JP4544543B2 - 難燃性ポリエステル繊維糸条と防炎処理法 - Google Patents

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Description

本発明は、椅子張地、壁張地、カーペット、カーテン等の内装布帛に使用される難燃性ポリエステル繊維糸条と防炎処理法に関するものである。
ポリエステル繊維糸条の防炎剤には、テトラブロムシクロヘブタン、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールS、ヘキサブロムシクロヘブタン、ヘキサブロムシクロオクタン、ヘキサブロムシクロドデカン、ヘキサブロムナフタレン、ヘキサブロムジフェニルエーテル、デカブロムジフェニルエーテル等の臭素含有化合物が使用されている(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
特開昭50−090796号公報 特開昭57−137377号公報 特開昭62−057985号公報 特開昭63−059475号公報
ポリエステル繊維用防炎剤に使用される臭素含有化合物は水不溶性で高比重であり、処理液槽に沈殿し易く、臭素含有化合物が布帛内部に含浸し難く、ポリエステル繊維に吸着し難く、その吸着斑に起因してポリエステル繊維布帛に色斑が生じ、染色堅牢度を阻害する(例えば、特許文献2、3、4参照)。
そこで、分散剤を配合し、或いは、保護コロイドを使用して臭素含有化合物を処理液中に分散させ、或いは又、バインダーを使用して臭素含有化合物の吸着率を高める方法等がとられるが(例えば、特許2・3参照)、保護コロイドやバインダーの使用は臭素含有化合物の防炎性能を阻害するだけではなく、ポリエステル繊維や処理液槽の汚染を招き、又、防炎処理されたポリエステル繊維糸条に吸着した臭素含有化合物や保護コロイド等が製織過程で汚染物質となって筬や綜絖に付着し、又、防炎性能の低下を招く。
ノンハロゲン系防炎剤、例えば、汎用されるレゾルシノールビス(ジフエニルホスフエート)やトリフエニルホスフエートに代表されるリン系防炎剤は、比較的ポリエステル繊維糸条に吸着し易いと考えられるものの、そのポリエステル繊維糸条に染着していた染料が繊維表面に引き出されて摩擦堅牢度が低下し、ハロゲン系防炎剤に比して防炎性能に劣る。
そこで本発明は、防炎剤の吸着斑による色差や防炎剤による発粉や凝集物による汚染や色斑がなく、防炎性能に優れた難燃性ポリエステル繊維糸条を得ることを目的とする。
本発明に係る防炎処理法は、ポリエステル繊維糸条を巻き上げたチーズのボビンをスピンドルに嵌め込んでチーズ染色釜に装填し、ボビンに開けられている液流孔とスピンドルに開けられている液流孔を通して、染料及び防炎剤を含む防炎処理液をチーズの周面とスピンドルの周面の間を循環させ、その防炎処理液に配合された防炎剤をチーズのポリエステル繊維糸条に付着させるとともに、染料でチーズのポリエステル繊維糸条を染色する防炎処理法において、防炎剤に融点が50℃以上・150℃以下のハロゲン系防炎剤を防炎処理液に配合し、その防炎剤の融点以上の染色処理温度に達する領域で前記ポリエステル繊維糸条をチーズ染色釜内で処理するものであり、染色処理温度に達するまで昇温する温度領域及びその昇温速度を、チーズのポリエステル繊維糸条の固着座席を防炎剤及び染料で奪い合わないように、JIS−Z−8730に規定する色差(ΔE)2以下に制御することを第1の特徴とする。
本発明に係る防炎処理法の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、融点が80℃以上・130℃以下のハロゲン系防炎剤を防炎処理液に配合し、防炎処理時のチーズ染色釜内の染色処理温度をハロゲン系防炎剤の融点よりも高い110℃以上・150℃以下にする点にある。
従って、本発明に係る難燃性ポリエステル繊維糸条は、融点が80℃以上・130℃以下のハロゲン系防炎剤が吸着しており、チーズの内層及び外層におけるJIS−Z−8730に規定される色差(ΔE)が2以下であることを第1の特徴とする。
