JP4545333B2 - 注出コック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビール等の飲料供給装置の注出側端部に接続される注出コックに関し、特に、分解洗浄中におけるOリングのハズレを防止することができると共に、保守点検時の該Oリングの取り換え作業性の向上を図ることができる注出コックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ビール等の飲料を冷却して供給する飲料供給装置の注出側端部には、種々の注出コックが接続されている。ここで、従来の注出コックの一例について図9及び図10に基づいて説明する。図9は従来の注出コックの一例を示す要部縦断面図である。図10は従来の注出コックの一例の弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す要部拡大縦断面図である。図9に示すように、注出コック100は、後述のように(図1参照)飲料冷却パイプの注出側端部に接続される弁継手101と、この弁継手101に締付ナット102によりOリング103を挟んで連結される弁本体104とから構成されている。弁継手101は、直管状の流入部105と、この流入部105から弁本体104に向かってチューリップ状に直径が拡大する流出部106とからなる流路を有している。一方、弁本体104は、弁継手101の流出部106と相対する弁室107と、この弁室107にくの字状に連通する吐出部108とからなり、弁室107の前記吐出部108側に弁座109が形成された流路を有し、更に弁室107に同軸に連通する中空円筒状の弁案内部110を有している。
【0003】
また、弁室107には弁体111が収容され、この弁体111は、弁座109の近傍にフランジを有する弁軸113の一端の弁受け部114に向かってパッキン116及びコイルばね117が挿入・積層されるとともに、軸端に弁押え118がねじ合わされて形成されている。弁軸113は他端のスライド部119が弁案内部110に軸方向にスライド可能に保持され、スライド部119には操作レバー120が連結されている。弁軸113の中間部は小径に形成され、両端の弁受け部114とスライド部119とを結んでいる。また、操作レバー120は、球状の支点部120Aが弁本体104に一体形成された球面受座121に支承され、押えナット122により図9の左右に揺動可能に締付け保持されている。そして、操作レバー120の先端の球状の操作部120Bが、スライド部119に上下方向に設けられた貫通穴124に可動的に挿入され、操作レバー120の把手120Cを持って図9の左右に揺動操作することにより、弁軸113が軸方向に移動するようになっている。
【0004】
そして、注出コック100において、操作レバー120が操作されない状態では、ガス圧を受けて流出部106及び弁室107に充満するビール等から弁体111に作用する圧力により弁軸113は図9の左方向に押され、パッキン116が弁座109に押圧されて図示の通り流路が閉止されている。
【0005】
また、図10に示すように、弁本体104の弁継手101に接続される接続端部の外周部には締付ナット102と螺合する雄ネジ部104Aが形成されている。また、弁本体104の弁継手101に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部131が同心円状に形成されている。この段差部131の流軸方向の深さはOリング103の線径よりも大きく形成されると共に、この段差部131の流軸に垂直な方向の外側の内径寸法は、Oリング103の外径寸法にほぼ等しく、若しくは僅かに小さく形成されている。これにより、Oリング103をこの段差部131に接続端側から挿入して、弁本体104を弁継手101に迅速に接続できる。また、該弁本体を104を弁継手101から取り外した後、直接指を掛けてOリング103を容易に取り外すことができる。
【0006】
また、従来の注出コックの他の例の弁本体にOリングが取り付けられた状態を図11に基づいて説明する。図11は従来の注出コックの他の例の弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す要部拡大縦断面図である。尚、図11において上記図10の弁本体104の構成と同一符号は、該弁本体104の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。図11に示すように、弁本体135の構成は上記弁本体104の構成とほぼ同じであるが、弁本体135の弁継手101に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部136が同心円状に形成されている。この段差部136の流軸方向の深さはOリング103の線径よりも大きく形成されると共に、この段差部136の流軸に垂直な方向の外側の内径寸法は、Oリング103の外径寸法よりも大きく形成されている。また、段差部136の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部137が延出されて、Oリング取付溝138が形成されている。このリブ部137のOリング取付溝138の底面からの高さ寸法は、Oリング103の線径半径の寸法よりも少し大きく形成されている。また、このリブ部137とOリング103との間には、所定寸法の隙間が形成されている。これにより、Oリング103をこのOリング取付溝138に接続端側から挿入して、弁本体135を弁継手101に迅速に接続できる。また、該弁本体135を弁継手101から取り外した後、Oリング取付溝138を下側にしてOリング103を容易に取り外すことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した弁本体104においては、該弁本体104を弁継手101から取り外して洗浄をする場合には、洗浄ブラシのブラシ部がOリング103と段差部131との間に入るため、洗浄中にOリング103が外れるという問題がある。