JP4550640B2 - リチウム二次電池、リチウム二次電池用正極板及びそれらの製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池、リチウム二次電池用正極板及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池、リチウム二次電池用正極板及びそれらの製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、負荷特性とサイクル特性に優れたリチウム二次電池、リチウム二次電池用正極板及びそれらの製造方法に関する。
ポータブル機器用の電源として経済性等の点から二次電池が多く使われる。
二次電池には様々な種類があり、現在最も一般的な二次電池は、ニッケル−カドミウム電池で、最近になってニッケル水素電池も普及してきている。更に、正極活物質としてリチウム酸コバルト(LiCoO2)、リチウム酸ニッケル(LiNiO2)、これらの固溶体(Li(Co1-xNix)O2)、あるいはスピネル型構造を有するLiMn24等を、負極活物質として黒鉛等の炭素材料を、液体の有機化合物を溶媒とし、リチウム化合物を溶質とした電解液を用いたリチウム二次電池が知られている。このリチウム二次電池は、ニッケル−カドミウム電池やニッケル水素電池よりも出力電圧が高く高エネルギー密度であるために、上記電源の主力になりつつある。
通常ポータブル機器等に用いられている1Ah程度の容量の電池は、以下のように構成されている。
まず、百数十ミクロン程度の厚みの正極活物質と導電補助材が結着剤により集電体に固定された正極板を有する。この正極板は、百数十ミクロン程度の厚みの負極活物質が結着剤により集電体に固定された負極板と、多孔性絶縁体のセパレータを介して向かい合っている。この正極板、セパレータ及び負極板の積層体を捲回あるいは積層したものが、金属製あるいは金属層を有する樹脂フィルムに電解質とともに封入されてリチウム二次電池を構成している。
近年になり前述の正極活物質以外に、リン酸遷移金属リチウム複合化合物LiMPO4(ここでMはFe、Mn、Co、Niのうちより少なくとも一つ以上)が正極活物質として使用できることが報告されている(例えば、特開平9−134724号公報:特許文献1)。このリン酸遷移金属リチウム複合化合物は、遷移金属元素に鉄を使用できるので、従来のLiNiO2やLiCoO2よりも安価なリチウム二次電池が提供できる。
しかし、リン酸遷移金属リチウム複合化合物は、電子導電性が極めて乏しいという性質をもつ。このため、リン酸遷移金属リチウム複合化合物の表面を予め炭素材料で被覆することで、複合化合物自身に電子導電性を付与して負荷特性を向上させることが提案されている(例えば、特開2001−110414号公報:特許文献2)。
特開平9−134724号公報 特開2001−110414号公報
リン酸遷移金属リチウム複合化合物の表面を炭素で被覆するためには、リン酸遷移金属リチウム複合化合物の合成プロセスとは別に、複合化合物表面への炭素被覆プロセスが必要となる。この炭素被覆プロセスは、結果としてコストを増大させる。コスト増大を防ぐには、表面が被覆されていない複合化合物をそのまま用いることが好適であるが、その場合には上記のように負荷特性が大きく低下するという課題がある。
また、正極活物質は、充電あるいは放電に伴いそれ自身が膨張収縮を繰り返す。特に、リン酸遷移金属リチウム複合化合物の場合、従来のLiCoO2に比較して体積変化が大きい。そのため、充放電サイクルを繰り返すことにより、電極内部に応力が繰り返しかかる。その結果、リン酸遷移金属リチウム複合化合物が集電体から脱落し、電池の容量低下が発生するという課題がある。
かくして本発明によれば、正極板と、負極板と、正極板及び負極板を電気的に絶縁するセパレータとを備え、正極板が、正極活物質と炭素導電材と集電体とからなり、炭素導電材が、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着しており、かつ前記正極活物質が、LiMPO4(ここでMはFe、Mn、Co、Niのうちより少なくとも一つ以上)で表されるリン酸遷移金属リチウム複合化合物であることを特徴とするリチウム二次電池が提供される。
