは、Creリコンビナーゼによる組換えによってできた、Abi1/Hssh3bp1 KO対立遺伝子のDNA配列を示す。組換えの結果として、エキソン1は欠失され、そして1つのloxP部位(下線)のみを含む。前向き配列決定プライマーDL75’および逆向き配列決定プライマーFlankneo13’を示す(太字および下線)。コーディング鎖のみを図2Cで示す。 図3は、ネオマイシン遺伝子カセット(Neo/frt/loxP)に関してプライマーLAN1(5’−CCAGAGGCCACTTGTGTAGC−3’;配列番号第1番)およびA2(5’−CTGGAAGCTGACAAGAGGATAG−3’;配列番号第2番)を用いた、野生型対立遺伝子(Wt)(上のパネル、下のバンド)またはネオマイシン遺伝子および3’frt部位を欠くloxP導入Abi1/Hssh3bp1対立遺伝子(Neo/frt/loxP)(上のパネル、上のバンド)に関して、プライマーmAbi1loxP35’(5’−AATAATTTAATAGTTCTGGTGATAT GACAGC−3’;配列番号第3番)およびFlankneo13’(5’−GGGCAGACGGCGAGAAGCAGAG−3’;配列番号第4番)を用いた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による、F1 Abi1/Hssh3bp1へテロ接合株の遺伝子型解析を示す。 図4は、Abi1/Hssh3bp1loxP/+(図4A)およびAbi1/Hssh3bp1loxP/loxP(Abi1/Hssh3bp1[fl/fl];図4B)マウスから単離された、初代マウス胚線維芽細胞における、Abi1/Hssh3bp1遺伝子の破壊を示す。 図4は、Abi1/Hssh3bp1loxP/+(図4A)およびAbi1/Hssh3bp1loxP/loxP(Abi1/Hssh3bp1[fl/fl];図4B)マウスから単離された、初代マウス胚線維芽細胞における、Abi1/Hssh3bp1遺伝子の破壊を示す。 図5は、組換えAbi1 loxP導入対立遺伝子に関してホモ接合性のMEF細胞を同定するための、PCRに基づく遺伝子型解析を示す。図5Aは、MEF細胞スクリーニングのための遺伝子型解析コントロールを示す。frt deletor株から得られ、そして野生型対立遺伝子のみを発現するゲノムDNA(下のバンド)、および野生型を発現するヘテロ接合性Abi1/Hssh3bp1(fl/+)動物、およびAbi1/Hssh3bp1 loxP導入対立遺伝子(上のバンド)を、PCR遺伝子型解析にかけた。図5Bは、MEF細胞のスクリーニングを示す。MEF細胞DNAサンプル(#1−34)を、ヘテロ接合性Abi1/Hssh3bp1(fl/+)動物の繁殖から生じたマウス胚から単離した。上のバンド、loxP導入Abi1/Hssh3bp1対立遺伝子(Floxed);下のバンド、野生型対立遺伝子(Wt)。プライマーmAbi1loxP35’およびFlankneo13’を用いて遺伝子型解析を行った。 図6は、MEF#3細胞系統サブクローンにおける、Abi1/Hssh3bp1タンパク質発現のCreリコンビナーゼによる喪失を示す。親MEF#3 Abi1(fl/fl)およびエキソン1欠失Abi1(−/−)MEF細胞系統における、Abi1/Hssh3bp1発現のウェスタンブロット分析を、下のパネルに示す。示した細胞系統の細胞溶解物を、抗体7B6(Abi1/Hssh3bp1に特異的)でブロッティングした。クローン#3−1から#3−11は、一時的なCreリコンビナーゼ発現の後に得られた親MEF#3のサブクローンを示す。Abi1(+/+)MEF Wtは、野生型Abi1/Hssh3bp1遺伝子を発現するマウス胚細胞を示す。添加コントロールは、上のパネルにおいてウェスタンブロッティング分析に使用したのと同じサンプルの、タンパク質染色ゲルの一部を示す。 図7は、血小板由来増殖因子(PDGF)刺激後の、コントロールおよび欠損MEF細胞におけるAbi1/Hssh3bp1の局在化を示す。コントロール(#3)およびAbi1/Hssh3bp1−KO(#3−11)細胞系統を、ガラスカバーガラス上で増殖させ、飢餓状態にし、そしてPDGFで処理し、そして抗体およびファロイジンで免疫染色した。抗Abi1/2抗体(W8.3)または抗Abi1(4E2)抗体を使用した。 図8は、末梢(図8A)および背側(図8B)ラフリングの定量を示す。MEFコントロール(fl/fl)およびAbi1/Hssh3bp1KOを、ガラスのカバーガラス上にまき、そして一晩血清−飢餓状態にした。細胞をPDGFで刺激し、固定およびAlexa Fluor594結合ファロイジンで染色してF−アクチンを検出した。PDGF処理に反応して、異なる細胞形態を有する細胞のパーセンテージを、示したMEF細胞系統において定量した。背面環状および末梢PDGF誘発ラフリングを、独立に評価した。以下のカテゴリーのPDGF反応の形態を記録した:ラフリングあり、ラフリングなし、または不明瞭な細胞形態。少なくとも100個の細胞を分析し、そしてそれぞれの状態に関して分類した。カラムは、少なくとも3つの独立した実験の平均±SEMとして示した、それぞれの形態を有する細胞のパーセンテージである。#3コントロールは、親MEF#3細胞系統を示す;#3−6KO、#3−8KOおよび#3−11KOは、Abi1/Hssh3bp1発現を欠くMEF#3サブクローンを示す;#8は、親MEF細胞系統を示す;#8−7、#8−11は、MEF#8サブクローンを示す。 図9は、PDGF誘発Rac活性化を示す。示した親Abi1/Hssh3bp1(fl/fl)およびAbi1/Hssh3bp1KO(−/−)細胞系統を、アッセイにおいて分析した。 図10は、Abi1/Hssh3bp1を欠くマウス胚線維芽細胞の細胞運動性の評価を示す。無作為な細胞運動性のパラメーター、遊走距離(図10A)、速度(図10B)、および方向維持性(図10C)を、Abi1/Hssh3bp1(Hsshb3p1)ヌル細胞系統(クローン#3−6および#3−11)およびAbi1 loxP導入細胞(コントロール#3、(fl/fl))において評価した。 図10は、Abi1/Hssh3bp1を欠くマウス胚線維芽細胞の細胞運動性の評価を示す。無作為な細胞運動性のパラメーター、遊走距離(図10A)、速度(図10B)、および方向維持性(図10C)を、Abi1/Hssh3bp1(Hsshb3p1)ヌル細胞系統(クローン#3−6および#3−11)およびAbi1 loxP導入細胞(コントロール#3、(fl/fl))において評価した。 図10は、Abi1/Hssh3bp1を欠くマウス胚線維芽細胞の細胞運動性の評価を示す。無作為な細胞運動性のパラメーター、遊走距離(図10A)、速度(図10B)、および方向維持性(図10C)を、Abi1/Hssh3bp1(Hsshb3p1)ヌル細胞系統(クローン#3−6および#3−11)およびAbi1 loxP導入細胞(コントロール#3、(fl/fl))において評価した。 図11は、創傷治癒遊走アッセイからのデータを示す。創傷閉鎖の速度を、時間の単位あたりの細胞によって覆われない面積を測定することによって決定した。データは、コントロール#3(fl/fl)MEF細胞と比較した、Abi1/Hssh3bp1KO細胞系統(#3−6および#3−11)の、4つの独立したアッセイの平均±SDを示す(図11A)。図11Bは、生きた細胞の観察からの代表的な顕微鏡写真を示す。 図11は、創傷治癒遊走アッセイからのデータを示す。創傷閉鎖の速度を、時間の単位あたりの細胞によって覆われない面積を測定することによって決定した。データは、コントロール#3(fl/fl)MEF細胞と比較した、Abi1/Hssh3bp1KO細胞系統(#3−6および#3−11)の、4つの独立したアッセイの平均±SDを示す(図11A)。図11Bは、生きた細胞の観察からの代表的な顕微鏡写真を示す。 図12は、Abi1/Hssh3bp1KO細胞におけるWave複合体の評価を示す。Abi1/Hssh3bp1KO細胞系統のMEF細胞溶解物のウェスタンブロット分析。WAVE2、Nap1、およびSra−1タンパク質レベルを、Abi1/Hssh3bp1発現を欠く2つのクローン(#3−6および#3−11)および親系統MEF#3から得た全細胞溶解物において、特異的抗体によって評価した。 図13は、Abi1−/−およびAbi1+/+MEF細胞におけるミトコンドリアデヒドロゲナーゼの活性を示す(**p<0.01)。 図14は、Abi1/Hssh3bp1遺伝子の前立腺特異的破壊を示す。プロバシンプロモーター駆動Creリコンビナーゼ発現系統[B6.D2−Tg(Pbsn−Cre)4Prb]と、Abi1/Hssh3bp1 loxP導入(fl/fl)系統の繁殖から得られた動物(オスのみ)を、loxP導入Abi1/Hssh3bp1対立遺伝子の発現およびCreリコンビナーゼの発現に関して遺伝子型解析した。Creリコンビナーゼを発現する動物由来の前立腺組織(前側前立腺および後側前立腺)は、Creの発現に関して陰性の動物(loxP導入)と対照的に、エキソン1の欠失(欠失)を示した。初代MEF(RARA1、RARA3、およびRARA7)、親MEF#8(Abi1(fl/fl))およびそのサブクローン細胞系統#8−7および#8−11および親MEF#3およびそのサブクローン系統#3−6、#3−8、および#3−11も遺伝子型解析した。 図15は、症例398(図15Aおよび15B)および400(図15Cおよび15D)由来の、正常(図15Aおよび15C)および悪性(図15Bおよび15D)前立腺組織の、Hssh3bp1に対するmAb2G8抗体による染色を示す。染色は、示した正常組織(図15および15C)および10p遺伝子座が欠失しなかった症例400の腫瘍組織(図15D)の両方において強力である。症例398由来の悪性組織における染色の完全な欠如(図15B)に注意すること、それはまた10pにおけるHssh3bp1遺伝子座に隣接する配列の欠失を示した。大きなパネルを、×100の倍率で示す;挿入図は×400の倍率である。 図16は、ウサギ網状赤血球溶解物を用いた、Hssh3bp1 cDNAのインビトロ翻訳による、前立腺腫瘍細胞系統における、Hssh3bp1のタンパク質短縮化試験を示す。PCR産物のインビトロ翻訳後の反応混合物を、7%TricineSDSポリアクリルアミドゲルで分離した;そのゲルを、Hssh3bp1に対するポリクローナル抗体Ab−2でブロッティングした。レーン1、外来性DNAを加えない反応混合物;レーン2、LNCaP由来のHssh3bp1 cDNAを含む反応混合物;レーン3、PC3由来のHssh3bp1 cDNAを含む反応混合物。明らかに、ウサギ網状赤血球溶解物は、Ab−2抗体反応性のバンドを含む(レーン1)。矢印は、PCR分析(示していない)によって確認された、Hssh3bp1のアイソフォーム2および3を表す全長Hssh3bp1ポリペプチドを示す。アスタリスクは、短縮化ポリペプチドを示す。