本発明に係る難燃性ポリエステル繊維糸条の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、ポリエステル繊維糸条の長さ方向における異なる部分と部分との間におけるJIS−Z−8730に規定される色差(ΔE)が2以下である点にある。
チーズ染色釜内部は、高温高圧状態に保たれており、防炎処理液中に分散しているハロゲン系防炎剤粒子は、その融点が150℃以下であることから、形態を変えて流動性を帯びる。
そして、ポリエステル繊維布帛を防炎処理液に浸漬して防炎処理する場合のように、ハロゲン系防炎剤粒子が糸条の表面を滑るように流動するのではなく、チーズ染色釜の中の高温高圧状態においてシリンダー周面とチーズ周面の間でチーズ内部を突き抜けて流動する。
その過程において、防炎剤粒子は、チーズを構成している糸条間だけではなく、各糸条を構成している個々の繊維間を通過して流動し、特に、防炎剤粒子の粒径を1μm以下の粒体とするときは、チーズを構成している全てのポリエステル繊維糸条内部の全てのポリエステル繊維の表面に染着するが如く融着する。
このため、本発明に係る難燃性ポリエステル繊維糸条では、繊維糸条の長さ方向における異なる部分と部分との間におけるJIS−Z−8730に規定される色差(ΔE)が2以下となり、防炎剤の吸着斑による色差や、防炎剤による発粉や凝集物による汚染や色斑がなく、バインダーを必要とせず、防炎剤が糸条内部のポリエステル繊維に融着していることから、製編織過程で編針や筬針、綜絖等に擦れてハロゲン系防炎剤が汚染物質となって脱落することもない。
このように、本発明によると、色斑がなく、製編織過程で汚染物質が発生せず、防炎剤による編針や筬針、綜絖等の腐蝕もなく、防炎性能と均染性と摩擦堅牢度に優れた難燃性ポリエステル繊維糸条が得られる。
ポリエステル繊維糸条の染色処理温度は110℃〜140℃であることから、本発明において融点が80℃以上・150℃以下の防炎剤を使用するときは、染色浴と同浴で防炎処理することが出来る。
融点が50℃以上・150℃以下のハロゲン系防炎剤には、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)[融点113〜119℃]、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)[融点90〜100℃]、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)[融点118〜120℃]、2,4,6−トリブロモフェノール[融点95〜96℃]、オクタブロモジフェニルオキサイド[融点80〜150℃]、テトラブロモシクロオクタン[融点97〜105℃]、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)のビスアクリレート[融点125〜128℃]等の臭素系防炎剤が使用される。
ポリエステル繊維は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、スルホン酸基含有ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートの何れによって構成されるものであってもよいが、好ましいポリエステル繊維はポリエチレンテレフタレート繊維である。
ポリエステル繊維糸条は、有撚紡績糸、無撚結束紡績糸、捲縮加工マルチフィラメント糸、無捲縮加工マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸の何れでもよく、その糸条の形態は特に限定されないが、単繊維繊度が10dtex以下で総繊度は20dtex以上で概して2200dtex以下となる有撚紡績糸、無撚結束紡績糸、捲縮加工マルチフィラメント糸、無捲縮加工マルチフィラメント糸等の多繊糸条、特に、短繊維によって構成されていて繊維毛羽の多い有撚紡績糸や無撚結束紡績糸ではなく、繊維毛羽の生じないマルチフィラメント糸、特に、チーズ内部での防炎剤粒子の流動性の点では捲縮仮撚加工が施されていて嵩高なマルチフィラメント糸であることが望ましい。
