JP4548388B2 - ハイブリッド自動車、その制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ハイブリッド自動車、その制御装置および制御方法に関し、特に、複数の機能を有する回転電機を搭載したハイブリッド自動車、その制御装置および制御方法に関する。
従来より、エンジンとモータとを搭載したハイブリッド自動車が知られている。このハイブリッド自動車には、モータから出力されたトルクのみを用いて走行することが可能であるものがある。したがって、車両の走行中や車両の停車中において、エンジンを停止する場合がある。そのため、動力源としてエンジンのみを搭載した車両においてエンジンにより駆動される補機類、たとえばエアーコンディショナのコンプレッサ等を駆動するために、別途モータ等の動力源を設ける必要がある。
特開2005−212595号公報(特許文献1)は、電動のコンプレッサを搭載したハイブリッド自動車を開示する。特許文献1に記載のハイブリッド自動車は、エンジンと、クランクシャフトに接続された3軸式の動力分配統合機構と、動力分配統合機構に接続された発電可能なモータMG(1)と、変速機を介して動力分配統合機構に接続されたモータMG(2)と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニットと、インバータを介してバッテリに接続された乗員室用のエアーコンディショナのコンプレッサとを含む。
特開2005−212595号公報
しかしながら、特開2005−212595号公報に記載のハイブリッド自動車においては、エアーコンディショナのコンプレッサを駆動するためのモータがさらに必要になる。そのため、コストや機器の搭載性という観点においては、さらなる改善の余地がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コストを抑制したり機器の搭載性を向上したりすることができるハイブリッド自動車、その制御装置および制御方法を提供することである。
第1の発明に係るハイブリッド自動車は、内燃機関と、内燃機関の出力軸に連結され、内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、第1の回転部材を駆動輪に連結した状態および第1の回転部材を駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、第1の回転部材に連結され、第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が第1の回転部材に連結され、第2の回転子が第2の回転部材に連結され、第1の回転子および第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、第1の回転子を第1の回転部材に連結した状態および第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構とを含む。
第1の発明によると、第1の切替機構により第1の回転部材と駆動輪とが連結された状態においては、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転部材に連結された第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方により走行することができる。この状態では、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方のトルクにより第1の回転部材が回転する。そのため、第1の回転部材に連結された機器を作動させることができる。また、第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制することにより、内燃機関から第2の回転部材に伝達されたトルクを用いて第2の回転子を第1の回転子に対して相対的に回転させることができる。これにより、第2の回転電機を発電機として作動させることができる。そのため、第2の回転電機を用いて発電することができる。さらに、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が駆動した状態において、第1の回転子を第1の回転部材に連結すると、遊星歯車機構により、第1の回転子と第2の回転子とを相対的に回転させることができる。この状態において、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機を制御すれば、遊星歯車機構において、内燃機関の出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転が抑制される。そのため、内燃機関の出力軸の回転数を引き上げることができる。これにより、内燃機関をクランキングすることができる。そのため、専用のスタータモータ等を設けなくても、内燃機関を始動することができる。さらに、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転部材と駆動輪とを切り離した状態で第1の回転電機を作動させると、第1の回転部材を回転させることができる。そのため、専用のモータ等を設けなくても、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転電機を用いて機器を作動させることができる。その結果、搭載すべき部品の数を抑制して、コストを抑制したり機器の搭載性を向上したりすることができるハイブリッド自動車を提供することができる。
第2の発明に係るハイブリッド自動車は、第1の発明の構成に加え、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を許容した状態と出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制した状態とを切替える第3の切替機構をさらに含む。
第2の発明によると、第3の切替機構により、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を許容した状態と出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制した状態とが切替えられる。出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制した場合、内燃機関から出力されるトルクを直接的に機器および駆動輪に伝達することができる。
第3の発明に係るハイブリッド自動車においては、第2の発明の構成に加え、第3の切替機構は、内燃機関の運転時において、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制するように制御される。第2の切替機構は、内燃機関の運転時において、第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制するように制御される。
第3の発明によると、内燃機関の運転時において、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制するように制御されとともに、第1の回転子が第1の回転部材から切り離され、かつ第1の回転子の回転が抑制される。これにより、内燃機関から出力されるトルクを直接的に第2の回転子に伝達して、第2の回転子を第1の回転子に対して相対的に回転させることができる。そのため、第2の回転電機において、効率よく発電を行なうことができる。
