JP4544684B2 - 高精度成形型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品を高い寸法精度で成形できる型に関し、特に、光コネクタ用のプラスチックフェルールの成形に好適に使用可能な高精度成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光コネクタの分野において、量産化及び価格低減を促進する観点で、樹脂材料から一体的に成形されてなるプラスチックフェルールが開発されている。従来のプラスチックフェルールは、先端面に光ファイバ素線露出口を有する円筒状の心出し部と、心出し部の基端で径方向外方へ突設されるフランジ部とを備えて構成される。心出し部にはその中心軸線に沿って、光ファイバ素線露出口に開口し、被覆を除去した光ファイバ素線を収容する素線保持孔と、素線保持孔よりも大径で、被覆付きの光ファイバ心線を収容する心線保持孔とが、軸線方向へ互いに連通して形成される。またフランジ部は、光コネクタ内でばねによる軸線方向前方への付勢力を受ける部分として、心出し部に一体的に設けられる。
【0003】
光コネクタは通常、割りスリーブと称する円筒状の位置合せ部材を備え、それぞれに光ファイバを取付けた一対のフェルールの心出し部を1つの割りスリーブ内で軸線方向へ整列させて各々の先端面同士を突き合わせることにより、一対の光ファイバを同心に接続できるように構成される。このとき割りスリーブは、各フェルールの心出し部により押し拡げられて弾性復原力を発揮し、その圧力下で両フェルールを所定位置に心出し支持する。したがって、フェルールの心出し部の円筒状外周面は、素線保持孔に収容された光ファイバ素線の心出し基準面となる。
【0004】
この種のプラスチックフェルールは、成形性に優れた樹脂材料から射出成形工程やトランスファ成形工程を経て一体成形されるが、従来、成形品の寸法精度や機械的強度を実用上問題の無い水準まで如何にして向上させるかが課題となっている。特に、光コネクタによる接続作業中に、割りスリーブ内で突き合わされる一対のフェルール心出し部の素線保持孔の相対的偏心を可及的に低減するために、フェルールの特に心出し部の寸法精度(外径寸法公差、円筒度、真円度、外周面に対する素線保持孔の偏心量等)を向上させる必要がある。例えばシングルモード光ファイバの接続に使用される光コネクタでは、フェルールの心出し部に1μm オーダの極めて高い各種寸法精度が要求される。
【0005】
プラスチックフェルールを成形するための従来の金型は、図12に示すように、筒状の第1成形面1及び第1成形面1に直交する平坦な第2成形面2を有する下型3と、筒状の第3成形面4を有する上型5と、第3成形面4の中心軸線4a上に配置されて上型5に固定的に支持される段付円柱状のコアピン6とを備えて構成される。下型3と上型5とは、第1及び第2成形面1、2と第3成形面4とが互いに協働してプラスチックフェルールの外形を画定するように、互いに位置決めして組み合わされ、それにより両型3、5の間にキャビティ7が形成される。キャビティ7では、下型3の第1及び第2成形面1、2がプラスチックフェルールの心出し部及びフランジ部の外形を画定し、上型5の第3成形面4が同プラスチックフェルールのフランジ後方部分の外形を画定する。
【0006】
コアピン6は、キャビティ7内の所定位置に中子として配置され、それによりプラスチックフェルールの素線保持孔及び心線保持孔を成形する。ここで、図13に拡大して示すように、下型3の第2成形面2にはその中心に、コアピン6の極細径の先端部分8を受容支持する支持溝9が形成される。したがってコアピン6は、その先端部分8が第2成形面2の支持溝9に支持されることにより、キャビティ7に注入される溶融樹脂材料の流動圧力に抗して所定位置、すなわち第1及び第3成形面1、4の中心軸線1a、4a上に保持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプラスチックフェルール成形用の金型では、上記したように下型の第2成形面にコアピン先端部分を位置決め保持するための支持溝が設けられているので、成形されたプラスチックフェルールの心出し部における素線保持孔の偏心量は、キャビティ内でのコアピンすなわち支持溝の、第1成形面の中心軸線に対する位置精度の影響を受けることになる。例えばプラスチックフェルールに、素線保持孔の偏心量を1μm 以下とする極めて高い寸法精度が要求される場合、支持溝をそのような高い位置精度で下型の第2成形面に形成することは一般に困難とされている。しかも下型は通常、第2成形面に支持溝を形成するために、図示のように第2成形面を有する型部分が第1成形面を有する型部分とは別体になっており、結果としてこれら型部分の組付精度も素線保持孔の偏心量に影響を及ぼすことになる。
【0008】
他方、下型の第2成形面に設けられる支持溝の円筒状内周面と、支持溝に受容されるコアピン先端部分の円筒状外周面との間には、コアピン先端部分の挿入を容易にするために、通常は図13に示すようにμm オーダの微小隙間が形成される。したがって、プラスチックフェルールの成形工程において、上記のように素線保持孔の偏心量を1μm 以下とする極めて高い寸法精度を達成しようとする際に、支持溝内でのμm オーダの微小隙間に起因して溶融樹脂材料の流動圧力下でコアピン先端部分が僅かに変位した場合には、素線保持孔の偏心量に影響が及ぼされる危惧がある。
【0009】
