JP4543246B2 - 有機物含有排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、下水、し尿、工場排水などの有機物含有排水を生物学的に処理する有機物含有排水の処理方法及び処理装置に関するものである。
一般に、有機物含有排水を生物学的処理すると、排水中の有機物は水と炭酸ガスとに分解されるが、それに伴って余剰汚泥が発生する。余剰汚泥は、脱水処理された後に、多くの場合埋め立て処理されるが、埋立地が枯渇してくるなど、余剰汚泥の処理処分は、大きな社会問題となっている。
そこで、従来、余剰汚泥を嫌気性消化処理する場合もある。しかしながら、余剰汚泥の内容は、そのほとんどが余剰に増殖した微生物であるため、堅い細胞膜に囲まれており、約30日間という長期間をかけても、消化率が50%であるという現状であり、嫌気性消化の処理が難しいという問題があった。
また、例えば図4に示すように、従来の有機物含有排水の処理方法において、下水などの有機物含有排水よりなる原水を供給管(24)によって最初沈殿槽(21)に供給し、該沈殿槽(21)において発生した初沈汚泥を分離して、沈殿槽(21)の底部から初沈汚泥排出管(31)から取り出し、さらに余剰汚泥排出管(30)から外部に排出するとともに、最初沈殿槽(21)の上部から流出する処理排水を流送管(25)によって曝気槽(22)に導いて、有機物含有排水の生物学的処理を行なっていた。そして、曝気槽(22)での生物学的処理の終了後、曝気槽(22)からの余剰汚泥を含む流出水を、流送管(26)から後段沈殿槽(23)に導入し、後段沈殿槽(23)において余剰汚泥を分離させて、後段沈殿槽(23)上部の排出管(27)から余剰汚泥を含まない処理水を排出する。一方、後段沈殿槽(23)において分離した余剰汚泥を後段沈殿槽(23)底部の排出管(28)から取り出し、その一部を、曝気槽の汚泥濃度を維持するために、汚泥返送管(29)を経て曝気槽(22)に返送して、最初沈殿槽(21)からの初沈汚泥除去原水と一緒に生物学的処理を行ない、余剰汚泥の残部は、余剰汚泥排出管(30)から初沈汚泥と共に外部に排出していた。
しかしながら、このような従来法によれば、前述のように、余剰汚泥は堅い細胞膜に囲まれているため、余剰汚泥の一部を曝気槽(22)にそのまま戻しても、充分な余剰汚泥減量の効果が得られないという問題があった。
そこで、上記の従来の問題を解決するために、下記の先行特許文献に記載の有機物含有排水の処理方法が開発された。
特開2002−248500号公報 この特許文献1に記載の発明は、例えば図5に示すように、有機物含有排水よりなる原水を供給管(42)によって、有機物を生物学的に分解処理する有機物除去槽(曝気槽)(41)に導入し、該有機物除去槽(41)において原水中の有機物を生物学的に処理し、有機物除去槽(41)の内部には膜分離装置(図示略)が浸漬されており、有機物除去槽(曝気槽)(41)の底部から余剰汚泥を含む汚泥混合液を汚泥抜き出し管(44)によって抜き出し、その一部を流送管(45)によって汚泥加熱槽(47)に導き、汚泥加熱槽(47)においては汚泥混合液を加熱して、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させ、その後、同混合液を有機物除去槽(曝気槽)(41)へ返送して、原水と一緒に生物学的処理を行ない、他方、余剰汚泥の残部を汚泥排出管(46)から外部に排出して、全体として、余剰汚泥を減容化していた。
上記特許文献1の方法では、有機物含有排水の処理方法において、余剰汚泥の減容化の効果を、ある程度は望めるが、余剰汚泥の後処理を考慮すると、余剰汚泥の発生量はできるだけ少ない方が望ましく、さらなる余剰汚泥の発生量の減量が望まれていた。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、下水、し尿、工場排水などの有機物含有排水を生物学的に処理するにあたり、余剰汚泥の発生量を大幅に低減することができて、余剰汚泥の廃棄のための後処理が簡単であり、従って、経済性が非常に高い、有機物含有排水の処理方法及び処理装置を提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の有機物含有排水の処理方法の発明は、有機物含有排水(原水)を最初沈殿槽に導入し、該沈殿槽において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を沈殿槽の底部より引き抜くとともに、有機物及び初沈汚泥含有排水を最初沈殿槽から、有機物を生物学的に分解処理する有機物除去槽に導き、該有機物除去槽において排水中の有機物を生物学的に処理し、有機物除去槽からの余剰汚泥を含む汚泥含有水を後段沈殿槽に導入し、後段沈殿槽において余剰汚泥を分離させて、後段沈殿槽の上部から有機物を含まない処理済み浄水を流出させる一方、後段沈殿槽において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を取り出して、その少なくとも一部を汚泥加熱装置に導き、該加熱装置において余剰汚泥を加熱して、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させ、その後、易分解性の余剰汚泥を有機物除去槽へ送って、上記最初沈殿槽を通過後の有機物及び初沈汚泥含有排水と一緒に生物学的処理を行なうこと、上記最初沈殿槽の底部からの初沈汚泥含有排水の引抜き速度を可変として、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し、初沈汚泥の除去率が25%以下となるように制御すること、を特徴としている。
なお、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し、初沈汚泥の除去率が、好ましくは0.1〜25%、望ましくは0.1〜2.0%となるように制御することが、好ましい。
本発明の請求項2に記載の有機物含有排水の処理方法の発明は、上記請求項1に記載の発明において、最初沈殿槽に、該沈殿槽で発生した初沈汚泥を分散させる攪拌手段が備えられるとともに、最初沈殿槽下部の初沈汚泥含有排水引抜き管に引抜きポンプが具備され、最初沈殿槽上部の原水供給管と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管に、濃度計が具備されており、これらの濃度計の計測値に基づいて、初沈汚泥を分散させる攪拌手段の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプの作動を制御して、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を制御することを特徴としている。
