JP4549945B2 - 移動無線通信装置、無線通信方法及び無線通信システム - Google Patents

移動無線通信装置、無線通信方法及び無線通信システム Download PDF

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Description

本発明は、移動しながら無線通信を行うことが可能な移動無線通信装置と、そのような移動無線通信装置を用いた無線通信方法及び無線通信システムに係り、特に、移動による通信品質の劣化を低減を図った移動無線通信装置に関するものである。
アンテナを機械的に動かすことによって送信電力の低減や電波の指向性の安定化を図る技術が知られている。
例えば特許文献1には、特定方向へ指向性を持つ第1のアンテナと、複数の放射器からなる第2のアンテナによって、基地局からの電波の方向を検出し、その基地局側に対し第1のアンテナの指向性を圧電アクチュエータによって向けた後、通信機の送信電力を下げる技術が記載されている。
特許文献2には、アンテナ追尾装置を駆動する台座の振動を検出し、その振動が相殺されるように、台座に設けられた可動質量を駆動する技術が記載されている。
特許文献3には、電波アンテナの振動を検出し、その振動が相殺されるように、電波アンテナに設けられた可動質量を駆動する技術が記載されている。
特開2004−304753号公報 実開平2−84410号公報 特開平3−125983号公報
ところで、一般に通信の速度は、伝送する信号の周波数が高くなるほど速くなる。したがって、通信速度の高速化を図るために、信号の高周波化は今後ますます進むと考えられる。
他方、通信機が移動しながら無線通信を行う場合、電波の周波数が高くなるほど通信品質が悪化する。これは、電波の高周波化によって波長が短くなると、通信機の移動により信号の位相がずれるドップラーシフトと称される現象が顕著になるためである。
ドップラーシフトの問題を解決するため、例えばダイバシティやアダプティプアレイアンテナ等の技術が知られている。しかしながら、これらの技術では一般に複数のアンテナを必要とするため、移動無線通信装置に適用した場合に、小型化や軽量化を阻害する要因になる。
また、ダイバシティやアダプティブアレイアンテナ等の技術を用いても、通信機の筐体にアンテナが固定されてしまうと、アンテナ間の距離を変えることができなくなるため、通信機の移動速度に依存して発生するドップラーシフトにきめ細かく対応できないという不都合がある。
特許文献1〜3に記載される装置はアンテナを機械的に動かすものであるが、これらの装置は何れも一定の地点に固定されており、単にアンテナの向きや振動を制御するものである。したがって、アンテナを搭載した通信機が地面に対して移動する状況はなんら考慮されておらず、ドップラーシフトによって生じる信号の位相のずれを抑制することはできない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドップラーシフトの影響を軽減できる移動無線通信装置と、これを用いた無線通信方法及び無線通信システムを提供することにある。
本発明の第1の観点に係る移動無線通信装置は、電波の送受信を行うアンテナ部と、通信相手に対する移動速度と移動方向の情報を取得する情報取得部と、前記アンテナ部において電波が送受信される期間を検出する期間検出部と、前記アンテナ部に振動を励振する振動励振部と、前記期間検出部が検出した送受信の期間において、前記アンテナ部と前記通信相手との間を電波が伝播する距離の時間的な変化が抑制されるように、前記情報取得部が取得した情報に基づいて、前記振動励振部により励振される前記アンテナ部の振動を制御する振動制御部とを有する。
前記情報取得部は、前記通信相手が設置された地点に対する移動無線通信装置の移動速度と移動方向の情報を取得しても良い。
前記振動制御部は、前記期間検出部が検出した送受信の期間において、前記通信相手に対する前記アンテナ部の相対的な移動速度が抑制されるように前記アンテナ部の振動の速度と方向を制御しても良い。
前記第1の観点に係る移動無線通信装置は、前記期間検出部が検出した送受信の期間と、当該期間が検出される時間間隔とを比較する期間比較部を有しても良い。この場合、前記振動制御部は、前記期間比較部の比較結果に基づいて、前記アンテナ部において送受信が行われる第1の期間より送受信が行われない第2の期間が所定の限度を超えて長いか否か判定し、長いと判定した場合、前記第1の期間から前記第2の期間へ移った後に前記アンテナ部の励振を停止し、前記第2の期間から前記第1の期間へ移る前に前記アンテナ部の励振を再開しても良い。
前記第1の観点に係る移動無線通信装置は、前記アンテナ部と前記振動励振部とを含む系の振動特性を記憶する振動特性記憶部を有しても良い。この場合、前記振動制御部は、前記振動特性記憶部に記憶された振動特性に基づいて、前記振動励振部により励振される前記アンテナ部の振動を制御しても良い。
前記第1の観点に係る移動無線通信装置は、前記アンテナ部の振動速度を測定する振動速度測定部と、前記振動速度測定部で測定された振動速度と前記振動制御部が前記アンテナ部に与えようとしている振動速度の制御目標値とを比較する振動特性比較部と、前記振動特性比較部での比較結果が前記振動特性記憶部に記憶される振動特性に合致するものであるどうかを評価する振動特性評価部と、前記振動特性評価部の評価結果に基づいて前記振動特性記憶部に記憶される情報を再構成する振動特性再構成部とを更に有しても良い。
本発明の第2の観点に係る移動無線通信装置は、電波の送受信を行うアンテナ部と、通信相手に対する移動速度と移動方向の情報を取得する情報取得部と、前記アンテナ部において電波が送信される期間と受信される期間をそれぞれ検出する期間検出部と、前記アンテナ部に振動を励振する振動励振部と、前記アンテナ部において電波の送信が行われた後に続けて電波の受信が行われる場合、前記期間検出部が検出した送信期間における前記通信相手に対する前記アンテナ部の位置と、前記期間検出部が検出した受信期間における当該位置との差が小さくなるように、前記情報取得部が取得した情報に基づいて、前記振動励振部により励振される前記アンテナ部の振動を制御する振動制御部とを有する。
