JP4547784B2 - エアジェットノズルおよびそれを用いたシート材の糸幅拡幅方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、補強繊維糸からなるシート材に高圧エアを噴射させて補強繊維糸の糸幅を拡げるエアジェットノズルおよびそれを用いたシート材の糸幅拡幅方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維を樹脂で補強した炭素繊維複合材料は高い比強度、比弾性率を有し、軽量化メリットの大きい航空機材料をはじめスポーツ材料など定着し、最近では一般産業用途への展開が盛んに検討されている。
【0003】
炭素繊維複合材料を一般産業用途へ展開させていくためには、炭素繊維の低コスト化が必須であり、最近では炭素繊維の製造コストの安価なラージトウの炭素繊維が注目されている。
【0004】
しかしながら、ラージトウである繊維束を複数本配列させて、従来の炭素繊維複合材料の補強基材として使われてきた目付が150〜400g/m2程度の比較的に薄いシートを得ようとすると、繊維束間に隙間が生じるために繊維束部と繊維束間の繊維密度が大きく異なり、繊維分散の不均一なシート材になる問題点があり、ラージトウからなる繊維束を如何に薄く均一に拡げることが重要な課題である。
【0005】
ラージトウからなるシート材の繊維分散を均一にする方法についての提案は見当たらないが、例えば特公平2−32383号公報で提案されているように、補強用無機繊維織布にウオータージェットで水を高圧噴射させ、たて糸とよこ糸の交錯によって形成される空隙を閉塞する方法を用いればラージトウの繊維束を均一に分散させることが考えられるが、ウオータージェットであるために処理後に乾燥工程を通さねばならず、また、ウオータージェットによりカップリング剤などの表面処理剤が脱落するために乾燥後に再度処理剤を付けねばならない問題点がある。
【0006】
一方、我々は特開平7−300739号公報で繊維束の集束性を限定した強化マルチフィラメント糸からなる織物のよこ糸方向に複数のエア噴射孔が一列に配列したエアジェットノズルから高圧エアを噴射させて織物のよこ糸を開繊・拡幅する方法を提案している。
【0007】
この方法は、ウオータージェット噴射に比べて繊維束を拡げる力は小さいが、拡がり性の優れた糸を選択することにより十分に糸幅を拡げることが可能であるし、ウオータージェットのように乾燥工程を通す必要もなく、また、カップリング剤が脱落するような心配もないので、容易に繊維密度の均一な補強用織物を得ることが可能である。
【0008】
エアジェットにより織物のよこ糸を開繊・拡幅させる場合、ウオータージェットに比べて開繊効果が小さいため個々のエア噴射ノズルから噴射される圧力を均一にせねば開繊・拡幅斑が生じる問題がある。
【0009】
例えば、エアノズルケースへの供給口が織物幅方向において中央であると、その中央部に近い噴射孔からの噴射圧が高く、織物幅方向における端部側の噴射圧が低くて、織物の中央部と端部では開繊・拡幅状態が異なる問題点がある。
【0010】
上記問題点を解決する手段として、エア噴射孔からの全吐出量よりもエア供給量を大きくなるようにエア供給量の増大させれば多少改善されるが、エアの浪費となる問題点がある。
【0011】
ラージトウの炭素繊維で薄いシート材を得ようとする場合、繊維束の配列ピッチが非常に大きくなるので、例え織物のようにたて糸とよこ糸が交錯し合っても、拘束力が非常に弱いので、繊維束自体に開繊性を有しておれば、上記エアジェットにより、容易に開繊、拡幅させることが可能であるが、ノズル長さ方向に対して、噴射圧力が不均一になり、糸幅の拡がり方に斑が生じるという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑み、広幅のエアジェットノズルの長さ方向において、エア噴射圧力が均一なエアジェットノズルを提供せんとするものであり、さらにかかるノズルを用いて補強繊維束の糸幅を均一に拡げられた薄いシート材を得ることができるシート材の糸幅拡幅方法を提供せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のエアジェットノズルは、複数のエア噴射孔が等ピッチで一列に配列されたノズル板と、ノズルケースとからなるエアジェットノズルであって、前記