また、上記弁本体135においては、該弁本体135を弁継手101から取り外した後、Oリング取付溝138を下側にするとOリング103が容易に取り外せるため、注出コック100の分解時にOリング103を紛失し易いという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、弁継手と弁本体との間に挟まれるOリングが装着される溝部の深さ寸法を該Oリングの線径半径の寸法よりも小さく形成し、又は、Oリングが装着される溝部のリブ部先端に切欠部を形成することによって、分解洗浄中におけるOリングのハズレを防止することができると共に、保守点検時の該Oリングの取り換え作業性の向上を図ることができる注出コックを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る注出コックは、飲料供給装置の注出側端部に接続される注出コックにおいて、前記注出コックは、飲料パイプに接続される弁継手と、前記弁継手に着脱可能に連結される弁本体と、前記弁本体において前記弁継手に接続される端面部の流路側周縁部から流軸方向内側に同心円状に形成される段差部と、前記段差部の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側に延出されるリブ部とから形成される溝部と、前記溝部に装着されるOリングと、前記弁継手の流出側端面に設けられて前記段差部に嵌入する突出部と、を備え、前記溝部は、前記段差部から前記リブ部先端までの高さ寸法が、前記Oリングの線径半径よりも僅かに小さく形成され前記溝部の前記流軸に対して垂直な方向の幅寸法は、前記Oリングの線径よりも僅かに小さく、前記弁本体と前記弁継手とが連結される際には、前記突出部と前記リブ部との間に隙間が形成されると共に該隙間は突出部と前記溝部との間に挟まれて変形する前記Oリングのつぶれ代となって塞がれることを特徴とする。
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る注出コックについて具体化した第1乃至第5実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係る注出コックが取り付けられる飲料供給装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は第1実施形態に係る注出コックが取り付けられる飲料供給装置の概略構成を示す側面図である。尚、飲料供給装置には、ビール等を貯留する図示しない飲料タンクが飲料パイプ2を介して接続されており、また、この飲料タンクは図示しない炭酸ガスボンベにより常時加圧されている。図1に示すように、ビール等を冷却して供給する飲料供給装置1の外装を構成する外装ケース3内には、冷却水を貯留した水槽4と、この水槽4の下方にはコンプレッサ5、凝縮器6、及び凝縮器6を冷却する冷却ファン7等から構成される冷凍ユニットが設けられて水槽4内の冷却水を不図示の蒸発管を介して冷却するように構成されている。そして、この外装ケース3の上側は、蓋部材8によって覆われると共に、冷凍ユニットが収納される冷凍ユニット収納部の下面の4箇所(図1中では2箇所が示されている。)において脚部材9が固設されており、飲料供給装置1はこれらの脚部材9を介してテーブル等の上に配置されている。また、飲料供給装置1の前面上部には、注出コック10が取り付けられており、水槽4内の冷却水内に配設される飲料冷却パイプの抽出側端部に接続されている。また、飲料供給装置1の側面上部には飲料タンクに接続される飲料パイプ2が取り付けられ、上記飲料冷却パイプの供給側端部に接続されている。更に、注出コック10の下方前面部には、上側にスノコが載置されるドレン皿11が取り付けられている。また、冷却水が貯留される水槽4は、上面が開放される略直方体の槽であり、上面部に冷却水を撹拌するための撹拌モータ13が取り付けられている。
【0012】
次に、注出コック10の概略構成について図2に基づいて説明する。図2は第1実施形態に係る注出コック10の概略構成を示す縦断面図である。図2に示すように、注出コック10は、飲料冷却パイプの注出側端部に接続される弁継手15と、この弁継手15に締付ナット16によりOリング17を挟んで連結される弁本体18とから構成されている。弁継手15は、直管状の流入部19と、この流入部19から弁本体18に向かってチューリップ状に直径が拡大する流出部20とからなる流路を有している。一方、弁本体18は、弁継手15の流出部20と相対する弁室21と、この弁室21にくの字状に連通する吐出部22とからなり、弁室21の前記吐出部22側に弁座23が形成された流路を有し、更に弁室21に同軸に連通する中空円筒状の弁案内部24を有している。
【0013】
また、弁室21には弁体25が収容され、この弁体25は、弁座23の近傍にフランジを有する弁軸27の一端の弁受け部28に向かってパッキン29及びコイルばね30が挿入・積層されるとともに、軸端に弁押え31がねじ合わされて形成されている。弁軸27は他端のスライド部33が弁案内部24に軸方向にスライド可能に保持され、スライド部33には操作レバー35が連結されている。弁軸27の中間部は小径に形成され、両端の弁受け部28とスライド部33とを結んでいる。また、操作レバー35は、球状の支点部35Aが弁本体18に一体形成された球面受座36に支承され、押えナット37により図2の左右に揺動可能に締付け保持されている。そして、操作レバー35の先端の球状の操作部35Bが、スライド部33に上下方向に設けられた貫通穴39に可動的に挿入され、操作レバー35の把手35Cを持って図2の左右に揺動操作することにより、弁軸27が軸方向に移動するようになっている。
【0014】