前記振動制御部は、前記送信期間において前記通信相手に対する移動方向と同じ方向に前記アンテナ部が移動し、前記受信期間において当該移動方向と逆の方向に前記アンテナ部が移動するように前記アンテナ部の振動を制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の移動無線通信装置。
前記第1及び第2の観点に係る移動無線通信装置は、音声データを音に変換して出力する音出力部と、音を入力して音声データに変換する音入力部と、前記アンテナ部において受信された音声データを前記音出力部に出力する第1の処理、及び/又は、前記音入力部から入力した音声データを前記アンテナ部から送信する第2の処理を実行するデータ処理部と、前記データ処理部において前記第1の処理又は前記第2の処理が実行されているか否かを判定する判定部と、前記判定部において前記第1の処理又は前記第2の処理が実行されていると判定された場合、前記振動励振部による前記アンテナ部の励振を禁止する禁止部とを有しても良い。
前記判定部は、前記アンテナ部を用いて通信が行われているか否かを判定し、
前記禁止部は、前記判定部において通信が行われていないと判定された場合、前記振動励振部による前記アンテナ部の励振を禁止しても良い。
前記第1及び第2の観点に係る移動無線通信装置は、無線通信の品質を評価する評価部と、前記評価部の評価に基づいて前記無線通信の品質が良好か否かを判定し、良好であると判定した場合は前記振動励振部による前記アンテナ部の励振を禁止する禁止部とを有しても良い。
本発明の第3の観点に係る無線通信方法は、移動無線通信装置が、その通信相手に対する移動速度と移動方向の情報を取得する第1のステップと、前記移動無線通信装置が、アンテナ部によって電波を送受信する期間において、当該アンテナ部と前記通信相手との間を電波が伝播する距離の時間的な変化が抑制されるように、前記第1のステップで取得した情報に基づいて当該アンテナ部を振動させる第2のステップとを有する。
本発明の第4の観点は、基地局との間で時分割の無線通信を行う移動無線通信装置を具備する無線通信システムに関する。前記第4の観点の無線通信システムにおいて、前記移動無線通信装置は、電波の送受信を行うアンテナ部と、通信相手に対する移動速度と移動方向の情報を取得する情報取得部と、前記アンテナ部において電波が送受信される期間を検出する期間検出部と、前記アンテナ部に振動を励振する振動励振部と、前記期間検出部が検出した送受信の期間において、前記アンテナ部と前記通信相手との間を電波が伝播する距離の時間的な変化が抑制されるように、前記情報取得部が取得した情報に基づいて、前記振動励振部により励振される前記アンテナ部の振動を制御する振動制御部とを有する。また、前記基地局は、前記移動無線通信装置と無線通信を行う通信部と、前記通信部において前記移動無線通信装置と連続的に無線通信を行う時間が所定の上限値より短くなるように、前記移動無線通信装置と無線通信を行う期間の割り当てを行う割り当て部とを有する。
前記基地局は、前記移動無線通信装置の移動速度の情報を取得する速度情報取得部と、前記速度情報取得部において取得される情報に応じて、前記移動無線通信装置と連続的に無線通信を行う時間の許容範囲を設定する範囲設定部とを更に有しても良く、この場合、前記割り当て部は、前記移動無線通信装置と連続的に無線通信を行う時間が前記範囲設定部によって設定された許容範囲に収まるように前記割り当てを行っても良い。
前記基地局は、前記割り当て部による無線通信の期間の割り当てに変更が生じた場合、その変更内容を前記移動無線通信装置に通知する通知部を有しても良く、この場合、前記割り当て部は、前記移動無線通信装置と無線通信を行う期間が一定の周期で現れるように前記割り当てを行っても良い。
アンテナにおいて送受信される電波の伝播距離の時間的な変化が抑制されるため、通信装置の移動により生じるドップラーシフトの影響を軽減できる。
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る無線通信システムは、例えば図1に示すように、基地局BS1と、移動無線通信装置MT1とを有する。
移動無線通信装置MT1は、基地局BS1との間で時分割の無線通信を行う。移動無線通信装置MT1のアンテナは、図1に示すように、移動無線通信装置MT1の筐体に対して移動可能に設置されている。筐体に対するアンテナの移動速度と方向は、基地局に対する移動無線通信装置MT1の移動速度と方向に応じて制御される。すなわち、アンテナと基地局BS1との間を電波が伝播する距離の時間的な変化が抑制されるように、アンテナの移動速度と方向が制御される。
図2は、本実施形態に係る移動無線通信装置MT1の第1の構成例を示す図である。
図2に示す移動無線通信装置MT1は、アンテナ部5と、振動励振部100と、振動制御部10と、期間検出部20と、情報取得部30とを有する。
アンテナ部5は、電波の送受信を行う。移動無線通信装置MT1は、アンテナ部5において電波を送受信することにより、基地局BS1と無線通信を行う。
振動励振部100は、振動制御部10の制御に従ってアンテナ5に振動を励振する。振動の励振には、例えば圧電振動子などが用いる。
期間検出部20は、アンテナ部5において電波が送受信される期間を検出する。例えば、基地局BS1から提供される送受信期間の割り当てに関する情報に基づいて、基地局BS1に電波を送信する期間や基地局BS1から電波を受信する期間を検出する。
情報取得部5は、基地局BS1に対する移動無線通信装置MT1の移動速度と移動方向の情報を取得する。例えば、GPS(global positioning system)信号など、移動無線通信装置MT1の地理的な位置を特定する信号に基づいて、基地局BS1が設置された地点に対する移動無線通信装置MT1の移動速度と移動方向の情報を取得する。
振動制御部10は、期間検出部20が検出した電波の送受信の期間において、アンテナ部5と基地局BS1との間を電波が伝播する距離の時間的な変化が抑制されるように、情報取得部が取得した情報に基づいて、振動励振部100により励振されるアンテナ部5の振動を制御する。すなわち、期間検出部20が検出した送受信の期間において、基地局BS1に対するアンテナ部5の相対的な移動速度が抑制されるように、アンテナ部5の振動の速度と方向を制御する