ノズルケース内に、前記エア噴射孔の配列方向に沿って、エア供給パイプが延長されており、該エア供給パイプに複数のエア吐出孔が列をなして設けられ、かつ、該吐出孔の向きが前記ノズル板の取り付け側とは反対方向にあることを特徴とするものであり、また、本発明のシート材の糸幅拡幅方法は、かかるエアジェットノズルを用いて、補強繊維糸からなるシート材の表面に、高圧エアを噴射させて、該シート材の補強繊維糸の糸幅を拡げることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその一実施例である図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るエアジェットノズルの一例を示す斜視図であり、ノズルの一部を破断した形で内部を示したものであり、図2は、同ノズルの断面を示したものである。
【0016】
図1、2において、エアジェットノズル1は、ノズルケース6a、6bとノズル板2により空間を形成し、その空間内にエア供給パイプ4が噴射孔3の配列方向に延びている。
【0017】
かかるノズル板2には、複数のエア噴射孔3が等ピッチで一列に設けられ、ノズルケース6bに装着されている。
【0018】
エア噴射孔3は、直径が0.1〜1.0mm程度で、好ましくは直径が0.2〜0.5mmである。
【0019】
エア噴射孔径が0.1mmより小さいと噴射するエア流量が小さくて、繊維束を十分に拡げることが出来ない。一方、エア噴射孔径が0.5mmより大きいと、噴射孔1個当たりの流量が大きいために供給量とのバランスから必然的にピッチを極端に大きくする必要が生じ、補強繊維束の長さ方向に対して細かくエアを噴射させることが出来ず、拡がり斑となり易い問題がある。
【0020】
エアノズル板2、ノズルケース6a、6bはそれぞれエア漏れを防ぐために、それぞれの合わせ面にOリングを挟んでネジ止めで一体化されている。
【0021】
かかるエアジェットノズル1は、ノズルのエア噴射孔3の配列方向と、補強繊維糸の配向方向とを一致させて使用するのが好ましく、たとえば該補強繊維糸の糸幅を拡げようとする際に、対象の補強繊維糸が配列している糸長に対して、若干長い目に噴射孔が設けてあるのが好ましい。
【0022】
エア供給パイプ4は、前記エア噴射孔の配列方向に延長されており、該ノズル板2にエア噴射孔3が設けられている長さと同等の長さに延ばされており、該エア供給パイプには、複数個のエア吐出孔5が等ピッチで一列に設けられており、そしてエア吐出孔5の位置は、ノズル板2に対して反対方向に設けられていることが重要である。
【0023】
供給された高圧エアは、エア供給パイプ内4を通って、複数のエア吐出孔5からエアが分散されて供給されるので、噴射孔3の配列方向に対して、エアが均一に供給されることになり、噴射孔3の配列方向におけるエア噴射圧力が不均一となることが解消されるものである。
【0024】
また、エア供給パイプ4の吐出孔5が、ノズル板2と反対側に設けられいるので、吐出孔5から吐出されたエアは、一旦、ノズルケース6aの内壁に向かい、内壁で反射されて拡散状態でエア噴射孔3に向かうので、各エア噴射孔3にはより均一な圧力のエアを供給させることができるものである。
【0025】
エア供給パイプ4に設ける吐出孔5は、孔径が好ましくは0.5〜5mm程度で、ピッチが好ましくは5〜40mm程度のものが使用されるが、さらに好ましくは孔径が2〜3mm、ピッチが10〜20mmであるものが使用される。
【0026】
吐出孔5の向きは、ノズル板2の反対方向であることが好ましいものであるが、エア供給パイプ4の中心とエア噴射孔3を結ぶ線と、吐出孔5からのエア吹き方向が、少なくとも±45°程度ずれる位置であっても、エアを拡散させる効果が得られ、このような場合も本発明に含まれるものである。また、エア吐出孔5の配列は、一列に等ピッチで設けるのが好ましいが、等ピッチで千鳥に配置しても構わない。
【0027】
エア供給パイプ4の断面形状は、特に限定されないが、直径が、好ましくは20〜40mm程度の円形断面のパイプを用いることができる。円形パイプとすることで、断面が円形のホースに接続するための円形断面であるエア供給口9と一体物に形成することができるので、製作が簡単であり好ましいものである。
【0028】
エア供給パイプ4とノズル板2の間には、金属メッシュ7と多孔板8による整流板が設けらている。