上記請求項1または2に記載の有機物含有排水の処理方法においては、汚泥加熱装置において、汚泥含有水を温度50〜100℃の条件下に0.5〜12時間、好ましくは温度65〜95℃の条件下に2〜8時間、滞留させることにより、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させるのが、好ましい。
また、上記の有機物含有排水の処理方法においては、有機物含有排水(原水)中に含まれる有機性浮遊物質(SS)の絶対量の0.5〜10倍に相当する汚泥を含む汚泥含有水を、汚泥加熱装置に導入するのが、好ましい。
本発明の請求項5に記載の有機物含有排水の処理装置の発明は、有機物含有排水(原水)を導入する最初沈殿槽と、該沈殿槽において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を沈殿槽の底部より引き抜く初沈汚泥引抜きポンプと、有機物及び初沈汚泥含有排水を導入して排水中の有機物を生物学的に処理する有機物除去槽と、有機物除去槽からの余剰汚泥を含む汚泥含有水を導入する後段沈殿槽と、後段沈殿槽において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を加熱して、汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる汚泥加熱装置と、最初沈殿槽で発生した初沈汚泥を分散させる攪拌手段とを具備し、最初沈殿槽において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を沈殿槽の底部より引き抜くとともに、有機物除去槽において排水中の有機物を生物学的に処理し、後段沈殿槽において余剰汚泥を分離させ、余剰汚泥を含む汚泥含有水を取り出して、その少なくとも一部を汚泥加熱装置において加熱して、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させ、その後、易分解性の余剰汚泥を含む汚泥含有排水を有機物除去槽へ送り、上記最初沈殿槽の攪拌手段の作動により初沈汚泥を分散させて、初沈汚泥含有排水の濃度を変更するか、または初沈汚泥含有排水引抜き管の途上に介在された引抜きポンプの作動により初沈汚泥含有排水の引抜き速度を変化させることにより、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し、初沈汚泥の除去率が25%以下となるように制御するようになされていることを特徴としている。
本発明の請求項6に記載の有機物含有排水の処理装置の発明は、上記請求項5に記載の発明において、最初沈殿槽上部の原水供給管と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管に、濃度計が備えられており、これらの濃度計の計測値に基づいて、初沈汚泥を分散させる攪拌手段の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプの作動を制御して、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を調節するようになされていることを特徴としている。
本発明の請求項7に記載の有機物含有排水の処理装置の発明は、上記請求項6に記載の発明において、最初沈殿槽上部の原水供給管と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管に備えられた濃度計の計測値を演算装置に伝送し、予め設定された最初沈殿槽での初沈汚泥の除去率が25%以下となるように、初沈汚泥を分散させる攪拌手段の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプの作動を制御して、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を調節するようになされていることを特徴としている。
上記本発明の請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の有機物含有排水の処理装置においては、汚泥加熱装置において、汚泥含有水を温度50〜100℃の条件下に0.5〜12時間、好ましくは温度65〜95℃の条件下に2〜8時間、滞留させることにより、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させることが、好ましい。
上記本発明の有機物含有排水の処理装置においては、汚泥加熱装置に、有機物含有排水(原水)中に含まれる有機性浮遊物質(SS)の絶対量の0.5〜10倍に相当する汚泥を含む汚泥含有水を導入することが、好ましい。
本発明の請求項1に記載の有機物含有排水の処理方法の発明は、上述のように、有機物含有排水(原水)を最初沈殿槽に導入し、該沈殿槽において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を沈殿槽の底部より引き抜くとともに、有機物及び初沈汚泥含有排水を最初沈殿槽から、有機物を生物学的に分解処理する有機物除去槽に導き、該有機物除去槽において排水中の有機物を生物学的に処理し、有機物除去槽からの余剰汚泥を含む汚泥含有水を後段沈殿槽に導入し、後段沈殿槽において余剰汚泥を分離させて、後段沈殿槽の上部から有機物を含まない処理済み浄水を流出させる一方、後段沈殿槽において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を取り出して、その少なくとも一部を汚泥加熱装置に導き、該加熱装置において余剰汚泥を加熱して、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させ、その後、易分解性の余剰汚泥を有機物除去槽へ送って、上記最初沈殿槽を通過後の有機物及び初沈汚泥含有排水と一緒に生物学的処理を行なうこと、上記最初沈殿槽の底部からの初沈汚泥含有排水の引抜き速度を可変として、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し、初沈汚泥の除去率が25%以下となるように制御すること、を特徴とするものである。最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を抑制することにより、余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を、全体として大幅に低減し得ることが、本発明者らによって見出された。初沈汚泥の除去率は、わずかであっても余剰汚泥の発生抑制の効果は生じるが、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し25%以下とする。
