JP4547634B2 - 雌端子金具 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記一側板における前記係止部が折り重ねられる領域付近には、前記弾性接触片に当たってその過度の撓みを規制する過度撓み規制部が、内方への叩き出しによって形成されているところに特徴を有する。
雌端子金具がキャビティ内に挿入されると、本体部における係止部の折り返し部分がランスに当たって、ランスを弾性変形させつつ挿入され、係止部がランスを通過したところで、ランスが復元して係止部の先端に係止する。
係止部を本体部の外面に設けたことでランスの掛かり代が大きく取りやすく、係止力が確保できる。一方、係止部が側板の前縁から折り返されて形成されることで、折り返し部分には丸みを付すことができ、雌端子金具はその丸みの付いた部分をランスに当てつつ挿入することになるから抵抗が小さく、すなわち低挿入力が実現される。
係止部を浮かせたことにより、ランスに対する掛かり代をさらに大きく取ることができる。
ランスがテーパ面の内側に食い込むように作用して、ランス係止面上を滑って逃げることが確実に防止でき、さらなる係止力の向上を図ることができる。
<請求項3の発明>
ランスが係止部を押圧すると、係止部を形成した一側板が変形しつつ係止部が捲られるような力が作用するが、一側板に叩き出しにより過度撓み規制部を設けたことで、一側板の断面係数が上がって増強され、ひいてはこの一側板に続く係止部の変形に対する強度も向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図11によって説明する。
本実施形態の雌端子金具20は、導電性に優れた金属板を図1の下側に示すような展開形状に切断したのち、複数の曲げ工程を経て、同図の上側や図2に示すように組み付けられており、大まかには、電線10の端末に固着される電線接続部70の前方に、相手の雄端子金具Mt(図11参照)が前方から挿入される角筒状をなす本体部21が設けられている。
本体部21は、同図の鎖線に示す折り目に従って、底板22の左右両側に左側板23と後右側板24Bを曲げ起こし、次に弾性接触片30を底板22と対向する姿勢に曲げたのちその上方を天板25で覆い、それに伴い天板25から曲げ降ろされた前右側板24Aを後右側板24Bと面一に配することで、前後両面が開口された角筒状に組み立てられる。
一方、分離部31は、前方の斜め下方に向けて延出されて、先端が斜め上向きに屈曲されており、上下方向の撓み変形可能となっている。弾性接触片30の分離部31が折り目33よりも少し引っ込んで形成されたのは、分離部31が、連結部32と後右側板24Bとが突き合う角部に繋がることを避けて、その円滑な撓み変形を担保するためである。この弾性接触片30の先端の屈曲部に、接点36が底面側に向けて叩き出して形成されている。
また、左側板23と前右側板24Aの前縁には短寸の突片42が形成され、両突片42が互いに突き合うように内方に曲げられることにより、相手の雄端子金具Mtが挿入される挿入口43の上側の口縁が形成されている。
一方特筆すべきは、一次係止部50の折り返し部55の外面が半円形状に丸みが付された形状となっている。
また、天板25における両抜け止め孔57の間の位置には、過度撓み規制部59が内面側に叩き出して形成されている。この過度撓み規制部59は、上記した弾性接触片30の先端部の裏面に当たることで、過度に撓み変形することを規制することに機能する。
これにより、図4に示すように、上記した弾性接触片30の連結部32の後縁よりも上方の領域において、リテーナ18の係止突部19に対する深い掛かり代が確保された状態となる。また、上記したように弾性接触片30の連結部32の後縁が、天板25の後縁よりも前方に控えて形成されていたことにより、連結部32の後縁がリテーナ係止面61よりも前方に退避した状態となる。
なお、左側板23の長さ方向のほぼ中央部における外面には、逆挿入防止用のスタビライザ63が叩き出して形成されている。
これにより図2に示すように、本体部21の後方には、凹溝状の首部75が同一幅で続き、その後方にワイヤバレル72と、所定間隔を開けてインシュレーションバレル73とが、それぞれのバレル片72A,73Aの上端を開いた状態に形成されている。
雌ハウジング15には、図9に示すように、リテーナ18が仮係止位置に装着されている。この仮係止位置では、リテーナ18に設けられた係止突部19がキャビティ16の底壁側に退避している。この状態から、雌端子金具20が天板25を下に向けた上下逆さまの姿勢で、対応するキャビティ16内に後方から挿入される。
一次係止部50を本体部21の外面に設けたことから、ランス17に対する掛かり代が大きく取りやすく、したがって必要な係止力が確保できる。一方、一次係止部50は天板25の前縁から折り返されて形成されることで、折り返し部55には丸みを付すことができ、雌端子金具20はその丸みの付いた部分をランス17に当てつつ挿入することになるから抵抗が小さく、すなわち低挿入力が実現される。
また、一次係止部50のランス係止面52における天板25に近い側の角部にはテーパ面53が形成されているから、ランス17の先端がランス係止面52に当たって係止する場合に、ランス17の先端がテーパ面53の内側に食い込むように作用し、ランス17がランス係止面52上を滑って逃げることが確実に防止できて、さらなる係止力の向上を図ることができる。
一次係止部50に設けられた鈎形の抜け止め部56が左右の側板23,24Aに設けられた抜け止め孔57に差し込まれていることで、一次係止部50の座屈方向の強度が向上され、また捲れ方向の変形も阻止される。併せて、本体部21の形状保持力も増強することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)一次係止部を天板から浮かせるための支え部は、天板側を叩き出して形成してもよい。
(2)一次係止部に抜け止め部を設けて側板に差し込むのは、左右いずれか一方の側板だけであってもよい。
(4)電線の端末を固着する形式は、上記実施形態に例示したバレルによる圧着に限らず、圧接刃による圧接であってもよい。
16…キャビティ
17…ランス
20…雌端子金具
21…本体部
25…天板(一側板)
30…弾性接触片
50…一次係止部(係止部)
51…支え部
52…ランス係止面
53…テーパ面
55…折り返し部
59…過度撓み規制部
Claims (3)
- 略角筒状をなす本体部内に弾性接触片を備えた雌端子金具であって、コネクタハウジングのキャビティに後方から挿入されて、このキャビティ内に設けられた樹脂ランスにより弾性的に係止されることで抜け止めされるものにおいて、
前記樹脂ランスに係止する係止部は、前記本体部の一側板の前縁から延出したものが後方に折り返されることによって形成され、かつ同係止部は先端まで平坦なままで延びてその先端面がランス係止面となっているとともに、
前記係止部は、同係止部における折り返し部よりも先端側に離間した位置において設けられた支え部を前記一側板との間で挟むことにより前記一側板から浮いた状態で形成されていることを特徴とする雌端子金具。 - 前記係止部のランス係止面における前記一側板に近い側の角部には、テーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の雌端子金具。
- 前記一側板における前記係止部が折り重ねられる領域付近には、前記弾性接触片に当たってその過度の撓みを規制する過度撓み規制部が、内方への叩き出しによって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の雌端子金具。
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