JP4548119B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、車両の右側および左側のいずれにも装着可能であり、且つ、氷雪路におけるタイヤ性能が維持される空気入りタイヤに関する。
従来の空気入りタイヤには、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の空気入りタイヤは、トレッドにタイヤ周方向に沿って配列する複数のブロックから成るブロック列を形成し、これらブロックに複数のスタッドを打ち込むようにしている。そして、従来の空気入りタイヤは、前記ブロックのタイヤ幅方向の長さをタイヤ周方向に変化させ、前記ブロック列における前記ブロック長さの最大最小比を1.5〜1.8にしている。従来の空気入りタイヤは、かかる構成により、氷上性能および雪上性能の改善を図っている。
しかしながら、従来の空気入りタイヤでは、トレッドパターンが非対称方向性を有するため、一組のタイヤを成形するにあたり、右側装着用および左側装着用のタイヤ成形金型がそれぞれ必要となるという課題がある。
特開2003−267004号公報
そこで、この発明は、上記に鑑みてされたものであって、車両の右側および左側のいずれにも装着可能であり、且つ、氷雪路におけるタイヤ性能が維持される空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、スパイクピンが施された複数のブロックから成るブロックパターンを有する空気入りタイヤにおいて、車両の右側に装着された場合の接地パターンと左側に装着された場合の接地パターンとが左右対称であり、且つ、ブロックの剛性が最大となる方向をブロックの剛性方向と定義するときに、タイヤが車両に装着された状態にて車両の内側にあるトレッド領域では、前記ブロックがその剛性方向を略タイヤ周方向に向けて配置され、車両の外側にあるトレッド領域では、前記ブロックがその剛性方向をタイヤ幅方向に対して傾斜させて配置されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤは、車両の右側に装着された場合の接地パターンと左側に装着された場合の接地パターンとが左右対称なので、右側および左側のいずれにも装着できる利点がある。また、この空気入りタイヤでは、タイヤが車両に装着された状態にて車両の内側(IN側)にあるトレッド領域では、ブロックがその剛性方向を略タイヤ周方向に向けて配置され、車両の外側(OUT側)にあるトレッド領域では、ブロックがその剛性方向をタイヤ幅方向に対して傾斜させて配置されているので、氷雪路でのタイヤの諸性能が維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤが車両に装着された状態にて車両の外側にあるトレッド領域では、タイヤ幅方向の軸に対して線対称に配置された一対の前記ブロックから成る単位パターンが構成されており、この単位パターンがタイヤ周方向に連続的に配列されている。
この空気入りタイヤでは、OUT側にあるトレッド領域にて、タイヤ幅方向の軸に対して線対称に配置された一対のブロックから成る単位パターンが構成されており、この単位パターンがタイヤ周方向に連続的に配列されているので、コーナーへの進入時におけるグリップ力と、コーナーからの立ち上がり時におけるグリップ力とが均一化される。これにより、コーナーリング時におけるコントロール性(操安性)が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ブロックがジグザグ形状の側壁を有する。
この空気入りタイヤでは、ブロックがジクザグ形状の側壁を有するので、ブロックの雪柱せん断力が増加して雪路でのタイヤ諸性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤが車両に装着された状態にて車両の内側にあるトレッド領域では、ブロックの剛性方向とタイヤ周方向との傾斜角φが−10[deg]以上10[deg]以下の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、IN側のトレッド領域にあるブロックの剛性方向とタイヤ周方向との傾斜角φが0[deg]であり、ブロックの剛性方向がタイヤ周方向に対して平行となるように構成されているので、ブレーキング時やストレート路での加速時におけるタイヤのグリップ力が好適に維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤが車両に装着された状態にて車両の外側にあるトレッド領域では、ブロックの剛性方向とタイヤ幅方向との傾斜角θが2[deg]以上30[deg]以下の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、OUT側のトレッド領域にあるブロックの剛性方向とタイヤ幅方向との傾斜角θが2[deg]以上30[deg]以下の範囲内にあるので、コーナーリング時におけるブロック剛性が確保されてタイヤの諸性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤが車両に装着された状態にて車両の外側にあるトレッド領域では、スパイクピンを有する中間ブロックがタイヤ周方向にて隣り合う前記ブロック間に配置される。
