JP2745511B2 - 同調発振器 - Google Patents

同調発振器

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JP2745511B2
JP2745511B2 JP62299383A JP29938387A JP2745511B2 JP 2745511 B2 JP2745511 B2 JP 2745511B2 JP 62299383 A JP62299383 A JP 62299383A JP 29938387 A JP29938387 A JP 29938387A JP 2745511 B2 JP2745511 B2 JP 2745511B2
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03BGENERATION OF OSCILLATIONS, DIRECTLY OR BY FREQUENCY-CHANGING, BY CIRCUITS EMPLOYING ACTIVE ELEMENTS WHICH OPERATE IN A NON-SWITCHING MANNER; GENERATION OF NOISE BY SUCH CIRCUITS
    • H03B5/00Generation of oscillations using amplifier with regenerative feedback from output to input

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、同調発振器に関し、特に、マイクロ波通信
機の局部発信器に用いて好適なものである。 〔発明の概要〕 本発明の同調発振器は、発振用の能動素子と、この能
動素子の帰還の一部に接続されているフェリ磁性薄膜共
鳴素子と、このフェリ磁性薄膜共鳴素子に直流磁界を印
加するために用いられ、かつ固定磁界分を与えるための
永久磁石及び可変磁界分を与えるためのコイルから成る
直流磁界印加手段とを有し、PLLにより上記コイルに帰
還を与えるように構成されている。これによって、周波
数同調の応答速度を速くすることができる、同調発振器
を小型に構成することができる、チャネル選択のための
回路構成が簡単になる等の効果がある。 〔従来の技術〕 従来、マイクロ波通信機のRF段で用いられる局部発振
器は、誘電体共振器を用いた発振器(DRO)や電圧制御
発振器(VCO)が一般的であった。このDROは、誘電体共
振器のQ値が高いために低位相雑音であり、このためデ
ータ通信用としてはビット誤り率(BER:Bit Error Rat
e)の小さな通信機を、また画像通信用としてはSN比の
大きな通信機を実現することができる。反面、このDRO
は固定発振器であるため、通信帯域内の信号を束で中間
周波数(IF)に変換し、このIF段のVCOで必要な信号を
選択するブロック・コンバージョンとなり、従ってイメ
ージ信号阻止のためのトラッキングフィルターが必要と
なるなど、IF段の構成が複雑になるという問題がある。
また、VCOを局部発振器として用いた場合には、RF段で
信号を選択することができるのでIF段の構成は簡単にな
るが、発振素子として用いられるバラクター・ダイオー
ドのQ値が低いために位相雑音特性が悪く、データ通信
ではBER特性が、また画像通信ではSN比が劣化するとい
う問題がある。 一方、近年、フェリ磁性体であるイットリウム鉄ガー
ネット(YIG)球のフェリ磁性共鳴を利用した同調発振
器が提案されている(特公昭53−32671号公報)。このY
IG球同調発振器(YTO:YIG−Tuned Oscillator)は、YIG
共振器のQ値が高いために低位相雑音であり、しかも磁
気共鳴を利用しているために良好な線形同調性を有し、
DROとVCOとの長所を併せ持っている。 なお、本発明に関連する先行文献としては、YIG薄膜
フェリ磁性共鳴素子を用いた同調発振器に関する特開昭
60−257607号公報、YIG薄膜の鉄イオン(Fe3+)の一部
を非磁性イオンで置換することによりこのYIG薄膜のフ
ェリ磁性共鳴周波数の温度特性を一次の温度係数まで補
償する技術に関する特願昭61−43206号及び特願昭61−1
