JP4545778B2 - 伸縮装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1に開示された発明は、中空筒の端部が開口する第1の脚部と、この第1の脚部の開口部に先端部が挿入されてスライド可能な第2の脚部と、この第2の脚部の先端部に接続される長さ調節部材と、この長さ調節部材にスライド部材を介して接続される伸縮部材と、第1の脚部に設置される窓部において長さ調節部材を係止する係止部とから構成されている。
この伸縮装置では、第1の脚部の内部において第2の脚部を挿脱することによって長さを設定することができるが、第2の脚部を第1の脚部に押入すると、第1の脚部の内部では、長さ調整部材は伸縮部材が配置される方向に向かって移動し、伸縮部材は長さ調製部材によって押縮される。そして、第2の脚部を押入して伸縮装置が所望の長さとなった際に係止部において係止部材を窓部からスライド挿入すると、係止部材は螺旋状に形成された引きばねによって構成される長さ調整部材の螺旋の間隙を刺衝してその移動を止めて第2の脚部の位置を固定する。
反対に、伸縮装置を伸ばす場合には、係止部材を抜脱して長さ調整部材の刺衝を解除すると、押縮されていた伸縮部材の付勢力によって長さ調整部材と第2の脚部が押されて自動的に伸縮装置を伸長することができる。
また、長さ調節部材には螺旋状に形成された引きばねを用いているので、係止部材が刺衝できる間隙を多数構成することが可能であり、すなわち、係止部によって長さ調節部材を短い係止間隔で精度高く係止することができる。その結果、伸縮装置の全長を所望の長さに調節することを可能としている。
この特許文献2に開示された発明は、椅子やベッド等の脚を内挿可能な保持空間と側壁の所定位置に複数のボルト穴とを有し床面上に載置可能に形成された筒状脚保持具と、この筒状脚保持具に伸縮自在に内設されるコイルばねと、このコイルばねの上部に設けられ上面は筒状脚保持具に内挿される椅子やベッド等の脚を載置可能に形成され下面にボルト穴から挿通されるボルトと嵌合する嵌合凹部を備えた脚受け具とから構成されている。
そして、椅子やベッド等の脚を高くする場合には、まず、椅子やベッド等の脚を筒状脚保持具に挿入して脚の底面を脚受け具の上面に当接させ、この脚の力によってコイルばねを圧縮させた状態で脚受け具の下面の嵌合凹部を所望の位置のボルト穴と符号させる。そして、このボルト穴にボルトを挿入しナットで固定するとコイルばねの伸縮が抑止されて脚受け具の位置が固定され、その結果、椅子やベッド等の脚の高さを容易に調節することができるようになっている。
この特許文献3に開示された発明は、フレームのシートポストの内部に昇降自在に挿嵌され上下係合周溝を有する中筒と、この中筒を上方へ付勢させるばねを備えた緩衝装置と、シートポストの内部に設けられ上下係合周溝のいずれかに係嵌させて中筒を所定位置に係止させるための係止爪を備えた係止装置と、中筒上端に装着された高さ調節自在のサドルと、係止装置の係止爪を操作する操作レバーとから構成されている。
そして、サドルの高さを高くしたい場合には、乗者はサドルに跨った状態で、ハンドル付近に取り付けられた操作レバーを操作して中筒の上部係合周溝に係止されている係止爪を脱外する。そして、サドルから少し腰を浮かせると、圧縮されていた緩衝装置のばねの弾性作用によって中筒が上方へ押し上げられて、係止爪による係止位置に下部係合周溝が配置されるので、即座に操作レバーから手を放して操作レバーを解除し、係止爪を下部係合周溝に係嵌させると、サドルの上昇をロックすることができる。
逆に、サドルの高さを低くしたい場合は、サドルの高さを高くする場合と同様に操作レバーを操作して中筒の下部係合周溝に係止されている係止爪を脱外する。そうすると、乗者の体重によって緩衝装置のばねが圧縮され中筒が降下して係止爪による係止位置に上部係合周溝が配置されるので、即座に操作レバーから手を放して操作レバーを解除し、係止爪を上部係合周溝に係嵌させると、サドルの降下をロックすることができる。
このように特許文献2では、操作レバーによる係止爪の解除あるいはロック操作と、乗者の体重による緩衝装置のばねの圧縮膨張操作を行うだけで自転車に乗車した状態で容易にサドルの高さを調節することができる。
