JP4547502B2 - 強磁性薄膜同調マイクロ波発振器 - Google Patents

強磁性薄膜同調マイクロ波発振器 Download PDF

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Description

本発明は、極低位相雑音のマイクロ波同調発振器に関する。その用途は、いくつか例示すると、通信装置、近代コンピュータ、またはその周辺機器に見られる、カウンタ、タイマー、受信機、または波形発生器、およびその他の多くの装置を含む。
非常に大きなQ値(quality factor)の利益が得られる同調可能な共鳴現象の選択は、マイクロ波の周波数域では非常に限られている。強磁性共鳴が、マイクロ波発振器の最良な同調素子であることが見出されている。強磁性共鳴が最良であることを説明する理由がいくつかある。一つは、大きな電子磁気モーメント(例えば、ボーア磁子にして大きさで3桁小さい核磁気共鳴とは対照的である)、および低磁場での飽和磁化(例えば、非常に大きな外部磁場を必要とする常磁性共鳴とは対照的である)の両方の恩恵が得られることである。従って、強磁性共鳴では、大きな効果が確実に得られる。同調要素は、コイルを介して強磁性試料に印加された外部磁場である。他の重要な側面は、線幅が外部分極磁場の均一性にほとんど依存しないということである。従って固有の線幅を簡単に観測できる。現在のところ、最良の標準試料は、完全な球体に研磨された超高純度イットリウム・鉄・ガーネット(YIG)の単結晶である。それにおいて線幅は、0.02G/GHz程度の、Kasuya LeCraw機構と呼ばれる磁気弾性結合のみによって制限される。
YIG同調発振器についての科学文献は、膨大であって、これを主題とする特許も数多くある。本発明と関連する先行公報としては、球状試料を用いた高Q値のYIG同調発振器について記載する特許文献1および特許文献2が挙げられる。前記球状体を薄膜に置き換えることによってマイクロ波集積回路(MIC)技術をフル活用する特許文献3および4も挙げることができる。特許文献3に記載されているように、YIG試料は、Q値を損なうことなくディスクとしてパターン化できる。
本発明は、YIGなどの強磁性材料の非線形挙動を利用するものである。この側面は、非特許文献1および2において取り組まれている。パラメトリック励起についての文献は非常に限られている。このテーマについての1つの成果が、非特許文献3にレビューされている。
特公昭53−32671号公報 米国特許第6348840号明細書 米国特許第4626800号明細書 米国特許第4887052号明細書 H.シュール(H. Suhl)著、「ジャーナル・オブ・フィジクス・アンド・ケミストリー・オブ・ソリッズ(J. Phys. Chem. Solids)」、第1号、1957年、p.209 H.シュール(H. Suhl)著、「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス(J. Appl. Phys.)」、第30号、1959年、p.1961 W.ヤンツ(W. Jantz),J.シュナイダー(J. Schneider)著、「フィジシア・ステータス・ソリディ(Phys. Stat. Sol.)」、(a)巻、第31号、1975年、p.595
本発明は、強磁性薄膜により同調される公知のマイクロ波発振器の欠点を解消することを目的とするものである。
より具体的には、本発明の目的は、極めて高いQ値を有するYIG同調発振器を提供することにある。
本発明の別の目的は、コンパクトで、マイクロ波集積回路に組込むことができる、高Q値の同調発振器を提供することにある。
本発明の目的はまた、当該発振器を、高バイアスにおける高感度の磁場検出に用いることにある。
本発明は、マイクロ波発振器の同調素子として、パラメトリック共鳴を利用することを提案する。非線形レジームにおけるYIG試料の駆動により、上記で報告された中で最も高いQ値よりも1桁大きいQ値を有する、定常スピン波共鳴を観測することができる。さらに、ここで提案する構成は、米国特許第4887052号明細書(特許文献4)に記載された改良と両立させることができ、よって特に大量生産に適するコンパクトな構成とすることができる。特許文献4に記載された低インダクタンスコイルもまた、速度または消費を最適化するために、本発明と併用してもよい。
より具体的には、本発明は、強磁性薄膜共振器を用いたマイクロ波同調発振器であって、
a)マイクロ波集積回路上に配置された強磁性薄膜共振板を含むマイクロ波共振器、
b)前記強磁性薄膜共振板に垂直にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界手段、
