JP4542832B2 - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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本発明は、電動モータの動作によって制動力を発生させる電動ブレーキ装置に関する。
車両の制動装置において液圧による手段を使用せず、モータの動作によって制動力を発生させるようにした電動ブレーキ装置が一般に知られている。このような電動ブレーキ装置の制御方法として、例えば、特許文献1に記載されたものが提案されている。
特許文献1に開示の技術は、ブレーキ操作量に対応して作動する液圧式ブレーキによる前輪系および電動ブレーキによる後輪系からなるブレーキシステムにおいて、後輪系の電動ブレーキでは前輪系の車輪速度を目標値として後輪系の車輪速度をフィードバック制御するように電動ブレーキを制御するというものである。この技術によれば、前輪のブレーキ液圧によるブレーキ作動状態を利用して後輪電動ブレーキをフィードバック制御するため、現状の液圧ブレーキに近いブレーキフィーリングを得ることができる。
特開平11−334575号公報
電動ブレーキを搭載した車両においては、各輪の制動力をそれぞれ独立に制御する必要がある。したがって、それぞれの電動ブレーキにおける制動力制御の精度が十分でない場合、各輪には車両の挙動を不安定にする制動力差が生じる可能性がある。例えば左右輪の制動力に差が生じた場合、車体の進む方向が安定せず運転者の意図しない方向に車体が傾いたり、最悪の場合車体がスピンしてしまう危険もある。
従来の油圧ブレーキを搭載した車両においては、左右輪のブレーキ装置が油圧配管を通してつながっているため、制動時に左右輪で制動力差が生じる可能性は小さく、上述したような課題は生じなかった。しかしながら、電動ブレーキ制御方法を開示している上記特許文献1に記載されている電動ブレーキ制御方法においては、制動時に左右輪で制動力差が生じ得るが、各車輪の制動力差に関する記述はされていない。
本発明の目的は、電動ブレーキが複数の車輪に搭載された車両の制動時において挙動を不安定にしない電動ブレーキ装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
車両の左右の車輪に対してそれぞれ制動力を発生する一方および他方の電動アクチュエータと、前記一方および他方の電動アクチュエータに対して制動力を発生するための電流をそれぞれに供給するための一方および他方のモータドライバと、制動力を発生するための指令値を送出するコントローラと、を備え、前記コントローラからの指令値に基づき、前記一方および他方のモータドライバは対応する前記一方および他方の電動アクチュエータに対して電流を供給し、前記一方および他方の電動アクチュエータは対応する左右の車輪に対して制動力を発生し、左右輪の車輪速度の計測を基にフィードバック制御する電動ブレーキ装置であって、
前記一方および他方の電動アクチュエータはそれぞれ、モータと前記モータのトルクに基づき直動力を発生する回転−直動変換機構と前記直動力に基づき制動力を発生するブレーキパッドとを備えており、
前記電動ブレーキ装置は、車両の直進走行状態かを判断して車両の直進走行状態において、ブレーキペダルの操作に因る制動指令に基づき、前記一方および他方の電動アクチュエータのそれぞれに対する制動指令値を求め、
前記一方および他方のモータドライバはそれぞれ、前記それぞれの制動指令値に基づき対応するそれぞれのモータへの供給電流を制御してそれぞれのモータの発生トルクを制御し、
さらに前記電動ブレーキ装置は、それぞれの制動指令値に基づき前記一方および他方の電動アクチュエータが対応する車輪に対して制動力を発生している状態において、前記一方および他方の電動アクチュエータにより制動されている左右輪の車輪速度差を求め、前記求めた車輪速度差が所定の閾値より大きい場合に、前記求めた車輪速度差が小さくなる方向に前記一方および他方の電動アクチュエータの制動指令値を修正し、
