JP4543509B2 - 破砕物選別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物となったプラスチックまたはプラスチック複合部材や廃家電製品を破砕した破砕物から、プラスチックを素材別に選別する破砕物選別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、リサイクルプラント業者が一般廃棄物のプラスチック選別装置として、図16に示す横型遠心式の破砕物選別装置を提案している。以下、この装置の構成および動作を説明する。
【0003】
図16に示すように、破砕されたプラスチック群は、循環水とともに原料供給管1から2000r/minで回転する回転胴体2内に供給される。循環水は回転胴体2内で遠心力により略円筒形状に形成され、供給された原料には800m/s程度の遠心力が加わる。
【0004】
このとき、比重が1.0よりも小さいプラスチックは回転胴体2の回転軸側に浮き、回転胴体2よりも回転数が数10r/min上回る軽比重物用スクリューコンベアー3により搬送され、かつ脱水された軽比重物が軽比重物排出口4から排出回収される。一方、比重が1.0よりも大きなプラスチックは、回転胴体2の胴壁に押しつけられ、回転胴体2よりも回転数が数10r/min上回る重比重物用スクリューコンベアー5により搬送され、かつ脱水された重比重物が重比重物排出口6から排出回収される。
【0005】
また、循環水は水位調整弁7より外槽8に設けられた排水口9を経由して、選別前の破砕されたプラスチック群と水の混合タンク(図示せず)へポンプアップされる。なお、10は回転胴体2の駆動モータ、11は選別装置の振動減衰装置である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図16に示す横型遠心式の破砕物選別装置では、回転中心軸を水平方向として、循環水および選別対象物を回転させるため、特に回転立ち上げ時と回転停止時に大きなアンバランスを生じる。このため、大がかりな振動減衰装置11や高トルクの駆動モータ10が必要であった。また、軽比重物と重比重物それぞれを両側へ搬送する専用スクリューコンベアーが必要となる等の問題があった。
【0007】
この結果、横型遠心式破砕物選別装置は、耐振性構造で、かつ複雑な機構となることから高価な装置で汎用性に問題があった。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、運転開始時、運転停止時などの非定常運転時に、回転ドラム内の比重液と選別対象物による回転アンバランスを防止して装置を小型にするとともに、選別対象物を遠心力と重力による2方向の分離力により選別して、選別精度を向上することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、鉛直方向に回転中心軸を有する回転ドラムの内方に比重液を収容し、この回転ドラムの回転中心軸上に回転ドラム内に破砕物を供給する筒体を設け、回転ドラムの底部側の側壁近傍に排出口を有する第1の破砕物回収手段を設けるとともに、回転ドラムの上方部側に前記第1の破砕物回収手段の排出口より回転中心軸側に排出口を有する第2の破砕物回収手段を備えたものである。
【0010】
これにより、回転ドラムが鉛直方向に回転中心軸を有するので、運転開始時、運転停止時などの非定常運転時に、回転ドラム内の比重液と選別対象物による回転アンバランスを防止することができ、大がかりな振動減衰装置や高トルクの駆動モータが必要でなく、装置を小型にできるとともに、選別対象物を遠心力と重力による2方向の分離力により選別することができ、選別精度を向上することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、鉛直方向に回転中心軸を有し内方に比重液を収容する回転ドラムと、この回転ドラムの回転中心軸上に設け前記回転ドラム内に破砕物を供給する筒体と、前記回転ドラムの底部側の側壁近傍に排出口を有する第1の破砕物回収手段と、前記回転ドラムの上方部側に前記第1の破砕物回収手段の排出口より回転中心軸側に排出口を有する第2の破砕物回収手段とを備えたものであり、回転ドラム内に略円筒形状に形成される比重液の回転中心軸を鉛直方向とし、破砕物を回転ドラム内の回転中心軸上に設けた筒体から供給すると、供給された破砕物の内、比重液の比重よりも大きい破砕物(沈む破砕物)と小さい破砕物(浮く破砕物)を回転方向には遠心力で、鉛直方向には重力で分離することができ、比重液よりも比重が大きい破砕物を回転ドラム底部側の第1の破砕物回収手段で回収し、比重液よりも比重が小さい破砕物を回転ドラム上方部に設けた第2の破砕物回収手段で回収することができる。これにより、運転開始時、運転停止時などの非定常運転時に、回転ドラム内の比重液と選別対象物による回転アンバランスを防止することができ、大がかりな振動減衰装置や高トルクの駆動モータが必要でなく、装置を小型にできるとともに、選別対象物を遠心力と重力による2方向の分離力により選別することができ、選別精度を向上することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、第1の破砕物回収手段は、回転ドラムの底部側側壁近傍に設けた第1の排出口から回転中心軸近傍に設けた第2の排出口に至る導入経路を有し、この導入経路に、前記回転ドラムの回転方向に対し、比重液を導入する方向のスパイラル壁を複数個設けたものであり、比重液より比重が大きい破砕物を比重液とともに回転ドラム底部側の側壁近傍から排出する際、スパイラル壁によりポンプ機能を持たせることができて、第1の排出口部と第2の排出口部を介して強制排出することができ、選別処理能力を大幅に増大することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、回転ドラム内に破砕物を供給する筒体の先端部に設けられ前記回転ドラムの内壁方向に延設された吐出口壁の先端を、第2の破砕物回収手段の排出口より回転ドラムの回転中心軸側に設けたものであり、破砕物は比重液とともに回転ドラム内に略円筒状に形成した比重液中に供給され、この結果、選別を阻害する気泡を発生させることなく、また回転中心軸から遠くに供給することで、遠心力を大きく作用させることができ、比重液に浮く側の破砕物の選別精度を向上することができる
