ところが、客(店員以外の商品を購入しない店内にいる者も含む)は、この除霜の間、庫内を流れているはずの冷気が流れていなかったりすると、ショーケース内の商品が適度に冷蔵、冷凍されているかについて不安感を抱き、ショーケースの除霜が購買意欲を減退させることとなる可能性がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、商品の冷却状態について客等に不安感を抱くことを防止し、適切なタイミングで除霜を行うことのできる冷凍装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、店内に設置されたショーケースの冷却運転を行うと共に、所定の冷却運転時間が経過する毎に除霜運転を行う冷凍装置であって、上記店内の客数を示すデータを測定する測定手段と、前回除霜運転時から上記所定の冷却運転時間が経過した際に、上記測定手段のデータが所定値以上であると、上記除霜運転を開始する代わりに上記冷却運転を継続して除霜運転を制限する除霜制限手段(204)とを備えている。
この第1の発明では、前回除霜運転時から上記所定の冷却運転時間が経過した除霜開始時刻となっても、上記測定手段のデータが所定値以上であれば、上記店内の客数が多いと判断されて、上記除霜制限手段(204)が、除霜運転を開始する代わりに冷却運転を継続する。このようにして、店内の客数が多いときには、除霜運転を防止することにより、店内の多数の客がショーケース内の商品の冷却状態に不安感を抱くことを防止する。
第2の発明は、店内に設置されたショーケースの冷却運転を行うと共に、所定の冷却運転時間が経過する毎に除霜運転を行う冷凍装置であって、上記店内の客数の示すデータを測定する測定手段(300)と、該測定手段(300)のデータに基づいて、所定時間内に上記店に出入りした客の入出者数を示すデータを導出する導出手段(201)と、前回除霜運転時から上記所定の冷却運転時間が経過した際に、上記導出手段(201)のデータが所定値以上であると、上記除霜運転を開始する代わりに上記冷却運転を継続して除霜運転を制限する除霜制限手段(204)とを備えている。
この第2の発明では、上記導出手段(201)が、上記測定手段(300)のデータに基づいて所定時間内の上記店に出入りした客の入出者数を示すデータを導出し、前回除霜運転時から上記所定の冷却運転時間が経過した除霜開始時刻となっても、上記導出手段(201)のデータが所定値以上であれば、上記所定時間内の入出者数が多いと判断して、上記除霜制限手段(204)が、除霜運転を開始する代わりに冷却運転を継続する。このようにして、店内の入出者数が多いときには、除霜運転を防止することにより、店内の多数の客がショーケース内の商品の冷却状態に不安感を抱くことを防止する。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、上記冷媒回路(20)の蒸発器(131)によりショーケースの冷却を行うように構成されている。
この第3の発明では、第1又は第2の発明における冷凍装置の一例である。
第4の発明は、第3の発明において、上記除霜制限手段(204)による冷却運転時に、上記蒸発器(131)の着霜を抑制する抑制手段(205)を備えている。
この第4の発明では、第3の発明において、上記除霜制限手段(204)による冷却運転時に、上記抑制手段(205)が上記蒸発器(131)の冷却能力を低下させないように着霜を抑制する。
第5の発明は、第4の発明において、上記抑制手段(205)は、上記蒸発器(131)のファン(135)の風量を低減させるように構成されている。
この第5の発明では、上記抑制手段(205)が、上記蒸発器(131)のファン(135)の風量を低減させることにより、上記蒸発器(131)を流れる冷媒と熱交換するショーケース内の空気の量を減少させて、上記蒸発器(131)の着霜を抑制する。
第6の発明は、第4の発明において、上記蒸発器(131)の入口側には膨張弁(132)が設けられ、上記抑制手段(205)は、上記膨張弁(132)の開度を小さくするように構成されている。
この第6の発明では、上記抑制手段(205)が、上記膨張弁(132)の開度を小さくさせることにより、上記冷媒回路(20)を流れる冷媒の循環量を少なくして、上記蒸発器(131)の着霜を抑制する。
第7の発明は、第1又は第2の発明において、上記除霜制限手段(204)による冷却運転が所定期間継続した後に、上記除霜運転を開始するように制御する除霜開始手段(206)を備えている。
この第7の発明では、第1又は第2の発明において、上記除霜開始手段(206)が、上記除霜制限手段(204)による冷却運転が所定期間継続した後に、強制的に除霜運転を開始させる。
第8の発明は、第1又は第2の発明において、上記測定手段のデータは、上記店内の室内温度である。
この第8の発明では、第1の発明においては、上記店内の客数が多ければ、室内温度が上昇することを利用して、上記店内の客数及び所定時間内の入出者数の大小を判断する。
第9の発明は、第1又は第2の発明において、上記測定手段のデータは、上記ショーケースの庫内温度である。
この第9の発明では、第1の発明においては、上記店内の客数が多ければ、ショーケースの開閉扉の開閉回数が多くなるために、庫内温度が上昇することを利用して、上記店内の客数及び所定時間内の入出者数の大小を判断する。
第10の発明は、第2の発明において、上記測定手段(300)のデータは、上記店の出入口の扉の開閉回数である。
