JP4544514B2 - 建設機械用キャブ - Google Patents

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本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に好適に用いられる建設機械用キャブに関する。
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。
また、油圧ショベルには、例えば後方小旋回機と呼ばれる小型の油圧ショベル(以下、小旋回式油圧ショベルという)がある。この小旋回式油圧ショベルは、上部旋回体を上側からみてほぼ円形状に形成することにより、旋回したときにほぼ車幅内に収まるように構成されている。
そして、小旋回式油圧ショベルの上部旋回体は、ベースとなる旋回フレームを有し、該旋回フレーム上には左側に位置してオペレータが乗込むキャブが搭載されている。この油圧ショベルのキャブは、例えば旋回フレーム上に敷設された床板と、該床板上に設けられたオペレータが着座する運転席と、該運転席を囲むように前記床板に取付けられた中空なキャブボックスとを備えている。また、キャブボックスは、上,下方向に延びるピラーが左前、右前、左後、右後の角隅部等に設けられ、該各ピラー間は前面、左側面、右側面、後面となっている。
ここで、油圧ショベルは、例えば傾斜の急な斜面で無理な姿勢で作業を行なった場合に転倒する虞がある。また、油圧ショベルが転倒した場合には、キャブに大きな荷重が作用する。従って、油圧ショベルのキャブは、転倒した場合でも内部で操作を行っているオペレータを保護できるようにキャブの強度を高め、該キャブを構成するキャブボックス等が大きく変形しないようにしている。
そこで、強度を高めたキャブについて説明する。このキャブは、例えばインナパネルと外側のアウタパネルとにそれぞれ上,下方向に延びる断面略コ字状の膨出部を設け、該各膨出部を対向させてインナパネルとアウタパネルとを溶接することにより中空な複数個のピラーを形成している。そして、前記各ピラー内には断面略コ字状の補強板を設けることにより、該各ピラーの強度を高めてキャブボックス全体を高強度に形成している(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−166247号公報
ところで、上述した従来技術によるものでは、各ピラーを中空構造とし、該各ピラーの内部に断面略コ字状の補強板を溶接する構成としているから、キャブボックスを構成する部品点数が多く、また多くの溶接作業が必要になるから組立作業性が悪く、生産性が低下するという問題がある。
しかも、保護対象となるオペレータは、キャブ内のほぼ中央に着座しているから、キャブボックスを構成する各ピラーは、いずれもオペレータが着座する運転席から離れて配置されている。このため、ピラーによってオペレータを保護するためには該ピラーの強度を必要以上に高めなくてはならないという問題がある。
また、キャブボックスには、左後の角隅部と右後の角隅部にそれぞれピラーを設けているから、運転席に着座したオペレータが後を振向いたときには、左,右の角隅部に設けられたピラーが邪魔になり、後方視界がピラーにより損なわれてしまうという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、簡単な構成でオペレータを保護することができ、またオペレータに広い後方視界を提供できるようにした建設機械用キャブを提供することにある。
請求項1の発明による建設機械用キャブは、下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体に設けられ、オペレータが着座する運転席と、該運転席を囲むように設けられ上,下方向に延びる左前、右前、左中間、左後、右後からなる5本のピラー間に前面、左前側面、左後側面、右側面、後面および天面からなる6面を配置することによって、中空な閉塞空間を形成するキャブボックスとを備えている。
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記キャブボックスを形成する左後ピラーは、前記後面と左後側面との境界側で前記運転席の後方位置して当該運転席の幅寸法内に収まる真後の範囲に配設し、前記キャブボックスの左中間ピラーは、前記左前側面と左後側面の境界位置となる前記運転席の左横位置に配設し、前記キャブボックスの左後側面は、前記上部旋回体の後部側が前記下部走行体の車幅内で旋回することができるように、前記左中間ピラーから前記左後ピラーに向けて前記上部旋回体の旋回半径内に収まる円弧状の湾曲面として形成し、前記左後ピラーは、前記左後側面を構成するインナパネルとアウタパネルとを用いて前記後面との境界側を衝合することにより前記左後側面と一体的に形成する構成としたことにある。
