JP4544612B2 - 変性エポキシ樹脂、および変性エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
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本発明に使用する側鎖ヒドロキシ基を持つ二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂は、グリシジル基含有化合物と芳香族ヒドロキシ基含有化合物との重付加による二段法、あるいはエピハロヒドリンと芳香族ヒドロキシ化合物との重縮合による一段法によって製造されるものであり、その側鎖に、グリシジル基とフェノール性ヒドロキシ基との反応により生じるアルコール性ヒドロキシ基を有するものである。
二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂を与えるグリシジル基含有化合物としては、芳香族ヒドロキシ基含有化合物と反応して、側鎖にヒドロキシ基を与えるものであればよい。また、グリシジル基の数は、その用途に応じて適宜選択すればよいが、2官能性芳香族ヒドロキシ基含有化合物と反応して3次元架橋化することなく、線状エポキシ樹脂を与えるジグリシジル化合物を使用することが好ましい。
二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂を与える芳香族ヒドロキシ基含有化合物としては、上記グリシジル化合物と反応して、側鎖にヒドロキシ基を与えるフェノール性ヒドロキシ基を含有するものであればよい。また一分子中のヒドロキシ基の数は、その用途に応じて適宜選択すればよいが、扱いの容易な線状エポキシ樹脂が得やすいため、芳香族ジヒドロキシ化合物を使用することが好ましい。
本発明の変性エポキシ樹脂の側鎖は、上記した二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の側鎖ヒドロキシ基が、アリールスルホニルオキシ基類やアルキルスルホニルオキシ基類などのスルホニルオキシ基を含有する基で置換された構造を有する。
本発明の変性エポキシ樹脂は、主鎖構造として上記二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の主鎖構造を有し、その側鎖に上記スルホニルオキシ基を含有する基を有する。二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂のまた、分子量は500〜100000の範囲であればよく、例えば、500〜10000の範囲のものは溶解性が高いため好ましく、500〜5000の範囲であればより好ましい。
及び、下記式(16)
から選ばれる少なくとも一種の二価の基を表し、繰り返し単位毎に異なっていてもよい。X2は上記した芳香族ジヒドロキシ化合物由来のキサンテン骨格、ビフェニル骨格、又はジフェニル骨格を有する2価の基を表し、好ましくは上記式(14)〜(17)から選ばれる一種の二価の基を表す。Y1は置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、Z1、Z2はそれぞれ独立して、水素原子、グリシジル基、下記式(18)
で表される1価の基を表す。また、mは1以上の整数であり、好ましくは5〜100の範囲である。]
で表されるエピハロヒドリンと芳香族ジヒドロキシ化合物とから得られる二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂をスルホニルオキシ基含有基で置換した変性エポキシ樹脂、あるいは下記式(20)
及び、下記式(22)
から選ばれる少なくとも一種の二価の基を表し、それぞれ繰り返し単位毎に異なっていてもよい。Y4、Y5はそれぞれ置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。また、n1、n2はそれぞれ1以上の整数であり、好ましくはn1+n2が5〜100の範囲である。]
で表され、その主鎖末端が、末端構造単位が芳香族ジヒドロキシ化合物由来の構造単位である場合には、ヒドロキシ基又は該ヒドロキシ基の水素原子が上記式(18)で置換された基であり、末端構造単位がジグリシジル化合物由来の構造単位である場合にはグリシジル基又は該グリシジル基が上記式(19)で表される基で置換された基であるような、芳香族ジヒドロキシ化合物とジグリシジル化合物とから得られる二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂をスルホニルオキシ基含有基で置換した変性エポキシ樹脂などが好適に使用できる。
本発明の変性エポキシ樹脂は、側鎖のスルホニルオキシ基からオキサゾリンなどのカチオン重合性モノマーをカチオン重合できるので、カチオン重合開始剤として使用でき、エポキシ樹脂を主鎖とし、ポリオキサゾリンなどのカチオン重合体を側鎖とする櫛型ポリマーを製造することができる。本発明の変性エポキシ樹脂は、p−トルエンスルホン酸メチルやトリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸エステル同様、オキサゾリンと加熱条件下で容易に反応し、高い重合収率でポリオキサゾリンを生成でき、また、スルホニルオキシ基とオキサゾリンモノマーとの比率を変えることにより、ポリオキサゾリン側鎖長を制御することもできる。