本発明によれば、下水、し尿、工場排水などの有機物含有排水を生物学的に処理するにあたり、余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を大幅に低減することができて、余剰汚泥の廃棄のための後処理が簡単であり、従って、経済性が非常に高いものであるという効果を奏する。
本発明の請求項2に記載の有機物含有排水の処理方法の発明は、上述のように、上記請求項1に記載の発明において、最初沈殿槽に、該沈殿槽で発生した初沈汚泥を分散させる攪拌手段が備えられるとともに、最初沈殿槽下部の初沈汚泥含有排水引抜き管に引抜きポンプが具備され、最初沈殿槽上部の原水供給管と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管に、濃度計が具備されており、これらの濃度計の計測値に基づいて、初沈汚泥を分散させる攪拌手段の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプの作動を制御して、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を制御することを特徴とするもので、本発明によれば、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量の制御を、自動的に行なうことができるという効果を奏する。
上記請求項1または2に記載の有機物含有排水の処理方法においては、汚泥加熱装置において、汚泥含有水を温度50〜100℃の条件下に0.5〜12時間、好ましくは温度65〜95℃の条件下に2〜8時間、滞留させることにより、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させるのが、好ましい。
上記において、余剰汚泥は、堅い細胞膜に囲まれているが、その内部に豊富な有機物を含有している。細胞膜を破壊して、易分解性となった余剰汚泥を含む汚泥含有水を有機物除去槽に返送すれば、有機物除去槽において、易分解性の余剰汚泥と初沈汚泥とは、水と炭酸ガスとに分解される。結果として、有機物含有排水の処理プロセスから排出される余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を抑制することができるものである。
本発明の有機物含有排水の処理方法においては、余剰汚泥の堅い細胞膜を破壊して、これらの汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる手段として、加熱を用いている。汚泥加熱装置を上記のような高温に維持することよって、余剰汚泥の堅い細胞膜は破壊される。このように、汚泥加熱装置で高温に加熱することよって、難分解性の余剰汚泥を、生物学的に分解容易な易分解性の形態に変化させることができるものである。また、本発明においては、余剰汚泥の堅い細胞膜を破壊するために薬剤を用いておらず、従って、生物処理や放流水質への悪影響もないものである。
なお、上記の有機物含有排水の処理方法においては、有機物含有排水(原水)中に含まれる有機性浮遊物質(SS)の絶対量の0.5〜10倍に相当する汚泥を含む汚泥含有水を、汚泥加熱装置に導入するのが、好ましい。
本発明の請求項5に記載の有機物含有排水の処理装置の発明は、上述のように、有機物含有排水(原水)を導入する最初沈殿槽と、該沈殿槽において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を沈殿槽の底部より引き抜く初沈汚泥引抜きポンプと、有機物及び初沈汚泥含有排水を導入して排水中の有機物を生物学的に処理する有機物除去槽と、有機物除去槽からの余剰汚泥を含む汚泥含有水を導入する後段沈殿槽と、後段沈殿槽において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を加熱して、汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる汚泥加熱装置と、最初沈殿槽で発生した初沈汚泥を分散させる攪拌手段とを具備し、最初沈殿槽において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を沈殿槽の底部より引き抜くとともに、有機物除去槽において排水中の有機物を生物学的に処理し、後段沈殿槽において余剰汚泥を分離させ、余剰汚泥を含む汚泥含有水を取り出して、その少なくとも一部を汚泥加熱装置において加熱して、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させ、その後、易分解性の余剰汚泥を含む汚泥含有排水を有機物除去槽へ送り、上記最初沈殿槽の攪拌手段の作動により初沈汚泥を分散させて、初沈汚泥含有排水の濃度を変更するか、または初沈汚泥含有排水引抜き管の途上に介在された引抜きポンプの作動により初沈汚泥含有排水の引抜き速度を変化させることにより、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し、初沈汚泥の除去率が25%以下となるように上記最初沈殿槽の底部からの初沈汚泥含有排水の引抜き速度を可変として、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し、初沈汚泥の除去率が25%以下となるように制御するようになされていることを特徴とするものである。最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を抑制することにより、余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を、全体として大幅に低減することができる。この初沈汚泥の除去率は、わずかであっても余剰汚泥の発生抑制の効果は生じるが、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し25%以下とする。
本発明によれば、下水、し尿、工場排水などの有機物含有排水を生物学的に処理するにあたり、余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を大幅に低減することができて、余剰汚泥の廃棄のための後処理が簡単であり、従って、経済性が非常に高いという効果を奏する。
