JP4544612B2 - 変性エポキシ樹脂、および変性エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

変性エポキシ樹脂、および変性エポキシ樹脂の製造方法 Download PDF

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本発明は、側鎖にアルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を有する変性エポキシ樹脂、該変性エポキシ樹脂からなるカチオン重合開始剤、および該変性エポキシ樹脂の製造方法に関する。
エポキシ樹脂は、その優れた物理的、化学的、電気的性質から、塗料をはじめ、電気、接着などの用途に幅広く利用されている。なかでもビスフェノール型エポキシ樹脂に代表されるような、側鎖に二級のアルコール性ヒドロキシ基を有するエポキシ樹脂は、ポリアミンやポリアミド類による室温硬化が可能であり、また芳香族アミンや酸無水物による高温硬化、さらには各種の変性が可能であるため、汎用品として広く使用されている(例えば、特許文献1〜2参照。)。また、エポキシ樹脂の各種特性を制御するため、側鎖に二級のアルコール性ヒドロキシ基を有するエポキシ樹脂のヒドロキシ基を変性させた変性エポキシ樹脂の開発もなされている。例えば、側鎖のヒドロキシ基と酸無水物とを反応させることにより、基材との密着性を向上させ、耐久性の高い硬化物を与える変性エポキシ樹脂(特許文献3参照。)、側鎖をグリシジル化することにより、優れた耐熱性、靭性、接着性を有する硬化物を与える変性エポキシ樹脂(特許文献4参照。)、あるいは、側鎖にイソシアネート化合物を付加して低誘電化した変性エポキシ樹脂(特許文献5参照)などの変性エポキシ樹脂が開示されている。しかし、上記のエポキシ樹脂あるいは変性エポキシ樹脂は、いずれもカチオン重合開始活性を有するものではなかった。
特開平7−173257号公報 特開2000−281916号公報 特開平5−70558号公報 特開平6−157712号公報 特開平7−316252号公報
本発明が解決しようとする課題はカチオン重合開始活性を有する変性エポキシ樹脂、該変性エポキシ樹脂の製造方法、およびカチオン重合開始活性に優れたカチオン重合開始剤を提供することにある。
本発明の変性エポキシ樹脂は、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂における前記二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基が、アリールスルホニルオキシ基類、あるいはアルキルスルホニルオキシ基類などのスルホニルオキシ基を含有する基により置換された構造を有することにより、該スルホニルオキシ基に由来する優れたカチオン重合開始活性を有する。
また、本発明の製造方法によれば、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂における前記二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基が、スルホン酸ハライドまたはスルホン酸無水物によって高選択的かつ、高収率でスルホニルオキシ基に置換できることから、側鎖にスルホニルオキシ基を含有する基を有する変性エポキシ樹脂を容易に製造できる。
本発明の変性エポキシ樹脂は、側鎖に有するスルホニルオキシ基の反応性により、オキサゾリンなどのカチオン重合を開始する機能を有する。
また、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂における前記二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基がスルホニルオキシ基で置換されていることから、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂内部およびエポキシ樹脂相互間にて生じる水素結合等による分子内や分子間での凝集が生じないため溶剤への溶解性や加工性に優れ、塗料、電気関連、接着などの幅広い用途に利用できる。
また、上記の変性エポキシ樹脂は、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂における前記二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基を、スルホン酸ハライドまたはスルホン酸無水物によりスルホン酸エステル化するという簡便な方法で製造することができる。
さらに、上記の変性エポキシ樹脂からなるカチオン重合開始剤は、高いカチオン重合開始能力を有し、エポキシ樹脂を主鎖とする新規な櫛型ポリマーの合成に有効に使用できる。
本発明の変性エポキシ樹脂は、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂における前記二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基が、アリールスルホニルオキシ基類、あるいはアルキルスルホニルオキシ基類のいずれかで置換されたものであり、かつ、その数平均分子量が500〜100000の範囲である。
[エポキシ樹脂]
本発明に使用する側鎖ヒドロキシ基を持つ二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂は、グリシジル基含有化合物と芳香族ヒドロキシ基含有化合物との重付加による二段法、あるいはエピハロヒドリンと芳香族ヒドロキシ化合物との重縮合による一段法によって製造されるものであり、その側鎖に、グリシジル基とフェノール性ヒドロキシ基との反応により生じるアルコール性ヒドロキシ基を有するものである。
上記二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の分子量は、該エポキシ樹脂の側鎖ヒドロキシ基をアリールスルホニルオキシ基類、あるいはアルキルスルホニルオキシ基類のいずれかで置換した変性エポキシ樹脂の数平均分子量が500〜100000となる範囲であればよく、また、側鎖ヒドロキシ基の数が5〜100の範囲にあるものが特に好ましく使用できる。
(グリシジル基含有化合物)
二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂を与えるグリシジル基含有化合物としては、芳香族ヒドロキシ基含有化合物と反応して、側鎖にヒドロキシ基を与えるものであればよい。また、グリシジル基の数は、その用途に応じて適宜選択すればよいが、2官能性芳香族ヒドロキシ基含有化合物と反応して3次元架橋化することなく、線状エポキシ樹脂を与えるジグリシジル化合物を使用することが好ましい。
このようなグリシジル化合物としては、芳香族ジグリシジル化合物、脂環族ジグリシジル化合物、及び脂肪族ジグリシジル化合物など、エポキシ樹脂の合成に通常使用されているジグリシジル化合物を使用できる。なかでも、得られるエポキシ樹脂に剛直な骨格を与える場合には、キサンテン骨格を有するジグリシジル化合物、ビフェニル骨格を有するジグリシジル化合物、ジフェニル骨格を有するジグリシジル化合物、ジシクロヘキサン骨格を有するジグリシジル化合物などの芳香族、または脂環族ジグリシジル化合物を使用することが好ましい。また、剛直な骨格中に柔軟な骨格を導入する場合には、アルキレン骨格やオキシアルキレン骨格を有するジグリシジル化合物を使用することが好ましい。
キサンテン骨格を有するジグリシジル化合物としては、例えば、2,7−ジグリシジルオキシキサンテン、3,6−ジグリシジルオキシキサンテンなどの無置換キサンテン型ジグリシジルエーテル、3,6−ジグリシジルオキシ−9,9−ジメチルキサンテン、2,7−ジグリシジルオキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−9−フェニルキサンテンなどの置換キサンテン型ジグリシジルエーテル、2,11−ジグリシジルオキシ−13−ビフェニルジベンゾキサンテンなどのジベンゾキサンテン型ジグリシジルエーテルなどが挙げられる。なかでも、下記式(1)、又は(2)で表されるキサンテン骨格を有するジグリシジル化合物は、耐熱性と溶解性が高いため好ましい。
Figure 0004544612
Figure 0004544612
(式(1)及び式(2)中、Aは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、p、p、p、pは各々独立して0〜3の整数を表し、p、pは各々独立して0〜2の整数を表す。)
ビフェニル骨格を有するジグリシジル化合物としては、例えば、4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル、4,4’−ジグリシジルオキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルなどが挙げられる。なかでも、下記式(3)で表されるビフェニル骨格を有するジグリシジル化合物は、耐熱性が高いため好ましい。
