JP4547558B2 - 形状記憶素子 - Google Patents

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Description

本発明は、形状記憶素子、特に、分子単位の形状を記憶する形状記憶素子に関する。
従来、形状記憶素子としては、形状記憶合金、形状記憶ポリマーまたはこれらを組み合わせた形状記憶複合体からなるものが提案されている。そして、形状記憶合金としては、Ti−Ni二元合金、Ti−Ni−Cu合金、Ti−Ni−Nb合金、Ti−Ni−Fe合金等のTi−Ni系形状記憶合金、または、Cu−Zn−Al合金、Cu−Al−Ni合金等の銅系形状記憶合金が挙げられている。また、形状記憶ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリノルボルネン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン共重合体等が挙げられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−199080号公報(段落番号0002、0008、0009、0014、0015、0017)
しかしながら、前記形状記憶合金、形状記憶ポリマーまたはこれらを組み合わせた形状記憶複合体からなる形状記憶素子においては、ミリスケールの形状記憶であって、マイクロメーター以下の形状を記憶させ人為的に制御することは難しいという問題があった。
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、形状記憶をナノスケールに縮小し1分子単位でその形状を記憶させることが可能な形状記憶素子を提供することを目的とする。
前記問題を解決するために請求項1の発明は、らせん構造を形成し得るポリペプチドからなるポリマーと、前記ポリマーに結合されたシクロデキストリンと、前記シクロデキストリンに対して親和性を有し、前記シクロデキストリンが結合された位置と異なる位置でポリマーに結合された親和性化合物とを含み、前記シクロデキストリンと前記親和性化合物が、前記ポリマーのらせん軸を有する仮想的に示す平面に対して同一側にあり、前記シクロデキストリン内に前記親和性化合物が包摂されることにより、前記ポリペプチドを構成するアミノ酸の4n(nは2以上の整数)個の間に形成されるブリッジが、前記ポリマーのらせん構造を固定する形状記憶素子として構成したものである。また、請求項4の発明は、前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリンである形状記憶素子として構成したものである。
前記構成によれば、シクロデキストリン(ホスト)と親和性化合物(内部ゲスト)との相互作用によって、ホストの空洞内に内部ゲストが包摂され、ポリマーの上にブリッジ(ホスト・ゲストブリッジ)が形成される。そのホスト・ゲストブリッジによって、ポリマーのらせん構造が一旦は固定化され、ポリマーの形状が記憶される。また、外部ゲスト(外部刺激)が添加された際には、ホストの空洞内から内部ゲストが放出され、ホストの空洞内に外部ゲストが包摂される。その結果、ホスト・ゲストブリッジによるポリマーのらせん構造の固定が解消され、ポリマーの形状が変化する。また、外部ゲストが除去された際には、ホスト・ゲストブリッジが再生し、記憶されたらせん構造の状態となりポリマーの形状が復活する。なお、天然物であるポリペプチドおよびシクロデキストリンを含む構成であることによって、廃棄の際の環境に与える弊害が極めて少なくなる。形状記憶素子は1組または複数のホスト・ゲストブリッジを含むもので、複数のホスト・ゲストブリッジにおいても、前記のポリマーのらせん構造の固定、固定解消、再固定の作用は同一である。
また、請求項2の発明は、前記親和性化合物が、脂溶性および/または疎水性である形状記憶素子として構成したものである。
前記構成によれば、親和性化合物(内部ゲスト)が脂溶性および/または疎水性であることによって、シクロデキストリン(ホスト)内に親和性化合物(内部ゲスト)が包摂されやすくなり、ホスト・ゲストブリッジが容易に形成される。その結果、ホスト・ゲストブリッジによるポリマーのらせん構造の固定化が促進される。
また、請求項3の発明によれば、前記ポリマーと前記シクロデキストリンとの結合、および前記ポリマーと前記親和性化合物との結合の両者が、アミド結合である形状記憶素子として構成したものである。