00037号が挙げられる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上述のYIG球を用いた従来のYTOは、次
のような理由により、通信機の局部発振器として用いる
ことは困難であった。第1に、所望の発振周波数に応じ
てYIG球に印加する直流磁界は全てコイルに電流を流す
ことにより発生させているので、このコイルの消費電流
が大きいばかりでなく、コイルの巻数が多いためにこの
コイルのインダクタンスが大きく、周波数同調の応答速
度が遅くなり、さらに発振器の大きさも大きくなる。第
2に、YIG球の作製が難しいため、このYIG球を用いたYT
Oは量産性に乏しく高価であり、従って数量が多く、し
かも廉価であることが要請される通信機用途には不向き
である。 従って本発明の目的は、周波数同調の応答速度の速い
同調発振器を提供することにある。 本発明の他の目的は、消費電力の小さい同調発振器を
提供することにある。 本発明の他の目的は、小型の同調発振器を提供するこ
とにある。 本発明の他の目的は、量産性に富み、廉価な同調発振
器を提供することにある。 本発明の他の目的は、チャネル選択のための回路構成
が簡単な同調発振器を提供することにある。本発明の他
の目的は、温度特性が良好な同調発振器を提供すること
にある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、発振用の能動素子としての化合物半導体を
用いたFETと、帰還素子としてのフェリ磁性薄膜共鳴素
子と、インピーダンス整合回路と、フェリ磁性薄膜共鳴
素子に直流磁界を印加するために用いられ、かつ固定磁
界分を与えるための永久磁石及び可変磁界分を与えるた
めのコイルから成る直流磁界印加手段と、コイルと接続
されたPLL回路とを有し、FETのソースはフェリ磁性薄膜
共鳴素子と接続され、FETのドレインはインピーダンス
整合回路と接続され、FETのゲートは帰還用のリアクタ
ンスを介して接地され、PLL回路によりコイルに帰還を
与えるように構成され、フェリ磁性薄膜共鳴素子を構成
するフェリ磁性薄膜の磁性イオンの一部が永久磁石及び
FETの温度特性を補償することができる程度に十分な量
の非磁性イオンで置換されていることを特徴とする同調
発振器である。 本発明の好ましい一つの実施態様は、フェリ磁性薄膜
共鳴素子がYIG薄膜共振器であり、このYIG薄膜の鉄イオ
ンを永久磁石及び発振用の能動素子の温度特性を補償す
ることができる程度に十分な量の非磁性イオンで置換し
た場合である。 〔作用〕 上記した手段によれば、周波数同調に必要な磁界の一
部を永久磁石によりまかなうことができるので、この永
久磁石による固定磁界に相当する分だけコイルの巻き数
を少なくすることができる。従って、この分だけコイル
のインダクタンスを小さくすることができるので、周波
数同調の応答速度を速くすることができる。また、コイ
ルの巻き数を少なくすることができるので、同調発振器
を小型に構成することができる。さらに、永久磁石によ
る固定磁界に相当する分だけコイルに流す電流を少なく
することができるので、低消費電力の同調発振器を提供
することができる。また、フェリ磁性薄膜共鳴素子は薄
膜形成技術及びMIC(Microwave Integrated Circuit)
により容易に作製することができるので、量産性に富
み、廉価な同調発振器を提供することができる。さら
に、PLLによりコイルに帰還を与えるようにしているの
で、チャネル選択のための回路構成を簡単にすることが
できる。また、フェリ磁性薄膜共鳴素子を構成するフェ
リ磁性薄膜の磁性イオンの一部が永久磁石及びFETの温
度特性を補償することができる程度に十分な量の非磁性
イオンで置換されているので、同調発振器の温度特性を
良好にすることができる。 〔実施例〕 以下、本発明の一実施例について、下記の項目の順序
に従って説明する。 a.YIG薄膜同調発振器(以下、薄膜YTOという) b.永久磁石及び能動素子の温度特性の補償 c.薄膜YTOを局部発振器として用いたマイクロ波通信機 d.衛星通信用のマイクロ波送受信機 a.薄膜YTO 第1図は、本発明の一実施例による薄膜YTOを示すブ