そして、注出コック10において、操作レバー35が操作されない状態では、ガス圧を受けて流出部20及び弁室21に充満するビール等から弁体25に作用する圧力により弁軸27は図2の左方向に押され、パッキン29が弁座23に押圧されて図示の通り流路が閉止されている。
【0015】
次に、弁本体18のOリング17の取付構造について図3に基づいて説明する。図3は第1実施形態に係る注出コック10の弁本体18にOリング17が取り付けられた状態を示す要部拡大縦断面図である。図3に示すように、弁本体18の弁継手15に接続される接続端部の外周部には締付ナット16と螺合する雄ネジ部18Aが形成されている。また、弁本体18の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。この段差部41の流軸方向の深さはOリング17の線径よりも大きく形成されると共に、この段差部41の流軸に対して垂直な方向の外側の内径寸法は、Oリング17の外径寸法にほぼ等しく、若しくは僅かに小さく形成されている。また、段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部42が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝43が形成されている。このリブ部42のOリング取付溝43の底面からの高さ寸法H1は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも僅かに小さく(R>H1)なるように形成されている。
【0016】
また、このOリング取付溝43の流軸に対して垂直な方向の幅寸法W1は、Oリング17の軸方向断面の頂点からリブ部42の高さ寸法H1の位置における該Oリング17の軸方向断面の弦の長さ寸法にほぼ等しくなるように形成されている。即ち、Oリング取付溝43の流軸に対して垂直な方向の幅寸法W1は、Oリング17の線径(Rの2倍の寸法)よりも僅かに小さくなるように形成されている。従って、Oリング17をOリング取付溝43の底面に当接するまで挿入した場合には、リブ部42の先端部の半径方向外側周縁部は、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分よりも僅かに流軸方向内側(図3中、左側)の外周面に当接する。また、Oリング17は、Oリング取付溝43に挿入されて、段差部41の流軸に対して平行な内周面と、リブ部42の先端部の半径方向外側周縁部とによって把持される。
【0017】
次に、上記の弁本体18を弁継手15に締付ナット16により連結した場合のOリング17の装着状態の一例を図4に基づいて説明する。図4は第1実施形態に係る注出コック10の弁本体18を弁継手15に締付ナット16により連結した場合のOリング17の装着状態の一例を示す要部拡大縦断面図である。図4に示すように、弁継手15の流出側端面部には、弁本体18の接続端部に形成される段差部41に嵌入されて、Oリング17を押圧する突出部45が、外側方向に突き出して設けられている。この突出部45の外周面は垂直断面円形で、段差部41の流軸に対して垂直な方向の外側の内径寸法にほぼ等しい直径の円状に形成されている。また、この突出部45の流軸に対して垂直な方向の内側の内径寸法は、弁本体18のリブ部42の流軸に対して垂直な方向の内側の内径寸法にほぼ等しくなるように形成されて、滑らかなチューリップ状の流出部20を形成している。また、突出部45の流軸方向の高さ寸法は、該突出部45の流軸方向の外側端面と、弁本体18のリブ部42の流軸方向外側端面との間に、所定隙間Lを形成する高さ寸法に形成されている。従って、弁本体18のOリング取付溝43にOリング17を挿入後、該弁本体18を弁継手15の突出部45に嵌挿しつつ、締付ナット16を所定方向に回すことにより、弁本体18と弁継手15とが連結される。また、Oリング取付溝43と突出部45との間にOリング17が挟まれることにより、この連結部がシールされる。また、Oリング取付溝43のリブ部42と弁継手15の突出部45とによって形成される空間部は、Oリング17のつぶれ代となり、突出部45の押圧力によって変形するOリングによって塞がれる。
【0018】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る注出コック10は、飲料冷却パイプの注出側端部に接続される弁継手15と、この弁継手15に締付ナット16によりOリング17を挟んで連結される弁本体18とから構成されている。また、弁本体18の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部42が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝43が形成されている。そして、このOリング取付溝43のリブ部42の高さ寸法H1は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも僅かに小さく形成されると共に、該リブ部42の幅寸法W1は、Oリング17の軸方向断面の頂点からリブ部42の高さ寸法H1の位置における該Oリング17の軸方向断面の弦の長さ寸法にほぼ等しくなるように形成されている。
【0019】
従って、Oリング17をOリング取付溝43に装着した場合には、Oリング17の軸方向断面のほぼ最大径に近い部分までOリング取付溝43に入るため、弁本体18の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレを防止することができる。また、Oリング17をOリング取付溝43に装着した場合には、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分は、Oリング取付溝43のリブ部42先端から僅かに外側に位置するようになるため、該Oリング取付溝43のリブ部42の内側とOリング17との間に先端が滑らかな物を差し込み容易に取り外すことができて、保守点検時の該Oリング17の取り換え作業性の向上を図ることができると共に、Oリング17の表面の損傷を防止することができる。また、Oリング17の軸方向断面の最大径に近い部分がOリング取付溝43のリブ部42の先端の内側面によって把持されるようになると共に、洗浄ブラシの毛先がOリング17とOリング取付溝43との奥側接触部に入らないため、弁本体18の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレをより確実に防止することができる。