本発明の請求項6に記載の有機物含有排水の処理装置の発明は、上述のように、上記請求項5に記載の発明において、最初沈殿槽上部の原水供給管と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管に、濃度計が備えられており、これらの濃度計の計測値に基づいて、初沈汚泥を分散させる攪拌手段の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプの作動を制御して、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を調節するようになされていることを特徴とするもので、本発明によれば、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量の制御を、自動的に行なうことができるという効果を奏する。
本発明の請求項7に記載の有機物含有排水の処理装置の発明は、上述のように、上記請求項6に記載の発明において、最初沈殿槽上部の原水供給管と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管に備えられた濃度計の計測値を演算装置に伝送し、予め設定された最初沈殿槽での初沈汚泥の除去率が25%以下となるように、初沈汚泥を分散させる攪拌手段の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプの作動を制御して、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を調節するようになされていることを特徴とするもので、本発明によれば、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量の制御を、自動的に、より確実に行なうことができるという効果を奏する。
上記本発明の請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の有機物含有排水の処理装置においては、汚泥加熱装置において、汚泥含有水を温度50〜100℃の条件下に0.5〜12時間、好ましくは温度65〜95℃の条件下に2〜8時間、滞留させることにより、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させることが、好ましい。汚泥加熱装置を上記のような高温に維持することよって、余剰汚泥の堅い細胞膜は破壊される。このように、汚泥加熱装置で高温に加熱することよって、難分解性の余剰汚泥を、生物学的に分解容易な易分解性の形態に変化させることができるものである。
上記本発明の有機物含有排水の処理装置においては、汚泥加熱装置に、有機物含有排水(原水)中に含まれる有機性浮遊物質(SS)の絶対量の0.5〜10倍に相当する汚泥を含む汚泥含有水を導入することが、好ましい。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明による有機物含有排水の処理装置の実施形態を示すフローシートである。同図において、本発明による有機物含有排水の処理装置は、下水、し尿、工場排水などの有機物含有排水(原水)を供給管(11)から導入する最初沈殿槽(1)と、最初沈殿槽(1)下部の初沈汚泥含有排水引抜き管(18)の途上に介在されかつ該沈殿槽(1)において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を引き抜く初沈汚泥引抜きポンプ(5)と、有機物及び初沈汚泥含有排水を導入して排水中の有機物を生物学的に処理する有機物除去槽(曝気槽)(2)と、有機物除去槽(2)からの余剰汚泥を含む汚泥含有水を導入する後段沈殿槽(3)と、後段沈殿槽(3)において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を加熱して、汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる汚泥加熱装置(4)と、最初沈殿槽(1)で発生した初沈汚泥を分散させる攪拌手段(図示略)とを具備している。なお、最初沈殿槽(1)で発生した初沈汚泥を分散させる手段としては、攪拌機の他、最初沈殿槽(1)内に空気を吹き込む、最初沈殿槽(1)内にポンプで水流を形成するなどの手段があり、これらの手段に限定されない。
本発明による有機物含有排水の処理方法によれば、有機物含有排水(原水)を、原水供給管(11)によって最初沈殿槽(1)に導入する。該沈殿槽(1)において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を、初沈汚泥引抜きポンプ(5)の作動によって沈殿槽(1)底部の引抜き管(18)より引き抜くとともに、有機物及び初沈汚泥含有排水を最初沈殿槽(1)の上部に接続された流送管(12)によって、有機物を生物学的に分解処理する有機物除去槽(2)に導く。該有機物除去槽(2)としては、通常、曝気槽を使用し、有機物除去槽(2)において、排水中の有機物を生物学的に処理し、有機物を水と炭酸ガスとに分解する。
これに伴って、有機物除去槽(2)において発生した余剰汚泥を含む汚泥含有水を、流送管(13)によって有機物除去槽(2)から後段沈殿槽(3)に導入する。後段沈殿槽(3)においては、余剰汚泥を分離させ、後段沈殿槽(3)の上部から有機物を含まない処理済み浄水を、処理済み水流出管(14)から流出させる。一方、後段沈殿槽(3)において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を、後段沈殿槽(3)底部に接続された余剰汚泥取出し管(15)から取り出して、その少なくとも一部を、返送管(16)によって汚泥加熱装置(4)に導き、該加熱装置(4)において余剰汚泥を加熱して、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる。
汚泥加熱装置(4)の運転方式は、バッチ式、連続式のいずれにも適用することができる。有機物除去槽(2)への返送方法は、有機物除去槽(2)での負荷変動を考慮すると、連続式の方が、好ましい。
その後、上記の易分解性の余剰汚泥を含む汚泥含有水を、流送管(16)及び流送管(12)を経て、有機物除去槽(2)へ送って、上記最初沈殿槽(1)を通過後の有機物及び初沈汚泥含有排水と一緒に生物学的処理を行なうものである。
なお、後段沈殿槽(3)から余剰汚泥取出し管(15)によって取り出した余剰汚泥の残部は、排出管(17)から系外に排出して、脱水処理など、所定の廃棄処理を行なうが、必要に応じて、有機物除去槽(曝気槽)(2)の汚泥濃度を維持するために、後段沈殿槽(3)から余剰汚泥取出し管(15)によって取り出した余剰汚泥の所要量を、余剰汚泥返送管(10)によって有機物除去槽(2)へ直接返送する場合もある。
