JP4549635B2 - シコクビエビスケットの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シコクビエの特製ビスケットの成分およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
「粗穀物(coarse cereals)」という言葉は、米と麦を除く全ての穀物を指す。インドで収穫され経済的に重要な穀物は、モロコシ、トウジンビエ、トウモロコシ、シコクビエ、アワ、キビ等である。潅漑による穀倉地帯の割合は、粗穀物が最も低い。一つの理由として、粗穀物の生産性が他の主要穀物に比べて劣っていることが挙げられる。小さいヒエや副次的なヒエも大切な飼料になる。シコクビエ、アワ、ロードミレ(Rodo millet、アワ・ヒエの一種)、キビは約4.5mhaを占める重要な穀物であり、それは粗穀物地帯の15〜18%にもなる。年間の収穫量は3.6〜3.8トンで総収穫量のほぼ18%を占める。小さいヒエの中でも、シコクビエは最も重要で、年間平均200万ヘクタールの作付面積と260万トンの収穫高を誇る。(The Hindu Survey of Indian Agriculture 2002, 60ページ参照)
【0003】
ヒエのたんぱく質は良質のアミノ酸を有しメチオニン、シスチン、リジンのもとになる。これらの基本的なアミノ酸は植物を栄養源にしている人達にとって有益である。ヒエ類は非デンプン質の多糖類や食物繊維の形で高い割合の炭水化物を含む。これは便秘を防ぎ、コレステロールを低下させ消化の際血液中へのブドウ糖の流出を少なくする。ヒエ類は重要なビタミン、即ちチアミン、リボフラビン、ニコチン酸を豊富に含んでいる。日常ヒエを食している人は心臓血管の病気、十二指腸潰瘍や高血糖症の発生率が低いと報告されているのは興味深いことである。(Mangala Rai, The Hindu Survey of Indian Agriculture 2002, 61ページ参照)粗穀物は栄養的に価値が高いのにも拘らず、人間が直接摂取する重要性は低くなっている。小麦や米の需要が増えるにつれ、これら粗穀物は経済的に利益が少なくなると考えられる(「食物と農業」Technology vision 2020, 技術情報予測評価評議会, New Delhi,1996年3月より)。粗穀物の粉を他の穀物の粉とブレンドしてより食べやすい各種の製品を開発し、人々が日常使っているシコクビエおよび関連する穀物の消費を促進することにより、粗穀物の需要を高める必要がある。また、食品の安全性を高める点においても、粗穀物は重要になり得る。よって、粗穀物の生産、市場、活用法にもっと多くの注目が早急に集められるべきである。(「食物と農業」Technology vision 2020, 技術情報予測評価評議会, New Delhi,1996年3月より)
【0004】
より賞味期限が長く、満足する味で、持ち運びに便利で高栄養価のすぐ食べられる加工食品の需要は、都市化や、産業や公共の分野への女性の進出により世界中で高まっている。パン・菓子製品はこれらの要件を満たす最も重要な製品である。パン・菓子製品はもはやティータイムのおやつではなく、人々の食生活を構成する基本的で重要な製品となった。それらの栄養価値は十分に認識されている。パン・ビスケット・クッキーなどの製品は、栄養不良に対処する際、ターゲットとなる人々にたんぱく質を運ぶ媒体となる。クッキー、ビスケットおよびクラッカーは大まかに言うとスナック菓子に分類される。これらの製品はいくつかの利点がある。1)世界中で広く食されている 2)栄養価が高い 3)さまざまな年齢の人に食されている 4)比較的賞味期限が長い。これらの事実により、大きなスケールでの生産、販売が可能になる。栄養価が高いことは子供達の食事や低所得の家庭での消費促進に役立つ。パン・菓子製品の高たんぱく価は、モロコシ、ヒエ、オート麦、ライ麦、アマランサス等、非小麦の粉を例とする非小麦たんぱく源を使用することにより実現する。植物性のたんぱく源は、パン・菓子製品にとって安価で魅力的な栄養補助要素となる。(Chavan JK and Kadam SS 1993年、「非小麦粉の補助によるパン・菓子製品の栄養価値」Critical Reviews in Food science and Nutrition. 33(3) , 189-226より)
