JP4547496B2 - 気管挿管用喉頭鏡システム - Google Patents
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Description
この発明は,例えば,麻酔,集中治療,救急治療等の医療行為の現場において,人工呼吸を行うために気管に気管チューブを挿入する気管挿管のための気管挿管用喉頭鏡システムに関する。
従来,医療行為における気管挿管は,肺の適切な換気や酸素化を維持できない患者に人工呼吸をするために気道を確保して気管7に気管チューブ4を挿入する標準的な医療行為であり,麻酔,集中治療,救急等の医療の現場において広く一般的に採用されている。しかしながら,気管挿管は,高度な技術が必要であり,習熟を要する技術である。特に,今年より医師研修制度が改正され,全ての研修医は一定期間,麻酔・救急分野で気道確保の訓練を受け,また,一方では,救急救命士が麻酔科医指導のもとで,30例の気管挿管の成功例を経験して,現場での気管挿管許可が得られることになり,日本国内で気管挿管の教育の頻度が増加する現状となっている。気管挿管は,喉頭鏡を操作して気管チューブを気管に挿通するものであるが,気管挿管時の最も頻度の高い合併症としては,喉頭鏡による歯の損傷であり,該合併症を避ける方法は,使用者の細心の注意や指導者の指導のもとで,使用者が喉頭鏡を上手に操作する以外はなく,気管挿管についての客観的な指標や対策法はなかった。
従来の気管挿管に使用される喉頭鏡を,図10及び図11を参照して説明する。図10の(A)に示す喉頭鏡1は,気管挿管と呼ばれる医療行為の際に気管7の入り口の声門6を覗くために用いられる医療器具であり,例えば,図示のような形状をしたタイプが一般的である。喉頭鏡1は,弧を描いている部分をブレード3と称し,円柱型の部分をハンドル2と称している。ブレード3は,ハンドル2から取り外し可能に構成されており,使用する患者の状況に応じて異なるサイズのものをハンドル2に取り付けることが一般的である。また,ブレード3の先端には,気管7に入口にある声門6を視認し易くするためのランプ5が設けられており,ハンドル2の内部にランプ点灯用の電池が収納されているのが一般的である。気管挿管は,具体的には,使用者が喉頭鏡1を用いて喉頭蓋10を開口して声門6を覗く状態にして,図10の(B)に示す気管チューブ4を気管7に挿通するものである。
また,喉頭鏡に対して圧力センサと圧力警報器を設けたものが知られている。圧力センサを組み込んだ圧力検出システムは,喉頭鏡により患者の歯に加えられる過剰な圧力を検出するため,喉頭鏡に交換可能に取り付けられるように構成されている。該圧力検出システムは,細長い緩衝作用を有する圧力センサを有し,圧力センサがバッテリと警報器,例えば,可聴又は可視の警報器とに接続されている。圧力検出システムに設けられた警報システムは,患者の歯に加わる所定圧力を指示するための喉頭鏡のブレードに取外し可能に取り付けられ,たわみ可能な通常開の膜スイッチから構成されている。警報システムは,中間のスペーサ層により互いに間隔を設けて配置された第1及び第2の層を有する積層構造体を備えている。スペーサ層は,該層を貫通する開口を有し,第1及び第2の層は,広幅の内側及び外側の側面を有する。該内側側面には,スペーサ層の開口を介して互いに向き合った導電性パターンが設けられている。第1及び第2の層の一方の層には,広幅の外側側面に接着剤を施されている膜スイッチが設けられている。また,指示器は,第1及び第2の層の導電性パターンと回路で接続されている(例えば,特許文献1参照)。
特表平10−509614号公報(第1頁,図1)
従来の気管挿管の教育用器具としては,種々のビデオ喉頭鏡が使用されており,これらの喉頭鏡は,電子内視鏡による喉頭の視認に特別に形成されているため,気管チューブを気管に挿管することが容易に行えるように構成されている。しかしながら,使用者は,喉頭鏡のモニターに映される映像に頼り過ぎ,そのため喉頭鏡の操作方法の技術の向上に役立たないというのが問題点があった。通常の喉頭鏡は,ビデオの構成を備えていないので,ビデオ喉頭鏡を用いて気管挿管に成功したからといって,通常の喉頭鏡を的確に操作できるという保証はなかった。また,ビデオ喉頭鏡は,使用にあたってビデオのための大型の専用装置が必要となり,非常に高価のものになっているのが現状である。
そこで,気管挿管用喉頭鏡システムとしては,安価な救急・臨床研修医向けのものが望まれている。そのため,喉頭鏡として次のような機能を有することが望まれている。
1.教育評価を行なえるようにパソコンに履歴を残す機能を有すること,例えば,使用者の技術上達の過程における特徴を整理し,分析することにより,技術改善への示唆を与えることができる機能を有すること。
2.喉頭鏡について,小型液晶により指導者・見学者への教示としてリアルタイムで計測データを表示し,訓練を受ける側には音等の警報によってエラー動作をフィードバックする機能を有すること。
3.喉頭鏡について,機器への接続を完全には固定しないで交換自在な機能を有すること。例えば,喉頭鏡の機器への接続の変更,喉頭鏡の組み換えにより,不要な機能の取り外し可能になること。また,喉頭鏡システムについては,使用履歴が不要であり,警告のみが必要な場合に,喉頭鏡からパソコンを切り離すことができること。また,通常の喉頭鏡として使用し,警告・信号処理用ボックスを取り外すことができること。