上記構成の伸縮装置では、伸縮脚部を脚部に押入すると伸縮脚部の先端部に設置される伸縮部材は押縮され、同じく伸縮脚部の先端部に接続される長さ調整部材は脚部の他の端部側へ移動するという作用を有する。そして、係止部では、脚部に設けられる窓部に配置される長さ調整部材を係止して長さ調整部材の移動を抑止して、伸縮脚部の位置を固定するという作用を有する。また、螺旋状に形成される長さ調整部材は、螺旋の長さに比例して多数存在する螺旋部分の間隙を短い係止間隔で係止部によって係止可能とするという作用を有する。さらに、係止状態を解除すると、伸縮脚部は、伸縮部材の付勢力により自動的に脚部から抜出するという作用を有する。
上記構成の伸縮装置では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、案内部は長さ調整部材及び伸縮部材を案内するように作用する。
上記構成の伸縮装置では、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、拘持部は、その一の端部は伸縮脚部に固定され、他の端部は長さ調整部材の一の端部を固定することによって長さ調整部材を拘束した状態で保持するという作用を有する。
上記構成の伸縮装置では、第1の伸縮脚部を脚部に押入すると、第1の伸縮脚部の先端部に接続される第1の長さ調整部材は脚部の他の端部側へ移動し、また、第2の伸縮脚部を脚部に押入すると、第2の伸縮脚部の先端部に接続される第2の長さ調整部材は脚部の一の端部側へ移動するという作用を有する。なお、この際、第1の伸縮脚部と第2の伸縮脚部の後端部間に設けられる伸縮部材は押縮されるように作用する。そして、係止部では、脚部に設けられる窓部に配置される第1の長さ調整部材と第2の長さ調整部材を同時に係止して第1の長さ調整部材及び第2の長さ調整部材の移動を抑止して、第1の伸縮脚部と第2の伸縮脚部の位置を固定するという作用を有する。また、螺旋状に形成される第1の長さ調整部材及び第2の長さ調整部材は、無数に存在する螺旋部分の間隙を短い係止間隔で係止部によって係止可能とするという作用を有する。さらに、係止状態を解除すると、第1の伸縮脚部及び第2の伸縮脚部は、伸縮部材の付勢力により自動的に脚部から抜出するという作用を有する。
上記構成の伸縮装置では、請求項4に記載の発明の作用に加えて、第1の案内部は第1の長さ調整部材と伸縮部材を案内するように作用し、第2の案内部は第2の長さ調整部材と伸縮部材を案内するように作用する。また、第1の案内部と第2の案内部は軸方向に嵌合するように作用する。
上記構成の伸縮装置では、請求項4又は請求項5に記載の発明の作用に加えて、第1の拘持部は第1の長さ調整部材を拘束した状態で保持し、第2の拘持部は第2の長さ調整部材を拘束した状態で保持するという作用を有する。
上記構成の伸縮装置では、脚部に伸縮脚部を押入すると、伸縮部材が押縮されるように作用する。そして、螺旋状に形成された伸縮脚部は長さ調整部材として機能し、係止部においては窓部に配置される伸縮脚部が係止されてその移動が抑制されて、伸縮脚部の位置を固定するという作用を有する。また、伸縮脚部の螺旋部分は多数存在するので伸縮脚部は螺旋部分の間隙を短い係止間隔で係止部による係止を可能とするという作用を有する。さらに、係止状態を解除すると、伸縮部材の付勢力によって伸縮脚部は自動的に脚部から抜脱するという作用を有する。
上記構成の伸縮装置では、請求項7に記載の発明の作用に加えて、第1の案内部及び第2の案内部は軸方向に嵌合しながら伸縮部材を案内するように作用する。
上記構成の伸縮装置では、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、係止部では、衝止部材が長さ調整部材の螺旋部分の間隙を刺衝することによって長さ調整部材の移動を抑止するとともに伸縮部材の付勢力を抑制するように作用する。また、固定部材は衝止部材を常に窓部に保持するように作用し、また、脚部に対しては回動可能となるように作用する。
上記構成の伸縮装置では、請求項7又は請求項8に記載の発明の作用に加えて、係止部では、衝止部材が伸縮脚部の螺旋部分の間隙を刺衝して伸縮脚部の移動と伸縮部材の付勢力を抑制するように作用する。また、固定部材は衝止部材を常に窓部に保持するとともに、脚部に対しては回動可能となるように作用する。