本発明の有機物含有排水の処理方法によれば、上記最初沈殿槽(1)の底部からの初沈汚泥含有排水の引抜き速度を可変として、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を制御することを特徴としている。
ここで、最初沈殿槽(1)で発生する初沈汚泥の有機物含量を測定すると、93%と高く、充分に生物処理されるポテンシャルを有している。
本発明のように、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を抑制すると、初沈汚泥の大部分は有機物除去槽(2)に流入することになる。そして、この有機物除去槽(2)で分解されなかった初沈汚泥は、余剰汚泥に含まれて、有機物除去槽(2)から後段沈殿槽(3)を経て汚泥加熱装置(4)に流入する。該汚泥加熱装置(4)における加熱により、余剰汚泥に含まれた初沈汚泥は、余剰汚泥と共に生物学的に分解容易な形態に変化し、その後、有機物除去槽(2)へと返送されて、最終的に、水と炭酸ガスとに分解される。その結果、本発明によれば、有機物含有排水の処理プロセスから排出される余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を、全体として大幅に低減することができるものである。
また、本発明において、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を、最初沈殿槽(1)で生じる初沈汚泥の全量に対し、初沈汚泥の除去率が25%以下となるように制御する。最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を抑制することにより、余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を、全体として大幅に低減し得るものである。初沈汚泥の除去率は、わずかであっても余剰汚泥の発生抑制の効果は生じるが、最初沈殿槽(1)で生じる初沈汚泥の全量に対し25%以下とするのが、好ましい。
本発明においては、最初沈殿槽(1)に、該沈殿槽(1)で発生した初沈汚泥を分散させるために攪拌手段(図示略)が備えられるとともに、最初沈殿槽(1)底部の初沈汚泥含有排水引抜き管(18)に引抜きポンプ(5)が具備され、最初沈殿槽(1)上部の原水供給管(11)と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管(12)、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管(12)に、濃度計(6)(7)が具備されており、これらの濃度計(6)(7)の計測値に基づいて、初沈汚泥を分散させる攪拌手段(図示略)の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプ(5)の作動を制御して、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を制御するものである。これにより、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量の制御を、自動的に行なうことができる。
そして、この場合、濃度計(6)(7)の計測値を演算装置(8)に伝送し、演算装置(8)からの伝送信号(19)(20)により、予め設定された最初沈殿槽(1)での初沈汚泥の除去率が25%以下となるように、初沈汚泥を分散させる攪拌手段(図示略)の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプ(5)の作動を制御して、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を調節することにより、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量の制御を、自動的に、より確実に行なうことができるものである。
なお、初沈汚泥引抜きポンプ(5)としては、通常、流量可変ポンプを使用し、演算装置(8)からの伝送信号(19)(20)によりポンプの回転数を制御して、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を調節するが、例えば、初沈汚泥引抜きポンプ(5)として、定回転ポンプを使用する場合は、演算装置(8)からの伝送信号(19)(20)により流量調節バルブ(図示略)の開度を制御して、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を調節するようにすれば、良い。
また、本発明の有機物含有排水の処理方法においては、汚泥加熱装置(4)において、汚泥含有水を温度50〜100℃の条件下に0.5〜12時間、好ましくは温度65〜95℃の条件下に2〜8時間、滞留させることにより、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させるのが、好ましい。
ここで、余剰汚泥は、堅い細胞膜に囲まれているが、その内部に豊富な有機物を含有している。細胞膜を破壊して、易分解性となった余剰汚泥を含む汚泥含有水を有機物除去槽(2)に返送すれば、有機物除去槽(2)において、易分解性の余剰汚泥(初沈汚泥を含む)は、水と炭酸ガスとに分解される。結果として、有機物含有排水の処理プロセスから排出される余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を抑制することができるものである。
本発明の有機物含有排水の処理方法においては、余剰汚泥の堅い細胞膜を破壊して、これらの汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる手段として、加熱を用いている。汚泥加熱装置(4)を、上記のような高温に維持することよって、余剰汚泥の堅い細胞膜は破壊される。このように、汚泥加熱装置(4)で高温に加熱することよって、難分解性の余剰汚泥を、生物学的に分解容易な易分解性の形態に変化させることができるものである。また、本発明においては、余剰汚泥の堅い細胞膜を破壊するために薬剤を用いておらず、従って、生物処理や放流水質への悪影響もないものである。
本発明による有機物含有排水の処理方法においては、有機物含有排水(原水)中に含まれる有機性浮遊物質(SS)の絶対量の0.5〜10倍に相当する汚泥を含む汚泥含有水を、汚泥加熱装置(4)に導入するのが、好ましい。
以下、本発明の実施例を比較例と共に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