1.教育評価を行なえるようにパソコンに履歴を残す機能を有すること,例えば,使用者の技術上達の過程における特徴を整理し,分析することにより,技術改善への示唆を与えることができる機能を有すること。
2.喉頭鏡について,小型液晶により指導者・見学者への教示としてリアルタイムで計測データを表示し,訓練を受ける側には音等の警報によってエラー動作をフィードバックする機能を有すること。
3.喉頭鏡について,機器への接続を完全には固定しないで交換自在な機能を有すること。例えば,喉頭鏡の機器への接続の変更,喉頭鏡の組み換えにより,不要な機能の取り外し可能になること。また,喉頭鏡システムについては,使用履歴が不要であり,警告のみが必要な場合に,喉頭鏡からパソコンを切り離すことができること。また,通常の喉頭鏡として使用し,警告・信号処理用ボックスを取り外すことができること。
ところで,気管挿管は,気管チューブの気管内挿管とも呼ばれており,麻酔,集中治療,救急等の医療の現場において,患者に人工呼吸を行うため,喉頭鏡1を用いて気管チューブを気管に挿通して気道を確保する標準的方法であって広く一般的であるが,高度な技術であるため習熟を要するものである。気管挿管の手順は,次のようにして行われる。
1.患者への人工呼吸や心臓マッサージを行う。 2.図12のA,図12のBに示すように,喉頭鏡1を用いた患者14の喉頭を展開し,図12のCに示すように,使用者が声門6を視認する。
3.声門6への気管チューブ4(図10)を挿入する。
4.気管チューブ4の気管7への挿管完了を確認する。
5.気管7へ挿管された気管チューブ4を通じて患者14に人工呼吸を開始する。
1.患者への人工呼吸や心臓マッサージを行う。 2.図12のA,図12のBに示すように,喉頭鏡1を用いた患者14の喉頭を展開し,図12のCに示すように,使用者が声門6を視認する。
3.声門6への気管チューブ4(図10)を挿入する。
4.気管チューブ4の気管7への挿管完了を確認する。
5.気管7へ挿管された気管チューブ4を通じて患者14に人工呼吸を開始する。
気管挿管を行う場合に発生する主な合併症としては,例えば,図13の(A)や図13の(B)に示すように,喉頭鏡1による喉頭展開時の患者14への歯牙15,16を損傷させることである。また,気管チューブ4を,図11に示す気管7ではなく食道8への挿管するという誤った処置が発生することである。従って,気管チューブ4を気管7に挿管する場合には,喉頭鏡1を用いて舌9を寄せながら喉頭蓋10を開口即ち喉頭展開して声門6を視認できる状態にし,声門6が視認しながら気管チューブ4を気管7に挿通する医療行為であり,使用者が気管7への気管チューブ4の挿管を正しく行なうために非常に重要な行為であり,気管挿管において発生する合併症は,喉頭展開の失敗によるものが多いのが現状である。即ち,喉頭展開の手順は,次のとおりである。
1.図12の(A)に示すように,枕等を用いて患者14を気管チューブ4を挿管しやすい姿勢にする。
2.患者14の舌9の右側に沿って喉頭鏡1のブレード3で舌9を左側に寄せながら,喉頭鏡1を進入させる。
3.喉頭鏡1のブレード3を喉頭へ挿入し,喉頭蓋10を探す(図11)。
4.喉頭蓋10の裏側(上側)に沿って喉頭鏡1を進入させる。
5.図13の(A)に示すように,喉頭鏡1を矢印で示すように底方向に力を加える。この時,喉頭鏡1の誤操作が原因で歯15を損傷させないようにする。
6.図13の(B)に示すように,喉頭蓋1を反転させ,声門6を視認できるようにする。この時,喉頭鏡1の誤操作が原因で歯16を損傷させないようにする。この状態になって初めて気管チューブ4を気管7へ挿入することが可能となる。声門6が十分に視認できない状態で気管チューブ4を気管7に挿管しようとすると,食道8への気管チューブ4の挿管になる誤操作が発生する。
1.図12の(A)に示すように,枕等を用いて患者14を気管チューブ4を挿管しやすい姿勢にする。
2.患者14の舌9の右側に沿って喉頭鏡1のブレード3で舌9を左側に寄せながら,喉頭鏡1を進入させる。
3.喉頭鏡1のブレード3を喉頭へ挿入し,喉頭蓋10を探す(図11)。
4.喉頭蓋10の裏側(上側)に沿って喉頭鏡1を進入させる。
5.図13の(A)に示すように,喉頭鏡1を矢印で示すように底方向に力を加える。この時,喉頭鏡1の誤操作が原因で歯15を損傷させないようにする。
6.図13の(B)に示すように,喉頭蓋1を反転させ,声門6を視認できるようにする。この時,喉頭鏡1の誤操作が原因で歯16を損傷させないようにする。この状態になって初めて気管チューブ4を気管7へ挿入することが可能となる。声門6が十分に視認できない状態で気管チューブ4を気管7に挿管しようとすると,食道8への気管チューブ4の挿管になる誤操作が発生する。
気管挿管についての現状は,次のとおりである。
1.医師研修制度の改正により,全ての研修医は一定期間にわたって麻酔・救急分野で気道確保の訓練を受ける。
2.救急救命士法の改正により,規定の講習を受けた救急救命士が,麻酔科医の指導のもとで,気管挿管を30症例以上の成功した実績によって,現場での気管挿管の許可が得られる。