前記制動指令値の修正は、前記一方および他方の電動アクチュエータの制動指令値に対して所定値を加算および減算して求め、加えて、前記制動指令が続行されていると判定した場合には、再度、前記制動指令値、前記左右輪の車輪速度差および前記制動指令値の修正の手順を繰り返して実行する構成とする。
また、前記電動ブレーキ装置において、前記制動指令値の修正は、前記左右輪の車輪速度差が小さくなる方向に、前記車輪速度差のPID算出値をも付け加える構成とする。
本発明の電動ブレーキ装置によれば、車両走行中における制動時の左右輪車輪速度を制御することにより、左右輪における制動力差を確実に低減することができ、その結果、車両の走行安定性を向上させることができる。
また、既存のパッド押圧力センサを用いてパッド押圧力のフィードバック制御を行う通常の電動ブレーキ装置において押圧力センサ測定値が異常となった場合にでも、本発明の電動ブレーキ装置を適用することによって安全に走行および制動を行うことができる。
本発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の原理を説明するための、車輪回転速度と制動力の関係、スリップ率と制動力との関係を示す図である。図2は自動車の4輪に電動ブレーキを適用したブレーキシステムの全体構成を示す図である。図3は本発明の実施形態に適用される電動ブレーキ装置の構成を示す図である。
まず最初に、本発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置において採用する車輪速度利用の原理を説明する。複数の車輪の車輪速度差を制御することによって、各車輪における制動力差を低減できるメカニズムについて、車両が直進走行している場合の制動時を例示して説明する。
車両が直進走行している場合の制動時に車体挙動を安定に保つためには、左右輪における制動力(路面と車輪との間に生じる、車を止めようとする力)を一致させて、左右輪の制動力差をゼロにすればよい。図1には、車輪回転速度と制動力の関係を示すとともに、左輪と右輪におけるスリップ率と制動力の一般的な関係を示すグラフを上下に並べて示している。図1に示すように、車輪と路面のスリップ率λは、一般に、λ={(V−rω)/V}×100% により求められる。ここで、Vは車体速度、ωは車輪回転速度、rは車輪半径である。
左右輪における制動力をそれぞれFL、FRとすれば、FL=FR となるためには、図1に示すグラフよると左右輪でスリップ率を一致させればよいことがわかる。スリップ率λは、前述したように、一般には、Vとrとωのみに依存するため、スリップ率を左右輪で一致させるためには左右輪の車輪回転速度(ω)を一致させればよい。以上のメカニズムによって複数の車輪の車輪回転速度を一致させれば、それぞれの車輪における制動力は一致するのである。ここで、車輪回転速度ωに車輪半径rを乗じた値を車輪速度(rω)と称し、車輪回転速度は車輪速度(車体速度に対応する速度)に比例するので、以後の説明では車輪回転速度をも含めて車輪速度と云う。
このように、本発明を概説すると、左右輪でブレーキ片効きとならないように、制動力を左右輪で一致させるためにスリップ率を左右輪で同じにさせる必要があり、スリップ率を同一にすべく車輪速度を検知して左右で一致するように制御することが本発明の特徴である。なお、図1に示すスリップ率と制動力の関係図において、スリップ率C点の左側は制動の安定領域であり、右側は制動不安定領域である。図1でスリップ率が0%というのはブレーキを掛けずに車体速度Vと車輪速度rωとが一致した状態であり、100%というのは車輪速度が0であって回転せずにロックしている状態を表す。また、本発明においては路面とタイヤの接し方は左右輪で同じであると見なしている。