本開示は、Abi1/Hssh3bp1遺伝子の条件的破壊を有する、遺伝的に操作したマウス、および少なくとも1つの組織においてAbi1/Hssh3bp1の発現を欠くマウスを含む。「Hssh3bp1」という用語は、スペクトリンSH3−結合タンパク質1(SSH3BP1)遺伝子のクローンを指す。Abi1という用語は、形質転換またはシグナル伝達において、Abl機能の制御因子として作用する、Abl相互作用物質(interactor)1(Abi−1)タンパク質を指す。Abi−1およびHssh3bp1は、同じタンパク質であると決定された。従って、本明細書中でその遺伝子をAbi1/Hssh3bp1遺伝子と呼ぶ。
本明細書中で使用する場合、「loxP導入(floxed)」という用語は、2つのloxP部位の間にDNA配列を挟むことを指す。
本明細書中で使用する場合、「コンディショナルノックアウト」または「CKO」という語句は、マウスを説明するために使用する場合、Abi1/Hssh3bp1遺伝子のエキソン1に隣接して挿入された選択マーカーを含むノックアウト構築物を含むマウスを指し、そしてここでその選択マーカーはfrt部位に隣接する。さらに、エキソン1の5’および選択マーカー3’frt部位の3’にloxP部位が存在する。さらなるloxP部位は、選択マーカー5’frt部位に対して3’である。コンディショナルノックアウトマウスは、機能的なAbi1/Hssh3bp1遺伝子を保持する。本明細書中で使用される、「ノックアウト」または「KO」という用語は、Abi1/Hssh3bp1遺伝子のエキソン1が破壊されたマウス、またはマウスの組織を指し、そしてこのマウス、またはその特定の組織は、機能的なAbi1/Hssh3bp1遺伝子を有さない。
c−Ablチロシンキナーゼは、ほとんどのヒト組織において発現し、そして細胞増殖および死の制御に関連していた。BCR−Ablのような、c−Ablの変異形態は、慢性骨髄性白血病およびいくつかの形態の急性リンパ性白血病のような、しかしそれに限らない、いくつかの形態の癌に関連していた。
Abi1/Hssh3bp1は、Ablキナーゼの生理学的阻害剤である。メシル酸イマチニブ(Imantinib mesylate)、c−Ablキナーゼの阻害剤は、慢性骨髄性白血病および他の型の癌の有効な治療薬である。しかし、CMLを有するある患者は、メシル酸イマチニブ(imantinib)による治療に抵抗性である。従って、この酵素を標的とする新規治療が必要である。Abi1/Hssh3bp1に基づく化合物は、前立腺癌の治療に使用される可能性を有する。他の型の癌は、おそらくc−AblチロシンキナーゼまたはArgチロシンキナーゼ(Argチロシンキナーゼは、チロシンキナーゼのAblファミリーの2番目のメンバーである)が関与する。チロシンキナーゼのAblファミリーは、アクチンおよび微小管に基づく細胞骨格を調節し、そして細胞骨格を通して、細胞増殖、分裂、エンドサイトーシスおよび分化のような、基本的な細胞過程を調節する。これらの過程の忠実度の欠損が、多くの場合腫瘍形成(tumorogenesis)の基礎となる。ArgおよびAblチロシンキナーゼは、特にSH3、SH2およびキナーゼドメインにおいて、高度に保存された配列を有する。従って、Abi1/Hssh3bp1はおそらく、Ablチロシンキナーゼファミリーの複数のメンバーの阻害剤の供給源である。
その配列がAbi1/Hssh3bp1タンパク質由来であるペプチドは、インビトロにおいてc−Ablキナーゼ活性を阻害する(米国特許仮出願第60/741,208号、および続く米国特許本出願第12/095,728号およびPCT特許出願PCT/US2006/45570を参照のこと、これらの開示は、本明細書中でそれらの全体が援用される)。Abi1/Hssh3bp1ペプチドのいくつかは、c−Ablキナーゼによってリン酸化された、特異的なホスホチロシン残基を含む。ホスホチロシンを含む、および非リン酸化ペプチドは両方とも、c−Ablキナーゼに対して阻害活性を有するが、これらのペプチドによるキナーゼ阻害のメカニズムは異なる。ホスホペプチドによるc−Ablキナーゼ阻害のメカニズムは、ペプチドの長さに依存して、c−Abl SH2ドメインへの結合、またはAbl SH2およびSH3ドメイン両方への結合を含む。c−Ablキナーゼ活性におけるAbi1/Hssh3bp1遺伝子の決定的な役割は、調節性キナーゼを含む領域が欠損している細胞における、Abi1/Hssh3bp1の発現時の細胞増殖の阻害によって支持される。
本明細書中で記載された、コンディショナルノックアウトマウス、およびできた細胞系統は、癌の形成、進行およびふるまいにおけるAbi1/Hssh3bp1遺伝子の役割を研究するために有用である。さらに、CKOおよびKOマウス、およびできた細胞系統は、制限しない例、前立腺癌において、癌治療のための薬剤、または治療様式のスクリーニングにおいて有用である。
遺伝的に操作したCKOマウスの作成は、ノックアウト構築物のような、特定のDNA配列を、マウスDNAへ挿入することを含む。その挿入された配列は、通常マウスにおいて存在しない、2つのDNA特異的酵素、frtリコンビナーゼ(フリッパーゼとしても知られる)およびCreリコンビナーゼによって認識される。Creリコンビナーゼ認識部位は、loxP部位と呼ばれ、そしてフリッパーゼ認識部位は、frt部位と呼ばれる。これらの酵素はそれぞれ、その認識部位に隣接するDNA配列を切断および除去し得る。このことは、その関心のある遺伝子の機能的DNA配列が除去される場合、遺伝子機能の破壊を引き起こし得る。それに加えて、選択マーカー遺伝子をマウスに挿入し、その導入は、Cre組換えまたはフリッパーゼ認識部位を含む胚マウス細胞(幹細胞)の選択を可能にする。そのできたマウスがコンディショナルノックアウトマウスである。
ノックアウト構築物は、DNA構築物のような核酸配列であり、それは、細胞に導入された場合、細胞において内因性DNAによってコードされたポリペプチドまたはタンパク質の発現の抑圧(部分的または完全)を引き起こす。典型的なノックアウト構築物が、本明細書中で提供される。この構築物は、Abi1/Hssh3bp1のエキソン1、選択マーカーカセットの5’にloxP部位を、および選択マーカーカセットの3’にloxP部位を含む。その選択マーカーカセットは、選択マーカーの5’および3’にfrt部位を、そして5’frt部位および選択マーカー遺伝子の間に内部loxP部位を含む。適当な選択マーカーは、ネオマイシン、ピューロマイシン、およびハイグロマイシンを含むがこれに限らない。適当なベクターは、pBLUESCRIPT、pBR322、およびpGEM7を含むがこれに限らない。ノックアウト構築物の調製の詳細が、本明細書中で提供される。
胚幹(ES)細胞は、典型的には、導入遺伝子の生殖系列伝達を生じるように、発達中の胚の生殖系列に組み込まれ、そしてその一部となる能力に関して選択される。従って、そのようにし得るあらゆるES細胞系統が、本明細書中で使用するために適当である。例えば、本明細書中で記載された、129SvEv ES細胞系統を使用し得る。あるいは、使用し得る適当な細胞系統は、129J ES細胞系統、D3 ESまたはJl ES細胞系統を含むがこれに限らない。当業者に周知の方法を使用して、その細胞を培養し、そしてDNA挿入のために調製する。
ノックアウト構築物のES細胞への導入を、例えばエレクトロポレーション、微量注入、およびリン酸カルシウム処理を含む、当該分野において周知の様々な方法を用いて達成し得る。DNA配列の導入のために、ノックアウト構築物DNAを、選択した挿入方法に適当な条件下で、ES細胞に加える。もし細胞をエレクトロポレーションするなら、ES細胞および構築物DNAを、エレクトロポレーションの機械(エレクトロポレータ)を用いて、そして製造会社の使用ガイドラインに従って、電気パルスに曝露する。エレクトロポレーション後、その細胞を適当なインキュベーション条件下で回復させる。次いでその細胞を、ノックアウト構築物の存在に関してスクリーニングする。
導入遺伝子を含む細胞(相同的組換え体)に関するスクリーニングを、様々な方法を用いて行い得る。例えば、本明細書中で記載したように、細胞を必要に応じて処理して、それらの中のDNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による、特異的プローブを用いたスクリーニングのために利用可能にし得る。