更に、本発明によれば、正極活物質と、炭素導電材を形成する前駆体との混合物を集電体上に担持した後に熱処理することで、炭素導電材が、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着して正極板を形成する工程、正極板、セパレータ及び負極板をこの順で積層する工程とを含むことを特徴とするリチウム二次電池の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、正極活物質と炭素導電材と集電体とからなり、炭素導電材が、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着しており、かつ前記正極活物質が、LiMPO4(ここでMはFe、Mn、Co、Niのうちより少なくとも一つ以上)で表されるリン酸遷移金属リチウム複合化合物であることを特徴とするリチウム二次電池用正極板が提供される。
更に、上記リチウム二次電池用正極板の製造方法であって、前記リチウム二次電池用正極板が、正極活物質と、炭素導電材の前駆体との混合物を集電体上に担持させ、次いで熱処理することで、炭素導電材が、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着することにより得られたものであることを特徴とするリチウム二次電池用正極板の製造方法が提供される。
本発明によれば、炭素導電材で、正極活物質の表面の少なくとも一部を被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着したリチウム二次電池用正極板が得られるので、予め炭素材料等で表面が被覆されていない正極活物質を用いても、負荷特性に優れたリチウム二次電池が提供できる。
また、熱処理により前駆体を炭化して形成された炭素導電材は、柔軟性が低く、正極活物質を強固に集電体に接着するので、正極活物質と集電体の接点が離れることがない。そのため、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供できる。
本発明のリチウム二次電池は、正極板と、負極板と、該正極板及び該負極板を電気的に絶縁するセパレータとを備え、正極板が、正極活物質と炭素導電材と集電体とからなり、炭素導電材が、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着している。
炭素導電材は、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆でき、かつ集電体と正極活物質を接着できさえすれば、その種類は限定されない。
炭素導電材は、その前駆体を熱処理することにより得られたものであることが好ましい。ここで、前駆体とは、ある物質を得るための前段階の物質を示し、特に本明細書では、その中に炭素骨格を有し、熱処理によって炭素以外の成分が揮発することにより炭素骨格のみが残留する物質のことを意味する。
本発明における正極板の製造方法の一工程を図1に示す。図1中、1は炭素導電材の前駆体、2は正極活物質、3は集電体を意味する。図1の前駆体1は、熱処理することによりにより炭化して炭素導電材となる。炭素導電材は正極活物質2の表面を少なくとも一部被覆し、正極活物質2と集電体3との電子伝導経路となる。従って、予め正極活物質の表面を炭素材料で被覆していなくても、負荷特性に優れたリチウム二次電池を提供できる。
また、本発明によれば図1に示すように、炭素導電材が正極活物質2と集電体3との結着剤としての機能も有する。そのため、従来使用していたPVDF等の高分子結着剤よりも強固に正極活物質を保持することができる。従って、サイクルの繰り返しに伴う正極活物質の脱落を防止でき、その結果リチウム二次電池のサイクル特性を向上できる。
以下に具体的な実施の形態について説明する。
本発明によれば、正極板及び負極板は以下の方法によって作製される。
(正極板)
正極活物質としては、特に限定されず、公知のものをいずれも使用できる。例えば、リチウム酸コバルト、リチウム酸ニッケル、これらの固溶体、リチウム酸マンガン、リン酸リチウム遷移金属化合物が使用できる。この内、リン酸リチウム遷移金属化合物が好ましい。具体的には、LiMPO4(ここでMはFe、Mn、Co、Niのうちより少なくとも一つ以上)で表されるリン酸遷移金属リチウム複合化合物が挙げられる。これらの中でも経済的に安価な鉄を含むものが好ましい。より好ましいリン酸遷移金属リチウム複合化合物としては、LiFePO4、Li(FexCo1-x)PO4(xは1より小さく0より大きい)が挙げられる。