ロック図である。 第1図に示すように、本実施例による薄膜YTOは、発
振用の能動素子としてのGaAs FET1と、帰還素子として
のYIG薄膜共振器2と、インピーダンス整合回路3と、
上記YIG薄膜共振器2に直流磁界を印加するための直流
磁界印加手段4と、PLL(Phase Locked Loop)回路5と
により主として構成されている。なお、この薄膜YTOの
出力に接続されている負荷インピーダンスをZLで表す。 この薄膜YTOの定常発振の条件は、端子AからYIG薄膜
共振器2側を見た反射率をΓYIG、端子Aから能動素子
としてのGaAs FET1側を見た反射率をΓINとすると、 ΓYIG・ΓIN=1 で表される。 上記YIG薄膜共振器2は、特開昭60−257607号公報に
詳述されているものと同様な構成を有し、例えばGGG
(ガドリニウム・ガリウムガーネット)基板(図示せ
ず)の一方の主面に円形のYIG薄膜2aを形成することに
より構成されたものである。実際には、このYIG薄膜共
振器2は、その一方の主面及び他方の主面に接地導体及
びマイクロストリップラインがそれぞれ設けられた例え
ばアルミナのような誘導体基板のこのマイクロストリッ
プライン側の面に上記GaAs FET1とともに設けられてい
る。符号Mは、このマイクロストリップラインを模式的
に示したものである。このYIG薄膜共振器2は、液相エ
ピタキシー(LPE)のような薄膜形成技術及びMIC技術に
より容易に作製すことができるため、量産性に富み、廉
価な同調発振器を得ることができる。また、このYIG薄
膜共振器2のQ値は高いために本実施例による薄膜YTO
は低位相雑音であり、しかも磁気共鳴を利用しているた
めにこの薄膜YTOは良好な線形同調性を有する。従っ
て、後述のようにこの薄膜YTOを通信機の局部発振器と
して用いることにより、高品質の通信を行うことができ
る。 上記GaAs FET1のソースは上記マイクロストリップラ
インMに接続され、ドレインは上記インピーダンス整合
回路3に接続されている。また、このGaAs FET1のゲー
トは、帰還用のリアクタンスLFを介して接地されてい
る。すなわち、本実施例による薄膜YTOは、コモンゲー
トの直列帰還型の同調発振器である。 上記直流磁界印加手段4は、磁気回路のヨークの一部
を構成するポールピース4aに巻かれたメインコイル4b
と、Md2Fe14B、CeCo5、SmCo5等から成る永久磁石4cとに
より構成されている。そして、この永久磁石4cにより発
生される固定磁界と、メインコイル4bにより発生される
可変磁界とを合わせた直流磁界Hが上記YIG薄膜共振器
2に印加されるようになっている。なお、このYIG薄膜
共振器2は、上記磁気回路のギャップ中に挿入されてい
る。この直流磁界Hは、メインコイル4bに流す電流を変
えることによって周波数同調に必要な大きさに制御する
ことができる。この場合、周波数同調に必要な磁界Hの
うち固定分は永久磁石4cによる固定磁界によりまかな
い、可変分は上記メインコイル4bによる可変磁界により
まかなう。例えば、マイクロ波による衛星通信や地上通
信の帯域はシステムにより異なるが、通信帯域幅は一つ
のシステム当たり約500MHzであるので、この薄膜YTOの
同調範囲の下限が13GHzである場合を例として考える
と、同調範囲は13GHz〜13.5GHzの範囲となり、従って13
GHzの同調に必要な磁界は永久磁石4cによりまかない、
残りの500MHz程度の同調に必要な磁界(約180Oe)だけ
をメインコイル4bによりまかなえばよいことになる。こ
のため、メインコイル4bに流す電流を従来に比べて著し
く少なくすることができ、従ってこのメインコイル4bに
よる消費電力を従来に比べて著しく低減することができ
る。これによって、低消費電力の薄膜YTOを提供するこ
とができる。また、上記メインコイル4bの巻き数が少な
くて済むため、その分だけ薄膜YTOを小型に構成するこ
とができる。さらに、巻き数が少ない分だけメインコイ
ル4bのインダクタンスを小さくすることができるので、
周波数同調の応答速度を速くすることができる。例えば
データ通信では高安定の局部発振器を必要とするため、
PLLシンセサイザ方式を用いるのが一般的であるが、こ