前記構成によれば、シクロデキストリン(ホスト)とポリマーとの結合、および親和性化合物(内部ゲスト)とポリマーとの結合の両者が、アミド結合であることによって、ポリマーの表面修飾(保護基の導入)という簡便な方法でポリマーにホストおよび内部ゲストが確実に導入される。また、アミド結合の結合力によって、ホストと内部ゲストから形成されるホスト・ゲストブリッジの安定性も向上する。
このような本発明によれば、従来の金属材料、ポリマー材料によるミリ単位の形状記憶に替え、ポリマーのらせん構造という1分子単位の形状記憶が可能となる形状記憶素子を得ることができる。また、1分子単位という極めて小さい単位の形状を記憶するため、本発明の形状記憶素子を記録媒体として応用した場合には、記録密度が極めて高いものとなり、その記憶容量が極めて大きいものとなる。さらに、本発明の形状記憶素子をアクチュエータとして応用した場合には、極めて微小な動きを制御可能となる。
なお、前記親和性化合物が脂溶性および/または疎水性である、または、前記結合がアミド結合であることにより、ポリマーのらせん構造の固定化が促進、または、安定化し、形状記憶素子として機能が向上する。
また、本発明によれば、廃棄の際の環境に与える弊害が極めて少ないため、特別な廃棄設備等を必要としない。その結果、形状記憶素子の廃棄コストを低くすることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は形状記憶素子の構成を模式的に示す概略図、(b)はシクロデキストリンの立体構造を模式的に示す概略図、図2(a)、(b)はホスト・ゲストブリッジの結合状態を模式的に示す概略図、図3(a)、(b)は図2(a)のホスト・ゲストブリッジの他の配置を模式的に示す概略図、図4は形状記憶素子の構造変化を模式的に説明する概略図である。
1.形状記憶素子の構成
本発明は、図1(a)に示すように、ポリマー2と、シクロデキストリン(ホスト)3と、親和性化合物(内部ゲスト)4とを含む形状記憶素子1であって、ホスト3内に内部ゲスト4が包摂されることにより形成されるホスト・ゲストブリッジHGBが、ポリマー2のらせん構造を固定する。以下、各構成について説明する。
(1)ポリマー
ポリマー2はらせん構造を形成し得る繰り返し単位で構成されもので、例えば、ポリペプチド、ポリペプトイド、DNA、RNA、PNA(ポリアミド核酸あるいはペプチド核酸)等である。また、ポリマー2は、化学合成により容易に合成できるポリペプチドが好ましい。
ポリペプチドは、アミノ酸を繰り返し単位として構成されるもので、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を持つ、以下の化学式(1)で示されるものである。
Figure 0004547558
ポリペプチドは、らせん構造であるα−ヘリックス構造を形成しやすいアミノ酸、例えば、グルタミン酸(Glu)、メチオニン(Met)、アラニン(Ala)、ロイシン(Leu)等を含むことが好ましい。また、ポリペプチドは、後記するシクロデキストリン(ホスト)3および親和性化合物(内部ゲスト)4との結合を形成しやすい側鎖を持つアミノ酸を含むことが好ましい。例えば、結合がアミド結合の場合には、アミド結合を形成できる側鎖を持つアミノ酸は、リジン(Lys)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、等である。また、結合がエーテル結合の場合には、エーテル結合を形成できる側鎖を持つアミノ酸は、セリン(Ser)等である。また、結合がエステル結合の場合には、エステル結合を形成できる側鎖を持つアミノ酸は、セリン(Ser)、アスパラギン酸(Asp)またはグルタミン酸(Glu)等である。また、結合がチオエーテル結合の場合には、チオエーテル結合を形成できる側鎖を持つアミノ酸は、システイン(Cys)等である。また、結合がジスルフィド結合の場合には、ジスルフィド結合を形成できる側鎖を持つアミノ酸は、システイン(Cys)等である。さらに、ポリペプチドは、その両末端をアシル化またはアミド化して電荷を除去したものが好ましい。その理由は、ポリペプチドの両末端が電荷を持つと、ポリペプチドのα−ヘリックス構造の形成が阻害される可能性があるからである。なお、図1は、前記結合がアミド結合である場合を示したものである。