適当なES細胞が同定されたら、それらを標準的な方法を用いて胚へ導入する。それらを、例えば微量注入を用いて導入し得る。例えば妊娠したメスの子宮の灌流によって、ES細胞の組み込みが起こるために適当な発生段階にある胚を得る。例えば、発生3−4日のマウス胚を得て、そしてマイクロピペットを用いてES細胞を注射し得る。ES細胞を胚へ導入した後、その胚を、偽妊娠メスマウスの子宮へ導入する。偽妊娠の段階を、着床が成功するチャンスを増強するように選択する。マウスにおいて、偽妊娠2−3日のメスが適当である。
ES細胞の着床した胚への組み込みの成功は、キメラと呼ばれる子孫を生じる。変異対立遺伝子の生殖系列伝達可能なキメラを、標準的な方法によって同定する。キメラを繁殖させ、そしてできた子孫を、望ましい変化(例えば修飾された組換えAbi1/Hssh3bp1対立遺伝子)の存在に関してスクリーニングする。公知の方法(例えばサザン分析、ドットブロット分析、PCR分析)を用いて、導入遺伝子を評価するために、例えば毛皮の色に基づいて、または子孫からDNA(例えば尾部DNA)を得ることによってこれを行い得る。導入遺伝子発現をまた、ノーザン分析またはPCR分析のような公知の方法によって評価し得る(例えば置換構築物が発現しているかどうか決定するために)。子孫DNA(例えば尾部DNA)のサザンハイブリダイゼーションまたはPCR分析を行って、望ましい遺伝子型を同定し得る。
本開示は、破壊遺伝子がAbi1/Hssh3bp1遺伝子であるCKOを記載する。CKOマウスと、フリッパーゼまたはCreリコンビナーゼを発現するマウスと繁殖させることによって、Abi1/Hssh3bp1遺伝子の条件的破壊を得た。Jackson Laboratory(Bar Harbor、ME)は、フリッパーゼまたはCreリコンビナーゼを発現する、70以上のマウスの系統を販売している。フリッパーゼまたはCreリコンビナーゼ発現マウス系統は、これらの酵素を全てのマウス組織において発現する、または前立腺組織のような特定の組織においてのみ、または星状細胞のような特定の細胞型においてのみ、それらの存在を引き起こすシグナルの下でその酵素を発現し得る。組織または細胞特異的シグナルに加えて、発生特異的シグナル(例えば内因性発生因子または食餌応答性遺伝子プロモーター)を使用して、フリッパーゼまたはCreリコンビナーゼ発現の時間を制御し得る。当該マウスの1つの実施形態において、フリッパーゼの作用は、ネオマイシン遺伝子を除去し、そしてCreリコンビナーゼの作用は、関心のある標的遺伝子の決定的な部分、Abi1/Hssh3bp1のエキソン1を除去する。当該マウスの別の実施形態において、Creリコンビナーゼの作用は、ネオマイシン遺伝子およびAbi1/Hssh3bp1のエキソン1の両方を除去する。Abi1/Hssh3bp1のエキソン1の除去は、開始コドンの欠如のために、その遺伝子の不活性化を引き起こし、そして従ってタンパク質が産生されない(図2C)。ノックアウトにおいて、好ましくは標的遺伝子の発現は、検出不可能またはわずかである。
Abi1/Hssh3bp1ノックアウトマウスは、細胞運動性の崩壊、方向持続性の増加、遊走距離の減少および遊走速度の減少を含むがこれに限らない、1つまたはそれ以上の表現型を示す。
本明細書中で開示されたCKOマウスは、少なくとも3つの要素を含む:(1)標的遺伝子の決定的な部分に隣接する、少なくとも2つの酵素特異的認識部位;(2)ネオマイシンのような、しかしそれに限らない選択マーカーをコードする遺伝子;および(3)特定のマウス系統と繁殖させた時に除去が容易であるために、選択マーカー遺伝子に隣接する、少なくとも2つの酵素特異的認識部位。制限しない例において、標的遺伝子のエキソン1が、決定的な部分として指摘された。1つの実施形態において、標的遺伝子の決定的な部分に隣接する酵素特異的認識部位は、loxP部位である。別の実施形態において、選択マーカー遺伝子に隣接する酵素特異的認識部位は、frt部位である。別の実施形態において、両方の認識部位のセットは、同じものを含む。さらなる実施形態において、標的遺伝子の他のエキソンまたは部分を、決定的な部分として指定し得る。さらなる実施形態は、その作用を模倣する、フリッパーゼおよびCreリコンビナーゼ以外のDNA修飾酵素を含む。別の実施形態において、遺伝子活性化のあらゆる他の方法を使用して標的遺伝子を不活性化し得る。代替マウス系統由来の胚幹(ES)細胞も、遺伝子標的化のために使用し得る。
本明細書中で使用する場合、実質的に同じであるヌクレオチド配列は、少なくとも約90%の同一性を共有し、そして実質的に同じであるアミノ酸配列は、典型的には95%超のアミノ酸同一性を共有する。しかし、スプライスバリアントとして生じる、上記で記載したレベルより低い相同性を含むタンパク質(およびそのようなタンパク質をコードするDNAまたはmRNA)、または保存的アミノ酸置換(または縮重コドンの置換)によって修飾されたタンパク質は、本開示の範囲内であると企図されることが認識される。当業者によって容易に認識されるように、比較のために配列を整列させるために様々な方法が、例えばHenikoffおよびHenikoffによって、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1992)において記載されたような、Blosum62スコアリングマトリックスが考案された。この目的のために便利に採用されるアルゴリズムが、広く入手可能である(例えば、NeedlemanおよびWunsch、J.Mol.Bio.48:443(1970)を参照のこと)。
実施例1
遺伝的に操作したAbi1/Hssh3bp1マウス
Abi1/Hssh3bp1ヘテロ接合性loxP導入マウス(Abi1/Hssh3bp1loxP+/wt、Abi1/Hssh3bp1(fl/+)とも呼ばれる)の胚を、American Type Culture Collection(Rockville、MD)に、受入番号XXXXXXで寄託し、そしてマウス胚9050671VF−1から9050671VF−10として同定した。これらのマウスは、遺伝子の条件的破壊のために必要な最小限の量の配列を有する(Abi1/Hssh3bp1のエキソン1周辺のloxP部位、下で「エキソン1」)。これらのマウスは、組換えAbi1/Hssh3bp1遺伝子座にネオマイシン遺伝子を有さない;neoカセット由来の少量の配列が残っている(図2Aを参照のこと)。Abi1/Hssh3bp1loxP+/wtを繁殖させて、Abi1/Hssh3bp1loxP+/loxP(Abi1/Hssh3bp1(fl/fl))マウスを得る。
マウスAbi−1(受入番号NM_007380およびENSMUSG00000058835)、ヒト遺伝子ABI−1(受入番号NM_005470)のマウスオルソログ(ortologue)のエキソン1に挿入された、frtおよびloxP部位に隣接するPGK−Neoカセットを有する、ABL−1条件的標的化構築物(配列番号第14番、ノックアウト構築物または標的化ベクターとも呼ばれる)を構築した。
ゲノムバクテリア人工染色体(BAC)クローンを単離し、そしてコンディショナルKO構築物を産生した。標的化ベクターを構築するために使用する約11.8kbの領域を、まず相同的組換えに基づく技術を用いて、ポジティブに同定されたBACクローンからサブクローニングした。短いホモロジーアーム(SA)がエキソン1の3’に1.9kb伸長するようにその領域をデザインした。長いホモロジーアーム(LA)は、エキソン1の5’側で終わり、そして約9kbの長さである。単一のloxP部位がエキソン1の5’に挿入され、そしてloxPに隣接するNeoカセットがエキソン1の3’に挿入される。標的領域は0.9kbであり、そしてエキソン1を含む(図1、図2)。その標的化ベクターを、各修飾工程の後に制限分析によって、および特異的プライマーを用いた配列決定によって確認した。
コンディショナルKO構築物を、129SvEv胚幹(ES)細胞にトランスフェクトし、そして約300個の抗生物質耐性コロニーを選択した。インビトロにおける増殖後、細胞のアリコートを溶解し、DNAを抽出、精製、そして96穴組織培養プレートに乾燥させた。相同的組換えクローンから単離されたDNAの96穴プレートを、短いホモロジーアームおよびNeoカセット両方の中にあるPCRプライマーを用いた、PCRに基づく戦略を用いてスクリーニングした。次いでポジティブクローンを配列決定して、全てのloxPおよびfrt部位の適当な組み込みを確認し、そして次いで最後に培養ES細胞へ増殖させた。
2つのポジティブESクローン、1−2D3および1−3D1を、C57BL/6未分化胚芽細胞に微量注入し、それを偽妊娠メスの子宮へ移植した。次いで偽妊娠メスマウスが子孫を出産した。4週齢に達した時、毛皮の色の観察によって、子孫のキメラ現象を分析した。少なくとも90%のアグーチキメラ現象の5匹のオスが得られた。少なくとも90%のアグーチキメラ現象を有するオスマウスを、6週齢に達した時に、ヘテロ接合性子孫を産生するために、C57BL/6野生型メスマウスの群れと交配した。F1へテロ接合性オスおよびメス子孫の両方が得られた。
最初の組換えDNA要素(すなわち、ネオマイシン遺伝子、loxP、およびfrt部位(すなわちneo+/loxP+/frt+))を有するヘテロ接合性マウスは、より繁殖性が低いことが見出された;これらのマウスの繁殖は、2−4匹(6−12匹の子が通常)の範囲の、より少ない子を生じた。組換え遺伝子カセット中にネオマイシン遺伝子を有するホモ接合体マウスは得られなかった。ネオマイシン遺伝子の除去時に、ホモ接合体loxP導入マウスが得られた。