第4の発明に係るハイブリッド自動車においては、第2の発明の構成に加え、第3の切替機構は、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が作動している状態において、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を許容するように制御される。第2の切替機構は、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が作動している状態において、第1の回転子が第1の回転部材に連結されるように制御される。第2の回転電機は、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転が許容され、かつ第1の回転子が第1の回転部材に連結された状態において、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように制御される。
第4の発明によると、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が作動している状態において、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転が許容されるとともに、第1の回転子が第1の回転部材に連結されるように制御される。これにより、第1の回転子と第2の回転子とを相対的に回転させることができる。この状態において、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機が制御される。これにより、遊星歯車機構において、内燃機関の出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制することができる。そのため、内燃機関の出力軸の回転数を引き上げることができる。その結果、内燃機関をクランキングして、始動することができる。
第5の発明に係るハイブリッド自動車においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加え、第2の回転電機は直流電力により作動する。
第5の発明によると、直流電力を用いて第2の回転電機を作動させることができる。
第6の発明に係るハイブリッド自動車の制御装置は、内燃機関と、内燃機関の出力軸に連結され、内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、第1の回転部材を駆動輪に連結した状態および第1の回転部材を駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、第1の回転部材に連結され、第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が第1の回転部材に連結され、第2の回転子が第2の回転部材に連結され、第1の回転子および第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、第1の回転子を第1の回転部材に連結した状態および第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構とを含む、ハイブリッド自動車を制御する。この制御装置は、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が作動している状態において、第1の回転子が第1の回転部材に連結されるように第2の切替機構を制御するための手段とを含む。
第6の発明に係るハイブリッド自動車の制御装置は、内燃機関と、内燃機関の出力軸に連結され、内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、第1の回転部材を駆動輪に連結した状態および第1の回転部材を駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、第1の回転部材に連結され、第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が第1の回転部材に連結され、第2の回転子が第2の回転部材に連結され、第1の回転子および第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、第1の回転子を第1の回転部材に連結した状態および第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構とを含む、ハイブリッド自動車を制御する。この制御装置は、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が作動している状態において、第1の回転子が第1の回転部材に連結されるように第2の切替機構を制御するための手段とを含む。
第6の発明によると、第1の切替機構により第1の回転部材と駆動輪とが連結された状態においては、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転部材に連結された第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方により走行することができる。この状態では、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方のトルクにより第1の回転部材が回転する。そのため、第1の回転部材に連結された機器を作動させることができる。また、第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制することにより、内燃機関から第2の回転部材に伝達されたトルクを用いて第2の回転子を第1の回転子に対して相対的に回転させることができる。これにより、第2の回転電機を発電機として作動させることができる。そのため、第2の回転電機を用いて発電することができる。また、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転部材と駆動輪とを切り離した状態で第1の回転電機を作動させると、第1の回転部材を回転させることができる。そのため、専用のモータ等を設けなくても、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転電機を用いて機器を作動させることができる。このようなハイブリッド自動車において、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が作動している場合、第1の回転子が第1の回転部材に連結される。これにより、遊星歯車機構の差動作用を利用して、第1の回転子と第2の回転子とを相対的に回転させることができる。この状態において、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機を制御すれば、遊星歯車機構において、内燃機関の出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転が抑制される。そのため、内燃機関の出力軸の回転数を引き上げることができる。これにより、内燃機関をクランキングすることができる。そのため、専用のスタータモータ等を設けなくても、内燃機関を始動することができる。その結果、搭載すべき部品の数を抑制して、コストを抑制したり機器の搭載性を向上したりすることができるハイブリッド自動車の制御装置を提供することができる。