ポリマー2の繰り返し単位の個数は、らせん構造を形成し得る最小個数以上である。例えば。ポリペプチドの場合には4個のアミノ酸で1つのらせん構造が形成されるため、4個以上のアミノ酸で構成され、4〜40個のアミノ酸が好ましい。また、10〜20個のアミノ酸が後記するポリマー2のらせん構造の形態変化が生じやすく、ポリマー2の形状が記憶されやすいため、さらに好ましい。アミノ酸の個数が4個未満であると、ポリマーがらせん構造を形成しない。また、アミノ酸の個数が40個を超えると、化学合成によってポリペプチドを合成するのが難しくなる。しかしながら、細菌合成によって40個以上のアミノ酸からなるポリペプチド(細菌合成ポリペプチド)を合成し、前記化学式(1)に示すような化学合成ポリペプチドを細菌合成ポリペプチド鎖に導入することによって、40個以上のアミノ酸からなるポリペプチドを合成することも可能である。
(2)シクロデキストリン(以下、ホストと称す。)
ホスト3は、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合等の化学結合によりポリマー2の位置P1に結合され、臼状の立体構造の空洞内に、後記する親和性化合物(内部ゲスト)4を包摂し、内部ゲスト4と共に、ホスト・ゲストブリッジHGBをポリマー2の上に形成する。ここで、ホスト3とポリマー2との前記結合は、ホスト・ゲストブリッジHGBの安定性から、アミド結合が好ましい。そして、ホスト3としては、例えば、以下の化学式(2)で示される6個のグルコース分子がグルコシド結合で環状に結合されたα−シクロデキストリン、化学式(3)で示される7個のグルコース分子がグルコシド結合で環状に結合されたβ−シクロデキストリン、化学式(4)で示される8個のグルコース分子がグルコシド結合で環状に結合されたγ−シクロデキストリンが使用される。また、空洞の最大内径D(図1(b)参照)はα−シクロデキストリンの場合で約4.5Å、β−シクロデキストリンの場合で約7.0Å、γ−シクロデキストリンの場合で約8.5Åである。さらに、ホスト3は、ポリマー2と前記結合を形成するため、結合前にあらかじめ所定の官能基で修飾したものを使用する。
Figure 0004547558
Figure 0004547558
Figure 0004547558
(3)親和性化合物(以下、内部ゲストと称す。)
内部ゲスト4は、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合等の化学結合により、前記ホスト3の結合位置P1と異なる位置P2で、ポリマー2に結合され、前記ホスト3に対して親和性を有するもので、前記ホスト3の空洞内にホスト3との相互作用により包摂され、ホスト3と共に、ホスト・ゲストブリッジHGBをポリマー2の上に形成する。ここで、内部ゲスト4とポリマー2との前記結合は、前記ホスト3とポリマー2との結合と異種の結合であってもよいが、ホスト・ゲストブリッジHGBの安定性から同種の結合が好ましい。また、内部ゲスト4は、その分子の大きさがホスト3の空洞の最大内径D(図1(b)参照)より小さいものが好ましい。内部ゲスト4の分子の大きさが内径Dより大きいと、内部ゲスト4がホスト3に包摂され難く、ホスト・ゲストブリッジHGBが形成され難くなる。すなわち、内部ゲスト4の分子の大きさは、ホスト3がα−シクロデキストリンの場合には約4.5Å以下が好ましく、ホスト3がβ−シクロデキストリンの場合には約7.0Å以下が好ましく、ホスト3がγ−シクロデキストリンの場合には約8.5Å以下が好ましい。さらに、内部ゲスト4が脂溶性または疎水性であることが好ましい。以下に、内部ゲスト4として好ましい化合物を例示する。
(a)ホスト3がα−シクロデキストリンの場合
内部ゲスト4としては、(a1)および(a2)が好ましい。
(a1)n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール等の直鎖状アルコール。(a2)ベンゼン、ベンゼン誘導体、スチルベン(異性体を含む)、スチルベン誘導体、アゾベンゼン(異性体を含む)、アゾベンゼン誘導体等の芳香環式化合物。
(b)ホスト3がβ−シクロデキストリンの場合
内部ゲスト4は、(b1)〜(b7)が好ましい。
(b1)t−ブタノール、i−ブタノール、i−ペンタノール等の分枝状アルコール。
(b2)n−ヘキサノール等の直鎖状アルコール。