【0005】
その栄養構成と技術的特性により、粗穀物は加工および付加価値において多くの機会に恵まれる。シコクビエのモルトやヒエをベースにした発酵飲料は南インドで一般的である。シコクビエを用いた小容量で、栄養の濃い離乳食も作られている。(Mangal Rai and S. Mauria 2002年 The Hindu Survey of Indian Agriculture 1999, 57ページ参照)
シコクビエの栄養成分は(100gあたり)、たんぱく質7.3g、脂質1.3g、ミネラル2.7g、炭水化物72g、エネルギー328kcal、カルシウム344mg、リン283mg、鉄分6.4mgである。(C.Gopalan他 1982年「インド食物の栄養価」National Institute of Nutrition、Hyderabad、Indiaより)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
粗穀物の使用および商業的な開発については、近代的な加工によりさまざまな方法がある。さらに強調すべき点は技術の伝達であり、付加価値及び栄養のある粗穀物製品に努力が注がれるべきである。
【0007】
参考文献として「シコクビエ粉を使用したビスケットのパッケージおよび保存の研究」(Selvaraj. A他、2002年、Journal of Food Science and Technology 39(1), 66〜68ページ)があり、シコクビエを使用したビスケットの収着の研究がなされている。シコクビエ粉を20%含むビスケットは、二重のポリプロピレン袋、二重の軟質BOPP(ポリプロピレン二軸延伸フィルム)およびmetPET(メタライズドポリエチレンテレフタレート)袋を使用したところ賞味期限が90%RH(相対湿度)、38℃の条件でそれぞれ75日、50日であり、65%RH(相対湿度)、27℃では共に120日間以上であった。この場合の欠点はビスケットが20%のシコクビエ粉を使用しており、100%ではないことである。
【0008】
また、Vaidhehi M. P. 他の研究によると、シコクビエ粉70%、ナタネ粉30%の組み合わせでビスケットの細引き小麦粉の役割をする。完全な脂肪ピーナッツ粉と白いシコクビエ粉のブレンドでは、100gのビスケットに対したんぱく質が8.0g含まれる。一方、ピーナッツ粉を使わない標準のビスケットの場合は6.6gである。脂肪のない大豆粉と白いシコクビエ粉モルトの組み合わせは100gあたり11.0gのたんぱく質を有し、それは脂肪のない大豆粉を使わない標準ビスケットの場合の2倍である。コスト評価の点から見ると、通常のビスケットを製造するコストは同じで、シコクビエ粉を70%、脂肪のない大豆或いはピーナッツ粉を30%含んだほうがより多くのたんぱく質が摂取できる。この場合の欠点は、ビスケットにシコクビエ粉、完全な脂肪ピーナッツおよび脂肪のない大豆粉を組み合わせた粉を使用しており、100%シコクビエ粉ではないことである。
【0009】
他の参考文献としては「複合パンにおける機能的材料としてのモロコシモルト」(Hugo L. F. 他、2000年、Cereal Chemistry 77(4)、428〜432ページ)がある。ボイルしたモルト粉で作ったパンはモロコシ粉を30%含むパンに比べて、内部構造、内部の柔らかさ、保水力およびモルトの香りにおいて優れている。この場合の欠点は粗穀物モロコシがパンの製造において使用され、シコクビエ粉100%のビスケットではないことである。
【0010】
全粒小麦大豆、モロコシ粒大豆、トウモロコシ大豆、キビ大豆、トウジンビエ大豆を使用したチャパティの研究が「小麦および非小麦粉で作るチャパティにおける大豆の栄養濃縮」(Lindell M. J and Walker C. E, 1984年、Cereal Chemistry 61, 435〜438ページ)でなされている。結論としては、大豆粉とブレンドされるチャパティは、たんぱく質の質と量、および含まれるたんぱく質の消化率が上がるというものである。この場合の欠点は、チャパティが全粒小麦、大豆、モロコシ、トウモロコシ、キビ、トウジンビエで作られ、シコクビエではないことである。製品もチャパティで、ビスケットではない。
【0011】