3.救急救命士は,気管挿管技術の維持のため3年ごとに再教育を受ける。
4.気管挿管の訓練は,主として専用のモデルを用いて行うものであり,最近ではモデルとして前歯のパーツが壊れやすくなっているものがある。
5.教育にも使用できる器具としては,気管挿管を成功させやすくするために,喉頭鏡の先に電子内視鏡が付いたビデオ喉頭鏡がある。喉頭付近の映像がモニターできるので,ビデオ喉頭鏡を用いた場合には食道挿管はほぼ回避できる。専用機械によってビデオ出力を行っているので,リアルタイムでの映像モニターだけでなく,記録もできるようになっている。
1.医師研修制度の改正により,全ての研修医は一定期間にわたって麻酔・救急分野で気道確保の訓練を受ける。
2.救急救命士法の改正により,規定の講習を受けた救急救命士が,麻酔科医の指導のもとで,気管挿管を30症例以上の成功した実績によって,現場での気管挿管の許可が得られる。
3.救急救命士は,気管挿管技術の維持のため3年ごとに再教育を受ける。
4.気管挿管の訓練は,主として専用のモデルを用いて行うものであり,最近ではモデルとして前歯のパーツが壊れやすくなっているものがある。
5.教育にも使用できる器具としては,気管挿管を成功させやすくするために,喉頭鏡の先に電子内視鏡が付いたビデオ喉頭鏡がある。喉頭付近の映像がモニターできるので,ビデオ喉頭鏡を用いた場合には食道挿管はほぼ回避できる。専用機械によってビデオ出力を行っているので,リアルタイムでの映像モニターだけでなく,記録もできるようになっている。
気管挿管についての問題点として,次のことを挙げることができる。
1.救急救命士の認定のための実習は,重症でない患者のボランティアによって行われており,実習において歯の損傷が頻繁に発生すれば,協力者が減少する恐れがある。
2.気管挿管についての再教育の場合を含めて,実習を希望する人間に対する指導担当の麻酔科医師が不足する恐れがある。
3.日常的に挿管操作に習熟した麻酔科医でさえも,医療訴訟の原因の第1位が歯の損傷である。
4.前歯の壊れやすくなっている気管挿管モデルを用いた訓練の場合に,不適切な操作を警告する効果は得られるが,前歯のパーツが消耗品であるため高コストになる。
5.ビデオ喉頭鏡の操作自体は,通常の喉頭鏡と変わらず,またモニターで声門が視認できても気管チューブの気管への挿入の余地がないと,結局は気管チューブを気管へ挿管ができない。そのため,ビデオ喉頭鏡を用いるとしても,通常の喉頭鏡の操作を確実に正確にできないと,その効果は十分には得られない。また,上記の挿管モデル同様に,ビデオ喉頭鏡の器具そのものが高価である。
6.現在,ビデオ喉頭鏡のブレードは,標準的なサイズのみであり,また,専用装置が必要である理由からも,救急等の特殊な状況ではビデオ喉頭鏡の使用は難しい。
1.救急救命士の認定のための実習は,重症でない患者のボランティアによって行われており,実習において歯の損傷が頻繁に発生すれば,協力者が減少する恐れがある。
2.気管挿管についての再教育の場合を含めて,実習を希望する人間に対する指導担当の麻酔科医師が不足する恐れがある。
3.日常的に挿管操作に習熟した麻酔科医でさえも,医療訴訟の原因の第1位が歯の損傷である。
4.前歯の壊れやすくなっている気管挿管モデルを用いた訓練の場合に,不適切な操作を警告する効果は得られるが,前歯のパーツが消耗品であるため高コストになる。
5.ビデオ喉頭鏡の操作自体は,通常の喉頭鏡と変わらず,またモニターで声門が視認できても気管チューブの気管への挿入の余地がないと,結局は気管チューブを気管へ挿管ができない。そのため,ビデオ喉頭鏡を用いるとしても,通常の喉頭鏡の操作を確実に正確にできないと,その効果は十分には得られない。また,上記の挿管モデル同様に,ビデオ喉頭鏡の器具そのものが高価である。
6.現在,ビデオ喉頭鏡のブレードは,標準的なサイズのみであり,また,専用装置が必要である理由からも,救急等の特殊な状況ではビデオ喉頭鏡の使用は難しい。
気管挿管について上記のことを考慮すると,心肺停止状態等の重症患者に対しては,気管挿管の素早い処置が求められるので,気管挿管とその実習の必要性は非常に高いものである。また,指導病院や指導麻酔科医の不足が予想されるため,実習に至るまでに,気管挿管についてできるだけ効率のよいシミュレーション訓練が必要である。
この発明の目的は,上記の問題を解決するため,喉頭鏡にセンサを取り付け,特に,喉頭鏡の動きをジャイロセンサで角速度として検出し,センサによる検出に応じて警告を発したり,気管挿管の操作状態を表示して使用者にそれらの状況を直ちに認識させ,操作状態を直ちに正しい操作状況にし,喉頭鏡をより安全に確実に操作することを可能にし,医療の臨床や教育に役立てることを可能にした気管挿管用喉頭鏡システムを提供することである。
この発明は,ハンドル,及び前記ハンドルに交換自在に取り付けられたブレードを備えている喉頭鏡を用いて気管チューブを気管に挿入するための気管挿管用喉頭鏡システムにおいて,前記ブレードに取り付けられた力センサ,前記ブレードの動きを前記ハンドルの動きに転換して前記ハンドルの動きを検出するための前記ハンドルに組み込まれたジャイロセンサ,及び前記力センサによる前記ブレードに負荷される荷重値と前記ジャイロセンサによる前記ハンドルの動きの速度値とが予め決められた所定の荷重値と速度値との範囲を越える検出値に応答して警報を発する警報指示装置を有することを特徴とする気管挿管用喉頭鏡システムに関する。