例えば、送受信期間において移動無線通信装置MT1が基地局BS1から遠ざかる場合、振動制御部10は、アンテナ部5を基地局BS1へ近づく方向に、移動無線通信装置MT1と同様な速度で移動させる。逆に、送受信期間において移動無線通信装置MT1が基地局BS1へ近づく場合、振動制御部10は、アンテナ部5を基地局BS1から遠ざかる方向に、移動無線通信装置MT1と同様な速度で移動させる。
図3は、アンテナ部5と振動励振部100の構造の一例を示す図であり、棒状に形成されたアンテナ部5の軸方向に対して垂直な方向から見た図である。
図3の例において、アンテナの軸方向のK箇所(少なくとも1箇所)には、それぞれ2つの振動励振部が取り付けられている。すなわち、アンテナ部2の軸方向に沿って、第1組の振動励振部(11A−1、1lB−1),第2組目の振動励振部(11A−2、11B−2),…,第K組目の振動励振部(11A−K、11B−K)が取り付けられている。このK組の振動励振部は、図2に示す振動励振部100を構成する。
図4は、図3に示すアンテナ部5の軸方向に対して水平な方向から見た振動励振部100の構造の一例を示す図である。
図4に示すように、振動励振部11A−k(kは1からKまでの整数を示す)は圧電振動子210とホーン310を有し、振動励振部11B−kは圧電振動子220とホーン320を有する。
振動励振部11A−kにおいて、圧電振動子210の一方の端は移動無線通信装置MT1の壁面400に固定され、他方の端はホーン310を介してアンテナ部5に固定される。
振動励振部11B−kにおいて、圧電振動子220の一方の端は移動無線通信装置MT1の壁面400に固定され、他方の端はホーン320を介してアンテナ部5に固定される。
圧電振動子210,220は、振動制御部10から供給される制御電圧に応じて振動を励振する。
ホーン310,320は、圧電振動子210,220で励振された振動を増幅し、アンテナ部5に伝播する。
第1組〜第K組の振動励振部の各々を構成する2つの振動励振部は、例えば図4に示すように、アンテナ部5の軸を中心として90度の関係になるように取り付けられる。すなわち、2つの振動励振部は、各々によって励振される振動の方向がアンテナ部5の軸において直交するように配置される。
アンテナ部5の振動は、圧電振動子210,220に加える制御電圧の大きさと位相によって調節される。
図4(A)は、圧電振動子210,220に加える制御電圧を同位相とし、第1組〜第K組の振動励振部の各々を構成する圧電振動子210,220に共通の制御電圧を加える場合を示す。この場合、アンテナ部5は、自身の軸と垂直な方向に単振動を行う。アンテナ部5に励振される振動の振幅は、圧電振動子210,220に供給する制御電圧の振幅に応じて調節される。また、アンテナ部5に励振される振動の方向は、圧電振動子210,220に供給する制御電圧の振幅の比に応じて調節される。
これにより、アンテナ部5に励振される振動の速度と方向を、圧電振動子210,220の各々に供給する制御電圧の振幅とその比に応じて調節すること可能となる。
図4(B)は、圧電振動子210、220に加える電圧の位相を90°ずらし、第1組〜第K組の振動励振部の各々を構成する圧電振動子210,220に共通の制御電圧を加える場合を示す。この場合、アンテナ部5は、自身の軸を中心とした回転振動を行う。アンテナ部5に励振される振動の振幅は、圧電振動子210,220に供給する制御電圧の振幅に応じて調節される。また、アンテナ部5に励振される振動の方向は、圧電振動子210,220の振幅を等しくした場合、これらに供給する制御電圧の位相関係に応じて調節される。
これにより、アンテナ部5に励振される振動の速度と方向を、圧電振動子210、220の各々に供給する制御電圧の振幅とその位相関係に応じて調節することが可能となる。
なお、アンテナ部5に取り付ける振動励振部の数Kを増やした場合、アンテナ部5に励振される振動は、アンテナ部5の軸方向に対してより一様な振動になる。逆に振動励振部Kの数Kを減らした場合、アンテナ部5に励振される振動はアンテナ部5の軸方向にわたって撓んだ振動になる。一様振動であれば、アンテナ部5の全体が一様な速度で振動するため、アンテナ全体で良好な通信特性を得ることが可能である。他方、撓んだ振動であれば、アンテナ部5に部分的に大きな速度を生じさせることが可能になる。
図5は、振動励振部100によって励振されたアンテナ部5の変位と速度の時間変化の一例を示した図である。
図5の例において、アンテナ部5は、振動励振部100により振幅100μm、周波数1MHzで一様に励振されている。
ここで、1つの送受信期間の中心とアンテナ部5の速度の最大点(0.25μs)が一致すると仮定し、アンテナ部5の送受信期間の幅を0.5μs、0.4μs、0.3μsと仮定すると、ドップラーシフトに影響を及ぼす移動無線通信装置MT1の移動速度は、アンテナ部5の振動速度の平均値に基づいて見積もった場合、それぞれ62.4km/h、75.6km/h、84.9km/hだけ改善することが可能である。
図6は、図2に示す移動無線通信装置に対して割り当てられた送受信の期間とアンテナ部5に励振される振動との関係の一例を示す図である。
図6(A)は、移動無線通信装置MT1に割り当てられた送受信の期間を示す。
図6(B)は、基地局BS1に対する移動無線通信装置MT1の移動速度を示す。
図6(C)は、移動無線通信装置MT1に対するアンテナ部5の速度を示す。
図6(D)は、基地局BS1に対する移動無線通信装置MT1の移動速度と移動無線通信装置MT1に対するアンテナ部5の速度とを合成した速度、すなわち、基地局BS1に対するアンテナ部5の速度を示す。
各図において横軸は時間を示す。また、図6(A)において縦軸は送受信の有無を示し、図6(B)〜(D)において縦軸は速度を示す。
移動無線通信装置MT1が送受信を行っていない時刻Ta〜Tbの期間において、アンテナ部5は移動無線通信装置MT1と同じ負の方向に速度を有する。
他方、移動無線通信装置MT1が送受信を行う時間Tb〜Tcの期間において、アンテナ部5は移動無線通信装置MT1と逆の方向に速度を持つ。
そのため、移動無線通信装置MT1が送受信を行う期間では、移動無線通信装置MT1の移動速度とアンテナ部5の速度との合成値がゼロに近くなる。すなわち、基地局BS1とアンテナ部5との距離の時間変化が微小になり、ドップラー効果が軽減する。
以上説明したように、図2に示す移動無線通信装置MT1によれば、基地局BS1に対する移動速度と移動方向の情報が取得され、アンテナ部5から電波を送受信する期間において、アンテナ部5と基地局BS1との間の電波伝播距離の時間的な変化が抑制されるように、上記取得された情報に基づいて、アンテナ部5に振動が励振される。