本発明の目的は、第1成形面を有する第1型と、第1型に組付けられ、第1成形面と協働する第2成形面を有する第2型とを備えた成形型において、第1型及び第2型の加工精度及び組付精度に依存せずに、第1成形面と第2成形面とを予め定めた位置関係に可及的高精度で位置決めできる高精度成形型を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、筒状の第1成形面及び第1成形面に直交する平坦な第2成形面を有する型と、第1成形面の中心軸線上に配置されて第2成形面に支持されるコアピンとを備えた成形型において、第2成形面上でのコアピン先端部分の変位を可及的に抑制することができる高精度成形型を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1成形面を有する第1型と、第1型に二次元的相対移動可能に組付けられ、第1成形面と協働する第2成形面を有する第2型と、第1型と該第2型とを相対移動させて第1成形面と第2成形面との相対位置を調整する調整機構とを具備する高精度成形型であって、調整機構は、第1型に関連して個別に位置調節可能に設置される複数の当接部材と、第2型に設けられ、複数の当接部材がそれぞれに当接される複数の受け面とを具備し、第1型に対する複数の当接部材の位置を個別に調節することにより、第2型の複数の受け面を所望方向へ平行移動させて、第2成形面を第1成形面に対し予め定めた位置関係に位置決めするように構成されること、を特徴とする高精度成形型を提供する。
【0012】
この構成においては、各当接部材の位置を微調節することにより、第2型の複数の受け面を第1型に対して二次元的所望方向へ僅かに平行移動させることができる。この操作を繰り返すことにより、最終的に、第2成形面を第1成形面に対し予め定めた位置関係に正確に位置決めすることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高精度成形型において、第2型が、第2成形面を含む主面と、主面に交差する方向へ延びる複数の側面とを有し、複数の受け面が複数の側面に規則的に分配して設けられる高精度成形型を提供する。
この構成によれば、複数の当接部材を一様に操作しながら、第2型を側方移動させることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の高精度成形型において、複数の当接部材の各々が、受け面に当接される軸線方向先端面を有する実質的円筒体からなり、それ自体の軸線方向へ移動可能に第1型に設置される高精度成形型を提供する。
この構成によれば、当接部材の移動方向と同一方向に第2型を移動させることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の高精度成形型において、第1型に複数の雌ねじが貫通形成され、複数の当接部材の各々が、複数の雌ねじの各々に螺合可能な雄ねじを有して雌ねじに受容される高精度成形型を提供する。
この構成によれば、当接部材を容易に微調節することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の高精度成形型において、第1型に複数の取付穴が貫通形成され、複数の当接部材の各々が、複数の取付穴の各々に取付けられるマイクロメータのスピンドルヘッドからなる高精度成形型を提供する。
この構成によれば、当接部材の微少な移動操作を一層容易に実施できる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の高精度成形型において、複数の当接部材の各々が、受け面に当接される平坦な端面を有して、端面に交差する方向へ移動可能に第1型に設置される多面体からなり、複数の当接部材を第1型に対して個別に移動させる複数の駆動部材がさらに具備される高精度成形型を提供する。
この構成によれば、当接部材によって第2型を比較的強固に固定的に保持できる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の高精度成形型において、第1型に複数の穴が貫通形成され、複数の駆動部材の各々が、複数の穴の各々に支持されて複数の当接部材の各々に螺着されるボルトからなる高精度成形型を提供する。
この構成によれば、駆動部材の操作により当接部材を容易に微調節することができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の高精度成形型において、第1型に複数の雌ねじが貫通形成され、複数の駆動部材の各々が、複数の雌ねじの各々に螺合可能な雄ねじを有して雌ねじに受容される高精度成形型を提供する。
この構成によれば、駆動部材の操作により当接部材を容易に微調節することができる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の高精度成形型において、第1型に複数の取付穴が貫通形成され、複数の駆動部材の各々が、複数の取付穴の各々に取付けられるマイクロメータのスピンドルヘッドからなる高精度成形型を提供する。
この構成によれば、当接部材の微少な移動操作を一層容易に実施できる。
【0021】
請求項10に記載の発明は、筒状の第1成形面及び第1成形面に直交する平坦な第2成形面と、第1成形面の中心軸線上に配置されて先端で第2成形面上に支持されるコアピンとを具備する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の高精度成形型において、コアピンは円錐状に縮径する先端を有し、第2成形面に、コアピンの先端を受容する円錐状の溝が形成されること、を特徴とする高精度成形型を提供する。
【0022】