図2において、電動ブレーキ装置1は、自動車の前輪2に固定された前輪ディスクロータ3と、前輪ディスクロータ3に装着された前輪電動アクチュエータ4と、前輪電動アクチュエータ4のモータを動作させる前輪モータドライバ5と、左右輪の前輪モータドライバ5を制御する前輪コントローラ6と、後輪8に固定された後輪ディスクロータ9と、後輪ディスクロータ9に装着された後輪電動アクチュエータ10と、後輪電動アクチュエータ10のモータを動作させる後輪モータドライバ11と、左右輪の後輪モータドライバ11を制御する後輪コントローラ12と、前輪コントローラ6および後輪コントローラ12を制御するメインコントローラ7と、ブレーキペダル13と、ブレーキペダル変位量を測定して電気信号に変換するストロークセンサ14と、から構成されている。
次に、フローティング支持された前輪電動アクチュエータ4の構成要素について図3を用いて説明する。前輪電動アクチュエータ4は、図3に示すように、前輪コントローラ6によって制御される前輪モータドライバ5からの電流を入力するモータコイル16と、モータロータ15と、モータロータ15が発生したトルクを増幅するための減速機17と、トルクを直動力に変換するための回転−直動変換機構18と、回転−直動変換機構18の直動要素に取り付けられているピストン19と、ピストン19に固定されているブレーキパッド20と、から構成されている。また、後輪電動アクチュエータ10に関しては前輪電動アクチュエータ4と同じ構成であるため、説明は省略する。
次に、前輪に搭載されている電動ブレーキ装置の動作について、図2および図3を参照しながら以下説明する。図2に示すメインコントローラ7の指令に従って、前輪コントローラ6は前輪モータドライバ5に信号を送る。前輪モータドライバ5は前輪コントローラ6からの信号に従ってモータコイル16に電流を流し、これによりモータロータ15がトルクを発生する。モータのトルクは減速機17の回転入力部に伝えられ、減速機17の出力部からは入力部よりも増幅されたトルクが出力される。この増幅されたトルクは回転−直動変換機構18の回転部に入力され、回転−直動変換機構18の直動部が直動運動する。同時に、回転−直動変換機構18の直動部に固定されたピストン19、およびピストン19に固定されたブレーキパッド20が直動運動することにより、ブレーキパッド20は前輪ディスクロータ3を押圧する。このとき、ブレーキパッド20と前輪ディスクロータ3の間に生じる摩擦力によって、前輪ディスクロータ3の回転が減速され、結果として制動力が得られる。
制動力は上述のメカニズムにより出力されるが、車輪の制動力を制御するためには、(1)モータに流す電流を制御する方法、(2)モータの回転角度(以下、モータ位置と記述する)を制御する方法、の2つが考えられる。ここでは、電動ブレーキによる制動力は(2)の方法により制御されるものとする。
本発明は前輪コントローラ6または後輪コントローラ12に適用できる。本発明を適用したブレーキ装置では、左右輪の車輪速度差と所定の目標車輪速度差との間に誤差がある場合には誤差を無くすように制御することを特徴としている(なお、上述した左右輪における車輪速度の一致は、直進走行の場合の例示である)。例えばコーナーを曲がっているときの左右輪の理想的な車輪速度差は舵角、車体加速度、ヨーレートなどから推定できるため、この概算値を目標の車輪速度として電動ブレーキ装置により制御する。すなわち、実際の車輪速度差と目標の車輪速度差との間に差がある場合には、それらの差が小さくなるようにパッド押圧力を増加あるいは減少させるような電動ブレーキ制御を行うようになっている。
例えば、舵角とヨーレートがいずれもゼロの場合には、車体は直進走行を行っており、この場合に制動時の車体挙動が安定に保たれるためには左右輪における制動力が一致していなくてはならない。このことは左右輪の車輪速度差がゼロであることを意味する。以下では簡単のため、車体が直進走行している場合に、左右輪の車輪速度差をゼロに制御する方法を例にして、前輪コントローラ6または後輪コントローラ12による制動力制御について図4を用いて説明する。なお、本発明を適用する電動ブレーキ装置はモータ位置を制御することによりパッド押圧力が制御される電動ブレーキ装置とする。