このように、アンテナ部5において送受信される電波の伝播距離の時間変化が抑制されるため、ドップラーシフトの影響を軽減し、通信品質を向上することができる。
次に、本発明に係る移動無線通信装置MT1の第2の構成例について説明する。
図7は、本発明に係る移動無線通信装置MT1の第2の構成例を示す図である。
図7に示す移動無線通信装置MT1は、図2に示す移動無線通信装置MT1において振動制御部10を振動制御部13に置換し、期間比較部90を追加したものである。図7に示す移動無線通信装置MT1の他の構成要素は、図2に示す移動無線通信装置MT1における同一符号と同じである。
期間比較部90は、期間検出部20が検出した送受信の期間と、当該期間が検出される時間間隔とを比較する。期間の比較方法としては、例えば期間検出部20が検出した送受信の期間と、当該期間が検出される時間間隔との差を求めても良いし、両者の比を求めても良い。
振動制御部13は、期間比較部90の比較結果に基づいて、アンテナ部5において送受信が行われる期間(第1の期間)より送受信が行われない期間(第2の期間)が所定の限度を超えて長いか否か判定し、長いと判定した場合、第1の期間から第2の期間へ移った後にアンテナ部5の励振を停止し、第2の期間から第1の期間へ移る前にアンテナ部5の励振を再開する。そして、第1の期間(すなわち送受信が行われる期間)では、先に説明した振動制御部10と同様に、基地局BS1に対するアンテナ部5の相対的な移動速度が抑制されるようにアンテナ部5の振動の速度と方向を制御する。
第2の期間が第1の期間より所定限度を超えて長いか否かの判定は、例えば、期間比較部90において算出される当該2つの期間の差や比が所定の閾値を越えるか否かに応じて判定する。
図8は、図7に示す移動無線通信装置に対して割り当てられた送受信の期間とアンテナ部5に励振される振動との関係の一例を示す図である。
図8(A)は、移動無線通信装置MT1に割り当てられた送受信の期間を示す。
図8(B)は、基地局BS1に対する移動無線通信装置MT1の移動速度を示す。
図8(C)は、移動無線通信装置MT1に対するアンテナ部5の変位を示す。
図8(D)は、移動無線通信装置MT1に対するアンテナ部5の速度を示す。
図8(E)は、基地局BS1に対する移動無線通信装置MT1の移動速度と移動無線通信装置MT1に対するアンテナ部5の速度とを合成した速度、すなわち、基地局BS1に対するアンテナ部5の速度を示す。
各図において横軸は時間を示す。また、図8(A)において縦軸は送受信の有無、図8(B)において縦軸は変位を示し、図8(B)〜(E)において縦軸は速度を示す。
時刻Td〜Teの期間において、移動無線通信装置MT1は送受信を行っていないため、振動制御部13はアンテナ部5の励振を停止する。また、時刻Te〜Tfの期間において、移動無線通信装置MT1は送受信を行っているため、振動励振部13はアンテナ部5と基地局BS1との相対速度が小さくなるようにアンテナ部5を励振する。
振動制御部13は、時刻Te〜Tfの期間において移動無線通信装置MT1の移動方向と逆方向にアンテナ部5を振動させるため、送受信が開始される時刻Teより前の時点からアンテナ部5の励振を開始している。すなわち、送受信の開始時刻Teが近づくと、振動制御部13はアンテナ部5を移動無線通信装置MT1の移動方向と同じ方向へ振動させ、その変位量が最大になる時点の付近において時刻Teを迎えるように制御している。その結果、移動無線通信装置MT1の移動方向と逆方向にアンテナ部5を振動させる時間がほぼ最大値(振動の半周期)になっている。
以上説明したように、図7に示す移動無線通信装置によれば、アンテナ部5において電波の送受信が行われない期間においてアンテナ部5の不必要な励振が停止されるため、励振により消費される電力を削減することができる。
次に、本実施形態に係る移動無線通信装置の第3の構成例について説明する。
図9は、本実施形態に係る移動無線通信装置の第3の構成例を示す図である。
図9に示す移動無線通信装置MT1は、図2に示す移動無線通信装置MT1において振動制御部10を振動制御部14に置換し、振動特性記憶部40、振動測定部50、振動特性比較部60、振動特性評価部70及び振動特性再構成部80を新たに追加したものである。図9に示す移動無線通信装置MT1における他の構成要素は、図2に示す移動無線通信装置MT1における同一符号と同じである。
振動特性記憶部40は、アンテナ部5と振動励振部100を含む系の振動特性に係わる情報を記憶する。
振動速度測定部50は、アンテナ部5の振動速度を測定する。
振動特性比較部60は、振動速度測定部50で測定された振動速度と振動制御部14がアンテナ部5に与えようとしている振動速度の制御目標値とを比較する。
振動特性評価部70は、振動特性比較部60での比較結果と振動特性記憶部40に記憶された振動特性を評価する。
振動特性再構成部80は、振動特性評価部70の評価結果に基づいて振動特性記憶部に記憶される情報を再構成する。
振動制御部14は、先に述べた振動制御部10と同様に、送受信の期間においてアンテナ部5と基地局BS1との間を電波が伝播する距離の時間的な変化が抑制されるように、振動励振部100により励振されるアンテナ部5の振動を制御する。ただし、振動制御部14は、この振動制御を行う際に、振動特性記憶部40に記憶されるアンテナ部5と振動励振部100とを含む系の振動特性の情報を参照する。すなわち、与えられる振動特性の情報に基づいて、上述した電波伝播距離の時間変化を抑制する適切な振動制御を行う。
図9に示す移動無線通信装置によれば、振動速度測定部50においてアンテナ部5の振動速度が測定され、この測定された振動速度と振動制御部14よる振動速度の制御目標値とが振動特性比較部60において比較される。振動特性評価部70では、振動特性比較部60の比較結果が振動特性記憶部40に記憶される振動特性に合致するものであるどうかが評価され、合致しない場合、振動特性再構成部80によって振動特性記憶部40に記憶される特性が補正される。
これにより、一定の体積を持ったアンテナ部5と振動励振部100を含む系に対して、振動の伝播遅延を補正して、移動無線通信装置の送受信の期間にアンテナ部5の振動を精度良く一致させることが可能となり、例えば温度の変化等による振動特性の変化にも対応することが可能となる。