図1に示す本発明による有機物含有排水の処理装置を用いて、本発明による有機物含有排水の処理方法により、下水(有機物含有排水)の浄化処理を行なう実験を実施した。
まず、有機物含有濃度(SS)が200mg/リットルである下水(有機物含有排水=原水)72m /dを、原水供給管(11)によって最初沈殿槽(1)に導入した。該沈殿槽(1)において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を、初沈汚泥引抜きポンプ(5)の作動によって沈殿槽(1)底部の引抜き管(18)より引き抜いた。この場合、初沈汚泥の引抜き量は、0.09kg/dであった。この実施例では、初沈汚泥の引抜きは、40分の1に抑制した。また、最初沈殿槽(1)下部での初沈汚泥の堆積、圧密を防止するために、最初沈殿槽(1)の下部内に、緩速攪拌手段(図示略)を設置した。
一方、最初沈殿槽(1)の上澄み水の有機物含有濃度(SS)を求めると、198.75mg/リットルであり、従って、最初沈殿槽(1)の初沈汚泥の除去率は、0.6%であった。
ここで、最初沈殿槽(1)で発生する初沈汚泥の有機物含量を測定すると、93%と高く、充分に生物処理されるポテンシャルを有していた。
また、この実施例においては、最初沈殿槽(1)上部の原水供給管(11)と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管(12)、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管(12)に、濃度計(6)(7)が具備されており、これらの濃度計(6)(7)の計測値に基づいて、初沈汚泥を分散させる緩速攪拌手段(図示略)の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプ(5)の作動を制御して、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を制御した。そして、この場合、濃度計(6)(7)の計測値を演算装置(8)に伝送し、演算装置(8)からの伝送信号(19)(20)により、予め設定された最初沈殿槽(1)での初沈汚泥の除去率が、上記の0.6%となるように、初沈汚泥を分散させる攪拌手段(図示略)の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプ(5)の作動を制御して、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を調節することにより、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量の制御を自動的に行なった。なお、初沈汚泥引抜きポンプ(5)としては、流量可変ポンプを使用し、演算装置(8)からの伝送信号(19)(20)によりポンプの回転数を制御して、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を調節した。
つぎに、最初沈殿槽(1)の上部から有機物及び初沈汚泥含有排水を、流送管(12)によって容積20m を有する有機物除去槽(曝気槽)(2)に導いた。
有機物除去槽(2)において、排水中の有機物を生物学的に処理し、有機物を水と炭酸ガスとに分解した。そして、有機物除去槽(2)において発生した余剰汚泥を含む汚泥含有水を、流送管(13)によって有機物除去槽(2)から後段沈殿槽(3)に導入した。後段沈殿槽(3)においては、余剰汚泥を分離させ、後段沈殿槽(3)の上部から有機物を含まない処理済み浄水を、処理済み水流出管(14)から流出させる。一方、後段沈殿槽(3)において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を、後段沈殿槽(3)底部に接続された余剰汚泥取出し管(15)から取り出して、その少なくとも一部を、返送管(16)によって汚泥加熱装置(4)に導き、該加熱装置(4)において余剰汚泥を、90℃で、4時間加熱して、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させた。
すなわち、余剰汚泥は、堅い細胞膜に囲まれているが、その内部に豊富な有機物を含有しており、この細胞膜を破壊して、易分解性となった余剰汚泥を含む汚泥含有水を有機物除去槽(2)に返送することにより、有機物除去槽(2)において、易分解性の余剰汚泥(初沈汚泥を含む)は、水と炭酸ガスとに分解される。その結果、本発明によれば、有機物含有排水の処理プロセスから排出される余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を、全体として大幅に低減することができるものである。
なお、後段沈殿槽(3)から余剰汚泥取出し管(15)によって取り出した余剰汚泥の残部を、有機物除去槽(曝気槽)(2)の汚泥濃度を維持するために、余剰汚泥返送管(10)によって有機物除去槽(2)へ直接返送する部分を除き、排出管(17)から系外に排出するとともに、最初沈殿槽(1)下部の初沈汚泥含有排水引抜き管(18)から抜き出した初沈汚泥を含む汚泥含有排水を、排出管(17)から系外に排出して、脱水処理など、所定の廃棄処理を行なった。
そして、図2に、本実施例1における余剰汚泥発生量の経時変化を表すグラフを示した。図2のグラフの横軸には日数(週数)を、縦軸には余剰汚泥発生量の積算値を示している。ここで、余剰汚泥は、初沈汚泥と後段沈殿槽(最終沈殿槽)(3)からの余剰汚泥と処理水へ流出する汚泥の合量と定義した。
なお、本発明において、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を抑制することにより、余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を、全体として大幅に低減し得るものである。初沈汚泥の除去率は、わずかであっても余剰汚泥の発生抑制の効果は生じるが、最初沈殿槽(1)で生じる初沈汚泥の全量に対し25%以下とする。
また、本発明においては、余剰汚泥の堅い細胞膜を破壊するために薬剤を用いておらず、従って、生物処理や放流水質への悪影響もないものであった。
本発明による有機物含有排水の処理方法においては、有機物含有排水(原水)中に含まれる有機性浮遊物質(SS)の絶対量の0.5〜10倍に相当する汚泥を含む汚泥含有水を、汚泥加熱装置(4)に導入するのが、好ましい。
比較例1
比較のために、汚泥加熱槽を設置しない図4に示す従来の有機物含有排水の処理装置を用いて、下水(有機物含有排水)の浄化処理を行なう実験を実施した。