Figure 0004544612
(式(3)中、R、Rは、メチル基を表し、p、pは各々独立して0〜4の整数を表す。)
ジフェニル骨格を有するジグリシジル化合物としては、例えば、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールS型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールACP型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールL型ジグリシジルエーテル、及びこれらビスフェノール型ジグリシジルエーテルが塩素化あるいは臭素化されたジグリシジルエーテルなどが挙げられる。なかでも下記式(4)で表されるジフェニル骨格を有するジグリシジル化合物は、溶解性が高いため好ましい。
Figure 0004544612
(式(4)中、Bは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R、R10はメチル基を表し、p、p10は各々独立して0〜4の整数を表す。)
ジシクロヘキサン骨格を有するジグリシジル化合物としては、例えば、水素添加ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、水素添加フタル酸ジグリシジルなどが挙げられる。なかでも、下記式(5)で表されるジシクロヘキサン骨格を有するジグリシジル化合物は溶解性と耐候性が高いため好ましい。
Figure 0004544612
(式(5)中、Dは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R11、R12はメチル基を表し、p11、p12は各々独立して0〜4の整数を表す。)
アルキレン骨格やオキシアルキレン骨格を有するジグリシジル化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。なかでも、下記式(6)〜(8)で表されるアルキレン骨格やオキシアルキレン骨格を有するジグリシジル化合物は柔軟性が高いため好ましい。
Figure 0004544612
Figure 0004544612
(式(7)中、qは0〜100の整数を表す。)
Figure 0004544612
(式(8)中、sは0〜100の整数を表す。)
また、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂を一段法によって製造する場合に使用するエピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどが使用できる。
(芳香族ヒドロキシ基含有化合物)
二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂を与える芳香族ヒドロキシ基含有化合物としては、上記グリシジル化合物と反応して、側鎖にヒドロキシ基を与えるフェノール性ヒドロキシ基を含有するものであればよい。また一分子中のヒドロキシ基の数は、その用途に応じて適宜選択すればよいが、扱いの容易な線状エポキシ樹脂が得やすいため、芳香族ジヒドロキシ化合物を使用することが好ましい。
このような芳香族ヒドロキシ化合物としては、エポキシ樹脂の合成に通常使用されている芳香族ジヒドロキシ化合物を使用できる。なかでも、得られるエポキシ樹脂に剛直な骨格を与える場合には、キサンテン骨格を有するジグリシジル化合物、ビフェニル骨格を有するジヒドロキシ化合物、ジフェニル骨格を有するジヒドロキシ化合物などの芳香族ジヒドロキシ化合物を使用することが好ましい。
キサンテン骨格を有するジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,7−ジヒドロキシキサンテン、3,6−ジヒドロキシキサンテンなどの無置換キサンテン型ジヒドロキシ化合物、3,6−ジヒドロキシ−9,9−ジメチルキサンテン、2,7−ジヒドロキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−9−フェニルキサンテンなどの置換キサンテン型ジヒドロキシ化合物、2,11−ジヒドロキシ−13−ビフェニルジベンゾキサンテンなどのジベンゾキサンテン型ジヒドロキシ化合物などが挙げられる。なかでも、下記式(9)〜(10)で表されるキサンテン骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物は、耐熱性と溶解性が高いため好ましい。
Figure 0004544612
Figure 0004544612
(式(9)及び式(10)中、Aは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、p、p、p、pは各々独立して0〜3の整数を表し、p、pは各々独立して0〜2の整数を表す。)
ビフェニル骨格を有するジヒドロキシ化合物としては、例えば、4,4’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルなどが挙げられる。なかでも、下記式(11)で表されるビフェニル骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物は、耐熱性が高いため好ましい。
Figure 0004544612
(式(11)中、R、Rは、メチル基を表し、p、pは各々独立して0〜4の整数を表す。)
ジフェニル骨格を有するジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールF型ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールS型ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールACP型ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールジヒドロキシ化合物、及びこれらビスフェノール型ジヒドロキシ化合物が塩素化あるいは臭素化されたジグリシジルエーテルなどが挙げられる。なかでも下記式(12)で表されるジフェニル骨格を有する芳香族ジヒドロキシ化合物は、溶解性が高いため好ましい。
Figure 0004544612
(式(12)中、Bは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R、R10はメチル基を表し、p、p10は各々独立して0〜4の整数を表す。)
[アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基]
本発明の変性エポキシ樹脂の側鎖は、上記した二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の側鎖ヒドロキシ基が、アリールスルホニルオキシ基類やアルキルスルホニルオキシ基類などのスルホニルオキシ基を含有する基で置換された構造を有する。
アリールスルホニルオキシ基類としては、例えばベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、2,4−ジニトロベンゼンスルホニルオキシ基などのメチル基またはニトロ基で置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシ基や、1−ナフタレンスルホニルオキシ基や2−ナフタレンスルホニルオキシ基などのナフタレンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
アルキルスルホニルオキシ基類としては、アルキルスルホニルオキシ基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリクロロメタンスルホニルオキシ基などのハロゲンで置換されいてもよいメタンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
上記スルホニルオキシ基を含有する基のなかでも、メチル基またはニトロ基で置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシ基、または、ハロゲン原子で置換されていてもよいメタンスルホニルオキシ基アリールスルホニルオキシ基は、本発明の変性エポキシ樹脂の溶解性が高く、本発明の変性エポキシ樹脂をカチオン重合開始剤などの用途に用いる場合に好ましく、中でも、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリクロロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、2,4−ジニトロベンゼンスルホニルオキシ基は、原料入手が容易な点で好ましい。とりわけ、p−トルエンスルホニルオキシ基は本発明の変性エポキシ樹脂の安定性が高い点で、また、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基は、本発明の変性エポキシ樹脂のカチオン重合開始能力が高い点で好ましい。