さらに、中国特許第1313039号(Wang Jincheng他、2001年)によると、小麦粉、トウモロコシ粉、大豆粉、米粉、キビ粉、モロコシ粉、ヨクイニン粉を含む栄養価の高い穀物粉が開示されている。この穀物粉は栄養価が高い。この場合の欠点は、さまざまな粉を使用しているが、焼いた製品ではないことである。
【0012】
また、中国特許第1342418号(Zhang HaipingおよびZhang Quixian、2002年)によると、堅さのあるトウモロコシ麺の一種がトウモロコシあるいはトウモロコシ粉を主原料として作られている。さらに加えるのは大豆、マングビーン(mung bean、中国のgreen beanに相当する)、ハスの種その他の栄養のある成分であり、正しい比率で80メッシュ以上の繊細な目を通して粉にし、熱を加えて形を作り、冷まして、焼いてパッケージする。この製品の利点は堅さが十分で、味が良く、栄養価の高い麺になることである。欠点は、この製品はトウモロコシ粉を主原料とする麺であり、シコクビエ粉を100%使ったビスケットではないことである。
【0013】
また、中国特許第1117796号(Zhaohe Ying他、1996年)によると、多機能かつ健康に配慮した粉の製造方法が開示されている。多機能かつ健康に配慮した粉は五穀の米と、二種のヒエと、小麦、豆類と、粉末野菜と食用の薬用粉から成る。
この健康に配慮した粉は各種の機能を有し、例えば、体を作ったり、血糖値を減らしたり、体重を減少させ、又各種アミノ酸、ビタミン及びミネラルを含む。欠点は、この製品は多機能かつ健康に配慮した粉であり、焼いた製品ではないことである。
【0014】
本発明の主要な目的は、シコクビエの特製ビスケットの成分およびその製造方法に関する。
本発明の他の目的は、シコクビエ粉を100%使用したビスケットの製造方法に関する。
本発明のさらに他の目的は、シコクビエ100%使用或いは非小麦の穀物粉を100%使用したビスケットの製造方法に関する。
本発明の他の目的は、上記ビスケットの成分におけるドライグルテンパウダーを含む添加物に関する。
本発明の他の目的は、上記添加物を加えることにより、シコクビエのたんぱく質の質を上げることに関する。
本発明の他の目的は、上記添加物を加えることにより、シコクビエの生地に所望の流動学的特徴を与えることである。
本発明の他の目的は、シコクビエビスケット生地を製造する際、混合方法を修正することである。
本発明の他の目的は、上記添加物を加えることにより、シコクビエビスケットのたんぱく質含有量を高めることである。
本発明の他の目的は、上記添加物を加えることにより、質の高いカルシウムの豊富なシコクビエビスケットを作ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の工程を含むことを特徴とするシコクビエビスケットの製造方法を提供するものである。
(a)5〜10重量%のショートニングと、15〜20重量%の粉砂糖と、0.25〜0.40重量%のレシチンと、転化シロップを混ぜ合わせクリーム状になるまで5〜8分間混ぜ合わせる
(b)0.7〜0.8重量%の食塩と、0.3〜0.35重量%の炭酸水素アンモニウムと、0.15〜0.20重量%の重炭酸ナトリウムを30〜40mlの水に溶かし、水溶液を得る
(c)工程(a)のクリームに、工程(b)の水溶液を加え、6〜10分間混ぜ合わせる
(d)工程(c)の混合物に、7〜14重量%のドライグルテンパウダーを含み、2.5〜3.0%の灰と、0.005〜0.01%の不溶性酸化灰と、7.0〜7.5%のたんぱく質とを含んで700〜750のフォーリングナンバーを有するシコクビエ粉を50〜60重量%加え、7〜9分間混ぜ合わせてビスケット生地を得る
(e)工程(d)のビスケット生地をシート状にして切る
(f)工程(e)のビスケット生地を焼き、シコクビエビスケットを得る
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、7.0〜14.0重量%のドライグルテンパウダーを含む50〜60重量%のシコクビエ粉を含み、食品等級添加物と、乳化剤、香料および保存料を加えた特製ビスケットを提供する。
【0017】
本発明の一実施例によると、ビスケットは以下の材料を含む。
【表3】
Figure 0004549635
【0018】
本発明の他の実施例によると、ビスケットは以下の材料を含む。
【表4】
Figure 0004549635
本発明の他の実施例によると、シコクビエ粉は8.0〜12重量%のドライグルテンパウダーを含む。