この第10の発明では、上記店に出入りする客が多ければ、上記店の出入口の扉の開閉回数が多くなることを利用して、上記店内の所定時間内の入出者数の大小を判断する。
第11の発明は、第2の発明において、上記測定手段は、人感知センサであり、上記測定手段のデータは、上記人感知センサの人の感知数である。
この第11の発明では、上記店の客数が多ければ、上記人感知センサの感知数が多くなることを利用して、上記店内の所定時間内の入出者数の大小を判断する。
第12の発明は、第2の発明において、上記測定手段のデータは、金銭登録器に入力される客の数である。
この第12の発明では、上記店の客数が多ければ、上記金銭登録器に入力される客の数が多くなることを利用して、上記店内の所定時間内の入出者数の大小を判断する。
第13の発明は、上記測定手段のデータは、上記ショーケースの開閉扉の開閉回数である。
この第13の発明では、上記店の客数が多ければ、上記ショーケースの開閉扉の開閉回数が多くなることを利用して、上記店内の所定時間内の入出者数の大小を判断する。
上記第1の発明によれば、上記除霜制限手段(204)が、前回除霜運転時から上記所定の冷却運転時間が経過した除霜開始時刻であっても、上記測定手段のデータが所定値以上であれば、除霜運転を開始する代わりに冷却運転を継続するようにしたために、店内の客数が多いときには、除霜運転が行われることを防止することができるので、店内の多数の客がショーケース内の商品の冷却状態に不安感を抱くことを防止することができる。
また、上記第2の発明によれば、上記導出手段(201)が、上記測定手段(300)のデータに基づいて所定時間内の上記店に出入りした客の入出者数を示すデータを測定し、上記除霜制限手段(204)が、前回除霜運転時から上記所定の冷却運転時間が経過した除霜開始時刻に、上記導出手段(201)のデータが所定値以上であれば、除霜運転を開始する代わりに冷却運転を継続するようにしたために、店内の入出者数が多いときには、除霜運転が行われることを防止することができるので、店内の多数の客がショーケース内の商品の冷却状態に不安感を抱くことを防止することができる。
また、上記第3の発明によれば、第1又は第2の発明の冷凍装置の一例であって、蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷媒回路(20)の蒸発器(131)によってショーケースを冷却することができる。
また、上記第4の発明によれば、第3の発明において、上記除霜制限手段(204)による冷却運転時に、上記抑制手段(205)が上記蒸発器(131)の着霜を抑制するようにしたために、上記蒸発器(131)により冷却能力の低下を防止することができる。
また、上記第5の発明によれば、上記抑制手段(205)が、上記蒸発器(131)のファン(135)の風量を低減させるようにしたために、上記蒸発器(131)を流れる冷媒と熱交換するショーケース内の空気の量を減少させることができるので、上記蒸発器(131)の着霜を抑制することができる。
また、上記第6の発明によれば、上記抑制手段(205)が、上記膨張弁(132)の開度を小さくさせるようにしたために、上記冷媒回路(20)を流れる冷媒の循環量を少なくすることができるので、上記蒸発器(131)の着霜を抑制することができる。
また、上記第7の発明によれば、第1又は第2の発明において、上記除霜開始手段(206)が、上記除霜制限手段(204)による冷却運転が所定期間継続した後に除霜運転を開始させるようにしたために、前回除霜運転時から所定期間経過した除霜開始時刻から所定期間継続した後には、必ず除霜運転を行うことができる。
また、上記第8の発明によれば、第1又は第2の発明において、上記測定手段のデータを上記店内の室内温度としたために、店内の客数が多ければ室内温度が高くなることを利用して、上記店内の客数及び所定時間内の入出者数の大小を容易に判断することができる。
また、上記第9の発明によれば、第1又は第2の発明において、上記測定手段のデータをショーケースの庫内温度としたために、上記店内の客数が多ければ、ショーケースの開閉扉の開閉回数が多くなることによって庫内温度が上昇することを利用して、上記店内の客数及び所定時間内の入出者数の大小を容易に判断することができる。
また、上記第10の発明によれば、第2の発明において、上記測定手段(300)のデータを上記店の出入口の扉の開閉回数としたために、上記店に出入りする客が多ければ、上記店の出入口の扉の開閉回数が多くなることを利用して、上記店内の所定時間内の入出者数の大小を容易に判断することができる。
また、上記第11の発明によれば、第2の発明において、上記測定手段が人感知センサであり、上記測定手段のデータを上記人感知センサの人の感知数としたために、上記店の客数が多ければ、上記人感知センサの感知数が多くなることを利用して、上記店内の所定時間内の入出者数の大小を容易に判断することができる。
また、上記第12の発明によれば、第2の発明において、上記測定手段のデータを金銭登録器に入力される客の数としたために、上記店の客数が多ければ、上記金銭登録器に入力される客の数が多くなることを利用して、上記店内の所定時間内の入出者数の大小を容易に判断することができる。