本発明の変性エポキシ樹脂は、側鎖がこれらスルホニルオキシ基を含有する基に置換されていることから、スルホニルオキシ基に由来する優れたカチオン重合開始活性を有し、また二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の分子間や分子内で水素結合を形成するヒドロキシ基の数を低減できるため、溶剤への溶解性が向上する。溶剤への溶解性は、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂中のヒドロキシ基が、必ずしも全てスルホニルニルオキシ基に置換されなくとも、該ヒドロキシ基が全くスルホニルオキシ基に置換されていないエポキシ樹脂に比べて向上するが、全ヒドロキシ基の50%以上が置換されていることが好ましく、80%以上が置換されていることがより好ましく、全てのヒドロキシ基が置換されていることが特に好ましい。
[変性エポキシ樹脂]
本発明の変性エポキシ樹脂は、主鎖構造として上記二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の主鎖構造を有し、その側鎖に上記スルホニルオキシ基を含有する基を有する。二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂のまた、分子量は500〜100000の範囲であればよく、例えば、500〜10000の範囲のものは溶解性が高いため好ましく、500〜5000の範囲であればより好ましい。
該変性エポキシ樹脂の主鎖構造や分子量は、その用途に応じて適宜選択して設計すればよい。例えば、該変性エポキシ樹脂の側鎖のカチオン重合活性を利用して反応開始剤として使用するような場合には、側鎖が全てスルホニルオキシ基を含有する基で置換された構造を有する線状の変性エポキシ樹脂を使用すると、側鎖の全ての部分から反応を開始させることができるため好ましい。
このような変性エポキシ樹脂としては、例えば、下記式(13)
Figure 0004544612
[式(13)中、Xは上記した芳香族ジヒドロキシ化合物由来のキサンテン骨格、ビフェニル骨格、又はジフェニル骨格を有する2価の基を表し、好ましくは下記式(14)
Figure 0004544612
及び、下記式(15)
Figure 0004544612
(式(14)及び式(15)中、Aは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、p、p、p、pは各々独立して0〜3の整数を表し、p、pは各々独立して0〜2の整数を表す。)
及び、下記式(16)
Figure 0004544612
(式(16)中、R、Rは、メチル基を表し、p、pは各々独立して0〜4の整数を表す。)
及び、下記式(17)
Figure 0004544612
(式(17)中、Bは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R、R10はメチル基を表し、p、p10は各々独立して0〜4の整数を表す。)
から選ばれる少なくとも一種の二価の基を表し、繰り返し単位毎に異なっていてもよい。Xは上記した芳香族ジヒドロキシ化合物由来のキサンテン骨格、ビフェニル骨格、又はジフェニル骨格を有する2価の基を表し、好ましくは上記式(14)〜(17)から選ばれる一種の二価の基を表す。Yは置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、Z、Zはそれぞれ独立して、水素原子、グリシジル基、下記式(18)
Figure 0004544612
(式(18)中、Yは前記Yと同様である。)
で表される1価の基、又は下記式(19)
Figure 0004544612
(式(19)中、Yは前記Yと同様であり、Zはハロゲン原子を表す。)
で表される1価の基を表す。また、mは1以上の整数であり、好ましくは5〜100の範囲である。]
で表されるエピハロヒドリンと芳香族ジヒドロキシ化合物とから得られる二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂をスルホニルオキシ基含有基で置換した変性エポキシ樹脂、あるいは下記式(20)
Figure 0004544612
[式(20)中、Xは上記した芳香族ジヒドロキシ化合物由来のキサンテン骨格、ビフェニル骨格、又はジフェニル骨格を有する2価の基を表し、好ましくは上記式(14)〜(17)から選ばれる少なくとも一種の二価の基を表す。Xは上記したジグリシジル化合物由来のキサンテン骨格、ビフェニル骨格、ジフェニル骨格、ジシクロヘキサン骨格、アルキレン骨格、又はオキシアルキレン骨格を有する2価の基を表し、好ましくは上記式(14)〜(17)、及び下記式(21)
Figure 0004544612
(式(21)中、Dは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R11、R12はメチル基を表し、p11、p12は各々独立して0〜4の整数を表す。)
及び、下記式(22)
Figure 0004544612
及び、下記式(23)
Figure 0004544612
(式(23)中、qは0〜100の整数を表す。)
及び、下記式(24)
Figure 0004544612
(式(24)中、sは0〜100の整数を表す。)
から選ばれる少なくとも一種の二価の基を表し、それぞれ繰り返し単位毎に異なっていてもよい。Y、Yはそれぞれ置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。また、n、nはそれぞれ1以上の整数であり、好ましくはn+nが5〜100の範囲である。]
で表され、その主鎖末端が、末端構造単位が芳香族ジヒドロキシ化合物由来の構造単位である場合には、ヒドロキシ基又は該ヒドロキシ基の水素原子が上記式(18)で置換された基であり、末端構造単位がジグリシジル化合物由来の構造単位である場合にはグリシジル基又は該グリシジル基が上記式(19)で表される基で置換された基であるような、芳香族ジヒドロキシ化合物とジグリシジル化合物とから得られる二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂をスルホニルオキシ基含有基で置換した変性エポキシ樹脂などが好適に使用できる。
また、式(16)で表される変性エポキシ樹脂は、使用するジグリシジル化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物を適宜選択することにより、主鎖構造の調整が容易であるため好ましい。また、使用する化合物の組み合わせとしては、上記式(1)〜(8)で表されるジグリシジル化合物と、上記式(9)〜(12)で表される化合物との組み合わせが、反応性が高いため好ましい。
なかでも、その主鎖構造が、上記式(1)、式(2)、式(9)、及び式(10)で表される化合物に由来するキサンテン骨格と、上記式(3)、式(4)、式(11)及び式(12)で表される化合物に由来するジフェニル骨格又はビスフェノール骨格との組み合わせである変性エポキシ樹脂は、耐熱性が高いため好ましく、上記式(1)及び式(10)で表されるキサンテン骨格と、上記式(3)及び(11)で表されるビフェニル骨格との組み合わせであればより好ましい。
主鎖構造中の各々の骨格の比率は目的に応じ適宜選択すればよく、例えば、上記のようなキサンテン骨格と、ジフェニル骨格又はビスフェノール骨格との組み合わせの場合には、変性エポキシ樹脂中のキサンテン骨格/ジフェニル骨格又はビスフェノール骨格の比が5/95〜95/5の範囲であると、耐熱性と溶解性が高いため好ましく、10/90〜50/50の範囲であると特に好ましい。
上記構造式に代表される本発明の変性エポキシ樹脂は、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂中のヒドロキシ基が、スルホニルオキシ基を含有する基で置換された構造を有することから、溶解性や加工性に優れる。また、本発明の変性エポキシ樹脂は、その構造中のスルホニルオキシ基により、優れたカチオン重合開始活性を有する。
[カチオン重合開始剤]