図4は前輪コントローラ6または後輪コントローラ12で実行する制動力制御の処理手順を示すフローチャートである。まず、上位のメインコントローラ7から制動指令が入力される(ステップS1)。ステップS1で入力された制動指令に基づいて、前輪コントローラ6または後輪コントローラ12では目標のパッド押圧力を算出する(ステップS2)。ステップS2で算出された目標のパッド押圧力を実現するための左輪電動ブレーキのモータ位置指令PLおよび、右輪電動ブレーキのモータ位置指令PRを作成する(ステップS3)。ステップS3で作成されたモータ位置指令に基づいて、モータドライバがモータへ電流を入力し、パッド押圧力が発生する(ステップS4)。パッド押圧力が発生すれば、ディスクロータの回転が減速されるので、これにしたがって、左右輪それぞれの車輪速度が減少する。ここで、左右輪の車輪速度を計測し(ステップS5)、左右輪の車輪速度差を計算する(ステップS6)。
ステップS6において、左右輪の車輪速度差があらかじめ決められている閾値ε以下の場合には、左右輪における制動力差は小さいと判断し、ステップS10に移る。ステップS6において左右輪の車輪速度差が閾値εよりも大きい場合にはステップS7に進み、左輪と右輪でどちらの車輪速度が大きいかを識別する(ステップS7)。その結果右輪の車輪速度の方が左輪の車輪速度よりも大きい場合にはステップS8で右輪の電動ブレーキアクチュエータに与えるモータ位置指令値をΔPだけ増加させ、左輪の電動ブレーキアクチュエータに与えるモータ位置指令値をΔPだけ減少させる(ステップS8)。ただし、ΔPは正の値で、パッド押圧力が大きくなる方向の指令値変化を表すものとする。逆に、右輪の車輪速度の方が左輪の車輪速度よりも小さい場合には、ステップS9で右輪の電動ブレーキアクチュエータに与えるモータ位置指令値をΔPだけ減少させ、左輪の電動ブレーキアクチュエータに与えるモータ位置指令値をΔPだけ増加させる(ステップS9)。
ステップS8またはステップS9を通過した後はステップS10において制動指令がまだ続いているかどうかを判断し(ステップS10)、制動指令が続いていると判断した場合にはステップS3に戻り、以上の処理を繰り返す。ここで、ステップS2で算出される目標パッド押圧力は処理ポイントがステップS10からステップS3に移ったときに優先して認識されるものとする。ステップS10で制動指令がないと判断した場合には制動力制御を終了する(ステップS11)。なお、ステップS1からステップS4までは本発明を適用する以前のコントローラにおける制動力制御処理フローと同じである。
図5は、図4のステップS7において右輪の車輪速度の方が左輪の車輪速度よりも大きいと判断された場合のコントローラにおける信号の流れを示す図である。この場合、右輪の車輪速度を左輪の車輪速度に対して相対的に減少させるために、右輪の電動ブレーキアクチュエータに送るモータ位置指令値は左右輪の車輪速度差に基づいて計算されたモータ位置指令値変化量ΔPを従来のコントローラから出力されたモータ位置指令値に加えたものになる。また、左輪の車輪速度を右輪の車輪速度に対して相対的に増加させるために、左輪の電動ブレーキアクチュエータに送るモータ位置指令値は左右輪の車輪速度差に基づいて計算されたモータ位置指令値変化量ΔPを従来のコントローラにより出力されたモータ位置指令値から差し引いたものとなる。図4のステップS7において右輪の車輪速度の方が左輪の車輪速度よりも小さいと判断された場合のコントローラにおける信号の流れは上記の場合と逆になるが、説明は省略する。
上述した図5による例では、左右輪の車輪速度差にゲインをかけて算出された信号を従来のコントローラから出力されたモータ位置指令に加算あるいは減算しているだけであるが、このときに車輪速度差の微分値あるいは積分値に係数をかけて算出される値をモータ位置指令値変化量ΔPに加えてもよい(車輪のブレーキ制動におけるPID制御動作)。これにより、車輪速度出力値の定常特性や安定性を改善することができる。