(b3)ベンゼン、ベンゼン誘導体、スチルベン(異性体を含む)、スチルベン誘導体、アゾベンゼン(異性体を含む)、アゾベンゼン誘導体等の芳香環式化合物。
(b4)ナフタレン、ナフタレン誘導体、アントラセン、アントラセン誘導体、ピレン、ピレン誘導体等の多芳香環式化合物。
(b5)メンソール、フェンコン、ボルネオール、アダマンタンカルボン酸、アダマンタノール等の環式あるいは複環式化合物。
(b6)コール酸等のステロイド誘導体。
(b7)ダンシル、ダブシル、クマリンのような色素。
(c)ホスト3がγ−シクロデキストリンの場合
内部ゲスト4は、(c1)〜(c5)が好ましい。
(c1)ベンゼン、ベンゼン誘導体、スチルベン(異性体を含む)、スチルベン誘導体、アゾベンゼン(異性体を含む)、アゾベンゼン誘導体等の芳香環式化合物。
(c2)ナフタレン、ナフタレン誘導体、アントラセン、アントラセン誘導体、ピレン、ピレン誘導体等の多芳香環式化合物。
(c3)ボルネオール、アダマンタンカルボン酸、アダマンタノール等の環式あるいは複環式化合物。
(c4)コール酸等のステロイド誘導体。
(c5)ダンシル、ダブシル、クマリンのような色素。
また、前記(a)〜(c)に例示された内部ゲスト4は、ポリマー2と前記結合を形成するため、結合前にあらかじめ所定の官能基で修飾したものを使用する。
(4)ホスト・ゲストブリッジ
ホスト・ゲストブリッジHGBは、ホスト3に内部ゲスト4が包摂されることにより形成され、ポリマー2のらせん構造を固定する。図2(a)、(b)にホスト・ゲストブリッジHGBの結合状態を模式的に示す。ここで、図2では、ホスト3および内部ゲスト4を簡略化した線で示した。
ホスト・ゲストブリッジHGBは、ポリマー2のらせん構造を固定するために、図2(a)に示すような位置P1、P2でポリマー2に結合している。すなわち、ホスト3および内部ゲスト4が、ポリマー2のらせん軸Sを有する仮想的に示す平面Xに対してほぼ同一側にある。そして、このような位置P1、P2にホスト・ゲストブリッジHGBが結合されていると、ポリマー2のらせん構造が誘起され、ホスト・ゲストブリッジHGB形成前に比べてポリマー2のらせん構造の割合が増加し、この状態でポリマー2がホスト・ゲストブリッジHGBによって固定される。そして、ホスト・ゲストブリッジHGBにより固定されることによって、ポリマー2の形状が記憶される。図3(a)、(b)に示すように、ポリマー2へ結合されるホスト・ゲストブリッジHGBの個数は、1個に限定されず、複数個であってもよい。また、ホスト・ゲストブリッジHGBは、図3(a)に示すように、らせん軸Sを有する仮想的に示す平面X(図2参照)に対して同一側に複数配置することに限定されず、図3(b)に示すように、平面Xの両側に1つ以上配置してもよい。
ホスト・ゲストブリッジHGBの結合位置が、図2(b)に示すようなポリマー2のらせん軸Sを有する仮想的に示す平面Xをクロスする位置P1’P2’であると、ホスト3および内部ゲスト4が平面Xの同一側にないため、ホスト・ゲストブリッジHGBの形成によって、ポリマー2のらせん構造の形成が阻害され、ポリマー2がらせん構造を形成しなくなり、ポリマー2の形状が記憶されない恐れがある。また、ホスト3と内部ゲスト4との距離が遠すぎて、ホスト3内に内部ゲスト4が包摂されず、ホスト・ゲストブリッジHGBが形成されない恐れがある(図示せず)。したがって、図2(b)に示すような、平面Xをクロスする位置P1’P2’へのホスト・ゲストブリッジHGBの結合は、好ましくない。
例えば、ポリマー2がポリペプチドの場合には、4個のアミノ酸で1つのらせん構造(α−ヘリックス構造)が形成されるため、ホスト・ゲストブリッジHGBは、最低4個のアミノ酸の間に形成され、ポリペプチドのα−ヘリックス構造の形成が阻害されない範囲内で4n(nは2以上の整数)のアミノ酸の間に形成される。ここで、nが大きくなるとホスト3と内部ゲスト4との距離が遠くなり、ホスト3へ内部ゲスト4が包摂されない恐れがあるため、ホスト・ゲストブリッジHGB(ホスト3および内部ゲスト4)の長さを長くする操作を行なってもよい。この操作は、ホスト3および内部ゲスト4をポリマー2へ結合する前に、アルキル基等の適当な官能基で修飾すること等が挙げられる。
2.形状記憶素子の作用
