JP4542726B2 - 噴霧潤滑装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑油を霧化(マイクロフォグ化)させて軸受や歯車などの被潤滑部に供給する噴霧潤滑装置に関し、さらに詳しくいえば、ほぼ一定濃度のミストを連続して被潤滑部に供給する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
噴霧潤滑装置(ミスト潤滑装置ともいう)では、基本的にベンチュリノズルを用いて潤滑油を霧化するようにしている。ベンチュリノズルの固有の問題として、粒子の細かい油霧と粒子の粗い油霧とが生成されるが、粒子の粗い油霧が被潤滑部に供給されるまでの供給管に入った場合、管壁などに付着して再び油滴となって滞留して、供給回路が遮断されるおそれがある。
【0003】
そこで、通常の噴霧潤滑装置においては、ベンチュリノズルの吹出側にディフュージョンプラグ(例えば特公昭46−24084号参照)を設け、このディフュージョンプラグに油霧を吹き付けることで、粒子の大きな油霧を霧化室内に落下させて、粒子の小さい油霧のみを送油回路に送り込むようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の噴霧潤滑装置は、霧化室内に捕捉された潤滑油を霧化室内から排出するために、別の排出回路を設けて、そこに排油用のポンプを組み込んで、強制的にドーム内の潤滑油を排油していたが、排油専用のポンプとその駆動回路を設けることは、コスト高に繋がっていた。
【0005】
また、次のような課題もあった。すなわち、この種の噴霧潤滑装置は定容量ポンプ(0.025〜0.05cm/shot)を用いて潤滑油を間欠供給している。したがって、ベンチュリノズルの潤滑油が滴下された瞬間は油霧が発生されるが、次の供給までの間は油霧が生成されないため、吐出される油霧の濃度が時系列的に高濃度な部分と低濃度な部分とが生ずる。
【0006】
この課題は、大型の設備機械に対応した噴霧潤滑装置ならば、霧化室を大容量化できるので、多少の濃度差には対応することができるが、小型の設備機械において、霧化室の大容量化は設計上困難である。
【0007】
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、安定した油霧を発生させることができ、単位時間当たりの供給量を可変にすることができるとともに、霧化室内に貯留した潤滑油を簡単な構成で外部に排出できる噴霧潤滑装置を安価に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、発明は、潤滑油を貯留するタンクと、上記潤滑油を霧化する霧化器を含み上記霧化器により生成された油霧を所定の被潤滑部へと送り出す霧化室と、一端が上記霧化器に接続され、他端が所定の送気手段に接続された第1配管と、一端が上記タンクに接続され、他端がポンプを介して上記第1配管内に接続された第2配管とを含み、上記第2配管から上記第1配管内に供給された上記潤滑油の油面が上記送気手段から供給される空気流により均されて上記霧化器に導かれ、霧化された上記油霧のうち、粒子の粗いものを上記霧化室内で回収し、粒子の細かいものを上記被潤滑部に送油する噴霧潤滑装置において、上記第1配管は、上記第2配管の接続部から上記霧化器に至る送油側に、切換手段により選択的に切り換えられる少なくとも2つの異なる長さの送油配管を備えていることを特徴としている。
【0009】
これによれば、潤滑油の供給経路を選択することにより、単位時間当たりの油霧の供給量を変えることができ、被潤滑部の条件に応じて油霧量を変化させることができる。
【0010】
本発明は、好ましい態様として、一端が上記霧化室の底部側に接続され、他端が上記送気手段の空気流によりベンチュリ効果を奏する吸引手段を介して上記第1配管内の上記第2配管の接続部よりも上流側に接続された第3配管をさらに備えている。
【0011】
これによれば、空気流のベンチュリ効果を奏する吸引手段により霧化室内に貯留した潤滑油が第1配管に戻されるため、従来のように新規な回路を設けることなく、既存回路上で排油回路を安価に組み込むことができる。
【0012】
上記第1ポンプは、間欠吐出型の定容量ポンプからなり、上記定容量ポンプの吐出側にはアキュムレータが設けられている。これによれば、定容量ポンプより吐出された潤滑油は、一旦アキュムレーターにストックされ、アキュムレーターから一定量を連続して吐出することができ、より油霧の発生を安定化させることができる。
【0013】
さらに、油霧の発生を安定化させるためには、上記アキュムレータの吐出側にに絞り弁を設け、油霧の吐出量を制御すればよい。
【0014】