Abi1/Hssh3bp1キメラマウスの繁殖の成功後、修飾した組換えAbi1/Hssh3bp1対立遺伝子(ネオマイシン遺伝子、frtおよびloxP配列を含む)の生殖系列伝達を達成し、そして続いてF1系統の産生を生じた。できた子孫を、PCRによって遺伝子型解析して、コンディショナルノックアウト(CKO)対立遺伝子の存在を決定し、そしてloxPおよびfrt部位の存在に関しても配列決定した。
ネオマイシン遺伝子、frt部位およびloxP部位を含む、組換えAbi1/Hssh3bp1対立遺伝子に関してヘテロ接合性のマウスを、「frt deletor」系統129S4/SvJaeSorGt(ROSA)26Sortm1(FLP1)Dym/J(Jackson Laboratories,Inc.ストック番号003946)と繁殖させた。フリッパーゼによる組換え遺伝子カセットからのネオマイシン遺伝子の欠失を、特異的プライマーによる遺伝子型解析によって確認した。ヘテロ接合性Abi1/Hssh3bp1動物(Abi1/Hssh3bp1(loxP/wt)、Abi1/Hssh3bp1(fl/+)または(floxed/+)とも呼ばれる)(図3を参照のこと)を続いて繁殖させて、ホモ接合性Abi1/Hssh3bp1(fl/fl)マウスを得た。マウス胚線維芽(MEF)細胞系統を、続いてこれらのマウスから得た。
実施例2
正常および変異Hssh3bp1遺伝子を有する細胞系統
実施例1で記載されたヘテロ接合体マウスから、細胞系統を単離した。マウス胚線維芽細胞のためにMEFと呼ばれるその細胞系統は、1コピーの野生型遺伝子および1コピーの遺伝的に組換えした、エキソン1に隣接するloxP配列を有するAbi1/Hssh3bp1遺伝子を有する(この細胞系統はネオマイシン遺伝子を含んでいた)。初代MEFの単離後、その細胞をPCRによって遺伝子型解析した(図5)。いくつかのMEF細胞系統を、無作為に選択した。これらは、野生型Abi1/Hssh3bp1を発現する細胞系統、および望ましいホモ接合性loxP導入Abi1/Hssh3bp1遺伝子を発現する系統を含んでいた(図5)。
MEF細胞系統を、SV40ラージT抗原のレトロウイルス形質導入によって不死化した。遺伝子型の確認後、ホモ接合性Abi1/Hssh3bp1(fl/fl)MEF細胞系統(親MEF#3および親MEF#8)を用いて、インビトロで同系の細胞系統を得た(すなわち、インビトロにおける遺伝子ノックアウト実験のために)。Abi1/Hssh3bp1(fl/fl)細胞系統を、loxP導入対立遺伝子を除去するために、Creリコンビナーゼをコードするプラスミド、またはピューロマイシンを発現するコントロールEGFP(増強型緑色蛍光タンパク質)プラスミドのいずれかで一時的にトランスフェクトした。両方のプラスミドは、ピューロマイシン抵抗性カセットを有していた。トランスフェクションのために、FuGene6試薬を、マニュアルに従って使用した(Roche)。トランスフェクション培地を、5μg/mlのピューロマイシンを添加した通常培地と24時間後に交換した。細胞をピューロマイシンと6日間培養した(適当なピューロマイシン濃度を、殺傷曲線(killing curve)を行うことによって達成した)。次いで細胞系統を、上記で記載したような通常条件下で培養した。限界希釈サブクローニングによって、単一のクローンを得た。各Abi1/Hssh3bp1前駆細胞系統に関して、少なくとも10個の個々のAbi1KO細胞クローンを確立した。Creリコンビナーゼをコードするプラスミドでトランスフェクトした細胞におけるAbi1 loxP導入対立遺伝子の有効な除去を、PCRによって、タンパク質発現レベルの評価によって、およびRNAアレイ分析によって確認した。
クローン#3およびクローン#8を、Abi1/Hssh3bp1欠失系統の産生のために使用した。エキソン1の欠失によるAbi1/Hssh3bp1遺伝子の破壊を、ピューロマイシンに対する抵抗性を与えるプラスミドを用いたCreリコンビナーゼによる一時的なトランスフェクションによって達成した。Abi1/Hssh3bp1エキソン1のゲノム欠失を、プライマーDL75’(配列番号第7番)、Neogene13’(配列番号第16番)、およびmAbi1loxP35’(配列番号第3番)を含む、いくつかのPCRプライマーセットによる遺伝子型解析によって(図4)、およびPCR産物を配列決定することによって確認した。ウェスタンブロット分析(図6)は、そのクローンにおけるAbi1/Hssh3bp1タンパク質の欠如を示した。親MEFクローン3#の11個のサブクローンからの代表的なデータを図6に示す。
実施例3
Abi1/Hssh3bp1遺伝子発現を欠く細胞の形態
Abi1/Hssh3bp1は、前駆(fl/fl)細胞においてPDGF(血小板由来増殖因子)刺激末梢および背面ラフリングに局在するが、ノックアウトMEF細胞には存在しない。Abi1/Hssh3bp1は、ラメリポディウムを生じるアクチン再構成、およびアクチンが豊富な末梢および背面ラフリングの形成に関与することが公知である。従って、単離したMEF細胞において、Abi1/Hssh3bp1がこれらの構造に局在するかどうか、および機能的Abi1/Hssh3bp1遺伝子の発現を欠く細胞において、これらの構造におけるいかなる欠損が観察されるかを決定した。
PDGF処理時に、Abi1/Hssh3bp1(fl/fl)コントロール(#3)およびAbi1/Hssh3bp1欠損(クローン#3−11)細胞はどちらも、末梢および背面ラフリングの形成を示すが、Abi1/Hssh3bp1KO細胞系統において、背面ラフリングはより顕著でない。Abi1は、背面ラフリングにおいて高度に濃縮されており、そしてAbi1/Hssh3bp1コントロール細胞において細胞末梢ラフリングの先端に局在しているが、それはAbi1/Hssh3bp1ノックアウト細胞系統においては検出できない。Abi2も両方の細胞系統に存在するが、Abi1/Hssh3bp1コントロール細胞において、Abi1/Hssh3bp1局在化と区別できない(図7)。従って、本発明者らはコントロール(fl/fl)MEF細胞における環状および末梢ラフリングの形成におけるAbi1/Hssh3bp1の関与、およびノックアウトMEF細胞におけるAbi1/Hssh3bp1の欠如を確認した。
Abi1/Hssh3bp1MEF細胞のPDGF刺激は、Abi1/Hssh3bp1コントロールおよびAbi1/Hssh3bp1欠損細胞において、末梢および背面ラフリングの両方の形成を引き起こした。複数の細胞形態が観察され、そして定量し、以下のカテゴリーによって分類した:ラフリング有り、ラフリング無し、または不明瞭な細胞形態(図8)。著しいことに、Abi1/Hssh3bp1の欠如は、定量可能な方式では末梢ラフリング形成に影響を与えず、一方背面ラフリングは、全ての試験したAbi1/Hssh3bp1KO細胞系統において、そのそれぞれの親コントロールと比較して、有意に抑制された。Abi1/Hssh3bp1KOクローン#3−11は、PDGF処理に反応して最も激しい表現型を示した。特に、Abi1/Hssh3bp1#3コントロール細胞系統は、Abi1/Hssh3bp1#8コントロール細胞系統と比較して、PDGFによってより大きい程度まで刺激された(図8)。
機能的Abi1/Hssh3bp1遺伝子を欠く細胞において、Rac活性の変化は観察されなかった。Abi1/Hssh3bp1MEF細胞系統において、PDGF処理後に、G−LISAキット(Cytoskeleton,Inc.)を用いて、製造会社の指示に従って、Rac活性をアッセイした。PDGF処理は、Abi1/Hssh3bp1コントロールおよびAbi1/Hssh3bp1欠損細胞系統の両方において、強いRac活性化を誘発した(図9)。しかし、Abi1/Hssh3bp1ノックアウト細胞において、有意な影響は観察されなかった。この観察は、Abi1/Hssh3bp1はRacの下流において作用するか、またはAbi1/Hssh3bp1機能は、別のタンパク質、例えばAbi2によって代償されることを示唆した。
Abi1/Hssh3bp1を欠く細胞は、細胞運動性の欠損を示す。Abi1/Hssh3bp1は、Wave2複合体の一部として、アクチン細胞骨格依存性細胞運動性の調節因子として関与していた。従って、Abi1/Hssh3bp1KO MEF細胞系統を、一連の運動性アッセイにおいて試験した。無作為遊走分析に関して、細胞を6穴プレートに、通常の増殖培地中、10細胞/ウェルの濃度でまき、そして温度およびCOをコントロールした顕微鏡チャンバーに置いた(Axiovert200、Carl Zeiss、Microimaging Inc.)。プレーティングの6時間後に経時的な記録(time lapse recording)を開始した。AxioCam MRmカメラ(Zeiss)およびAxiovisionソフトウェアを用いて、8時間にわたって15分間隔で、10×対物レンズで画像を収集した。遊走経路、距離、速度、および方向維持性を含む運動性パラメーターを、経時的な動画から得た。個々の細胞の遊走経路を追跡するために、ImageJソフトウェア(NIH ImageJ、ソフトウェアバージョン1.41n)を用いて、細胞を各フレームに手で位置づけた;核を追跡のための地理的中心として使用した。遊走経路を、グラフとして表した。細胞遊走の速度を、遊走経路の全長および遊走時間の比として計算した。遊走距離を、8時間の間の正味の転位置として決定した。方向維持性を、8時間の間の方向距離および遊走経路の全長の比として計算した。これらのアッセイは、Abi1/Hssh3bp1を欠く細胞の、無作為な細胞運動性(遊走速度および遊走距離)の減少を示したが、方向維持性の増加を示した(図10)。