請求項の発明によると、前記キャブボックスの左後ピラーは、内部が中空な横断面筒状の強度部材として形成したことにある。
請求項1の発明によれば、キャブボックスを構成する左後ピラーを、後面と左後側面との境界側で運転席の後方位置して当該運転席の幅寸法内に収まる真後の範囲に配設しているから、左後ピラーを運転席の最も近くに配置することができる。これにより、キャブボックスのうち運転席に着座したオペレータに近い部分を左後ピラーにより効率よく強化することができ、キャブボックスの変形をオペレータの位置で最小にすることができる。従って、例えば建設機械が転倒してキャブボックスに大きな荷重が作用した場合でも、キャブボックスの変形をオペレータの位置で小さく抑えることができる。
この結果、キャブボックスを構成する部品点数を少なくできるから、組立作業性を向上することができる。また、各ピラーを細く形成することができるから、キャブボックス内を広くしてオペレータの作業環境を良好にすることができる。
また、キャブボックスを構成する左後ピラーを、後面と左後側面との境界側で運転席の後方位置して当該運転席の幅寸法内に収まる真後の範囲に配設している。このため、キャブボックスの左後ピラーは、運転席に着座したオペレータの後方視界を損なわない範囲で運転席の後方位置に配設することができ、運転席に着座したオペレータが後を振向いたときに左後ピラーが視界を遮ることがない。これにより、オペレータの後方視界を広げることができ、作業性を向上することができる。
また、キャブボックスの左中間ピラーは、運転席の近くに配置しているから、左後ピラーと一緒にキャブボックスのうち運転席に着座したオペレータに近い部分を効率よく強化することができる。
また、キャブボックスの左後側面は、上部旋回体の後部側が前記下部走行体の車幅内で旋回することができるように、左中間ピラーから左後ピラーに向けて前記上部旋回体の旋回半径内に収まる円弧状の湾曲面として形成されている。このため、例えば上部旋回体がほぼ円形状に形成された後方小旋回機と呼ばれる小型の油圧ショベルに用いる場合、左後側面が旋回半径から出ないようにキャブボックスを配置することができるから、旋回半径を小さくして作業性能を向上することができる。
さらに、キャブボックスの左後側面を円弧状の湾曲面とすることにより、平坦面に比較して剛性を高めることができるから、運転席の近傍でキャブボックスの強度をより一層高めることができる。
また、請求項の発明によれば、インナパネルとアウタパネルとを衝合するだけで、キャブボックスの左後ピラーと左後側面とを一体的に形成することができるから、キャブボックスの構成を簡略化して組立作業性等を向上することができる。
請求項の発明によれば、キャブボックスの左後ピラーは、内部が中空な横断面筒状の強度部材として形成しているから、キャブボックスの強度をより一層高めることができ、信頼性、組立作業性等を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械用キャブとして、クローラ式の油圧ショベルに設けられたキャブを例に挙げ、図1ないし図12に従って詳細に説明する。
図1ないし図3において、1は本実施の形態に適用される建設機械としてのキャブ仕様の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4とにより大略構成されている。さらに、油圧ショベル1は、例えば上部旋回体3が下部走行体2の車幅内でほぼ旋回することができる後方小旋回機として構成されている。
また、上部旋回体3は、図4、図5等に示す如く、例えば厚肉な鋼板等を用いて形成された旋回フレーム5と、該旋回フレーム5の後部側に搭載されたエンジン等と、旋回フレーム5の右側から後側に亘って設けられ、燃料タンク、作動油タンク、ラジエータ、オイルクーラ、エンジン、油圧ポンプ(いずれも図示せず)等を覆った外装カバー6と、前記旋回フレーム5の後端部に取付けられたカウンタウエイト7と、旋回フレーム5の左側に設けられた後述のキャブ11とにより大略構成されている。また、上部旋回体3は、図4に示す如く、下部走行体2の車幅内でほぼ旋回できるように、上方からみて略円形状に形成されている。