【0019】
本発明の他の実施例によると、シコクビエ粉は10重量%のドライグルテンパウダーを含む。
本発明は、さらに以下の工程から成るシコクビエビスケットの製造方法を提供するものである。
(a)5〜10重量%のショートニングと、15〜20重量%の粉砂糖と、0.25〜0.40重量%のレシチンと、転化シロップを混合し、クリーム状になるまで5〜8分間混ぜ合わせる
(b)0.7〜0.8重量%の食塩と、0.3〜0.35重量%の炭酸水素アンモニウムと、0.15〜0.20重量%の重炭酸ナトリウムを30〜40mlの水に溶かし、水溶液を得る
(c)工程(a)のクリームに、工程(b)の水溶液を加え、6〜10分間混ぜ合わせる
(d)工程(c)の混合物に7〜14重量%のドライグルテンパウダーを含むシコクビエ粉を50〜60重量%加え、7〜9分間混ぜ合わせてビスケット生地を得る
(e)工程(d)のビスケット生地をシート状に延ばして切る
(f)工程(e)で切り抜いたビスケット生地を焼き、シコクビエビスケットを得る
【0020】
本発明の実施例によると、工程(a)において、6〜10の割合の転化シロップが加えられる。
本発明の他の実施例によると、工程(a)において、ショートニング、砂糖、転化シロップおよびレシチンが手またはミキサーを使用して混ぜ合わされる。
【0021】
本発明の他の実施例によると、ショートニング、砂糖、転化シロップおよびレシチンが異なるスピードで混ぜ合わされ、クリームが得られる。
本発明の他の実施例によると、工程(c)において、工程(b)の水溶液と工程(a)のクリームが手またはミキサーを使用して混ぜ合わされる。
本発明の他の実施例によると、工程(b)の水溶液と工程(a)のクリームが異なるスピードで混ぜ合わされ、混合物が得られる。
本発明の他の実施例によると、使用されたシコクビエ粉は2.5〜3.0%の灰と、0.005〜0.01%の不溶性酸化灰と、7.0〜7.5%のたんぱく質を含み、フォーリングナンバーは700〜750である。
【0022】
本発明の他の実施例によると、選択されたドライグルテンパウダーは74〜78%の範囲でたんぱく質を含み、1.3〜1.4ml/gの水分を有する。
本発明の他の実施例によると、工程(e)において、生地はのし棒を使って3.5mmの厚さのシート状に延ばされる。
本発明の他の実施例によると、シコクビエビスケットの製造に使われる混合方法はクリーム状にする方法である。
本発明の他の実施例によると、工程(e)において、シート状の生地を直径50mmの円形に切断する。
本発明の他の実施例によると、シコクビエビスケットを205℃で9〜13分間焼く。
本発明の他の実施例によると、ビスケットはトレーの上に7〜8mmの間隔で平均に並べられ、焼いている間、針と接触している。
【0023】
本発明の他の実施例によると、このようにして得られるシコクビエビスケットは外側が茶褐色で、表面が滑らかであり、中は黒みがかった白色であり、さくさくとした食感で、シコクビエの風味であり、口当たりが良い。
【0024】
本発明の他の実施例によると、シコクビエの特製ビスケットを作る工程において、シコクビエ粉を100としたときに13〜17の割合のショートニング、32〜38の割合の粉砂糖、6〜10の割合の糖化シロップ、0.25〜0.75の割合の粉状スキムミルク、0.25〜0.5の割合のレシチンを5〜7分間クリーム状になるまで練って添加物とし、1.2〜1.5の割合の塩、0.2〜0.4の割合の重炭酸ナトリウム、0.5〜0.7の割合の炭酸水素アンモニウムを別々に水に入れて溶解し、出来たクリームと混合物を7〜9分間混ぜて均一なクリームを作り、100の割合のシコクビエ粉混合物を7〜9分間混合し知られている方法でビスケットを作る。
【0025】
従って、本発明による特製シコクビエビスケットの製造方法の詳細は、以下の工程を含む。
工程1.シコクビエ粉を100としたときに8〜14の割合のドライグルテンパウダー(DGP)と混ぜる。
【0026】
工程2.シコクビエビスケットの成分の表
【表5】
Figure 0004549635
【0027】
工程3.製造の方法
a.ショートニング、粉砂糖、転化シロップ、レシチンをスピード1で1分間、スピード2で2分間、スピード3で3分間クリーム状になるまで混ぜ合わせる