図4に示すように、形状記憶素子1においては、ポリマー2の上にホスト・ゲストブリッジHGBが形成されることによって、ポリマー2のらせん構造が誘起され、ホスト・ゲストブリッジHGB形成前に比べて、ポリマー2のらせん構造の割合が増加する。そして、らせん構造の割合が増加したポリマー2がホスト・ゲストブリッジHGBで固定されることによって、形状記憶素子1にポリマー2の形状が記憶される。
この形状記憶素子1に、例えば、液相中または気相中で、ホスト3に対して親和性を有する外部ゲスト5を添加することによって、ホスト3の空洞内から内部ゲスト4が放出され、替わりに外部ゲスト5がホスト3の空洞内に包摂される。その結果、ホスト・ゲストブリッジHGBが解消され、ホスト・ゲストブリッジHGBによるポリマー2のらせん構造の固定がなくなり、ポリマー2のらせん構造がゆるみ(図4参照)、ポリマー2の形状が記憶されていたものから変化する。
そして、形状が変化した形状記憶素子1の周りから外部ゲスト5を除去することによって、内部ゲスト4が再びホスト3の空洞内に包摂され、ポリマー2の側鎖上にホスト・ゲストブリッジHGBが再生する。このホスト・ゲストブリッジHGBの再生によって、ポリマー2のらせん構造が誘起して、ポリマー2の形状が記憶されていたものに戻る。
例えば、ポリマー2がポリペプチドの場合には、ホスト・ゲストブリッジHGBの形成によって、ポリペプチドのα−ヘリックス構造(らせん構造)が誘起される。そして、ポリペプチドの全長は100%α−ヘリックス構造では約3nmになる。次に、外部ゲスト5の添加によって、ポリペプチドのα−ヘリックス構造がゆるみ、ポリペプチドが完全に伸びきった状態になると、ポリペプチドの全長は約6nmになる。さらに、外部ゲスト5の除去によって、ポリペプチドのα−ヘリックス構造が復元され、ポリペプチドの全長は約3nmに戻る。このように、形状記憶素子1はナノスケールでポリマー2の形状を記憶することができる。
ここで、外部ゲスト5は、ホスト3に対して親和性を有するもので、好ましくは、脂溶性および/または疎水性を有するものである。外部ゲスト5の具体例としては、前記内部ゲスト4で記載した炭化水素、アルコール類、芳香環式化合物、多芳香環式化合物、環式化合物、複環式化合物、ステロイド誘導体、色素等である。また、外部ゲスト5のホスト3に対する親和性は、内部ゲスト4と同等またはそれ以上がより好ましい。しかしながら、前記ホスト・ゲストブリッジHGBの解消は、ホスト3の周りに存在する外部ゲスト5の分子数に依存する。したがって、外部ゲスト5の分子数が多ければ、内部ゲスト4に替わって外部ゲスト5がホスト3の空洞内に包摂され、ホスト・ゲストブリッジHGBが解消される。それゆえ、親和性が内部ゲスト4より低い外部ゲスト5であっても、添加する濃度を高めれば使用することが可能である。さらに、外部ゲスト5は、前記化合物に限定されず、温度(例えば、内部ゲスト4に一般的な脂溶性または疎水性な化合物を使用した場合)、pH(例えば、内部ゲスト4にフェノールの誘導体またはアニリン誘導体を使用した場合)等の外部刺激であってもよい。
また、外部ゲスト5の添加方法としては、(A)外部ゲスト5を所望の溶媒で溶解し、その溶液内に前記形状記憶素子1を浸漬する方法、(B)前記溶液を前記形状記憶素子1
に噴霧する方法、(C)外部ゲスト5をガス状に気化させ、その雰囲気下に前記形状記憶素子1を置く方法等が用いられる。外部ゲスト5の除去方法としては、(a)前記溶液を溶媒で希釈する方法(例えば、内部ゲスト4に一般的な脂溶性または疎水性な化合物を使用した場合)、(b)前記溶液の極性(pH)を変化させる方法(例えば、内部ゲスト4にフェノールの誘導体またはアニリン誘導体を使用した場合)、(c)外部ゲスト5を透析、フィルター等でろ過または吸着する方法等が用いられる。
3.形状記憶素子の作製方法
(A)ポリマーの合成
公知の化学合成法または細菌合成法等を用いて、あらかじめ設定された位置に、ホストおよび内部ゲストと結合する繰り返し単位が配列されると共に、らせん構造を有するポリマーを合成する。例えば、ポリマーがポリペプドの場合には、化学合成法としてはFmoc固相法、液相法、フルオラス法等が用いられ、細菌合成法としては大腸菌、酵母菌、小麦胚芽等が用いられる。らせん構造を誘起するアミノ酸、ホストおよび内部ゲストと化学結合しやすいアミノ酸が所定の位置に配列したポリペプチドを得るためには、Fmoc固相法が好ましい。また、Fmoc固相法においては、後工程において、合成されたポリペプチドにホストおよび内部ゲストを導入するために、公知のtert−ブチル、tert−ブチルオキシカルボニル、ベンジルおよびペンタメチルジヒドロベンゾフランスルホニル等の保護基を持つアミノ酸を用いて合成する。