次に、11は旋回フレーム5の左側に搭載された油圧ショベル1のキャブで、該キャブ11は、オペレータが各種操作を行なう運転室を画成するものである。そして、キャブ11は、防振マウント(図示せず)を介して旋回フレーム5上に取付けられている。また、キャブ11は、図6ないし図8に示す如く、後述の床板12、運転席13、キャブボックス16等によって大略構成されている。
12は旋回フレーム5上に配設された床板で、該床板12は、その前部が旋回フレーム5に設けられた取付台(図示せず)に取付けられている。また、床板12の後側は、ステップ状に立上って運転席台座12Aとなり、該運転席台座12Aの後部が旋回フレーム5の後側に設けられた支持フレーム(図示せず)に取付けられている。
13は床板12の運転席台座12A上に設けられた運転席で、該運転席13は、オペレータが着座するものである。また、運転席13は、後述するキャブボックス16内の後側寄りで左,右方向のほぼ中央部に配設されている。また、運転席13の左,右両側には、作業レバー14が設けられ、前側には床板12の前部に位置して走行レバー・ペダル15が設けられている。そして、運転席13の周囲は後述のキャブボックス16によって覆われている。
16は運転席13を囲むように旋回フレーム5上に設けられたキャブボックスで、該キャブボックス16は、例えば旋回フレーム5側に設けられた防振マウント(図示せず)に床板12と一緒に共締めされている。そして、キャブボックス16は、キャブ11の外形を形成するもので、図6ないし図12に示す如く、上,下方向に延びる後述の左前ピラー17、右前ピラー18、右後ピラー19、センタピラー20、左後ピラー21からなる5本のピラーを有している。また、キャブボックス16には、前記各ピラー17〜21間に前面部16A、右側面部16B、後面部16C、左前側面部16D、左後側面部16Eからなる5面が配置されている。そして、キャブボックス16は、これら5面に天面部16Fを加えた6面によって箱状体として形状され、中空な閉塞空間を形成している。
そこで、キャブ11の外形を形成するキャブボックス16の構成について、詳しく説明する。
17はキャブボックス16の左前部で上,下方向に延びた左前ピラーで、該左前ピラー17は、図7に示すように、上側が後側に向けて僅かに傾き、キャブボックス16の前面部16Aと左前側面部16Dとの間の稜線を形成している。また、左前ピラー17は、図6に示すように例えばパイプ部材を用いて形成されている。この左前ピラー17を形成するパイプ部材は、後述する左後ピラー21を運転席13の後側近傍に配設し、この部分の強度を積極的に高めることにより、単純な筒構造で細いものを使用することができる。
18はキャブボックス16の右前部で上,下方向に延びた右前ピラーで、該右前ピラー18は、キャブボックス16の前面部16Aと右側面部16Bとの間の稜線を形成している。また、右前ピラー18は、左前ピラー17とほぼ同様に、例えば単純な構造で細いパイプ部材を用いて形成されている。
19はキャブボックス16の右後部で上,下方向に延びた右後ピラーで、該右後ピラー19は、キャブボックス16の右側面部16Bと後面部16Cとの間の稜線を形成している。また、右後ピラー19は、左前ピラー17とほぼ同様に、例えば単純な構造で細いパイプ部材を用いて形成されている。
20はキャブボックス16の左側に位置して前,後方向の中間部位に設けられた左中間ピラーとしてのセンタピラーで、該センタピラー20は、左前側面部16Dと左後側面部16Eとの境界位置となる運転席13の左横の近傍に配設されている。また、センタピラー20は、例えば鋼板を断面ほぼコ字状に加工したインナパネル20Aとアウタパネル20Bとを対面させ、この状態で各パネル20A,20Bを溶接手段等を用いて固着することにより、内部が中空な横断面筒状の柱体として形成されている。また、センタピラー20には、後述するドア31が開,閉可能に取付けられている。
21はキャブボックス16の後側に配設された左後ピラーで、該左後ピラー21は、右後ピラー19の左側にキャブボックス16の幅寸法の半分程度の間隔をもって配設されている。そして、左後ピラー21は、図6、図8に示すように、運転席13の後方位置で、該運転席13に着座したオペレータの後方視界を損なわない範囲に配設されている。
詳しくは、運転席13の後側近傍で該運転席13に着座したオペレータが後側に振向いたときに視界の邪魔にならない位置、好ましくは、運転席13の幅寸法内に収まる真後の範囲に配設されている。これにより、左後ピラー21は、例えば油圧ショベル1が転倒したり、重量物が衝突した場合に、キャブボックス16の変形をオペレータ(運転席13)の位置を中心にして効果的に抑えることができる。