本発明の変性エポキシ樹脂は、側鎖のスルホニルオキシ基からオキサゾリンなどのカチオン重合性モノマーをカチオン重合できるので、カチオン重合開始剤として使用でき、エポキシ樹脂を主鎖とし、ポリオキサゾリンなどのカチオン重合体を側鎖とする櫛型ポリマーを製造することができる。本発明の変性エポキシ樹脂は、p−トルエンスルホン酸メチルやトリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸エステル同様、オキサゾリンと加熱条件下で容易に反応し、高い重合収率でポリオキサゾリンを生成でき、また、スルホニルオキシ基とオキサゾリンモノマーとの比率を変えることにより、ポリオキサゾリン側鎖長を制御することもできる。
本発明の変性エポキシ樹脂に、未置換の側鎖ヒドロキシ基が残存する場合、オキサゾリンの重合は該側鎖ヒドロキシ基からは開始されず、スルホニルオキシ基からのみポリオキサゾリン側鎖が生成するので、残存する側鎖ヒドロキシ基と置換されたスルホニルオキシ基とのモル比率を変えることにより、ポリオキサゾリン側鎖間の間隔を制御することができる。
また、一般にエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂末端のグリシジル基を反応させることにより、ブロックポリマーなどを製造することができるので、同様に、本発明の変性エポキシ樹脂をカチオン重合開始剤として使用することにより、櫛型ブロックポリマーを製造することもできる。
本発明の変性エポキシ樹脂をカチオン重合開始剤として使用する場合には、末端にもスルホニルオキシ基を含有する基を有する構造のものを使用することにより、該変性エポキシ樹脂中のスルホニルオキシ基の数は、グリシジル基末端の場合に比べ片末端あたり1つ増加するので、エポキシ基末端の場合に比べより多くのポリオキサゾリン側鎖を櫛型ポリマーに付与することができる。
[変性エポキシ樹脂の製造方法]
本発明の変性エポキシ樹脂は、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂とスルホン酸ハライド、又はスルホン酸無水物とを反応させ、該エポキシ樹脂のヒドロキシ基を、スルホニルオキシ基を含有する基に置換することで容易に製造できる。
二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂としては、上記したものを好ましく使用できる。該二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の側鎖ヒドロキシ基を、スルホニルオキシ基を含有する基に変性させるには、スルホン酸ハライド、又はスルホン酸無水物が使用できる。なかでも、スルホン酸ハライドは、反応性が高いため好ましい。
スルホン酸ハライドとしては、例えば、メタンスルホン酸クロライド、トリフルオロメタンメタンスルホン酸クロライド、トリクロロメタンスルホン酸クロライドなどのハロゲンで置換されいてもよいメタンスルホン酸ハライドや、ベンゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド、2−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸クロライドなどのメチル基またはニトロ基で置換されていてもよいベンゼンスルホン酸クロライドや、1―ナフタレンスルホン酸クロライドや2−ナフタレンスルホン酸クロライドなどのナフタレンスルホン酸ハライドなどが挙げられる。
上記スルホン酸クロライドのうち、メチル基またはニトロ基で置換されていてもよいベンゼンスルホン酸クロライド、または、ハロゲン原子で置換されていてもよいメタンスルホン酸クロライドは、本発明の変性エポキシ樹脂の溶解性が高く、本発明の変性エポキシ樹脂をカチオン重合開始剤などの用途に用いる場合に好ましく、中でも、メタンスルホン酸クロライド、トリフルオロメタンスルホン酸クロライド、トリクロロメタンスルホン酸クロライド、ベンゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド、2−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸クロライドは、原料入手が容易な点で好ましい。とりわけ、p−トルエンスルホン酸クロライドは、本発明の変性エポキシ樹脂の安定性が高い点で、またトリフルオロメタンスルホン酸クロライドは、本発明の変性エポキシ樹脂のカチオン重合開始能が高いで好ましい。
スルホン酸無水物としては、例えば、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンメタンスルホン酸無水物、トリクロロメタンスルホン酸無水物などのハロゲンで置換されいてもよいメタンスルホン酸無水物や、ベンゼンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、2−ニトロベンゼンスルホン酸無水物、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸無水物などのメチル基またはニトロ基で置換されていてもよいベンゼンスルホン酸無水物などが挙げられる。
上記スルホン酸無水物のうち、ハロゲン原子で置換されていてもよいメタンスルホン酸無水物は、水酸基のスルホニル化反応後、未反応のスルホン酸無水物を減圧によって留去できるので好ましく、中でも、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、トリクロロメタンスルホン酸無水物は、原料入手が容易な点で好ましい。とりわけ、トリフルオロメタンスルホン酸無水物は、本発明の変性エポキシ樹脂のカチオン重合開始能が高いので好ましい。
スルホン酸ハライドによるヒドロキシ基のスルホニルオキシ基を含有する基への置換反応は、一般に塩基存在下で行われるが、塩基としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族3級アミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの脂肪族3級アミン、炭酸カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ性無機塩などが挙げられる。
二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の側鎖ヒドロキシ基を、スルホニルオキシ基を含有する基に置換する割合は、上記スルホン酸ハライドの添加量や塩基の種類により調整できる。例えば、全てのヒドロキシ基を、スルホニルオキシ基を含有する基に変換する場合には、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂中のヒドロキシ基に対し、大過剰モル量のスルホン酸ハライドやスルホン酸無水物を使用すればよい。
また、ヒドロキシ基を部分的にスルホニルオキシ基を含有する基に置換する場合には、塩基としてピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの芳香族3級アミンを用い、スルホン酸ハライドをヒドロキシ基に対し小過剰モル量用い、反応温度を室温程度に維持すればよい。
二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の末端にグリシジル基が残存する場合には、上記塩基の種類や反応条件を調整することにより、得られる変性エポキシ樹脂の末端構造を調整できる。例えば、塩基としてピリジンなどの芳香族3級アミンを用いて、ヒドロキシ基に対して過剰のスルホン酸ハライドを使用することにより、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の側鎖のヒドロキシ基は完全にスルホニルオキシ基に置換され、さらに主鎖末端のグリシジル基は過剰に存在するスルホン酸ハライドと反応して、上記式(19)で表される末端構造となる。反応させる温度としては、室温〜80℃の範囲、好ましくは40℃〜60℃の範囲とすればよい。
また、主鎖末端にグリシジル基が残存した変性エポキシ樹脂を製造するには、塩基としてN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族3級アミンを用い、スルホン酸ハライドをヒドロキシ基と等モル量、あるいは小過剰用い、反応温度を−20℃〜10℃の範囲、好ましくは−10℃〜5℃の範囲として一時間程度維持すればよい。
本発明の製造方法に使用する溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、アセトニトリル、ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤、クロロフォルム、塩化メチレンなどの塩素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤などが挙げられる。
スルホン酸無水物による、ヒドロキシ基のスルホニルオキシ基を含有する基への置換反応は、スルホン酸ハライドの場合と同様に、上記の塩基や溶剤を併用してもよいが、トリフルオロメタンスルホン酸無水物など揮発性の高いスルホン酸無水物の場合、該スルホン酸無水物の蒸気に曝露することによってもスルホニルオキシ基への置換反応は達成され、該置換反応後、生成するスルホン酸や未反応のスルホン酸無水物は、減圧留去することにより除去できる。