ポリエステル繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、丸断面、三角断面、扁平断面等の何れであっても何ら構わない。
ボビンにポリエステル繊維糸条を巻き上げたチーズの巻き硬度は、0.10〜1.50(g/cm3 )に、好ましくは0.15〜1.00(g/cm3)に、更に好ましくは0.25〜0.60(g/cm3 )にする。
チーズの巻き硬度が1.50(g/cm3 )以上になると、防炎剤がチーズの周面とスピンドルの周面の間で循環し難くなり、チーズの外層である周面部分と内層であるボビンの周面部分との間に防炎剤の吸着斑に起因する色差(ΔE)が大きくなり、又、チーズの内層においてポリエステル繊維糸条が扁平断面になって嵩が低くなり易くなる。
一方、チーズの巻き硬度が0.10(g/cm3 )以下になると、チーズ内部での防炎処理液の流れが乱れて防炎剤の吸着斑が生じ、又、チーズの形が崩れてパッケージ状の形状を保ち難くなり、ポリエステル繊維糸条がボビンから擦れ落ちて糸条の解除性が損なわれる。
チーズの巻き硬度が0.10〜1.50(g/cm3 )であれば、チーズの内層と外層の間で巻き硬度に差異が生じても格別不都合は生じない。チーズの形崩れを防止し、そのパッケージ状の形状を保つ上では、その外層を内層よりも稍々固めにすることが望ましい。
チーズの内層におけるポリエステル繊維糸条の扁平化を回避するためには、ボビンにフェルト、編物、織物、スポンジ等の緩衝材を巻き付けておくとよい。
そのフェルト、編物、織物、スポンジ等による緩衝層の厚みは、緩衝材のコストを考慮して30mm以下に、好ましくは20mm以下にする。
ボビンへのポリエステル繊維糸条の巻付量は、ボビン1本当たり150〜2500(g)に、好ましくは、500〜1500(g)にする。
そのようにするのは、その巻き量が150(g)以下であれば処理効率が悪く、その巻き量が2500(g)以上であれば、チーズ内部での防炎処理液の流れが悪く、糸条内部の一本一本のポリエステル繊維に防炎剤粒子が均等に吸着し難く、チーズの外層と内層との間の色差(ΔE)が大きくなるためである。
防炎処理液には、可塑剤、分散剤、抗菌剤、制菌剤、防黴剤、紫外線吸収剤、防汚剤、消臭剤、光触媒剤、撥水剤、撥油剤、帯電防止剤、親水化剤、蛍光増白剤等の機能性加工剤を配合しても構わない。
可塑剤は、ポリエステル繊維に柔軟な風合いを付与するために配合され、それには、含ハロゲンリン酸エステルや含ハロゲン縮合リン酸エステルが使用される。
分散剤にはアニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤を使用するとよい。
しかし、アニオン系界面活性剤は、その配合量が多いほど防炎剤の乳化分散に効果的であるが、防炎処理液が泡立ち易くなる弊害も生じる。
又、ノニオン系界面活性剤は、その配合量が多いほど防炎剤の乳化分散に効果的であるが、防炎処理液と同浴で染色する場合には、緩染効果も大きくなり、染料のポリエステル繊維糸条への染着性を妨げることになる。
従って、分散剤の配合量は、これらの弊害を考慮して設定される。
これらの機能性加工剤やハロゲン系防炎剤と併用するリン系防炎剤は、ハロゲン系防炎剤による難燃効果や染色堅牢度等を考慮して配合される。
本発明においては、防炎剤それ自体がポリエステル繊維に融着するのでバインダーを配合する必要はないが、ポリエステル繊維糸条の耐磨耗性を高めるために所要のバインダーを防炎処理液に配合することが出来る。
防炎剤の粒子径は、平均5μm以下に、好ましくは3μm以下に、更に好ましくは1μm以下にする。そのように防炎剤の粒子径を1μm以下にすると、防炎剤がチーズ内部で流動して糸条内部のポリエステル繊維に均等に融着して難燃効果が高まり、防炎剤の吸着斑による色差(ΔE)が少なく、ポリエステル繊維糸条の耐摩耗性も高まる。