この気管挿管用喉頭鏡システムにおいて,前記ジャイロセンサによる前記ハンドルの前記速度値は,前記ハンドルの角速度値として検出されるものである。
また,この気管挿管用喉頭鏡システムにおいて,前記力センサは,先端に設けられた感圧部には圧力加減により抵抗値が変化する素子が前記ブレード上で隔置状態で一対設置されている。前記力センサによる前記荷重値は,前記可変抵抗で検出される抵抗値を変換した出力電圧で測定されるものである。
この気管挿管用喉頭鏡システムにおいて,前記警報指示装置は,視覚表示,音声表示,警告用ブザー,及び/又はディスプレイである。また,前記警告指示装置による警告条件は,前記力センサとモデル等の歯との接触を検出した状態,前記ジャイロセンサの異常方向への前記動きを検出した状態,及び/又は前記ジャイロセンサの異常速度の前記動きを検出した状態である。更に,前記警報指示装置による表示情報は,前記力センサが検出した荷重値,一対の前記力センサの検出値から演算によって得られた前記力センサとモデル等の歯との接触位置,前記ハンドルのx軸回りの角速度値,及び/又は前記ハンドルのy軸回りの角速度値である。
また,前記喉頭鏡は,前記ブレードの先端に取り付けられたランプを備えており,前記ハンドルには前記ランプを点灯するための電池が組み込まれる。
この気管挿管用喉頭鏡システムは,上記のように構成されているので,ジャイロセンサによって喉頭鏡のハンドルの動きを角速度として直ちに検出でき,また,力センサで歯等に係る力を直ちに検出でき,喉頭鏡が過剰速度の動きや異常方向への動きとなった時や過剰な力がかかっている時には,直ちに警報を発することができ,それにより喉頭鏡の異常方向や異常速度の動きが使用者に警告され,喉頭鏡による歯への損傷等の合併症の発生を未然に防止することができる。しかも,この気管挿管用喉頭鏡システムは,ジャイロセンサを喉頭鏡のハンドルに組み込み,力センサを喉頭鏡のブレードに組み込むだけであり,気管挿管のビデオ等の設備を必要とせず,ビデオ等の設備の経費を必要とせず,医師卒後研修医制度,救急救命士の挿管許可認定実習,研修医指導病院,救急救命士研修施設に容易に適用でき,また,使用者の技術レベルに合わせた教育用システムに容易に対応して利用することができる。
以下,図面を参照して,この発明による気管挿管用喉頭鏡システムの実施例を説明する。この気管挿管用喉頭鏡システムは,例えば,医療現場,医療教育機関,救急医療等の産業分野に容易に適用できるものであり,喉頭鏡1の操作に伴う動きを迅速に検出でき,歯15,16の損傷等の合併症の発生を未然に防止することができるものである。この気管挿管用喉頭鏡システムは,上記のように,麻酔,集中治療,救急医療において,肺の適切な換気や酸素化を維持できない患者14に人工呼吸をするために気管7に気管チューブ4を挿入して気道を確保する医療行為である気管挿管を,合併症を発生させることなくスムーズに達成できるものである。人の喉頭周辺は,図11に示すようになっており,気管7の入口には喉頭蓋10があり,気管7は食道8と明らかに区別されている。図11において,符号11は軟口蓋,符号12は硬口蓋,及び符号13は口蓋扁桃である。
気管挿管の手順は,喉頭鏡1を操作して舌9の側方からブレード3を喉に進入させ,喉頭蓋10を展開し,それによって声門6が見える状態にし,その状態で気管チューブ4を気管7に挿管するものである。患者14の喉頭展開では,図10に示す喉頭鏡1を使用しなければならないが,喉頭鏡1を使用する場合に,喉頭鏡1を梃子のように操作してブレード3の先端を持ち上げようとすることがある。その時,図13の(A)に示すように,ブレード3が患者14の上顎前歯15に接触して前歯15を損傷させてしまうという事故が発生しており,日常的に気管挿管の操作に習熟した麻酔科医でさえも,訴訟原因の第1位が前歯15の損傷である。また,喉頭鏡1のブレード3によって,舌9を寄せる等の理由により,図13の(B)に示すように,喉頭鏡1を左右に動かしてしまい牙歯16に接触し,同様にブレード3と歯16が接触してしまうという事故が発生している。これらの事故による患者14の合併症は,喉頭鏡1による喉頭展開の技術が未熟な使用者が起こすことが多く,喉頭鏡1の正しい使用方法を身に付けていないことが原因といえる。
日本国内では,法改正に伴い救急救命士の気管挿管が解禁となった現在,気管挿管の機会は今まで以上に増えると考えられ,気管挿管についてのより的確な正確な技術を身につけた人を教育して育てることが必要とされている。また,救急救命士の実習対象となる患者14は,重病でない患者14のボランティアによって行われている。その時,この気管挿管用喉頭鏡システムを用いて気管挿管すれば,実習に協力する患者14の歯15,16の損傷の可能性が少なくなることは確実であり,また,現在,気管挿管の訓練は,専用の模型を用いることが多いが,この訓練では上記のような異常に気づき難いという欠点があった。そこで,この気管挿管用喉頭鏡システムを用いて模型相手に訓練する場合に,喉頭鏡1の正しい使用方法を警告や表示の情報によって習得でき,従来の訓練方法以上の効果が期待される。また,気管挿管のモデル即ち模型では,前歯が折れやすく,そのため取り替え型に形成されている。また,従来の喉頭鏡では不適切な操作を警告する仕組みを持った機種もあるが,この発明による気管挿管用喉頭鏡システムは,特に,ハンドル2の異常方向への動き及び/又は異常速度の動きを使用者に直ちに警告を発することができるので,模型を損傷させるような現象は発生しない。