また、スルホン酸ハライドやスルホン酸無水物の代わりに、スルホン酸エステルなどのスルホニル化剤を用いることによっても、本発明の変性エポキシ樹脂を製造することができる。
本発明の変性エポキシ樹脂は、溶剤溶解性や加工性に優れることから、塗料、電気関連、接着などの幅広い用途の材料として利用できる。また、側鎖のスルホニルオキシ基を含有する基により、優れた反応開始活性を有することから、カチオン重合開始剤として有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、特に断わりがない限り、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を表わす。
(合成例1)
[ビフェニレン型線状エポキシ樹脂の合成]
4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.596g(2mmol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル0.372g(2mmol)、トリフェニルフォスフィン2.62mg(0.01mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド2.26gを、窒素雰囲気下、160℃で4時間反応させた。放冷後、N,N−ジメチルアセトアミドで反応液を不揮発分15%に希釈した後、水100ml中に滴下し、得られた白濁分散液を室温で1時間撹拌した。遠心分離後、吸引濾過して得られた沈殿をメタノールで洗浄した後、60℃で減圧乾燥して、ビフェニレン型線状エポキシ樹脂を得た。得られたビフェニレン型線状エポキシ樹脂の収量は0.795g、収率は82%であった。
(合成例2)
[キサンテン−ビフェニレン共重合型線状エポキシ樹脂の合成]
2,7−ジグリシジルオキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−9−フェニルキサンテン1.555g(大日本インキ化学工業(株)社製「EXA7335」、3.2mmol)、4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.238g(0.8mmol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル0.670g(3.6mmol)及びエチルトリフェニルフォスフォニウムアセテートの70%メタノール溶液0.0106g(0.02mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド2.463g中、窒素雰囲気下、160℃に加熱攪拌して、4時間反応させた。放冷後、淡黄色透明の半固形反応液をN,N−ジメチルアセトアミド11.495gで希釈し、氷に滴下した。析出した白色塊状沈殿を吸引濾過、氷水洗浄後、塊状沈殿を水200ml中、強力攪拌しながら30分間沸煮した。放冷後、デカンテーションして得られた沈殿を粉砕し、粉末化した沈殿を水、メタノールで洗浄後、60℃で減圧乾燥して、キサンテン−ビフェニレン共重合型線状エポキシ樹脂を得た。得られたキサンテン−ビフェニレン共重合型線上エポキシ樹脂の収量は2.33g、収率は95%であった。
(合成例3)
[キサンテン−ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂の合成]
2,7−ジグリシジルオキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−9−フェニルキサンテン1.555g(大日本インキ化学工業(株)社製「EXA7335」、3.2mmol)、4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.238g(0.8mmol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル0.670g(3.6mmol)を、2,7−ジグリシジルオキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−9−フェニルキサンテン1.944g(大日本インキ化学工業(株)社製「EXA7335」、4.0mmol)、ビスフェノールA0.821g(3.6mmol)に変えた以外は、合成例2を実行し、キサンテン−ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂を得た。得られたキサンテン−ビスフェノールA共重合型線上エポキシ樹脂の収量は2.69g、収率は97%であった。
(合成例4)
[キサンテン−ビフェニレン−ネオペンチル共重合型線状エポキシ樹脂の合成]
4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.238g(0.8mmol)を、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル0.173g(0.8mmol)に変えた以外は、合成例2を実行し、キサンテン−ビフェニレン−ネオペンチル共重合型線状エポキシ樹脂を得た。得られたキサンテン−ビフェニレン−ネオペンチル共重合型線上エポキシ樹脂の収量は2.28g、収率は95%であった。
(合成例5)
[キサンテン−ビフェニレン−水素添加ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂の合成]
4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.238g(0.8mmol)を、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル0.282g(0.8mmol)に変えた以外は、合成例2を実行し、キサンテン−ビフェニレン−水素添加ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂を得た。得られたキサンテン−ビフェニレン−水素添加ビスフェノールA共重合型線上エポキシ樹脂の収量は2.42g、収率は96%であった。
(実施例1)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂0.347g(大日本インキ化学工業(株)社製「AM−040−P」、側鎖ヒドロキシ基1mmol)を含むトルエン(0.5ml)−アセトニトリル(0.5ml)混合溶液を窒素雰囲気下、塩を含む氷で氷冷撹拌し、トリエチルアミン0.208ml(1.5mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.5当量),0.152g)、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン0.0166ml(0.1mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の0.1当量),0.013g)を加えた。p−トルエンスルフォン酸クロライド2.09g(1.5mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.5当量))を含むトルエン(1ml)溶液を、窒素雰囲気下、氷冷撹拌しながら滴下した。滴下終了後、同温度で1時間攪拌した後、直ちに水2mlを加え、氷冷下強力撹拌した後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、減圧濃縮した。得られた無色固形物をクロロフォルム1mlで希釈後、メタノール10ml中に撹拌しながら滴下し、生じた淡橙色ゲル状沈殿液を氷冷下、粉砕し、得られた白色粉末沈殿を、吸引濾過、冷メタノール、冷水、冷メタノールの順に洗浄した後、室温で減圧乾燥して、変性エポキシ樹脂(1)を得た。収量は0.348g、収率は69%であった。
得られた変性エポキシ樹脂(1)の1H−NMR(日本電子株式会社製、AL300、300MHz)測定結果より、ヒドロキシ基のp−トルエンスルホニル基への変性率は94%であり、グリシジル基の残存率は99%であった。また、GPC(昭和電工株式会社製Shodex OHpak SB−806M HQ(8.0mmID*300mm)*2)による測定結果より、数平均分子量はポリスチレン換算で3620であった。
1H−NMR(CDCl3)測定結果:
δ(ppm):7.81(d),7.27(d),7.14〜7.06(m),6.83(d)−6.63(d),4.99(t),4.21(d)−4.16(d)−4.11(m)−3.91(m),3.33(m),2.88(d),2.74(d),2.40(s),1.58(m)