【0014】
請求項に記載の発明は、上記請求項1〜に記載の発明において、第2の破砕物回収手段の上方に、破砕物の脱水手段を備えたものであり、比重液の比重よりも小さい破砕物を脱水した状態で回収することができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、上記請求項に記載の発明において、脱水手段は、複数個の水切り口を有する脱水回転槽で構成し、前記水切り口に破砕物目詰まり防止手段を備えたものであり、脱水時に水切り口が破砕物の小片で目詰まりし、脱水性能に支障が生じるのを防止することができる。
【0016】
請求項に記載の発明は、上記請求項に記載の発明において、脱水手段は、脱水水受け槽内に設けた脱水回転槽内に、回転中心軸方向から脱水回転槽方向へ放射状の間隙を有する複数の弾性板を備え、前記間隙の回転中心軸側は概ね破砕物の厚みより小さく構成し、前記複数の弾性板が回転中心軸方向に第2の破砕物回収手段の排出口径(出口口径)以上の略逆円錐形状を形成するようにしたものであり、脱水された比重液の通過路である弾性板の形成する間隙に破砕物の小片が目詰まりしても、遠心力で破砕物の小片は間隙の奥へ移動しようとする。このとき、弾性板がたわみ、また間隙は末広がりとなっているために、一時的に目詰まりした破砕物の小片は、徐々に脱水された比重液とともに排出され、メンテナンスフリーとすることができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、上記請求項4〜6に記載の発明において、脱水手段の上方に、破砕物の乾燥手段を備えたものであり、脱水された破砕物をさらに乾燥した状態にすることができる
【0018】
請求項に記載の発明は、上記請求項1〜に記載の発明において、第2の破砕物回収手段の排出口の外縁の鉛直面近傍から回転ドラム内に破砕物を供給する筒体の外壁間の前記回転ドラム内に比重液の液面位置を検知する液面検知手段を設け、液面制御手段を備えたものであり、回転ドラム内に略円筒状に形成した比重液の回転中心軸側の液面位置を制御することができ、運転中に回転ドラム内に導入される比重液と破砕物の量が変動しても、第2の破砕物回収手段に応じた最適位置に維持することができる。この結果、第2の破砕物回収手段を安定的に動かすことができるとともに、優れた選別精度を維持することができる。
【0019】
請求項に記載の発明は、上記請求項4〜に記載の発明において、回転ドラムの上方部に設けた第2の破砕物回収手段の排出口に連通して、回転ドラム側から出口方向へ排出口径が広がる傾斜面を設けたものであり、排出口を通過した後の隙間は傾斜面によって徐々に広くなるので、破砕物が回転排出機の力で排出口を通過すると、遠心力で上方へ飛ばされて排出される。この結果、破砕物が排出口の経路途中で留まり、回転排出機をロックするのを防止することができる。
【0020】
請求項10に記載の発明は、上記請求項1〜に記載の発明において、回転ドラムは、第1の破砕物回収手段側の内径を第2の破砕物回収手段側の内径よりも徐々に大きくし、回転ドラムの側壁が少なくとも底部側で広がる傾斜としたものであり、比重液よりも比重が大きな破砕物は、回転ドラムの内壁に到達した後、回転ドラムの傾斜した側壁に沿って下部方向の力が遠心力の分力として作用し、回転ドラム内に破砕物が滞留することなく第1の破砕物回収手段から早く排出することができる。
【0021】
請求項11に記載の発明は、上記請求項1〜10に記載の発明において、回転ドラムを定常回転数で定常運転する前後の運転始動時および運転停止時に、前記回転ドラム内に破砕物を含まない比重液だけを導入する比重液供給手段を有するものであり、運転開始時に、回転ドラム内に比重液が略円筒状を形成し、かつ所定の遠心力が作用した状態で選別前の破砕物を回転ドラム内に導入するので、良好な選別精度を得ることができる。また、停止時においては、回転ドラム内の破砕物の選別・回収が終了した後の比重液だけが回転ドラム内にある状態で装置を停止するので、第1の破砕物回収手段側に選別できていない状態の破砕物が流入することと、回転ドラム内に破砕物が残留することを防止することができる。
【0022】
請求項12に記載の発明は、上記請求項1〜11に記載の発明において、回転ドラム内に供給する破砕物と比重液の混合比率を調節可能とする供給手段を有するものであり、回転ドラム内に導入する比重液と破砕物の混合割合が一定の混合液であることから、混合液の混合率の変動が少なく、回転ドラムへの負荷変動を少なくすることができる。この結果、振動減衰装置がなくても運転中に振動を生じるようなことはない。また、回転ドラム内で破砕物を比重差で分離している際に、破砕物の重なりの少ない混合状態に混合率を設定することで、それぞれの破砕物中に異物が巻き込まれるのを防止でき、良好な選別性能を得ることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、使用済み家電製品を破砕後、磁選機で鉄を回収し、つぎに非鉄選別機で非鉄類を回収した後の残渣(プラスチック群)を選別する例について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施例1)
図1に示すように、回転ドラム12は、鉛直方向に回転中心軸を有し、駆動モータ13によりベルト14を介して回転数2000r/minで回転し、この回転ドラム12の回転中心軸上に、破砕物を供給する原料供給管(筒体)15を設け、回転ドラム12の底部側の側壁近傍に排出口16を介して第1の回収用配管(第1の破砕物回収手段)17を設けている。回転ドラム12の上方部側に排出口16より回転中心軸側に排出口18を有する第2の回収用配管(第2の破砕物回収手段)19を設けている。