この気管挿管用喉頭鏡システムは,特に,ハンドル2,及びハンドル2に交換自在に取り付けられたブレード3を備えている喉頭鏡1を用いて気管チューブ4を気管7に挿入するものであって,ブレード3に取り付けられた力センサ17,ブレード3の動きをハンドル2の動きに転換してハンドル2の動きを検出するためのハンドル2に組み込まれた電子回路を内蔵したジャイロセンサ19,及び力センサ17によるブレード3に負荷される荷重値とジャイロセンサ19によるハンドル2の動きの速度値とが予め決められた所定の荷重値と速度値との範囲を越える検出値に応答して警報を発する警報器24である警報指示装置を有することを特徴としている。警報指示装置としては,視覚表示,音声表示,警告用ブザー等の警告用音声表示,及び/又はディスプレイ等を用いることができる。
図1及び図2に示すように,喉頭鏡1に設けた力センサ17とジャイロセンサ19,マイコン22,警告用ブザー24,ディスプレイ25,喉頭鏡1と指導者へ表示するための表示装置20との接続ケーブル34,及びパソコン26との接続ケーブル35を備えている。ディスプレイ25としては,CRT,LED,液晶,有機EL等を用いることができる。また,この気管挿管用喉頭鏡システムは,力センサ17とジャイロセンサ19に接続されたマイコン22,警告用ブザー24,ディスプレイ25,及びパソコン26との接続ケーブル35によって,力センサ17とジャイロセンサ19からの入力に応じて,使用者に警告を与え,また検知したデータをパソコン26に記録することができる。喉頭鏡1には,接続ケーブル34によって表示装置20が接続され,表示装置20には接続ケーブル35によってパソコン26に接続されている。接続ケーブル34,35は,表示装置20や喉頭鏡1に固定せずに着脱可能に接続されている。
この気管挿管用喉頭鏡システムにおいて,ジャイロセンサ19は,図7に示すように,ジャイロセンサ19は,電源入力端子29,GND端子30,基準出力端子31,ωx出力端子32及びωy出力端子33を備えている。ジャイロセンサ19は,特に,動きを角速度として検出する角速度センサであって,喉頭鏡1のハンドル3の動きを角速度ωで検出するものであり,ハンドル3の過剰な動きに対しては警告を発し,喉頭鏡1の誤動作の操作を未然に防止し,患者14の歯15,16に接触する状態を未然に防止することができる機能を有しているものである。また,力センサ17は,喉頭鏡1のブレード3と歯15,16との接触を検知することができるものであり,歯が折れる以前に歯15,16にかかる力を検知し,それにより使用者に過剰な力が掛かっていることを警告し,歯15,16の損傷を未然に防止する機能を有しているものである。
まず,喉頭鏡1のブレード3に取り付けられている力センサ17について説明する。力センサ17は,図3に示すように,薄型のものである。力センサ17は,例えば,幅14mm,長さ205mm,及び厚さ0.208mmのタイプであって,ブレード3に一対設けられており,力センサ17の感圧部36がブレード3の長手方向に沿って互いに隔置した状態で取り付けられている。感圧部36は,力センサ17の先端にある直径9.5mmの円形で示されている。力センサ17は,その先端側に設けられた感圧部36には,感圧部36に掛かる荷重即ち圧力変化により抵抗値が変化する素子(抵抗素子),即ち,可変抵抗R2が設けられている。力センサ17の可変抵抗R2は,荷重値が少ないほど抵抗値が大きく,荷重値が大きくなるほど抵抗値が小さくなる検出タイプである。力センサ17のセンサの仕様は,例えば,表1に示すように,センサの最大測定荷重が4.4N,無負荷時抵抗が10MΩ,最大負荷時抵抗が20kΩ,直線性が<±5,動作温度範囲が−10〜70℃,及び温度特性<±0.36%/℃のものを用いている。
力センサ17は,出力抵抗を電圧に変換した場合の特性を示すものであり,抵抗を電圧に変換するために,図4に示す力センサ回路を用いている。図4に示す力センサ回路は,力センサ17の抵抗変化を電圧変化にして出力する回路であり,力センサ回路では,感圧部36の可変抵抗がR2で示されている。力センサ回路では,入力電圧Vinを5Vとし,抵抗R1を20kΩとして,出力電圧値Vout を測定した。力センサ回路の入出力を表す式は,次のとおりである。
Vout =−(R1/R2)Vin
表2と表3には,図4に示す力センサ回路を用いて測定した8本の力センサ17の荷重値(gf)と出力電圧値(Vout )の関係をそれぞれ示す。表2には力センサ17のNo.1〜No.4について示されており,表3には力センサ17のNo.5〜No.8について示されている。また,実際の測定値では, 表中の値にマイナスがついたものが計測される。荷重値(gf)と出力電圧値Vout が比例関係に近く,出力電圧値Vout の初期値が0.003mV(ほぼ0V)であったので,切片を0として直線近似すると,力センサ17の荷重と電圧との関係は,図5に示すような特性になった。力センサ17によって非常に近い特性を持つものがあるので,実際の使用の際にはそれらを用いることにする。