【0020】
次に、第2実施形態に係る注出コックについて説明する。第2実施形態に係る注出コックは、第1実施形態に係る注出コック10の構成とほぼ同じ構成である。但し、第2実施形態に係る注出コックの弁本体の構成は、第1実施形態に係る注出コック10の弁本体18の構成と異なっている。ここで、第2実施形態に係る注出コックの弁本体の構成について図5に基づいて説明する。図5は第2実施形態に係る注出コックの弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す図で、(A)は要部拡大縦断面図、(B)は流軸側から切欠部を見た場合の要部拡大図である。尚、図5において上記第1実施形態に係る注出コック10と同一符号は、該注出コック10と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0021】
図5に示すように、第2実施形態に係る注出コック10の弁本体51は、該弁本体51の弁継手15に接続される接続端部の外周部には締付ナット16と螺合する雄ネジ部18Aが形成されている。また、弁本体51の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。この段差部41の流軸方向の深さはOリング17の線径よりも大きく形成されると共に、この段差部41の流軸に対して垂直な方向の外側の内径寸法は、Oリング17の外径寸法にほぼ等しく、若しくは僅かに小さく形成されている。また、段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部52が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝53が形成されている。このリブ部52のOリング取付溝53の底面からの高さ寸法H1は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも僅かに小さく(R>H1)なるように形成されている。また、このリブ部52の先端部の1箇所乃至3箇所には、所定幅W2で流軸方向外側の先端部より流出方向側に切り欠かれる切欠部54が形成されている。この切欠部54のOリング取付溝53の底面からの高さ寸法H2は、リブ部52のOリング取付溝53の底面からの高さ寸法H1よりも僅かに小さく形成されている。
【0022】
また、このOリング取付溝53の流軸に対して垂直な方向の幅寸法W1は、Oリング17の軸方向断面の頂点からリブ部52の高さ寸法H1の位置における該Oリング17の軸方向断面の弦の長さ寸法にほぼ等しくなるように形成されている。即ち、Oリング取付溝53の流軸に対して垂直な方向の幅寸法W1は、Oリング17の線径(Rの2倍の寸法)よりも僅かに小さくなるように形成されている。従って、Oリング17をOリング取付溝53の底面に当接するまで挿入した場合には、リブ部52の先端部の半径方向外側周縁部は、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分よりも僅かに流軸方向内側(図5中、左側)の外周面に当接する。また、Oリング17は、Oリング取付溝53に挿入されて、段差部41の流軸に対して平行な内周面と、リブ部52の先端部の半径方向外側周縁部とによって把持される。また、Oリング取付溝53の切欠部54の底部の半径方向外側周縁部と、Oリング17の外周面との間には僅かな隙間が生じている。
【0023】
以上詳細に説明した通り第2実施形態に係る注出コック10は、飲料冷却パイプの注出側端部に接続される弁継手15と、この弁継手15に締付ナット16によりOリング17を挟んで連結される弁本体51とから構成されている。また、弁本体51の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部52が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝53が形成されている。そして、このOリング取付溝53のリブ部52の高さ寸法H1は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも僅かに小さく形成されると共に、該リブ部52の幅寸法W1は、Oリング17の軸方向断面の頂点からリブ部52の高さ寸法H1の位置における該Oリング17の軸方向断面の弦の長さ寸法にほぼ等しくなるように形成されている。また、このリブ部52の先端部の1箇所乃至3箇所には、所定幅W2で流軸方向外側の先端部より流出方向側に僅かな深さ寸法(H1ーH2の寸法)で切り欠かれる切欠部54が形成されている。
【0024】
従って、Oリング17をOリング取付溝53に装着した場合には、Oリング17の軸方向断面のほぼ最大径に近い部分までOリング取付溝53に入るため、弁本体51の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレを防止することができる。また、Oリング17をOリング取付溝53に装着した場合には、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分は、Oリング取付溝53のリブ部52先端から僅かに外側に位置すると共に、切欠部54とOリング17の外周面との間に僅かな隙間が生じるため、該Oリング取付溝53の切欠部54の内側とOリング17との間に先端が滑らかな物を差し込み容易に取り外すことができて、保守点検時の該Oリング17の取り換え作業性の向上を図ることができると共に、Oリング17の表面の損傷を防止することができる。また、Oリング17の軸方向断面の最大径に近い部分がOリング取付溝53のリブ部52の先端の内側面によって把持されるようになると共に、洗浄ブラシの毛先がOリング17とOリング取付溝53との奥側接触部に直接入らないため、弁本体51の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレを確実に防止することができる。