炭素導電材としては、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、セルロースまたはその誘導体等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチロール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フッ化ビニル、クロロプレン、ビニルピリジン及びその誘導体、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、環状ジエン(例えばシクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等)スチレン−ブタジエンゴム等の重合体及び共重合体等の熱可塑性樹脂、糖類、澱粉、パラフィン等の炭水化物、タール、ピッチ、コークス等の前駆体を熱処理することにより得られた炭素材料が挙げられる。
熱可塑性樹脂は熱処理により軟化し流動性がでるので、正極活物質と集電体の表面によりよく付着させた後に炭化に付すことができる。よって熱可塑性樹脂を用いるとより強固な接着作用が期待できる。また、熱硬化性樹脂は熱処理を行っても形状が変化することなく炭化されるので、熱処理前と後での形状の変化が少ないという利点をもつ。
炭水化物は、一般に炭素と水素と酸素のみからなり、熱処理によって有害な物質が発散しにくい。
タール、ピッチ、コークス等は元々炭素含有量が大きく熱処理による体積収縮が小さいという利点をもつ。
上記特性を考慮して、上記前駆体を単独又は複数組み合わせて使用できる。
本発明では、これら前駆体は熱処理により炭化して使用するので、熱処理において前駆体の成分が熱分解により揮発する。よって熱分解によって有害な物質が排出されにくいものが好ましい。具体的にはポリビニル酢酸、ポリアセチレン、砂糖、澱粉等の炭素、水素、酸素のみから構成されるものや、タール、ピッチ、コークス等の炭素含有量の多いものが好ましい。また、前駆体は、集電体がアルミニウム系金属の場合、650℃以下で炭化するもの、例えば、タール、ピッチが好ましい。
炭素導電材は、正極活物質に対して1〜50重量%(炭素量)の割合で含まれていることが好ましく、1〜30重量%の割合で含まれていることがより好ましい。1重量%より少ない場合は、正極活物質への被覆面積が少なくなりすぎるため抵抗が大きくなり、電池としての負荷特性が低下するため好ましくない。50重量%より多い場合は、炭素導電材での正極活物質の被覆面積が大きくなりすぎるために、リチウムイオンの挿入脱離反応が阻害され、電池としての負荷特性が低下するため好ましくない。
なお、炭素導電材での正極活物質の被覆割合は、25〜90%程度であることが好ましい。
炭素導電材の電子伝導度は、1×10-2〜1.5×10-6Ωcmが好ましい。1.5×10-6Ωcmより小さくするためには、炭化の温度を更に上げたり、熱処理のための時間を長くしたりする必要があり、製造上のコストが増大するため好ましくない。また1×10-2Ωcmより大きい場合、導電性が低すぎ、電池としての負荷特性が低下するため好ましくない。
更に電極の導電性を向上させるために、炭素導電材以外に導電補助材を添加することが可能である。これらの導電補助材としては黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、導電性金属酸化物等の化学的に安定なものが使用可能である。これら導電補助材は、必要に応じて、単独でも、複数種混合して使用してもよい。導電補助材の混合量は、正極活物質の重量に対して10%までが好ましい。10%より多いと導電補助材が電極中に占める体積が大きくなリ、電池のエネルギー密度が低下するので好ましくない。
次に、炭素導電材での正極活物質の表面の被覆及び集電体と正極活物質との接着方法を説明する。
まず、正極活物質と、炭素導電材の前駆体とを所定量計りとり混合して混合物とし、集電体に塗布又は担持させる。塗布あるいは混合の方法は特に限定されない。
次に、正極活物質表面の一部を覆った前駆体を炭化させることにより、正極活物質表面を少なくとも一部被覆できる。ここで、前駆体が熱可塑性を有しない材料である場合には、正極活物質表面に前駆体を少なくとも一部被覆できるように、正極活物質と前駆体の混合物に前駆体を溶解しうる溶媒を添加してペースト状にすることが好ましい。