本発明の変性エポキシ樹脂は、二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂とスルホン酸ハライド、又はスルホン酸無水物とを反応させ、該エポキシ樹脂のヒドロキシ基を、スルホニルオキシ基を含有する基に置換することで容易に製造できる。
[ビフェニレン型線状エポキシ樹脂の合成]
4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.596g(2mmol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル0.372g(2mmol)、トリフェニルフォスフィン2.62mg(0.01mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド2.26gを、窒素雰囲気下、160℃で4時間反応させた。放冷後、N,N−ジメチルアセトアミドで反応液を不揮発分15%に希釈した後、水100ml中に滴下し、得られた白濁分散液を室温で1時間撹拌した。遠心分離後、吸引濾過して得られた沈殿をメタノールで洗浄した後、60℃で減圧乾燥して、ビフェニレン型線状エポキシ樹脂を得た。得られたビフェニレン型線状エポキシ樹脂の収量は0.795g、収率は82%であった。
[キサンテン−ビフェニレン共重合型線状エポキシ樹脂の合成]
2,7−ジグリシジルオキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−9−フェニルキサンテン1.555g(大日本インキ化学工業(株)社製「EXA7335」、3.2mmol)、4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.238g(0.8mmol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル0.670g(3.6mmol)及びエチルトリフェニルフォスフォニウムアセテートの70%メタノール溶液0.0106g(0.02mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド2.463g中、窒素雰囲気下、160℃に加熱攪拌して、4時間反応させた。放冷後、淡黄色透明の半固形反応液をN,N−ジメチルアセトアミド11.495gで希釈し、氷に滴下した。析出した白色塊状沈殿を吸引濾過、氷水洗浄後、塊状沈殿を水200ml中、強力攪拌しながら30分間沸煮した。放冷後、デカンテーションして得られた沈殿を粉砕し、粉末化した沈殿を水、メタノールで洗浄後、60℃で減圧乾燥して、キサンテン−ビフェニレン共重合型線状エポキシ樹脂を得た。得られたキサンテン−ビフェニレン共重合型線上エポキシ樹脂の収量は2.33g、収率は95%であった。
[キサンテン−ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂の合成]
2,7−ジグリシジルオキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−9−フェニルキサンテン1.555g(大日本インキ化学工業(株)社製「EXA7335」、3.2mmol)、4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.238g(0.8mmol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル0.670g(3.6mmol)を、2,7−ジグリシジルオキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−9−フェニルキサンテン1.944g(大日本インキ化学工業(株)社製「EXA7335」、4.0mmol)、ビスフェノールA0.821g(3.6mmol)に変えた以外は、合成例2を実行し、キサンテン−ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂を得た。得られたキサンテン−ビスフェノールA共重合型線上エポキシ樹脂の収量は2.69g、収率は97%であった。
[キサンテン−ビフェニレン−ネオペンチル共重合型線状エポキシ樹脂の合成]
4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.238g(0.8mmol)を、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル0.173g(0.8mmol)に変えた以外は、合成例2を実行し、キサンテン−ビフェニレン−ネオペンチル共重合型線状エポキシ樹脂を得た。得られたキサンテン−ビフェニレン−ネオペンチル共重合型線上エポキシ樹脂の収量は2.28g、収率は95%であった。
[キサンテン−ビフェニレン−水素添加ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂の合成]
4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル0.238g(0.8mmol)を、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル0.282g(0.8mmol)に変えた以外は、合成例2を実行し、キサンテン−ビフェニレン−水素添加ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂を得た。得られたキサンテン−ビフェニレン−水素添加ビスフェノールA共重合型線上エポキシ樹脂の収量は2.42g、収率は96%であった。