まず、有機物含有濃度(SS)が200mg/リットルである下水(有機物含有排水=原水)72m /dを、供給管(24)によって最初沈殿槽(21)に供給し、該沈殿槽(21)において発生した初沈汚泥を分離して、沈殿槽(21)の底部から初沈汚泥排出管(31)から取り出し、さらにこれを余剰汚泥として、汚泥排出管(30)から外部に放出した。
一方、最初沈殿槽(21)の上部から流出する処理排水を流送管(25)によって容積20m を有する曝気槽(22)に導いて、有機物含有排水の生物学的処理を行なった。そして、曝気槽(22)からの余剰汚泥を含む流出水を、流送管(26)から後段沈殿槽(23)に導入し、後段沈殿槽(23)において余剰汚泥を分離させて、後段沈殿槽(23)上部の排出管(27)から余剰汚泥を含まない処理水を排出させた。後段沈殿槽(23)において分離した余剰汚泥を、後段沈殿槽(23)底部の排出管(28)から取り出し、その一部を、曝気槽(22)の汚泥濃度を維持するために、汚泥返送管(29)を経て曝気槽(22)に返送して、最初沈殿槽(21)からの初沈汚泥除去原水と一緒に生物学的処理を行ない、余剰汚泥の残部は、余剰汚泥排出管(30)から初沈汚泥と共に外部に放出した。
そして、図2に、この比較例1における余剰汚泥発生量の経時変化を表すグラフを、あわせて示した。
図2のグラフから明らかなように、本発明の実施例1による15週後の余剰汚泥発生量の積算値は、352kgであり、一方、比較例1による15週後の余剰汚泥発生量の積算値は、1089kgであった。
従って、本発明の実施例1の比較例1に対する汚泥発生抑制率を計算すると、
(1089kg−352kg)÷1089kg×100=約65% である。
このように、本発明の実施例1では、比較例1に対し、汚泥発生抑制率が約65%であった。この結果、比較例1のように、余剰汚泥は堅い細胞膜に囲まれているため、余剰汚泥を処理することなくそのまま曝気槽(22)に戻しても、充分な余剰汚泥減量の効果が得られないものであった。
比較例2
上記実施例1の場合と同様に、下水(有機物含有排水)の浄化処理を行なう実験を実施するが、比較のために、最初沈殿槽(1)において、初沈汚泥の引抜き量の抑制を行なわなかった。
すなわち、有機物含有濃度(SS)が200mg/リットルである下水(有機物含有排水=原水)72m /dを、原水供給管(11)によって最初沈殿槽(1)に導入した。該沈殿槽(1)において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を、初沈汚泥引抜きポンプ(5)の作動によって沈殿槽(1)底部の引抜き管(18)より引き抜いた。
この比較例2では、最初沈殿槽(1)の上澄み水の有機物含有濃度(SS)が、150mg/リットルとなるように、初沈汚泥を引き抜いた。従って、初沈汚泥の引抜き量は、3.6kg/dであった。
以下、上記実施例1の場合と同様に、最初沈殿槽(1)の上部から有機物及び初沈汚泥含有排水を、流送管(12)によって容積20m を有する有機物除去槽(曝気槽)(2)に導いた。有機物除去槽(2)において、排水中の有機物を生物学的に処理し、有機物を水と炭酸ガスとに分解した。これに伴って、有機物除去槽(2)において発生した余剰汚泥を含む汚泥含有水を、流送管(13)によって有機物除去槽(2)から後段沈殿槽(3)に導入した。後段沈殿槽(3)においては、余剰汚泥を分離させ、後段沈殿槽(3)の上部から有機物を含まない処理済み浄水を、処理済み水流出管(14)から流出させる。一方、後段沈殿槽(3)において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を、後段沈殿槽(3)底部に接続された余剰汚泥取出し管(15)から取り出して、その少なくとも一部を、返送管(16)によって汚泥加熱装置(4)に導き、該加熱装置(4)において余剰汚泥を、90℃で、4時間加熱した。
そして、汚泥加熱装置(4)からこれらの余剰汚泥を含む汚泥含有水を有機物除去槽(2)に返送し、有機物除去槽(2)において水と炭酸ガスとに分解した。
そして、図3に、この比較例2における余剰汚泥発生量の経時変化を表すグラフを、本発明の実施例1における余剰汚泥発生量の経時変化を表すグラフと共に示した。図3のグラフの横軸には日数(週数)を、縦軸には余剰汚泥発生量の積算値を示している。
図3のグラフから明らかなように、比較例2による15週後の余剰汚泥発生量の積算値は、752kgであった。上記のように、比較例1による15週後の余剰汚泥発生量の積算値は、1089kgであるから、比較例2の比較例1に対する汚泥発生抑制率を計算すると、
(1089kg−752kg)÷1089kg×100=約31% である。
このように、比較例2による15週後の余剰汚泥発生量の積算値は、比較例1による15週後の余剰汚泥発生量の積算値に対し、汚泥発生抑制率が約31%にとどまった。
上記本発明の実施例1では、汚泥発生抑制率が約65%であることから、本発明によれば、下水などの有機物含有排水を生物学的に処理するにあたり、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の引抜き量を制御することにより、余剰汚泥(初沈汚泥を含む)の発生量を大幅に低減することができることが明らかである。
なお、上記実施例1では、本発明による有機物含有排水の処理装置(方法)を用いて、下水(有機物含有排水)の浄化処理を行なっているが、最初沈殿槽(1)からの初沈汚泥の除去率を、最初沈殿槽(1)で生じる初沈汚泥の全量に対し、25%以下とすることにより、有機物含有濃度(SS)が下水と異なる排水、例えばし尿や工場排水などの有機物含有排水の生物学的処理にも、本発明を容易に適用することができるものである。
本発明による有機物含有排水の処理装置の実施形態を示すフローシートである。 本発明の実施例1における余剰汚泥発生量の経時変化と、比較例1における余剰汚泥発生量の経時変化とを表すグラフである。 本発明の実施例1における余剰汚泥発生量の経時変化と、比較例2における余剰汚泥発生量の経時変化とを表すグラフである。 従来法による有機物含有排水の処理装置の実施形態を示すフローシートである。 従来の特許文献1による有機物含有排水の処理装置の実施形態を示すフローシートである。
1:最初沈殿槽
2:曝気槽(有機物除去槽)
3:後段沈殿槽
4:汚泥加熱装置
5:初沈汚泥引抜きポンプ
6:濃度計
7:濃度計
8:演算機
11:有機物含有排水(原水)供給管
12:有機物及び初沈汚泥含有排水流送管
13:余剰汚泥を含む汚泥含有水流送管
14:処理済み水流出管
15:余剰汚泥取出し管
16:返送管
17:余剰汚泥排出管
18:初沈汚泥含有排水引抜き管

