JP4544539B2 - テープカートリッジ用の収納ケース - Google Patents

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Description

本発明は、コンピュータデータ等を記録するためのテープカートリッジ、とくにケース本体の縦横寸法が近似ないし一致していて、ほぼ正方形状に形成してあるテープカートリッジ用の収納ケースに関する。
ケース本体の外郭線がほぼ正方形状に形成してあるテープカートリッジは、例えば特開平11−265560号公報(特許文献1)にみることができる。そこでは、ケース本体の内部に1個のテープリールを収容しているだけであるので、ケース本体を平面から見た場合の外郭形状は、縦横寸法が僅かに違うだけのほぼ正方形状になっている。従って、テープカートリッジを収納するための収納ケースの外郭形状もほぼ正方形状になる。
特開平11−265560号公報
上記のような単リール型のテープカートリッジ用の収納ケースにおいては、テープカートリッジを収納ケースに対して、いずれの方向からでも差し込み装填できる。例えば、収納ケースに対するテープカートリッジの適正な装填方向が、テープカートリッジのテープドライブへの装填方向に一致させてある場合に、前後を逆にして、あるいは左右側面の側からテープカートリッジを収納ケースに支障なく装填でき、間違った装填姿勢であっても左程違和感は無い。このように、間違って装填された収納形態においては、テープカートリッジを収納ケースから取り出した場合に問題を生じる。例えば、収納ケースから抜き出した状態のテープカートリッジを、そのままテープドライブへ装填してしまうおそれがある。装填方向の間違いに気付いたとしても、テープカートリッジがほぼ正方形であるので、その正しい装填方向をとっさに判断できないことがある。
収納ケース自体がほぼ正方形状であるうえ、基準となる指標が無いので、複数の収納ケースを積重ねた場合に、収納ケースの姿勢と向きがばらばらになり、複数のテープカートリッジを重ねた状態のまま、まとめて保管し運搬するような場合に、収納ケースがずれ動いたり、落下して破損することがある。
本発明の目的は、テープカートリッジを収納ケースに装填する際に、使用者の注意力を喚起して、テープカートリッジを収納ケースに対して適正に収納でき、従って、収納ケースから取り出したテープカートリッジを、そのままテープドライブに装填するだけでよいテープカートリッジ用の収納ケース、とくに、正方形状に形成されるテープカートリッジを収納対象とする収納ケースを提供することにある。本発明の他の目的は、収納ケースを積重ねる場合に、その姿勢と向きを正しく揃えることができ、しかも、まとめて運搬するような場合に、収納ケースがずれ動いて落下するのをよく防止できる収納ケースを提供することにある。
本発明の収納ケースCは、図1に示すように、ケース本体1がほぼ正方形状に形成してあるテープカートリッジTを収納対象とする。このテープカートリッジTのケース本体1の上面には、テープドライブへの装填方向を示す装填表示7を形成する。収納ケースCは、四角形状の底壁15を有する身部12と、四角形状の上壁20を有する蓋部13とを一体に形成した角箱状のプラスチック成形品からなり、身部12と蓋部13とはヒンジ部14を介して一体に繋がっている。身部12は底壁15を有し、蓋部13は上壁20を有する。蓋部13を開き揺動して、身部12の上面を開放した状態で、テープカートリッジTを身部12に対して出し入れできる。収納ケースの蓋部13の上壁20外面に、テープカートリッジTの上壁20に設けられた装填表示7と同様のケース表示27を設ける。テープカートリッジTの装填表示7は、蓋部13の上壁20の装填始端寄りに設けられた装填指標8と、蓋部13の上壁20の装填終端寄りに設けられた滑り止め部9とからなる。蓋部13の上壁20の外面に、装填指標8に対応する第1表示28と、滑り止め部9に対応する第2表示29とを設ける。蓋部13の上壁20の外面と身部12の底壁15の外面に、所定の積み重ね状態においてのみ互いに凹凸係合する前後非対称なスタック凹部31及びスタック凸部32を形成する。そして、第1表示28と第2表示29の少なくとも一方の外形線で、上壁20の外面のスタック凹部31またはスタック凸部32の少なくとも一部が囲まれていることを特徴とする。