の局部発振器の周波数同調の応答速度はPLLで要求され
る上限の応答速度よりも速くする必要があるので、上述
のように周波数同調の応答速度を速くすることができる
ことはこの点で有利である。 上記メインコイル4bには上記PLL回路5が接続されて
いる。また、このPLL回路5はこの薄膜YTOの出力に接続
されている。そして、このPLL回路5に接続されている
チャネル選択回路6によりチャネル選択が行われると、
このPLL回路5に供給されるこの薄膜YTOの発振出力が分
周器で低周波に下げられた後に水晶発振器等による基準
周波数と位相比較され、その結果に応じた制御電流がこ
のPLL回路5で発生されてこの制御電流が上記メインコ
イル4bに帰還される。この結果、このメインコイル4bに
流す電流、従ってYIG薄膜共振器2に印加する磁界Hの
大きさが変えられて目的のチャネル選択が行われるよう
になっている。 このように、本実施例においては、PLL回路5からメ
インコイル4bに直接帰還が与えられるので、チャネル選
択のための回路構成を簡単にすることができる。このよ
うにPLL回路5からメインコイル4bに直接帰還を与える
ことが可能になったのは、既述のようにメインコイル4b
の巻き数を少なくすることができたことによるものであ
る。 なお、第1図に示すように、メインコイル4b及び永久
磁石4cに加えてFMコイル4dを設けることにより、このFM
コイル4dをベースバンド信号による周波数変調器として
利用することが可能となる。また、PLL回路5からこのF
Mコイル4dに直接帰還を与える方法も考えられるが、こ
の場合にはチャネル選択のための回路構成が複雑になる
という欠点がある。 b.永久磁石及び能動素子の温度特性の補償 上記永久磁石4c及び能動素子としてのGaAs FET1はそ
れぞれ温度特性を有しているため、温度の変動により発
振器の特性変動が生じてしまう。そこで、本実施例にお
いては、次のようにしてこれらの永久磁石4c及びGaAa
FET1の温度特性の補償を行っている。 特願昭61−100037号において論じられているように、
永久磁石の温度特性に合わせてYIGの鉄イオンの一部を
例えばガリウム(Ga)イオンのような非磁性イオンで置
換することにより、YIG薄膜共振器2の温度特性を一次
の係数まで補償することができる。第2図は、Ga置換量
を変えてYIG薄膜共振器の温度特性を測定した結果を示
す。この第2図において、横軸は、各Ga置換量に対応し
た室温でのYIG薄膜の飽和磁化4πMsであり、縦軸は、6
0℃と−30℃との共振周波数の差ΔFである。この第2
図より、4πMsが約925Gaussの時にΔFがほぼ零となる
ことがわかる。 第3図は、このΔFがほぼ零であるYIG薄膜共振器の
温度特性の測定結果を示す。この第3図より、このYIG
薄膜共振器の一次の温度係数はほぼ零であることがわか
る。なお、この第3図においては互いに近接した2本の
曲線が描かれているが、下側の曲線は昇温時の測定結果
であり、上側の曲線は降温時の測定結果である(第4
図、第5図及び第6図においても同様)。次に第4図
は、このYIG薄膜共振器を用いた薄膜YTOの温度特性の測
定結果を示す。この第4図から明らかなように、YIG薄
膜共振器の温度特性が零の時でも、能動素子としてのGa
As FET1の温度特性を反映して、−30℃〜60℃における
薄膜YTOの発振周波数の変化量は−65MHzとなる。そこ
で、第2図に基づき、この能動素子としてのGaAs FET1
の温度特性による分も含めて、YIG薄膜の飽和磁化が約1
015GaussとなるようにGa置換量を調整する。この結果、
YIG薄膜共振器の温度特性は第5図に示すようになる
が、第6図に示すように、このYIG薄膜共振器を用いた
薄膜YTOの温度特性は一次の係数が零となる。このとき
の発振周波数の温度による変動は、第4図に示す温度特
性を表す曲線の湾曲幅10MHz程度に収めることができ
る。なお、能動素子の温度特性分の補償はYIG薄膜共振
器のQ値に依存し、このQ値が高くなるほど共振器の温
度特性が支配的になるので、薄膜YTOの温度特性に対す
る能動素子の温度特性の寄与分は小さくなる。 以上の説明においては、Ga置換量の調整により薄膜YT