また、左後ピラー21を運転席13の後方位置に配設することにより、運転席13に着座したオペレータは、左後を振向くことによってセンタピラー20と左後ピラー21との間に設けられる後述の左後窓ガラス33から左後方の広い範囲を視野とすることができる。一方、オペレータが右後を振向いたときには、右後ピラー19と左後ピラー21との間に設けられる後述の後窓ガラス29から右後方の広い範囲を視野とすることができる。これにより、運転席13に着座したオペレータに広い後方視界を提供することができる。
ここで、左後ピラー21は、後述するインナパネル34とアウタパネル35とを衝合した状態で溶接手段を用いて固着することにより、横断面筒状の柱体として形成され、十分な剛性を有する強度部材として構成されている。これにより、左後ピラー21は、オペレータを保護する上で重要なキャブボックス16の後側中央部分の強度をより一層高めることができる。
また、22はキャブボックス16の左上側に配設された左ルーフピラーで、該左ルーフピラー22は、図10、図11に示す如く、左前ピラー17の上部とセンタピラー20の上部との間をほぼ真直ぐに延び、センタピラー20の上部と左後ピラー21の上部との間を外向きに突出する円弧状に湾曲して延びている。これにより、左ルーフピラー22は、キャブボックス16の左前側面部16D、左後側面部16Eと天面部16Fとの間の稜線を形成している。また、左ルーフピラー22は、左前ピラー17とほぼ同様に、例えばパイプ部材からなり、例えば左前ピラー17、センタピラー20、左後ピラー21の上部に溶接されている。
23はキャブボックス16の右上側に配設された右ルーフピラーで、該右ルーフピラー23は、キャブボックス16の右側面部16Bと天面部16Fとの間の稜線を形成している。また、右ルーフピラー23は、左前ピラー17とほぼ同様に、例えばパイプ部材からなり、例えば右前ピラー18の上部と右後ピラー19の上部に溶接されている。
24はキャブボックス16の前面部16Aを構成する接続板(図9等参照)で、該接続板24は、左前ピラー17の下部と右前ピラー18の下部とを接続している。そして、接続板24は、左前ピラー17、右前ピラー18、ルーフ板36と協働して窓枠を形成し、この窓枠には前窓25が取付けられている。
26はキャブボックス16の右側面部16Bを構成する右側面板(図9、図10等参照)で、該右側面板26の上側には、右ルーフピラー23等との間に右窓ガラス27(図2中に図示)が取付けられている。
28はキャブボックス16の後面部16Cを構成する後面板(図9、図12等参照)で、該後面板28は、上側に位置して右後ピラー19と左後ピラー21とを接続する上側接続板28Aと、下側に位置して右後ピラー19と左後ピラー21とを接続する下側接続板28B,28Cとにより構成されている。また、後面板28には、後窓ガラス29(図3中に図示)が取付けられている。
30はキャブボックス16の左前側面部16Dを構成する乗降口で、該乗降口30は、オペレータがキャブ11に乗り降りするものである。また、乗降口30は、同じく左前側面部16Dを構成するドア31(図1中に図示)によって開,閉することができる。
32はキャブボックス16の左後側面部16Eを構成する左後側面板で、該左後側面板32には、左後窓ガラス33(図1、図3、図5中に図示)が取付けられている。ここで、左後側面板32は、図6、図11に示す如く、センタピラー20から左後ピラー21に向けて外向きに突出する円弧状の湾曲面として形成されている。これにより、左後側面板32は、キャブボックス16内の居住空間を狭めることなく、該キャブボックス16の左後側を上部旋回体3の旋回半径内に収めることができる。また、左後側面板32は、後述のインナパネル34とアウタパネル35とを用いて左後ピラー21と一体的に形成されている。
次に、左後ピラー21と左後側面板32の構成について説明する。この左後ピラー21と左後側面板32は、後述のインナパネル34とアウタパネル35とを対向して固着することにより一体的に形成されている。そこで、左後ピラー21と左後側面板32とを形成するインナパネル34とアウタパネル35の構成について述べる。
34は左後ピラー21と左後側面板32の内面側を形成するインナパネル(図12参照)で、該インナパネル34は、右側に位置して上,下方向に延びた横断面ほぼコ字状の内側膨出部34Aと、該内側膨出部34Aの下側部分から左側に延びた内側パネル部34Bとにより形成されている。また、インナパネル34の内側パネル部34Bは、外向きに突出する円弧状に湾曲している。