収納ケースの上壁外面に、前記テープカートリッジの上壁に設けられた装填表示と同様のケース表示を設けるので、テープカートリッジを収納ケースに収納する際に、使用者は必然的に収納ケース側のケース表示を目にすることなる。従って、テープカートリッジの収納時に使用者の注意力を喚起して、適正な姿勢と向きで、テープカートリッジを収納ケースに装填できる。これに伴い、テープカートリッジの使用時には、収納ケースから取り出したテープカートリッジを、そのままテープドライブに装填するだけでよく、とくに、正方形状に形成されるテープカートリッジを収納するのに好適な収納ケースが得られる。
収納ケースの上壁外面と底壁外面に、互いに凹凸係合する関係のスタック凹部およびスタック凸部を形成し、これら両者を、所定の積み重ね状態においてのみ凹凸係合できるようにすると、複数の収納ケースを積み重ねたて運搬するような状態において、収納ケースがずれ動いたり、積層列から落下するのを確実に防止でき、その分だけ収納ケースの取り扱いを容易化できるうえ、収納ケースの破損事故の減少に寄与できる。
収納ケースの上壁外面に、テープカートリッジ側の装填指標に対応する第1表示と、滑り止め部に対応する第2表示とを設けた収納ケースによれば、前後に離れて設けられた第1・第2の両表示によって使用者の注意を促すことができるので、テープカートリッジの収納時に使用者の注意力をさらに効果的に喚起して、適正な姿勢と向きでテープカートリッジを収納ケースに収納できる。
収納ケースの上壁および底壁のそれぞれに、前後非対称のスタック凹部と前後非対称のスタック凸部を形成すると、積み重ねた収納ケースの左右の向きはもちろんのこと、前後の向きまで揃えない限りは、積み重ねた収納ケースが前後いずれかへはみ出るので、全ての収納ケースを正しく積み重ねることを促進し、その取り扱いを容易化できる。
図2および図3は、本発明の収納ケースCが収納対象とする単リール型のテープカートリッジTを示している。図3においてテープカートリッジTは、平面から見た外郭線がほぼ正方形状のケース本体1と、ケース本体1の内部に配置した1個のテープリール2とを有し、テープリール2に巻き込んだ磁気テープ3を、ケース本体1の前面一側に設けたテープ引出口4からケース外へ引き出して、磁気信号を読み書きできるようにしている。このテープ操作のために、磁気テープ3の繰り出し端に先導ピース5が固定してある。テープ引出口4を開閉するために、左右スライド自在なドア6を設け、図示していないばねで閉じ勝手に移動付勢している。
ケース本体1は、それぞれプラスチック成形された上ケース1aと下ケース1bとを蓋合せ状に結合して構成してあり、上ケース1aの上壁外面にテープドライブへの装填方向を示す装填表示7を設けている。装填表示7は、上ケース1aの装填始端側の辺部中央に設けた三角形状の装填指標8と、上ケース1aの装填終端側の辺部に沿って設けた円丘状の滑り止め部9とからなる。装填指標8は浅い凹みとして形成してあり、滑り止め部9は、円丘状の外形線9aの範囲内で、装填終端側の辺部と平行に設けた一群の溝9bで形成してある。装填指標8の側の辺部の一側には三角形状の段落部10が設けてあり、この段落部10もテープカートリッジTの装填方向を特定することに役立っている。なお、この実施例におけるケース本体1の装填方向の奥行き寸法は102mm、左右幅寸法は105.4mmである。
上記のテープカートリッジTを収納保存するための収納ケースCを、図4に示している。収納ケースCは、身部12と蓋部13とを一体に形成した角箱状のプラスチック成形品からなり、身部12と蓋部13とはヒンジ部14(図6参照)を介して一体に繋がっている。身部12は、四角形状の底壁15と、底壁15の後縁から立ち上がる後壁16と、底壁15の前縁および左右側縁に沿ってコ字状に立設される内前壁17および内側壁18とからなり、内側壁18の前よりのそれぞれに蓋部13を閉止保持するための係合溝19が通設してある。テープカートリッジTの出し入れを容易化するために、左右の内側壁18の上下高さは、後壁16の高さ寸法に比べて半分以下の高さに設定され、内前壁17の高さは内側壁18よりさらに小さく設定する。身部12の内法寸法は、テープカートリッジTの奥行き寸法と左右幅寸法より、僅かずつ大きく設定してある。
蓋部13は、身部12の後壁16とヒンジ部14を介して繋がる上壁20を有し、上壁20の前辺部および左右辺部に沿って外前壁21と外側壁22とを一体に設ける。外前壁21は上壁20の前縁より僅かに凹ませてあり、上壁20と外前壁21との間に生じる段部23に指先を引っ掛けて、蓋部13を開き操作できるようにしている。左右の外側壁21の内面前寄りには、先の蓋部13に設けた係合溝19と係合する係合突起24が設けてある。蓋部13を開き揺動して、身部12の上面を開放した状態で、テープカートリッジTを身部12に対して出し入れできる。