この構成においては、コアピンの先端の円錐状外周面が第2成形面の溝の円錐状内周面に密接し、それによりコアピンが、第1成形面の中心軸線上に安定的に保持される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態による高精度成形型10を示す。高精度成形型10は、例えば図12に示すようなプラスチックフェルール成形用の下型として、好適に使用できるものである。
【0024】
高精度成形型10は、第1成形面12を有する第1型14と、第1型14に二次元的相対移動可能に組付けられ、第1成形面12と協働する第2成形面16を有する第2型18と、第1型14と第2型18とを相対移動させる調整機構20とを具備して構成される。第1型14は、平坦かつ互いに平行な矩形の上面22a及び下面22bを有する主部分22と、主部分22の下面22bの四辺に沿って下方へ延設され、下面22bに直交するいずれも平坦な4つの内面24aを有する周壁部分24とを一体に備える。第1成形面12は、主部分22の上下面22a、22bの中央で、上下面22a、22bに直交する中心軸線12aを有する円筒状の貫通穴を形成して、上下面22a、22bに開口する。第1型14の主部分22の下面22bと周壁部分24の4つの内面24aとの間には、平面視矩形の空所26が形成される。
【0025】
第2型18は、平坦かつ互いに平行な矩形の上面18a及び下面18bと、それら上下面18a、18bに直交するいずれも平坦な4つの側面18cとを備える直方体の部材であり、その上面18aを第1型14の下面22bに密接させて第1型14の空所26内に収容される。第2成形面16は、第2型18の上面すなわち主面18aの中央で、主面18aに略直交する中心軸線16aを有する円錐台状の窪みを形成し、第1型14の第1成形面12の直径に等しい直径で主面18aに開口する。第1成形面12と第2成形面16とは、互いに協働してキャビティ28を形成し、例えばプラスチックフェルールの円筒状の心出し部の外形を画定する。
【0026】
第2型18の上面18aは、第1型14の下面22bよりも小さな相似形であり、したがって第2成形面16の中心軸線16aを第1成形面12の中心軸線12aに同心配置したときに、第2型18の4つの側面18cとそれらに対向する第1型14の周壁部分24の4つの内面24aとの間に隙間30が形成される。その結果、第2型18は、第1型14の空所26内で、第2型18の上面18aと第1型14の下面22bとを密接摺動させつつ、相互対向するいずれかの側面18cと内面24aとが接触するまでの範囲で二次元的全方位に移動できるようになっている。
【0027】
第2型18の第2成形面16の中心には、中心軸線16aに沿って延びる極小径の円筒状の溝32が形成される。この溝32は、例えばプラスチックフェルールを成形する際に、キャビティ28内に配置されるコアピン6の先端部分8(図13)を受容支持するために使用できる。ところで、このようなプラスチックフェルール成形工程への適用においては、第2成形面16の溝32を第1成形面12の中心軸線12aに対し、1μm 以下の偏心量となるような極めて高い精度で位置決めすることが要求される場合がある。このような高精度の位置決めを達成するために、高精度成形型10は、第1型14の空所26内で第2型18を二次元的に移動させて、第1成形面12と第2成形面16との相対位置を高精度に調整する調整機構20を装備している。
【0028】
調整機構20は、第1型14に関連して個別に位置調節可能に設置される複数の当接部材34と、第2型18に設けられ、それら当接部材34がそれぞれに当接される複数の受け面18cとを備える。この実施形態では、第2型18の4つの側面18c(正確には各側面18cの中央領域)が、それぞれに受け面18cを構成する。各当接部材34は、対応の受け面18cに当接される軸線方向先端面34aを有する円筒体からなり、それ自体の軸線方向へ移動可能に第1型14に設置される。
【0029】
第1型14の周壁部分24には、その4つの内面24aのそれぞれの略中心に開口する4つの雌ねじ36が貫通形成される。それら雌ねじ36は、第1成形面12の中心軸線12aに直交する軸線を有して、中心軸線12aの周りに放射状に等間隔配置される。この実施形態では、各当接部材34は、各雌ねじ36に螺合可能な雄ねじを外周全体に有して雌ねじ36に受容される止めねじ34からなる。したがって各当接部材34は、それ自体が各雌ねじ36内で回動させられることにより、当接部材34及び雌ねじ36の軸線方向、すなわち第1成形面12の中心軸線12aに接近/離反する方向へ直線的に移動する。
【0030】
第2型18は、その4つの側面すなわち受け面18cに対応の当接部材34の先端面34aが好ましくは圧力下で当接されることにより、第1型14の空所26内で任意の位置に固定的に保持される。この状態で、第2成形面16の溝32が第1成形面12の中心軸線12aから偏心している場合には、各当接部材34を雌ねじ36内で所要方向へ僅かに回動して、第1型14の下面22bと第2型18の上面18aとを相互密接状態に維持しつつ、第1型14に対するそれら当接部材34の先端面34aの位置を個別に(例えば順次に)微調節する。それにより、第2型18の各受け面18cが、当接部材34の先端面34aを当接したままの状態で所望方向へ平行移動し、最終的に、第2成形面16が第1成形面12に対し予め定めた位置関係、すなわち第2成形面16の溝32と第1成形面12の中心軸線12aとの相対偏心量を可及的に低減した位置関係に位置決めされる。なお、第1成形面12の中心軸線12aに対する第2成形面16の溝32の偏心量は、例えばCCDカメラや他の周知の光学的手段によって測定することができる。
【0031】