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂0.347g(大日本インキ化学工業(株)社製「AM−040−P」、側鎖ヒドロキシ基1mmol)を含むトルエン(0.5ml)−アセトニトリル(0.5ml)混合溶液を窒素雰囲気下、塩を含む氷で氷冷撹拌し、トリエチルアミン0.208ml(1.5mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.5当量),0.152g)、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン0.0166ml(0.1mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の0.1当量),0.013g)を加えた。p−トルエンスルフォン酸クロライド2.09g(1.5mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.5当量))を含むトルエン(1ml)溶液を、窒素雰囲気下、氷冷撹拌しながら滴下した。滴下終了後、同温度で1時間攪拌した後、直ちに水2mlを加え、氷冷下強力撹拌した後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、減圧濃縮した。得られた無色固形物をクロロフォルム1mlで希釈後、メタノール10ml中に撹拌しながら滴下し、生じた淡橙色ゲル状沈殿液を氷冷下、粉砕し、得られた白色粉末沈殿を、吸引濾過、冷メタノール、冷水、冷メタノールの順に洗浄した後、室温で減圧乾燥して、変性エポキシ樹脂(1)を得た。収量は0.348g、収率は69%であった。
δ(ppm):7.81(d),7.27(d),7.14〜7.06(m),6.83(d)−6.63(d),4.99(t),4.21(d)−4.16(d)−4.11(m)−3.91(m),3.33(m),2.88(d),2.74(d),2.40(s),1.58(m)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47g(大日本インキ化学工業(株)社製「AM−040−P」、側鎖ヒドロキシ基10mmol)を含むトルエン(5ml)−アセトニトリル(5ml)混合溶液を窒素雰囲気下、氷冷撹拌し、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン1.83ml(11mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.1当量),1.43g)を加えた。p−トルエンスルフォン酸クロライド2.09g(11mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.1当量))を含むトルエン(10ml)溶液を、窒素雰囲気下、塩を含む氷で氷冷撹拌しながら滴下した。滴下開始後、直ちに発熱し、液温が2℃から7℃に上昇し、白濁した。滴下終了後、1時間氷冷撹拌した後、塩を含まない氷水中で2時間撹拌し、さらに室温で一晩撹拌した。濁りのある微黄色反応液に水20mlを加え、生じた乳白濁液を室温で5時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮した。得られた無色固形物をクロロフォルム10mlで希釈後、メタノール100ml中に滴下し、生じた乳白濁上澄み液をデカンテーションして除き、餅状白色沈殿を冷メタノール50ml中に入れ、硬くなった沈殿を粉砕後、30分間強力撹拌し、吸引濾過、メタノール洗浄後、室温で減圧乾燥して、変性エポキシ樹脂(2)を得た。収量は2.06g、収率は41%であった。
δ(ppm):7.80(d),7.26(d),7.12〜7.06(m),6.83(d)−6.64(d),
5.00(t),4.21(d)−4.15(d),3.97(m),3.31(m),
2.87(d),2.72(d),2.40(s),1.60(s)
合成例1で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビフェニレン型線状エポキシ樹脂0.242g(側鎖ヒドロキシ基1mmol)及びピリジン20mlを、窒素雰囲気下氷冷撹拌し、p−トルエンスルフォン酸クロライド(1.5mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.5当量))及びジメチルアミノピリジン(0.15mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の0.15当量))を加え、1時間氷冷後、室温でさらに24時間撹拌した。反応液を氷水100mlに加え、振とう攪拌した後、冷蔵庫で3晩静置した。無色上澄液をデカンテーションして除き、吸引濾過して得られた粉末状の白色沈殿を氷40gに加え、30分間攪拌した後、吸引濾過、氷水洗浄、冷メタノール洗浄後、30℃で減圧乾燥して変性エポキシ樹脂(3)を得た。収量は0.256g、収率は65%であった。
δ(ppm):7.82(d),7.52−7.03−6.88(m),5.44−5.17(t),4.31−4.10(d,d).