また、上記第13の発明によれば、第2の発明において、上記測定手段のデータは、上記ショーケースの開閉扉の開閉回数としたために、上記店の客数が多ければ、上記ショーケースの開閉扉の開閉回数が多くなることを利用して、上記店内の所定時間内の入出者数の大小を容易に判断することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態》
図1に示すように、本発明の冷凍装置(10)は、コンビニエンスストアなどの商店に設置される冷凍装置であって、室内の空調運転を行うと共に、冷蔵ショーケースの冷却運転と、冷凍ショーケースの冷却運転及び除霜運転を行うものである。上記冷凍装置(10)は、室外ユニット(1)と、ブースタユニット(2)と、冷凍ユニット(3)と、冷蔵ユニット(4)と、空調ユニット(5)と、制御部(200)とを備えている。上記室外ユニット(1)は屋外に設置され、その他のユニット(2,3,4,5)は店内に設置されている。また、上記冷凍ユニット(3)は、上記冷凍ショーケースの冷却を行い、上記冷蔵ユニット(4)は、上記冷蔵ショーケースの冷却を行うように構成されている。
上記冷凍装置(10)には、図2に示すように、上記室外ユニット(1)に室外回路(40)が、上記空調ユニット(5)に空調回路(100)が、上記冷蔵ユニット(4)に冷蔵庫内回路(110)が、冷凍ユニット(3)に冷凍庫内回路(130)が、ブースタユニット(3)にはブースタ回路(140)がそれぞれ設けられている。上記冷凍装置(10)では、これらの回路(40,100,…)を配管で接続することによって蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷媒回路(20)が構成されている。
具体的に、上記冷媒回路(20)においては、冷凍庫内回路(130)及びブースタ回路(140)が直列に接続されて、冷凍回路(30)を構成し、該冷凍回路(30)と冷蔵庫内回路(110)とが室外回路(40)に対して互いに並列接続されている。冷蔵庫内回路(110)及び冷凍回路(30)は、第1液側連絡配管(21)及び第1ガス側連絡配管(22)を介して室外回路(40)に接続されている。第1液側連絡配管(21)の一端は、室外回路(40)に接続され、他端は2つに分岐して、分岐した一方が冷蔵庫内回路(110)の液側端に接続され、他方が液側閉鎖弁(31)に接続されている。第1ガス側連絡配管(22)の一端は、室外回路(40)に接続され、他端は2つに分岐して、分岐した一方が冷蔵庫内回路(110)のガス側端に接続され、他方がガス側閉鎖弁(32)に接続されている。
また、上記冷媒回路(20)においては、空調回路(100)が、第2液側連絡配管(23)及び第2ガス側連絡配管(24)を介して室外回路(40)に接続されている。上記第2液側連絡配管(23)の一端は、室外回路(40)に接続され、他端は、空調回路(100)の液側端に接続されている。第2ガス側連絡配管(24)の一端は、室外回路(40)に接続され、他端は、空調回路(100)のガス側端に接続されている。
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット(1)の室外回路(40)には、可変容量圧縮機(41)と、固定容量圧縮機(42)と、室外熱交換器(43)と、レシーバ(44)と、室外膨張弁(45)とが設けられている。また、室外回路(40)には、四路切換弁(51,52)と、液側閉鎖弁(53,55)と、ガス側閉鎖弁(54,56)とが2つずつ設けられている。この室外回路(40)において、第1液側閉鎖弁(53)には第1液側連絡配管(21)が、第1ガス側閉鎖弁(54)には第1ガス側連絡配管(22)が、第2液側閉鎖弁(55)には第2液側連絡配管(23)が、第2ガス側閉鎖弁(56)には第2ガス側連絡配管(24)がそれぞれ接続されている。
可変容量圧縮機(41)の吸入側には、第1吸入管(61)の一端が接続されている。第1吸入管(61)の他端は、第1ガス側閉鎖弁(54)に接続されている。一方、固定容量圧縮機(42)の吸入側には、第2吸入管(62)の一端が接続されている。第2吸入管(62)の他端は、第2四路切換弁(52)に接続されている。また、第1吸入管(61)には吸入接続管(63)の一端が接続され、第2吸入管(62)には吸入接続管(63)の他端が接続されている。この吸入接続管(63)には、該吸入接続間(63)の一端から他端へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-1)が設けられている。
可変容量圧縮機(41)及び固定容量圧縮機(42)には、吐出管(64)が接続されている。吐出管(64)の一端は、第1四路切換弁(51)に接続され、他端は、第1分岐管(64a)と第2分岐管(64b)とに分岐されている。上記第1分岐管(64a)が可変容量圧縮機(41)の吐出側に接続され、上記第2分岐管(64b)が固定容量圧縮機(42)の吐出側に接続されている。吐出管(64)の第2分岐管(64b)には、固定容量圧縮機(42)から第1四路切換弁(51)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-3)が設けられている。また、吐出管(64)には、吐出接続管(65)の一端が接続され、該吐出接続管(65)の他端は、第2四路切換弁(52)に接続されている。