このように、高精度成形型10によれば、個別に位置調整可能な複数の当接部材34を用いて、第2型18を第1型14の空所26内で所望方向へ平行移動できる構成としたから、第1型14及び第2型18の加工精度及び組付精度に依存せずに、第1成形面12と第2成形面16とを予め定めた位置関係に可及的高精度で位置決めすることができる。例えば、第2型18の第2成形面16に形成される溝32が、第2型18の加工精度に起因して第2成形面16の中心軸線16aから幾分ずれて形成されていた場合にも、所要の当接部材34を所要量だけ操作することにより、第2成形面16の溝32と第1成形面12の中心軸線12aとの相対偏心量を可及的に低減することができる。したがって、高精度成形型10を用いてプラスチックフェルールを成形すれば、コアピン先端部分8(図13)を第1成形面12の中心軸線12a上に高精度に位置決め保持できるので、プラスチックフェルールの心出し部は、その外周面に対する素線保持孔の偏心量が1μm 以下となるような、極めて高い寸法精度で成形されることになる。
【0032】
図3及び図4は、本発明の第2の実施形態による高精度成形型40を示す。高精度成形型40は、調整機構42の当接部材44の構成以外は、上記した高精度成形型10と実質的同一の構成を有するので、対応する各構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。
【0033】
調整機構42は、第1型14に関連して個別に位置調節可能に設置される複数の当接部材44と、第2型18に設けられ、それら当接部材44がそれぞれに当接される複数の受け面18cとを備える。各当接部材44は、対応の受け面18cに当接される軸線方向先端面44aを有する円筒体であって、この実施形態では、第1型14の周壁部分24に貫通形成された各雌ねじ36すなわち取付穴36に取付けられるマイクロメータ46のスピンドルヘッド44からなる。各マイクロメータ46を操作すると、そのスピンドルヘッド44すなわち当接部材44は、対応の取付穴36内で当接部材44及び取付穴36の軸線方向、すなわち第1成形面12の中心軸線12aに接近/離反する方向へ直線的に移動する。
【0034】
高精度成形型40では、4つのマイクロメータ46のスピンドルヘッド44すなわち当接部材44を第2型18の対応の受け面18cに当接することにより、第2型18が第1型14の空所26内で任意の位置に固定的に保持される。この状態で、第2成形面16の溝32が第1成形面12の中心軸線12aから偏心している場合には、4つのマイクロメータ46を個別(例えば順次に)に操作して、第1型14の下面22bと第2型18の上面18aとを相互密接状態に維持しつつ、第1型14に対するそれぞれの当接部材44の先端面44aの位置を微調節する。それにより、第2型18の各受け面18cが、当接部材44の先端面44aを当接したままの状態で所望方向へ平行移動し、最終的に、第2成形面16が第1成形面12に対し予め定めた位置関係、すなわち第2成形面16の溝32と第1成形面12の中心軸線12aとの相対偏心量を可及的に低減した位置関係に位置決めされる。
【0035】
上記構成を有する高精度成形型40によっても、前述した高精度成形型10と同等の作用効果が奏されることは理解されよう。とくにこの実施形態では、マイクロメータ46のスピンドルヘッド44を当接部材44として採用したので、当接部材44の微少な移動操作が容易になる利点がある。なお、マイクロメータ46は、上記した雌ねじ36の代わりに第1型14に形成した単純な貫通穴に、例えば接着等の他の手段で取付けることもできる。また、上記各実施形態では、当接部材34、44の先端面34a、44aを、それ自体の軸線に直交する平坦面として図示したが、これに限定されず、例えば球状、エッジ状等の他の様々な形状の先端面を有する当接部材を採用することができる。
【0036】
図5及び図6は、本発明の第3の実施形態による高精度成形型50を示す。高精度成形型50は、第1成形面52を有する第1型54と、第1型54に二次元的相対移動可能に組付けられ、第1成形面52と協働する第2成形面56を有する第2型58と、第1型54と第2型58とを相対移動させる調整機構60とを具備して構成される。第1成形面52及び第1型54は、前述した高精度成形型10、40における第1成形面12及び第1型14と実質的に同一の構成を有する。ただしこの実施形態では、複数の雌ねじ36が排除されて、その代わりに第1型54の主部分62に、第1成形面52の周囲に一様に分散して第1成形面52に平行に延びる4つの座付貫通穴64が形成される。
【0037】
第2型58は、平坦な矩形の上面58aと、上面58aに平行でかつ上面58aよりも小さい平坦な矩形の下面58bと、それら上下面58a、58bに斜めに交差するいずれも平坦な4つの側面58cとを備える角錐台形の部材であり、その上面58aを第1型54の主部分62の下面62bに密接させて第1型54の空所66内に収容される。第2成形面56は、前述した高精度成形型10、40における第2成形面16と実質的に同一の構成を有し、第1成形面52と協働して、例えばプラスチックフェルールの円筒状の心出し部の外形を画定するキャビティ68を形成する。第2成形面56の中心には、例えばプラスチックフェルールの成形時にコアピン先端部分8(図13)を受容支持するために使用できる極小径の円筒状の溝70が、中心軸線56aに沿って形成される。
【0038】
第2型58の上面58aは、第1型54の下面62bよりも小さな相似形であり、したがって第2成形面56の中心軸線56aを第1成形面52の中心軸線52aに同心配置したときに、第2型58の4つの側面58cとそれらに対向する第1型54の周壁部分72の4つの内面72aとの間に、比較的大きな隙間74が形成される。ここで、第1型54の主部分62に形成した4つの貫通穴64は、いずれもこの隙間74に連通する位置にある。また本実施形態では、各貫通穴64に関連してこの隙間74に、調整機構60の当接部材76が収容される。