【0025】
次に、第3実施形態に係る注出コックについて説明する。第3実施形態に係る注出コックは、第1実施形態に係る注出コック10の構成とほぼ同じ構成である。但し、第3実施形態に係る注出コックの弁本体の構成は、第1実施形態に係る注出コック10の弁本体18の構成と異なっている。ここで、第3実施形態に係る注出コックの弁本体の構成について図6に基づいて説明する。図6は第3実施形態に係る注出コックの弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す図で、(A)は要部拡大縦断面図、(B)は流軸側から切欠部を見た場合の要部拡大図である。尚、図6において上記第1実施形態に係る注出コック10と同一符号は、該注出コック10と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0026】
図6に示すように、第3実施形態に係る注出コック10の弁本体61は、該弁本体61の弁継手15に接続される接続端部の外周部には締付ナット16と螺合する雄ネジ部18Aが形成されている。また、弁本体61の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。この段差部41の流軸方向の深さはOリング17の線径よりも大きく形成されると共に、この段差部41の流軸に対して垂直な方向の外側の内径寸法は、Oリング17の外径寸法にほぼ等しく、若しくは僅かに小さく形成されている。また、段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部62が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝63が形成されている。このリブ部62のOリング取付溝63の底面からの高さ寸法H1は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも僅かに小さく(R>H1)なるように形成されている。また、このリブ部62の1箇所乃至3箇所には、所定幅W3で流軸方向外側の先端部より流出方向側に切り欠かれる切欠部64が形成されている。この切欠部64は、Oリング取付溝63の底面まで切り欠かれて形成されている。
【0027】
また、このOリング取付溝63の流軸に対して垂直な方向の幅寸法W1は、Oリング17の軸方向断面の頂点からリブ部62の高さ寸法H1の位置における該Oリング17の軸方向断面の弦の長さ寸法にほぼ等しくなるように形成されている。即ち、Oリング取付溝63の流軸に対して垂直な方向の幅寸法W1は、Oリング17の線径(Rの2倍の寸法)よりも僅かに小さくなるように形成されている。従って、Oリング17をOリング取付溝63の底面に当接するまで挿入した場合には、リブ部62の先端部の半径方向外側周縁部は、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分よりも僅かに流軸方向内側(図6中、左側)の外周面に当接する。また、Oリング17は、Oリング取付溝63に挿入されて、段差部41の流軸に対して平行な内周面と、リブ部62の先端部の半径方向外側周縁部とによって把持される。また、Oリング取付溝63の切欠部64の底部からOリング17のリング取付溝63の底面に当接する部分が見えている。
【0028】
以上詳細に説明した通り第3実施形態に係る注出コック10は、飲料冷却パイプの注出側端部に接続される弁継手15と、この弁継手15に締付ナット16によりOリング17を挟んで連結される弁本体61とから構成されている。また、弁本体61の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部62が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝63が形成されている。そして、このOリング取付溝63のリブ部62の高さ寸法H1は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも僅かに小さく形成されると共に、該リブ部62の幅寸法W1は、Oリング17の軸方向断面の頂点からリブ部62の高さ寸法H1の位置における該Oリング17の軸方向断面の弦の長さ寸法にほぼ等しくなるように形成されている。また、このリブ部62の1箇所乃至3箇所には、所定幅W3で流軸方向外側の先端部よりOリング取付溝63の底面まで切り欠かれる切欠部64が形成されている。
【0029】
従って、Oリング17をOリング取付溝63に装着した場合には、Oリング17の軸方向断面のほぼ最大径に近い部分までOリング取付溝63に入るため、弁本体61の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレを防止することができる。また、Oリング17をOリング取付溝63に装着した場合には、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分は、Oリング取付溝63のリブ部62先端から僅かに外側に位置するため、該Oリング取付溝63の切欠部64の内側とOリング17との間に先端が滑らかな物を差し込み容易に取り外すことができて、保守点検時の該Oリング17の取り換え作業性の向上を図ることができると共に、Oリング17の表面の損傷を防止することができる。また、Oリング17の軸方向断面の最大径に近い部分がOリング取付溝63のリブ部62の先端の内側面によって把持されるようになると共に、洗浄ブラシの毛先が切欠部64の両側面部によって押さえられて、該毛先がOリング17とOリング取付溝63との奥側接触部に直接入らないため、弁本体61の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレを確実に防止することができる。