【0025】
回転ドラム12の内方に、比重液として分離水20を収容し、比重1.0を基準として破砕物を選別(分別)するようにしている。
【0026】
上記構成において動作を説明する。予め、使用済み家電製品の残渣を概ね10mm程度に再破砕し、混合タンク(図示せず)で残渣(破砕物)と水を混合したものを原料供給管15から2000r/minで回転する回転ドラム12内の回転中心軸上に供給する。
【0027】
このとき、回転ドラム12は回転数2000r/minで回転しているので、分離水20は回転ドラム12内で略円筒形状に形成され、比重が1.0以上の残渣aは遠心力で回転ドラム12の側壁側へ移動し、排出口16を介して下部回収用配管17から排出して比重1.0以上の残渣aを回収し、水は混合タンク(図示せず)へ戻し循環させる。
【0028】
一方、比重が1.0よりも小さい残渣bは、分離水20の回転中心軸側の水面に集まり、排出口18を介して第2の回収用配管19から排出し、比重1.0よりも小さい残渣bを回収し、水は同様に混合タンクへ戻し循環させる。
【0029】
この結果、運転開始時、運転停止時などの非定常運転時に、回転ドラム12内の分離水20と残渣(破砕物)による回転アンバランスを防止することができ、大がかりな振動減衰装置や高トルクの駆動モータが必要でなく、装置を小型にできるとともに、残渣(破砕物)を遠心力と重力による2方向の分離力により、従来、廃家電製品の破砕後残渣(ダスト)として利用できなかった大部分プラスチックで構成されたものを、概ね比重0.91のオレフィン系樹脂とその他の樹脂に選別ができ、オレフィン樹脂についてはマテリアルリサイクルが可能である。
【0030】
なお、本実施例では、比重液として分離水20を収容し、比重1.0を基準として破砕物を選別するようにしているが、分離水20に炭酸ソーダ等の塩を加え、比重を調整することにより、さらにその他の樹脂を選別できることはいうまでもない。
【0031】
(実施例2)
図2に示すように、第1の回収用配管17は、回転ドラム12の底部側の側壁近傍に設けた第1の排出口21から回転中心軸近傍に設けた第2の排出口22に至る導入経路23を介して回転ドラム12の内部と連結しており、導入経路23に、図3に示すように、回転ドラム12の回転方向(矢印方向)に対し、分離水20を導入する方向のスパイラル壁24を複数個設けている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0032】
上記構成において動作を説明する。なお、使用済み家電製品の残渣を比重により選別する動作は上記実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0033】
第1の排出口21から回転中心軸近傍に設けた第2の排出口22に至る導入経路23は静止しているが、回転ドラム12が回転しているので、静止している部分は、相対的にポンプのランナーに相当し、比重1.0以上の使用済み家電製品の残渣と循環水を強制排出することができる。この結果、遠心力に加えて、回転ドラム12底部に排出ポンプ機能を付加することができ、選別処理能力を大幅に上げることができる。
【0034】
(実施例3)
図4に示すように、原料供給管(筒体)15の先端部に吐出口壁25を配置し、吐出口26を、下部回収用配管17に連通する排出口16より回転ドラム12の回転中心軸側となるように構成している。他の構成は上記実施例1または2と同じである。
【0035】
上記構成において動作を説明する。なお、使用済み家電製品の残渣を比重により選別する動作は上記実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0036】
使用済み家電製品の残渣(破砕物)は原料供給管15を介して、吐出口26から毎分2000回転している回転ドラム12内に形成された略円筒形状の分離水20内に供給される。このとき、原料供給配管15から吐出口26の間で重力に対する浮力で、上方側に比重1.0よりも小さい残渣が移動し、下方側に比重1.0以上の残渣が移動することにより上下方向に分離し、さらに吐出口26近傍では、吐出口26を回転中心軸から距離が離れているので、強力な遠心力(半径に比例)と浮力で回転ドラム12の内壁側と回転中心軸側に分離することができる。
【0037】
この結果、比重1.0以上の残渣と比重1.0よりも小さい残渣に分離する性能をよくすることができる。すなわち、オレフィン樹脂(比重1.0よりも小さい残渣)をマテリアルリサイクルする上で、異物混入および樹脂の物性ばらつき等の品質を良化することができる。
【0038】
(実施例4)
図5に示すように、回転ドラム12の回転中心軸上に配置した原料供給管15と同心軸に回転ドラム12と異なる回転数(200r/min高い回転数)の回転排出機27を設けている。回転排出機27は、ベルト28、プーリー29、回転シャフト30、プーリー31、ベルト32を介して、モータ33により駆動する。また、ベルト32にはテンションプーリー34を配置している。回転ドラム12の上部には、ブロワー35の配管36を設けている。他の構成は上記実施例3と同じである。
【0039】
上記構成において動作を説明する。使用済み家電製品の残渣は、原料供給管15および吐出口26を介して回転ドラム12内に遠心力で略円筒状に形成した分離水20に供給される。比重が1.0よりも小さい残渣は、分離水20の回転中心軸側の水面に浮上し、回転ドラム12よりも200r/min高い回転数の回転排出機27を介して、上部の第2の回収用配管19から配管36を介したブロアー35の送風力で搬送され回収される。
【0040】