b.塩、炭酸水素アンモニウム、重炭酸ナトリウムを表に示す総量となる水で別々に溶解し、工程aのクリームに加えスピード1で1分間、スピード2で3分間、スピード3で4分間混合し均一なクリームを作る
c.シコクビエ粉を加えスピード1で7分間混ぜる
d.シコクビエの生地をアルミのプラットフォームと枠を使い、のし棒で3.5mmの厚さに延ばす
e.直径50mmの円形に切り抜く
f.トレーの上に7〜8mmの間隔で平均に並べ、針と接触させる
g.205℃で12分間焼く
h.30分間冷まし、ポリエチレンの袋に入れ、密封の缶に入れ24時間保存し、物質的な特性および食感を評価する
【0028】
工程4.シコクビエビスケットの評価
6枚のシコクビエビスケットの平均の重さを記録し、直列に並べ、積み重ねを行い直径(D)および厚さ(T)を測った。平均値を出すため、測定を繰り返し行った。直径を厚みで割ったシコクビエビスケットの延び率 を計算した。シコクビエビスケットの破壊強度をテクスチャーアナライザー(Model Tahdi, Stable Micro System, UK)を使って測定した。破壊強度はクロスヘッドで5.0cm/min.のスピードで測定し、最大の値(g)を記録した。シコクビエビスケットの食感分析は6人の熟練した審査員によりさまざまな特性、すなわち色、表面特性、質感、口当たりおよび味について点数評価した。5つの特性の合計を全体の点数とした。
【0029】
本発明の一実施例で使用されるシコクビエ粉は2.5〜3.0%の灰と、0.005〜0.01%の不溶性酸化灰と、7.0〜7.5%のたんぱく質を含み、フォーリングナンバーは700〜750である。
本発明の一実施例で選択されるドライグルテンパウダーは74〜78%のたんぱく質を含み、1.3〜1.4ml/gの水分を有する。
【0030】
本発明の他の実施例によれば、シコクビエビスケットの製造における混合方法はクリーミング方法である。
本発明の他の実施例によれば、シコクビエ粉は他の材料を6〜10分間クリーム状に混合してから加える。
本発明の他の実施例によれば、シコクビエビスケットは205℃で9〜11分間焼く。
本発明の他の実施例によれば、ドライグルテンパウダーを使用することにより、シコクビエビスケットのたんぱく質の含有量を高める。
本発明の他の実施例によれば、ドライグルテンパウダーを使用することにより、質の高いカルシウムの豊富なシコクビエビスケットを製造できる。
本発明の他の実施例によれば、シコクビエの特製ビスケットの製造工程において、13〜17の割合のショートニング、32〜38の割合の粉砂糖、6〜10の割合の転化シロップ、0.25〜0.75の割合のスキムミルク、0.25〜0.5の割合のレシチンを5〜7分間クリーム状になるまで練って添加物とし、1.2〜1.5の割合の塩、0.2〜0.4の割合の重炭酸ナトリウム、0.5〜0.7の割合の炭酸水素アンモニウムを別々に水に入れて溶解し、出来たクリームに加えて7〜9分間混ぜて均一なクリームを作り、10%のドライグルテンパウダーを含む100の割合のシコクビエ粉を混ぜ7〜9分間混合し既知の方法でビスケットを製造する。
【0031】
本発明の他の実施例によれば、シコクビエビスケット製造のための材料の分量は以下の通りである。
材料 重量(kg)
シコクビエ粉 100
ショートニング 13〜17
粉砂糖 32〜38
転化シロップ 6〜10
スキムミルク 0.25〜0.75
レシチン 0.25〜0.5
塩 1.2〜1.5
重炭酸ナトリウム 0.2〜0.9
炭酸水素アンモニウム 0.5〜0.7
バニラエッセンス 0.1〜0.2
水 30〜40
ただし、シコクビエ粉は、ドライグルテンパウダーを10%含む
【0032】
シコクビエビスケットの製造
以下の成分表が使用される。
【0033】
【表6】
Figure 0004549635
【0034】
シコクビエ粉100kgあたり、ビスケット150.97kg、約151kg作られる。
シコクビエ粉ビスケットの製造に含まれる各々の操作および条件は、後のフローチャート(図1)に示されている。
【0035】
以下に示すのは本発明の実施例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0036】
実施例1
Figure 0004549635
1.シコクビエ粉をドライグルテンパウダーと混合する
【0037】
実施例2
Figure 0004549635
1.シコクビエ粉をドライグルテンパウダーと混合する