Claims (9)

  1. 有機物含有排水(原水)を最初沈殿槽に導入し、該沈殿槽において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を沈殿槽の底部より引き抜くとともに、有機物及び初沈汚泥含有排水を最初沈殿槽から、有機物を生物学的に分解処理する有機物除去槽に導き、該有機物除去槽において排水中の有機物を生物学的に処理し、有機物除去槽からの余剰汚泥を含む汚泥含有水を後段沈殿槽に導入し、後段沈殿槽において余剰汚泥を分離させて、後段沈殿槽の上部から有機物を含まない処理済み浄水を流出させる一方、後段沈殿槽において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を取り出して、その少なくとも一部を汚泥加熱装置に導き、該加熱装置において余剰汚泥を加熱して、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させ、その後、易分解性の余剰汚泥を有機物除去槽へ送って、上記最初沈殿槽を通過後の有機物及び初沈汚泥含有排水と一緒に生物学的処理を行なうこと、上記最初沈殿槽の底部からの初沈汚泥含有排水の引抜き速度を可変として、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し、初沈汚泥の除去率が25%以下となるように制御することを特徴とする有機物含有排水の処理方法。
  2. 最初沈殿槽に、該沈殿槽で発生した初沈汚泥を分散させる攪拌手段が備えられるとともに、最初沈殿槽下部の初沈汚泥含有排水引抜き管に引抜きポンプが具備され、最初沈殿槽上部の原水供給管と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管に、濃度計が具備されており、これらの濃度計の計測値に基づいて、初沈汚泥を分散させる攪拌手段の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプの作動を制御して、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を制御することを特徴とする、請求項1に記載の有機物含有排水の処理方法。
  3. 汚泥加熱装置において、汚泥含有水を温度50〜100℃の条件下に0.5〜12時間滞留させることにより、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させることを特徴とする、請求項1または2に記載の有機物含有排水の処理方法。
  4. 有機物含有排水(原水)中に含まれる有機性浮遊物質(SS)の絶対量の0.5〜10倍に相当する汚泥を含む汚泥含有水を、汚泥加熱装置に導入することを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機物含有排水の処理方法。
  5. 有機物含有排水(原水)を導入する最初沈殿槽と、該沈殿槽において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を沈殿槽の底部より引き抜く初沈汚泥引抜きポンプと、有機物及び初沈汚泥含有排水を導入して排水中の有機物を生物学的に処理する有機物除去槽と、有機物除去槽からの余剰汚泥を含む汚泥含有水を導入する後段沈殿槽と、後段沈殿槽において分離した余剰汚泥を含む汚泥含有水を加熱して汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させる汚泥加熱装置と、最初沈殿槽で発生した初沈汚泥を分散させる攪拌手段とを具備し、最初沈殿槽において発生した初沈汚泥を含む汚泥含有排水の一部を沈殿槽の底部より引き抜くとともに、有機物除去槽において排水中の有機物を生物学的に処理し、後段沈殿槽において余剰汚泥を分離させ、余剰汚泥を含む汚泥含有水を取り出して、その少なくとも一部を汚泥加熱装置において加熱して、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させ、その後、易分解性の余剰汚泥を含む汚泥含有排水を有機物除去槽へ送り、上記最初沈殿槽の攪拌手段の作動により初沈汚泥を分散させて、初沈汚泥含有排水の濃度を変更するか、または初沈汚泥含有排水引抜き管の途上に介在された引抜きポンプの作動により初沈汚泥含有排水の引抜き速度を変化させることにより、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を、最初沈殿槽で生じる初沈汚泥の全量に対し、初沈汚泥の除去率が25%以下となるように制御するようになされていることを特徴とする、有機物含有排水の処理装置。
  6. 最初沈殿槽上部の原水供給管と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管に、濃度計が備えられており、これらの濃度計の計測値に基づいて、初沈汚泥を分散させる攪拌手段の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプの作動を制御して、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を調節するようになされていることを特徴とする、請求項5に記載の有機物含有排水の処理装置。
  7. 最初沈殿槽上部の原水供給管と有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管、または有機物及び初沈汚泥含有排水の流送管に備えられた濃度計の計測値を演算装置に伝送し、予め設定された最初沈殿槽での初沈汚泥の除去率が25%以下となるように、初沈汚泥を分散させる攪拌手段の作動および/または初沈汚泥引抜きポンプの作動を制御して、最初沈殿槽からの初沈汚泥の引抜き量を調節するようになされていることを特徴とする、請求項6に記載の有機物含有排水の処理装置。
  8. 汚泥加熱装置において、汚泥含有水を温度50〜100℃の条件下に0.5〜12時間滞留させることにより、余剰汚泥を生物学的に分解容易な形態に変化させることを特徴とする、請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の有機物含有排水の処理装置。
  9. 汚泥加熱装置に、有機物含有排水(原水)中に含まれる有機性浮遊物質(SS)の絶対量の0.5〜10倍に相当する汚泥を含む汚泥含有水を導入することを特徴とする、請求項5〜8のうちのいずれか一項に記載の有機物含有排水の処理装置。
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