上記霧化室内に接続される上記第3配管の一端側には、上記霧化室内の潤滑油の貯留量に応じて、上記第3配管への上記潤滑油の流入を制御する流入制御手段が設けられていることにより、安全かつ確実に潤滑油を霧化室外に排油できる。
【0015】
上記霧化室内には、上記流入制御手段の異常を検知する異常検知手段がさらに設けられていることが好ましく、これによれば、霧化室内での潤滑油の貯留油面の位置などの異常を検知することができる。
【0016】
上記流入制御手段は、一般的な制御手段を各種用いることが可能であるが、上記潤滑油の浮力によって作用するフロートからなるものが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の実施形態に係る噴霧潤滑装置の模式図が示されている。なお、図中実線で示すものが空気の流れに対応し、破線で示すものが潤滑油の流れに対応している。
【0018】
この噴霧潤滑装置1は、潤滑油Oを貯留するタンク2と、潤滑油Oを霧化する霧化器3と、一端が霧化器3に接続され、他端が所定の送気手段に接続された第1配管4と、一端がタンク2に接続され、他端がポンプ51を介して第1配管4内に接続された第2配管5とから構成されている。
【0019】
なお、以下の説明において、第1配管4は送気手段の接続端からベンチュリ43までに至る配管を送気部41とし、ベンチュリ43から吐出ノズル311までに至る配管を送油部42とする。なお、その具体的な構成については後述する。
【0020】
タンク2は、全体もしくはその一部が透明な金属や樹脂などの成型物からなり、上面が解放された内部が中空な箱状体、いわゆるバケツ状に形成されている。タンク2には、図示しない注ぎ口が設けられており、注ぎ口を介してタンク2内に潤滑油Oが注ぎ込まれ、その貯留量が目視確認できるようになっている。タンク2の下部には、潤滑油Oを霧化器3へと送り出す送油口21が設けられている。
【0021】
なお、この実施形態において、送油口21はタンク2外から第2配管5に接続されているが、実際にはポンプ51や各種配管類などはタンク2内部に収納されており、油口21はポンプ51の吸入口となっている。このとき、ソレノイドバルブ52はポンプ51の一部に一体的に取り付けられている。
【0022】
この実施形態において、送油口21は、タンク2の底面よりも所定高さ突き出るように設けられている。これによれば、タンク2に紛れ込んだゴミなどの不純物が送油口21を介して霧化器3に送り込まれることを防止できる。なお、通常のポンプ51の場合、サクションフィルタを備えており、タンク2内の異物は混入しないようになっているが、より効率よく防止するためには、タンク2の底に不織布などを敷き詰めておけば、簡単に除去することができる。
【0023】
タンク2の上部には、霧化器3と、これに付随して生成された油霧を所定の被潤滑部へと送り出す供給管の一部が一体ユニットとなって設けられている。霧化器3は、供給された潤滑油Oを霧化するベンチュリノズル31と、ベンチュリノズル31により生成された油霧を被潤滑部へと送り出す霧化室33とから構成されている。
【0024】
ベンチュリノズル31は、同軸的に配置された吐出ノズル311とベンチュリ本体312とを含み、吐出ノズル311はベンチュリ本体3内のスロート部に向けて突出されている。吐出ノズル311とベンチュリ本体312との間には、空気供給手段70から減圧弁71およびソレノイドバルブ72を介して圧縮空気が送り込まれる送気ポート35が設けられている。
【0025】
ベンチュリノズル31には、同ベンチュリノズル31に潤滑油Oを供給する第1配管4の送油部42の一端が接続されている。この実施形態において、吐出ノズル311側の送油部42の一部は、タンク2上面に対してほぼ水平に配置されており、その一端が直角に折り曲げられて吐出ノズル311に直接的に接続されている。
【0026】
ベンチュリノズル31の吹出側の延長線上には、ディフュージョンプラグ313がさらに設けられている。このディフュージョンプラグ313は、ベンチュリノズル31により生成された油霧をこのディフュージョンプラグ313に向けて強制的に吹き付けることにより、粒子の粗い油霧をディフュージョンプラグ313に付着させて捕捉し、粒子の細かな油霧のみを被潤滑部へと送り出すために設けられている。
【0027】
ベンチュリノズル31の下部には、半球ドーム形状の霧化室33が設けられている。この実施形態において、霧化室33は、図面上ではベンチュリノズル31の吐出側と一体化しているが実際にはネジ式で着脱自在に設けられている。
【0028】
霧化室33は、ディフュージョンプラグ313により捕捉された潤滑油を貯留するために設けられており、その底部には、捕捉された潤滑油を外部に排出するための排出口331が設けられている。
【0029】