【0039】
調整機構60は、第1型54に関連して個別に位置調節可能に設置される4つの当接部材76と、第2型58に設けられ、それら当接部材76がそれぞれに当接される複数の受け面58cとを備える。この実施形態では、第2型58の4つの側面58c(正確には各側面58cの大部分)が、それぞれに受け面58cを構成する。各当接部材76は、対応の受け面58cに当接される平坦な端面76aを有する多面体からなり、端面76aに交差する方向へ移動可能に第1型54に設置される。調整機構60にはさらに、それら当接部材76を第1型54に対して個別に移動させる4つの駆動部材78が装備される。
【0040】
各当接部材76は、第2型58の対応の受け面58cに面接触する平坦な端面76aと、端面76aの反対側で端面76aに鋭角に交差する方向へ延び、第1型54の対応の内面72aに面接触する平坦な背面76bと、端面76aに鈍角に交差するとともに背面76bに直交する平坦な上面76cとを有する。各当接部材76の上面76cには、その中心に、背面76bに平行に延びる雌ねじ80が形成される。各当接部材76は、その上面76cの雌ねじ80を、第1型54の対応の貫通穴64に同心状に位置合わせした状態で、隙間74に収容される。
【0041】
各当接部材76を第1型54に対して移動させる対応の駆動部材78は、第1型54の各貫通穴64に挿入支持されるボルト78からなる。各ボルト78はその頭部で、貫通穴64の座部に支持され、その先端の雄ねじ部78aが第1型54の空所66内に突出して、対応の当接部材76の上面76cに形成した雌ねじ80に螺着される。したがって各当接部材76は、第1型54の各内面72aと第2型58の各受け面58cとの間に密接挟持された状態で、対応の駆動部材すなわちボルト78を第1型54の貫通穴64内で回動することにより、送りねじ構造に従ってボルト78及び雌ねじ80の軸線方向、すなわち第1成形面52の中心軸線52aに平行な方向へ直線的に移動する。
【0042】
第2型58は、その4つの側面すなわち受け面58cに対応の当接部材76の端面76aが好ましくは圧力下で当接されることにより、第1型54の空所66内で任意の位置に固定的に保持される。この状態で、第2成形面56の溝70が第1成形面52の中心軸線52aから偏心している場合には、各駆動部材78を貫通穴64内で所要方向へ僅かに回動して、第1型54の下面62bと第2型58の上面58aとを相互密接状態に維持しつつ、第1型54に対する各当接部材76の端面76aの位置を個別に(例えば順次に)微調節する。それにより、第2型58の各受け面58cが、当接部材76の端面76aを当接したままの状態で所望方向へ平行移動し、最終的に、第2成形面56が第1成形面52に対し予め定めた位置関係、すなわち第2成形面56の溝70と第1成形面52の中心軸線52aとの相対偏心量を可及的に低減した位置関係に位置決めされる。
【0043】
上記構成を有する高精度成形型50によっても、前述した高精度成形型10と同等の作用効果が奏されることは理解されよう。とくにこの実施形態では、複数の当接部材76が、それぞれの端面76aの大部分で第2型58の対応の受け面58cに面接触するとともに、第1型54の内面72aと第2型58の受け面58cとの間に楔状に密接挟持されるので、第2型58を第1型54の空所66内の所望位置に強固に固定的に保持できる利点がある。
【0044】
図7及び図8は、本発明の第4の実施形態による高精度成形型90を示す。高精度成形型90は、第1成形面92を有する第1型94と、第1型94に二次元的相対移動可能に組付けられ、第1成形面92と協働する第2成形面96を有する第2型98と、第1型94と第2型98とを相対移動させる調整機構100とを具備して構成される。第1成形面92及び第1型94は、前述した高精度成形型10、40における第1成形面12及び第1型14と実質的に同一の構成を有する。同様に第2成形面96及び第2型98は、高精度成形型10、40における第2成形面16及び第2型18と実質的に同一の構成を有する。したがって第2型98は、その上面98aを第1型94の主部分102の下面102bに密接させて第1型94の空所104内に収容される。また第2成形面96は、第1成形面92と協働して、例えばプラスチックフェルールの円筒状の心出し部の外形を画定するキャビティ106を形成する。第2成形面96の中心には、例えばプラスチックフェルールの成形時にコアピン先端部分8(図13)を受容支持するために使用できる極小径の円筒状の溝108が、中心軸線96aに沿って形成される。
【0045】
この実施形態では、第1型94の周壁部分110の中心から横方向へ偏った位置に、周壁部分110の隣接する内面110a同士の交線に近接して開口する4つの雌ねじ112が貫通形成される。それら雌ねじ112は、第1成形面92の中心軸線92aに直交する仮想平面に沿って、中心軸線92aの周りに等間隔配置される。また、第1型94の周壁部分110の4つの内面110aとそれらに対向する第2型98の4つの側面98cとの間には、前述した高精度成形型10、40に比べて十分に大きな隙間114が形成される。第1型94の周壁部分110に形成した4つの雌ねじ112は、いずれもこの隙間114に連通する位置にある。また本実施形態では、各雌ねじ112に関連してこの隙間114に、調整機構100の当接部材116が収容される。
【0046】