また、アンテナ部5と振動励振部100を含む系の振動特性による振動の伝播遅延を補正することも可能となる。
次に、本実施形態に係る移動無線通信装置の第4の構成例について説明する。
図10は、本実施形態に係る移動無線通信装置の第4の構成例を示す図である。
図10に示す移動無線通信装置MT1は、図2に示す移動無線通信装置MT1における振動制御部10を、次に述べる振動制御部16に置換したものである。図10に示す移動無線通信装置MT1の他の構成要素は、図2に示す同一符号と同じである。
振動制御部16は、アンテナ部5において電波の送信が行われた後に続けて電波の受信が行われる場合、期間検出部20が検出した送信期間における基地局BS1に対するアンテナ部5の位置と、期間検出部20が検出した受信期間における当該位置との差が小さくなるように、情報取得部30が取得した情報に基づいて、振動励振部100により励振されるアンテナ部5の振動を制御する。
例えば、振動制御部16は、送信期間において基地局BS1に対する移動方向と同じ方向にアンテナ部5が移動し、受信期間においてはこの移動方向と逆の方向にアンテナ部5が移動するように、アンテナ部5の振動を制御する。
一例を述べると、移動無線通信装置MT1の送信期間において、アンテナ部5を移動無線通信装置MT1の移動方向と同じ方向に変位させ、逆に移動無線通信装置MT1の受信期間においては、アンテナ部5を移動無線通信装置MT1の移動方向と逆の方向に変位させる。そして、これらの変位距離を、移動無線通信装置MT1が送信を行ってから次に受信を行うまでの間に移動無線通信装置MT1が移動する距離の半分にそれぞれ設定する。このような制御により、送信時と受信時におけるアンテナ部5と基地局BS1との距離がほぼ等しくなる。
図11は、基地局において送信アダプティブアレイアンテナが用いられる場合について説明するための図である。
位置Aにある移動無線通信装置MT1から基地局BS1に向けて送信が行われたとき、基地局BS1は移動無線通信装置MT1からの電波の到来方向を推定し、これをアレイの重みとして記憶する。そして、次に基地局BS1から移動無線通信装置MT1へ電波を送信するときは、記憶したアレイの重みを用いて、先に推定した電波の到来方向に向けて電波を送信する。
基地局BS1においてこのような送信アダプティブアレイアンテナが用いられる場合、もし図11に示すように移動無線通信装置MT1が移動していると、次に述べるような不都合がある。
位置Aにおいて基地局BS1に電波を送信した移動無線通信装置MT1は、次に基地局からの電波を受信するとき位置Bに移動しているため、基地局BS1からの最適な電波を受信できる位置Aに対してずれた場所で受信を行うことになる。このずれにより、電波の伝播特性が劣化し、移動無線通信装置MT1における受信特性が低下する。
図12は、図10に示す移動無線通信装置を、図11に示す送信アダプティブアレイアンテナが搭載された基地局BS1との通信に用いる例を示す図である。
移動無線通信装置MT1が位置Cにおいて基地局BS1に向けて送信を行うとき、振動制御部16は、移動無線通信装置MT1の移動方向と同じ方向にアンテナ部5を振動させるよう振動励振部100を制御する。移動無線通信装置MT1が電波を送信するときのアンテナ部5の位置を‘D’とする。
基地局BS1は、位置Dにおいて移動無線通信装置MT1から送信された電波を受信すると、その到来方向を推定し、アレイの重みとして記憶する。
次に、位置Eへ移動した移動無線通信装置MT1に対して基地局BS1が電波を送信するとき、振動制御部16は、移動無線通信装置MT1の移動方向と逆の方向にアンテナ部5を振動させるよう振動励振部100を制御する。移動無線通信装置MT1が電波を受信するときのアンテナ部5の位置を‘F’とする。
位置Dと位置Fを比較して分かるように、基地局BS1に対するアンテナ部5の位置は、送信時と受信時においてほぼ等しくなっている。
このように、図10に示す移動無線通信装置MT1によれば、送信時と受信時におけるアンテナ部5の位置の差が小さくなるため、基地局BS1に設けられた送信アダプティブアレイアンテナの効果を十分に発揮することができる。
次に、本実施形態に係る移動無線通信装置の第5の構成例について説明する。
図13は、本実施形態に係る移動無線通信装置の第5の構成例を示す図である。
図13に示す移動無線通信装置MT1は、図2に示す移動無線通信装置MT1における振動制御部10を振動制御部17に置換し、データ処理部800、音出力部801、音入力部802、判定部803及び禁止部804を新たに追加したものである。図13に示す移動無線通信装置MT1における他の構成要素は、図2に示す移動無線通信装置MT1における同一の符号と同じである。
音出力部801は、例えばスピーカ等を用いて構成されており、音声データを音に変換して出力する。
音入力部802は、例えばマイクロフォン等を用いて構成されており、音を入力して音声データに変換する。
データ処理部800は、アンテナ部5において受信された音声データを音出力部801に出力する処理(第1の処理)や、音入力部802から入力した音声データをアンテナ部5から送信する処理(第2の処理)などを実行する。また、音声データ以外の種々のデータ(画像、文字など)を処理する。
判定部803は、データ処理部800において第1の処理又は第2の処理が実行されているか否かを判定する。また、アンテナ部5を用いて通信が行われているか否かも判定する。
禁止部804は、判定部803において上述した第1の処理又は第2の処理が実行されていると判定された場合、振動励振部100によるアンテナ部5の励振を禁止する。また、判定部803において通信が行われていないと判定された場合にも、振動励振部100によるアンテナ部5の励振を禁止する。データ処理部800において音声データ以外のデータが処理されている場合、禁止部804は振動励振部100の励振を禁止しない。
禁止部804は、例えば、振動制御部17に対して励振を停止するように指示する信号を発生する。
図13に示す移動無線通信装置MT1によれば、音出力部801において音を出力する処理や、音入力部802において音を入力する処理が行われている場合に、振動励振部100の励振が禁止される。