創傷治癒に対するAbi1/Hssh3bp1の効果を決定するために、細胞を、通常の増殖培地中、6穴プレートに1×10細胞/ウェルの濃度でまいた。6時間後、コンフルエントな1層の細胞を、細いピペットの先端でひっかき、そして上記で記載したような経時的なイメージングによって遊走を可視化した。単位時間あたりの、細胞によって覆われない面積を測定することによって、創傷閉鎖の速度を決定した。各アッセイを少なくとも4回繰り返した。このアッセイにおいて、Abi1/Hssh3bp1を欠く細胞の、創傷閉鎖のわずかであるが統計学的に有意な障害(図11)。
細胞運動性のアッセイは、Abi1/Hssh3bp1KO細胞における細胞運動性の欠損を示し、そしてWave2依存性アクチン重合のダウンレギュレーションを示唆した。Abi1/Hssh3bp1は、Rac1活性によって調節される、Wave2−Arp2/3活性化複合体の重要な部分であると考えられる。Rac1、Wave複合体、およびAbi1の間の相互作用は、Nap1およびSra−1によって媒介される。RNAサイレンシング実験のデータは、個々のサブユニットのダウンレギュレーション時、Wave2複合体の全ての主な成分は、協調的にダウンレギュレートされることを示した。Abi1/Hssh3bp1の遺伝子破壊による(すなわち遺伝的)ノックアウトがどのようにWAVE2複合体成分の安定性に影響を与えるかを研究した。ウェスタンブロット分析は、Abi1(−/−)ヌル細胞において、Wave2、Sra−1、およびNap1発現レベルがより低いが、完全に抑制されてはいないことを示した(図12)。
実施例4
Abi1/Hssh3bp1ノックアウトマウスゲノムの配列決定
下記に示した供給源から全ゲノムDNAを単離し、そして示したプライマー(PCRプライマー)を用いてPCR増幅にかけた。PCR断片を1%アガロースゲルで分離した(図14)。PCR産物バンドの配列決定を、5’loxP部位の上流に位置する、プライマーDL75’(前向き配列決定プライマー;配列番号第7番)、および3’loxP部位の下流に位置する、プライマーFlankneo13’(逆向き配列決定プライマー;配列番号第4番)を用いて行った。MEF細胞系統およびマウスの名前を示す。
初代MEF細胞系統
「RARA1」を、ヘテロ接合性Abi1/Hssh3bp1(loxP/+)系統の繁殖から生じ、そしてloxP対立遺伝子に関してネガティブであると遺伝子型解析されたマウス胚から得る。配列決定データは、Abi1/Hssh3bp1遺伝子のWT配列において、5’loxP部位の欠如および3’loxP部位の欠如を確認する。
「RARA3」を、ヘテロ接合性Abi1/Hssh3bp1(loxP/+)系統の繁殖から生じ、そしてloxP対立遺伝子に関してホモ接合性であると遺伝子型解析されたマウス胚から得る。配列決定は、組換えAbi1/Hssh3bp1遺伝子において、5’loxP部位および3’loxP部位の存在を確認する。
「RARA7」を、ヘテロ接合性Abi1/Hssh3bp1(loxP/+)系統の繁殖から生じ、そしてloxP対立遺伝子および野生型対立遺伝子に関してヘテロ接合性であると遺伝子型解析されたマウス胚から得る。配列決定は、5’および3’loxP部位両方の存在を確認する。また、WT配列をDL75’およびFlankneo13’プライマーで確認した。
示した場合、「上のバンド」という用語は、組換えAbi1/Hssh3bp1 loxP導入対立遺伝子からの配列データを指し、そして「下のバンド」という用語は、野生型Abi1/Hssh3bp1遺伝子対立遺伝子からの配列データを指す。
初代MEF細胞系統からの配列決定データは、組換えAbi1/Hssh3bp1 loxP導入遺伝子において、5’loxPおよび3’loxP部位の存在、およびネオマイシン遺伝子の欠如を確認した。
不死化MEF細胞系統
MEF#3(親#3MEF Abi1/Hssh3bp1 loxP導入細胞系統):配列決定は、組換えAbi1/Hssh3bp1遺伝子において、5’および3’loxP部位両方の存在を確認した。
MEF#3クローン#3−6、#3−8、および#3−11:配列決定は、組換えAbi1/Hssh3bp1遺伝子において、エキソン1の欠失、および1つのみのloxP部位の存在を確認した。
MEF#8(親#8MEF Abi1/Hssh3bp1 loxP導入細胞系統):配列決定は、組換えAbi1/Hssh3bp1遺伝子において、5’および3’loxP部位両方の存在を確認した。
MEF#8クローン#8−7、および#8−11:配列決定は、組換えAbi1/Hssh3bp1遺伝子において、エキソン1の欠失、および1つのみのloxP部位の存在を確認した。
不死化MEF細胞系統からの配列決定データは、親#3および#8細胞系統の組換えAbi1/Hssh3bp1 loxP導入遺伝子対立遺伝子において、5’loxPおよび3’loxP部位の存在およびネオマイシン遺伝子の欠如を確認した。一時的なCreリコンビナーゼトランスフェクション後にサブクローニングした細胞系統(親MEF#3由来の#3−6、#3−8、#3−11および親MEF#8由来の#8−7および#8−11)において、エキソン1を含み、そして1つのloxP部位を含む、loxP部位の間に位置するAbi1/Hssh3bp1遺伝子配列が、組換え対立遺伝子から欠失している。これは、Abi1/Hssh3bp1タンパク質発現の破壊を引き起こした(#3サブクローンからのタンパク質発現データに関して図6を参照のこと)。
PbCreマウスと交配したAbi1/Hssh3bp1 loxP導入マウス由来、およびCreリコンビナーゼ発現に関して陽性である前立腺組織
マウス#418前方および後方前立腺:配列決定は、組換えAbi1/Hssh3bp1遺伝子において、5’および3’loxP部位両方の存在を確認した。
PbCreマウスと交配したコントロールAbi1/Hssh3bp1 loxP導入マウス由来、しかしCreリコンビナーゼ発現に関して陰性である前立腺組織
マウス#419前方および後方前立腺:配列決定は、組換えAbi1/Hssh3bp1遺伝子において、5’および3’loxP部位両方の存在を確認した。
これらの組織に関して、「上のバンド」という用語は、loxP導入対立遺伝子からの配列データを指し、そして「下のバンド」という用語は、エキソン1欠失対立遺伝子からの配列データを指す。
マウス前立腺組織からの配列決定データは、動物#418および#419の前方および後方前立腺組織において、組換えAbi1/Hssh3bp1 loxP導入遺伝子対立遺伝子における、5’loxPおよび3’loxP部位の存在およびネオマイシン遺伝子の欠如を確認した。プロバシン駆動(すなわち前立腺特異的)Creリコンビナーゼを発現するマウス(マウス#418)から得られた前立腺組織において、loxP部位の間に位置し、そしてエキソン1および1つのloxP部位を含む、Abi1/Hssh3bp1遺伝子配列のCreリコンビナーゼによる欠失が観察された。
実施例5
Abi1/Hssh3bp1ノックアウトマウス
組換えloxP導入Abi1/Hssh3bp1対立遺伝子に関してホモ接合性であるマウスを、プロバシンプロモーター駆動Creリコンビナーゼ(Pb−Cre)を発現する系統:B6.D2−Tg(Pbsn−Cre)4Prb(National Cancer Institute−Frederick;the Mouse Repository of the Mouse Models of Human Cancers Consortium)と繁殖させた。これらのトランスジェニックマウスにおいて、ラットプロバシン遺伝子(Pb)の前立腺特異的プロモーターが、Creリコンビナーゼの発現を制御し、従ってその酵素は、成熟前立腺組織においてのみ発現することが予測される。Pb−Cre系統を、C57BL/6Jメスと繁殖させることによって、ヘミ接合性状態で維持する。Creは、小さい、しかし有意な卵母細胞による組換えを避けるために、オスマウスを通じて伝達しなければならない。繁殖ペアは、ヘミ接合性オスおよびメスC57BL/6Nのつがいとして供給された。Pb−Creマウスの連続的な世代を、C57BL/6Jマウスと繁殖させて、実験のために十分なPb−Creマウスを産生した。尾部から得たDNAを用いて、マウスを遺伝子型解析した。
Abi1/Hssh3bp1エキソン1の前立腺特異的欠失を、プライマーDL75’およびFlankneo13’による遺伝子型解析によって、前立腺組織において確認した(図13)。この結果は、インビボにおいてloxP部位の機能性を確認し、そしてこれらのマウスがAbi1/Hssh3bp1遺伝子機能の研究に適当であることを示す。
実施例6
Abi1/Hssh3bp1を欠く細胞の増殖
Abi1/Hssh3bp1を欠く細胞の増殖速度は、コントロールAbi1/Hssh3bp1(fl/fl)MEF細胞よりも速い。原発性前立腺腫瘍におけるAbi1/Hssh3bp1の喪失、および続くAbi1/Hssh3bp1機能の破壊を引き起こす原発性腫瘍の変異の同定は、Abi1/Hssh3bp1タンパク質の喪失が、細胞増殖の調節不全を引き起こすことを示唆した。これを、Abi1/Hssh3bp1 CKOマウスから単離したMEF細胞を用いて試験した。腫瘍抑制因子仮説と一致して、MEF Abi1/Hssh3bp1(−/−)細胞(クローン#3−11)において、親クローン#3Abi1(+/+)と比較して、ミトコンドリアデヒドロゲナーゼの活性によって決定された増殖速度の増加が観察された(図13)。プライマーDL75’およびFlankneo13’を、遺伝子型解析のために使用した。