この空気入りタイヤでは、OUT側のトレッド領域にて、スパイクピンを有する中間ブロックがタイヤ周方向に隣り合うブロック間に配置されるので、トレッド面におけるスパイクピンの総本数あるいは配置密度が確保される。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記単位パターンが三つ以上の前記ブロックから成る。
この空気入りタイヤでは、OUT側のトレッド領域にてタイヤ周方向に連続的に配列される単位パターンが三つ以上のブロックにより構成される。かかる構成としても、トレッド面の周方向対称性が実現されると共にタイヤの諸性能が維持される利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤは、車両の右側に装着された場合の接地パターンと左側に装着された場合の接地パターンとが左右対称なので、右側および左側のいずれにも装着できる利点がある。また、この空気入りタイヤでは、タイヤが車両に装着された状態にて車両の内側(IN側)にあるトレッド領域では、ブロックがその剛性方向を略タイヤ周方向に向けて配置され、車両の外側(OUT側)にあるトレッド領域では、ブロックがその剛性方向をタイヤ幅方向に対して傾斜させて配置されているので、氷雪路でのタイヤの諸性能が維持される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。図2は、図1に記載した空気入りタイヤの機能を示す説明図である。図3〜図5は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。図6は、性能試験の結果を示す図表である。
この空気入りタイヤ1は、例えば、氷雪路での競技に使用される空気入りスパイクタイヤであり、スパイクピン7が施された複数のブロック2、3から成るブロックパターン(トレッドパターン)を有する(図1参照)。
ここで、タイヤが車両に装着された状態にてトレッド部を平面視したときに、車両の内側に位置する側をIN側と呼び、車両の外側に位置する側をOUT側と呼ぶ。この空気入りタイヤ1では、IN側のトレッド領域とOUT側のトレッド領域とが略タイヤ赤道線を境界として区切られる。そして、IN側のトレッド領域およびOUT側のトレッド領域にそれぞれブロック2、3が配列されている。
また、トレッド面の展開図をタイヤ周方向に反転させたときに、元の展開図と反転後の展開図とが略一致することを周方向対称と呼ぶ。周方向対称のトレッドパターンを有する空気入りタイヤ1では、車両の右側に装着された場合の接地パターンと左側に装着された場合の接地パターンとが左右対称となる。したがって、かかる空気入りタイヤ1は、単一の成形金型により成形可能であり、且つ、車両の右側および左側のいずれにも装着可能である。
また、ブロック2,3の平面視にて、ブロック剛性が最大となる方向をブロック2,3の剛性方向と呼ぶ(図1中では、各ブロック2,3の剛性方向が一点鎖線により示されている)。この空気入りタイヤ1では、各ブロック2,3がその形状により固有の剛性方向を有する。具体的には、各ブロック2,3が縦長の略長方形状を有しており、その長手方向にかかるブロック剛性が大きい。また、その剛性方向が所定の方向を向くように各ブロック2,3が配置されており、これにより、タイヤの諸性能(コーナーリンググリップ性能、トラクション性能、ブレーキング性能など)が維持されている。
IN側のトレッド領域では、複数のブロック2がタイヤ周方向に配列されており、2列のブロック列が形成されている。これらのブロック2は、その剛性方向が略タイヤ周方向に向くように配置される。ここでは、IN側のブロック2の剛性方向とタイヤ周方向とが並行(φ=0[deg])となるように構成されている。
一方、OUT側のトレッド領域では、複数のブロック3がタイヤ周方向に配列されており、1列のブロック列が形成されている。OUT側のブロック3は、その剛性方向が略タイヤ幅方向(ラジアル方向)に向くように配置され、且つ、その剛性方向がタイヤ幅方向に対して傾斜角θにて傾斜するように、構成されている。したがって、OUT側のブロック3の剛性方向とタイヤ幅方向とは平行ではない。