室外熱交換器(43)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷媒と室外空気との間で熱交換を行うものである。室外熱交換器(43)の一端は、閉鎖弁(57)を介して第1四路切換弁(51)に接続されている。一方、室外熱交換器(43)の他端は、第1液管(81)を介してレシーバ(44)の頂部に接続されている。この第1液管(81)には、室外熱交換器(43)からレシーバ(44)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
レシーバ(44)の底部には、閉鎖弁(58)を介して第2液管(82)の一端が接続され、該第2液管(82)の他端は、第1分岐管(82a)と第2分岐管(82b)とに分岐されている。上記第2液管(82)の第1分岐管(82a)は、第1液側閉鎖弁(53)に接続され、第2分岐管(82b)は、第2液側閉鎖弁(55)に接続されている。上記第2液管(82)の第2分岐管(82b)には、レシーバ(44)から第2液側閉鎖弁(55)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-5)が設けられている。
第2液管(82)の第2分岐管(82b)において、逆止弁(CV-5)と第2液側閉鎖弁(55)の間には、第3液管(83)の一端が接続されている。第3液管(83)の他端は、レシーバ(44)の頂部に接続されている。また、第3液管(83)には、その一端から他端へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-6)が設けられている。
上記第2液管(82)における閉鎖弁(58)の下流には、第4液管(84)の一端が接続され、該第4液管(84)の他端は、第1液管(81)における室外熱交換器(43)と逆止弁(CV-4)の間に接続されている。また、第4液管(84)には、室外膨張弁(45)が設けられている。
第1四路切換弁(51)は、第1のポートが吐出管(64)に、第2のポートが第2四路切換弁(52)に、第3のポートが室外熱交換器(43)に、第4のポートが第2ガス側閉鎖弁(56)にそれぞれ接続されている。この第1四路切換弁(51)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
第2四路切換弁(52)は、第1のポートが吐出接続管(65)に、第2のポートが第2吸入管(62)に、第4のポートが第1四路切換弁(51)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、第2四路切換弁(52)は、その第3のポートが封止されている。この第2四路切換弁(52)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
室外回路(40)には、油分離器(70)、油戻し管(71)、インジェクション管(85)、及び連通管(87)も設けられている。更に、室外回路(40)には、均油管(72,73)と吸入側配管(66,67)とが2つずつ設けられている。
油分離器(70)は、吐出管(64)に設けられ、圧縮機(41,42)の吐出ガスから冷凍機油を分離するためのものである。油分離器(70)には、油戻し管(71)の一端が接続され、該油戻し管(71)の他端は、第1吸入管(61)に接続されている。上記油戻し管(71)には、電磁弁(SV-5)が設けられ、該電磁弁(SV-5)を開くと、油分離器(70)で分離された冷凍機油が、可変容量圧縮機(41)の吸入側へ送り返される。
第1均油管(72)は、一端が可変容量圧縮機(41)に接続され、他端が第2吸入管(62)に接続され、電磁弁(SV-1)を備えている。一方、第2均油管(73)は、一端が固定容量圧縮機(42)に接続され、他端が第1吸入管(61)に接続され、電磁弁(SV-2)を備えている。上記電磁弁(SV-1,SV-2)を適宜開閉することにより、各圧縮機(41,42)における冷凍機油の貯留量が平均化される。
第1吸入側配管(66)は、一端が第2吸入管(62)に接続され、他端が第1吸入管(61)に接続されている。第1吸入側配管(66)には、該第1吸入側配管(66)の一端から他端へ向かって順に、電磁弁(SV-3)と逆止弁(CV-2)とが設けられている。この逆止弁(CV-2)は、第1吸入側配管(66)の一端から他端へ向かう冷媒の流通だけを許容する。一方、第2吸入側配管(67)は、第1吸入側配管(66)における電磁弁(SV-3)の両側を繋ぐように接続されている。第2吸入側配管(67)には、電磁弁(SV-4)が設けられている。
インジェクション管(85)は、いわゆる液インジェクションを行うためのものである。インジェクション管(85)は、一端が閉鎖弁(59)を介して第4液管(84)に接続され、他端が第1吸入管(61)に接続されている。インジェクション管(85)には、開度調整可能な流量調節弁(86)が設けられている。インジェクション管(85)における閉鎖弁(59)と流量調節弁(86)との間には、連通管(87)の一端が接続されている。該連通管(87)の他端は、油戻し管(71)における油分離器(70)と電磁弁(SV-5)の間に接続されている。連通管(87)には、その一端から他端へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-7)が設けられている。
上記室外回路(40)には、各種の圧力センサ(93,94,97)や温度センサ(91,92,96)、圧力スイッチ(95)も設けられている。また、上記室外ユニット(1)には、外気温センサ(90)と室外ファン(48)とが設けられている。室外熱交換器(43)へは、この室外ファン(48)によって室外空気が送られる。