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47g(大日本インキ化学工業(株)社製「AM−040−P」、側鎖ヒドロキシ基10mmol)を含むクロロフォルム溶液10mlを窒素雰囲気下、氷冷撹拌し、ピリジン8.04ml(100mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の10当量),7.90g)を加えた。p−トルエンスルフォン酸クロライド19.0g(100mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の10当量))を含むクロロフォルム溶液10mlを、窒素雰囲気下、氷冷撹拌しながら滴下した後、1時間氷冷撹拌した。さらに40℃で3時間半反応させた後、得られた淡黄色透明液にクロロフォルム70mlを加え、氷冷撹拌下、N,N−ジメチルエチレンジアミン10.74ml(99mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の9.9当量),8.67g)を滴下した。滴下による急激な発熱を、十分氷冷撹拌して液温25℃以下に保った後、得られた黄色液に10%塩酸水溶液100mlを加え、クロロフォルムで抽出した。さらに、10%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、吸引濾過、減圧濃縮した。得られた黄色粘ちょう液をクロロフォルム10mlで希釈後、氷冷撹拌下、メタノール100ml中に滴下し、さらに1時間、氷冷下で攪拌した。得られた黄色沈殿を吸引濾過、メタノール洗浄した後、室温で減圧乾燥して変性エポキシ樹脂(4)を得た。収量は4.34g、収率は83%であった。
δ(ppm):7.80(d),7.27(d),7.07(d),6.65(d),4.99(t)−4.87(t),
4.20(d)−4.14(d)−3.80〜3.74(m),2.40(s),1.60(s)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47gを、合成例2で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するキサンテン−ビフェニレン共重合型線状エポキシ樹脂3.42g(側鎖ヒドロキシ基10mmol)に代えた以外は、実施例4と同様にして、変性エポキシ樹脂(5)を得た。収量は2.97g、収率は60%であった。
δ(ppm):7.82(d),7.41(d),7.27(d),7.18(m),6.81(d),
5.17(s)−5.02(m),4.30(t)−3.88(d),2.45−2.07(m)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47gを、合成例3で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するキサンテン−ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂3.84g(側鎖ヒドロキシ基10mmol)に代えた以外は、実施例4と同様にして、変性エポキシ樹脂(6)を得た。収量は3.44g、収率は64%であった。
δ(ppm):7.81(d),7.34(d)−7.27(d),7.23−7.07(m),6.66(d),
5.14(s)−5.01〜4.88(t),4.19(d)−4.14(d)−3.80〜3.74(m),
2.45−2.09(m),1.61(s)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47gを、合成例4で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するキサンテン−ビフェニレン−ネオペンチル共重合型線状エポキシ樹脂3.33g(側鎖ヒドロキシ基10mmol)に代えた以外は、実施例4と同様にして、変性エポキシ樹脂(7)を得た。収量は2.87g、収率は59%であった。
δ(ppm):7.82(d),7.41(d),7.27(d),7.18(m),6.81(d),
5.17(s)−5.00(m),4.30(d)−3.88(d)−3.80〜3.70(m),3.29(s)
2.45−2.07(m),1.11(s)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂3.47gを、合成例5で得られた側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するキサンテン−ビフェニレン−水素添加ビスフェノールA共重合型線状エポキシ樹脂3.48g(側鎖ヒドロキシ基10mmol)に代えた以外は、実施例4と同様にして、変性エポキシ樹脂(8)を得た。収量は3.02g、収率は60%であった。
δ(ppm):7.82(d),7.40(d),7.27(d),7.18(m),6.81(d),
5.17(s)−4.99(m),4.30(d)−3.88(d)−3.80〜3.71(m),2.83(t)
2.45−2.07(m),1.44(m),1.25〜1.11(m)
側鎖にアルコール性ヒドロキシ基を有するビスフェノールA型線状エポキシ樹脂0.347g(大日本インキ化学工業(株)社製「AM−040−P」、側鎖ヒドロキシ基1.0mmol)を含むクロロフォルム溶液0.5mlを窒素雰囲気下、塩を含む氷で氷冷撹拌し、ピリジン0.096ml(1.2mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.2当量),0.095g)を加えた。トリフルオロメタンスルホン酸無水物0.197ml(1.2mmol(前記エポキシ樹脂中の側鎖ヒドロキシ基の1.2当量))を、窒素雰囲気下、氷冷撹拌しながら滴下した後、2時間氷冷撹拌した。さらに冷水中で2時間反応させた後、得られた少し濁りのある溶液を吸引濾過、減圧濃縮し、変性エポキシ樹脂(9)を得た。収量は0.344g、収率は72%であった。
δ(ppm):7.15(d),6.81(d),5.43(t),4.85(d)−4.33(d)−4.24〜3.90(m),3.33(s),2.88(t),2.74(s),1.63(6s)
実施例4で得られた変性エポキシ樹脂0.354g、2−メチルオキサゾリン1.505g及びN,N−ジメチルアセトアミド1.00mlを、窒素雰囲気下、100℃で48時間攪拌した。得られた黄色の半固形物に酢酸エチル20mlを加え、室温で強力攪拌した後、濾過、酢酸エチル洗浄、減圧乾燥して淡黄色粉末固体1.51gを得た。重合時の収率は92%だった。1H−NMRによる分析から、得られた上記固体は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主鎖とし、ポリメチルオキサゾリンを側鎖とする櫛型ポリマーであることが確認された。これより、側鎖がスルホニルオキシ基を含有する基である本発明の変性エポキシ樹脂は、優れたカチオン重合開始能力を有することが明らかである。