防炎剤の使用量は、ポリエステル繊維糸条の質量に対し固形分で1.5〜15重量%に、好ましくは4.5〜10重量%にする。
その使用量が1.5重量%未満となるときは所期の難燃効果は得難く、その使用量が15重量%を超えるときは不経済になるだけではなく、特に、防炎処理液と同浴で染色する場合は、防炎剤との固着座席の奪い合いによる染料の固着率低下や防炎剤によるタック感(べたつき感)や風合いの低下が生じ易くなる。
ハロゲン系防炎剤には、臭素含有化合物を主成分とする臭素系防炎剤が使用される。
ハロゲン系防炎剤にはリン系防炎剤を併用することが出来、そのリン系防炎剤は、リン酸トリフェニル等の融点が50〜150℃のものであれば、リンとハロゲンを1分子内に有するリン・ハロゲン系防炎剤であってもよい。
チーズ染色釜内での防炎処理温度は防炎剤の融点以上でポリエステル繊維糸条の染色が可能な温度にし、ポリエステル繊維糸条を数分から2時間、好ましくは15〜60分間処理する。
その防炎処理温度が最高処理温度に達するまでの昇温の仕方は、防炎処理液と同浴で染色する場合、染料の染着速度を考慮して決める。
それは、防炎剤の融点前後の温度領域において、防炎剤のポリエステル繊維糸条に対する吸着が活発となり、ポリエステル繊維糸条の固着座席を防炎剤と染料が奪い合うことになることから、この温度領域をコントロールすることがポリエステル繊維糸条の色差を小さく抑えることに繋がることとなる。
尚、防炎処理と染色とをそれぞれ別工程で行ってもよいことは言うまでもないことである。
難燃性ポリエステル繊維糸条の色差(ΔE)は、JIS−Z−8730(2002)(色の表示方法−物体色の色差)におけるL*a*b*表色系によるチーズ内層側試料片とチーズ内層側試料片との色差(ΔE*ab)に基づいて測色される。
そのチーズ内層側試料片とチーズ内層側試料片11は、チーズ染色ボビンに巻き上げられたチーズのボビンに面するチーズ内層のポリエステル繊維糸条とチーズ外周面に面するチーズ外層ポリエステル繊維糸条12を、それぞれ、縦横寸法M・Nが40mmの正方形の台紙13の直交する一辺を幅方向Wとし他辺を長さ方向Lとし、その長さ方向Lに平行に、その台紙13の表面が隙間なくポリエステル繊維糸条12に覆われるように、好ましくは、その台紙の表面におけるポリエステル繊維糸条のカバーファクターK(=[巻付糸密度(本数/25.4mm)×ポリエステル繊維糸条総繊度(dtex)]1/2)が1500〜3000になる程度に、その台紙の幅方向Wの幅20mmの範囲Tに幾重にも平行に揃えて巻付けて調製される(図1)。
難燃性ポリエステル繊維糸条の色差(ΔE)は、その難燃性ポリエステル繊維糸条が織編布帛に織編込まれていても測色することが出来る。
その場合には、その織編込まれている織編布帛を分解して取り出したポリエステル繊維糸条を縦横寸法が40mmの正方形の台紙に幾重にも平行に揃えて巻付けて複数個の試料片を調製し、それらの試料片間の色差(ΔE*ab)を測色する。
難燃性ポリエステル繊維糸条の汚染度は、防炎処理されたチーズの周面と側面の外観と、ボビンの周面からチーズの周面に向けた1cm以内のチーズ内層部分での防炎剤の凝集物や発粉による汚染や色斑の具合を目視して判定される。
難燃性ポリエステル繊維糸条の汚染度についても、色差(ΔE)の場合と同様に、その難燃性ポリエステル繊維糸条が織編布帛に織編込まれていても測色することが出来る。
難燃性ポリエステル繊維糸条の防炎性能は、難燃性ポリエステル繊維糸条によって織編された織編布帛を、JIS−L−1091(1999)(繊維製品の燃焼性試験方法)に規定されるA−1法(45°ミクロバーナ法)とD法(接炎試験)によって試験し区分される。
[実施例1]