【0038】
実施例3
Figure 0004549635
1.シコクビエ粉をドライグルテンパウダーと混合する
【0039】
実施例4
シコクビエ粉およびブレンドA、B、Cのたんぱく質含有量およびドデシル硫酸ナトリウムの沈殿量の測定
【0040】
シコクビエ粉およびブレンドA、B、Cのたんぱく質含有量およびドデシル硫酸ナトリウムの沈殿量の測定は、Micro Kjeldahl 方法およびドデシル硫酸ナトリウム沈殿量試験でそれぞれ行われた。結果は(表7を参照)、たんぱく質量はシコクビエ粉で7.5%、ブレンドAで13.2%、ブレンドBで15.0%、ブレンドCで16.9%であった。また、ドデシル硫酸ナトリウム沈殿量はシコクビエ粉で14、ブレンドAで39、ブレンドBで45、ブレンドCで53であった。上記の結果により、ブレンドに高いパーセントのドライグルテンパウダーが含まれるにつれ、たんぱく質の質および量が高まることが分かった。
【0041】
表7:シコクビエ粉およびブレンドA、B、Cにおけるたんぱく質量およびドデシル硫酸ナトリウム沈殿量
【表7】
Figure 0004549635
【0042】
実施例5
シコクビエビスケット生地と異なるブレンドの生地の流動学的特性
標準のシコクビエビスケット生地および異なるブレンドのビスケット生地を上記の成分表と例6に示す方法で製造する。流動学的特性を測定するシコクビエビスケット生地は、ビスケット生地を長方形のプラットフォームと枠を使いのし棒で延ばして高さ1.0cmの長方形にし、1.0cmの厚さの生地にして得られる。次にシート状のビスケット生地をカッターで直径2.2cmの円形に切り取る。延ばして切った円形の生地について(直径2.2cmで厚さ1.0cm)、針入度計を用いて曲がり具合や弾性回復力を測定する。まず生地を下のプレートに置き、生地の高さ(h1)を針入度計に付いているダイアルゲージにより記録する。押圧プレートを注意深く生地の上に置き、10秒間押圧し、その直後に円筒形の生地の高さ(h2)を記録する。押圧プレートを上げ、生地を1分間放置する。回復した生地の高さ(h3)を記録する。これらの値から、曲がり率と弾性回復力を以下の等式から計算する。
曲がり率=(h1−h2)x100
弾性回復力=(h3−h2)x10
【0043】
この結果(表8を参照)、標準のシコクビエビスケット生地の曲がり率(%)と弾性回復力は32%と2.5mmであり、異なるブレンドのビスケット生地の場合は、36〜45%と3.6〜5.0mmに増加する。この異なるブレンドのビスケット生地における曲がり率と弾性回復力の増加はシコクビエ生地の強度と弾性の改良を示している。
【0044】
シコクビエ生地の堅さは、押しだし時間(s)により測定され、Research Water Absorption Meter(RWAM)を用い、Gains工程で、2kgの追加重量を用い測定される。(Gains C. S. 1998年、「シュガースナップクッキー生地における吸水率と粘着性および堅さの時間の影響」Cereal Chemistry, 59, 404-407)。この結果(表8を参照)、押しだし時間において、標準(66s)に比べブレンドA(60s)、ブレンドB(55s)、ブレンドC(50s)に低下が見られた。上記の結果によりブレンドにおいてドライグルテンパウダーの割合が増えるにつれ、シコクビエビスケットの柔らかさも増加することが示された。
【0045】
ファリノグラフ・エクスペリメント(Farinogragh Experiments)を行い、シコクビエ生地のファリノグラフ・コンシステンシー(farinogragh consistensy)に関するドライグルテンパウダーの効果を調べた。生地の堅さ(最大値)を調べるため、50gのボウルを備えたブラベンダー・ファリノグラフ(Brabender Farinogragh)を使用した。40gのシコクビエビスケット生地と異なるブレンドのビスケット生地をファリノグラフ・ボウル(farinogragh bowl)で12分間混合し、堅さの値として生地が6分間混合された後の最初の最大値を記録した。ファリノグラフ・コンシステンシー(Farionogragh consistency)は標準のシコクビエビスケット生地で200BU(ブッシェル)であり、ブレンドAでは250BU、ブレンドBでは270BU、ブレンドCでは300BUと増加した。このことにより、グルテンを多く含むと、シコクビエビスケット生地の堅さは改良されることが分かった。