Vout =−(R1/R2)Vin
表2と表3には,図4に示す力センサ回路を用いて測定した8本の力センサ17の荷重値(gf)と出力電圧値(Vout )の関係をそれぞれ示す。表2には力センサ17のNo.1〜No.4について示されており,表3には力センサ17のNo.5〜No.8について示されている。また,実際の測定値では, 表中の値にマイナスがついたものが計測される。荷重値(gf)と出力電圧値Vout が比例関係に近く,出力電圧値Vout の初期値が0.003mV(ほぼ0V)であったので,切片を0として直線近似すると,力センサ17の荷重と電圧との関係は,図5に示すような特性になった。力センサ17によって非常に近い特性を持つものがあるので,実際の使用の際にはそれらを用いることにする。
また,図3に示すように,力センサ17はブレード3上に2個即ち一対設けられており,一対の力センサ17に対して,パック28を介して板ばね用ステンレス鋼から成る金属板27が隔置状態の感圧部36間にブリッジ状に取り付けられることにより,荷重の測定に加えて,各々から得られる値から,歯15,16にブレード3が接触したおよその位置を判別することができる。金属板27の寸法(長さ×幅×厚み)は,60mm×15mm×0.5mm,力センサ17の寸法(幅×厚み)は,14mm×0.2mmである。また,図中のパック28は,喉頭鏡1に負荷された力を力センサ17に正しく伝えるための円形の薄い金属板であり,パック28の厚みは,ブレード3の先端側の厚い方が0.3mmであり,薄い方が0.1mmに形成されている。従って,金属板27と一方の力センサ17との間の隙間は0.3mmとなり,また,一対の力センサ17は,約40mm×15mmの範囲にわたって長手方向に互いに隔置し,その範囲に上記隙間が存在することになっている。
力センサ17について,金属板27の中央に荷重を加えた場合,金属板27のたわみは,計算上では700gfで0.29mmとなっており,力センサ17の測定範囲内の荷重では金属板27がたわむことによって,力センサ17に接触することはない。また,ブレード3に力センサ17を実際に取り付けて試験を行い,視覚にてモデル歯との接触の有無を確認したところ,500gfまでは確実に力センサ17とモデル歯との接触がなかったので,実際にも測定範囲内の荷重での使用が可能であることが確認できた。
次に,喉頭鏡1のハンドル2に設けられているジャイロセンサ19について説明する。ジャイロセンサ19としては,図6及び図7に示すように,二軸ジャイロセンサが使用されている。ジャイロセンサ19は,ハンドル2の異常な方向の動きと過剰な速度の角速度を検出できるようにハンドル2に設置すればよいものであり,例えば,ハンドル2とブレード3とに対して垂直となる方向であって,x軸とy軸との方向がハンドル9の横断面になるように設置する。その時,x軸方向及びy軸方向の何れか1方が図1の上方向に位置し,他方が図1の紙面に垂直に向かう方向に設置すればよい。また,ジャイロセンサ19は,ピン即ち端子29,30,31,32,33は,ハンドル2の端面側からハンドル2に沿ってブレード3と反対方向に延びるようにハンドル2内に設定し,これらの端子29,30,31,32,33には,それぞれのケーブルが接続される。ここで,端子29は電源入力端子,端子30はGND端子,端子31は基準出力端子,端子32はωx端子,及び端子33はωy端子である。
喉頭鏡1に組み込んだジャイロセンサ19についての主な仕様は,例えば,表4に示すとおりである。即ち,ジャイロセンサ19は,動作電圧が5VDC,基準電圧2.4V,消費電流が7mA以下,角速度検出範囲が±90deg/sec,検出感度が1.1mV/deg/sec,オフセット電圧が2.4±0.75V,感度温度特性が−20〜20%,動作温度範囲0〜50℃,及び保存温度範囲が−5〜55℃のものを使用した。
図8には,ジャイロセンサ19としての二軸ジャイロセンサの出力感度特性が示されている。図8において,角速度(deg/sec)に対する出力電圧(V,0点基準)がx軸とy軸とについて示されており,両者はほとんど重なっている。
図9には,二軸ジャイロセンサの0点温度ドリフト特性が示されている。図9において,温度(℃)に対する出力電圧(V)がx軸とy軸とについて示されている。
図2において,破線内の機器は一つのボックス内に収めるように構成されている。
また,警報器24のブザーを鳴らす条件及びディスプレイ25に表示する項目は,例えば,次のとおりであり,警報器24とディスプレイ25は,検出する項目に対応した数を使用することが好ましい。
1.警報指示装置による警告条件,例えば,警報用ブザーを鳴らす条件については,例えば,次のとおりである。
(1)力センサ17と患者14又はモデルの歯15,16との接触状態で発生させる。 (2)ジャイロセンサ19の反応としては,異常方向への動き,例えば,喉頭鏡1の使用者から見て,手前,右側及び左側の計3方向で発生させる。