c)発振用能動素子、受動帰還素子、および、負荷帰還ループを介して、当該強磁性薄膜共振板のマイクロ波特性により制御される負荷、ならびに
d)前記発振用能動素子と前記マイクロ波共振器との間に接続され、当該強磁性薄膜共振板のパラメトリック励起された共振の一つにおいて持続的発振を確立させるためのオーバーオール正帰還ループ
を含むことを特徴とするマイクロ波同調発振器に関する。
本発明の一側面では、オーバーオール正帰還ループは、マイクロ波の励起によって共鳴飽和または副共鳴の非線形運動レジームにおける強磁性薄膜共振板の磁化が引き起こされるように、発振用能動素子の出力を増幅させるための振幅安定化増幅器を含む。
ある一実施態様では、振幅安定化増幅器は、マイクロ波共振器に静的なマイクロ波の励起をもたらすための、クランプ手段および増幅手段を含む。
本発明のある側面では、オーバーオール正帰還ループは、発振器、および、小さいAC変調と振幅安定化増幅器の出力とを重ねるためのミキサーをさらに含む。
本発明の別の側面では、マイクロ波同調発振器は、変調周波数で動作し、マイクロ波共振器と発振用能動素子との間に接続される同期位相検出器をさらに含む。
強磁性薄膜共振板は、有利には、好ましくはディスク状の、YIG(イットリウム・鉄・ガーネット)結晶である。
マイクロ波集積回路は、半波長ストリップ線路共振器を含んでいてもよい。
本発明のある実施態様では、半波長ストリップ線路共振器は、一方の面が導電性の接地層で覆われ、他方の面が被エッチング部を有する金のストライプで覆われたアルミナ基板を含み、YIG結晶は、半波長ストリップ線路共振器の中央に配置され、GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)基板が、YIG結晶と半波長ストリップ線路共振器との間に介挿されている。
発振用能動素子は、GaAs FETなどの高速トランジスタを含んでいてもよい。
より具体的には、高速トランジスタとして用いられるGaAs FETは、インピーダンス整合負荷に接続されたドレイン、受動帰還素子を介して接地されたゲート、および同調発振器の自己発振の周波数に応じて前記負荷を変化させる別のトランジスタに接続されたソースを有する。
本発明のその他の目的、特徴および利点を、添付図面と併せて、以下の記載により明示する。
図1は、本発明による変調発振器の一例のブロック図である。当該発振器は、便宜上、4つのモジュールに分割されている。YIG共振器110およびそれと結合した検出器13を含むマイクロ波集積回路、同調発振器2、振幅安定化増幅器3、ならびに同調発振器への負荷帰還4である。
同調発振器2は、GaAs FETなどの高速トランジスタ21を含む。トランジスタ21のドレインは、インピーダンス整合負荷(ZL)23に接続されている。ゲートは、帰還リアクタンス(L)24を介して接地されている。トランジスタ21のソースは、同調発振器2の自己発振の周波数に応じて負荷(ZL)25を変化させる別のトランジスタ22に接続されている。これは、マイクロ波集積回路(MIC)11上に配置され、発振器の出力16によって励起されたYIGサンプル110の特性をモニターすることによって達成できる。トランジスタ21のソースのインピーダンス25が、インピーダンス整合負荷23よりも大きくなったとき、オーバーオール正帰還が、持続的発振を確立させるために用いられる。トランジスタ21のソースから見たマイクロ波の反射係数Γsは、
Figure 0004547502
となって回路が自己発振するように、同調負荷25から見た反射係数ΓLを補償する。以下、本発明に従い、これらの振幅は、パラメトリック共鳴でのみ起こることが保証される。
強磁性薄膜共振板110は、111方向に沿って液相エピタキシーにより成長したイットリウム・鉄・ガーネット(YIG)結晶である。T=285±0.02Kの温度で測定を行い(MICは、温度が安定化されている)、この温度でのYIGの自発磁化は、4πMs(T)=1815Gである。YIG結晶110は、半径Rs=80±4μm、厚さS=4.750±0.001μmのディスク状にイオンミリングされている。発振器によって発生したマイクロ波磁場hは、図2に示すように、インピーダンス整合ストリップ線路共振器11に供給される。他方の面が導電性の接地層114で覆われた厚さ0.5mmのアルミナ基板113上に、2μm厚で0.5mm幅の金のストライプ111を堆積させることによって、当該ストリップ線路は形成されている。50Ωのインピーダンス整合共振器は、先端から5mmのところに、ストライプ111を横断するように32μmのギャップ115をエッチングすることによって得られる。ストリップ線路のキャビティ11のQ値は、約QL≒100であり、その共振周波数は、10.47GHzであり、この5mmの距離が共振の半波長を定めている。マイクロ波キャビティの使用は、絶対不可欠ではないが、QLの増大は、非線形レジームにおいてYIGを駆動させるために必要なマイクロ波出力が、小さくなることを意味する。190±5μm厚のGGG基板112が、YIGディスク110とストリップ線路11との間に挿入された状態で、YIGディスク110は、当該半波長共振器11の中央に配置されている。マイクロ波電場hは、サンプルの体積全体にわたり、均一である(4%以内)と考えることができる。