一方、比重が1.0以上の残渣は、回転ドラム12の遠心力で回転ドラム12の内壁側へ移動し、排出口16を介して第1の回収用配管17より排出され回収されるとともに、水は残渣と循環水を混合する混合タンク(図示せず)にもどる。
【0041】
この結果、比重が1.0よりも小さい残渣の排出・回収に循環水をほとんど使用しないので、比重が1.0以上の異物が水の流れに乗って混入するのを防止できる。すなわち、構成は上記実施例1よりも複雑になるが、選別性能における実施例1の欠点を解消し、オレフィン樹脂(比重1.0よりも小さい残渣)をマテリアルリサイクルする上で、異物混入および樹脂の物性ばらつき等の品質を実施例1〜実施例3よりもさらに良化することができる。
【0042】
(実施例5)
図6に示すように、回転ドラム12の上部に、水切り口37を有する脱水回転槽38と脱水水受け槽39と脱水液の排水パイプ(図示せず)および第2の回収用配管19を設けている。他の構成は上記実施例4と同じである。
【0043】
上記構成において動作を説明する。なお、使用済み家電製品の残渣を比重により選別する動作は上記実施例4と同じであるので説明を省略する。
【0044】
比重が1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣は、回転ドラム12よりも200r/min高い回転数の回転排出機27を介して、回転ドラム12と一体に締結された上部の脱水回転槽38に入る。脱水されながら残渣は脱水回転槽38の遠心力で脱水回転槽38の傾斜面に沿って移動し、第2の回収用配管19を介して回収される。
【0045】
一方、脱水された残渣の付着水は脱水回転槽38に設けた水切り口37を介して脱水水受け槽39から脱水液の排水パイプ(図示せず)を介し循環水経路へ排水される。
【0046】
この結果、上記実施例4では、マテリアルリサイクルを目的としたオレフィン系樹脂(比重が1.0よりも小さい残渣)の回収状態は循環水で濡れたものであるが、脱水した状態で回収することができる。
【0047】
(実施例6)
図7に示すように、脱水回転槽38には概ね残渣の再破砕サイズよりも小さな水切り口37を設け、水切り口37の外側全面をカバーする状態に弾性を有する目詰まり防止板40を片持ち式で配置している。ここで、脱水回転槽38と目詰まり防止板40との側面および下部の隙間を約1mmとしている。他の構成は上記実施例5と同じである。
【0048】
上記構成において動作を説明する。なお、使用済み家電製品の残渣を比重により選別する動作は上記実施例5と同じであるので説明を省略する。
【0049】
比重が1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣は、回転ドラム12よりも200r/min高い回転数の回転排出機27を介して、回転ドラム12と一体に締結された上部の脱水回転槽38に入り、脱水される。このとき、水切り口37と目詰まり防止板40の約1mmの隙間の一部をオレフィン系樹脂(比重が1.0よりも小さい残渣)の小片が目詰まりさせる。しかしながら、弾性板の目詰まり防止板40を片持ち式に固定しているので、運転停止時にエアー圧等で瞬間的に隙間を広げることで目詰まりしたものを除去することができる。
【0050】
この結果、上記実施例5の構成で連続運転していると、水切り口37が徐々に目詰まりし、オレフィン系樹脂(比重が1.0よりも小さい残渣)の脱水状態が悪くなるのを防止できるとともに、メンテナンスも容易にできる。
【0051】
(実施例7)
図8に示すように、脱水回転槽38内に、回転中心軸方向から脱水回転槽38方向へ放射状の間隙を有する複数の弾性板41を設け、この弾性板41は回転中心軸側の先端部でそれぞれの弾性板41が形成する隙間が約1mmとなるように配置している。他の構成は上記実施例5と同じである。
【0052】
上記構成において動作を説明する。なお、使用済み家電製品の残渣を比重により選別する動作は上記実施例5と同じであるので説明を省略する。
【0053】
オレフィン系樹脂(比重が1.0よりも小さい残渣)は、弾性板41上で上方向に移動しながら脱水されて排出・回収される。一方、脱水回転槽38で脱水された付着水は、複数の弾性板41により形成する隙間と脱水回転槽38の水切り口37を介して、脱水水受け槽39(図6参照)で回収される。
【0054】
この脱水中に、複数の弾性板41間にオレフィン系樹脂の小片が目詰まりを生じても、隙間を構成している弾性板41が弾性変形を生じ、オレフィン系樹脂の小片は徐々に奥へ移動するが、隙間は末広がりとなっており、やがて外れて脱水回転槽38の水切り口37を通して脱水水受け槽39から脱水液とともに排出される。
【0055】
この結果、上記実施例6のように、目詰まり防止のメンテナンスが必要でなく、メンテナンスフリーとすることができる。
【0056】
(実施例8)
図9に示すように、脱水回転槽38を収容する脱水水受け槽39の上部側壁部と連通した第2の回収用配管19と配管36を設けている。配管36は、脱水回転槽38の回転方向から決まる脱水物の送り出し方向と反対側に位置するように配置し、ブロアー35を設けている。他の構成は脱水手段を除くと上記実施例4と同じである。
【0057】
上記構成において動作を説明する。比重が1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣は、回転ドラム12よりも200r/min高い回転数の回転排出機24を介して、回転ドラム12と一体に締結された上部の脱水回転槽38に入る。脱水されながら残渣は脱水回転槽38の遠心力で脱水回転槽38の傾斜面に沿って移動し、脱水水受け槽39の上部を介して第2の回収用配管19と配管36の連通部分に入る。
【0058】
この連通部分に入った使用済み家電製品の残渣は、配管36を介して、ブロアー35の送風力により第2の回収用配管19内を圧送され回収される。この時の回収物(比重が1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣)は、吸水性が極めて小さく、また、撥水性のオレフィン系樹脂であるため、脱水後の送風で殆ど完全に乾燥することができる。