(3)ジャイロセンサ19の異常速度の動きを検出した時に発生させる。
2.警報指示装置であるディスプレイによる表示情報,例えば,液晶等に表示する情報については,例えば,次のとおりである。
(1)力センサ17の検知した荷重の値を表示する。
(2)2個の力センサ17の値から計算により得られた接触位置を表示する。
(3)x軸周りの角速度値ωxを表示する。
(4)y軸周りの角速度値ωyを表示する。
また,警報器24のブザーを鳴らす条件及びディスプレイ25に表示する項目は,例えば,次のとおりであり,警報器24とディスプレイ25は,検出する項目に対応した数を使用することが好ましい。
1.警報指示装置による警告条件,例えば,警報用ブザーを鳴らす条件については,例えば,次のとおりである。
(1)力センサ17と患者14又はモデルの歯15,16との接触状態で発生させる。 (2)ジャイロセンサ19の反応としては,異常方向への動き,例えば,喉頭鏡1の使用者から見て,手前,右側及び左側の計3方向で発生させる。
(3)ジャイロセンサ19の異常速度の動きを検出した時に発生させる。
2.警報指示装置であるディスプレイによる表示情報,例えば,液晶等に表示する情報については,例えば,次のとおりである。
(1)力センサ17の検知した荷重の値を表示する。
(2)2個の力センサ17の値から計算により得られた接触位置を表示する。
(3)x軸周りの角速度値ωxを表示する。
(4)y軸周りの角速度値ωyを表示する。
図12には,気管挿管における喉頭展開時の,喉頭鏡1と患者14の位置関係を示している。若干の個人差はあるものの,喉頭鏡1による喉頭展開時には,喉頭鏡1のグリップ部分のハンドル2が,患者14の足方向に向くようにし,この時,ブレード3が患者14の歯15と非常に接近する形になる。喉頭鏡1による喉頭展開において,喉頭鏡1の正しい操作方法は,図12の(B)に示す矢印方向であり,正しくこの方向に動かす限りは,喉頭鏡1と歯15,16の接近は発生しない。図12の(C)は,喉頭鏡1による喉頭展開が成功し,声門6が確認できる状態になっている。喉頭鏡1による喉頭展開時に,図12の(B)に示す状態において下記の点が問題視されている。
(1)喉頭鏡1の使用者が喉頭鏡1を手前に傾けることによって,図13の(A)に示すように,ブレード3と患者14の歯15との接触が発生する。
(2)喉頭鏡1を左右にひねることにより,図13の(B)に示すように,ブレード3と患者14の歯16との接触が発生する。
(1)喉頭鏡1の使用者が喉頭鏡1を手前に傾けることによって,図13の(A)に示すように,ブレード3と患者14の歯15との接触が発生する。
(2)喉頭鏡1を左右にひねることにより,図13の(B)に示すように,ブレード3と患者14の歯16との接触が発生する。
この気管挿管用喉頭鏡システムにおいて,喉頭鏡1に組み込まれたジャイロセンサ19の効果は次のとおりである。喉頭鏡1のブレード3と歯15,16との接触の問題点の防止には,喉頭鏡1の動作において,ある時点のブレード3の位置ではなく,ブレード3がどちらに動作しつつあるかという変化量を検知することが重要なポイントになるので,この気管挿管用喉頭鏡システムは,変化量を検知するため,喉頭鏡1のハンドル2の角速度ωを検出し,検出した角速度から喉頭鏡1と歯15,16との接触を予測して警告を発するようにする。また,今回の事例においては,特に,喉頭鏡1の平行な動きではなく,ハンドル2の回転方向の動作が発生するので,検知するべき値は,ハンドル2の角速度ωになる。そのため,ジャイロセンサ19を用いて喉頭鏡1のハンドル2の角速度を検知するように構成されている。
また,この気管挿管用喉頭鏡システムは,ジャイロセンサ19の検出出力に対応する処理は,例えば,以下のように設定する。
(1)ハンドル2を手前方向に速く回転する場合には,直ちに警告を発する。
(2)ハンドル2を手前方向に遅く回転する場合は,奥への回転量を予測した上で,予め決められた回転時間経過後に警告を発する。
(3)ハンドル2を左右方向に速く回転する場合には,直ちに警告を発する。
(4)ハンドル2を左右方向に遅く回転する場合は,他方への回転量を予測した上で,予め決められた回転時間経過後に警告を発する。
(1)ハンドル2を手前方向に速く回転する場合には,直ちに警告を発する。
(2)ハンドル2を手前方向に遅く回転する場合は,奥への回転量を予測した上で,予め決められた回転時間経過後に警告を発する。
(3)ハンドル2を左右方向に速く回転する場合には,直ちに警告を発する。
(4)ハンドル2を左右方向に遅く回転する場合は,他方への回転量を予測した上で,予め決められた回転時間経過後に警告を発する。
この気管挿管用喉頭鏡システムは,以上のように,ジャイロセンサ19からの信号に応じた警告を発するものであり,また,上記の状態はあくまでも一例を示したものであり,実際には,使用しながら,マイコン22のプログラムによって,警告の条件を変更,追加,削除する調整をすることができる。更に,ジャイロセンサ19の出力は,マイコン22を介して接続したパソコン26で保存するので,ジャイロセンサ19の出力を喉頭鏡1の動作の過程を知る上で指標とすることもできる。