また、OUT側のトレッド領域では、タイヤ幅方向の軸に対して線対称に配置された一対のブロック3a,3bから成る単位パターンが構成されており、この単位パターンがタイヤ周方向に連続的に配列されている(図1参照)。具体的には、隣り合う一対のブロック3a,3bが略長方形状を有すると共にタイヤ幅方向の軸を中心としてハの字状あるいはV字状に配置されている。そして、かかる一対のブロック3a,3bから成る単位パターンがタイヤ周方向に連続的に配列されることにより、OUT側のブロック列が構成されている。
[作用]
ブレーキング時やストレート路での加速時には、接地面からの外力(摩擦力)がタイヤ周方向からトレッド面に入力される(図2(a)参照)。これに対して、この空気入りタイヤ1では、IN側のブロック2が剛性方向(長手方向)を略タイヤ周方向に向けて配置されているので、かかる入力に対して変形し難い。これにより、ブレーキング時やストレート路での加速時におけるタイヤのグリップ力が高められている。
また、コーナー路への進入時には、接地面からの外力が、タイヤ幅方向に対して車両進行方向前方側に傾斜する方向からトレッド面に入力される(図2(b)参照)。これに対して、この空気入りタイヤ1では、OUT側にある一部のブロック3aが剛性方向(長手方向)をタイヤ幅方向に対して車両進行方向前方側に傾斜する方向に向けて配置されているので、かかる入力に対して変形し難い。これにより、コーナー路への進入時におけるタイヤのグリップ力が高められている。
また、コーナー路からの立ち上がり時には、接地面からの外力が、タイヤ幅方向に対して車両進行方向後方側に傾斜する方向からトレッド面に入力される(図2(c)参照)。これに対して、この空気入りタイヤ1では、OUT側にある一部のブロック3bが剛性方向(長手方向)をタイヤ幅方向に対して車両進行方向後方側に傾斜する方向に向けて配置されているので、かかる入力に対して変形し難い。これにより、コーナー路からの立ち上がり時におけるタイヤのグリップ力が高められている。
[効果]
この空気入りタイヤ1は、車両の右側に装着された場合の接地パターンと左側に装着された場合の接地パターンとが左右対称なので(図1参照)、右側および左側のいずれにも装着できる利点がある。また、かかる空気入りタイヤ1は、単一種類のタイヤ成形金型により成形可能という利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤが車両に装着された状態にて車両の内側(IN側)にあるトレッド領域では、ブロック2がその剛性方向を略タイヤ周方向に向けて配置され、車両の外側(OUT側)にあるトレッド領域では、ブロック3がその剛性方向をタイヤ幅方向に対して傾斜させて配置されている(図1参照)。かかる構成では、IN側のブロック2により、ブレーキング時やストレート路での加速時におけるタイヤのグリップ力が確保され、OUT側のブロック3により、コーナーリング時(進入時および立ち上がり時)におけるタイヤのグリップ力が確保される(図2参照)。これにより、氷雪路でのタイヤの諸性能が維持される利点がある。また、かかる構成では、OUT側のブロック3の剛性方向がタイヤ幅方向に平行な構成と比較して、ブロック2,3の変形が低減されるので、スパイクピン7の抜けが抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、OUT側にあるトレッド領域にて、タイヤ幅方向の軸に対して線対称に配置された一対のブロック3a,3bから成る単位パターンが構成されており、この単位パターンがタイヤ周方向に連続的に配列されている(図1参照)。かかる構成では、OUT側のトレッド領域にてブロック剛性が周方向対称となるので、コーナーへの進入時におけるグリップ力と、コーナーからの立ち上がり時におけるグリップ力とが均一化される。これにより、コーナーリング時におけるコントロール性(操安性)が向上する利点がある。
[変形例1]
なお、この空気入りタイヤ1では、各ブロック2,3(IN側のブロック2およびOUT側のブロック3)が略長方形状を有するが、これは、トレッド面の設計や成形が容易である点で好ましい。しかし、これに限らず、各ブロック2,3は、例えば、楕円形状、T字型形状、L字型形状、S字型形状を有しても良い(図示省略)。
また、各ブロック2,3は、長手方向の寸法が40[mm]〜50[mm]であり、長手方向と幅方向との寸法比(縦横比)が2:1となるように構成されている。また、各スパイクピン7が10[mm]程度の間隔にて配列されている。しかし、各ブロック2,3の寸法および各スパイクピン7の配列間隔は、これに限定されない。
[変形例2]