外部磁場Hextは、コイル12を介してYIGディスク110の表面に垂直に印加される(図1)。
図3は、ディスク軸(Oz)に沿って印加されたDC磁場Hextの関数として、ディスク110のマイクロ波感受率を示すグラフである。共振時にサンプルから反射される出力は、信号が横方向の感受率χ”の虚数部に比例するマイクロ波結晶ダイオード131(抵抗132と結合している)によって検出される(後者の量は、サンプルの体積全体にわたって、空間的に平均化されている)。Hextを掃引する際、強磁性共鳴(FMR)吸収の最大値の多重性が観測され、これは、例えば文献V. Charbois, V. V. Naletov, J. Ben YoussefおよびO. Klein, J. Appl. Phys. 91, 7337 (2002)で説明されているように、直径方向に沿って励起された基本モードの高周波として同定できる。測定された共振は、サンプルを横断して半径方向に伝搬する複数の静磁波に帰属する。これらの分離は、J. F. Dillon, J. Appl. Phys. 31, 1605 (1960)に記載の円筒アスペクト比により決定される。これらの静磁波は、(n,m)、それぞれ直径方向および円周方向のノード数、によって分類される。磁気交換モードは、P. E. Wigen, Thin Solid Films 114, 135 (1984)で説明されているように、5μmを超える膜厚では無視できることが判っている。ピークの線幅は、1.5G程度であり、J .R. Eshbach, J. Appl. Phys. 34, 1298 (1963)で述べられているように、YIGディスクに典型的な値である。
以下の議論は、上記のあらゆる静磁モードに拡張可能であるが、以後は、最も強いピークである主共鳴に議論を集中する。このモードは、横方向の波数ベクトルk0≒π/Dを有し、モードの位相が当該サンプルにわたって一様であるため、ここでは、当該モードを一様な歳差運動であるとする。一様であるマグノンの正規化数は、u0=χ”h/Msとしてnu=1/2|u02であり、hは、RF磁場の円偏極させた振幅であり、Msは、熱平衡時の飽和磁化である。この一様な歳差運動の直接の格子へのエネルギー緩和速度は、η0/γ=1.07Gと書けよう。M. J. HurbenおよびC. E. Patton, J. Appl. Phys. 83, 4344 (1998)に述べられる有限アスペクト比のディスクについて、一様な歳差運動は、他のスピン波運動と共に縮退する。不均一性、不純物および結晶欠陥は、一様な歳差運動と、ディスクの法線から角度θkで伝搬し、同一のエネルギー(ωk=ω0)であるが異なる波数ベクトル(k>>k0)である形態uκe−iωktの縮退モードとの線形結合をもたらし、
Figure 0004547502
は、熱力学平衡へのこれらの平均減衰率となる。ηsp/γ=0.2Gが、垂直方向に磁化されたディスクに対する、不均一散乱による一様な歳差運動の一定した減衰であった場合、ηspが小さいことが予想される。
Suhlが文献J. Phys. Chem. Solids 1, 209 (1957)で示すように、減磁エネルギー中の二次効果は、歳差運動の角度が2〜3度を超過する際に、重要となる。当該二次効果は、縮退スピン波モードの独立性を破壊する。u0 2によるべき級数として表す場合、共鳴時の主要な行列要素は、波数ベクトル(+k)の縮退モードと逆の波数ベクトル(−k)の縮退モードとを結合させるξκu0 2の表現となる。ここで、読者が、上記の論文を完全に扱うために参照できるように、Suhlの注釈を意図的に使用する。結合ξkは、θkに依存し、最大振幅ξK|max/γ=2πMs(≒900G)が、θk=0(zに沿う)で伝搬するスピン波に対して得られる。本発明のディスク110において、これらのスピン波は、マグノンの多様体から計算される波数ベクトルkmax≒6.3×104cm-1を有する。2ξk|u02が、ηz/γ=0.15G{これらz方向を向いたマグノンの格子への緩和
Figure 0004547502
速度}と同程度になると、結合メカニズムは、臨界閾値に達する。一様な運動は、kmaxでM方向に沿って伝搬するパラメトリック励起された一対のスピン波に変化する。そして、重要な結果として、ユニフォームモードの共鳴飽和が起こる。それは、これらのパラメトリック励起された一対のスピン波の実効減衰率