〈空調ユニット〉
上記空調ユニット(5)の空調回路(100)には、その液側端からガス側端へ向かって順に、空調膨張弁(102)と空調熱交換器(101)とが設けられている。該空調熱交換器(101)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷媒と室内空気との熱交換を行うものである。上記空調膨張弁(102)は開度調整可能に構成されている。
上記空調ユニット(5)には、熱交換器温度センサ(103)と、冷媒温度センサ(104)と、室内温度センサ(106)と、空調ファン(105)とが設けられている。上記空調熱交換器(101)へは、上記空調ファン(105)によって、店内の室内空気が送られる。
〈冷蔵ユニット〉
上記冷蔵ユニット(4)の冷蔵庫内回路(110)には、その液側端からガス側端へ向かって順に、冷蔵膨張弁(112)と冷蔵熱交換器(111)とが設けられている。該冷蔵熱交換器(111)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷媒と冷蔵ショーケース内の空気との間で熱交換を行うものである。上記冷蔵膨張弁(112)は、開度調整可能に構成されている。
上記冷蔵ユニット(4)には、熱交換器温度センサ(113)と、冷媒温度センサ(114)と、冷蔵庫内温度センサ(116)と、冷蔵庫内ファン(115)とが設けられている。冷蔵熱交換器(111)へは、この冷蔵庫内ファン(115)によって、冷蔵ショーケース内の空気が送られる。
〈冷凍ユニット〉
上記冷凍ユニット(3)の冷凍庫内回路(130)には、その液側端からガス側端へ向かって順に、冷凍膨張弁(132)と冷凍熱交換器(131)とが設けられている。該冷凍熱交換器(131)は、蒸発器に構成されている。上記冷凍熱交換器(131)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷媒と冷凍ショーケース内の空気との間で熱交換を行うものである。上記冷凍膨張弁(132)は、開度調整可能に構成されている。
上記冷凍ユニット(3)には、熱交換器温度センサ(133)と、冷媒温度センサ(134)と、冷凍庫内温度センサ(136)と、冷凍庫内ファン(135)とが設けられている。冷凍熱交換器(131)へは、この冷凍庫内ファン(135)によって、冷凍ショーケース内の空気が送られる。
〈ブースタユニット〉
上記ブースタユニット(3)のブースタ回路(140)には、ブースタ圧縮機(141)と、四路切換弁(142)と、バイパス管(150)とが設けられている。
上記ブースタ圧縮機(141)の吸入側には、吸入管(143)の一端が接続され、吐出側には、吐出管(144)の一端が接続されている。
上記四路切換弁(142)には、第1のポートに吐出管(144)の他端が接続され、第2のポートに吸入管(143)の他端が接続されている。また、四路切換弁(142)は、第3のポートが配管を介してガス側閉鎖弁(32)に接続され、第4のポートが配管を介して冷凍庫内回路(130)のガス側端に接続されている。この四路切換弁(142)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図2に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図2に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
上記吐出管(144)には、ブースタ圧縮機(141)から四路切換弁(142)へ向かって順に、油分離器(145)と、高圧圧力スイッチ(148)と、吐出側逆止弁(149)とが設けられている。吐出側逆止弁(149)は、ブースタ圧縮機(141)から四路切換弁(142)へ向かう冷媒の流通だけを許容する。
油分離器(145)は、ブースタ圧縮機(141)の吐出ガスから冷凍機油を分離するためのものである。油分離器(145)には、油戻し管(146)の一端が接続され、該油戻し管(146)の他端は、吸入管(143)に接続されている。上記油戻し管(146)には、キャピラリチューブ(147)が設けられている。上記油分離器(145)で分離された冷凍機油は、油戻し管(146)を通じてブースタ圧縮機(141)の吸入側へ送り返される。
上記バイパス管(150)の一端は、四路切換弁(142)と冷凍庫内回路(130)を繋ぐ配管に接続されている。バイパス管(150)の他端は、吐出管(64)における油分離器(145)と吐出側逆止弁(149)の間に接続されている。また、バイパス管(150)には、その一端から他端へ向かう冷媒の流通だけを許容するバイパス逆止弁(151)が設けられている。バイパス配管は、ブースタ圧縮機(141)の停止中にだけブースタ圧縮機(141)をバイパスして冷媒が流すものである。
〈制御部〉
上記制御部(200)は、上記空調ユニット(5)の空調運転(冷房・暖房)と、上記冷蔵ユニット(4)の冷却運転と、上記冷凍ユニット(3)の冷却運転と除霜運転とを行うように、冷媒回路(20)の冷媒流路の切換などを制御するものである。上記制御部(200)には、店内の出入口の開閉を制御する自動ドア制御部(300)が接続されている。