実施例7
前立腺癌におけるAbi1/Hssh3bp1の役割
特定の染色体領域の欠失が、ヒト前立腺腫瘍において報告された。第10染色体に関して、10pおよび10qアームの両方が、しばしば欠失していると報告された。10qの欠失は、多くの場合候補前立腺癌抑制遺伝子、PTENまたはMMAC1にマッピングされた配列を含む、10q23−24領域を含む。第10染色体の短腕、10pにおけるヘテロ接合性の喪失(LOH)も、前立腺腫瘍において観察された。多型マーカーを用いて行われたいくつかの研究は、特に10p11.2領域における高率のLOHを示した。LOHの率は、使用したマーカーおよび調査した癌のステージに依存して、研究の間で変動する。10pにおける遺伝的変化は、多くの場合10qにおける変化と関連して存在する。13ヶ所の高度の多型の遺伝子座におけるヒト前立腺腫瘍の10pの広範囲な欠失マッピングを行った。この研究において、調査した35個の腫瘍の57%が、10p配列の喪失を示した。10pにおける最も高い濃度の対立遺伝子喪失は、4−から7−cM領域にまたがり、そして遺伝子座D10S211、D10S89、およびD10S111を含んでおり、それらはヒト前立腺腫瘍において10pの最少共通欠失領域を規定する。さらに、いくつかの腫瘍は、D10S211またはD10S89−D10S111においてのみ欠失していたので、この研究は、1つまたはそれ以上の欠失ドメインを10pにマッピングし得ることを示唆した。これらの研究は、マーカーD10S111を用いて、局在化(ステージB)前立腺癌における3.2%のLOH、および進行前立腺癌(ステージCおよびD)における27%のLOHという観察によって確認された。合わせると、これらの対立形質解析(allelotyping)研究は、ヒト前立腺腫瘍において1つまたはそれ以上の癌抑制遺伝子が、10pにマッピングされることを示唆する。この仮説を支持する機能的研究が、染色体10pの一部を加えた前立腺細胞系統における研究によって提供された。10pter−q11を含む染色体下断片の、PC3前立腺癌細胞系統への導入は、ヌードマウスにおいてハイブリッドクローン注入後の腫瘍形成能を抑制した。PPC−1細胞系統、PC3の亜系統を用いた別のグループによって、同様の結果が得られ、ここで10p配列の導入後に軟寒天におけるコロニー形成の減少が観察された。
従って、対立形質解析および機能的研究の両方が、前立腺腫瘍形成に決定的な、1つまたはそれ以上の癌抑制遺伝子が、D10S89およびD10S111遺伝子座を含む10pにマッピングされることを示唆する。ヒト前立腺腫瘍における10pの最少共通欠失領域は、候補ヒトスペクトリンSH3ドメイン結合タンパク質1、Hssh3bp1をコードする遺伝子を含む。Hssh3bp1は、スペクトリンおよびAblチロシンキナーゼのSH3ドメインに結合し、培養細胞においてマクロ飲作用小胞に会合し、そしてマクロ飲作用の可能性のある調節因子である。独立に別のグループによってEps8結合タンパク質として同定され、そしてHssh3bp1のアイソフォーム2と同一であるタンパク質、E3b1は、最近RasからRacへのシグナル伝達に結びつけられた。Hssh3bp1は前立腺癌において観察される10p最少欠失領域内の遺伝子座D10S89およびD10S111の近くにマッピングし、そして3つの配列全てが単一のYAC、961C7に局在する。さらに、D10S89またはD10S111の欠失した前立腺腫瘍において、Hssh3bp1タンパク質発現がダウンレギュレートされる。2つの前立腺腫瘍細胞系統が、Hssh3bp1の異常な形態の発現を引き起こす、Hssh3bp1遺伝子の変異を含む。これらのデータは、前立腺癌腫瘍形成の間に不活性化される候補癌抑制遺伝子としてのHssh3bp1の役割と一致する。
DNA分析
10p最少欠失領域の完全なコンティグを含む、11個のCEPH YAC(965D10、746D9、815C7、747H10、857C9、934E11、796F8、899E10、875B4、746G7、および961C7)のそれぞれ由来のコロニーを取り、そして10μlのリチカーゼ溶液(1.2Mソルビトール、10mMリン酸ナトリウム、pH7.4[1Mのストックから1:4v/v一塩基:二塩基])および2.5mg/mlリチカーゼ(Sigma)と、37℃で5分間インキュベートした。各消化混合物の5マイクロリットルを、続く55℃のアニーリング温度を用いた、それぞれ200μMのdGTP、dATP、dTTP、およびdCTP;1×PCR緩衝液(50mMのKCl、10mMのTris−HCl、pH8.3、2.5mMのMgCl);それぞれ1μMの前向きおよび逆向きプライマー;および0.6UのTaqポリメラーゼ(Life Technologies)を含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において使用した。これらのマーカーの連結順序は、pter−D10S211−WI4906−10S553−D10S1789−D10S550−WI4133−D10S582−D10S1673−D10S586−D10S1749−D10S1747−D10S572−D10S89−D10S111−セントロメアと報告された。
プライマー配列および連結情報を、Human Genome Data Base E−mail:(http://gdbww−w.gdb.org/)、Center for Genome Research at the Whitehead Institute for Biomedical Research E−mail:(http://www−genome.wi.mit.edu/)、およびNational Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)によって維持されるデータベースから得た。使用したHssh3bp1前向きプライマーは、PROM35’(5’−CTGCAGAGACCCATGATTGTGCC−3’、配列番号第8番)、および使用した逆向きプライマーは、PROM53’(5’−CAAGTTGAGTACGAATACTCCGTAC−3’、配列番号第9番)であった。反応産物を、2.5%アガロースゲルで電気泳動し、そして臭化エチジウム染色後に可視化した。
Hssh3bp1エキソン6配列を、前向きプライマーEx615’(5’−CAAAGGGAGACTCACATA TTTT TGG−3’、配列番号第10番)、および逆向きプライマーEx613’(5’−TCCATAGGAGT TTGTCGCCAGTCAG−3’、配列番号第11番)を用いて、前立腺細胞系統から単離されたゲノムDNAから増幅し、そして配列決定した。そのプライマー配列を、Hssh3bp1遺伝子全体を含むContigNT008730(Gen−Bank)から得た(上記で示したアドレスのNCBIウェブサイトにおける遺伝子のAceViewも参照のこと)。
Hssh3bp1発現の分析
10p遺伝子量(dosage)状態に関して以前に特徴付けた、凍結した1対の正常および腫瘍前立腺組織を利用した。標準的な技術を用いて、the Institute for Basic Research in Developmental Disabilities Antibody Facilityにおいて、Hssh3bp1の組換えC−末端部分、プラスミドC5に対して、モノクローナル抗体(mAb)2G8を産生した。1対の凍結正常および前立腺全摘除術標本由来の悪性組織から切断し、そして氷冷アセトンで10分間固定し、次いで4℃で短時間空気乾燥した、5ミクロンの切片において免疫組織化学を行った。そのスライドを、Ventana320ES Automatic Immunohistochemistry/IPOX Staining Stationを用いて、製造会社のプロトコールに従って、1:2000希釈のmAb 2G8で染色した。その抗体染色を病理学者が評価し、そして染色の程度を、0(無し)、1(低度)、2(中程度)、または3(強度)と評価した。
タンパク質短縮化テスト(PTT)
前立腺細胞系統LNCAP.FGC−10(CRL−10995)、LNCaP.FGC(CRL−1740)、およびPC3(CRL1435)をATCCから得て、そしてATCCの指示に従って増殖させた。培養細胞由来のRNAを、Tri−Reagent(Molecular Research Center)を用いて調製した。Hssh3bp1特異的プライマーT7−M(5’−GATTAATACGACTCACTATAGGGACGCGAGAGGAAGCGATGC AGAG−3’、5’プライマー、配列番号第12番)、およびP3(5’−CTTGAATTCAAGCAAATCAGTGAAGGAAAGGAC−3’、3’プライマー、配列番号第13番)を用いて、RT−PCRを行った。ゲル精製PCR産物(200ng)のインビトロにおける翻訳を、T7−h1プライマーおよびT7 TNTシステム(Promega)を用いて行った。SDS−PAGEタンパク質電気泳動およびウェスタンブロッティングを行った。その分析において、Hssh3bp1に対するポリクローナル抗体Ab−2を用いた。
Hssh3bp1は前立腺腫瘍における10p最少共通欠失領域にマッピングする
11個のCEPH YACをそれぞれ、10p最少共通欠失領域内の14遺伝子座のマッピングのために増幅した。これらの実験は、YACをこの領域にまたがるコンティグに整列させた(order)(表1)。Hssh3bp1遺伝子はYAC961C7のみに局在し、それはまたマーカーD10S89およびD10S111に特異的な配列を含む。D10S89はまた、よりテロメア側のYAC、875B4にも局在するので、可能性のある配列順は:10pter−D10S89−Hssh3bp1/D10S111−10cenであり、ここで「/」は実際の方向は不明であることを示す(表1)。1.67Mbである、YAC961C7の比較的小さいサイズは、Hssh3bp1遺伝子は、D10S89またはD10S111が欠失した腫瘍において、同時に欠失し得る可能性を示唆した。