上記構成の伸縮装置では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、環状に積層された長さ調整部材は、環状体と環状体との間隙を係止部で係止可能という作用を有する。また、複数の環状体が積層されているので間隙が多数存在し、係止部は係止間隔を短くできるという作用を有する
上記構成の伸縮装置では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、請求項11に記載の伸縮装置と同様の作用を有する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る伸縮装置の縦断面図である。
図1において、第1の実施の形態に係る伸縮装置1は、主脚となる脚部2と、この脚部2の内外部に出入して伸縮装置1の長さを調節するための伸縮脚部3を備えている。脚部2は一の端部が開口した開口部2aと、他の端部が閉口した閉口部2bを有する中空の筒状体であり、中部付近には後述するストッパ10を挿入可能なストッパ挿入窓7が形成されている。そして、脚部2の開口部2aには、伸縮脚部3の先端部3a周辺が挿入されており、この伸縮脚部3の先端部3aは、その外径が伸縮脚部3の主部の外径よりも大きく形成されており、脚部2の開口部2aに形成される掛止部2cにおいて先端部3aが掛止されて脚部2からの伸縮脚部3の抜脱を防止している。
また、この引きばね4の内側には、伸縮部材としての押しばね5が一の端部を伸縮脚部3の先端部3aの止め具3bに固定され、他の端部を脚部2の閉口部2bに固定されて設置されている。なお、押しばね5の他の端部は必ずしも脚部2の閉口部2bまで配置される必要はなく、脚部2の途中まで配置されるようにしてもよい。また、押しばね5は引きばね4の外側に配置してもよいが、この場合、後述する係止部8における引きばね4の係止面積が狭くなるので強度的に不利となる。また、押しばね5のコイル間隔が短い場合には、伸縮装置1を縮めた場合に係止部8のストッパ10が刺衝できない可能性がある。
そして、柱状のガイド6が押しばね5及び引きばね4の内側になるように脚部2の閉口部2bからストッパ挿入窓7の手前まで延設されて、引きばね4の移動や押しばね5の伸縮を案内してこれらの動作を円滑に行えるように機能している。なお、ガイド6は脚部2の閉口部2bではなく開口部2a側の伸縮脚部3の先端部3aに設置することもでき、また、その形状は中実の柱状の他に、円筒状でもよいし、その断面形状は限定されるものではない。また、ガイド6の先端はストッパ挿入窓7を越えて延設してもよいが、この場合は、後述する係止部8において、ストッパ10はガイド6及び押しばね5を避けて引きばね4の刺衝ができるようにその形状を形成する必要がある。
なお、本願明細書内において、「押しばね」は通常時に間隙を備えた螺旋状のばねであって、その螺旋の間隙の間隔を狭めて縮んだ際に反力を発揮するばねであり、「引きばね」は通常時に間隙が小さいかあるいはほとんどない状態の螺旋状のばねであるが、「引きばね」については、ばねを引っ張った際に復元力を発揮する必要は必ずしもなく、単に、螺旋状という形状に基づくものである。
本実施の形態においては、ストッパ10は、引きばね4の螺旋部分の間隙を刺衝するとしたが、引きばね4に加えて押しばね5の螺旋部分の間隙を刺衝してもよい。このようにすることで、荷重を支持するストッパ10の面積を増やすことが可能である。
図1に示す伸縮装置1が最も伸びた状態から伸縮装置1を短くする場合は、まず、伸縮脚部3を脚部2の内部に押入する。そうすると、脚部2の内部では、押しばね5は縮み、引きばね4は脚部2の閉口部2bに向かって移動する。伸縮装置1が所望の長さになったところで、係止部8において、ハンドル9を押してストッパ10をストッパ挿入窓7からスライド挿入すると、ストッパ10はストッパ挿入窓7に配置される引きばね4と押しばね5の螺旋部分の間隙を刺衝して引きばね4、押しばね5及び伸縮脚部3の移動を抑止して伸縮脚部3を固定し、伸縮装置1の長さを決定する。