前駆体が室温で液体である場合、あるいは熱を加えることによって可塑性を有するものであれば、正極活物質の表面に前駆体を付着できるので特に溶媒は不要である。しかし、この場合でも、ペースト化したほうが集電体への塗布及び担持が容易になる場合には溶媒を添加してもよい。
ペースト化の溶媒としては特に限定されないが、Nメチルピロリドン(NMP)、アセトン、アルコール等の有機溶媒のほかに水も使用可能である。これらの中でも、安価であることや環境に対する負荷が小さいことから、水が好ましい。
集電体に塗布又は担持させる方法としては、ペーストを集電体の上にドクターブレード法等により直接塗布してもよいし、予めペーストを任意の形状に加工して集電体に担持させてもよい。
集電体は、金属箔、連続孔を持つ発泡金属、ハニカム状に形成された金属、焼結金属不織布、板、孔開きの板等が挙げられる。正極に用いる集電体の材質としては、アルミニウムかアルミニウムを含有する合金が好ましい。
混合物に溶媒を添加した場合、ペーストを集電体に担持させた後、ペーストの溶媒を除去するために乾燥を行うことが好ましい。乾燥は空気中で行ってもよいし、減圧下で乾燥させてもよい。更に好ましくは80℃程度の温度の下で乾燥させると乾燥時間を短くできる。ペーストに溶媒を用いていない場合、乾燥工程は不要である。
正極の密度が所望の場合より低い場合がある。その場合は正極をプレスしてもよい。本発明によれば熱処理によって前駆体が炭素化し結着剤としての柔軟性が失われるので、熱処理後にプレスを行うと正極活物質と導電補助材あるいは集電体との結着力が低下することがある。よって正極のプレスは熱処理の前に行うことが好ましい。
前駆体の炭化のための熱処理は、正極活物質と、炭素導電材を形成する前駆体との混合物を集電体上に担持した後に通常行われる。この熱処理により、正極活物質と集電体が前駆体により接着された状態において、前駆体の炭化を行うことができる。なお、活物質の表面に予め前駆体で少なくとも一部被覆し熱処理によって炭化した場合、集電体と正極活物質間の接着を樹脂等で行うことが必要となるが、上記時点で熱処理を行えば、そのような必要がなくなり、製造コスト及び電池の特性上好ましい。
前駆体の炭化は、溶媒を乾燥した後に電気炉等で加熱することにより行うことができる。熱処理の温度は、集電体がアルミニウムの場合、アルミニウムの融点が660℃であるのでその融点以下の温度であることが好ましい。
熱処理雰囲気に酸素が含まれていると、前駆体や導電材が燃焼することでなくなってしまう。そのため、熱処理の雰囲気は酸素の含まれていない雰囲気が好ましい。具体的には体積分率で酸素が0.2%以下であることが好ましい。更に具体的には、窒素、アルゴン、ネオン等の不活性雰囲気が挙げられ、経済的観点から窒素が好ましい。10-3Mpa以下の減圧中で熱処理してもよい。
(負極板)
負極板は、通常、負極活物質と集電体とからなる。
負極活物質は、電気化学的にリチウムを挿入/脱離し得る材料が好ましい。高エネルギー密度電池を構成するためには、リチウムの挿入/脱離する電位が金属リチウムの析出/溶解電位に近いものが好ましい。その典型例は、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、粉砕粒子状等)の天然もしくは人造黒鉛である。メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末等を黒鉛化して得られる人造黒鉛を使用してもよい。また、非晶質炭素を表面に付着させた黒鉛粒子も使用できる。あるいはリチウム遷移金属酸化物やリチウム遷移金属窒化物、遷移金属酸化物や、酸化シリコン等も使用可能である。これらの中でも還元雰囲気での熱処理によって組成や構造が変化しにくいものが好ましく、具体的には炭素材料である。
集電体は、金属箔、連続孔を持つ発泡金属、ハニカム状に形成された金属、焼結金属不織布、板、孔開きの板等が挙げられる。負極に用いる集電体としては、銅か銅含有する合金あるいはニッケルかニッケルを含有する合金が好ましい。
負極板は、例えば、負極活物質を溶媒中に分散させてペースト化し、ペーストを集電体上に塗布した後、溶媒を除去することにより得ることができる。
(電池の組み立て)
このようにして作製した正極及び負極を使用して電池を組み立てる。その工程は例えば以下の通りである。
正極と負極の間にセパレータを挟んで積層する。円筒型や扁平型の電池を作成する場合は、積層体を短冊状に巻き取ってもよい。