(B)ホスト、内部ゲストの導入(ホスト・ポリマー複合体の合成)
ポリマーとホストとの間、およびポリマーと内部ゲストとの間の化学結合の種類、例えば、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合およびジスルフィド結合に適した公知の化学縮合法を用いて、前記(A)で合成されたポリマーの所定に位置に、ホストおよび内部ゲストを導入し、ホスト・ポリマー複合体を合成する。また、前記(A)で保護基を用いた場合には、トリフルオロ酢酸、トリメチルトリフロメタンスルホネイト、チオアニソール、メタクレゾール等の試薬を用いて、ホストおよび内部ゲストが導入されるアミノ酸の保護基を除去した後、ホストおよび内部ゲストをポリマーに化学結合する。
(C)形状記憶素子の作製
前記ホスト・ポリマー複合体を、ゲルろ過、高速液体クロマトグラフィー等を用いた公知の精製方法で精製し、形状記憶素子を作製する。前記(A)で保護基を用いた場合には、トリフルオロ酢酸、トリメチルトリフロメタンスルホネイト、チオアニソール、メタクレゾール等の試薬を用いて、導入された全ての保護基を除去した後、精製を行う。
以下、形状記憶素子の実施例について説明する。なお、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
<ポリマー(ポリペプチド)の合成>
9個のアラニン(Ala)と、4個のグルタミン酸(Glu)と、2個のリジン(Lys)と、3個のアルギニン(Arg)とから、Fmoc固相法(反応条件:室温、1アミノ酸縮合あたり15〜30分)を用いて、配列番号1のアミノ酸配列を持つ、以下の化学式(5)に示すポリペプチド(2)を合成した。
Figure 0004547558
ここで、内部ゲストを導入するリジン(Lys:配列位置16番目)にはtert−ブチルオキシカルボニルを、ホストを導入するグルタミン酸(Glu:配列位置9番目)にはtert−ブチルを、他のリジン(Lys:配列位置5番目)には2−クロロベンジルオキシカルボニルを、グルタミン酸(Glu:配列位置2、7、13番目)にはベンジルを、アルギニン(Arg:配列位置6、11、17番目)には2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニルをそれぞれ保護基として持つアミノ酸を用いた。また、N末端のアラニン(Ala:配列位置1番目)のアセチル化(反応条件:室温、15〜30分)には無水酢酸を用いた。また、C末端のアラニン(Ala:配列位置18番目)は、前記ポリペプチド合成時にアミド化された。
<ホストおよび内部ゲストの導入(シクロデキストリン・ペプチド複合体の合成)>
ホストとしてアミノ化したβ−シクロデキストリン、内部ゲストとしてカルボキシル化したナフタレンを用いた。前記ポリペプチドのグルタミン酸(Glu:配列位置2、7、13番目)の保護基(ベンジル)以外を、トリフルオロ酢酸、メタクレゾールを用いて除去した。ポリペプチドのリジン(Lys:配列位置16番目)にナフタレンカルボン酸を化学縮合法(反応条件:室温、24時間)にて導入し、リジン(Lys:配列位置16番目)とナフタレンとをアミド結合で結合した。続いて、ポリペプチドのグルタミン酸(Glu:配列位置9番目)にアミノ化したβ−シクロデキストリン(文献「シクロデキストリン」(1995、産業図書)参照)を化学縮合法(反応条件:室温、24時間)にて導入し、グルタミン酸(Glu:配列位置9番目)とβ−シクロデキストリンとをアミド結合で結合した。その結果、ポリペプチドの側鎖にナフタレンおよびβ−シクロデキストリンが導入されたシクロデキストリン・ペプチド複合体が合成された。
<形状記憶素子の作製>
前記のシクロデキストリン・ペプチド複合体の全ての保護基を、トリメチルトリフロメタンスルホネイト、トリフルオロ酢酸、チオアニソール、メタクレゾールを用いて除去し、ODSカラム(YMC社製、YMC−Pack C18 RS)高分解能液体クロマトグラフィー(日立社製、L−7000)で精製し、配列番号1のアミノ酸配列を持つ、以下の化学式(6)で示す形状記憶素子(1a)を作製した(表1参照)。
Figure 0004547558
<形状記憶機能の確認>