隣接する10p配列が欠失した前立腺腫瘍において、Hssp3bp1の発現はダウンレギュレートされる
Hssp3bp1に対するmAbを用いた前立腺組織の免疫組織化学的分析を行って、前立腺腫瘍においてHssp3bp1タンパク質発現がD10S89またはD10S111量と関連するかどうかを決定した。D10S89およびD10S211の量に関して以前に特徴付けた、17組の正常および悪性前立腺標本を、これらの研究のために利用した。17個の腫瘍組織のうち、6個がD10S89またはD10S111における欠失によって特徴付けられた(表2)。残りの11個の腫瘍は、D10S89、D10S111、または両方の遺伝子座において、正常な二倍体量を保持していた(表2)。上皮細胞質の免疫組織化学的染色を、4つのグループ:なし(0)、低度(1)、中程度(2)、または強度(3)に段階をつけた。Hssp3bp1の中程度または強度の発現を、試験した82%(14/17)の正常組織で検出した(表2)。対照的に、Hssp3bp1の中程度または強度の発現を、試験した41%(7/17)の悪性組織においてのみ検出した。さらに、最少共通欠失領域内で、D10S89またはD10S111における10p配列が欠失した4/6(67%)の腫瘍が、これらの遺伝子座において正常な二倍体量を維持する5/11(46%)の腫瘍と比較して、Hssp3bp1タンパク質を発現できなかった。正常および悪性におけるHssh3bp1染色の例を、図16に示す。
合わせると、これらの実験結果は、Hssh3bp1タンパク質発現の喪失は、ヒト前立腺腫瘍において、10pの欠失に隣接する遺伝子座の欠失と明らかに関連していたことを示す。
前立腺腫瘍細胞系統は、Hssh3bp1に変異を含む
2つの前立腺腫瘍細胞系統、LNCaP(CRL−10995)およびPC3(CRL−1435)において、PTTを行った。そのPTTテストは、Hssh3bp1のC−末端に対する抗体を使用し、そしてPC3細胞系統における2つのポリペプチドと比較して、LnCaP細胞系統における短縮ポリペプチドの存在を示した(図16)。DNA配列決定によって決定されたように、LNCaP細胞系統は、Hssh3bp1cDNAのヌクレオチド660−800(全部で141ヌクレオチド)の欠失を含むが、PC3細胞系統は含まない。これは、Hssh3bp1のアミノ残基194から240までのインフレーム欠失を引き起こし、そしてPTTにおけるより小さい産物の翻訳の観察と一致する。Hssh3bp1配列の同一の欠失が、別の腫瘍細胞系統、CRL−1740において観察された。これらの細胞系統由来のHssh3bp1遺伝子の配列決定は、前のイントロンの3’スプライスジャンクション近くに位置する遺伝子のエキソン6における、ヘテロ接合性の点突然変異の存在を明らかにした:配列
は、今や
であり、ここでイタリック体はイントロン配列、矢印はスプライス部位を、そして下線/太字は変異残基を示す。その変異は、R(CGG)からQ(CAG)へのコドン194の変化を引き起こす。このミスセンス変異は、Hssh3bp1mRNAのスプライシングにおいて、明らかにエキソン6のスキッピングを引き起こし、それは少なくとも2つの独立したメカニズム:ミスセンス誘発エキソンスキッピング、または3’スプライス部位付近のHssh3bp1mRNAのコンフォメーション変化によって説明され得る。アイソフォーム特異的プライマーを用いた、PC3細胞におけるHssh3bp1cDNAのPCR分析は、Hssh3bp1のアイソフォーム2および3の発現を明らかにし、それは2つの狭く間隔の空いたポリペプチドの観察と一致する(図16)。LnCAP細胞からのポリペプチドの明らかな移動は、エキソン6によってコードされるアミノ酸配列を欠くHssh3bp1のアイソフォーム5の移動に対応する。
以前の対立形質解析および機能的研究は、前立腺腫瘍形成に重要な、1つまたはそれ以上の癌抑制遺伝子が、10p染色体領域にマッピングすることを示唆した。Hssh3bp1遺伝子は、前立腺腫瘍に関して以前本発明者らの研究室によって規定された、10p最少欠失領域内の、遺伝子座D10S89およびS10S111に隣接してマッピングされた。さらに、Hssh3bp1タンパク質の発現は、D10S89またはD10S111のいずれかが欠失した前立腺腫瘍の大部分において、抑制された。これらの研究は、観察されたHssh3bp1タンパク質発現の抑制は、1つのコピーの欠失および残るコピーの変異による、遺伝子の対立遺伝子不活性化により得ることを示唆する。このメカニズムは、もともと「プロトタイプ」癌抑制遺伝子、網膜芽細胞腫に関して提案された、「ツーヒット」モデルのものと一致する。従って、Hssh3bp1は、前立腺腫瘍形成に重要な、候補癌抑制遺伝子である。
前立腺癌における、10p最少共通欠失領域内の、Hssh3bp1配列とD10S89およびD10S111の同時局在は、Hssh3bp1の発現は、前立腺腫瘍において喪失し得ることを示唆する。これは、ここで示された免疫組織化学的研究によって支持され、それは、Hssh3bp1タンパク質発現は、調査したD10S89またはD10S111の欠失を有する前立腺腫瘍の大部分(5/6、83%)において欠如している、または抑制されているが、正常組織の大部分およびこれらの遺伝子座においてインタクトである前立腺腫瘍において発現することを示す。
隣接する10p遺伝子座の欠失と組み合わせて、観察されたHssh3bp1タンパク質の発現の抑制を説明し得る2つのメカニズムは、Hssh3bp1配列の欠失および/または変異を含む。しかし他のメカニズムも関与し得る。例えば、5個の腫瘍(症例344、260、392、386、および380)が、Hssh3bp1タンパク質を発現しなかったが、それらはD10S89またはD10S111の欠失を示さなかった。これらの例において、Hssh3bp1発現が他の手段、例えば小さい中間部欠損、両方のHssh3bp1対立遺伝子を含む変異、転写ダウンレギュレーション、またはタンパク質安定性の低下によって、ダウンレギュレートされた可能性がある。有意なことに、正常前立腺上皮標本の大部分(14/17、82%)は、中程度または強度のHssh3bp1タンパク質発現を示したので、これらの提案されたイベントは、明らかに前立腺腫瘍に特異的である。例外として、D10S89およびD10S111の両方において1つの対立遺伝子が欠失した1つの腫瘍(症例404)は、高レベルのHssh3bp1タンパク質を発現したことにも注意するべきである。この腫瘍においては、欠失がHssh3bp1の1つの対立遺伝子のみに影響を与え、残りの対立遺伝子の正常な発現を可能にした可能性がある。
2つの前立腺腫瘍LnCAP細胞系統、CRL−10995およびCRL−1740は、Hssh3bp1のエキソン6にミスセンス変異を含む。これらの細胞系統は、お互いの誘導体であり、それが遺伝子において同じ変異が観察される理由である。この変異は、Hssh3bp1 mRNAおよびタンパク質の異常な形態の発現を引き起こす、明らかなエキソン6のスキッピングを引き起こす。Hssh3bp1遺伝子の1つの対立遺伝子においてエキソン6の変異が観察されるが、これらの細胞において短縮化ポリペプチドの発現のみが観察され、前の段落において言及したメカニズムによる正常対立遺伝子のダウンレギュレーションを示唆する。エキソンのスキッピングは、BRCA1および他のもののような遺伝子における、構成的におよび選択的にスプライシングされたエキソンの両方に存在する、エキソンスプライスエンハンサーに位置するナンセンスまたはミスセンス変異によることが示された。同定された変異はまた、前にあるイントロンの3’スプライスジャンクションから+3の位置にあるので、エキソン6の適切なスプライシングに必要な、RNA2次構造およびコンフォメーションにも影響を与え得る。エキソン6配列の存在は、原発性前立腺細胞、PC3細胞、ヒト脳、およびいくつかの培養細胞系統を含む、様々な組織から得られたHssh3bp1 cDNAにおいて常に観察される。脳におけるHssh3bp1の選択的スプライシングは、3’非翻訳領域の選択的スプライシングのさらなる可能性を有する、mRNAコーディング領域の5つのアイソフォームを生じる。異なる細胞における、特定のHssh3bp1アイソフォームの発現は、機能的に有意であり得、そしてPC3においてLnCAP細胞系統と異なる。
Hssh3bp1のアミノ残基194から240をコードするエキソン6配列の欠如は、LnCAP細胞系統において、Hssh3bp1におけるAblチロシンキナーゼSH3ドメイン結合部位(Hssh3bp1のアミノ残基144−260)の一部の喪失を引き起こす。そのような欠失は、Ablチロシンキナーゼの細胞内局在に影響を与え、そしてそのキナーゼ活性を変化させ、細胞の形質転換を引き起こし得る。この仮説は、Abl SH3ドメインの変異は、Ablの形質転換能力の増加を引き起こすという事実と一致する。提案された腫瘍抑制因子機能と一致して、Hssh3bp1は、癌遺伝子であるAblチロシンキナーゼの機能の負の制御因子であり得る。