【0030】
次に、第4実施形態に係る注出コックについて説明する。第4実施形態に係る注出コックは、第1実施形態に係る注出コック10の構成とほぼ同じ構成である。但し、第4実施形態に係る注出コックの弁本体の構成は、第1実施形態に係る注出コック10の弁本体18の構成と異なっている。ここで、第4実施形態に係る注出コックの弁本体の構成について図7に基づいて説明する。図7は第4実施形態に係る注出コックの弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す図で、(A)は要部拡大縦断面図、(B)は流軸側から切欠部を見た場合の要部拡大図である。尚、図7において上記第1実施形態に係る注出コック10と同一符号は、該注出コック10と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0031】
図7に示すように、第4実施形態に係る注出コック10の弁本体71は、該弁本体71の弁継手15に接続される接続端部の外周部には締付ナット16と螺合する雄ネジ部18Aが形成されている。また、弁本体71の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。この段差部41の流軸方向の深さはOリング17の線径よりも大きく形成されると共に、この段差部41の流軸に対して垂直な方向の外側の内径寸法は、Oリング17の外径寸法にほぼ等しく、若しくは僅かに小さく形成されている。また、段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部72が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝73が形成されている。このリブ部72のOリング取付溝73の底面からの高さ寸法H3は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも少し大きく(R<H3)なるように形成されている。また、このリブ部72の先端部の1箇所乃至3箇所には、所定幅W5で流軸方向外側の先端部より流出方向側に切り欠かれる切欠部74が形成されている。この切欠部74のOリング取付溝73の底面からの高さ寸法H4は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも僅かに小さく(R>H4)なるように形成されている。
【0032】
また、このOリング取付溝73の流軸に対して垂直な方向の幅寸法W4は、Oリング17の線径寸法にほぼ等しく、若しくは僅かに小さい寸法になるように形成されている。従って、Oリング17をOリング取付溝73の底面に当接するまで挿入した場合には、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分は、リブ部72の先端部よりも僅かに流出方向内側の部分で把持される。また、Oリング取付溝73の切欠部74の底部の半径方向外側周縁部と、Oリング17の外周面との間には僅かな隙間が生じている。
【0033】
以上詳細に説明した通り第4実施形態に係る注出コック10は、飲料冷却パイプの注出側端部に接続される弁継手15と、この弁継手15に締付ナット16によりOリング17を挟んで連結される弁本体71とから構成されている。また、弁本体71の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部72が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝73が形成されている。そして、このOリング取付溝73のリブ部72の高さ寸法H3は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも少し大きく形成されると共に、該リブ部72の幅寸法W4は、Oリング17の線径寸法にほぼ等しく、若しくは僅かに小さい寸法になるように形成されている。また、このリブ部72の先端部の1箇所乃至3箇所には、所定幅W5で流軸方向外側の先端部より流出方向側に切り欠かれる切欠部74が形成されている。この切欠部74のOリング取付溝73の底面からの高さ寸法H4は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも僅かに小さくなるように形成されている。
【0034】
従って、Oリング17をOリング取付溝73に装着した場合には、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分は、リブ部72の内側に入って把持されるため、Oリング17を確実に把持することができると共に、弁本体71の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレを防止することができる。また、Oリング17をOリング取付溝73に装着した場合には、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分は、Oリング取付溝73の切欠部74の底部から僅かに外側に位置すると共に、切欠部74とOリング17の外周面との間に僅かな隙間が生じるため、該Oリング取付溝73の切欠部74の内側とOリング17との間に先端が滑らかな物を差し込み容易に取り外すことができて、保守点検時の該Oリング17の取り換え作業性の向上を図ることができると共に、Oリング17の表面の損傷を防止することができる。また、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分がOリング取付溝73のリブ部72の先端の内側面によって把持されるようになると共に、洗浄ブラシの毛先がOリング17とOリング取付溝73との奥側接触部に直接入らないため、弁本体71の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレを確実に防止することができる。