第7の発明に係るハイブリッド自動車の制御装置は、第6の発明の構成に加え、内燃機関の始動時に、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機を制御するための手段をさらに含む。
第7の発明によると、内燃機関の始動時に、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機が制御される。これにより、遊星歯車機構において、内燃機関の出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制することができる。そのため、内燃機関の出力軸の回転数を引き上げることができる。その結果、内燃機関をクランキングすることができる。
第8の発明に係るハイブリッド自動車の制御装置は、内燃機関と、内燃機関の出力軸に連結され、内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、第1の回転部材を駆動輪に連結した状態および第1の回転部材を駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、第1の回転部材に連結され、第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が第1の回転部材に連結され、第2の回転子が第2の回転部材に連結され、第1の回転子および第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、第1の回転子を第1の回転部材に連結した状態および第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構と、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を許容した状態と出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制した状態とを切替える第3の切替機構とを含む、ハイブリッド自動車を制御する。この制御装置は、内燃機関の始動後において、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を許容するように第3の切替機構を制御するための手段と、内燃機関の始動後において、第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制するように第2の切替機構を制御するための手段とを含む。
第8の発明によると、第1の切替機構により第1の回転部材と駆動輪とが連結された状態においては、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転部材に連結された第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方により走行することができる。この状態では、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方のトルクにより第1の回転部材が回転する。そのため、第1の回転部材に連結された機器を作動させることができる。また、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が駆動した状態において、第1の回転子を第1の回転部材に連結すると、遊星歯車機構の差動作用を利用して、第1の回転子と第2の回転子とを相対的に回転させることができる。この状態において、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機を制御すれば、遊星歯車機構において、内燃機関の出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転が抑制される。そのため、内燃機関の出力軸の回転数を引き上げることができる。これにより、内燃機関をクランキングすることができる。そのため、専用のスタータモータ等を設けなくても、内燃機関を始動することができる。さらに、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転部材と駆動輪とを切り離した状態で第1の回転電機を作動させると、第1の回転部材を回転させることができる。そのため、専用のモータ等を設けなくても、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転電機を用いて機器を作動させることができる。このようなハイブリッド自動車において、内燃機関の始動後に、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転が許容されるとともに、第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転が抑制される。これにより、内燃機関から第2の回転部材に伝達されたトルクを用いて第2の回転子を第1の回転子に対して相対的に回転させることができる。これにより、第2の回転電機を発電機として作動させることができる。そのため、専用のオルタネータ等を設けなくても、第2の回転電機を用いて発電することができる。その結果、搭載すべき部品の数を抑制して、コストを抑制したり機器の搭載性を向上したりすることができるハイブリッド自動車の制御装置を提供することができる。
第9の発明に係るハイブリッド自動車の制御方法は、内燃機関と、内燃機関の出力軸に連結され、内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、第1の回転部材を駆動輪に連結した状態および第1の回転部材を駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、第1の回転部材に連結され、第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が第1の回転部材に連結され、第2の回転子が第2の回転部材に連結され、第1の回転子および第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、第1の回転子を第1の回転部材に連結した状態および第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構とを含む、ハイブリッド自動車を制御する方法である。この制御方法は、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が作動している状態において、第1の回転子が第1の回転部材に連結されるように第2の切替機構を制御するステップを含む。