これにより、通話中にアンテナが振動することによってユーザの耳に不快な音が聞こえたり、振動が顔に伝わることを防止できる。また、アンテナ部5を用いて通信を行っていないときアンテナ部5を不必要に振動させないため、アンテナ部5の振動により消費される電力を削減することができる。
次に、本実施形態に係る移動無線通信装置の第6の構成例について説明する。
図14は、本実施形態に係る移動無線通信装置の第6の構成例を示す図である。
図14に示す移動無線通信装置MT1は、図2に示す移動無線通信装置MT1における振動制御部10を振動制御部18に置換し、通信品質評価部805と禁止部806を新たに追加したものである。図14に示す移動無線通信装置MT1における他の構成要素は、図2に示す移動無線通信装置MT1における同一の符号と同じである。
通信品質評価部805は、移動無線通信装置MT1における無線通信の品質を評価する。例えば、アンテナ部5において送受信される信号のS/Nや、データの誤り率などを測定し、その測定結果に基づいて通信品質のランクを決定する。
禁止部806は、通信品質評価部805の評価結果に基づいて、無線通信の品質が良好か否かを判定し、良好であると判定した場合は振動励振部100によるアンテナ部5の励振を禁止する。また逆に、通信品質が良好でないと判定した場合は、振動励振部100によるアンテナ部5の励振の禁止を解除し、励振を行えるようにする。
禁止部806は、例えば、振動制御部18に対して励振を停止するように指示する信号を発生する。
図14に示す移動無線通信装置MT1によれば、通信品質が良好で改善する必要のない場合にアンテナ部5を不必要に振動させないため、アンテナ部5の振動により消費される電力を削減することができる。
次に、本実施形態に係る基地局BS1の第1の構成例について説明する。
図15は、本実施形態に係る基地局BS1の第1の構成例を示す図である。
基地局BS1は、例えば図15に示すように、通信部930と、データ処理部920と、スケジューリング制御部901とを有する。
通信部930は、移動無線通信装置MT1と無線通信を行うための装置であり、例えば送受信回路や変調回路、復調回路、アンテナなどが含まれる。
データ処理部920は、移動無線通信装置MT1との間で送受信されるデータを処理する。
スケジューリング制御部901は、少なくとも1つの移動無線通信装置と時分割の無線通信を行う際に、各移動無線通信装置の送受信期間のスケジューリングを行う。
スケジューリング制御部901は、図15に示すように、時間割り当て部911を含んでいる。時間割り当て部911は、通信部930において1つの移動無線通信装置と連続的に無線通信を行う時間が所定の上限値より短くなるように、各移動無線通信装置と無線通信を行う期間の割り当てを行う。
図15に示す基地局BS1によれば、時分割通信のスケジューリングを行う際に、1つの移動無線通信装置と連続的に無線通信を行なう時間が長くなり過ぎることを防止できるため、アンテナ部5の振動周期が長くなり過ぎることによる振動効率の低下を抑制できる。
次に、本実施形態に係る基地局BS1の第2の構成例について説明する。
図16は、本実施形態に係る基地局BS1の第2の構成例を示す図である。
図16に示す基地局BS1は、図15に示す基地局BS1に速度情報取得部941と範囲設定部951とを加えたものであり、他の構成要素は図15に示す同一符号と同じである。
速度情報取得部941は、移動無線通信装置MT1の移動速度の情報を取得する。例えば、移動無線通信装置MT1の情報取得部30において取得される移動速度の情報を無線通信によって取得する。
範囲設定部951は、速度情報取得部941において取得される情報に応じて、1つの移動無線通信装置と連続的に無線通信を行う時間の許容範囲を設定する。
時間割り当て部911は、1つの移動無線通信装置と連続的に無線通信を行う時間が範囲設定部951によって設定された許容範囲に収まるように、各々の移動無線通信装置に対する送受信期間の割り当てを行う。
図16に示す基地局BS1によれば、移動無線通信装置MT1の移動速度に応じて送受信期間の許容範囲が設定されるため、送受信を行う期間を短くし過ぎることによって通信速度が落ちることを防止できる。
次に、本実施形態に係る基地局BS1の第3の構成例について説明する。
図17は、本実施形態に係る基地局BS1の第3の構成例を示す図である。
図17に示す基地局BS1は、図15に示す基地局BS1におけるスケジューリング制御部901を後述するスケジューリング制御部902に置換し、通知部972を新たに追加したものである。図17に示す基地局BS1の他の構成要素は、図15に示す同一符号と同じである。
スケジューリング制御部902は、先に説明したスケジューリング制御部901と同様に、少なくとも1つの移動無線通信装置と時分割の無線通信を行う際に、各移動無線通信装置の送受信期間のスケジューリングを行うユニットであり、図17に示すように、時間割り当て部912と判断部962を含んでいる。
時間割り当て部912は、1つの移動無線通信装置と無線通信を行う期間が一定の周期で現れるように、各移動無線通信装置と送受信を行う期間の割り当てを行う。
判断部962は、時間割り当て部912によって各移動無線通信装置に割り当てた送受信の期間を変更する必要があるかどうかを判断する。例えば、時分割通信を行う移動無線通信装置の数が変化した場合などにおいて、変更の必要があると判断する。
通知部972は、判断部962において各移動無線通信装置の送受信期間の割り当てに変更が生じたと判断された場合、その変更内容を各移動無線通信装置に通知する。
図17に示す基地局BS1によれば、時間割り当て部912によって、1つの移動無線通信装置の無線通信を行う期間が一定の周期で現れるように、各移動無線通信装置の送受信期間の割り当てが行われる。また、時間割り当て部912による無線通信の期間の割り当てに変更が生じた場合、その変更内容が通知部972によって各移動無線通信装置に通知される。
そのため、移動無線通信装置の側では、通知部972からの通知があったときのみ送受信を行う期間の更新を行えばよいため、期間の更新に係わる演算量が削減し、消費電力の低減できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の形態のみに限定されず、種々のバリエーションを含んでいる。