【0035】
次に、第5実施形態に係る注出コックについて説明する。第5実施形態に係る注出コックは、第1実施形態に係る注出コック10の構成とほぼ同じ構成である。但し、第5実施形態に係る注出コックの弁本体の構成は、第1実施形態に係る注出コック10の弁本体18の構成と異なっている。ここで、第5実施形態に係る注出コックの弁本体の構成について図8に基づいて説明する。図8は第5実施形態に係る注出コックの弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す図で、(A)は要部拡大縦断面図、(B)は流軸側から切欠部を見た場合の要部拡大図である。尚、図8において上記第1実施形態に係る注出コック10と同一符号は、該注出コック10と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0036】
図8に示すように、第5実施形態に係る注出コック10の弁本体81は、該弁本体81の弁継手15に接続される接続端部の外周部には締付ナット16と螺合する雄ネジ部18Aが形成されている。また、弁本体81の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。この段差部41の流軸方向の深さはOリング17の線径よりも大きく形成されると共に、この段差部41の流軸に対して垂直な方向の外側の内径寸法は、Oリング17の外径寸法にほぼ等しく、若しくは僅かに小さく形成されている。また、段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部82が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝83が形成されている。このリブ部82のOリング取付溝83の底面からの高さ寸法H3は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも少し大きく(R<H3)なるように形成されている。また、このリブ部72の1箇所乃至3箇所には、所定幅W5で流軸方向外側の先端部より流出方向側に切り欠かれる切欠部84が形成されている。この切欠部84は、Oリング取付溝83の底面まで切り欠かれて形成されている。
【0037】
また、このOリング取付溝83の流軸に対して垂直な方向の幅寸法W4は、Oリング17の線径寸法にほぼ等しく、若しくは僅かに小さい寸法になるように形成されている。従って、Oリング17をOリング取付溝83の底面に当接するまで挿入した場合には、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分は、リブ部82の先端部よりも僅かに流出方向内側の部分で把持される。また、Oリング取付溝83の切欠部84の底部からOリング17のリング取付溝83の底面に当接する部分が見えている。
【0038】
以上詳細に説明した通り第5実施形態に係る注出コック10は、飲料冷却パイプの注出側端部に接続される弁継手15と、この弁継手15に締付ナット16によりOリング17を挟んで連結される弁本体81とから構成されている。また、弁本体81の弁継手15に接続される接続端部の流路側周縁部から流軸方向内側に段差部41が同心円状に形成されている。段差部41の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側にリブ部82が延出されて、Oリング17が挿入されるOリング取付溝83が形成されている。そして、このOリング取付溝83のリブ部82の高さ寸法H3は、Oリング17の線径半径Rの寸法よりも少し大きく形成されると共に、該リブ部82の幅寸法W4は、Oリング17の線径Rにほぼ等しく、若しくは僅かに小さい寸法になるように形成されている。また、このリブ部82の1箇所乃至3箇所には、所定幅W5で流軸方向外側の先端部よりOリング取付溝83の底面まで切り欠かれる切欠部84が形成されている。
【0039】
従って、Oリング17をOリング取付溝83に装着した場合には、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分は、リブ部82の内側に入って把持されるため、Oリング17を確実に把持することができると共に、弁本体81の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレを防止することができる。また、Oリング17をOリング取付溝83に装着した場合には、Oリング取付溝83の切欠部84の底部からOリング17のリング取付溝83の底面に当接する部分が見えるため、該Oリング取付溝83の切欠部84の内側とOリング17との間に先端が滑らかな物を差し込み容易に取り外すことができて、保守点検時の該Oリング17の取り換え作業性の向上を図ることができると共に、Oリング17の表面の損傷を防止することができる。また、Oリング17の軸方向断面の最大径の部分がOリング取付溝83のリブ部82の先端の内側面によって把持されるようになると共に、洗浄ブラシの毛先がOリング17とOリング取付溝83との奥側接触部に直接入らないため、弁本体81の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリング17のハズレを確実に防止することができる。