第9の発明によると、第1の切替機構により第1の回転部材と駆動輪とが連結された状態においては、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転部材に連結された第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方により走行することができる。この状態では、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方のトルクにより第1の回転部材が回転する。そのため、第1の回転部材に連結された機器を作動させることができる。また、第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制することにより、内燃機関から第2の回転部材に伝達されたトルクを用いて第2の回転子を第1の回転子に対して相対的に回転させることができる。これにより、第2の回転電機を発電機として作動させることができる。そのため、第2の回転電機を用いて発電することができる。また、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転部材と駆動輪とを切り離した状態で第1の回転電機を作動させると、第1の回転部材を回転させることができる。そのため、専用のモータ等を設けなくても、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転電機を用いて機器を作動させることができる。このようなハイブリッド自動車において、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が作動している場合、第1の回転子が第1の回転部材に連結される。これにより、遊星歯車機構の差動作用を利用して、第1の回転子と第2の回転子とを相対的に回転させることができる。この状態において、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機を制御すれば、遊星歯車機構において、内燃機関の出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転が抑制される。そのため、内燃機関の出力軸の回転数を引き上げることができる。これにより、内燃機関をクランキングすることができる。そのため、専用のスタータモータ等を設けなくても、内燃機関を始動することができる。その結果、搭載すべき部品の数を抑制して、コストを抑制したり機器の搭載性を向上したりすることができるハイブリッド自動車の制御方法を提供することができる。
第10の発明に係るハイブリッド自動車の制御方法は、第9の発明の構成に加え、内燃機関の始動時に、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機を制御するステップをさらに含む。
第10の発明によると、内燃機関の始動時に、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機が制御される。これにより、遊星歯車機構において、内燃機関の出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制することができる。そのため、内燃機関の出力軸の回転数を引き上げることができる。その結果、内燃機関をクランキングすることができる。
第11の発明に係るハイブリッド自動車の制御方法は、内燃機関と、内燃機関の出力軸に連結され、内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、第1の回転部材を駆動輪に連結した状態および第1の回転部材を駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、第1の回転部材に連結され、第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が第1の回転部材に連結され、第2の回転子が第2の回転部材に連結され、第1の回転子および第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、第1の回転子を第1の回転部材に連結した状態および第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構と、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を許容した状態と出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を抑制した状態とを切替える第3の切替機構とを含む、ハイブリッド自動車を制御する方法である。この制御方法は、内燃機関の始動後において、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転を許容するように第3の切替機構を制御するステップと、内燃機関の始動後において、第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転を抑制するように第2の切替機構を制御するステップとを含む。
第11の発明によると、第1の切替機構により第1の回転部材と駆動輪とが連結された状態においては、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転部材に連結された第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方により走行することができる。この状態では、内燃機関から出力されたトルクおよび第1の回転電機から出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方のトルクにより第1の回転部材が回転する。そのため、第1の回転部材に連結された機器を作動させることができる。また、内燃機関が停止し、かつ第1の回転電機が駆動した状態において、第1の回転子を第1の回転部材に連結すると、遊星歯車機構の差動作用を利用して、第1の回転子と第2の回転子とを相対的に回転させることができる。この状態において、第1の回転子と第2の回転子との相対的な回転を抑制するように第2の回転電機を制御すれば、遊星歯車機構において、内燃機関の出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転が抑制される。そのため、内燃機関の出力軸の回転数を引き上げることができる。これにより、内燃機関をクランキングすることができる。そのため、専用のスタータモータ等を設けなくても、内燃機関を始動することができる。さらに、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転部材と駆動輪とを切り離した状態で第1の回転電機を作動させると、第1の回転部材を回転させることができる。そのため、専用のモータ等を設けなくても、停車時に内燃機関が停止している場合において、第1の回転電機を用いて機器を作動させることができる。このようなハイブリッド自動車において、内燃機関の始動後に、出力軸、第1の回転部材および第2の回転部材の相対的な回転が許容されるとともに、第1の回転子を第1の回転部材から切り離し、かつ第1の回転子の回転が抑制される。これにより、内燃機関から第2の回転部材に伝達されたトルクを用いて第2の回転子を第1の回転子に対して相対的に回転させることができる。これにより、第2の回転電機を発電機として作動させることができる。そのため、専用のオルタネータ等を設けなくても、第2の回転電機を用いて発電することができる。その結果、搭載すべき部品の数を抑制して、コストを抑制したり機器の搭載性を向上したりすることができるハイブリッド自動車の制御方法を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るハイブリッド自動車について説明する。このハイブリッド自動車は、エンジン100と、プラネタリギヤ200と、MG(Motor Generator)300と、クラッチ400と、変速機500と、相反モータ(ADTR-Motor: Anti Directional Twin Rotary Motor)600と、コンプレッサ700と、負圧ポンプ800とを含む。