上述した実施形態では、移動無線通信装置が固定の基地局と通信を行う場合の例が示されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、移動無線通信装置の通信相手は、地面に固定されていない移動型の通信装置でも良く、基地局を介さずに無線通信装置同士で互いに移動しながら通信を行うアドホック通信等にも本発明は適用可能である。
この場合、移動無線通信装置の情報取得部30は、移動する相手方の通信機に対する相対的な移動速度と移動方向の情報を取得すれば良い。
このように、基地局をアドホック通信等における対向機に置き換えた場合においても、移動無線通信装置の様々な移動速度に対して電波のドップラーシフトの影響を軽減することが可能となる。
また、本発明の移動無線通信装置は、人間の手に保持されるタイプのものでも良いし、車等の乗り物に搭載されるものでも良い。
図18は、本発明の実施形態に係る移動無線通信装置を車載用の通信装置に適用した場合の一例を示す。この場合、車両700の移動方向はほぼ車両700の進行方向と一致するため、アンテナ部5には1つの軸方向にのみ振動を励振すれば良い。すなわち、図3における第1組目から第K組目の振動励振部から、一方の振動励振部を省略しても良い。
また、情報取得部30における移動速度の情報は、車に搭載されているスピードメータから取得することが可能である。
移動無線通信装置が送受信を行う期間が十分に短い場合、この送受信の期間を基準に考えると、移動無線通信装置の移動速度の変化はほとんど無視することができる。したがって、移動無線通信装置における速度情報の取得は、その送受信の度に行わなくても良く、例えば適当な一定時間毎に行ってもよい。
上述の実施形態では移動無線通信装置や基地局の幾つかの構成例を示しているが、これらの構成例を任意に組み合わせたものも本発明のバリエーションに含まれる。
本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。 本実施形態に係る移動無線通信装置の第1の構成例を示す図である。 アンテナ部と振動励振部の構造の一例を示す第1の図であり、棒状に形成されたアンテナ部の軸方向に対して垂直な方向から見た図である。 アンテナ部と振動励振部の構造の一例を示す第2の図であり、アンテナ部の軸方向に対して水平な方向から見た図である。 振動励振部によって励振されたアンテナ部の変位と速度の時間変化の一例を示した図である。 図2に示す移動無線通信装置に対して割り当てられた送受信の期間とアンテナ部に励振される振動との関係の一例を示す図である。 本発明に係る移動無線通信装置の第2の構成例を示す図である。 図7に示す移動無線通信装置に対して割り当てられた送受信の期間とアンテナ部に励振される振動との関係の一例を示す図である。 本実施形態に係る移動無線通信装置の第3の構成例を示す図である。 本実施形態に係る移動無線通信装置の第4の構成例を示す図である。 基地局において送信アダプティブアレイアンテナが用いられる場合について説明するための図である。 図10に示す移動無線通信装置を、図11に示す送信アダプティブアレイアンテナが搭載された基地局との通信に用いる例を示す図である。 本実施形態に係る移動無線通信装置の第5の構成例を示す図である。 本実施形態に係る移動無線通信装置の第6の構成例を示す図である。 本実施形態に係る基地局の第1の構成例を示す図である。 本実施形態に係る基地局の第2の構成例を示す図である。 本実施形態に係る基地局の第3の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る移動無線通信装置を車載用の通信装置に適用した場合の一例を示す図である。
符号の説明
5…アンテナ部、10,13,14,16,17,18…振動制御部、20…期間検出部、30…情報取得部、40…振動特性記憶部、50…振動測定部、60…振動特性比較部、70…振動特性評価部、80…振動特性構成部、90…期間比較部、100…振動励振部、210,220…圧電振動子、310,320…ホーン、700…車両、800…データ処理部、801…音出力部、802…音入力部、803…判定部、804,806…禁止部、805…通信品質評価部、901,902…スケジューリング制御部、911,912…時間割り当て部、920…データ処理部、930…通信部、941…速度情報取得部、951…範囲設定部、962…判断部、972…通知部、BS1…基地局、MT1…移動無線通信装置。

Claims (15)

  1. 電波の送受信を行うアンテナ部と、
    通信相手に対する移動速度と移動方向の情報を取得する情報取得部と、
    前記アンテナ部において電波が送受信される期間を検出する期間検出部と、
    前記アンテナ部に振動を励振する振動励振部と、
    前記期間検出部が検出した送受信の期間において、前記アンテナ部と前記通信相手との間を電波が伝播する距離の時間的な変化が抑制されるように、前記情報取得部が取得した情報に基づいて、前記振動励振部により励振される前記アンテナ部の振動を制御する振動制御部と
    を有することを特徴とする移動無線通信装置。
  2. 前記情報取得部は、前記通信相手が設置された地点に対する移動無線通信装置の移動速度と移動方向の情報を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動無線通信装置。
  3. 前記振動制御部は、前記期間検出部が検出した送受信の期間において、前記通信相手に対する前記アンテナ部の相対的な移動速度が抑制されるように前記アンテナ部の振動の速度と方向を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動無線通信装置。
  4. 前記期間検出部が検出した送受信の期間と、当該期間が検出される時間間隔とを比較する期間比較部を有し、
    前記振動制御部は、前記期間比較部の比較結果に基づいて、前記アンテナ部において送受信が行われる第1の期間より送受信が行われない第2の期間が所定の限度を超えて長いか否か判定し、長いと判定した場合、前記第1の期間から前記第2の期間へ移った後に前記アンテナ部の励振を停止し、前記第2の期間から前記第1の期間へ移る前に前記アンテナ部の励振を再開する
    ことを特徴とする請求項3に記載の移動無線通信装置。
  5. 前記アンテナ部と前記振動励振部とを含む系の振動特性を記憶する振動特性記憶部を有し、