引きばね4は、螺旋が密に形成された螺旋構造を有しており、螺旋の間隙の間隔が狭い上に略無数に存在するので、伸縮装置1の長さを細かく設定することができる。すなわち、伸縮脚部3を任意の位置で停止すると、ストッパ挿入窓7には引きばね4の間隙のいずれかが位置するので、この間隙をストッパ10で刺衝して係止すると伸縮装置1は所望の長さに自在に調節することができる。
逆に、係止状態を解除して、伸縮装置1を伸長する場合は、引きばね4及び押しばね5の間隙に刺衝されているストッパ10を抜脱すると、圧縮されていた押しばね5が伸張して、その付勢力が伸縮脚部3に作用し、伸縮脚部3は自動的に脚部2の内部から押し出される。したがって、伸縮装置1の長さ調節においては、伸縮脚部3を地面に当接させて、伸縮脚部3を脚部2に押入し、押しばね5を付勢させておいてその付勢力を利用すると、簡単かつ迅速に伸縮装置1の長さを決定することができるので便利である。
また、通常の円形断面を備えるコイルによる引きばねの他にも、断面が略矩形状となる高強度の扁平線コイルばね等でも代用可能である。
図2は、第1の実施の形態に係る伸縮装置の拘持帯の縦断面図である。
図2において、引きばね4には、引きばね4の伸長を防止する拘持帯12が設置されている。拘持帯12は金属製の帯状体であり、図示するように一の端部が引きばね4の一の端部に固定され、他の端部は図1に示される伸縮脚部3の先端部3aに固定されている。したがって、引きばね4は拘持帯12によって拘持されるので伸長することはなく、係止部における係止が行われて伸縮装置に荷重がかからない状態、例えば、脚部を挟持して伸縮装置を持ち上げた場合に引きばね4の伸長による伸縮脚部の降下を防止することができる。
なお、拘持帯12は、係止部におけるストッパの引きばね及び押しばねの刺衝を阻害しない位置に設置するか、或いは、拘持帯12を避けて刺衝できるようにストッパの形状を形成するとよい。また、拘持帯12の形状は帯状に限定されるものではなく、紐状や鎖状など引きばね4の一の端部と伸縮脚部の先端部で固定できるものであればどのような形状でも構わない。
図3(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る伸縮装置を縮小した場合の外形図であり、(b)は同じく伸縮装置の縦断面図である。
図3(a)において、第2の実施の形態に係る伸縮装置13は、主脚である脚部14の両端部に二本の伸縮脚部となる第1の伸縮脚部15及び第2の伸縮脚部16が設置されているものである。図3(a)は、第1の伸縮脚部15及び第2の伸縮脚部16を脚部14の内部に押入し、係止方法については詳細に後述するが、ハンドル24や固定部材26を備える係止部23において第1の伸縮脚部15及び第2の伸縮脚部16を固定し、伸縮装置13を最短にした状態を示している。伸縮装置13では、この最短の状態から第1の伸縮脚部15と第2の伸縮脚部16を伸長することができるので、コンパクトな装置でありながら大きい伸長幅を有している。
一方、脚部14の第2の開口部14cには、第1の伸縮脚部15の内径よりも小さい外径を有する第2の伸縮脚部16の先端部16a周辺が挿入され、第1の伸縮脚部15の場合と同様に、この先端部16aの外径は第2の伸縮脚部16の主部の外径よりも大きく形成されており、脚部14の第2の開口部14cの内部に周設される第2の掛止部14dによって先端部16aが掛止されて脚部14からの第2の伸縮脚部16の抜脱を防止している。そして、第2の伸縮脚部16の先端部16aには長さ調整部材としての第2の引きばね18がその一の端部を当接して第2の伸縮脚部16と直列に脚部14内に収容されている。また、第2の引きばね18の他の端部はストッパ挿入窓22を越えて、第1の引きばね17の内側になるように配置されている。
さらに、第1の引きばね17、第2の引きばね18及び押しばね19の内側には、これらのばねの移動や伸縮を案内する柱状の二本のガイドが設けられており、第1のガイド20は、一の端部が第1の伸縮脚部15の後端部15bに固設されて他の端部がストッパ挿入窓22近傍になるように延設されている。同様に、第2のガイド21は、一の端部を第2の伸縮脚部16の後端部16bに固設されて他の端部がストッパ挿入窓22近傍になるように延設されている。そして、これらのガイドは、ストッパ挿入窓22付近で図示するとおり軸方向に嵌合できる形状を有している。