次に、図3、図4及び図5に示した本発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置の動作態様(電動ブレーキ制御に車輪速度を利用する技術)に加えて、ディスクに対するパッドの押圧力を測定する従来の押圧力センサによるフィードバック制御態様を備えた電動ブレーキ装置における制動力制御について説明する。即ち、押圧力センサによる従来の電動ブレーキ装置に本実施形態による電動ブレーキ装置を付与した場合の電動ブレーキ装置について述べる。通常は、従来の押圧力センサによる押圧力測定値をフィードバック制御することによって制動力を制御している。ここで、車体加速度やステアリング舵角、車輪速度などの情報を参照することによって、押圧力センサ(押圧力センサ自体は、過酷な環境下にあり経年変化によって故障する確率は可成り高いものである)の異常が判明した場合に、従来の押圧力センサの測定値を用いる制御方法から、本発明による制御態様を利用する制御方法に切り替えることによって、左右輪の制動力差を小さく保つことができ、安全に走行および制動動作を続けることが可能となる。
次に、本発明の顕著な機能乃至作用について従来例との比較で述べると、本発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置(左右輪の車輪速度差を一定範囲内に制御するもの)を左右輪に搭載した車両において、左右輪いずれかの電動ブレーキに摩耗していないブレーキパッドを装着するとともにもう一方の車輪の電動ブレーキには限界まで摩耗したブレーキパッドを装着して、車両走行中に制動を掛けた際に、車体ヨー角度の変化量は、本実施形態の電動ブレーキ装置を搭載していない従来の車両の場合に比べて、可成り小さくなる。従来の車両の電動ブレーキ装置の場合にはブレーキの片効き状態に陥り、この片効き状態のときには、左右輪の車輪速度には、車体が傾くのに値するだけの大きな差が生じている。これに対して、本実施形態の係る電動ブレーキ装置では、左右輪において、車輪速度を略一致させることができるので、ブレーキが片効き状態になることはない。
さらに、本発明に係る電動ブレーキ装置を左右輪に搭載した車両の制動時において、どちらか一方の電動ブレーキ装置に対して、検出された車輪速度信号の代わりに、実際の車輪速度と比べて極端に大きな車輪速度であることを示す擬似信号を与えた場合の動作を説明する。この場合、本発明によれば、擬似信号を与えられた電動ブレーキ装置ではパッド押圧力が大きくなり、車輪速度を他の車輪に対して相対的に減少させようとする。もう一方の電動ブレーキ装置では車輪速度を相対的に増加させるためにパッド押圧力が小さくなる。このパッド押圧力の変化状況を監視すれば、車両に搭載された電動ブレーキ装置が本発明の特徴を具備したもの否かが判別できる。
また、本発明では車両の走行時における制動中の車体挙動を安定に保つために、車輪速度を検出、参照することを特徴としている。安全な制動動作を行うために、停車時に左右輪の電動ブレーキ装置におけるモータ電流と各モータのモータ位置の関係を検知して記憶し、その関係に基づいて制動力を制御する電動ブレーキ制御方法と、本発明による電動ブレーキ制御方法(左右輪の車輪速度差を所定範囲内になるような制御方法)とを組み合わせて適用すると良い。さらに、本実施形態に用いる車輪速度センサの異常が検出された場合には車輪速度センサの出力信号を無視するようにし、停車時に記憶されたモータ電流とモータ位置の関係に基づいて電動ブレーキを制御することにより、安全性を高めることもできる。また、その逆も成り立つ(異常時に本実施形態の電動ブレーキ制御方法を用いる)。
本発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置は、後輪の左右輪における制動力差を低減してもよいし、及び/又は前輪の左右輪における制動力差を低減するように制御するものであってもよい。
以上説明したように、本発明を概説すると、電動ブレーキ装置において、車両走行中の制動時に各車輪の車輪速度を比較、評価する機能、および複数の車輪の車輪速度差を目標値に制御する機能を備え、各車輪における制動力差を低減することを特徴とするものである。具体的に云えば、車両走行中の制動時に電動ブレーキ装置が装着された各車輪の車輪速度差を目標値に制御することである。直進走行時には左右輪の車輪速度差の目標値をゼロに設定し、車輪速度が大きい方ではもう一方の車輪の車輪速度に対して相対的に車輪速度が減少するようにブレーキパッドの押圧力を増加させ、車輪速度が小さい方では他方と比べて車輪速度が相対的に増加するようにブレーキパッドの押圧力を減少させる。