調整機構100は、第1型94に関連して個別に位置調節可能に設置される4つの当接部材116と、第2型98に設けられ、それら当接部材116がそれぞれに当接される複数の受け面98cとを備える。この実施形態では、第2型98の4つの側面98c(正確には各側面98cの大部分)が、それぞれに受け面98cを構成する。各当接部材116は、対応の受け面98cに当接される平坦な端面116aを有する多面体からなり、端面116aに交差する方向へ移動可能に第1型94に設置される。調整機構100にはさらに、それら当接部材116を第1型94に対して個別に移動させる4つの駆動部材118が装備される。
【0047】
各当接部材116は、第2型98の対応の受け面98cに面接触する平坦な端面116aと、端面116aの反対側で端面116aに鋭角に交差する方向へ延び、第1型94の対応の内面110aに面接触する平坦な背面116bと、端面116aに鋭角に交差するとともに背面116bに直交する平坦な側面116cとを有する。各当接部材116は、その側面116cを、第1型94の対応の雌ねじ112に対向させた状態で、隙間114に収容される。
【0048】
各当接部材116を第1型94に対して移動させる対応の駆動部材118は、第1型94の各雌ねじ112に螺合可能な雄ねじを外周全体に有して雌ねじ112に受容される止めねじ118からなる。各止めねじ118はその先端面118aが、第1型94の空所104内に突出して、対応の当接部材116の側面116cに当接される。したがって各当接部材116は、第1型94の各内面110aと第2型98の各受け面98cとの間に密接挟持された状態で、対応の駆動部材すなわち止めねじ118を第1型94の雌ねじ112内で回動することにより、止めねじ118の軸線方向、すなわち第1成形面92の中心軸線92aに直交する仮想平面に沿って直線的に移動する。
【0049】
第2型98は、その4つの側面すなわち受け面98cに対応の当接部材116の端面116aが好ましくは圧力下で当接されることにより、第1型94の空所104内で任意の位置に固定的に保持される。この状態で、第2成形面96の溝108が第1成形面92の中心軸線92aから偏心している場合には、各駆動部材118を雌ねじ112内で所要方向へ僅かに回動して、第1型94の下面102bと第2型98の上面98aとを相互密接状態に維持しつつ、第1型94に対する各当接部材116の端面116aの位置を個別に(例えば順次に)微調節する。それにより、第2型98の各受け面98cが、当接部材116の端面116aを当接したままの状態で所望方向へ平行移動し、最終的に、第2成形面96が第1成形面92に対し予め定めた位置関係、すなわち第2成形面96の溝108と第1成形面92の中心軸線92aとの相対偏心量を可及的に低減した位置関係に位置決めされる。
【0050】
上記構成を有する高精度成形型90によっても、前述した高精度成形型10と同等の作用効果が奏されることは理解されよう。とくにこの実施形態では、複数の当接部材116が、それぞれの端面116aの大部分で第2型98の対応の受け面98cに面接触するとともに、第1型94の内面110aと第2型98の受け面98cとの間に楔状に密接挟持されるので、第2型98を第1型94の空所104内の所望位置に強固に固定的に保持できる利点がある。
【0051】
図9及び図10は、本発明の第5の実施形態による高精度成形型120を示す。高精度成形型120は、調整機構122の駆動部材124の構成以外は、上記した第4の実施形態による高精度成形型90と実質的同一の構成を有するので、対応する各構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。
【0052】
調整機構122は、第1型94に関連して個別に位置調節可能に設置される4つの当接部材116と、第2型98に設けられ、それら当接部材116がそれぞれに当接される4つの受け面98cと、それら当接部材116を第1型94に対して個別に移動させる4つの駆動部材124とを備える。各駆動部材124は、第1型94の周壁部分110に貫通形成された各雌ねじ112すなわち取付穴112に取付けられるマイクロメータ126のスピンドルヘッド124からなる。各スピンドルヘッド124はその先端面124aが、第1型94の空所104内に突出して、対応の当接部材116の側面116cに当接される。したがって各当接部材116は、第1型94の各内面110aと第2型98の各受け面98cとの間に密接挟持された状態で、対応のマイクロメータ126を操作してそのスピンドルヘッド124を第1型94の取付穴112内で軸線方向へ移動させることにより、スピンドルヘッド124の軸線方向、すなわち第1成形面92の中心軸線92aに直交する仮想平面に沿って直線的に移動する。
【0053】
高精度成形型120では、4つのマイクロメータ126を操作して対応の当接部材116を第2型98の対応の受け面98cに当接することにより、第2型98が第1型94の空所104内で任意の位置に固定的に保持される。この状態で、第2成形面96の溝108が第1成形面92の中心軸線92aから偏心している場合には、4つのマイクロメータ126を個別(例えば順次に)に操作して、第1型94の下面102bと第2型98の上面98aとを相互密接状態に維持しつつ、第1型94に対するそれぞれの当接部材116の端面116aの位置を微調節する。それにより、第2型98の各受け面98cが、当接部材116の端面116aを当接したままの状態で所望方向へ平行移動し、最終的に、第2成形面96が第1成形面92に対し予め定めた位置関係、すなわち第2成形面96の溝108と第1成形面92の中心軸線92aとの相対偏心量を可及的に低減した位置関係に位置決めされる。