セパレータとしては、ポリエチレンあるいはポリプロピレンから形成された多孔質材料を使用することが可能である。あるいは不織布を用いることも可能である。セパレータの材質としては、電解質中に含まれる有機溶媒に対して溶解したり、膨潤したりしないものが好ましい。具体的にはポリエステル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、エーテル系ポリマー、あるいはガラス等の無機材料が挙げられる。
上記積層体を、1つ又は複数個、電池容器の内部に挿入し、正極板及び負極板を電池の外部導電端子に接続する。その後に、電極及びセパレータを外気より遮断するために電池容器を密閉する。封口の方法は円筒型の電池の場合、電池容器の開口部に樹脂製のパッキンを有する蓋をはめ込み、容器をかしめることによって密封を行うのが普通である。
また、角型電池の場合は金属性の封口板と呼ばれる蓋を開口部に取りつけ、溶接を行うことにより密封できる。これらの方法以外に接着剤で密封することもできるし、ガスケット等を介してボルト等で固定してもよい。更に金属箔に熱可塑性樹脂を貼り付けたラミネート膜に封止してもよい。封入時に電解質注入用の開口部を設けておくこともできる。
次に、封入した電池に電解質を注入する。電解質には、例えば有機電解液、ゲル状電解質、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を用いることができる。電解質を注入した後に電池の開口部を封止する。封止の前に通電し発生したガスを取りのぞくのもよい。電解質には、公知の材料をいずれも使用できる。
実施例1
以下の手順に従って電極を作製した。
正極を、図2に示す製造フローに基づいて製造した。
正極には表面に炭素が被覆されていないLiFePO4を用いた。前駆体としてはポリビニル酢酸を使用し、これを100:15の重量比で混合し、これに溶媒としての水を50ml加えて混錬装置を用いて混錬(混合ペースト化)を行いペーストを得た。ペーストを厚さ20マイクロメートル、20cm×30cmのアルミニウム箔の上に150マイクロメートルの厚さになるように塗布した。なおアルミニウム箔には幅5mm厚さ100マイクロメートルのアルミニウム製電流端子が予め溶接されている。60℃の乾燥機中に12時間これを放置し、溶媒である水を乾燥除去した後に、300kg/cm2の圧力でプレスを行い正極活物質層が100マイクロメートルになるまでプレスを行った。
その後に正極を窒素雰囲気中600℃で熱処理した。具体的には、600℃まで1分間5℃の割合で温度を上昇させて、600℃の到達した後6時間保持することで熱処理した。6時間温度を保持した後に、正極が室温になるまで放置し、正極を取り出した。
電子顕微鏡により活物質表面を観察したところ、炭素導電材が付着している部分と付着していない部分が確認できた。
負極には天然黒鉛を用いた。結着剤としてはポリビニリデンフルオライドを使用し、これを100:10の重量比で混合し、これにNMPを50ml加えて混錬装置を用いて混錬を行いペーストを得た。ペーストを厚さ15マイクロメートル、20cm×30cmの銅箔の上に150マイクロメートルの厚さになるように塗布した。なお銅箔には幅5mm厚さ100マイクロメートルの銅製電流端子が予め溶接されている。60℃の乾燥機中に12時間これを放置し溶媒である水を除去した後に、300kg/cm2の圧力でプレスを行い負極活物質層が100マイクロメートルになるまでプレスを行った。
このように作製した正極及び負極について下記の手順で電池を作製し、負荷特性とサイクル特性を評価した。
まず、水分を除去するために正極及び負極を150℃、減圧下で12時間乾燥を行った。これ以降の作業は全て露点温度が-80℃以下のアルゴン雰囲気ドライボックス内にて行った。
厚さ50マイクロメートルの多孔質ポリエチレン製のセパレータを介して正極と負極を対向させて、厚さ50マイクロメートルのアルミニウム箔に厚さ50マイクロメートルの低融点ポリエチレンフィルムを溶着した、袋状のラミネートフィルム内に挿入した。次いで、フィルム内に電解液を注入し開口部を熱溶着にて封止することで、リチウム二次電池を完成させた。なお電解液にはエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1の溶液に1.0mol/lでLiPF6を溶解させたものを用いた。
完成した電池を、電池の電圧が4.0Vになるまで1Aの定電流で充電を行い、それ以降は4.0Vの定電圧充電を2時間行い充電を完了させた。その後1Aで電池電圧が2.5Vになるまで放電を行った。その時の放電容量をこの電池の定格容量とした。