以前の研究は、Hssh3bp1をマクロ飲作用小胞のマーカーとして同定した。それに加えて、Hssh3bp1の過剰発現は、蛍光色素のエンドサイトーシスを減少させ、マクロ飲作用におけるHssh3bp1の負の調節性の役割の可能性を示唆した。マクロ飲作用は、腫瘍細胞系統において、増殖因子による刺激によってアップレギュレートされ、そしてPI−3キナーゼはその過程の正の調節因子である。PI−3キナーゼの特異的阻害剤であるLY294002は、蛍光色素のHssh3bp1マクロピノソームへのエンドサイトーシスを阻害し、そしてその形態に劇的に影響を与える。これは、Hssh3bp1が、PI−3キナーゼの関与する伝達経路に関与することを示唆する。PI−3キナーゼ機能は、次は前立腺腫瘍形成に関与する癌抑制遺伝子であるPTEN/MMACによって対抗される。従って、Hssh3bp1およびPTENは、前立腺癌において影響される、同じシグナル伝達経路に位置し得る。従って、Hssh3bp1のダウンレギュレーションは、PTENまたはPI−3キナーゼの異常な調節の下流のイベントであり得る。Hssh3bp1タンパク質発現のダウンレギュレーションも、欠失および、おそらく変異メカニズムによって独立に起こり得る。
他に示さなければ、明細書および特許請求の範囲において使用される、成分の量、分子量、反応条件等のような性質を表す全ての数字は、全ての例において「約」という用語によって修飾されると理解される。よって、それと反対に示さなければ、明細書および付随する特許請求の範囲において述べた数字のパラメーターは、本発明によって得ようとする望ましい性質に依存して変動し得る近似値である。少なくとも、そして請求の範囲に対する同等物の主義の適用を制限する試みとしてではなく、各数字のパラメーターは、少なくとも報告された有意な数字として、そして通常の概数を作る技術を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広い範囲を述べる数字の範囲およびパラメーターは近似値であるにも関わらず、特定の実施例において述べた数値は、できるだけ正確に報告される。しかし、いかなる数値も、そのそれぞれの試験測定値において見出される標準偏差から必然的に生じるある誤差を本質的に含む。
本発明を説明する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)使用される、「a」、「an」、「the」という用語、および同様の指示対象は、本明細書中で他に示さなければ、または明らかに文脈によって否定されなければ、単数および複数の両方を含むと解釈される。本明細書中における値の範囲の引用は、単にその範囲内に含まれる別々の値それぞれに個々に言及する、略式の方法となることが意図される。本明細書中で他に示されなければ、個々の値それぞれは、それが個々に本明細書中で引用されたかのように、本明細書中に組み込まれる。本明細書中で他に示されなければ、または他に文脈によって明らかに否定されなければ、本明細書中で記載された全ての方法を、あらゆる適当な順序で行い得る。本明細書中で提供される、あらゆるおよび全ての実施例、または例示の言語(例えば「〜のような」)の使用は、単に本発明をより明らかにするために意図され、そして他に請求される本発明の範囲に制限を加えない。明細書中の言語は、本発明の実施に必須の、あらゆる請求されない要素を示すと解釈されるべきではない。
本明細書中で開示された、本発明の代替要素または実施形態のグループ分けは、制限として解釈されない。それぞれのグループメンバーに個々に、または本明細書中で見出されるグループの他のメンバーまたは他の要素と組み合わせて、言及および請求し得る。簡便さおよび/または特許の理由で、グループの1つまたはそれ以上のメンバーを、グループに含み得る、またはグループから削除し得ることが予期される。あらゆるそのような含有または削除が起こる場合、その明細書は修飾されたようにそのグループを含むと考えられ、従って付随する特許請求の範囲において使用される全てのマーカッシュグループの書かれた説明を満たす。
本発明を実施するために、発明者らに公知の最もよい方法を含む、本発明のある実施形態を、本明細書中で記載する。もちろん、これらの記載された実施形態のバリエーションが、前述の説明を読んだ時に当業者に明らかとなる。発明者は、当業者が、そのようなバリエーションを適当なように採用することを期待し、そして発明者らは、本明細書中で明確に記載された以外に実施されることを意図する。よって、本発明は、適用可能な法律によって許される、ここに添付した特許請求の範囲において引用された内容の全ての修飾および同等物を含む。さらに、本明細書中で他に示されなければ、または他に文脈によって明らかに否定されなければ、その全ての可能なバリエーションにおける上記で記載した要素のあらゆる組み合わせが、本発明によって含まれる。
本明細書中で開示される特定の実施形態をさらに、〜から成る、または実質的に〜から成るという言語を用いて、特許請求の範囲において制限し得る。特許請求の範囲において使用する場合、出願または修正によって加えたかに関わらず、「〜から成る」という移行用語は、特許請求の範囲において特定されないあらゆる要素、工程、または成分を除外する。「実質的に〜から成る」という移行用語は、特定された物質または工程および、基本的および新規特徴に物質的に影響を与えないものに、請求の範囲を制限する。請求される本発明の実施形態は、本明細書中で本質的にまたは明白に記載および可能にされる。
さらに、この明細書を通して、特許および印刷された出版物に多くの言及がなされた。上記で引用された参考文献および印刷された出版物はそれぞれ、その全体として本明細書中で個々に参考文献に組み込まれる。
結びに、本明細書中で開示された本発明の実施形態は、本発明の原理の説明であることが理解される。採用し得る他の修飾が、本発明の範囲内である。従って、制限ではなく例として、本発明の代替の配置を、本明細書中の教示によって利用し得る。よって、本発明は、示された、および記載されたように正確には制限されない。

Claims (14)

  1. 体細胞および生殖細胞が、条件的に破壊されたAbi1/Hssh3bp1遺伝子を含むコンディショナルノックアウトマウスであって、ここで該破壊は、該マウスが検出可能なレベルのAbi1/Hssh3bp1タンパク質を産生できないことを引き起こす、コンディショナルノックアウトマウス。
  2. 前記条件的破壊は、前記マウスを、フリッパーゼまたはCreリコンビナーゼを発現するマウスと繁殖させることによって誘発される、請求項1に記載のコンディショナルノックアウトマウス。
  3. 前記Abi1/Hssh3bp1遺伝子の少なくとも一部に隣接する、ネオマイシン遺伝子、frt部位およびloxP部位を含む、組換えAbi1/Hssh3bp1対立遺伝子を含む、請求項1に記載のコンディショナルノックアウトマウス。
  4. 前記Abi1/Hssh3bp1遺伝子の前記少なくとも一部は、該Abi1/Hssh3bp1遺伝子のエキソン1である、請求項3に記載のコンディショナルノックアウトマウス。
  5. 前記条件的破壊は、前記Abi1/Hssh3bp1遺伝子のエキソン1において起こる、請求項1に記載のコンディショナルノックアウトマウス。
  6. 前記Abi1/Hssh3bp1遺伝子は、全ての前記マウスの組織において発現されない、請求項1に記載のコンディショナルノックアウトマウス。
  7. 前記Abi1/Hssh3bp1遺伝子は、前記マウスの組織の一部のみにおいて発現されない、請求項1に記載のコンディショナルノックアウトマウス。
  8. 前記Abi1/Hssh3bp1遺伝子は、前記マウスの前立腺組織において発現されない、請求項1に記載のコンディショナルノックアウトマウス。
  9. 前記マウスは、細胞運動性の破壊、方向持続性の増加、遊走距離の減少、および遊走速度の減少からなる群より選択される、少なくとも1つの表現型を示す、請求項1に記載のコンディショナルノックアウトマウス。
  10. 請求項1に記載のマウスから単離された細胞。
  11. 前記細胞は、前記マウスの前立腺組織由来である、請求項10に記載の細胞。
  12. Abi1/Hssh3bp1遺伝子の一部を含む、Abi1/Hssh3bp1遺伝子コンディショナルノックアウト構築物であって、ここで該Abi1/Hssh3bp1遺伝子のエキソン1は、5’loxP部位および3’選択マーカーカセットに隣接し、ここで該選択マーカーカセットは、frt部位および、3’frt部位の3’側および5’frt部位の3’側のloxP部位に隣接する選択マーカーを含む、Abi1/Hssh3bp1遺伝子コンディショナルノックアウト構築物。
  13. 配列番号第14番の配列を有する、請求項12に記載のAbi1/Hssh3bp1遺伝子コンディショナルノックアウト構築物。
  14. Abi1/Hssh3bp1遺伝子において標的化条件的破壊を有するマウスを産生する方法であって、該方法は、
    請求項12に記載のノックアウト遺伝子構築物を、マウス胚幹(ES)細胞の集団にトランスフェクトする工程;
    選択マーカーを発現するトランスフェクトしたES細胞を選択する工程;
    該トランスフェクトしたES細胞を、該マウスの祖先の胚に導入する工程;
    該胚を満期まで発生させて、生殖系列にコンディショナルノックアウト構築物を有するキメラマウスを産生する工程;
    該キメラマウスを繁殖させて、条件的に破壊可能なAbi1/Hssh3bp1遺伝子を有するヘテロ接合性マウスを産生する工程;および
    該ヘテロ接合性マウスを、フリッパーゼまたはCreリコンビナーゼを発現するマウスと繁殖させて、該Abi1/Hssh3bp1遺伝子に破壊を有し、そして該選択マーカーを含まないマウスを産生する工程、
    を包含する、方法。
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