本発明の原理を説明するための、車輪回転速度と制動力の関係、スリップ率と制動力との関係を示す図である。 自動車の4輪に電動ブレーキを適用したブレーキシステムの全体構成を示す図である。 本発明の実施形態に適用される電動ブレーキ装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置のコントローラにおける制動力制御の処理手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る電動ブレーキ装置において、右輪の車輪速度が左輪の車輪速度よりも大きい場合におけるコントローラ内の信号の流れを模式的に示す図である。
符号の説明
1 電動ブレーキ装置
2 前輪
3 前輪ディスクロータ
4 前輪電動アクチュエータ
5 前輪モータドライバ
6 前輪コントローラ
7 メインコントローラ
8 後輪
9 後輪ディスクロータ
10 後輪電動アクチュエータ
11 後輪モータドライバ
12 後輪コントローラ
13 ブレーキペダル
14 ストロークセンサ
15 モータ
16 減速機
17 回転−直動変換機構
18 ピストン
19 ブレーキパッド

Claims (2)

  1. 車両の左右の車輪に対してそれぞれ制動力を発生する一方および他方の電動アクチュエータと、前記一方および他方の電動アクチュエータに対して制動力を発生するための電流をそれぞれに供給するための一方および他方のモータドライバと、制動力を発生するための指令値を送出するコントローラと、を備え、前記コントローラからの指令値に基づき、前記一方および他方のモータドライバは対応する前記一方および他方の電動アクチュエータに対して電流を供給し、前記一方および他方の電動アクチュエータは対応する左右の車輪に対して制動力を発生し、左右輪の車輪速度の計測を基にフィードバック制御する電動ブレーキ装置であって、
    前記一方および他方の電動アクチュエータはそれぞれ、モータと前記モータのトルクに基づき直動力を発生する回転−直動変換機構と前記直動力に基づき制動力を発生するブレーキパッドとを備えており、
    前記電動ブレーキ装置は、車両の直進走行状態かを判断して車両の直進走行状態において、ブレーキペダルの操作に因る制動指令に基づき、前記一方および他方の電動アクチュエータのそれぞれに対する制動指令値を求め、
    前記一方および他方のモータドライバはそれぞれ、前記それぞれの制動指令値に基づき対応するそれぞれのモータへの供給電流を制御してそれぞれのモータの発生トルクを制御し、
    さらに前記電動ブレーキ装置は、それぞれの制動指令値に基づき前記一方および他方の電動アクチュエータが対応する車輪に対して制動力を発生している状態において、前記一方および他方の電動アクチュエータにより制動されている左右輪の車輪速度差を求め、前記求めた車輪速度差が所定の閾値より大きい場合に、前記求めた車輪速度差が小さくなる方向に前記一方および他方の電動アクチュエータの制動指令値を修正し、
    前記制動指令値の修正は、前記一方および他方の電動アクチュエータの制動指令値に対して所定値を加算および減算して求め、加えて、前記制動指令が続行されていると判定した場合には、再度、前記制動指令値、前記左右輪の車輪速度差および前記制動指令値の修正の手順を繰り返して実行する
    ことを特徴とする電動ブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載の電動ブレーキ装置において、
    前記制動指令値の修正は、前記左右輪の車輪速度差が小さくなる方向に、前記車輪速度差のPID算出値をも付け加えることを特徴とする電動ブレーキ装置。
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