【0046】
表8:シコクビエビスケット生地と他のブレンド生地の流動学的特性
【表8】
Figure 0004549635
【0047】
実施例6
シコクビエビスケットの製造
【0048】
【表9】
Figure 0004549635
【0049】
1.ショートニング、粉砂糖、転化シロップ、レシチンをスピード1で1分間、スピード2で2分間、スピード3で3分間クリーム状になるまで混ぜる。
2.塩、炭化水素アンモニウム、重炭酸ナトリウムを表に示す総量となる水で別々に溶解し1.のクリームに加えスピード1で1分間、スピード2で3分間、スピード3で4分間混合し、均一なクリームを得る。
3.シコクビエ粉または各種ブレンド(A、BまたはC)を加え、スピード1の速度で標準は3分間、ブレンドAは6分間、ブレンドBは7分間、ブレンドCは8分間混合する。
4. シコクビエ生地をアルミのプラットフォームと枠を使い、のし棒で3.5mmの厚さに延ばす
5.直径50mmの円形に切り取る
6.トレーの上に7〜8mmの間隔で平均に並べ、針と接触させる
7.ビスケットを205℃で12分間焼く
8.30分間冷まし、ポリエチレンの袋に入れ、密封の缶に入れ24時間保存し、物質的な特性および食感を評価する
【0050】
シコクビエビスケットの実験は、ビスケットの質に関するドライグルテンパウダーの効果を調べるため行われた。6枚のシコクビエビスケットの平均の重さを記録し、直列に並べ、積み重ねを行い直径(D)および厚さ(T)を測った。平均値を出すため、測定を繰り返し行った。直径を厚みで割ったシコクビエビスケットの延び率 を計算した。シコクビエビスケットの破壊強度はテクスチャーアナライザー(Model Tahdi, Stable Micro System, UK)を使って測定された。破壊強度はクロスヘッドで5.0cm/min.のスピードで測定し、最大の値(g)を記録した。シコクビエビスケットの食感分析は6人の熟練した審査員によりさまざまな特性、すなわち色、表面特性、質感、口当たりおよび味について点数評価した。5つの特性の合計を全体の点数とした。
【0051】
標準のシコクビエビスケットおよびドライグルテンパウダーをそれぞれ7.5、10.0、12.5%含んだブレンドA、B、Cを製造し、物質的および感覚的な評価を行った。シコクビエビスケットの調理の際、標準のシコクビエ生地は比較的堅く、粘着力に欠け、延ばしづらく円形に切った後持ち上げにくいことが分かった。しかし、ブレンドしたシコクビエ生地は標準に比べ生地の延び特性が改良されていることが分かった。ブレンドしたシコクビエの生地は柔らかく、粘着力があり、均一なシートに延ばす際良く伸びる。ブレンドA、B或いはCで製造したシコクビエビスケットの重さは標準の35.5gに比べて34.1〜33.3gに減少しており(表10参照)、直径は58mmに対し57.5〜55.2mm、厚さは6.8mmに対し6.5〜6.2mmに減少、ところが延び率は8.5に対し8.6〜9.0、破壊強度は1050に対し1564〜1655gに増加している。食感評価は標準ビスケットは全体の点数26に対し、ブレンドAは34.5、ブレンドBは46と多く、これは色、表面特性、質感、口当たりおよび味の点数が上がったためである。しかし全体の点数がブレンドBの46に比べて40と減少する場合もある。この減少はブレンドCの場合であり、ビスケット生地の強度と弾性が過度に増加したからである。これにより、良質なシコクビエビスケットはブレンドBで製造されると結論づけられる。
【0052】
表10:標準および異なるブレンドのシコクビエビスケットの品質
【表10】
Figure 0004549635

【図面の簡単な説明】
【図1】図1はシコクビエビスケットの製造方法のフローチャートである。

Claims (14)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とするシコクビエビスケットの製造方法。
    (a)5〜10重量%のショートニングと、15〜20重量%の粉砂糖と、0.25〜0.40重量%のレシチンと、転化シロップを混ぜ合わせクリーム状になるまで5〜8分間混ぜ合わせる
    (b)0.7〜0.8重量%の食塩と、0.3〜0.35重量%の炭酸水素アンモニウムと、0.15〜0.20重量%の重炭酸ナトリウムを30〜40mlの水に溶かし、水溶液を得る