Figure 0004547502
の減少として説明され得るものであり、これは、ユニフォームモードの振幅が臨界値に近づくにつれ、無限に小さくなる。本発明の発振器の同調に、この無限に小さい線幅を用いることを提案する。非線形補正
Figure 0004547502
のための分析的表現が、Suhlにより、
Figure 0004547502
として、縮退スピン波(k≠0)間の非線形相互作用を無視し、ユニフォームモードとそれらを結合させる部分を除いて導き出されている。一様なマグノンの臨界値nc=1/2χ”0 2c 2/Ms 2は、χ”0=2γMs/(η0+ηsp)、低出力感受率、および
Figure 0004547502
飽和出力に依存する。
図4に、RF磁場依存性を、共鳴時に評価した両χ”の関数としてプロットした。マイクロ波感受率のデータが、hc=5mGにおいて、早期の飽和挙動を示していることが観察されるだろう。2つのマグノンの散乱が存在すると、感受率は、陰関数表示された等式
Figure 0004547502
に従うことが示された(式中、関数fは式2に定義されたものである)。本発明のディスク110についてhc=5mGの観測値は、予測と一致する。本発明の思想は、hcでディスク110を励起し、これの閾値付近で感受率をモニターすることである。本発明の目的は、η0の変わりに損失パラメータ
Figure 0004547502
によって決定した共鳴線幅を用いることである。
このようにして、20μWの定常マイクロ波磁場(h0=8mG)が、サンプル110に印加される。これは、ダイオードブリッジ31,32を介して同調発振器2の出力をクランプし、その後、振幅安定化増幅器3において所望の出力レベルで増幅器30を用いて出力を増幅することにより達成される(図1)。この出力レベルは、マイクロ波のレベルが飽和閾値を丁度超えたところにあることを保証する。磁場は、飽和付近で一様な歳差運動を推進し、その結果、寿命が不安定に近い双方の縮退マグノンをもたらすほどに大きい。この静的ポンピングの上に、マイクロ波出力0.1μWppの小さいAC変調が重ねられる。フル出力のソース変調、すなわち、
Figure 0004547502
においてε=1を用いることによって量を得ることができる。これは、ε=0.0025の入射マイクロ波の振幅における変調に対応する。振幅安定化増幅器3の出力は、ミキサー14の入力に印加される(図1)。図5は、ソース変調を得るために、振幅器41からミキサー14に印加された電圧を示す。ミキサー14の出力は、断路器15を介してYIG共振器1の入力16に印加される。ロックイン法により変調ωsで同相で測定される信号を図6にプロットする。パラメトリック共鳴として同定される極度に狭い一連のピークが観測され得る。これらのピークの半値幅は、約0.03Gであり、FMRの文献で今まで報告された中で最も細い線幅である。この値は、式2より予測される
Figure 0004547502
の減少と一致する。ピーク間の距離は、およそ0.06Gである。この結果は、まず最初に、可能な振動モードが、境界条件と一致しなければならないことに最初に注目することで説明される。従って、許容スピン波kは、有限の寸法のサンプルでは不連続であり、k−空間長スケールは、最大のサンプル寸法により定められる(Δk=π/D)。従って、定常エネルギー面は、YIG中の交換定数D/h=0.089cm2radsec-1として、ΔH=2DkΔkの一定間隔で、この不連続なグリッドを遮断する。数値的応用により、実験データにきれいに一致するΔH=0.12Gが得られる。εの増加に伴い、周波数変調効果として単に理解される、鋭いピークの併合が実験的に観察される。
これらの同調して検出されるパラメトリック共鳴は、その後、FETトランジスタ22を介して発振器に帰還され、当該FETトランジスタ22は、YIG共振器1の検出器13からの入力信号と発振器41からの基準信号とを受信する回路40を有する位相検出器4によって与えられる信号Vtを、ゲートで受信する。
なお、YIG結晶110の非線形ダイナミクスをモニターするために、χ”の変わりに縦方向の信号を用いることも可能である。機械的な検出器〔例えば、磁力マイクロコープまたはコイル{例えば、R. W. Damon, Rev. Mod. Phys. 25, 239 (1953)の文献に記載}〕も使用できる。