(実施例2)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47g(大日本インキ化学工業(株)社製「AM−040−P」、側鎖ヒドロキシ基10mmol)を含むトルエン(5ml)−アセトニトリル(5ml)混合溶液を窒素雰囲気下、氷冷撹拌し、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン1.83ml(11mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.1当量),1.43g)を加えた。p−トルエンスルフォン酸クロライド2.09g(11mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.1当量))を含むトルエン(10ml)溶液を、窒素雰囲気下、塩を含む氷で氷冷撹拌しながら滴下した。滴下開始後、直ちに発熱し、液温が2℃から7℃に上昇し、白濁した。滴下終了後、1時間氷冷撹拌した後、塩を含まない氷水中で2時間撹拌し、さらに室温で一晩撹拌した。濁りのある微黄色反応液に水20mlを加え、生じた乳白濁液を室温で5時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮した。得られた無色固形物をクロロフォルム10mlで希釈後、メタノール100ml中に滴下し、生じた乳白濁上澄み液をデカンテーションして除き、餅状白色沈殿を冷メタノール50ml中に入れ、硬くなった沈殿を粉砕後、30分間強力撹拌し、吸引濾過、メタノール洗浄後、室温で減圧乾燥して、変性エポキシ樹脂(2)を得た。収量は2.06g、収率は41%であった。
得られた変性エポキシ樹脂(2)の1H−NMR(300MHz)測定結果より、ヒドロキシ基のp−トルエンスルホニル基への変性率は96%であり、グリシジル基の残存率は98%であった。また、GPCによる測定結果より、数平均分子量はポリスチレン換算で3560であった。
1H−NMR(CDCl3)測定結果:
δ(ppm):7.80(d),7.26(d),7.12〜7.06(m),6.83(d)−6.64(d),
5.00(t),4.21(d)−4.15(d),3.97(m),3.31(m),
2.87(d),2.72(d),2.40(s),1.60(s)
(実施例3)
合成例1で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビフェニレン型線状エポキシ樹脂0.242g(側鎖ヒドロキシ基1mmol)及びピリジン20mlを、窒素雰囲気下氷冷撹拌し、p−トルエンスルフォン酸クロライド(1.5mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.5当量))及びジメチルアミノピリジン(0.15mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の0.15当量))を加え、1時間氷冷後、室温でさらに24時間撹拌した。反応液を氷水100mlに加え、振とう攪拌した後、冷蔵庫で3晩静置した。無色上澄液をデカンテーションして除き、吸引濾過して得られた粉末状の白色沈殿を氷40gに加え、30分間攪拌した後、吸引濾過、氷水洗浄、冷メタノール洗浄後、30℃で減圧乾燥して変性エポキシ樹脂(3)を得た。収量は0.256g、収率は65%であった。
得られた変性エポキシ樹脂(3)の1H−NMR(300MHz)測定結果より、ヒドロキシ基のp−トルエンスルホニル基への変性率は39%であった。また、GPCによる測定結果より、数平均分子量はポリメチルメタクリレート換算で3,850であった。
1H−NMR(d6−DMSO)測定結果:
δ(ppm):7.82(d),7.52−7.03−6.88(m),5.44−5.17(t),4.31−4.10(d,d).
(実施例4)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47g(大日本インキ化学工業(株)社製「AM−040−P」、側鎖ヒドロキシ基10mmol)を含むクロロフォルム溶液10mlを窒素雰囲気下、氷冷撹拌し、ピリジン8.04ml(100mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の10当量),7.90g)を加えた。p−トルエンスルフォン酸クロライド19.0g(100mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の10当量))を含むクロロフォルム溶液10mlを、窒素雰囲気下、氷冷撹拌しながら滴下した後、1時間氷冷撹拌した。さらに40℃で3時間半反応させた後、得られた淡黄色透明液にクロロフォルム70mlを加え、氷冷撹拌下、N,N−ジメチルエチレンジアミン10.74ml(99mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の9.9当量),8.67g)を滴下した。滴下による急激な発熱を、十分氷冷撹拌して液温25℃以下に保った後、得られた黄色液に10%塩酸水溶液100mlを加え、クロロフォルムで抽出した。さらに、10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、吸引濾過、減圧濃縮した。得られた黄色粘ちょう液をクロロフォルム10mlで希釈後、氷冷撹拌下、メタノール100ml中に滴下し、さらに1時間、氷冷下で攪拌した。得られた黄色沈殿を吸引濾過、メタノール洗浄した後、室温で減圧乾燥して変性エポキシ樹脂(4)を得た。収量は4.34g、収率は83%であった。
得られた変性エポキシ樹脂(4)の1H−NMR(300MHz)測定結果より、ヒドロキシ基のp−トルエンスルホニル基への変性率は100%であり、末端は前記式(19)で表される構造のYがp−トリル基、Zが塩素原子である末端構造であった。また、GPCによる測定結果より、数平均分子量はポリスチレン換算で4230であった。
1H−NMR(CDCl3)測定結果:
δ(ppm):7.80(d),7.27(d),7.07(d),6.65(d),4.99(t)−4.87(t),
4.20(d)−4.14(d)−3.80〜3.74(m),2.40(s),1.60(s)
(実施例5)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47gを、合成例2で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するキサンテン−ビフェニレン共重合型線状エポキシ樹脂3.42g(側鎖ヒドロキシ基10mmol)に代えた以外は、実施例4と同様にして、変性エポキシ樹脂(5)を得た。収量は2.97g、収率は60%であった。
得られた変性エポキシ樹脂(5)の1H−NMR(300MHz)測定結果より、ヒドロキシ基のp−トルエンスルホニル基への変性率は100%であり、末端は前記式(19)で表される構造のYがp−トリル基、Zが塩素原子である末端構造であった。また、GPCによる測定結果より、数平均分子量はポリメチルメタクリレート換算で14,700であった。
1H−NMR(CDCl3)測定結果:
δ(ppm):7.82(d),7.41(d),7.27(d),7.18(m),6.81(d),
5.17(s)−5.02(m),4.30(t)−3.88(d),2.45−2.07(m)
(実施例6)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47gを、合成例3で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するキサンテン−ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂3.84g(側鎖ヒドロキシ基10mmol)に代えた以外は、実施例4と同様にして、変性エポキシ樹脂(6)を得た。収量は3.44g、収率は64%であった。
得られた変性エポキシ樹脂(6)の1H−NMR(300MHz)測定結果より、ヒドロキシ基のp−トルエンスルホニル基への変性率は100%であり、末端は前記式(19)で表される構造のYがp−トリル基、Zが塩素原子である末端構造であった。また、GPCによる測定結果より、数平均分子量はポリメチルメタクリレート換算で16,100であった。
1H−NMR(CDCl3)測定結果:
δ(ppm):7.81(d),7.34(d)−7.27(d),7.23−7.07(m),6.66(d),
5.14(s)−5.01〜4.88(t),4.19(d)−4.14(d)−3.80〜3.74(m),
2.45−2.09(m),1.61(s)