前記の形状記憶素子(1a)の20マイクロモラー水溶液をトリス塩酸緩衝溶液でpH=7.5に調整し、円偏光二色性分散計(日本分光社製、J720)を用いて、この溶液の円二色性スペクトルを測定した。内部ゲストとしてナフタレンの替わりにコール酸を使用し、形状記憶素子(1a)と同様にして、形状記憶素子(1b)を作製した(表1参照)。前記で合成したポリペプチド(2)の全ての保護基を、トリメチルシリルトリフロメタンスルホネイト、トリフルオロ酢酸、チオアニソール、メタクレゾールを用いて除去し、対照ポリペプチドを作製した。そして、形状記憶素子(1a)と同様にして、形状記憶素子(1b)、対照ポリペプチド各々の円二色性スペクトルを測定した。
次に、これらの溶液に2ミリモラーの外部ゲスト(アダマンタノール)を添加して、前記と同様にして円二色性スペクトルを測定した。
さらに、透析により外部ゲストを取り除いた後、円二色性スペクトルを測定した。
前記円二色性スペクトルの測定結果から、α−ヘリックス含量を算出した。算出方法については、文献「Marqusee,S.,Robbins,V.H.,Baldwin,R.L.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,5286−5290,1989」に準じて行った。その算出結果を表1に示す。
Figure 0004547558
表1の結果から、形状記憶素子(1a)、(1b)のα−ヘリックス含量は、対照ポリペプチドと比べて増加することが確認された。また、形状記憶素子(1a)のα−ヘリックス含量は、外部ゲストの添加によって減少し、外部ゲストの除去によって外部ゲスト添加前の値に戻った。すなわち、α−ヘリックス含量値の記憶、復元が確認された。さらに、形状記憶素子(1b)のα−ヘリックス含量は、外部ゲストの添加および除去に左右されず、一定であった。すなわち、α−ヘリックス含量値の記憶、保持が確認された。したがって、形状記憶素子(1a)、(1b)は、形状記憶機能を有していることが確認された。さらに、内部ゲストを替えることによって、形状記憶素子のα−ヘリックス含量を調整できることが確認された。
(a)は本発明に係る形状記憶素子の構成を模式的に示す概略図、(b)はシクロデキストリンの立体構造を模式的に示す概略図である。 (a)、(b)はホスト・ゲストブリッジの結合状態を模式的に示す概略図である。 (a)、(b)は図2(a)のホスト・ゲストブリッジの他の配置を模式的に示す概略図である。 本発明に係る形状記憶素子の構造変化を模式的に説明する概略図である。
符号の説明
1 形状記憶素子
2 ポリマー
3 シクロデキストリン(ホスト)
4 親和性化合物(内部ゲスト)
5 外部ゲスト
HGB ブリッジ(ホスト・ゲストブリッジ)
1、P2 位置
α−ヘリックス、アセチル化、アミド化、β−シクロデキストリン、ナフタレン

Claims (4)

  1. らせん構造を形成し得るポリペプチドからなるポリマーと、
    前記ポリマーに結合されたシクロデキストリンと、
    前記シクロデキストリンに対して親和性を有し、前記シクロデキストリンが結合された位置と異なる位置でポリマーに結合された親和性化合物とを含み、
    前記シクロデキストリンと前記親和性化合物が、前記ポリマーのらせん軸を有する仮想的に示す平面に対して同一側にあり、
    前記シクロデキストリン内に前記親和性化合物が包摂されることにより、前記ポリペプチドを構成するアミノ酸の4n(nは2以上の整数)個の間に形成されるブリッジが、前記ポリマーのらせん構造を固定することを特徴とする形状記憶素子。
  2. 前記親和性化合物が、脂溶性および/または疎水性であることを特徴とする請求項1に記載の形状記憶素子。
  3. 前記ポリマーと前記シクロデキストリンとの結合、および前記ポリマーと前記親和性化合物との結合の両者が、アミド結合であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の形状記憶素子。
  4. 前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリンであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の形状記憶素子。
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