エンジン100は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置であって、スロットル開度(吸気量)や燃料供給量、点火時期などの運転状態を電気的に制御できるように構成されている。その制御は、たとえば、マイクロコンピュータを主体とするECU(Electronic Control Unit)900によって行なわれる。
プラネタリギヤ200は、外歯歯車であるサンギヤ210と、そのサンギヤ210に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ220と、これらサンギヤ210とリングギヤ220とに噛合しているピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持しているキャリア230とを三つの回転要素として差動作用を生じる公知の歯車機構である。
エンジン100の出力軸がキャリア230に連結されている。これに対して、サンギヤ210に、相反モータ600のインナーロータ602が連結されている。なお、リングギヤ220が、前述の第1の発明にける第1の回転部材に対応する。サンギヤ210が、前述の第1の発明にける第2の回転部材に対応する。
エンジン100の出力軸すなわちキャリア230と、サンギヤ210との間には、プラネタリロック機構240が設けられる。プラネタリロック機構240は、キャリア230とサンギヤ210とを連結(ロック)した状態およびキャリア230とサンギヤ210とを切り離した状態を切替える。
プラネタリロック機構240は、油圧アクチュエータもしくは電動アクチュエータにより作動する。その制御は、ECU900によって行なわれる。なお、プラネタリロック機構240が、前述した第2の発明における第3の切替機構に対応する。
リングギヤ220は、プラネタリギヤ200の出力軸250を介してMG300のロータ302に連結される。さらに出力軸250には、エアーコンディショナ(図示せず)のコンプレッサ700およびブレーキ用の負圧ポンプ800等の補機が伝導ベルト260等を介して連結される。コンプレッサ700および負圧ポンプ800は、出力軸250が回転することにより作動する。なお、コンプレッサ700や負圧ポンプ800以外の機器を設けるようにしてもよい。
MG300は、一例として三相交流回転電機であって、電動機(モータ)としての機能と発電機(ジェネレータ)としての機能とを生じるように構成される。インバータ310を介して主バッテリ320に接続されている。インバータ310を制御することにより、MG300の出力トルクあるいは回生トルクを適宜に設定するようになっている。その制御は、ECU900によって行なわれる。なお、主バッテリ320の代わりにキャパシタ(コンデンサ)を用いるようにしてもよい。
クラッチ400は、MG300と変速機500との間に設けられる。クラッチ400は、MG300と変速機500とを連結した状態およびMG300と変速機500とを切り離した状態を切替える。クラッチ400は、油圧アクチュエータもしくは電動アクチュエータにより作動する。その制御はECU900によって行なわれる。なお、クラッチ400が、前述した第1の発明における第1の切替機構に対応する。
変速機500は、たとえばプラネタリギヤユニットからなる自動変速機である。なお、ベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)やトロイダル式CVTであってもよい。変速機500の出力軸は、駆動輪510に連結される。
相反モータ600は、主バッテリ320よりも電圧が低い補機バッテリ610に接続される。相反モータ600は、補機バッテリ610から供給される直流電力により作動する。
本実施の形態において、相反モータ600は、発電機(オルタネータ)としての機能を有する。相反モータ600は、インナーロータ602とアウターロータ(ステータともいう)604とが相対的に回転することにより発電する。その制御は、ECU900により行なわれる。相反モータ600が発電した直流電力は補機バッテリ610に蓄えられる。
なお、補機バッテリ610は主バッテリ320から独立した蓄電装置である。したがって、補機バッテリ610と主バッテリ320とは接続されていない。また、アウターロータ604が、前述の第1の発明における第1の回転子に対応する。インナーロータ602が、前述の第1の発明における第2の回転子に対応する。
相反モータ600のアウターロータ604とプラネタリギヤ200の出力軸250との間には、アウターロータロック機構620が設けられる。アウターロータロック機構620は、アウターロータ604と出力軸250とを連結した状態およびアウターロータ604と出力軸250とを切り離し、かつアウターロータ604をトランスミッションケース1000に固定した状態を切替える。
アウターロータ604は、出力軸250を介してリングギヤ22に連結される。アウターロータ604がトランスミッションケース1000に固定された場合、アウターロータ604の回転が抑制される。なお、トランスミッションケース1000の他、アウターロータ604を直接車体に固定したり、トランスミッションケース1000以外の部材に固定したりするようにしてもよい。
アウターロータロック機構620は、油圧アクチュエータもしくは電動アクチュエータにより作動する。その制御はECU900により行なわれる。なお、アウターロータロック機構620が、前述の第1の発明における第2の切替機構に対応する。
以下、ハイブリッド自動車の動作について説明する。
<エンジンを停止した状態での走行>
エンジン100を停止し、MG300から出力されるトルクのみを用いて走行する場合、プラネタリロック機構240は、キャリア230とサンギヤ210とが切り離された状態になるように制御される。アウターロータロック機構620は、アウターロータ604とプラネタリギヤ200の出力軸250とが連結された状態になるように制御される。クラッチ400は係合状態になるように制御される。この状態で、MG300のロータ302が回転される。
<エンジンを停止した状態での走行>
エンジン100を停止し、MG300から出力されるトルクのみを用いて走行する場合、プラネタリロック機構240は、キャリア230とサンギヤ210とが切り離された状態になるように制御される。アウターロータロック機構620は、アウターロータ604とプラネタリギヤ200の出力軸250とが連結された状態になるように制御される。クラッチ400は係合状態になるように制御される。この状態で、MG300のロータ302が回転される。