【0029】
該整流板により、エアがそれぞれの空隙部を通過することによりエアの流れを均一にさせることができ、エア噴射孔3により均一な圧力で供給させることができるものである。また、整流板のメッシュにより、異物の通過を妨げてエア噴射孔3の目詰まるを防ぐことができる効果がある。
【0030】
金属メッシュ7としては、ステンレス製の#70〜#200メッシュを1枚用いてもよいが、異なったメッシュを数枚重ねて用いることにより一層の整流効果とフィルター効果が発揮され好ましいものである。
【0031】
また、多孔板8は、ステンレス製の板に直径3〜6mm程度孔が5〜1個/cm2空けられ板であって、金属メッシュを支えるものである。
【0032】
次いで、上記本発明のエアジェットノズルを用いて補強繊維糸からなるシート材の糸拡げ方法について説明する。
【0033】
図3は、本発明のエアジェットノズルで補強繊維織物のよこ糸の糸幅を拡げる方法について説明する斜視図であり、図4は多軸ステッチ基材を構成する一方向シートの糸幅を拡げる方法について説明する上面図である。
【0034】
まず、補強繊維織物について図3を参照しながら説明する。
【0035】
織機から織り出されてくる補強繊維織物10の下からエアジェットノズル1のエア噴射が補強繊維織物に噴射されるように、またエア噴射孔の配列方向と補強繊維織物のよこ糸11の延びる方向と一致するように設け、順次織り出されてくる補強繊維織物にエアを噴射させることによって、よこ糸を構成する補強繊維はエア噴射位置を境に織物の進行方向に対して前後に分かれるようにして順次移動されるので、元の織物よこ糸の糸幅拡幅され、よこ糸間に隙間のない補強繊維織物が得られるものである。
【0036】
織物の場合、エア噴射を受けた際、よこ糸を構成する各補強繊維はたて糸と交錯されているので織物の厚み方向に逃げることがなく、たて糸に沿って繊維が移動することによってよこ糸幅が拡がるものである。
【0037】
エアジェットノズル1から噴射されるエアはノズル孔から距離が離れるに従って拡散されので、エアジェットノズル1は織物面に出来る限り近づけることが好ましく、エアジェットノズル1のノズル面と織物の距離を1〜5mm程度にすることが好ましい。
【0038】
その距離が1mm以下であると織物がノズル面に接触し、よこ糸がずれる問題がある。また、距離を5mm以上に離すと、エアが拡散しているために集中的によこ糸を開繊。拡幅させることが出来ず、糸幅を均一に拡げることが難しくなる問題がある。
【0039】
織り出されてくる織物にはたて糸に張力が掛かっているが、織物にエア噴射することによって織物が浮き上がることがあるので、織物上側に押さえ板13を設けておくことが好ましい。そうすることによりノズル板面と織物面を一定間隔に保持でき、均一な糸拡げを行うことが出来る。
【0040】
押さえ板と織物が接触するので、押さえ板13の織物側面にテフロンコーテングテープ等を貼り付けて、摩擦抵抗を小さくしておくとよい。
【0041】
上記したようにエアジェットにより原理的に糸幅を拡げることが可能であるが、補強繊維織物を構成する織糸自身の開繊性とたて糸とよこ糸の拘束状態により大きく影響されるものである。
【0042】
開繊性に関して、補強繊維は実質的に無よりの炭素繊維、ガラス繊維、ポリアラミド繊維などであって、繊維束のサイジング剤(集束剤)付着量が少ないものが好ましく、例えば補強繊維が炭素繊維糸の場合は、サイジング剤付着量が、0.2〜0.8重量%程度であるあることが好ましい。
【0043】
サイジング剤は少ない方が開繊性に優れるが、サイジング付着量が0.2重量%より少ないとシート材形成時に毛羽が生じたりする問題があり、付着量は0.2重量%以上が好ましく、また付着量が0.8重量%より多いと繊維同士が強固に付着されるので、開繊性が劣り、エアジェットで糸幅が拡がり難い問題がある。
【0044】
たて糸とよこ糸の拘束状態については、太い繊度の補強繊維糸で低目付の織物とすることで拘束を小さくすることが可能である。
【0045】
補強繊維が炭素繊維の織物においては、炭素繊維糸の繊度(D)と織物目付(W)の関係が次式の範囲であることが好ましい。
【0046】
W ≦7×D1/2
ただし Wは織物目付(g/m2)
Dは炭素繊維糸の繊度(dtex)