テープカートリッジTを収納ケースCへ収納する際に、使用者の注意力を喚起して、テープカートリッジTを収納ケースCに対して適正な姿勢で収納できるようにするために、収納ケースCの上壁20の外面に、テープカートリッジTの上ケース1aに設けた装填表示7と同様のケース表示27を設ける。詳しくは、上壁20におけるテープカートリッジTの装填方向奥端側の辺部中央に、装填指標8と同様の三角形状の第1表示28を設け、上壁12における前側辺部に沿って、滑り止め部9と同様の第2表示29を設ける。
第2表示29は、円丘状の外形線29aの範囲内で、前側辺部と平行に設けた一群の突起29bで形成してある。この第2表示29以外の上壁20の表面を利用して、前後非対称形状のスタック凹部31を設ける。詳しくは、先の外形線29aと、左右および後側の辺部で囲まれる領域を凹ませてスタック凹部31とする。第1表示28は、このスタック凹部31に浅い凹みとして形成する。底壁15には、適正な積み重ね姿勢においてのみ、スタック凹部31と係合する前後非対称形状のスタック凸部32を設ける。具体的には、図5に示すように、スタック凹部31と相似形状で、外形寸法が僅かに小さなスタック凸部32を、底壁15に周回するリブとして突設する。なお、第2表示29は、滑り止め部9とまったく同じパターンである必要はなく、図2に示すように外観上の印象が同じであれば先の突起29bの数は、一群の溝9bの数より少なくてもよい。
上記のように、スタック凹部31とスタック凸部32のそれぞれを非対称形状に形成すると、収納ケースCの向きを奥行き方向に反転して積み重ねた場合には、スタック凸部32をスタック凹部21にぴったりと係合することができず、その一部が前後いずれかへはみ出るので、収納ケースCを積み重ねた向きが間違っていることを即座に判断できる。複数の収納ケースCを適正に積み重ねた状態では、スタック凹部31とスタック凸部32とが係合して、隣り合う収納ケースCどうしが前後および左右方向へずれ動くのを阻止できるので、積み重ねた収納ケースCがずれ動いて落下することも無く、収納庫への出し入れや運搬時の取り扱いを容易化できる。
上記の実施例では、収納ケースCを身部12と蓋部13とで構成したが、その必要はない。例えば、収納ケースCを前壁部分が開口するブックケース上に形成することができる。スタック凹部31を底壁15に設け、スタック凸部32を上壁20に設けることができる。スタック凹部31とスタック凸部32は、それぞれ前後非対称形状であればよく、実施例で説明した形状には限られない。
テープカートリッジと収納ケースの平面図である。 テープカートリッジと収納ケースの斜視図である。 テープカートリッジの内部平面図である。 収納ケースの斜視図である。 収納ケースの底面図である。 収納ケース後部の縦断側面図である。
符号の説明
1 ケース本体
7 装填表示
8 装填指標
9 滑り止め部
20 上壁
27 ケース表示
28 第1表示
29 第2表示

Claims (1)

  1. ケース本体がほぼ正方形状に形成してあるテープカートリッジ用の収納ケースであって、
    前記テープカートリッジのケース本体の上面には、テープドライブへの装填方向を示す装填表示が形成されており、
    前記収納ケースは、四角形状の底壁を有する身部と、四角形状の上壁を有する蓋部とを一体に形成した角箱状のプラスチック成形品からなり、前記身部と蓋部とはヒンジ部を介して一体に繋がっており、
    前記蓋部を開き揺動して、身部の上面を開放した状態で、テープカートリッジを身部に対して出し入れできるようになっており、
    前記収納ケースの蓋部の上壁外面に、前記テープカートリッジの上壁に設けられた装填表示と同様のケース表示が設けてあり、
    前記テープカートリッジの装填表示が、前記蓋部の上壁の装填始端寄りに設けられた装填指標と、前記蓋部の上壁の装填終端寄りに設けられた滑り止め部とからなり、
    前記蓋部の上壁外面に、前記装填指標に対応する第1表示と、前記滑り止め部に対応する第2表示とが設けてあり、
    前記蓋部の上壁外面と前記身部の底壁外面に、所定の積み重ね状態においてのみ互いに凹凸係合する前後非対称なスタック凹部及びスタック凸部が形成してあり、
    前記第1表示と第2表示の少なくとも一方の外形線で、上壁外面のスタック凹部またはスタック凸部の少なくとも一部が囲まれていることを特徴とするテープカートリッジ用の収納ケース。
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