【0054】
上記構成を有する高精度成形型120によっても、前述した高精度成形型90と同等の作用効果が奏されることは理解されよう。とくにこの実施形態では、マイクロメータ126のスピンドルヘッド124を駆動部材124として採用したので、当接部材116の微少な移動操作が容易になる利点がある。なお、マイクロメータ126は、上記した雌ねじ112の代わりに第1型94に形成した単純な貫通穴に、例えば接着等の他の手段で取付けることもできる。また、上記した第4及び第5の実施形態では、駆動部材118、124の先端面118a、124aを、それ自体の軸線に直交する平坦面として図示したが、これに限定されず、例えば球状、エッジ状等の他の様々な形状の先端面を有する駆動部材を採用することができる。
【0055】
本発明に係る高精度成形型は、上記した各実施形態の構成に限定されず、様々な変形を施すことができる。例えば、第2型を第1型の空所内で二次元的全方位に移動できることを前提条件として、当接部材の個数及び配置や、第2型の受け面の形状、個数及び配置を、上記実施形態以外の様々な形態に変更することもできる。ただし、上記各実施形態のように、第2型の複数の受け面が複数の側面に規則的に分配して設けられ、それぞれの受け面の略中心にいずれも同一構造の当接部材を当接させる構成とすることが、第2型を所要量移動させるための複数の当接部材の操作を均一化できる点で有利である。また、第1型の第1成形面及び第2型の第2成形面は、上記各実施形態の形状に限定されず、互いに協働してキャビティを形成することを前提として、様々な形状とすることができる。
【0056】
また、上記した各実施形態において、例えばプラスチックフェルールを成形するためにコアピン先端部分を第2型18、58、98の第2成形面16、56、96に設けた溝32、70、108に挿入する場合には、溝32、70、108の円筒状内周面とコアピン先端部分の円筒状外周面との間に挿入作業を容易にするためのμm オーダの微小隙間が形成されるようになっている。このような構成では、プラスチックフェルールの成形工程において、溝32、70、108内でのμm オーダの微小隙間に起因して溶融樹脂材料の流動圧力下でコアピン先端部分が僅かに変位することが危惧される。図11は、このような危惧を排除できる本発明の第6の実施形態による高精度成形型130を示す。
【0057】
高精度成形型130は、筒状の第1成形面132及び第1成形面132に直交する平坦な第2成形面134を有する型136と、第1成形面132の中心軸線132a上に配置されて先端で第2成形面134上に支持される段付円柱状のコアピン138とを備えて構成される。高精度成形型130の型136は、例えば図12に示すようなプラスチックフェルール成形用の下型として、好適に使用できる。この場合、型136に組合せて上型140が使用され、両型136、140の間にプラスチックフェルールの外形を画定するキャビティ142が形成される。なお、図示のように型136は、第1成形面132を有する第1型136aと、第2成形面134を有する第2型136bとを組合せて構成できる。
【0058】
コアピン138は、キャビティ142内の所定位置に中子として配置され、それによりプラスチックフェルールの素線保持孔及び心線保持孔を成形する。コアピン138は、太径の軸線方向後方部分138aで、上型140に設けた座付貫通穴144に摺動可能に支持されるとともに、後端の輪縁部分142で、貫通穴144の座部144aに係合可能に配置される。コアピン138の輪縁部分142と上型140との間には、コアピン138をそれ自体の軸線方向前方へ付勢する付勢手段として、圧縮ばね146が設置される。また、コアピン138の極細径の軸線方向先端部分138bには、円錐状に縮径する先端148が設けられる。他方、型136の第2成形面134にはその中心に、コアピン138の先端148を受容支持する円錐状の溝150が形成される。
【0059】
型136、コアピン138及び上型140を正確に組合せると、コアピン138はその先端148が型136の第2成形面134の溝150に受容されるとともに、後端の輪縁部分142が圧縮ばね146の付勢に抗して上型140の貫通穴144の座部144aから上方へ離れて配置される。この状態で、圧縮ばね146の付勢力により、コアピン138の先端148が第2成形面134の溝150に圧力下で押し込まれ、先端148の円錐状外周面148aが溝150の円錐状内周面150aに密接する。その結果、コアピン138は、特にその極細径の先端部分138bが、キャビティ142に注入される溶融樹脂材料の流動圧力に抗して所定位置、すなわち第1成形面132の中心軸線132a上に安定的に保持される。
【0060】
このように、高精度成形型130を用いてプラスチックフェルールを成形すれば、コアピン138の先端部分138bを第1成形面132の中心軸線132a上に高精度に位置決め保持できるので、プラスチックフェルールの心出し部は、その外周面に対する素線保持孔の偏心量が1μm 以下となるような、極めて高い寸法精度で成形されることになる。なお、第2成形面134に設けられる円錐状の溝150の構成を、前述した第1〜第5の実施形態による高精度成形型10、40、50、90、120に適用すれば、プラスチックフェルールの成形精度をさらに可及的に向上できることが理解されよう。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る高精度成形型は、第1成形面を有する第1型及び第2成形面を有する第2型の加工精度及び組付精度に依存せずに、第1成形面と第2成形面とを予め定めた位置関係に可及的高精度で位置決めすることができる。また、本発明に係る高精度成形型は、第2成形面上でのコアピン先端部分の変位を可及的に抑制することができる。したがって、本発明に係る高精度成形型を例えばプラスチックフェルールの成形工程に使用すれば、特に心出し部の外周面に対する素線保持孔の偏心量を1μm 以下とするような、極めて高い寸法精度で心出し部を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による高精度成形型の平面図である。