そして、係止部23では、脚部14に周設される固定部材26が、脚部14に設けられるストッパ挿入窓22にハンドル24を備えるストッパ25を常時スライド挿入できるように保持している。
図3(a)に示す伸縮装置13が最も伸長した状態から縮小する場合は、まず、第1の伸縮脚部15を脚部14の内部に押入する。そうすると、脚部14の内部では、第1の引きばね17が脚部14の第2の開口部14cに向かって移動するとともに、押しばね19が押縮される。また、第1のガイド20は第2のガイド21と軸方向に嵌合しながら、第1の引きばね17と同様に第2の開口部14cの方向へ移動する。そして、伸縮装置13が所望の長さになったら、係止部23において、ハンドル24を押してストッパ25をストッパ挿入窓22にスライド挿入すると、ストッパ25は第1の引きばね17と第2の引きばね18の螺旋部分の間隙を刺衝してこれらのばねの移動を抑止して第1の伸縮脚部15の位置を固定するので、伸縮装置13の長さを決定することができる。但し、後述するが、ストッパ25は第1のガイド20及び第2のガイド21と押しばね19を避けて第1の引きばね17及び第2の引きばね18を刺衝する構造を有している。
また、第1の引きばね17及び第2の引きばね18の引きばねに代えて、環状体が積層された構造を用いることもできる。環状体が積層された構造は、引きばねと同様に、ストッパ25によって刺衝できる間隙が複数存在するので、ストッパ25による刺衝位置は細かく設定することができ、伸縮装置13を所望の長さに調節することができる。
図4は、第2の実施の形態に係る伸縮装置の係止部の概念図である。
図4において、係止部23は未係止の状態であり、ストッパ25は固定部材26によって脚部14に形成されるストッパ挿入窓に保持されている。そして、ストッパ25には切欠部25aが形成されており、この切欠部25aによってストッパ25は前述の第1のガイド20及び第2のガイド21と押しばね19を避けて第1の引きばね17及び第2の引きばね18の螺旋部分の間隙を刺衝することができる。
ここで、第1のガイド20及び第2のガイド21の断面形状について説明する。図示するように、第1のガイド20は断面が円形に3個の扇形が均等に配置された羽根形状であり、一方、第2のガイド21は第1のガイド20の隙間を埋めるように配置された3個の扇形状である。したがって、第1のガイド20及び第2のガイド21は、第1の伸縮脚部及び第2の伸縮脚部の移動に連動すると、羽根形状と3個の扇形状が軸方向に嵌合しながら円柱形状を形成し、前述したように、第1の引きばね及び第2の引きばねの移動と押しばねの伸縮が円滑に行えるように案内する役割を担っている。
図5において、ストッパ25は、固定部材26に先端部が当接するまで挿入されており、切欠部25aにおいて第1のガイド20及び第2のガイド21と押しばね19をうまく避け、第1の引きばね17及び第2の引きばね18の間隙を刺衝してこれらのばねの移動を抑止している。
図6(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る伸縮装置の一部断面を含む概念図であり、(b)は同じく伸縮装置の係止部の概念図であり、(c)は同じく伸縮装置の係止部においてストッパをスライド挿入した場合の概念図であり、(d)は同じく伸縮装置の係止部の外形図である。
図6(a)において、第3の実施の形態に係る伸縮装置27は、扁平線コイルばね29を使用し、この扁平線コイルばね29が伸縮脚部と長さ調整部材の機能を兼用する構成になっている。伸縮装置27において、脚部28は中空の円筒で一の端部が開口した開口部28aと他の端部が閉口した閉口部28bを有し、閉口部28bには下端具38が接続されている。そして、開口部28aには扁平線コイルばね29の先端部29a周辺が挿入されており、扁平線コイルばね29は後端部29bに接続される上端具39を押圧すると、脚部28の内部をスライド可能になっている。なお、扁平線コイルばね29は、扁平線を用いることによりコイル部分が重なる面積が大きくなり荷重に強いので、伸縮脚部として機能するとともに、螺旋構造を有するので長さ調整部材としても用いることができる。但し、扁平線コイルばね29に代わってコイル断面が円形の通常の引きばねを使用してもよい。