この場合、図2に示すように、MG300の回転数は上昇する。エンジン100の回転数は「0」である。相反モータ600のアウターロータ604は、プラネタリギヤ200の出力軸250を介してMG300により回転せしめられる。したがって、その回転数は上昇する。このとき、プラネタリギヤ200のリングギヤ220が回転せしめられる。
リングギヤ220が回転すると、プラネタリギヤ200の差動作用により、サンギヤ210が回転せしめられる。したがって、図2に示すように、相反モータ600のインナーロータ602が回転する。このとき、インナーロータ602は、プラネタリギヤ200の差動作用により、アウターロータ604と逆方向に回転される。
コンプレッサ700および負圧ポンプ800は、MG300により作動される。したがって、その回転数は上昇する。
<停車時>
停車時においては、燃費を向上するために、エンジン100が停止される。ただし、この状態においても、エアーコンディショナを作動させたり、ブレーキによる制動力を確保する必要がある。すなち、停車時にエンジン100を停止した場合においても、コンプレッサ700および負圧ポンプ800を作動させる必要がある。
停車時においては、燃費を向上するために、エンジン100が停止される。ただし、この状態においても、エアーコンディショナを作動させたり、ブレーキによる制動力を確保する必要がある。すなち、停車時にエンジン100を停止した場合においても、コンプレッサ700および負圧ポンプ800を作動させる必要がある。
そのため、停車時においては、MG300から出力されるトルクのみを用いて走行する場合と同様に、プラネタリロック機構240が、キャリア230とサンギヤ210とが切り離された状態になるように制御される。アウターロータロック機構620は、アウターロータ604とプラネタリギヤ200の出力軸250とが連結された状態になるように制御される。
MG300から出力されるトルクのみを用いて走行する場合とは逆に、クラッチ400は解放状態になるように制御される。この状態で、MG300のロータ302が回転される。
したがって、MG300から出力されたトルクのみを用いて走行する場合と同様に、図2に示すように、MG300の回転数は上昇する。エンジン100の回転数は「0」である。相反モータ600のアウターロータ604は、プラネタリギヤ200の出力軸250を介してMG300により回転せしめられる。したがって、その回転数は上昇する。相反モータ600のインナーロータ602は、プラネタリギヤ200の差動作用により、アウターロータ604と逆方向に回転せしめられる。コンプレッサ700および負圧ポンプ800は、MG300により作動される。したがって、その回転数は上昇する。
これにより、停車時にエンジン100を運転しなくても、車両の走行に用いられるMG300を用いてコンプレッサ700および負圧ポンプ800を作動させることができる。このとき、MG300を用いてコンプレッサ700および負圧ポンプ800を作動させているので、停車時にコンプレッサ700もしくは負圧ポンプ800を作動させるための専用のモータ等を設ける必要がない。そのため、コンプレッサ700もしくは負圧ポンプ800を作動させるための専用のモータ等を設ける場合に比べてモータ等の点数を削減することができる。その結果、コストを抑制したり、機器の搭載性を向上したりすることができる。
<エンジンの始動時>
MG300から出力されたトルクのみを用いて走行している状態、あるいは停車している状態から、エンジン100を始動するには、図3に示すように、相反モータ600のインナーロータ602とアウターロータ604との回転数差を抑制するように相反モータ600が制御される。
MG300から出力されたトルクのみを用いて走行している状態、あるいは停車している状態から、エンジン100を始動するには、図3に示すように、相反モータ600のインナーロータ602とアウターロータ604との回転数差を抑制するように相反モータ600が制御される。
プラネタリロック機構240は、キャリア230とサンギヤ210とが切り離された状態になるように制御されたままである。アウターロータロック機構620は、アウターロータ604とプラネタリギヤ200の出力軸250とが連結された状態になるように制御されたままである。
相反モータ600のインナーロータ602とアウターロータ604との回転数差が抑制されると、プラネタリギヤ200において、サンギヤ210とリングギヤ220との回転数差が抑制される。そのため、プラネタリギヤ200の差動作用が抑制される。その結果、プラネタリギヤ200においてキャリア230の回転数が上昇せしめられ、図3に示すように、エンジン100の回転数が引き上げられる。このようにしてエンジン100がクランキングされて、始動される。
<エンジンの始動後>
エンジン100の始動後は、図4に示すように、相反モータ600のインナーロータ602とアウターロータ604との回転数が一致したタイミングで、キャリア230とサンギヤ210とが連結された状態になるようにプラネタリロック機構240が制御される。このとき、アウターロータロック機構620は、アウターロータ604とプラネタリギヤ200の出力軸250とが連結された状態になるように制御されたままである。
エンジン100の始動後は、図4に示すように、相反モータ600のインナーロータ602とアウターロータ604との回転数が一致したタイミングで、キャリア230とサンギヤ210とが連結された状態になるようにプラネタリロック機構240が制御される。このとき、アウターロータロック機構620は、アウターロータ604とプラネタリギヤ200の出力軸250とが連結された状態になるように制御されたままである。
この状態では、サンギヤ210、リングギヤ220、キャリア230の相対的な回転が抑制され、サンギヤ210、リングギヤ220、キャリア230が同じ回転数で回転する。したがって、図4に示すように、エンジン100およびMG300が同じ回転数で回転する。
<エンジンから出力されたトルクを用いた走行>
エンジン100から出力されたトルクを用いて走行する場合、アウターロータロック機構620は、アウターロータ604と出力軸250とが切り離され、かつアウターロータ604がトランスミッションケース1000側に固定された状態になるように制御される。このとき、プラネタリロック機構240は、キャリア230とサンギヤ210とが連結された状態になるように制御されたままである。クラッチ400は、係合状態になるように制御される。
エンジン100から出力されたトルクを用いて走行する場合、アウターロータロック機構620は、アウターロータ604と出力軸250とが切り離され、かつアウターロータ604がトランスミッションケース1000側に固定された状態になるように制御される。このとき、プラネタリロック機構240は、キャリア230とサンギヤ210とが連結された状態になるように制御されたままである。クラッチ400は、係合状態になるように制御される。
この状態では、図5に示すように、エンジン100およびMG300、相反モータ600のインナーロータ602が回転する。相反モータ600のアウターロータ604の回転数が「0」になる。すなわち、アウターロータ604は回転しない。
したがって、相反モータ600のインナーロータ602がアウターロータ604に相対的に回転する。そのため、相反モータ600を発電機として作動させて発電させることができる。相反モータ600により発電された電力は、補機バッテリ610に蓄えられる。