【0059】
なお、ブロアー35にヒータを設け、温風で実施すれば同等以上の乾燥効果が得られるのはいうまでもない。また、比重が1.0以上の使用済み家電製品の残渣については、上記実施例4の動作と同じである。
【0060】
この結果、脱水だけでなく乾燥した比重1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣(オレフィン系樹脂)を回収することができ、これをマテリアルリサイクルする際の、成形でフラッシュ等の成形品表面に発生する不良を防止することができる。
【0061】
(実施例9)
図10に示すように、原料供給管15の先端部に配置した吐出口壁25と原料供給管15と同心軸に設けた回転排出機27間に、分離ブロック(ブロック)42を原料供給管15に固着している。この分離ブロック42は、排出口18より回転ドラム12の内壁方向に外縁を有するよう構成している。他の構成は上記実施例8と同じである。
【0062】
上記構成において動作を説明する。使用済み家電製品の残渣は原料供給管15を介して吐出口23から2000r/minの回転数で回転している回転ドラム12内に形成された略円筒形状の分離水20内に供給される。分離水20内に供給された使用済み家電製品の残渣を、比重1.0以上のものは回転ドラム12内壁側に、比重1.0よりも小さいものは回転中心軸の水面に遠心力で分離する。
【0063】
このとき、比重1.0以上の使用済み家電製品の残渣の一部が、比重1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣に重なり、見かけ上比重1.0よりも小さい残渣群として分離水20の回転中心軸側の水面を移動する。残渣群は、概ね分離水20と同期して回転しているので、静止している分離ブロック42の表面で摩擦を受け、残渣群は解きほぐされる。
【0064】
このとき、比重1.0よりも大きい残渣は遠心力で回転ドラム12の内壁側に移動して分離水20の回転中心軸側の水面には比重1.0よりも小さな残渣だけが残り、回転排出機27と脱水回転槽38と第2の回収用配管19を介して比重1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣が回収される。なお、比重が1.0以上の使用済み家電製品の残渣の動作については、上記実施例4の動作と同じである。
【0065】
この結果、異物混入のない比重が1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣(オレフィン系樹脂)を回収することができるとともに、選別精度を向上することができる。
【0066】
(実施例10)
図11に示すように、液面検知センサ(液面検知手段)43は、回転ドラム12内に分離水20の液面位置を検知するもので、回転排出機27を収容する排出口18の略鉛直面に設けた第1の検知部43aと、前記鉛直面よりも中心軸側に設けた第2の検知部43bとで構成している。また、流量調節弁(液面制御手段)44を第1の回収用配管17に設けている。他の構成は上記実施例9と同じである。
【0067】
上記構成において動作を説明する。回転数2000r/minで回転する回転ドラム12内に、略10mmの大きさの家電製品の残渣(プラスチック群)と水を混合したものを原料供給管15を介して供給すると、回転ドラム12内に略円筒形状に分離水20を形成する。
【0068】
このとき、回転ドラム12の回転中心軸側の水面位置を液面検知センサ43の第2の検知部43bが検知すると、水面位置が回転ドラム12の内壁側に下がるように流量調節弁44を通常位置よりも開き、第1の検知部43aが水面を検知しなくなると、水面位置が回転ドラム12の回転中心軸側へ上がるように流量調節弁44を通常位置よりも閉じることで水面を第1の検知部43aと第2の検知部43b間に制御する。
【0069】
この結果、一定範囲内に液面を制御できるので、比重が1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣(オレフィン系樹脂)を回転排出機27で安定的に排出して回収することができる。また、必要以上に回転ドラム12内の水を回転排出機27側へ流れることを防止できるので、比重が1.0よりも大きな使用済み家電製品の残渣が異物として流れ込むのを防止することができる。
【0070】
(実施例11)
図12に示すように、回転ドラム12の上方部の排出口18から回転脱水槽38の底面までの経路を、回転脱水槽38の方向へ広がる傾斜面45を設けている。他の構成は上記実施例10と同じである。
【0071】
上記構成において動作を説明する。予め、略10mm程度の大きさに再破砕された使用済み家電製品の残渣を、原料供給管15を介して吐出口26から回転数2000r/minで回転している回転ドラム12内に形成された略円筒形状の分離水20内に供給する。分離水20内に供給された使用済み家電製品の残渣を、比重1.0以上のものは回転ドラム12の内壁側に、比重1.0よりも小さいものは回転中心軸の水面に遠心力で分離する。
【0072】
回転排出機27は、排出口18から回転中心軸の水面に浮上した比重1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣を上方の回転脱水槽38へ送る。このとき、排出口18内に送り込まれた使用済み家電製品の残渣は、遠心力が作用して傾斜面45を上方に移動し、回転脱水槽38内に入る。同様に、回転脱水槽38の斜面を介して脱水された使用済み家電製品の残渣はブロワー35の送風力で第2の回収用配管19より回収される。
【0073】
なお、比重が1.0以上の使用済み家電製品の残渣の動作については、上記実施例4の動作と同じである。
【0074】