さらに、脚部28の閉口部28bと扁平線コイルばね29の後端部29bの間には伸縮部材としての押しばね30が、扁平線コイルばね29の内側になるように設置されている。また、押しばね30の内側には、第1のガイド31と第2のガイド32が設置されており、これらのガイドは押しばね30を案内し、押しばね30の伸縮を円滑に行えるようにしている。なお、第1のガイド31は一の端部を扁平線コイルばね29の後端部29bに固設され、他の端部はストッパ挿入窓33を越えて延設されている。一方、第2のガイド32は一の端部を脚部28の閉口部28bに固設され、第1のガイド31と同様に、ストッパ挿入窓33を越えて延設され、ストッパ挿入窓33付近において第1のガイド31と軸方向に嵌合可能になっている。
また、図6(b)及び(c)において、第1のガイド31及び第2のガイド32の断面構造を示しているが、前述の第2の実施の形態と同様に、第1のガイド31は円形に3個の扇形が均等に配置された構造であり、第2のガイド32は、この第1のガイド31の隙間を埋めるように3個の扇形が配置されており、両者は軸方向に嵌合することができる。
そして、図6(d)には、係止部34の外形を示しているが、固定部材は固定部材37aと固定部材37bで構成され、固定部材37aは脚部28に設置され、ハンドル35とハンドル35に接続されるストッパを支持する固定部材37bを水平方向にスライド可能に保持している。ここで、固定部材37a,37bには各々ストッパ41a,41bが設置されており、固定部材37bを固定部材37aから引き出すと、ストッパ41bがストッパ41aに接触して固定部材37bは移動を停止するので、ストッパ41a,41bによって、固定部材37bが固定部材37aから抜脱するのを防止することができる。
また、係止部において、ストッパを刺衝した状態でも固定部材を回動させることにより伸縮装置の長さの微調整を行うことができるので、より簡単に伸縮装置を所望の長さに設定することができる。
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る伸縮装置の縦断面図である。
図7において、第4の実施の形態に係る伸縮装置42は、主脚となる脚部43と、この脚部43の内外部に出入して伸縮装置42の長さを調節するための伸縮脚部44を備えている。脚部43は一の端部が開口した開口部43aと、他の端部が閉口部43bによって閉口された中空の筒状体であり、中部付近にはハンドル47を押すことで、符号Aで示される方向へ挿脱するストッパ48を挿入可能なストッパ挿入窓52が形成されている。このハンドル47及びストッパ48をストッパ挿入窓52に挿脱可能に固定するために、脚部43の周囲に固定部材49a,49bを設けており、これらのハンドル47、ストッパ48及び固定部材49a,49bを総称して、係止部50としている。
そして、脚部43の開口部43aには、伸縮脚部44の先端部44a周辺が挿入されており、この伸縮脚部44の先端部44aは、その外径が伸縮脚部44の主部の外径よりも大きく形成されており、脚部43の開口部43aに形成される掛止部43cにおいて先端部44aが掛止されて脚部43からの伸縮脚部44の抜脱を防止している。なお、掛止部43cは、止め具53を用いて脚部43に固定されている。
この引きばね46は、伸縮脚部44の止め具44bに一の端部が当接し、他の端部は、止め具44bから長さ調整可能なワイヤー44dを介して固定されるヘッド44cで固定されている。但し、ヘッド44cを常に設けることなく、ワイヤー44dの端部を曲げて、引きばね46の上端部を固定するなどしてもよい。
また、この引きばね46の外側には、伸縮部材としての引きばね45が一の端部を伸縮脚部44の先端部44aの止め具44bに固定され、他の端部を脚部43の閉口部43bに固定されて設置されている。閉口部43bは、脚部43に対して止め具53を用いて固定されている。すなわち、本第4の実施の形態では、伸縮部材として押しばねに代えて、引きばねを用いるものである。