また、35は左後ピラー21と左後側面板32の内面側を形成するアウタパネルで、該アウタパネル35は、インナパネル34の内側膨出部34Aに対向するように、右側に位置して上,下方向に延びた横断面ほぼコ字状の外側膨出部35Aと、該外側膨出部35Aから左側に延びた内側パネル部34Bとにより形成されている。また、アウタパネル35の外側パネル部35Bは、インナパネル34の内側パネル部34Bに沿うように外向きに突出する円弧状に湾曲している。
そして、インナパネル34とアウタパネル35とは、各膨出部34A,35Aが対向するように衝合し、この状態で溶接手段を用いて固着することにより、各膨出部34A,35Aによって左後ピラー21を形成し、各パネル部34B,35Bによって左後側面板32を形成することができる。
36はキャブボックス16の天面部16Fを形成するルーフ板で、該ルーフ板36は、左,右方向の両側が左,右のルーフピラー22,23等に溶接手段等を用いて固着されている。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、油圧ショベル1を操作して作業を行なうときの動作について説明する。
まず、オペレータは、キャブ11に搭乗して運転席13に着座する。この状態で走行レバー・ペダル15を操作することにより、下部走行体2のクローラを駆動して油圧ショベル1を前進または後退させることができる。また、運転席13に着座したオペレータは、左,右の作業レバー14を操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
ここで、油圧ショベル1は、例えば急斜面等で無理な姿勢のまま走行したり、作業したときには転倒する虞があり、転倒した場合にはキャブ11に対して大きな荷重が作用する。しかし、本実施の形態によるキャブ11は、キャブボックス16の左後ピラー21を運転席13の後方位置に配設しているから、左後ピラー21は、キャブ11に大きな荷重が作用した場合でも、運転席13の周囲でキャブボックス16が大きく変形するのを防止でき、運転席13に着座したオペレータを保護することができる。
また、左後ピラー21を運転席13の後方位置に配設したことにより、運転席13に着座したオペレータが首を振って後側を振向いても、後方位置の左後ピラー21は視界に入らず邪魔にならないから、オペレータに広い後方視界によって効率よく作業を行なうことができる。
かくして、本実施の形態によれば、キャブボックス16の左後ピラー21を運転席13の後方位置に配設する構成としているから、運転席13を囲むキャブボックス16のうち、運転席13に着座したオペレータに近い部分を左後ピラー21により効率よく強化することができる。従って、例えば油圧ショベル1が転倒してキャブボックス16に大きな荷重が作用した場合でも、キャブボックス16の変形をオペレータの位置で小さく抑えることができる。
この結果、オペレータを保護するのに十分な強度を得ることができるから、該キャブボックス16を構成する部品点数を少なくでき、組立作業性を向上することができる。また、キャブボックス16を構成する各ピラー17〜21等は、例えば細いパイプ部材により形成することができるから、キャブ11内を広くしてオペレータの作業環境を良好にすることができ、さらにオペレータの前方視界等を広げて作業性を向上することができる。
しかも、キャブボックス16の左後ピラー21は、運転席13に着座したオペレータの後方視界を損なわない範囲で当該運転席13の後方位置に配設しているから、オペレータが後側を振向いたときの視野から左後ピラー21を外すことができ、後方視界を広げて作業性を向上することができる。
一方、キャブボックス16には、運転席13の左横近傍にセンタピラー20を配設しているから、左後ピラー21と一緒にキャブボックス16のうち運転席13に着座したオペレータに近い部分を効率よく強化することができる。
また、キャブボックス16の左後側面部16Eは、センタピラー20から左後ピラー21に向けて円弧状の湾曲面として形成しているから、上部旋回体3がほぼ円形状に形成された後方小旋回機と呼ばれる小型の油圧ショベル1にキャブ11を搭載した場合に、左後側面部16Eを旋回半径内に収めることができ、旋回半径を小さくして作業性能を向上することができる。しかも、キャブボックス16の左後側面部16Eを湾曲面として形成することにより、平坦面に比較して剛性を高めることができるから、運転席13の近傍でキャブボックス16の強度をより一層高めることができる。
また、キャブボックス16の左後側面部16Eを構成する左後側面板32と左後ピラー21とは、インナパネル34とアウタパネル35を衝合して溶接することにより一体的に形成することができるから、キャブボックス16の構成を簡略化して組立作業性等を向上することができる。