Oの温度特性を一次の係数まで零としているが、このGa
置換量の調整に加えてさらにソフトフェライトから成る
整磁板を磁気回路のギャップ中に設けることにより、温
度特性を二次の係数まで零とすることが可能である。 c.薄膜YTOを局部発振器として用いたマイクロ波通信機 マイクロ波通信機のRF段は、中間周波数(例えば70MH
zまたは140MHz)の信号を送信用のマイクロ波周波数に
変換するアップコンバーター部と、受信されるマイクロ
波周波数を中間周波数に変換するダウンコンバーター部
とに大別されるが、両者はほぼ対称は構成を有するた
め、ここではアップコンバーター部の構成のみ説明す
る。 第7図はマイクロ波送信機のダブルコンバージョン方
式のアップコンバーター部の構成を示す。このマイクロ
波送信機では、中間周波数(IF)の信号が固定発振器10
により発振される高周波とミクサー11で混合されて例え
ば1GHzの信号に周波数変換された後、帯域通過フィルタ
ー(バンドパスフィルター)12から必要な周波数帯域の
信号が取り出される。次に、この信号は中間周波数増幅
器13により増幅された後、上述の薄膜YTOにより構成さ
れる局部発振器14から発振される例えば13GHzの信号が
ミクサー15でこの増幅された信号に混合される。これに
よって、13+1=14GHzの信号が形成される。次に、こ
の信号は帯域通過フィルター126を通された後、さらに
大電力増幅器(HPA)17により増幅されて14GHzの送信出
力が得られる。 この第7図に示すマイクロ波送信機によれば、中間周
波数の信号が例えば1GHz程度の高い周波数に一旦変換さ
れるため、不要波が通信帯域内に大きなレベルで落ち込
むおそれがないという利点がある。また、Q値の高いYI
G薄膜共振器2を用いた薄膜YTOにより局部発振器14が構
成されているので、データ通信ではBERの小さな、また
画像通信ではSN比の大きな高品質の通信を行うことがで
きる。さらに、RF段で信号を選択することができるの
で、IF段の構成を簡単にすることができる。 次に、第8図はマイクロ波送信機のシングルコンバー
ジョン方式のアップコンバーター部の構成を示す。この
マイクロ波送信機では、中間周波数の信号は中間周波増
幅器13で増幅された後、薄膜YTOにより構成される局部
発振器14からの発振出力がミクサー15でこの信号に混合
されて14GHzの信号に周波数変換される。次に、この信
号は、特開昭60−257607号公報に記載されているような
YIG薄膜同調フィルター(薄膜YTF)18に通されて必要な
周波数帯域の信号が取り出された後、この信号が大電力
増幅器17により増幅されて14GHzの送信出力が得られ
る。 この第8図に示すマイクイロ波送信機によれば、第7
図に示す送信機と同様に、高品質の通信を行うことがで
きるとともに、1F段の構成を簡単にすることができる。
また、シングルコンバージョン方式を用いているため、
第7図に示す送信機に比べて構成が簡単であるという利
点を有する。さらに、YIG薄膜同調フィルター18は急峻
な特性を有するトラッキングフィルターであるため、例
えば薄膜YTOの発振出力やイメージ信号などの不要波が
通信帯域内に大きなレベルで落ち込むのを防止すること
ができる。これらの薄膜YTO及びYIG薄膜同調フィルター
は、中間周波数に等しいオフセット周波数だけ離すこと
により、同一の磁気回路のギャップ中に実装することが
できる(特願昭59−114794号参照)。この場合には、PL
Lで発生される制御電流が共通の磁気回路に帰還される
ため、トラッキングエラーを原理的になくすことができ
る。 以上では、薄膜YTOを局部発振器として用いたマイク
ロ波送信機のアップコンバーター部の構成のみを説明し
たが、薄膜YTOの同調周波数を送信帯域と受信帯域との
間に選ぶことにより、アップコンバーター部とダウンコ
ンバーター部とで局部発振器を共用することもできる。
そこで、次にこの例について説明する。 d.衛星通信用のマイクロ波送受信機 第9図に示すように、地球的19、20の間を人工衛星
(宇宙局)21を介してマイクロ波により結ぶ衛星通信を
行う場合を考える。これらの地球局19、20を通信回線で
結ぶためには、<地球局19→衛星21→地球局20>と<地