以上のように、本実施の形態に係るハイブリッド自動車によれば、クラッチを係合した状態において、エンジンから出力されたトルクおよびMGから出力されたトルクのうちの少なくともいずれか一方により走行することができる。また、相反モータのアウターロータとプラネタリギヤの出力軸とを切り離し、かつアウターロータをトランスミッションケースに固定することにより、エンジンからプラネタリギヤのサンギヤに伝達されたトルクを用いて、サンギヤに連結されたインナーロータをアウターロータに対して相対的に回転させることができる。これにより、相反モータを発電機として作動させることができる。そのため、相反モータを用いて発電することができる。さらに、エンジンが停止し、かつMGが駆動した状態において、相反モータのアウターロータをプラネタリギヤの出力軸に連結すると、プラネタリギヤの差動作用により、インナーロータとアウターロータとを相対的に回転させることができる。この状態において、アウターロータとインナーロータとの相対的な回転を抑制するように相反モータを制御すれば、プラネタリギヤにおいて、キャリア、リングギヤおよびサンギヤの相対的な回転が抑制される。そのため、キャリアに連結されたエンジンの出力軸の回転数を引き上げることができる。これにより、エンジンをクランキングすることができる。そのため、専用のスタータモータ等を設けなくても、エンジンを始動することができる。さらに、停車時にエンジンが停止している場合において、クラッチを解放した状態でMGを作動させると、プラネタリギヤの出力軸を回転させることができる。そのため、専用のモータ等を設けなくても、停車時に内燃機関が停止している場合において、プラネタリギヤの出力軸に連結されたコンプレッサや負圧ポンプを作動させることができる。その結果、ハイブリッド自動車に搭載すべきモータ等の数を抑制して、コストを抑制したり機器の搭載性を向上したりすることができる。
なお、エンジンの始動後においてキャリア230とサンギヤ210とが連結された状態になるようにプラネタリロック機構240を制御する代わりに、キャリア230とサンギヤ210とが切り離された状態を維持するようにしてもよい。この場合、その後、エンジン100から出力されたトルクを用いて走行する際において、アウターロータ604と出力軸250とが切り離され、かつアウターロータ604がトランスミッションケース1000側に固定された状態になるようにアウターロータロック機構620を制御するようにしてもよい。
この状態では、図6に示すように、エンジン100およびMG300、相反モータ600のインナーロータ602が回転する。相反モータ600のアウターロータ604の回転数が「0」になる。すなわち、アウターロータ604は回転しない。
したがって、相反モータ600のインナーロータ602がアウターロータ604に相対的に回転する。そのため、相反モータ600を発電機として作動させて発電させることができる。相反モータ600により発電された電力は、補機バッテリ610に蓄えられる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、200 プラネタリギヤ、210 サンギヤ、220 リングギヤ、230 キャリア、240 プラネタリロック機構、250 出力軸、260 伝導ベルト、300 MG、302 ロータ、310 インバータ、320 主バッテリ、400 クラッチ、500 変速機、510 駆動輪、600 相反モータ、602 インナーロータ、604 アウターロータ、610 補機バッテリ、620 アウターロータロック機構、700 コンプレッサ、800 負圧ポンプ、1000 トランスミッションケース。
Claims (11)
- 内燃機関と、
前記内燃機関の出力軸に連結され、前記内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、
前記第1の回転部材を前記駆動輪に連結した状態および前記第1の回転部材を前記駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、
前記第1の回転部材に連結され、前記第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、
前記第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、
第1の回転子が前記第1の回転部材に連結され、第2の回転子が前記第2の回転部材に連結され、前記第1の回転子および前記第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、
前記第1の回転子を前記第1の回転部材に連結した状態および前記第1の回転子を前記第1の回転部材から切り離し、かつ前記第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構とを含む、ハイブリッド自動車。 - 前記ハイブリッド自動車は、前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を許容した状態と前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を抑制した状態とを切替える第3の切替機構をさらに含む、請求項1に記載のハイブリッド自動車。
- 前記第3の切替機構は、前記内燃機関の運転時において、前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を抑制するように制御され、
前記第2の切替機構は、前記内燃機関の運転時において、前記第1の回転子を前記第1の回転部材から切り離し、かつ前記第1の回転子の回転を抑制するように制御される、請求項2に記載のハイブリッド自動車。 - 前記第3の切替機構は、前記内燃機関が停止し、かつ前記第1の回転電機が作動している状態において、前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を許容するように制御され、
前記第2の切替機構は、前記内燃機関が停止し、かつ前記第1の回転電機が作動している状態において、前記第1の回転子が前記第1の回転部材に連結されるように制御され、
前記第2の回転電機は、前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転が許容され、かつ前記第1の回転子が前記第1の回転部材に連結された状態において、前記第1の回転子と前記第2の回転子との相対的な回転を抑制するように制御される、請求項2に記載のハイブリッド自動車。 - 前記第2の回転電機は直流電力により作動する、請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッド自動車。