この発明による気管挿管用喉頭鏡システムは,産業分野として医療現場,医療教育機関,救急医療等に適用でき,特に,麻酔,集中治療,救急治療等の医療は勿論のこと,医師卒後研修医制度,救急救命士の挿管許可認定実習,研修医指導病院,救急救命士研修施設等に備えて各種の研修等に適用でき,設備等の経費を必要としないものであり,使用者の技術レベルに合わせた教育用システムに利用して有効である。
1 喉頭鏡
2 ハンドル
3 ブレード
4 気管チューブ
5 ランプ
6 声門
7 気管
9 舌
10 喉頭蓋
14 患者
15,16 歯
17 力センサ
18 ランプ用電池
19 ジャイロセンサ
20 表示装置
21 A/Dコンバータ
22 マイコン
23 増幅器
24 警報器(警報指示装置)
25 ディスプレイ
26 パソコン
27 金属板
28 パック
29,30,31,32,33 端子
34,35 接続ケーブル
36 感圧部
R2 可変抵抗(抵抗素子)
2 ハンドル
3 ブレード
4 気管チューブ
5 ランプ
6 声門
7 気管
9 舌
10 喉頭蓋
14 患者
15,16 歯
17 力センサ
18 ランプ用電池
19 ジャイロセンサ
20 表示装置
21 A/Dコンバータ
22 マイコン
23 増幅器
24 警報器(警報指示装置)
25 ディスプレイ
26 パソコン
27 金属板
28 パック
29,30,31,32,33 端子
34,35 接続ケーブル
36 感圧部
R2 可変抵抗(抵抗素子)
Claims (8)
- ハンドル,及び前記ハンドルに交換自在に取り付けられたブレードを備えている喉頭鏡を用いて気管チューブを気管に挿入するための気管挿管用喉頭鏡システムにおいて,
前記ブレードに取り付けられた力センサ,前記ブレードの動きを前記ハンドルの動きに転換して前記ハンドルの動きを検出するための前記ハンドルに組み込まれたジャイロセンサ,及び前記力センサによる前記ブレードに負荷される荷重値と前記ジャイロセンサによる前記ハンドルの動きの速度値とが予め決められた所定の荷重値と速度値との範囲を越える検出値に応答して警報を発する警報指示装置を有することを特徴とする気管挿管用喉頭鏡システム。 - 前記ジャイロセンサによる前記ハンドルの前記速度値は,前記ハンドルの角速度値として検出されることを特徴とする請求項1に記載の気管挿管用喉頭鏡システム。
- 前記力センサは,先端に設けられた感圧部には圧力加減により抵抗値が変化する素子が前記ブレード上で隔置状態で一対設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気管挿管用喉頭鏡システム。
- 前記力センサによる前記荷重値は,前記素子で検出される抵抗値を変換した出力電圧で測定されることを特徴とする請求項3に記載の気管挿管用喉頭鏡システム。
- 前記警報指示装置は,視覚表示,音声表示,警告用ブザー,及び/又はディスプレイであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の気管挿管用喉頭鏡システム。
- 前記警報指示装置による警告条件は,前記力センサとモデル等の歯との接触を検出した状態,前記ジャイロセンサの異常方向への前記動きを検出した状態,及び/又は前記ジャイロセンサの異常速度の前記動きを検出した状態であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気管挿管用喉頭鏡システム。
- 前記警報指示装置による表示情報は,前記力センサが検出した荷重値,一対の前記力センサの検出値から演算によって得られた前記力センサとモデル等の歯との接触位置,前記ハンドルのx軸回りの角速度値,及び/又は前記ハンドルのy軸回りの角速度値であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の気管挿管用喉頭鏡システム。
- 前記喉頭鏡は前記ブレードの先端に取り付けられたランプを備えており,前記ハンドルには前記ランプを点灯するための電池が組み込まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の気管挿管用喉頭鏡システム。
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JP2004340917A JP4547496B2 (ja) | 2004-11-25 | 2004-11-25 | 気管挿管用喉頭鏡システム |
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---|---|---|---|---|
JPH10509614A (ja) * | 1994-11-23 | 1998-09-22 | ダールベック,スコット | 喉頭鏡の圧力センサと圧力警報器 |
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2004
- 2004-11-25 JP JP2004340917A patent/JP4547496B2/ja active Active
Patent Citations (1)
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