球局20→衛星21→地球局19>とから成るリンクが必要と
なる。地球局から衛星への通信路は上がりリンク(Up−
Link)と呼ばれ、衛星から地球局への通信路は下がりリ
ンク(Down−Link)と呼ばれる。これらの上がりリンク
及び下がりリンクにおいては互いに異なる周波数を用い
るのが常であり、例えばいわゆるCバンドの衛星通信の
例では上がりリンク6GHz、下がりリンク4GHzの周波数帯
が、Kuバンドの衛星通信の例では上がりリンク14GHz、
下がりリンク12GHzの周波数帯が割り当てられている。 第9図に示す地球的19、20の送受信RFユニットは、中
間周波数を上がりリンクのマイクロ波周波数に変換する
アップコンバータ部と、下がりリンクのマイクロ波周波
数を中間周波数に変換するためのダウンコンバーター部
とから構成されている。この場合、薄膜YTOの発振周波
数を上がりリンク周波数帯域と下がりリンク周波数帯域
との間に選ぶことにより、アップコンバーターとダウン
コンバーターとで薄膜YTOにより構成される局部発振器
を共用することができる。 第10図は、薄膜YTOを局部発振器として用いたマイク
ロ波送受信機のダブルコンバージョン方式による送受信
RFユニットの一例を示す。この第10図に示すように、送
信側では既述のように中間周波数がミクサー11で1GHzに
変換され、さらに局部発振器14から発振される13GHzの
信号とミクサー15で混合されて14GHzの信号に変換され
た後、大電力増幅器17による増幅を経てパラボラアンテ
ナ22から14GHzのマイクロ波として送信される。また、
受信側では、パラボラアンテナ22で受信された例えば12
GHzのマイクロ波は、低雑音増幅器(LNA)23により増幅
され、さらに帯域通過フィルター24で必要な周波数帯域
の信号が取り出された後、局部発振器14から発振される
13GHzの信号とミクサー25で混合されて1GHzの信号に周
波数変換される。この1GHzの信号は中間周波増幅器26で
増幅され、さらに帯域通過フィルター27を通された後、
固定発振器10により発振される信号とミクサー28で混合
されて中間周波数の信号が出力される。送受信の切り換
えはデュプレクサ29により行われる。また、局部発振器
14の発振出力を送信側のミクサー15に送るか受信側のミ
クサー25に送るかの選択はハイブリッド回路30により行
われ、固定発振器10の発振出力を送信側のミクサー11に
送るか受信側のミクサー28に送るかの選択はハイブリッ
ド回路31により行われる。 このようにアップコンバーターとダウンコンバーター
とで局部発振器14及び固定発振器10を共用しているの
で、マイクロ波送受信機の構成を簡単にすることができ
る。高品質の通信を行うことができること、1F段の構成
を簡単にすることができること等は第7図及び第8図に
示す送信機と同様である。 以上、本発明の実施例につき具体的に説明したが、本
発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発
明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。 例えば、マイクロ波送受信機においてアップコンバー
ターをシングルコンバージョン方式で構成するととも
に、ダウンコンバーターをダブルコンバージョン方式で
構成し、これらのアップッコンバーター及びダウンコン
バーターで薄膜YTOにより構成される局部発振器を共用
したり、またこの逆の構成とすることも可能である。さ
らにまた、地上マイクロ波通信においても、衛星通信と
同様に、薄膜YTOを局部発振器として用いて送受信機を
構成することができる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、固定磁界分を与えるための永久磁石
及び可変磁界分を与えるためのコイルから直流磁界印加
手段が構成されているので、永久磁石による固定磁界に
相当する分だけコイルの巻き数を少なくすることがで
き、従ってこの分だけコイルのインダクタンスを小さく
することができる。このため、周波数同調の応答速度を
速くすることができる。また、コイルの巻き数を少なく
することができる分だけ、同調発振器を小型に構成する