このように、本発明は、強磁性薄膜110のパラメトリック励起による共振にロックオンされた同調発振器2を提案する。当該同調発振器2は、高速トランジスタ21、受動帰還素子24、およびイットリウム・鉄・ガーネット(YIG)膜110のマイクロ波特性によって制御される負荷23を含む。発振器の信号は、YIGサンプル110を含むマイクロ波共振器11に供給される。オーバーオール正帰還が、YIGのパラメトリック励起された共振の一つにおいて持続的発振を確立させるために用いられる。これは、マイクロ波の励起によって、非線形運動レジーム(共鳴飽和または副共鳴)でのYIGの磁化が引き起こされるように、発振器の出力を増幅することによって達成される。小さいAC変調(周波数41のソース)は、増幅器3によってもたらされる上記の静的な励起に重ねられる。非常に鋭い共鳴が、パラメトリック励起された定常スピン波で生じる。これらは、変調周波数で動作する同調検出器4によって増幅される。同調検出器4の出力は、発振器2の負荷を制御する。パラメトリック励起された共振は、主共鳴よりもはるかに大きいQ値を有するため、超高周波数安定性が得られる。
本発明によるYIG同調発振器(YTO)の好ましい実施態様を示すブロック図である。 本発明と併用され得るマイクロ波共振器のブロック図である。 YTOについて、線形レジームにおける主共鳴を示すグラフである。 YTOについて、マイクロ波磁場の強度の関数として横方向のマイクロ波感受率を示すグラフである、 本発明による、YTOのソース変調シークエンスを示すグラフである。 本発明による、YTOと併用できる対応するパラメータ共鳴を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 強磁性薄膜共振器を用いたマイクロ波同調発振器であって、
    a)マイクロ波集積回路(11)上に配置された強磁性薄膜共振板(110)を含むマイクロ波共振器(1)、
    b)前記強磁性薄膜共振板(110)に垂直にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界手段(12)、
    c)発振用能動素子(21)、受動帰還素子(24)、および、負荷帰還ループ(4)を介して、当該強磁性薄膜共振板(110)のマイクロ波特性により制御される負荷(23,25)、ならびに
    d)マイクロ波の励起によって非線形運動レジームにおける前記強磁性薄膜共振板(110)の磁化が引き起こされるように、増幅器(3)を含むオーバーオール正帰還ループであって、前記発振用能動素子(21)と前記マイクロ波共振器(1)との間に接続され、当該強磁性薄膜共振板(110)のパラメトリック励起された共振の一つにおいて持続的発振を確立させるためのオーバーオール正帰還ルー
    含むことを特徴とするマイクロ波同調発振器。
  2. 記増幅器(3)が、前記マイクロ波共振器(1)に静的なマイクロ波の励起をもたらすための、クランプ手段(31,32)および増幅手段(30)を含む請求項に記載のマイクロ波同調発振器。
  3. 前記オーバーオール正帰還ループが、発振器(41)、および、小さいAC変調と前記増幅器(3)の出力とを重ねるためのミキサー(14)をさらに含む請求項またはに記載のマイクロ波同調発振器。
  4. 変調周波数で動作し、前記マイクロ波共振器(1)と前記発振用能動素子(21)との間に接続される同期位相検出器(134)をさらに含む請求項1〜のいずれか1項に記載のマイクロ波同調発振器。
  5. 前記強磁性薄膜共振板(110)が、YIG(イットリウム・鉄・ガーネット)結晶である請求項1〜のいずれか1項に記載のマイクロ波同調発振器。
  6. 前記YIG結晶(110)が、ディスク状である請求項に記載のマイクロ波同調発振器。
  7. 前記マイクロ波集積回路(11)が、半波長ストリップ線路共振器をさらに含む請求項またはに記載のマイクロ波同調発振器。
  8. 前記半波長ストリップ線路共振器(11)が、一方の面が導電性の接地層(114)で覆われ、他方の面が被エッチング部(115)を有する金のストライプ(111)で覆われたアルミナ基板(113)を含み、前記YIG結晶(110)が、前記半波長ストリップ線路共振器(11)の中央に配置され、GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)基板(112)が、前記YIG結晶(110)と前記半波長ストリップ線路共振器(11)との間に介挿されている請求項に記載のマイクロ波同調発振器。
  9. 前記発振用能動素子(21)が、高速トランジスタを含む請求項1〜のいずれか1項に記載のマイクロ波同調発振器。
  10. 前記高速トランジスタが、インピーダンス整合負荷(23)に接続されたドレイン、前記受動帰還素子(24)を介して接地されたゲート、および同調発振器の自己発振の周波数に応じて前記負荷を変化させる別のトランジスタ(22)に接続されたソースを有するGaAsFETである請求項に記載のマイクロ波同調発振器。
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