外径66mm・筒長さ163mm・液流孔開口部合計面積比率20%のボビンに厚み5mmのポリプロピレン繊維製フェルトを巻付け、そのフェルトの上に、単繊維繊度1.5dtex・総繊度56dtexのマルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条を巻き硬度0.50(g/cm3)として1000g巻き上げたチーズを、チーズ染色釜(株式会社日阪製作所製・竪型円筒形蓋付き高圧染色機)のスピンドルに嵌め込んでチーズ染色釜に装填し、pH調整剤(酢酸と酢酸アンモニウム)と分散剤(アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤)と分散染料を含み、1,2,5,6−テトラブロモシクロオクタン[融点97〜105℃]を主成分として6.75%owf含む防炎処理液を浴比1対15としてチーズ染色釜に注入し、40℃から130℃まで60分間で昇温し、130℃にて40分間防炎処理して1,2,5,6−テトラブロモシクロオクタンをポリエステル繊維糸条に吸着させ、その後、常法に従って冷却、水洗、還元水洗、脱水、乾燥した。
次いで、得られた難燃性ポリエステル繊維糸条を緯糸に使用し、防炎未処理のマルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条(単繊維繊度2.75 dtex・総繊度33×2dtex)を経糸に使用し、経糸密度947(本/100mm)、緯糸密度470(本/100mm)の緯朱子織物を得た。
[実施例2]
実施例1に準じ、(1) 単繊維繊度1.5dtex・総繊度56dtexのマルチフィラメント・2本諸撚りポリエステル繊維糸条(W)を巻き硬度0.50(g/cm3)として1000g巻き上げてpH調整剤と分散剤と分散染料を含み1,2,5,6−テトラブロモシクロオクタンを主成分として4.50%owf含む防炎処理液を浴比1対15としてチーズ染色釜に注入し、
(2) 単繊維繊度0.87dtex・総繊度167dtexのマルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条(X)を巻き硬度0.52(g/cm3 )として500g巻き上げてpH調整剤と分散剤と分散染料を含み1,2,5,6−テトラブロモシクロオクタンを主成分として9.00%owf含む防炎処理液を浴比1対15としてチーズ染色釜に注入し、
(3) 単繊維繊度1.2dtex・総繊度40番手のスパン紡績双糸・ポリエステル繊維糸条(Y)を巻き硬度0.38(g/cm3 )として1260g巻き上げてpH調整剤と分散剤と分散染料を含み1,2,5,6−テトラブロモシクロオクタンを主成分として9.00%owf含む防炎処理液を浴比1対15としてチーズ染色釜に注入し、
(4) 単繊維繊度3.48dtex・総繊度167dtexの捲縮加工マルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条(Z)を巻き硬度0.30(g/cm3)として1000g巻き上げてpH調整剤と分散剤と分散染料を含み1,2,5,6−テトラブロモシクロオクタンを主成分として9.00%owf含む防炎処理液を浴比1対15としてチーズ染色釜に注入し、それぞれ防炎処理して1,2,5,6−テトラブロモシクロオクタンを各ポリエステル繊維糸条(W・X・Y・Z)に吸着させ、それぞれ冷却、水洗、還元水洗、脱水、乾燥した。
次いで、得られたマルチフィラメント・2本諸撚りポリエステル繊維糸条(W)を経糸とし、マルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条(X)とスパン紡績・ポリエステル繊維糸条(Y)と捲縮加工マルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条(Z)を緯糸に使用し、経糸密度684.5本/100mm)、マルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条(X)の緯糸密度384.6(本/100mm)、スパン紡績・ポリエステル繊維糸条(Y)の緯糸密度96.2(本/100mm)、捲縮加工マルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条(Z)の緯糸密度96.2(本/100mm)、トータル緯糸密度577(本/100mm)の緯朱子織物を得た。