【0040】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1に係る注出コックは、以上説明した通り請求項1に係る注出コックは、飲料供給装置の注出側端部に接続され、飲料パイプに接続される弁継手と、前記弁継手に着脱可能に連結される弁本体と、弁本体において前記弁継手に接続される端面部の流路側周縁部から流軸方向内側に同心円状に形成される段差部と、前記段差部の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側に延出されるリブ部とから形成される溝と、前記溝部に装着されるOリングと、弁継手の流出側端面に設けられて段差部に嵌入する突出部と、を備えている。そして溝部は、段差部から前記リブ部先端までの高さ寸法が、前記Oリングの線径半径よりも僅かに小さく形成され、溝部の流軸に対して垂直な方向の幅寸法は、Oリングの線径よりも僅かに小さい。そして、弁本体と弁継手とが連結される際には、突出部とリブ部との間に隙間が形成されると共に該隙間は突出部と溝部との間に挟まれて変形するOリングのつぶれ代となって塞がれる。
従って、Oリングを溝部の底面に当接するまで挿入した場合には、リブ部の先端部の半径方向外側周縁部は、Oリングの軸方向断面の最大径の部分よりも僅かに流軸方向内側の外周面に当接する。よって、Oリングを溝部に装着した場合には、Oリングの軸方向断面のほぼ最大径に近い部分まで溝部に入るため、弁本体の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリングのハズレを防止することができる。また、Oリングを溝部に装着した場合には、Oリングの軸方向断面の最大径の部分は、リブ部先端から僅かに外側に位置するようになるため、該溝部のリブ部の内側とOリングとの間に先端が滑らかな物を差し込み容易に取り外すことができて、保守点検時の該Oリングの取り換え作業性の向上を図ることができると共に、Oリングの表面の損傷を防止することができる。また、Oリングの軸方向断面の最大径に近い部分がリブ部の先端の内側面によって把持されるようになると共に、洗浄ブラシの毛先がOリングと溝部との奥側接触部に入らないため、弁本体の分解洗浄中における洗浄ブラシ等によるOリングのハズレをより確実に防止することができる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る注出コックが取り付けられる飲料供給装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】第1実施形態に係る注出コックの概略構成を示す縦断面図である。
【図3】第1実施形態に係る注出コックの弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図4】第1実施形態に係る注出コックの弁本体を弁継手に締付ナットにより連結した場合のOリングの装着状態の一例を示す要部拡大縦断面図である。
【図5】第2実施形態に係る注出コックにおける弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す図で、(A)は要部拡大縦断面図、(B)は流軸側から切欠部を見た場合の要部拡大図である。
【図6】第3実施形態に係る注出コックの弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す図で、(A)は要部拡大縦断面図、(B)は流軸側から切欠部を見た場合の要部拡大図である。
【図7】第4実施形態に係る注出コックの弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す図で、(A)は要部拡大縦断面図、(B)は流軸側から切欠部を見た場合の要部拡大図である。
【図8】第5実施形態に係る注出コックの弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す図で、(A)は要部拡大縦断面図、(B)は流軸側から切欠部を見た場合の要部拡大図である。
【図9】従来の注出コックの一例を示す要部縦断面図である。
【図10】従来の注出コックの一例の弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図11】従来の注出コックの他の例の弁本体にOリングが取り付けられた状態を示す要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 飲料供給装置
10、100 注出コック
15、101 弁継手
16、102 締付ナット
17、103 Oリング
18、51、61、71、81 弁本体
41、131、136 段差部
42、52、62、72、82 リブ部
43、53、63、73、83 Oリング取付溝
54、64、74、84 切欠部
104、135 弁本体
137 リブ部
138 Oリング取付溝

Claims (1)

  1. 飲料供給装置の注出側端部に接続される注出コックにおいて、
    前記注出コックは、飲料パイプに接続される弁継手と、
    前記弁継手に着脱可能に連結される弁本体と、
    前記弁本体において前記弁継手に接続される端面部の流路側周縁部から流軸方向内側に同心円状に形成される段差部と、前記段差部の半径方向内側の周縁部から流軸方向外側に延出されるリブ部とから形成される溝部と、
    前記溝部に装着されるOリングと、
    前記弁継手の流出側端面に設けられて前記段差部に嵌入する突出部と、を備え、
    前記溝部は、前記段差部から前記リブ部先端までの高さ寸法が、前記Oリングの線径半径よりも僅かに小さく形成され
    前記溝部の前記流軸に対して垂直な方向の幅寸法は、前記Oリングの線径よりも僅かに小さく、
    前記弁本体と前記弁継手とが連結される際には、前記突出部と前記リブ部との間に隙間が形成されると共に該隙間は突出部と前記溝部との間に挟まれて変形する前記Oリングのつぶれ代となって塞がれることを特徴とする注出コック。
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