上記自動ドア制御部(300)は、所定の踏み台(又は、ドアに設けられた所定のボタン、ドア近傍に設けられた人感センサなど)によって、店の出入口となるドアの間近に人がいることを検知した際、モータを駆動してドアの開閉を制御すると共に、該ドアの開閉回数を、店内の客数を示すデータとして測定する測定手段に構成されている。
また、制御部(200)及び自動ドア制御部(300)はマイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成され、制御部(200)には有線の信号線を介して、又は無線で自動ドア制御部(300)が接続されている。
上記制御部(200)は、図3に示すように、客の入り大小判断設定部(201)と、客の入り大小判断部(202)と、除霜制限部(204)と、着霜抑制部(205)と、除霜開始部(206)と、除霜運転部(203)とを備えている。
上記客の入り大小判断設定部(201)は、測定手段である上記自動ドア制御部(300)によって測定されたドアの開閉回数に基づいて、所定時間(例えば10分間)内に上記店に出入りした客の入出者数を示すデータを導出する導出手段に構成されている。具体的に、上記客の入り大小判断設定部(201)は、10分間の自動ドアの累積開閉回数を導出し、該累積開閉回数が所定値(例えば20回)以上であるかによって、客の入りの大小を設定するものである。また、上記客の入り大小判断部(202)は、前回除霜運転時から所定の冷却運転時間(例えば6時間)が経過した除霜開始時刻に、上記客の入り大小判断設定部(201)の信号を受けて、客の入りが小であれば除霜運転部(203)に信号を送り、大であれば除霜制限部(204)に信号を送るものである。
上記除霜運転部(203)は、上記客の入り大小判断部(202)からの信号を受けて、除霜運転を開始させるものである。一方、上記除霜制限部(204)は、上記客の入り大小判断部(202)からの信号を受けて、前回除霜運転時から所定の冷却運転時間が経過した除霜開始時刻であっても、除霜運転を開始する代わりに、冷却運転を継続する除霜制限手段に構成されている。また、上記着霜抑制部(205)は、上記除霜制限部(204)による冷却運転時に、上記冷凍熱交換器(131)の着霜を抑制する抑制手段に構成されている。具体的に、上記着霜抑制部(205)は、上記冷凍熱交換器の冷凍庫内ファン(135)の風量を低減するように構成されている。上記除霜開始部(206)は、上記除霜制限部(205)による冷却運転が所定期間(例えば1時間)継続した後に、上記除霜運転を強制的に開始するように除霜開始手段に構成されている。
−運転動作−
次に、本実施形態の冷凍装置(10)の運転動作について説明する。ここでは、一例として、室内の冷房運転中における冷凍及び冷蔵ショーケースの冷却運転と冷凍ショーケースの除霜運転とについて説明する。
〈冷却運転〉
空調ユニット(5)の冷房運転中における冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却運転においては、図4に示すように、室外回路(40)の第1四路切換弁(51)及び第2四路切換弁(52)が第1状態に設定され、室外膨張弁(45)が全閉される一方、空調膨張弁(102)、冷蔵膨張弁(112)、及び冷凍膨張弁(132)の開度が適宜調節される。また、ブースタ回路(140)では、四路切換弁(142)が第1状態に設定される。また、この状態において、可変容量圧縮機(41)、固定容量圧縮機(42)、及びブースタ圧縮機(141)が運転される。
可変容量圧縮機(41)及び固定容量圧縮機(42)から吐出された冷媒は、吐出管(64)から第1四路切換弁(51)を通って室外熱交換器(43)へ送られる。室外熱交換器(43)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(43)で凝縮した冷媒は、レシーバ(44)を通過して第2液管(82)へ流入し、第2液管(82)の各分岐管(82a,82b)へ分配される。
第2液管(82)の第1分岐管(82a)へ流入した冷媒は、第1液側連絡配管(21)を流れた後に、冷蔵庫内回路(110)と冷凍庫内回路(130)とに分配される。
冷蔵庫内回路(110)へ流入した冷媒は、冷蔵膨張弁(112)を通過する際に減圧されてから冷蔵熱交換器(111)へ導入される。冷蔵熱交換器(111)では、冷媒が冷蔵ショーケース内の空気から吸熱して、例えば−5℃程度の設定温度で蒸発する。冷蔵ユニット(4)においては、冷蔵熱交換器(111)で冷却された空気が冷蔵ショーケース内へ供給され、冷蔵ショーケース内温度が例えば5℃程度に保たれる。
冷凍庫内回路(130)へ流入した冷媒は、冷凍膨張弁(132)を通過する際に減圧されてから冷凍熱交換器(131)へ導入される。冷凍熱交換器(131)では、冷媒が冷凍ショーケース内の空気から吸熱して、例えば−30℃程度の設定温度で蒸発する。冷凍ユニット(3)においては、冷凍熱交換器(131)で冷却された空気が冷凍ショーケース内へ供給され、冷凍ショーケース内温度が例えば−20℃程度に保たれる。
上記冷凍熱交換器(131)で蒸発した冷媒は、ブースタ回路(140)へ流入し、四路切換弁(142)を通ってブースタ圧縮機(141)へ吸入される。ブースタ圧縮機(141)で圧縮された冷媒は、吐出管(144)から四路切換弁(142)を通って第1ガス側連絡配管(22)へ流入する。