- ハイブリッド自動車の制御装置であって、前記ハイブリッド自動車は、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に連結され、前記内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、前記第1の回転部材を前記駆動輪に連結した状態および前記第1の回転部材を前記駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、前記第1の回転部材に連結され、前記第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、前記第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が前記第1の回転部材に連結され、第2の回転子が前記第2の回転部材に連結され、前記第1の回転子および前記第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、前記第1の回転子を前記第1の回転部材に連結した状態および前記第1の回転子を前記第1の回転部材から切り離し、かつ前記第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構とを含み、
前記制御装置は、前記内燃機関が停止し、かつ前記第1の回転電機が作動している状態において、前記第1の回転子が前記第1の回転部材に連結されるように前記第2の切替機構を制御するための手段とを含む、ハイブリッド自動車の制御装置。 - 前記制御装置は、前記内燃機関の始動時に、前記第1の回転子と前記第2の回転子との相対的な回転を抑制するように前記第2の回転電機を制御するための手段をさらに含む、請求項6に記載のハイブリッド自動車の制御装置。
- ハイブリッド自動車の制御装置であって、前記ハイブリッド自動車は、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に連結され、前記内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、前記第1の回転部材を前記駆動輪に連結した状態および前記第1の回転部材を前記駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、前記第1の回転部材に連結され、前記第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、前記第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が前記第1の回転部材に連結され、第2の回転子が前記第2の回転部材に連結され、前記第1の回転子および前記第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、前記第1の回転子を前記第1の回転部材に連結した状態および前記第1の回転子を前記第1の回転部材から切り離し、かつ前記第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構と、前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を許容した状態と前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を抑制した状態とを切替える第3の切替機構とを含み、
前記制御装置は、
前記内燃機関の始動後において、前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を許容するように前記第3の切替機構を制御するための手段と、
前記内燃機関の始動後において、前記第1の回転子を前記第1の回転部材から切り離し、かつ前記第1の回転子の回転を抑制するように前記第2の切替機構を制御するための手段とを含む、ハイブリッド自動車の制御装置。 - ハイブリッド自動車の制御方法であって、前記ハイブリッド自動車は、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に連結され、前記内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、前記第1の回転部材を前記駆動輪に連結した状態および前記第1の回転部材を前記駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、前記第1の回転部材に連結され、前記第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、前記第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が前記第1の回転部材に連結され、第2の回転子が前記第2の回転部材に連結され、前記第1の回転子および前記第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、前記第1の回転子を前記第1の回転部材に連結した状態および前記第1の回転子を前記第1の回転部材から切り離し、かつ前記第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構とを含み、
前記制御方法は、前記内燃機関が停止し、かつ前記第1の回転電機が作動している状態において、前記第1の回転子が前記第1の回転部材に連結されるように前記第2の切替機構を制御するステップを含む、ハイブリッド自動車の制御方法。 - 前記制御方法は、前記内燃機関の始動時に、前記第1の回転子と前記第2の回転子との相対的な回転を抑制するように前記第2の回転電機を制御するステップをさらに含む、請求項9に記載のハイブリッド自動車の制御方法。
- ハイブリッド自動車の制御方法であって、前記ハイブリッド自動車は、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸に連結され、前記内燃機関から伝達されるトルクを第1の回転部材および第2の回転部材に伝達する遊星歯車機構と、前記第1の回転部材を前記駆動輪に連結した状態および前記第1の回転部材を前記駆動輪から切り離した状態を切替える第1の切替機構と、前記第1の回転部材に連結され、前記第1の回転部材が回転することにより作動する機器と、前記第1の回転部材に連結される第1の回転電機と、第1の回転子が前記第1の回転部材に連結され、第2の回転子が前記第2の回転部材に連結され、前記第1の回転子および前記第2の回転子が相対的に回転することにより発電する第2の回転電機と、前記第1の回転子を前記第1の回転部材に連結した状態および前記第1の回転子を前記第1の回転部材から切り離し、かつ前記第1の回転子の回転を抑制した状態を切替える第2の切替機構と、前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を許容した状態と前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を抑制した状態とを切替える第3の切替機構とを含み、
前記制御方法は、
前記内燃機関の始動後において、前記出力軸、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の相対的な回転を許容するように前記第3の切替機構を制御するステップと、
前記内燃機関の始動後において、前記第1の回転子を前記第1の回転部材から切り離し、かつ前記第1の回転子の回転を抑制するように前記第2の切替機構を制御するステップとを含む、ハイブリッド自動車の制御方法。
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