従って、先に引きばねを定義した際には、引きばねについては、ばねを引っ張った際に復元力を発揮する必要は必ずしもなく、単に、螺旋状という形状に基づくものであるとしたが、伸縮部材として用いる際には、ばねを引っ張った際に復元力が必要となる。先の定義は、長さ調節部材として引きばねを用いる場合に該当するものである。
また、引きばね45と引きばね46の内外関係を逆にして配置してもよいが、この場合、ヘッド44cを設けて引きばね46を固定することが困難と考えられるため、前述のとおりワイヤー44dの上端部を曲げて引きばね46の上端部に掛けたり、あるいはかしめるなどして固定するようにしたり、あるいは図1に示されるような拘持帯12を設けて、この拘持帯12によって引きばね46を拘持して伸長を防止するようにしてもよい。拘持帯12の一の端部(上端部)を引きばね46の上端部に固定し、他の端部(下端部)を伸縮脚部44の先端部44aに固定するのである。
図7に示す伸縮装置42は、伸縮部材として引きばね45を採用するため、当初は伸縮装置42が最も短い状態、すなわち伸縮脚部44が脚部43の内部に収容された状態となっている。最も短い状態から伸縮装置42を長くする場合は、まず、伸縮脚部44を脚部43の内部から引き出すようにする。そうすると、脚部43の内部では、引きばね45が伸び、引きばね46は先端部44aと共に、脚部43の開口部43aに向かって移動する。伸縮装置42が所望の長さになったところで、係止部50において、ハンドル47を押してストッパ48をストッパ挿入窓52からスライド挿入すると、ストッパ48はストッパ挿入窓52の近傍に位置する引きばね46と引きばね45の螺旋部分の間隙を刺衝して引きばね46、引きばね45及び伸縮脚部44の移動を抑止して伸縮脚部44を固定し、伸縮装置42の長さを決定する。
逆に、係止状態を解除して、伸縮装置42を短縮する場合は、引きばね46及び引きばね45の間隙に刺衝されているストッパ48を抜脱すると、伸長されていた引きばね45が縮み、その復元力が伸縮脚部44に作用し、伸縮脚部44は自動的に脚部43の内部に押し込まれる。
本実施の形態では、例えば、伸縮脚部44の下端部にステップ51を設けて、これを例えば車椅子の足置きのステップ部分に採用すれば、利用者が車椅子に座って足をステップ51に載せることで、伸縮脚部44が引き伸ばされ、利用者が利用後に車椅子から降りる際に、足をステップ51から外すと引きばね45の復元力(引力)で、伸縮脚部44及びステップ51が上部へ移動させて、次回の利用時に備えるように機能するので便利である。
また、通常の円形断面を備えるコイルによる引きばねの他にも、断面が略矩形状となる高強度の扁平線コイルばね等でも代用可能である。
本実施の形態においては、伸縮部材に押しばねではなく引きばねを採用する場合を説明した。すなわち、伸縮部材は押しばねあるいは引きばねのいずれか一方に限定するものではなく、いずれであってもよい。また、長さ調整部材との関係も内外いずれでもよい。伸縮部材の押しばねと引きばねの違いがあるので、その点では相違するが、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用・効果を発揮し得る。特に、伸縮部材が引きばねの場合には、不使用時、すなわち初期の段階で短縮化しており、使用時に伸長する特徴があるので、不使用時に収納されるような装置や道具などの収納機構に用いるとよい。
Claims (12)
- 中空筒の一部に窓部を備えて一の端部が開口する脚部と、この脚部の開口する一の端部に先端部が内挿され前記脚部の内部をスライド可能な伸縮脚部と、前記脚部の内部において前記伸縮脚部の先端部から前記伸縮脚部と直列に収容される螺旋状に形成された長さ調整部材と、前記脚部の内部において前記伸縮脚部の先端部から設けられ前記長さ調整部材の内側又は外側に配置される伸縮部材と、前記脚部に設けられる前記窓部において少なくとも前記長さ調整部材を係止する係止部とを有することを特徴とする伸縮装置。
- 前記脚部の内部において前記長さ調整部材及び前記伸縮部材よりも内側に案内部を備えることを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置。