また、この空気入りタイヤ1では、ブロック2,3がジクザグ形状の側壁を有することが好ましい(図1参照)。かかる構成では、ブロック2,3が平坦な側壁を有する構成と比較して、ブロック剛性が増加する。これにより、ブロック2,3の雪柱せん断力が増加するので、雪路でのタイヤ諸性能が向上する利点がある。また、かかる構成では、トレッド面における溝面積比を容易に増加させ得るので、排水性能の確保が容易となる利点がある。
[変形例3]
また、この空気入りタイヤ1では、IN側のトレッド領域にあるブロック2の剛性方向とタイヤ周方向との傾斜角φが0[deg]であり、ブロック2の剛性方向がタイヤ周方向に対して平行となるように構成されている(図1参照)。しかし、これに限らず、ブロック2の剛性方向は、タイヤ周方向に対して略平行であれば良く、多少傾斜していても良い(図3参照)。かかる構成では、IN側のトレッド領域にあるブロック2の剛性方向とタイヤ周方向との傾斜角φが−10[deg]以上10[deg]以下の範囲内にあることが好ましい。これにより、ブレーキング時やストレート路での加速時におけるタイヤのグリップ力が好適に維持される利点がある。
[変形例4]
また、この空気入りタイヤ1では、OUT側のトレッド領域にあるブロック3a、3bの剛性方向とタイヤ幅方向との傾斜角θが2[deg]以上30[deg]以下の範囲内にあることが好ましい(図1参照)。また、この傾斜角θは、2[deg]以上15[deg]以下の範囲内にあることがより好ましい。かかる構成では、傾斜角θが2[deg]以上の範囲にあることにより、コーナーリング時におけるブロック剛性が確保されてタイヤの諸性能が向上する利点がある。また、傾斜角θが15[deg]以上の範囲にあることにより、隣り合う一対のブロック3a,3b間の間隔が適正化されてタイヤの諸性能が向上する利点がある。
[変形例5]
また、この空気入りタイヤ1では、OUT側のトレッド領域にて、スパイクピン7を有する中間ブロックがタイヤ周方向に隣り合うブロック3a、3b間に配置される(図4参照)。かかる構成では、中間ブロック4により、トレッド面におけるスパイクピン7の総本数あるいは配置密度が確保される。これにより、タイヤの雪上性能が維持される利点がある。
例えば、OUT側のトレッド領域にあるブロック2の剛性方向とタイヤ幅方向との傾斜角θが15[deg]以上となる場合には、隣り合う一対のブロック3a、3b間に中間ブロック4が配置されることが好ましい(図5参照)。
また、かかる構成では、中間ブロック4が一方のブロック3に結合されていても良い(図示省略)。例えば、中間ブロック4とブロック3とが結合されることにより、略L字形状のブロックが構成されていても良い。
[変形例6]
また、この空気入りタイヤ1では、OUT側のトレッド領域にてタイヤ周方向に連続的に配列される単位パターンが、一対のブロック3a、3bにより構成されている(図1参照)。しかし、これに限らず、この単位パターンは、三つ以上のブロック3により構成されても良い。
例えば、タイヤ幅方向の軸を中心として、二つずつのブロック3a、3a、3b、3bが配列されており、これらの四つのブロック3a、3a、3b、3bから成る単位パターンがタイヤ周方向に連続的に配列されていても良い(図5参照)。かかる構成としても、トレッド面の周方向対称性が実現されると共にタイヤの諸性能が維持される利点がある。
[性能試験]
この性能試験では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)コーナーリンググリップ性能、(2)トラクション性能、(3)ブレーキング性能、および、(4)走行後のスパイクピン抜け数にかかる性能試験が行われた(図6参照)。各性能試験では、タイヤサイズ110/650R16の空気入りタイヤがJATMA規定の正規リムにリム組みされ、この空気入りタイヤに正規荷重および正規空気圧が負荷される。なお、タイヤサイズの表示では、各数値が(トレッド幅)/(タイヤ外径)R(インチ)を意味しており、また、記号Rがラジアルタイヤであることを意味している。
そして、空気入りタイヤが排気量2000[cc]の四輪駆動車に装着され、氷雪路となった6[km]の林道を気温−5[℃]〜−7[℃]の条件下にて走行する。そして、同一人の専門ドライバーにより各タイヤにて4回の試験走行が行われ、(1)コーナーリンググリップ性能、(2)トラクション性能および(3)ブレーキング性能がフィーリング評価により5点満点にて評価される。また、試験走行後のスパイクピンの抜け数が測定される。また、4回の試験走行における平均タイムが測定される。
この性能試験において、従来例の空気入りタイヤは、OUT側のトレッド領域にあるすべてのブロック(の剛性方向)がタイヤ幅方向に対して25[deg]の傾斜角θにて一方向に傾斜しており、非対称方向性のトレッドパターンを有する(図示省略)。また、そのトレッド部に配置されたスパイクピンの総本数は、380[本]である。