第1ガス側連絡配管(22)では、冷蔵庫内回路(110)を流れた冷媒と、ブースタ回路(140)を流れた冷媒とが合流する。その後、これらの冷媒は、第1吸入管(61)を通って、可変容量圧縮機(41)に吸入される。可変容量圧縮機(41)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出管(64)の第1分岐管(64a)へ吐出する。
一方、第2液管(82)の第2分岐管(82b)へ流入した冷媒は、第2液側連絡配管(23)を通じて空調回路(100)へ供給される。空調回路(100)へ流入した冷媒は、空調膨張弁(102)を通過する際に減圧されてから空調熱交換器(101)へ導入される。空調熱交換器(101)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。空調ユニット(5)では、空調熱交換器(101)で冷却された室内空気が店内へ供給される。空調熱交換器(101)で蒸発した冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)を通って室外回路(40)へ流入し、第1四路切換弁(51)と第2四路切換弁(52)とを順に通過した後に、第2吸入管(62)を通って固定容量圧縮機(42)に吸入される。固定容量圧縮機(42)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出管(64)の第2分岐管(64b)へ吐出する。
〈除霜運転〉
上記冷凍ショーケースの除霜運転時においては、冷凍ユニット(3)の冷凍熱交換器(131)内で冷媒を逆流させる逆サイクルデフロストが行われる。冷蔵ユニット(4)と冷凍ユニット(3)とブースターユニット(2)とにおける冷媒の流れが上記冷却運転とは異なるが、室外ユニット(1)及び空調ユニット(5)における冷媒の流れは上記冷却運転中と同じである。ここでは、冷却運転中と異なる点を説明する。
上記除霜運転時には、図5に示すように、ブースタ回路(140)の四路切換弁(142)が第2状態に設定され、冷凍膨張弁(132)が全開状態に保持される。
上記冷蔵熱交換器(111)で蒸発した冷媒は、第1ガス側連絡配管(22)を流れて、その一部がブースタ回路(140)に取り込まれる。そして、該ブースター回路(140)に取り込まれた冷媒は、吸入管(143)を流れた後に、ブースタ圧縮機(141)へ吸入されて圧縮される。冷媒は吐出管(144)を流れた後に、冷凍庫内回路(130)の冷凍熱交換器(131)に流入し、該冷凍熱交換器で放熱して凝縮する。冷凍熱交換器(131)に付着した霜は、冷媒の凝縮熱によって加熱されて融解する。
冷凍熱交換器(131)で凝縮した冷媒は、全開状態の冷凍膨張弁(132)を通って第1液側連絡配管(21)へ流入し、室外回路(40)から送り出された冷媒と共に冷蔵庫内回路(110)の冷蔵膨張弁(112)を通過して冷蔵熱交換器(111)へ送り返される。
このように、上記冷凍装置(10)の除霜運転では、冷蔵ユニット(4)の冷蔵ショーケース内空気から冷媒が吸熱した熱と、ブースタ圧縮機(141)において冷媒に付与された熱とが冷凍熱交換器(131)の除霜に利用される。また、冷凍膨張弁(132)が全開状態に保持されているために、冷凍熱交換器(131)で凝縮した冷媒が冷蔵熱交換器(111)へ送り返されて、冷蔵ショーケース内の内空気の冷却に再度利用される。
〈制御部の動作〉
上記制御部(200)においては、上記冷却運転と上記除霜運転とが行われるように制御される。上記除霜運転は、原則として、店への客の入りの少ない午前10時から所定の冷却運転時間が経過する(例えば、6時間)毎の除霜開始時刻から15〜30分程度行われるが、図3、図6、図7に示す制御部(200)の処理によって、店内の客の入りが多いと判断されたときは、除霜開始時刻であっても、除霜運転を開始する代わりに、冷却運転を継続するように制御される。
上記制御部(200)では、図3に示すように、上記客の入り大小判断設定部(201)に、上記自動ドア制御部(300)からドアが開閉される毎に信号が伝えられる。上記客の入り大小判断設定部(201)では、図6に示すように、ステップST11において10分間のドアの開閉回数が20回以上であれば、フラグに1が代入されて客の入りが大と設定され(ステップST12)、20回より少なければ、フラグに0が代入されて客の入りが小と設定され(ステップST13)、この処理を10分間毎に繰り返す。そして、前回除霜運転時から6時間が経過した除霜開始時刻になると、上記客の入り大小判断設定部(201)から客の入り大小判断部(202)に客の入り大小設定の信号が伝達され、以後除霜運転が開始されるまで、上記客の入り大小判断設定部(201)の処理毎(10分間毎)に信号が伝達される。
上記制御部(200)の除霜運転制御では、図7に示すように、まず、ステップST21において、上記客の入り大小判断部(202)により、前回除霜運転時から6時間が経過したかどうかが判断される。そして、6時間未満であれば、ステップST22において冷凍庫内ファン(135)の回転数が通常に設定され、通常の冷却運転が行われ、本処理は終了する。
また、ステップST21において、上記客の入り大小判断部(202)により、前回除霜運転時から6時間が経過していると判断されれば、ステップST23において、上記客の入り大小判断設定部(201)から上記客の入り大小判断部(202)へ客の入りの大小設定の信号が伝達される。そして、客の入り大小判断部(202)に伝達された信号が小であれば、除霜運転部(203)に信号が伝えられ、ステップST24において除霜運転が開始される。