    前記振動制御部は、前記振動特性記憶部に記憶された振動特性に基づいて、前記振動励振部により励振される前記アンテナ部の振動を制御する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の移動無線通信装置。
  6. 前記アンテナ部の振動速度を測定する振動速度測定部と、
    前記振動速度測定部で測定された振動速度と前記振動制御部が前記アンテナ部に与えようとしている振動速度の制御目標値とを比較する振動特性比較部と、
    前記振動特性比較部での比較結果が前記振動特性記憶部に記憶される振動特性に合致するものであるどうかを評価する振動特性評価部と、
    前記振動特性評価部の評価結果に基づいて前記振動特性記憶部に記憶される情報を再構成する振動特性再構成部とを有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の移動無線通信装置。
  7. 電波の送受信を行うアンテナ部と、
    通信相手に対する移動速度と移動方向の情報を取得する情報取得部と、
    前記アンテナ部において電波が送信される期間と受信される期間をそれぞれ検出する期間検出部と、
    前記アンテナ部に振動を励振する振動励振部と、
    前記アンテナ部において電波の送信が行われた後に続けて電波の受信が行われる場合、前記期間検出部が検出した送信期間における前記通信相手に対する前記アンテナ部の位置と、前記期間検出部が検出した受信期間における当該位置との差が小さくなるように、前記情報取得部が取得した情報に基づいて、前記振動励振部により励振される前記アンテナ部の振動を制御する振動制御部と
    を有することを特徴とする移動無線通信装置。
  8. 前記振動制御部は、前記送信期間において前記通信相手に対する移動方向と同じ方向に前記アンテナ部が移動し、前記受信期間において当該移動方向と逆の方向に前記アンテナ部が移動するように前記アンテナ部の振動を制御する
    ことを特徴とする請求項7に記載の移動無線通信装置。
  9. 音声データを音に変換して出力する音出力部と、
    音を入力して音声データに変換する音入力部と、
    前記アンテナ部において受信された音声データを前記音出力部に出力する第1の処理、及び/又は、前記音入力部から入力した音声データを前記アンテナ部から送信する第2の処理を実行するデータ処理部と、
    前記データ処理部において前記第1の処理又は前記第2の処理が実行されているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部において前記第1の処理又は前記第2の処理が実行されていると判定された場合、前記振動励振部による前記アンテナ部の励振を禁止する禁止部と
    を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一に記載の移動無線通信装置。
  10. 前記判定部は、前記アンテナ部を用いて通信が行われているか否かを判定し、
    前記禁止部は、前記判定部において通信が行われていないと判定された場合、前記振動励振部による前記アンテナ部の励振を禁止する
    ことを特徴とする請求項9に記載の移動無線通信装置。
  11. 無線通信の品質を評価する評価部と、
    前記評価部の評価に基づいて前記無線通信の品質が良好か否かを判定し、良好であると判定した場合は前記振動励振部による前記アンテナ部の励振を禁止する禁止部と
    を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一に記載の移動無線通信装置。
  12. 移動無線通信装置が、その通信相手に対する移動速度と移動方向の情報を取得する第1のステップと、
    前記移動無線通信装置が、アンテナ部によって電波を送受信する期間において、当該アンテナ部と前記通信相手との間を電波が伝播する距離の時間的な変化が抑制されるように、前記第1のステップで取得した情報に基づいて当該アンテナ部を振動させる第2のステップと
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  13. 基地局との間で時分割の無線通信を行う移動無線通信装置を具備する無線通信システムであって、
    前記移動無線通信装置は、
    電波の送受信を行うアンテナ部と、
    通信相手に対する移動速度と移動方向の情報を取得する情報取得部と、
    前記アンテナ部において電波が送受信される期間を検出する期間検出部と、
    前記アンテナ部に振動を励振する振動励振部と、
    前記期間検出部が検出した送受信の期間において、前記アンテナ部と前記通信相手との間を電波が伝播する距離の時間的な変化が抑制されるように、前記情報取得部が取得した情報に基づいて、前記振動励振部により励振される前記アンテナ部の振動を制御する振動制御部と
    を有し、
    前記基地局は、
    前記移動無線通信装置と無線通信を行う通信部と、
    前記通信部において前記移動無線通信装置と連続的に無線通信を行う時間が所定の上限値より短くなるように、前記移動無線通信装置と無線通信を行う期間の割り当てを行う割り当て部と
    を有する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  14. 前記基地局は、
    前記移動無線通信装置の移動速度の情報を取得する速度情報取得部と、
    前記速度情報取得部において取得される情報に応じて、前記移動無線通信装置と連続的に無線通信を行う時間の許容範囲を設定する範囲設定部と
    を更に有し、
    前記割り当て部は、前記移動無線通信装置と連続的に無線通信を行う時間が前記範囲設定部によって設定された許容範囲に収まるように前記割り当てを行う
    ことを特徴とする請求項13に記載の無線通信システム。
  15. 前記基地局は、前記割り当て部による無線通信の期間の割り当てに変更が生じた場合、その変更内容を前記移動無線通信装置に通知する通知部を有し、
    前記割り当て部は、前記移動無線通信装置と無線通信を行う期間が一定の周期で現れるように前記割り当てを行う、
    ことを特徴とする請求項13又は14に記載の無線通信システム。

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