ことができる。さらにまた、永久磁石による固定磁界に
相当する分だけコイルに流す電流を少なくすることがで
きるので、低消費電力の同調発振器を提供することがで
きる。また、フェリ磁性薄膜共鳴素子は作製が容易であ
るため、量産性に富み、廉価な同調発振器を提供するこ
とができる。また、PLLによりコイルに帰還を与えるよ
うにしているので、チャネル選択のための回路構成を簡
単にすることができる。さらに、フェリ磁性薄膜共鳴素
子を構成するフェリ磁性薄膜の磁性イオンの一部が永久
磁石及びFETの温度特性を補償することができる程度に
十分な量の非磁性イオンで置換されているので、同調発
振器の温度特性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例による薄膜YTOを示すブロッ
ク図、第2図はGa置換量に対応した室温でのYIG薄膜の
飽和磁化とYIG薄膜共振器の共振周波数の変動との関係
を示すグラフ、第3図は第2図においてΔFがほぼ零で
あるYIG薄膜共振器の温度特性を示すグラフ、第4図は
第3図に示す温度特性を有するYIG薄膜共振器を用いた
薄膜YTOの温度特性を示すグラフ、第5図はGa置換量の
調整により室温でのYIG薄膜の飽和磁化を約1015Gaussに
したYIG薄膜共振器の温度特性を示すグラフ、第6図は
第5図に示す温度特性を有するYIG薄膜共振器を用いた
薄膜YTOの温度特性を示すグラフ、第7図は第1図に示
す薄膜YTOを局部発振器として用いたマイクロ波送信機
のダブルコンバージョン方式のアップコンバータ部の構
成を示すブロック図、第8図は第1図に示す薄膜YTOを
局部発振器として用いたマイクロ波送信機のシングルコ
ンバージョン方式のアップコンバーター部の構成を示す
ブロック図、第9図は衛星通信回線の基本構成を示す
図、第10図は薄膜YTOを局部発振器として用いたマイク
ロ波送受信機のダブルコンバージョン方式による送受信
RFユニットの一例を示すブロック図である。 図面における主要な符号の説明 1:GaAs FET(発振用の能動素子)、2:YIG薄膜共振器
(フェリ磁性薄膜共鳴素子)、3:インピーダンス整合回
路、4:直流磁界印加手段、4b:メインコイル、4c:永久磁
石、5:PLL回路、14:局部発振器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 浩幸 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 新倉 かな子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 岡本 勉 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−256501(JP,A) 特開 昭62−132426(JP,A) 特開 昭62−11303(JP,A) 特公 昭56−26163(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.発振用の能動素子としての化合物半導体を用いたFE
    Tと、 帰還素子としてのフェリ磁性薄膜共鳴素子と、 インピーダンス整合回路と、 上記フェリ磁性薄膜共鳴素子に直流磁界を印加するため
    に用いられ、かつ固定磁界分を与えるための永久磁石及
    び可変磁界分を与えるためのコイルから成る直流磁界印
    加手段と、 上記コイルと接続されたPLL回路とを有し、 上記FETのソースは上記フェリ磁性薄膜共鳴素子と接続
    され、上記FETのドレインは上記インピーダンス整合回
    路と接続され、上記FETのゲートは帰還用のリアクタン
    スを介して接地され、 上記PLL回路により上記コイルに帰還を与えるように構
    成され、 上記フェリ磁性薄膜共鳴素子を構成するフェリ磁性薄膜
    の磁性イオンの一部が上記永久磁石及び上記FETの温度
    特性を補償することができる程度に十分な量の非磁性イ
    オンで置換されている ことを特徴とする同調発振器。
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