Claims (18)
- 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂を、芳香族3級アミン又は脂肪族3級アミンの存在下、スルホン酸ハライド又はスルホン酸無水物と反応させ、前記エポキシ樹脂中の二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基を、アリールスルホニルオキシ基又はアルキルスルホニルオキシ基で置換することを特徴とする変性エポキシ樹脂の製造方法。
- 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂中のヒドロキシ基に対して、等モル以上のスルホン酸ハライドを用いる請求項1記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
- 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂の全ヒドロキシ基の50%以上がアリールスルホニルオキシ基又はアルキルスルホニルオキシ基で置換されるものである請求項1〜2の何れか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
- 前記エポキシ樹脂が、ジグリシジル化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ樹脂である請求項1〜3のいずれか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
- 前記ジグリシジル化合物が、
下記式(1)
下記式(3)
下記式(4)
下記式(5)
下記式(6)
及び下記式(8)
からなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項4記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。 - 前記芳香族ジヒドロキシ化合物が、下記式(9)
下記式(11)
及び下記式(12)
からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項4又は5に記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。 - 前記スルホン酸ハライド又はスルホン酸無水物が、ハロゲンで置換されていても良いメタンスルホン酸ハライド、メチル基またはニトロ基で置換されていても良いベンゼンスルホン酸クロライド、ナフタレンスルホン酸ハライド、ハロゲンで置換されていてもよいメタンスルホン酸無水物、及びメチル基又はニトロ基で置換されていても良いベンゼンスルホン酸無水物からなる群から選ばれる一種以上の化合物である請求項1〜6の何れか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
- 前記スルホン酸ハライド又はスルホン酸無水物が、p-トルエンスルホン酸クロライド、トリフルオロメタンスルホン酸クロライド又はトリフルオロメタンスルホン酸無水物である請求項1〜6の何れか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
- 二級アルコール構造を有し、末端にグリシジル基を有するエポキシ樹脂を、脂肪族3級アミンの存在下、スルホン酸ハライドを使用して、−20〜10℃の範囲で反応させ、主鎖末端にグリシジル基を残存させ、且つ二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基を、アリールスルホニルオキシ基又はアルキルスルホニルオキシ基で置換するものである請求項1〜8の何れか1項記載の変性エポキシ樹脂の製造方法。
- 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂における前記二級アルコール構造部の側鎖ヒドロキシ基が、アリールスルホニルオキシ基、またはアルキルスルホニルオキシ基で置換されてなり、かつ数平均分子量が500〜100000の範囲にあることを特徴とする変性エポキシ樹脂。
- 二級アルコール構造を有するエポキシ樹脂中の全ヒドロキシ基の50%以上がアリールスルホニルオキシ基、またはアルキルスルホニルオキシ基で置換されているものである請求項11記載の変性エポキシ樹脂。
- 前記エポキシ樹脂が、ジグリシジル化合物と芳香族ジヒドロキシ化合物とからなる請求項11〜13の何れか1項に記載の変性エポキシ樹脂。
- 前記ジグリシジル化合物が、下記式(1)、
下記式(3)
下記式(4)
下記式(5)
下記式(6)
及び下記式(8)
からなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項14記載の変性エポキシ樹脂。 - 前記芳香族ジヒドロキシ化合物が、下記式(9)
下記式(11)
及び下記式(12)
からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項14又は15に記載の変性エポキシ樹脂。 - 前記ヒドロキシ基を置換するアリールスルホニルオキシ基及びアルキルスルホニルオキシ基が、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリクロロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、及び2,4−ジニトロベンゼンスルホニルオキシ基からなる群より選ばれる1種以上の基である請求項11〜16のいずれかに記載の変性エポキシ樹脂。
- 前記ヒドロキシ基を置換する基がp−トルエンスルホニルオキシ基、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基である請求項11〜16のいずれかに記載の変性エポキシ樹脂。
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JP2004027924A JP4544612B2 (ja) | 2004-02-04 | 2004-02-04 | 変性エポキシ樹脂、および変性エポキシ樹脂の製造方法 |
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