電池の電圧が4.0Vになるまで1Aの定電流で充電を行い、それ以降は4.0Vの定電圧充電を2時間行い充電を完了させた。その後1時間率に相当する電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電を行った。この時の放電容量を前述の定格容量で割った値をこの電池の負荷特性とする。
次に、電池の電圧が4.0Vになるまで5時間率の定電流で充電を行い、それ以降は4.0Vの定電圧充電を2時間行い充電を完了させ、5時間率で放電を行うことを、100回繰り返し初回と100回目の放電容量を比較することで、サイクル特性を測定した。
比較例1
正極板を以下の方法で作製したこと以外は実施例1と全く同じ手順でリチウム二次電池を作成した。
正極には表面に炭素が被覆されていないLiFePO4を用いた。導電材にはアセチレンブラックを使用し、結着剤としてはポリビニリデンフルオライドを使用した。これらを100:10:15の重量比で混合し、これにNMPを50ml加えて混錬装置を用いて混錬を行いペーストを得た。ペーストを厚さ20マイクロメートル、20cm×30cmのアルミニウム箔の上に150マイクロメートルの厚さになるように塗布を行った。なおアルミニウム箔には幅5mm厚さ100マイクロメートルのアルミニウム製電流端子が予め溶接されている。60℃の乾燥機中に12時間これを放置し溶媒である水を除去した後に、300kg/cm2の圧力でプレスを行い正極活物質層が100マイクロメートルになるまでプレスを行った。
実施例1及び比較例1の電極の負荷特性とサイクル特性を比較したものを表1に示す。
Figure 0004550640
実施例1と比較例1を比べると、実施例1のリチウム二次電池は、比較例1に対して、特に、負荷特性とサイクル特性に優れていることがわかる。
正極板の製造方法の一工程を示す概略図である。 正極板の製造フローである。
符号の説明
1.前駆体
2.正極活物質
3.集電体

Claims (6)

  1. 正極板と、負極板と、正極板及び負極板を電気的に絶縁するセパレータとを備え、正極板が、正極活物質と炭素導電材と集電体とからなり、炭素導電材が、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着しており、かつ前記正極活物質が、LiMPO4(ここでMはFe、Mn、Co、Niのうちより少なくとも一つ以上)で表されるリン酸遷移金属リチウム複合化合物であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記炭素導電材が、正極活物質の表面の25〜90%を被覆している請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記炭素導電材が、正極活物質に対して1〜30重量%の割合で含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 正極活物質と、炭素導電材を形成する前駆体との混合物を集電体上に担持した後に熱処理することで、炭素導電材が、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着して正極板を形成する工程、正極板、セパレータ及び負極板をこの順で積層する工程とを含むことを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
  5. 正極活物質と炭素導電材と集電体とからなり、炭素導電材が、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着しており、かつ前記正極活物質が、LiMPO4(ここでMはFe、Mn、Co、Niのうちより少なくとも一つ以上)で表されるリン酸遷移金属リチウム複合化合物であることを特徴とするリチウム二次電池用正極板。
  6. 請求項5に記載のリチウム二次電池用正極板の製造方法であって、前記リチウム二次電池用正極板が、正極活物質と、炭素導電材の前駆体との混合物を集電体上に担持させ、次いで熱処理することで、炭素導電材が、正極活物質の表面を少なくとも一部被覆し、かつ集電体と正極活物質を接着することにより得られたものであることを特徴とするリチウム二次電池用正極板の製造方法。
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