- 前記伸縮脚部に固定される一の端部と前記長さ調整部材の一の端部を固定する他の端部で、前記長さ調整部材を保持する拘持部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の伸縮装置。
- 中空筒の一部に窓部を備えて両端部が開口する脚部と、この脚部の開口する一の端部に先端部が内挿され前記脚部の内部をスライド可能な第1の伸縮脚部と、前記脚部の開口する他の端部に先端部が内挿され前記脚部の内部をスライド可能に前記第1の伸縮脚部の内径よりも外径が小さく形成される第2の伸縮脚部と、前記脚部の内部において前記第1の伸縮脚部の先端部から前記第1の伸縮脚部と直列に収容される螺旋状に形成された第1の長さ調整部材と、前記脚部の内部において前記第2の伸縮脚部の先端部から前記第2の伸縮脚部と直列に収容される螺旋状に形成された第2の長さ調整部材と、前記脚部の内部において前記第1の伸縮脚部と前記第2の伸縮脚部の後端部間に設けられ、前記第1の長さ調整部材及び前記第2の長さ調整部材の内側又は外側に配置される伸縮部材と、前記脚部に設けられる前記窓部において前記第1の長さ調整部材及び前記第2の長さ調整部材を係止する係止部とを有することを特徴とする伸縮装置。
- 前記脚部の内部において前記第1の伸縮脚部の後端部に一の端部が固設され前記第1及び第2の長さ調整部材及び伸縮部材の内側に延設される第1の案内部と、前記第2の伸縮脚部の後端部に一の端部が固設され前記第1及び第2の長さ調整部材及び伸縮部材の内側に延設され、前記第1の案内部と軸方向に嵌合可能な第2の案内部を備えることを特徴とする請求項4に記載の伸縮装置。
- 前記第1の伸縮脚部に固定される一の端部と前記第1の長さ調整部材の一の端部を固定する他の端部で、前記第1の長さ調整部材を保持する第1の拘持部と、前記第2の伸縮脚部に固定される一の端部と前記第2の長さ調整部材の一の端部を固定する他の端部で、前記第2の長さ調整部材を保持する第2の拘持部のうち、少なくともいずれか一方の拘持部を備えることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の伸縮装置。
- 中空筒の一部に窓部を備えて一の端部が開口する脚部と、この脚部の開口する一の端部に先端部が内挿され前記脚部の内部をスライド可能で螺旋状に形成された伸縮脚部と、前記脚部の内部において前記脚部の他の端部と前記伸縮脚部の後端部との間に設けられ前記伸縮脚部の内側に配置される伸縮部材と、前記脚部に設けられる前記窓部において少なくとも前記伸縮脚部を係止する係止部とを有することを特徴とする伸縮装置。
- 前記脚部の内部において前記伸縮脚部の後端部に一の端部が固設され前記伸縮部材の内側に延設される第1の案内部と、前記脚部の他の端部に一の端部が固設され前記伸縮部材の内側に延設され、前記第1の案内部と軸方向に嵌合可能な第2の案内部を備えることを特徴とする請求項7に記載の伸縮装置。
- 前記係止部は、前記窓部からスライド挿入させて前記長さ調整部材を刺衝する刺衝部材と、この刺衝部材を前記脚部に設けられる前記窓部に保持し前記脚部に対して回動可能に周設される固定部材とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の伸縮装置。
- 前記係止部は、前記窓部からスライド挿入させて前記伸縮脚部を刺衝する刺衝部材と、この刺衝部材を前記脚部に設けられる前記窓部に保持し前記脚部に対して回動可能に周設される固定部材とを備えることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の伸縮装置。
- 前記螺旋状に形成された長さ調整部材に代えて、環状に積層された長さ調整部材を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の伸縮装置。
- 螺旋状に形成された第1の長さ調整部材及び/又は第2の調整部材に代えて、環状に積層された第1の長さ調整部材及び/又は第2の調整部材を用いることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の伸縮装置。
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