    (c)工程(a)のクリームに、工程(b)の水溶液を加え、6〜10分間混ぜ合わせる
    (d)工程(c)の混合物に、7〜14重量%のドライグルテンパウダーを含み、2.5〜3.0%の灰と、0.005〜0.01%の不溶性酸化灰と、7.0〜7.5%のたんぱく質とを含んで700〜750のフォーリングナンバーを有するシコクビエ粉を50〜60重量%加え、7〜9分間混ぜ合わせてビスケット生地を得る
    (e)工程(d)のビスケット生地をシート状にして切る
    (f)工程(e)のビスケット生地を焼き、シコクビエビスケットを得る
  2. 上記工程(a)において、シコクビエ粉を100とした6〜10の割合の転化シロップを加えることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 上記工程(a)において、ショートニング、砂糖、転化シロップおよびレシチンを手あるいはミキサーで混ぜ合わせることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. ショートニング、砂糖、転化シロップおよびレシチンを異なるスピードで混ぜ合わせて、クリームを形成することを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 上記工程(c)において、工程(b)の水溶液と工程(a)のクリームを手あるいはミキサーで混ぜ合わせることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 上記工程(b)の水溶液と工程(a)のクリームを異なるスピードで混ぜ合わせ、混合物を得ることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 選択するドライグルテンパウダーは74〜78%のたんぱく質を含み、1.3〜1.4ml/gの水分を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 上記工程(e)において、生地はのし棒を使って3.5mmの厚さのシート状に延ばされることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. シコクビエビスケットの製造に使う混合方法がクリーム状にする方法であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 上記工程(e)において、シート状の生地を直径50mmの円形に切り取ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. シコクビエビスケットは205℃で9〜13分間焼かれることを特徴とする請求項1記載の方法。
  12. ビスケットはトレーの上に7〜8mmの間隔で平均に並べ、焼いている間、針と接触していることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 得られるシコクビエビスケットは外側が茶褐色で、表面が滑らかであり、中は少し黒っぽい白色であって、さくさくとした食感で、シコクビエの風味であり、口当たりが良いことを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. シコクビエの特製ビスケットを作る工程において、13〜17の割合のショートニング、32〜38の割合の粉砂糖、6〜10の割合の転化シロップ、0.25〜0.75の割合のスキムミルク、0.25〜0.5の割合のレシチンを5〜7分間クリーム状になるまで練って添加物とし、1.2〜1.5の割合の塩、0.2〜0.4の割合の重炭酸ナトリウム、0.5〜0.7の割合の炭酸水素アンモニウムを別々に総量の水に入れて溶解し、出来たクリームに加えて7〜9分間混ぜて均一なクリームを作り、100の割合であって、10%のドライグルテンパウダーと、2.5〜3.0%の灰と、0.005〜0.01%の不溶性酸化灰と、7.0〜7.5%のたんぱく質とを含んで700〜750のフォーリングナンバーを有するシコクビエ粉混合物を7〜9分間混合し公知の方法でビスケットを作ることを特徴とするシコクビエビスケットの製造方法。
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