この結果、略10mm程度の使用済み家電製品の残渣が詰まり易い排出口18と回転排出機27との隙間を入口部分を越えた後は、遠心力で移動させる広い空間としているので詰まりを生じることがなく、回転排出機27をロックするのを防止することができる。
【0075】
(実施例12)
図13に示すように、回転ドラム12aは、上部側内径よりも底側内径を徐々に大きくし、回転ドラム12aの側壁が少なくとも底部側で広がる傾斜としている。他の構成は上記実施例11と同じである。
【0076】
上記構成において動作を説明する。使用済み家電製品の残渣は原料供給管15を介して吐出口26から回転数2000r/minで回転している回転ドラム12a内に形成された略円筒形状の分離水20内に供給される。分離水20内に供給された使用済み家電製品の残渣を、比重1.0以上のものは回転ドラム12aの内壁側に、比重1.0よりも小さいものは回転中心軸の水面に遠心力で分離する。
【0077】
このとき、分離された比重1.0以上の使用済み家電製品の残渣は、遠心力で回転ドラム12の内壁側に移動し、さらに回転ドラム12内壁の斜面で速やかに底面へ移動し、排出口16と第1の回収用配管17を介して回収され、水は混合タンク(図示せず)へ戻し循環させる。
【0078】
一方、比重が1.0よりも小さい残渣は分離水20の回転中心軸側の水面に集まり、上記実施例4の動作と同様にして回収される。
【0079】
この結果、回転ドラム12aの内壁側へ分離された比重が1.0よりも大きい使用済み家電製品の残渣は、重力だけで下部の排出口16まで移動するのではなく、斜面に沿った遠心力の分力が作用するので、効率よく下部から排出することができる。
【0080】
(実施例13)
図14に示すように、使用済み家電製品の残渣を再破砕する2次破砕機46と、2次破砕機46で再破砕した使用済み家電製品の残渣と循環水を混合する混合タンク47と、上記実施例12の破砕物選別装置(詳細は図示せず)48をポンプ49を介して配置し、破砕物選別装置48の下部配管は、脱水分離機50に配管し、脱水分離機50はポンプ51を介して水槽52に配管し、水槽52はポンプ53を介して混合タンク47に配管するとともに、ポンプ54を介して破砕物選別装置48に配管している。ここで、水槽52とポンプ54とで比重液供給手段を構成している。さらに、破砕物選別装置48の上部からの回収用にサイクロン55を介して運搬車56を配置し、脱水分離機50からの回収用に運搬車57を配置している。
【0081】
上記構成において動作を説明する。運転を開始すると、水槽52から循環水をポンプ54を介して破砕物選別装置48に供給する。供給された循環水は破砕物選別装置48の回転ドラム(図示せず)内に略円筒形状の分離水を形成する。一方、混合タンク47には、水槽52から循環水と2次破砕機46から使用済み家電製品の残渣を再破砕した略10mm程度のものが供給され、混合タンク47内で使用済み家電製品の残渣と循環水が十分に混合された後に、破砕物選別装置48にポンプ49を介して供給を開始する。
【0082】
これと同時にポンプ54を停止し、破砕物選別装置48で選別された比重が1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣は、回転排出機(図示せず)と脱水回転槽(図示せず)とブロワー(図示せず)とサイクロン55を介して回収用の運搬車56に回収される。
【0083】
一方、比重が1.0よりも大きな使用済み家電製品の残渣と循環水は、脱水分離機50に供給され、脱水された比重が1.0よりも大きな使用済み家電製品の残渣は、回収用の運搬車57に回収され、循環水だけがポンプ51を介して水槽52へ戻される。
【0084】
つぎに、停止時の説明をすると、水槽52からポンプ54を介して破砕物選別装置48へ循環水を供給を再開すると同時に、ポンプ49と2次破砕機46とポンプ53を停止して混合タンク47からの供給を停止し、破砕物選別装置48から使用済み家電製品の残渣を完全に排出した後にポンプ54を停止し、破砕物選別装置48と脱水分離機50の循環水が水槽52に回収されるとポンプ51を停止し、全体を停止させる。
【0085】
この結果、常に破砕物選別装置48内に略円筒形状の分離水を形成した状態で使用済み家電製品の残渣を選別するので、十分に遠心力が作用した状態で比重差による選別の精度を確保することができる。また、破砕物選別装置48の停止は、破砕物選別装置48内から使用済み家電製品の残渣を完全に排出した後に行うので、破砕物選別装置48の排出系の狭い部分での使用済み家電製品の残渣による詰まり等の異常を生じることがない。
【0086】
(実施例14)
図15に示すように、混合タンク47には、2次破砕機46からの供給する手段として定量供給機58を介しており、また、水槽52から循環水を供給するポンプ53には定量供給弁59を介した構成としている。ここで、定量供給機58と定量供給弁59は、混合比率を調節可能とする供給手段を構成している。他の構成は上記実施例13と同じである。
【0087】
上記構成において動作を説明する。混合タンク47において循環水と使用済み家電製品の残渣を混合するとき、混合タンク47には、水槽52からポンプ53と定量供給弁59を介して一定流量の循環水が供給され、2次破砕機46と定量供給機58を介して使用済み家電製品の残渣を再破砕した略10mm程度のものが定量的に供給され、混合タンク47内で、使用済み家電製品の残渣を略2wt%含む循環水となる。循環水が十分に混合された後に、破砕物選別装置48にポンプ49を介して供給する。
【0088】
破砕物選別装置48で選別された比重が1.0よりも小さい使用済み家電製品の残渣は、回転排出機(図示せず)と脱水回転槽(図示せず)とブロワー(図示せず)を介して回収用の運搬車56に回収され、一方、比重が1.0よりも大きな使用済み家電製品の残渣と循環水は脱水分離機50に供給され、脱水された比重が1.0よりも大きな使用済み家電製品の残渣は、回収用の運搬車57に回収され、循環水だけがポンプ51を介して水槽52へ戻される。なお、運転開始時および停止時の動作は上記実施例13の動作と同じである。