[比較例]
1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン[融点173〜195℃]を防炎剤に使用し、実施例1に準じ、単繊維繊度1.5dtex・総繊度56dtexのマルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条を防炎処理した。
次いで、得られた難燃性ポリエステル繊維糸条を緯糸に使用し、防炎未処理のマルチフィラメント・ポリエステル繊維糸条(単繊維繊度2.75dtex・総繊度33×2dtex)を経糸に使用し、経糸密度947(本/100mm)、緯糸密度470(本/100mm)の緯朱子織物を織成した。
実施例1と実施例2と比較例において得られた難燃性ポリエステル繊維糸条の色差(ΔE)と汚染度は、次の表1に示す通りである。
難燃性ポリエステル繊維糸条の汚染度は、防炎処理されたチーズの周面と側面の外観と、ボビンの周面からチーズの周面側に1cm前後接近したチーズ内層での防炎剤の凝集物や発粉による汚染や色斑の具合を目視して調べ、次の基準に従って評価される。
5級: 色斑を看取することが出来ない。
4級: 色斑が微かに看取される。
3級: 色斑が稍々看取される。
2級: 色斑が稍々目立って看取される。
1級: 色斑が明確にハッキリ看取される。
Figure 0004544543
実施例1と実施例2と比較例において得られた緯朱子織物の防炎性能は、次の表2に示す通りである。
尚、防炎性能の試験回数は、JIS−L−1091(A−1法)およびJIS−L−1091(D法)に規定される試験回数よりも少なくしている。
Figure 0004544543
表2が示すように、実施例1・2の緯朱子織物の防炎性能は、比較例の緯朱子織物の防炎性能と同程度か若干優れているが、色彩の点では、表1が示すように実施例1・2の難燃性ポリエステル繊維糸条は、比較例に比して色差(ΔE)が著しく少なく、防炎剤による汚染がなく、無地色の織編布帛に特に最適であることが確認された。
色差測色試料片の斜視図である。
符号の説明
11:試料片
12:糸条
13:台紙

Claims (4)

  1. ポリエステル繊維糸条を巻き上げたチーズのボビンをスピンドルに嵌め込んでチーズ染色釜に装填し、ボビンに開けられている液流孔とスピンドルに開けられている液流孔を通して、染料及び防炎剤を含む防炎処理液をチーズの周面とスピンドルの周面の間を循環させ、その防炎処理液に配合された防炎剤をチーズのポリエステル繊維糸条に付着させるとともに、染料でチーズのポリエステル繊維糸条を染色する防炎処理法において、防炎剤に融点が50℃以上・150℃以下のハロゲン系防炎剤を防炎処理液に配合し、その防炎剤の融点以上の染色処理温度に達する領域で前記ポリエステル繊維糸条をチーズ染色釜内で処理するものであり、染色処理温度に達するまで昇温する温度領域及びその昇温速度を、チーズのポリエステル繊維糸条の固着座席を防炎剤及び染料で奪い合わないように、JIS−Z−8730に規定する色差(ΔE)2以下に制御することを特徴とする防炎処理法。
  2. 融点が80℃以上・130℃以下のハロゲン系防炎剤を防炎処理液に配合し、防炎処理時のチーズ染色釜内の染色処理温度を110℃以上・150℃以下とする前掲請求項1に記載の防炎処理法。
  3. 前掲請求項1記載の防炎処理法で調製された融点が80℃以上・130℃以下のハロゲン系防炎剤が吸着しており、チーズの内層及び外層における色差(ΔE)が2以下でチーズに巻き上げてなる難燃性ポリエステル繊維糸条。
  4. 前掲請求項1記載の防炎処理法で調製された融点が80℃以上・130℃以下のハロゲン系防炎剤が吸着しており、ポリエステル繊維糸条の長さ方向における異なる部分と部分との間における色差(ΔE)が2以下である難燃性ポリエステル繊維糸条。
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