炭素繊維糸の繊度(D)と織物目付(W)の関係がW ≧7×D1/2 であるとたて糸とよこ糸の拘束が強固であり、織糸は互いに大きくクリンプしているので、エア噴射させても繊維が移動し難いために本発明の効果である糸幅を拡げることが出来ないものである。
【0047】
また、上記した式を満足する関係で、炭素繊維糸の繊度としては3.500〜200,000dtexの範囲で、目付が100〜600g/m2、さらに好ましくは100〜300g/m2の織物において、本発明の効果が好ましく発揮されるものである。
【0048】
繊度が3,500dtex以下の炭素繊維糸では糸の製造コストが高いために高価な織物基材となり、一般産業用途には展開することが出来ない。一方、繊度が200,000dtex以上となると、糸の製造コストが低くなるので安価な基材となるが、200,000dtex以上の炭素繊維糸で一般的に使われている織物目付150〜400g/m2の織物を得ようとすると織糸間隔が余りにも大きいので均一に拡げることが難しくなる問題があり、本発明においては炭素繊維糸の繊度が3,500〜200,000dtexの範囲で効果が発揮されるものである。
【0049】
上記した方法において、エアジェットノズルに供給するエア圧力としては、織物の種類や織物の通過速度によりことなるが、好ましくは0.3〜0.7MPaの範囲であれば十分であり、圧力を0.3MPa未満でも、糸幅の拡がり効果があるが、糸幅の拡がり斑が生じ易く不安定であり、また、圧力を0.7MPaを越える高圧に上げても、糸拡げ効果は変わらないので無駄となる。
【0050】
エアジェットノズルを織機上に装着して製織中に糸拡げを行っても良いが、製織後に別行程で行っても構わないものである。
【0051】
製織中に行う場合には、織機の運転とエアジェットへのエア供給を連動させておけば、織機停止中にエアジェットが係り放しなることがないので、よこ段を発生させることない。
【0052】
また、図3では織物の下側にエアジェットノズルを設け、上向きにエアを噴射させる例であるが、エアジェットノズルを織物の上側に設けて下向きにエア噴射させてもよい。
【0053】
エアジェットにより織物のよこ糸の糸幅を拡げることについて説明したが、たて糸の糸幅拡げに関しては本発明のエアジェットでは難しいので、別の手段による糸拡げ技術とを組み合わせるものである。
【0054】
次いで多軸ステッチ基材を構成する一方向シート材の糸幅を拡げる方法について図4を参照しながら説明する。
【0055】
図4は、一方向に補強繊維糸が配列された複数のシート材が角度を有して積層され、ステッチにより一体化されて多軸ステッチ基材を形成するステッチm/cのシート材形成部の一部を示したもので、補強繊維糸はステッチする前に一方向シート材が積層された状態で供給させるため、m/cの左右に設けられたエンドレスのチェーン14a、14bのピンに複数本の補強繊維を引っかけながら一方向シートが形成されるものであり、図4は−45°に配向した一方向シート材16を形成した後、その上から次の層である補強繊維糸が+45°に配向されたシート材15を形成する箇所を示している。
【0056】
そして、補強繊維糸が+45°に配向された直後にエアジェットノズル1を補強繊維の延びる方向と一致して設けられ、前記した織物のよこ糸の糸幅を拡げる方法と同じ原理で配向された補強繊維糸の糸幅を拡げ、均一な繊維密度のシートを形成するものである。
【0057】
この場合、織物と違ってたて糸とよこ糸の交錯がないので、交錯による繊維束の開繊が阻害されることがなく、補強繊維糸の繊度とシートの目付の関係についての制限はない。したがって、補強繊維糸自体の開繊性が優れていれば容易に補強繊維糸の糸幅を拡げることが可能である。
【0058】
本発明は、太い繊度の補強繊維糸で薄くて均一なシートを得るところに特徴を有するものであり、その意味では、補強繊維糸の繊度としては、前記織物材と同様の理由により3,500〜200,000dtexの範囲、更に好ましくは5,000〜200,000dtexの太い繊維糸で、目付が好ましくは100〜600g/m2、さらに好ましくは100〜300g/m2のシート材を形成することにより、本発明の効果は好都合に発揮されるものである。なかでも補強繊維が、炭素繊維糸の場合においては、糸値が高価であり、また、繊度が細い炭素繊維糸はさらに高価であることから、太い繊度の炭素繊維糸で、薄くて、繊維密度が均一なシート材を得ることは、コスト面で大きな効果となるものである。