一方、ステップST23において、上記客の入り大小判断部(202)に伝達された信号が大であれば、客の入り大小判断部(202)から除霜制限部(204)へ信号が伝えられてステップST25へと進む。ステップST25においては、前回除霜運転時から6時間から、さらに所定期間(例えば、1時間)が経過しているか、即ち前回除霜運転時から7時間経過しているかが判断される。ステップST25で、前回除霜運転時から7時間未満と判断されれば、上記除霜制限部(204)から上記着霜抑制部(205)に信号が伝えられてステップST26に進む。ステップST26においては、上記着霜抑制部(205)によって、除霜運転が開始される代わりに、冷凍庫内ファン(135)の回転数が、例えば通常時の70〜80%程度に設定され、冷凍熱交換器(131)に霜が付きにくくなるように制御されながら、冷却運転が継続される。
また、ステップST25において、前回除霜運転時から7時間以上が経過していると判断されれば、上記除霜制限部(204)から除霜開始部(206)に信号が伝えられ、ステップST24において、除霜開始部(206)から除霜運転部(203)へ除霜運転を開始するように伝えられる。
−実施形態の効果−
上記冷凍装置(10)では、あらかじめ設定された除霜開始時刻となっても、店の出入口となる自動ドアの10分間の開閉回数が20回以上であれば、店の入出者数が多いと判断されて、除霜制限部(204)によって冷凍ユニット(3)の除霜運転の代わりに冷却運転が行われるので、店内の多数の客が商品の冷却状態に対して不安感を抱くことを防止することができる。
また、上記冷凍装置(10)では、除霜制限部(204)による冷却運転中に、冷凍庫内ファン(135)の回転数を低減させることによって着霜を抑制するようにしたために、冷凍熱交換器(131)の冷却能力の低下を防止することができる。
また、上記除霜開始部(206)によって、除霜開始時刻から1時間経過後には、強制的に除霜を開始させるようにしたために、適切なタイミングで除霜運転を行うとともに、冷凍熱交換器(131)の冷却能力の低下を防止することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態の冷凍装置(10)では、除霜運転の一例として、冷凍ユニット(3)の逆サイクルデフロストを示したが、除霜運転の方法はこれに限られない。冷凍ユニット(3)と同様に、冷蔵ユニット(4)の除霜運転を行うようにしてもよく、例えば、冷凍ユニットと冷蔵ユニットとを共に逆サイクルデフロストを行うような冷凍装置であってもよいし、蒸発器内の冷媒を一定時間流れさせないようにするオフサイクルデフロストやヒーター方式の除霜を行うような除霜運転を行う冷凍装置であってもよい。また、店内の暖房運転中における冷却運転及び除霜運転においても同様の制御を行ってもよい。
また、上記冷凍装置(10)では、上記着霜抑制部(205)によって冷凍庫内ファン(135)の回転数を低減させて、冷凍熱交換器(131)の着霜を抑制したが、第6の発明においては、上記着霜抑制部(205)が、冷凍庫内ファン(135)の回転数を低減に加えて、又は冷凍庫内ファン(135)の回転数を低減に代わって、冷凍膨張弁(132)の開度を低減させることにより、着霜を抑制するようにしてもよい。
また、上記冷凍装置(10)は、原則として、6時間毎に除霜運転を行うようにしたが、除霜運転を行う間隔(前回除霜運転時から所定の冷却運転時間が経過する毎)は6時間に限られない。また、10分間の自動ドアの累積開閉回数が20回以上であるかどうかによって客の入りの大小を判断するようにしたが、店内の客の入出者数を導出するための所定時間及び所定値は、特に限定されない。
さらに、測定手段による店内の客数を示すデータとしては、店の自動ドアの開閉回数以外のものを用いてもよい。具体的に、第8の発明においては、店内の室内温度を用いてもよいし、第9の発明においては、ショーケースの庫内温度を用いてもよいし、第11の発明においては、人感知センサによる人の感知数を用いてもよいし、第12の発明においては、金銭登録器に入力される客の数を用いてもよいし、第13の発明においては、上記ショーケースの開閉扉の開閉回数を用いてもよい。
また、本実施形態では、測定手段である自動ドア制御部(300)により自動ドアの開閉回数を測定し、さらに導出手段である客の入り大小判断設定部(201)により所定時間内の自動ドアの累積開閉回数を導出して、除霜運転を制御しているが、第1の発明においては、測定手段によって測定されたデータのみによって、除霜運転を制御してもよい。この場合、測定手段のデータとしては、第8の発明における店内の室内温度や、第9の発明におけるショーケースの庫内温度などを用い、例えば、除霜開始時刻における室内温度や庫内温度が所定温度以上であれば、除霜運転を制限するようにしてもよい。。
また、上記客の入り大小判断設定部(201)は、常時、10分間の自動ドアの累積開閉回数を導出して客の入りの大小を設定していたが、除霜開始時刻や該除霜開始時刻の直前にのみ、導出及び設定をするようにしてもよい。また、上記客の入り大小判断設定部(201)によって常時導出されるデータに基づいて、毎日の客の入りの多い時間帯を予想し、該客の入りの多い時間帯に除霜運転を行わないように制御してもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。