【図2】図1の高精度成形型の線II−IIに沿った断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による高精度成形型の平面図である。
【図4】図3の高精度成形型の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による高精度成形型の平面図である。
【図6】図5の高精度成形型の線VI−VIに沿った断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態による高精度成形型の平面図である。
【図8】図7の高精度成形型の線VIII−VIIIに沿った断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態による高精度成形型の平面図である。
【図10】図9の高精度成形型の線X−Xに沿った断面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態による高精度成形型の部分拡大断面図である。
【図12】従来のプラスチックフェルール成形型の断面図である。
【図13】図12の成形型の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10、40、50、90、120、130…高精度成形型
12、52、92、132…第1成形面
14、54、94、136a…第1型
16、56、96、134…第2成形面
18、58、98、136b…第2型
18c、58c、98c…受け面
20、42、60、100、122…調整機構
26、66、104…空所
32、70、108、150…溝
34、44、76、116…当接部材
46、126…マイクロメータ
78、118、124…駆動部材
138…コアピン
146…圧縮ばね
148…先端

Claims (10)

  1. 第1成形面を有する第1型と、該第1型に二次元的相対移動可能に組付けられ、該第1成形面と協働する第2成形面を有する第2型と、該第1型と該第2型とを相対移動させて該第1成形面と該第2成形面との相対位置を調整する調整機構とを具備する高精度成形型であって、
    前記調整機構は、前記第1型に関連して個別に位置調節可能に設置される複数の当接部材と、前記第2型に設けられ、該複数の当接部材がそれぞれに当接される複数の受け面とを具備し、該第1型に対する該複数の当接部材の位置を個別に調節することにより、該第2型の該複数の受け面を所望方向へ平行移動させて、前記第2成形面を前記第1成形面に対し予め定めた位置関係に位置決めするように構成されること、を特徴とする高精度成形型。
  2. 前記第2型が、前記第2成形面を含む主面と、該主面に交差する方向へ延びる複数の側面とを有し、前記複数の受け面が該複数の側面に規則的に分配して設けられる請求項1に記載の高精度成形型。
  3. 前記複数の当接部材の各々が、前記受け面に当接される軸線方向先端面を有する実質的円筒体からなり、それ自体の軸線方向へ移動可能に前記第1型に設置される請求項1又は2に記載の高精度成形型。
  4. 前記第1型に複数の雌ねじが貫通形成され、前記複数の当接部材の各々が、該複数の雌ねじの各々に螺合可能な雄ねじを有して該雌ねじに受容される請求項3に記載の高精度成形型。
  5. 前記第1型に複数の取付穴が貫通形成され、前記複数の当接部材の各々が、該複数の取付穴の各々に取付けられるマイクロメータのスピンドルヘッドからなる請求項3に記載の高精度成形型。
  6. 前記複数の当接部材の各々が、前記受け面に当接される平坦な端面を有して、該端面に交差する方向へ移動可能に前記第1型に設置される多面体からなり、該複数の当接部材を該第1型に対して個別に移動させる複数の駆動部材がさらに具備される請求項1又は2に記載の高精度成形型。
  7. 前記第1型に複数の穴が貫通形成され、前記複数の駆動部材の各々が、該複数の穴の各々に支持されて前記複数の当接部材の各々に螺着されるボルトからなる請求項6に記載の高精度成形型。
  8. 前記第1型に複数の雌ねじが貫通形成され、前記複数の駆動部材の各々が、該複数の雌ねじの各々に螺合可能な雄ねじを有して該雌ねじに受容される請求項6に記載の高精度成形型。
  9. 前記第1型に複数の取付穴が貫通形成され、前記複数の駆動部材の各々が、該複数の取付穴の各々に取付けられるマイクロメータのスピンドルヘッドからなる請求項6に記載の高精度成形型。
  10. 筒状の前記第1成形面及び該第1成形面に直交する平坦な前記第2成形面と、該第1成形面の中心軸線上に配置されて先端で該第2成形面上に支持されるコアピンとを具備する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の高精度成形型において、
    前記コアピンは円錐状に縮径する前記先端を有し、前記第2成形面に、該コアピンの該先端を受容する円錐状の溝が形成されること、
    を特徴とする高精度成形型。
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