【0089】
この結果、破砕物選別装置48内で使用済み家電製品の残渣が重なり合うことを防止でき、選別精度が向上することができる。また、破砕物選別装置48内に供給される使用済み家電製品の残渣が一定化するので、回転排出機の排出能力を越えることがなく、使用済み家電製品の残渣が破砕物選別装置48内につまるようなトラブルを防止することができる。
【0090】
なお、本実施例では、混合比率を調節可能とする供給手段として、定量供給機58と定量供給弁59を設けているが、いずれか一方を設けるだけでもよく、同様の作用効果を得ることができる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、鉛直方向に回転中心軸を有し内方に比重液を収容する回転ドラムと、この回転ドラムの回転中心軸上に設け前記回転ドラム内に破砕物を供給する筒体と、前記回転ドラムの底部側の側壁近傍に排出口を有する第1の破砕物回収手段と、前記回転ドラムの上方部側に前記第1の破砕物回収手段の排出口より回転中心軸側に排出口を有する第2の破砕物回収手段とを備えたから、運転開始時、運転停止時などの非定常運転時に、回転ドラム内の比重液と選別対象物による回転アンバランスを防止することができ、大がかりな振動減衰装置や高トルクの駆動モータが必要でなく、装置を小型にできるとともに、選別対象物を遠心力と重力による2方向の分離力により選別することができ、選別精度を向上することができる。
【0092】
また、請求項2に記載の発明によれば、第1の破砕物回収手段は、回転ドラムの底部側側壁近傍に設けた第1の排出口から回転中心軸近傍に設けた第2の排出口に至る導入経路を有し、この導入経路に、前記回転ドラムの回転方向に対し、比重液を導入する方向のスパイラル壁を複数個設けたから、比重液より比重が大きい破砕物を比重液とともに回転ドラム底部側の側壁近傍から排出する際、スパイラル壁によりポンプ機能を持たせることができて強制排出することができ、選別処理能力を大幅に増大することができる。
【0093】
また、請求項3に記載の発明によれば、回転ドラム内に破砕物を供給する筒体の先端部に設けられ前記回転ドラムの内壁方向に延設された吐出口壁の先端を、第2の破砕物回収手段の排出口より回転ドラムの回転中心軸側に設けたから、回転ドラム内に形成されている略円筒形状の比重液中へ、破砕物に遠心力を最大限作用させた状態で供給できるので、選別精度を向上することができ、また、比重液中に破砕物と比重液の混合液を供給するので、供給時に選別を阻害する気泡を発生させることがなく、比重液に浮く側の破砕物に気泡付着による異物混入を防止することができる
【0094】
また、請求項に記載の発明によれば、第2の破砕物回収手段の上方に、破砕物の脱水手段を備えたから、比重液の比重よりも小さい破砕物を脱水した状態で回収することができる。
【0095】
また、請求項に記載の発明によれば、脱水手段は、複数個の水切り口を有する脱水回転槽で構成し、前記水切り口に破砕物目詰まり防止手段を備えたから、脱水時に水切り口が破砕物の小片で目詰まりし、脱水性能に支障が生じるのを防止することができる。
【0096】
また、請求項に記載の発明によれば、脱水手段は、脱水水受け槽内に設けた脱水回転槽内に、回転中心軸方向から脱水回転槽方向へ放射状の間隙を有する複数の弾性板を備え、前記間隙の回転中心軸側は概ね破砕物の厚みより小さく構成し、前記複数の弾性板が回転中心軸方向に第2の破砕物回収手段の排出口径(出口口径)以上の略逆円錐形状を形成するようにしたから、脱水された比重液の通過路である弾性板の形成する間隙に破砕物の小片が目詰まりしても、遠心力で破砕物の小片は間隙の奥へ移動しようとする。このとき、弾性板がたわみ、また間隙は末広がりとなっているために、一時的に目詰まりした破砕物の小片は、徐々に脱水された比重液とともに排出され、メンテナンスフリーとすることができる。
【0097】
また、請求項に記載の発明によれば、脱水手段の上方に、破砕物の乾燥手段を備えたから、脱水された破砕物をさらに乾燥した状態にすることができる。なお、廃家電製品の場合には、選別したプラスチックをマテリアルリサイクルの際に、乾燥した再生材を提供することで、成形品表面にフラッシュ等の不良発生を防止することができる
【0098】
また、請求項に記載の発明によれば、第2の破砕物回収手段の排出口の外縁の鉛直面近傍から回転ドラム内に破砕物を供給する筒体の外壁間の前記回転ドラム内に比重液の液面位置を検知する液面検知手段を設け、液面制御手段を備えたから、回転ドラム内に略円筒状に形成した比重液の回転中心軸側の液面位置を制御することができ、運転中に回転ドラム内に導入される比重液と破砕物の量が変動しても、第2の破砕物回収手段に応じた最適位置に維持することができ、第2の破砕物回収手段を安定的に動かすことができるとともに、優れた選別精度を維持することができる。
【0099】
また、請求項に記載の発明によれば、回転ドラムの上方部に設けた第2の破砕物回収手段の排出口に連通して、回転ドラム側から出口方向へ排出口径が広がる傾斜面を設けたから、排出口を通過した後の隙間は傾斜面によって徐々に広くなるので、破砕物が回転排出機の力で排出口を通過すると、遠心力で上方へ飛ばされて排出され、破砕物が排出口の経路途中で留まり、回転排出機をロックするのを防止することができる。
【0100】
また、請求項10に記載の発明によれば、回転ドラムは、第1の破砕物回収手段側の内径を第2の破砕物回収手段側の内径よりも徐々に大きくし、回転ドラムの側壁が少なくとも底部側で広がる傾斜としたから、比重液よりも比重が大きな破砕物は、回転ドラムの内壁に到達した後、回転ドラムの傾斜した側壁に沿って下部方向の力が遠心力の分力として作用し、回転ドラム内に破砕物が滞留することなく第1の破砕物回収手段から早く排出することができる。