(実施例7)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47gを、合成例4で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するキサンテン−ビフェニレン−ネオペンチル共重合型線状エポキシ樹脂3.33g(側鎖ヒドロキシ基10mmol)に代えた以外は、実施例4と同様にして、変性エポキシ樹脂(7)を得た。収量は2.87g、収率は59%であった。
得られた変性エポキシ樹脂(7)の1H−NMR(300MHz)測定結果より、ヒドロキシ基のp−トルエンスルホニル基への変性率は100%であり、末端は前記式(19)で表される構造のYがp−トリル基、Zが塩素原子である末端構造であった。また、GPCによる測定結果より、数平均分子量はポリメチルメタクリレート換算で14,500であった。
1H−NMR(CDCl3)測定結果:
δ(ppm):7.82(d),7.41(d),7.27(d),7.18(m),6.81(d),
5.17(s)−5.00(m),4.30(d)−3.88(d)−3.80〜3.70(m),3.29(s)
2.45−2.07(m),1.11(s)
(実施例8)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47gを、合成例5で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するキサンテン−ビフェニレン−水素添加ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂3.48g(側鎖ヒドロキシ基10mmol)に代えた以外は、実施例4と同様にして、変性エポキシ樹脂(8)を得た。収量は3.02g、収率は60%であった。
得られた変性エポキシ樹脂(8)の1H−NMR(300MHz)測定結果より、ヒドロキシ基のp−トルエンスルホニル基への変性率は100%であり、末端は前記式(19)で表される構造のYがp−トリル基、Zが塩素原子である末端構造であった。また、GPCによる測定結果より、数平均分子量はポリメチルメタクリレート換算で14,900であった。
1H−NMR(CDCl3)測定結果:
δ(ppm):7.82(d),7.40(d),7.27(d),7.18(m),6.81(d),
5.17(s)−4.99(m),4.30(d)−3.88(d)−3.80〜3.71(m),2.83(t)
2.45−2.07(m),1.44(m),1.25〜1.11(m)
(実施例9)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂0.347g(大日本インキ化学工業(株)社製「AM−040−P」、側鎖ヒドロキシ基1.0mmol)を含むクロロフォルム溶液0.5mlを窒素雰囲気下、塩を含む氷で氷冷撹拌し、ピリジン0.096ml(1.2mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.2当量),0.095g)を加えた。トリフルオロメタンスルホン酸無水物0.197ml(1.2mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.2当量))を、窒素雰囲気下、氷冷撹拌しながら滴下した後、2時間氷冷撹拌した。さらに冷水中で2時間反応させた後、得られた少し濁りのある溶液を吸引濾過、減圧濃縮し、変性エポキシ樹脂(9)を得た。収量は0.344g、収率は72%であった。
得られた変性エポキシ樹脂(9)の1H−NMR(300MHz)測定結果より、ヒドロキシ基のトリフルオロメタンスルホニル基への変性率は99%であり、グリシジル基の残存率は60%であった。また、GPCによる測定結果より、数平均分子量はポリメチルメタクリレート換算で5240であった。
1H−NMR(CDCl3)測定結果:
δ(ppm):7.15(d),6.81(d),5.43(t),4.85(d)−4.33(d)−4.24〜3.90(m),3.33(s),2.88(t),2.74(s),1.63(6s)
(応用例1)
実施例4で得られた変性エポキシ樹脂0.354g、2−メチルオキサゾリン1.505g及びN,N−ジメチルアセトアミド1.00mlを、窒素雰囲気下、100℃で48時間攪拌した。得られた黄色の半固形物に酢酸エチル20mlを加え、室温で強力攪拌した後、濾過、酢酸エチル洗浄、減圧乾燥して淡黄色粉末固体1.51gを得た。重合時の収率は92%だった。1H−NMRによる分析から、得られた上記固体は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主鎖とし、ポリメチルオキサゾリンを側鎖とする櫛型ポリマーであることが確認された。これより、側鎖がスルホニルオキシ基を含有する基である本発明の変性エポキシ樹脂は、優れたカチオン重合開始能力を有することが明らかである。

Claims (18)

  1. 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂を、芳香族3級アミン又は脂肪族3級アミンの存在下、スルホン酸ハライド又はスルホン酸無水物と反応させ、前記エポキシ樹脂中の二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基を、アリールスルホニルオキシ基又はアルキルスルホニルオキシ基で置換することを特徴とする変性エポキシ樹脂の製造方法。
  2. 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂中のヒドロキシ基に対して、等モル以上のスルホン酸ハライドを用いる請求項1記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
  3. 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の全ヒドロキシ基の50%以上がアリールスルホニルオキシ基又はアルキルスルホニルオキシ基で置換されるものである請求項1〜2の何れか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
  4. 前記エポキシ樹脂が、ジグリシジル化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ樹脂である請求項1〜3のいずれか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
  5. 前記ジグリシジル化合物が、
    下記式(1)
    Figure 0004544612
    下記式(2)
    Figure 0004544612
    (式(1)及び式(2)中、Aは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、p、p、p、pは各々独立して0〜3の整数を表し、p、pは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
    下記式(3)
    Figure 0004544612
    (式(3)中、R、Rは、メチル基を表し、p、pは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
    下記式(4)
    Figure 0004544612
    (式(4)中、Bは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R、R10はメチル基を表し、p、p10は各々独立して0〜4の整数を表す。)、
    下記式(5)
    Figure 0004544612
    (式(5)中、Dは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R11、R12はメチル基を表し、p11、p12は各々独立して0〜4の整数を表す。)、
    下記式(6)
    Figure 0004544612
    下記式(7)
    Figure 0004544612
    (式(7)中、qは0〜100の整数を表す。)、
    及び下記式(8)
    Figure 0004544612
    (式(8)中、sは0〜100の整数を表す。)
    からなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
  6. 前記芳香族ジヒドロキシ化合物が、下記式(9)
    Figure 0004544612
    下記式(10)
    Figure 0004544612
    (式(9)及び式(10)中、Aは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、p、p、p、pは各々独立して0〜3の整数を表し、p、pは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
    下記式(11)
    Figure 0004544612