【0059】
補強繊維糸の開繊性に関しては、前記した織物材と同様にサイジング材の付着量が関係し、好適な付着量は0.2〜0.8重量%である。
【0060】
また、補強繊維糸はたて糸で拘束されていないために、高圧のエア噴射すると補強繊維糸が旋回して逆に集束することがあり、糸幅の拡がりが不安定となるので、一方向シート材でエア噴射させる箇所の上からポーラスなネット、あるいは細いピアノ線を櫛状羽に取り付けて、そのピアノ線で補強繊維糸を軽く押さえておくことにより補強繊維糸が旋回することを防げるので好ましいものである。
【0061】
この場合、ポーラスなネットなどで押さえられた状態でシート材が移動するので、ポーラスなネットの補強繊維シート材に接触する面には引っかかりがないことが必要である。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、各のエア噴射孔に均一な圧力でエアを供給させることができる優れたエアジェットノズルを提供することができ、もって、補強繊維糸を均一に糸拡げすることが可能となり、太い補強繊維糸で薄くて繊維分散の優れた補強繊維基材を、安定して提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明のエアジェットノズルの一例を示す斜視図である。
【図2】この図は、本発明のエアジェットノズルの一例を示す断面図である。
【図3】この図は、本発明のエアジェットノズルを用いて補強繊維織物のよこ糸幅を拡げる方法の一例を示す斜視図である。
【図4】この図は、本発明のエアジェットノズルを用いて多軸ステッチ基材を構成する一方向シート材の補強繊維糸の糸幅を拡げる方法の一例を示す上面図である。
【符号の説明】
1:エアジェットノズル
2:ノズル板
3:エア噴射孔
4:エア供給パイプ
5:エア吐出孔
6a、6b:ノズルケース
7:金属メッシュ
8:多孔板
9:エア供給口
10:補強繊維織物
11:よこ糸
12:たて糸
13:押さえ板
14a、14b:糸引っかけチェーン
15:+45°配向一方向シート
16:−45°配向一方向シート
Claims (9)
- 複数のエア噴射孔が等ピッチで一列に配列されたノズル板と、ノズルケースとからなるエアジェットノズルであって、前記ノズルケース内に、前記エア噴射孔の配列方向に沿って、エア供給パイプが延長されており、該エア供給パイプに複数のエア吐出孔が列をなして設けられ、かつ、該吐出孔の向きが前記ノズル板の取り付け側とは反対方向にあることを特徴とするエアジェットノズル。
- 前記エア吐出孔は、等ピッチで配列されていることを特徴とする請求項1記載のエアジェットノズル。
- 前記エア供給パイプとノズル板の間に、多孔板と金属メッシュによる整流板が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のエアジェットノズル。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のエアジェットノズルを用いて、補強繊維糸からなるシート材の表面に、高圧エアを噴射させて、該シート材の補強繊維糸の糸幅を拡げることを特徴とするシート材の糸幅拡幅方法。
- 前記シート材の補強繊維糸の配向方向が、前記エアジェットノズルのエア噴射孔の配列方向であることを特徴とする請求項4記載のシート材の糸幅拡幅方法。
- 前記シートが、たて糸とよこ糸からなる補強繊維織物であることを特徴とする請求項4または5記載のシート材の糸幅拡幅方法。
- 前記シート材が、少なくとも90゜配向の一方向シートあるいは±30〜±60゜の範囲で配向した一方向シート材が含まれた多軸ステッチ基材であることを特徴とする請求項4または5記載のシート材の糸幅拡幅方法。
- 前記補強繊維糸が、繊度が3,500〜200,000dtexの範囲の炭素繊維であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のシート材の糸幅拡幅方法。
- 前記シート材の1枚が、100〜600g/m2の範囲の目付を有するものであることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のシート材の糸幅拡幅方法。
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