【0101】
また、請求項11に記載の発明によれば、回転ドラムを定常回転数で定常運転する前後の運転始動時および運転停止時に、前記回転ドラム内に破砕物を含まない比重液だけを導入する比重液供給手段を有するから、運転開始時に、回転ドラム内に比重液が略円筒状を形成し、かつ所定の遠心力が作用した状態で選別前の破砕物を回転ドラム内に導入するので、良好な選別精度を得ることができる。また、停止時においては、回転ドラム内の破砕物の選別・回収が終了した後の比重液だけが回転ドラム内にある状態で装置を停止するので、第1の破砕物回収手段側に選別できていない状態の破砕物が流入することと、回転ドラム内に破砕物が残留することを防止することができる。
【0102】
また、請求項12に記載の発明によれば、回転ドラム内に供給する破砕物と比重液の混合比率を調節可能とする供給手段を有するから、回転ドラムの容量、第1および第2の破砕物回収手段の回収能力、選別処理量、選別物の構成、選別精度等を勘案し、比重液と破砕物の混合比率を調整することができる。なお、破砕物の混合比率を低くすることで、破砕物間の重なりが少なく、選別精度を向上することができ。また、回転ドラム内への混合液導入量を増すことで処理量をカバーできることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の破砕物選別装置の断面図
【図2】 本発明の第2の実施例の破砕物選別装置の断面図
【図3】 同破砕物選別装置の第1の破砕物回収手段の要部下面図
【図4】 本発明の第3の実施例の破砕物選別装置の断面図
【図5】 本発明の第4の実施例の破砕物選別装置の断面図
【図6】 本発明の第5の実施例の破砕物選別装置の断面図
【図7】 (a)本発明の第6の実施例の破砕物選別装置の一部切欠した要部斜視図
(b)同破砕物選別装置の要部断面図
【図8】 本発明の第7の実施例の破砕物選別装置の一部切欠した要部斜視図
【図9】 本発明の第8の実施例の破砕物選別装置の断面図
【図10】 本発明の第9の実施例の破砕物選別装置の断面図
【図11】 (a)本発明の第10の実施例の破砕物選別装置の断面図
(b)同破砕物選別装置のA部拡大断面図
【図12】 本発明の第11の実施例の破砕物選別装置の断面図
【図13】 本発明の第12の実施例の破砕物選別装置の断面図
【図14】 本発明の第13の実施例の破砕物選別装置のシステム構成図
【図15】 本発明の第14の実施例の破砕物選別装置のシステム構成図
【図16】 従来の破砕物選別装置の断面図
【符号の説明】
12 回転ドラム
15 原料供給管(筒体)
16 排出口
17 第1の回収用配管(第1の破砕物回収手段)
18 排出口
19 第2の回収用配管(第2の破砕物回収手段)
20 分離水(比重液)

Claims (12)

  1. 鉛直方向に回転中心軸を有し内方に比重液を収容する回転ドラムと、この回転ドラムの回転中心軸上に設け前記回転ドラム内に破砕物を供給する筒体と、前記回転ドラムの底部側の側壁近傍に排出口を有する第1の破砕物回収手段と、前記回転ドラムの上方部側に前記第1の破砕物回収手段の排出口より回転中心軸側に排出口を有する第2の破砕物回収手段とを備えた破砕物選別装置。
  2. 第1の破砕物回収手段は、回転ドラムの底部側側壁近傍に設けた第1の排出口から回転中心軸近傍に設けた第2の排出口に至る導入経路を有し、この導入経路に、前記回転ドラムの回転方向に対し、比重液を導入する方向のスパイラル壁を複数個設けた請求項1記載の破砕物選別装置。
  3. 回転ドラム内に破砕物を供給する筒体の先端部に設けられ前記回転ドラムの内壁方向に延設された吐出口壁の先端を、第2の破砕物回収手段の排出口より回転ドラムの回転中心軸側に設けた請求項1または2記載の破砕物選別装置。
  4. 第2の破砕物回収手段の上方に、破砕物の脱水手段を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の破砕物選別装置。
  5. 脱水手段は、複数個の水切り口を有する脱水回転槽で構成し、前記水切り口に破砕物目詰まり防止手段を備えた請求項4記載の破砕物選別装置。
  6. 脱水手段は、脱水水受け槽内に設けた脱水回転槽内に、回転中心軸方向から脱水回転槽方向へ放射状の間隙を有する複数の弾性板を備え、前記間隙の回転中心軸側は概ね破砕物の厚みより小さく構成し、前記複数の弾性板が回転中心軸方向に第2の破砕物回収手段の排出口径以上の略逆円錐形状を形成するようにした請求項記載の破砕物選別装置。
  7. 脱水手段の上方に、破砕物の乾燥手段を備えた請求項4〜6のいずれか1項に記載の破砕物選別装置。
  8. 第2の破砕物回収手段の排出口の外縁の鉛直面近傍から回転ドラム内に破砕物を供給する筒体の外壁間の前記回転ドラム内に比重液の液面位置を検知する液面検知手段を設け、液面制御手段を備えた請求項〜7のいずれか1項に記載の破砕物選別装置。
  9. 回転ドラムの上方部に設けた第2の破砕物回収手段の排出口に連通して、回転ドラム側から出口方向へ排出口径が広がる傾斜面を設けた請求項〜8のいずれか1項に記載の破砕物選別装置。
  10. 回転ドラムは、第1の破砕物回収手段側の内径を第2の破砕物回収手段側の内径よりも徐々に大きくし、回転ドラムの側壁が少なくとも底部側で広がる傾斜とした請求項1〜9のいずれか1項に記載の破砕物選別装置。
  11. 回転ドラムを定常回転数で定常運転する前後の運転始動時および運転停止時に、前記回転ドラム内に破砕物を含まない比重液だけを導入する比重液供給手段を有する請求項〜10のいずれか1項に記載の破砕物選別装置。
  12. 回転ドラム内に供給する破砕物と比重液の混合比率を調節可能とする供給手段を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の破砕物選別装置。
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