    (式(11)中、R、Rは、メチル基を表し、p、pは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
    及び下記式(12)
    Figure 0004544612
    (式(12)中、Bは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R、R10はメチル基を表し、p、p10は各々独立して0〜4の整数を表す。)
    からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項4又は5に記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
  7. 前記スルホン酸ハライド又はスルホン酸無水物が、ハロゲンで置換されていても良いメタンスルホン酸ハライド、メチル基またはニトロ基で置換されていても良いベンゼンスルホン酸クロライド、ナフタレンスルホン酸ハライド、ハロゲンで置換されていてもよいメタンスルホン酸無水物、及びメチル基又はニトロ基で置換されていても良いベンゼンスルホン酸無水物からなる群から選ばれる一種以上の化合物である請求項1〜6の何れか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
  8. 前記スルホン酸ハライド又はスルホン酸無水物が、p-トルエンスルホン酸クロライド、トリフルオロメタンスルホン酸クロライド又はトリフルオロメタンスルホン酸無水物である請求項1〜6の何れか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
  9. 二級アルコール構造を有し、末端にグリシジル基を有するエポキシ樹脂を、芳香族第3級アミンの存在下、スルホン酸ハライドを使用して、40〜60℃の範囲で反応させ、二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基を、アリールスルホニルオキシ基又はアルキルスルホニルオキシ基で置換すると共に、主鎖末端のグリシジル基を下記式(19)
    Figure 0004544612
    (式(19)中、Y は置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、Z はハロゲン原子を表す。)
    とするものである請求項1〜8の何れか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
  10. 二級アルコール構造を有し、末端にグリシジル基を有するエポキシ樹脂を、脂肪族3級アミンの存在下、スルホン酸ハライドを使用して、−20〜10℃の範囲で反応させ、主鎖末端にグリシジル基を残存させ、且つ二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基を、アリールスルホニルオキシ基又はアルキルスルホニルオキシ基で置換するものである請求項1〜8の何れか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
  11. 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂における前記二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基が、アリールスルホニルオキシ基、またはアルキルスルホニルオキシ基で置換されてなり、かつ数平均分子量が500〜100000の範囲にあることを特徴とする変性エポキシ樹脂。
  12. 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂中の全ヒドロキシ基の50%以上がアリールスルホニルオキシ基、またはアルキルスルホニルオキシ基で置換されているものである請求項11記載の変性エポキシ樹脂。
  13. 前記エポキシ樹脂が、主鎖末端にグリシジル基を有するエポキシ樹脂であり、当該主鎖末端のグリシジル基が下記式(19)
    Figure 0004544612
    (式(19)中、Y は置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、Z はハロゲン原子を表す。)
    となっている請求項11又は12記載の変性エポキシ樹脂。
  14. 前記エポキシ樹脂が、ジグリシジル化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物とからなる請求項11〜13の何れか1項に記載の変性エポキシ樹脂。
  15. 前記ジグリシジル化合物が、下記式(1)、
    Figure 0004544612
    下記式(2)
    Figure 0004544612
    (式(1)及び式(2)中、Aは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、p、p、p、pは各々独立して0〜3の整数を表し、p、pは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
    下記式(3)
    Figure 0004544612
    (式(3)中、R、Rは、メチル基を表し、p、pは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
    下記式(4)
    Figure 0004544612
    (式(4)中、Bは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R、R10はメチル基を表し、p、p10は各々独立して0〜4の整数を表す。)、
    下記式(5)
    Figure 0004544612
    (式(5)中、Dは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R11、R12はメチル基を表し、p11、p12は各々独立して0〜4の整数を表す。)、
    下記式(6)
    Figure 0004544612
    下記式(7)
    Figure 0004544612
    (式(7)中、qは0〜100の整数を表す。)、
    及び下記式(8)
    Figure 0004544612
    (式(8)中、sは0〜100の整数を表す。)
    からなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項14記載の変性エポキシ樹脂。
  16. 前記芳香族ジヒドロキシ化合物が、下記式(9)
    Figure 0004544612
    下記式(10)
    Figure 0004544612
    (式(9)及び式(10)中、Aは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、p、p、p、pは各々独立して0〜3の整数を表し、p、pは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
    下記式(11)
    Figure 0004544612
    (式(11)中、R、Rは、メチル基を表し、p、pは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
    及び下記式(12)
    Figure 0004544612
    (式(12)中、Bは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、または−SO−を表し、R、R10はメチル基を表し、p、p10は各々独立して0〜4の整数を表す。)
    からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項14又は15に記載の変性エポキシ樹脂。
  17. 前記ヒドロキシ基を置換するアリールスルホニルオキシ基及びアルキルスルホニルオキシ基が、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリクロロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、及び2,4−ジニトロベンゼンスルホニルオキシ基からなる群より選ばれる1種以上の基である請求項11〜16のいずれかに記載の変性エポキシ樹脂。
  18. 前記ヒドロキシ基を置換する基がp−トルエンスルホニルオキシ基、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基である請求項11〜16のいずれかに記載の変性エポキシ樹脂。
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