比較例の空気入りタイヤは、OUT側のトレッド領域にあるすべてのブロックがタイヤ幅方向に対して並行に配置(傾斜角θ=0[deg])されており、周方向対称なトレッドパターンを有する(図示省略)。また、そのトレッド部に配置されたスパイクピンの総本数は、380[本]である。
発明例1〜4の空気入りタイヤ1は、この実施例にかかる空気入りタイヤ1であり、OUT側のトレッド領域にあるブロック3a、3bの剛性方向とタイヤ幅方向との傾斜角θが、それぞれθ=5[deg](発明例1)、θ=10[deg](発明例2)およびθ=15[deg](発明例3および発明例4)となっている(図1参照)。また、発明例4の空気入りタイヤ1には、OUT側の隣り合うブロック3a、3b間に中間ブロック4が配置されている(図4参照)。また、スパイクピンの本数は、順に、380[本](発明例1)、374[本](発明例2)、368[本](発明例3)および380[本](発明例4)となっている。
試験結果に示すように、比較例の空気入りタイヤでは、コーナーリンググリップ性能、トラクション性能およびブレーキ性能のいずれもが低い。また、スパイクピンの抜け数が多く、タイヤ性能の低下が著しい。
一方、発明例1の空気入りタイヤ1では、従来の空気入りタイヤと同レベルにタイヤ性能が維持されていることが分かる。また、発明例2の空気入りタイヤ1でも、ある程度は、タイヤ性能が維持されていることが分かる。また、発明例3の空気入りタイヤ1では、タイヤ性能に低下が見られるものの、ピンの抜け数が比較例の空気入りタイヤと比較して少ない。また、発明例4の空気入りタイヤ1では、ブロック3a、3b間に中間ブロック4が配置されることにより、タイヤ性能が維持されることが分かる。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、車両の右側および左側のいずれにも装着可能であり、且つ、氷雪路におけるタイヤ性能が維持される点で有用である。
この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図1に記載した空気入りタイヤの機能を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2,3 ブロック
4 中間ブロック
7 スパイクピン
θ、φ 傾斜角

Claims (7)

  1. スパイクピンが施された複数のブロックから成るブロックパターンを有する空気入りタイヤにおいて、
    車両の右側に装着された場合の接地パターンと左側に装着された場合の接地パターンとが左右対称であり、且つ、
    ブロックの剛性が最大となる方向をブロックの剛性方向と定義するときに、タイヤが車両に装着された状態にて車両の内側にあるトレッド領域では、前記ブロックがその剛性方向を略タイヤ周方向に向けて配置され、車両の外側にあるトレッド領域では、前記ブロックがその剛性方向をタイヤ幅方向に対して傾斜させて配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤが車両に装着された状態にて車両の外側にあるトレッド領域では、タイヤ幅方向の軸に対して線対称に配置された一対の前記ブロックから成る単位パターンが構成されており、この単位パターンがタイヤ周方向に連続的に配列されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ブロックがジグザグ形状の側壁を有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤが車両に装着された状態にて車両の内側にあるトレッド領域では、ブロックの剛性方向とタイヤ周方向との傾斜角φが−10[deg]以上10[deg]以下の範囲内にある請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤが車両に装着された状態にて車両の外側にあるトレッド領域では、ブロックの剛性方向とタイヤ幅方向との傾斜角θが2[deg]以上30[deg]以下の範囲内にある請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤが車両に装着された状態にて車両の外側にあるトレッド領域では、スパイクピンを有する中間ブロックがタイヤ周方向にて隣り合う前記ブロック間に配置される請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記単位パターンが三つ以上の前記ブロックから成る請求項2に記載の空気入りタイヤ。
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