さらに、キャブボックス16の左後ピラー21は、内部が中空な横断面筒状の強度部材として形成しているから、強度部材からなる左後ピラー21によってキャブボックス16の強度をより一層高めることができ、信頼性、組立作業性等を向上することができる。
なお、実施の形態では、キャブボックス16の左後ピラー21は、運転席13のほぼ真後に配設した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、左後ピラー21は、運転席13の後方位置で該運転席13に着座したオペレータの後方視界を損なわない範囲であれば、運転席13から左,右方向に外れた位置に配設する構成としてもよい。
また、実施の形態では、キャブボックス16の左後ピラー21は、インナパネル34とアウタパネル35とを衝合した状態で溶接することにより左後側面板32と一体的に形成する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、左後ピラー21は、左後側面板32と別個に形成する構成としてもよい。この場合には、左後ピラー21は、例えば左前ピラー17等と同様に、パイプ部材を用いて形成することができる。
さらに、実施の形態では、建設機械用キャブとしてクローラ式の油圧ショベル1に搭載されたキャブ11を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルのキャブに適用してもよい。
本発明の実施の形態に係るキャブを備えた油圧ショベルを示す正面図である。 本発明の実施の形態に係るキャブを備えた油圧ショベルを示す背面図である。 本発明の実施の形態に係るキャブを備えた油圧ショベルを示す右側面図である。 本発明の実施の形態に係るキャブを備えた油圧ショベルを拡大して示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るキャブを備えた油圧ショベルを左後側から示す斜視図である。 ガラスとドアを省略した状態でキャブ内の構成を図1中の矢示VI−VI方向から拡大して示す横断面図である。 ガラスとドアを省略した状態のキャブを拡大して示す正面図である。 ガラスとドアを省略した状態のキャブを拡大して示す右側面図である。 キャブボックス単体を右前側から示す斜視図である。 キャブボックス単体を右後側から示す斜視図である。 キャブボックス単体を左後側から示す斜視図である。 キャブボックスを構成する左後ピラー、右側面板、後面板と、左後側面板を形成するインナパネル、アウタパネルとを分解して示す分解斜視図である。
符号の説明
1 油圧ショベル(建設機械)
5 旋回フレーム
11 キャブ
12 床板
13 運転席
16 キャブボックス
16A 前面部
16B 右側面部
16C 後面部
16D 左前側面部
16E 左後側面部
16F 天面部
17 左前ピラー
18 右前ピラー
19 右後ピラー
20 センタピラー(左中間ピラー)
21 左後ピラー
32 左後側面板
34 インナパネル
35 アウタパネル

Claims (2)

  1. 下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体に設けられ、オペレータが着座する運転席と、該運転席を囲むように設けられ上,下方向に延びる左前、右前、左中間、左後、右後からなる5本のピラー間に前面、左前側面、左後側面、右側面、後面および天面からなる6面を配置することによって、中空な閉塞空間を形成するキャブボックスとを備えてなる建設機械用キャブにおいて、
    前記キャブボックスを形成する左後ピラーは、前記後面と左後側面との境界側で前記運転席の後方位置して当該運転席の幅寸法内に収まる真後の範囲に配設し、
    前記キャブボックスの左中間ピラーは、前記左前側面と左後側面の境界位置となる前記運転席の左横位置に配設し、
    前記キャブボックスの左後側面は、前記上部旋回体の後部側が前記下部走行体の車幅内で旋回することができるように、前記左中間ピラーから前記左後ピラーに向けて前記上部旋回体の旋回半径内に収まる円弧状の湾曲面として形成し、
    前記左後ピラーは、前記左後側面を構成するインナパネルとアウタパネルとを用いて前記後面との境界側を衝合することにより前記左後側面と一体的に形成する構成としたことを特徴とする建設機械用キャブ。
  2. 前記キャブボックスの左後ピラーは、内部が中空な横断面筒状の強度部材として形成してなる請求項1に記載の建設機械用キャブ。
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