この実施形態において、排出口331は、上述したタンク2の送油口21と同じく底部よりも所定高さ突出するように設けられており、底部に貯まった不純物が外部に排出されないようになっている。なお、霧化室33においても、不純物をより効率よく除去するために、霧化室33の底に不織布などを敷き詰めておけば、簡単に除去することができる。
【0030】
霧化室33内には、油霧を所定の被潤滑部へと送り出すためのミスト輸送管34の一端が接続されており、霧化室33内に導かれた油霧を被潤滑部へと送り出すようになっている。ミスト輸送管34には、送気ポート35の他端が接続され、送気ポート35からの圧縮空気とともに油霧が被潤滑部へと送られる。
【0031】
この実施形態において、送気ポート35は、ベンチュリノズル31を介して他端側がさらに延設され、ミスト輸送管34に接続されているが、その延長配管内にはニードル弁351が設けられており、このニードル弁351を操作することにより、ミスト輸送管35内の圧力を調節することができるようになっている。
【0032】
ミスト輸送管3の他端側は、図示しない配管を介して多数に枝分かれしており、各端部にノズルを設けて、ノズル部で油霧を再び粒子の粗い潤滑油して被潤滑部に吹き付けるようになっている。なお、本発明において、ミスト輸送管34以後の配管やその引き回しなどはあくまで任意的な構成要件である。
【0033】
次に、潤滑油Oがタンク2からベンチュリノズル31に至るまでの輸送経路について、具体的に説明する。この実施形態において、まずタンク2内に貯留された潤滑油Oは、第2配管5によって第1配管4の接続部44まで運ばれる。
【0034】
第2配管5は、例えばビニールなどの柔軟かつ透明な樹脂製パイプからなり、内部を流れる潤滑油が目視確認できるようになっている。第2配管5は、その一端がタンク2底部に設けられた送油口21に接続され、他端が第1配管4の接続部44に接続されている。なお、図面上では第2配管5の配管経路上には、ポンプ51が設けられているが、送油口21はポンプ51の吸入口であってもよい。
【0035】
この実施形態において、ポンプ51は間欠吐出型の定容量ポンプであり、この定容量ポンプ51は、送気手段70の一次圧側に接続された送気回路73からソレノイドバルブ52を介して駆動される。定容量ポンプ51から1回に送り込まれる油量は、そのピストンストロークによって任意に設定されるが、参考までに通常の場合、1ショット約0.05cm程度で、インターバルは1分間に4回位である。
【0036】
定容量ポンプ51(第1ポンプ)を駆動させると、タンク2内に貯留された潤滑油Oは、第2配管5を通って第1配管4の接続部44まで運ばれるが、定容量ポンプ51であるために、第1配管4内には1回吐出分の潤滑油Oが一気に吐出されることになる。
【0037】
しかしながら、発生する油霧をより高精度で制御するためには、潤滑油を第1配管4内に一気に吐出するよりも連続して一定量して供給する方がより好ましい。そこで、この第1実施形態において、定容量ポンプ51の吐出側には、一旦潤滑油を蓄油して吐出するアキュムレータ53が設けられ、アキュムレータ53の吐出側には、その吐出量を徐々に吐出制御する絞り弁54が設けられている。
【0038】
これによれば、間欠吐出された潤滑油Oをアキュムレータ53内に一旦蓄油した後、定容量ポンプ51の非作動時にアキュムレータ53の押出作用によって一定量の潤滑油を連続的に第1配管4の接続部44に供給することができる。なお、絞り弁54の仕様は、定容量ポンプ51や潤滑油の流量に応じて適宜選択される。
【0039】
第1配管4は、上記第2配管5と同じくビニール製の柔軟かつ透明なパイプからなり、配管内部が目視確認できるようになっている。第1配管4は、その一端がベンチュリノズル31の吐出ノズル311に接続され、他端がミスト輸送管34の一部、すなわち送気手段70の二次圧側に接続されている。
【0040】
第1配管4には、上述した第2配管5が接続される接続部44が設けられており、第1配管4内に潤滑油Oが連続して送り込まれるようになっている。この第1配管4には、さらに霧化室33内の潤滑油を吸い出すための吸引手段である、ベンチュリ43が設けられている。
【0041】
この実施形態において、第1配管4は図面上、ベンチュリノズル31とミスト輸送管34とを1系統の配管で連結したものからなるが、実質的にはミスト輸送管34の接続端からベンチュリ43までに至る送気部41と、ベンチュリ43から吐出ノズル311までに至る送油部42とに区別されている。
【0042】
ベンチュリ43は、送気部41内を流れる空気流によってベンチュリ効果を奏する吸引手段である。このベンチュリ43には、霧化室33内に貯留された潤滑油を外部に排出すための第3配管6が接続されている。
【0043】
第3配管6は、一端がベンチュリ43を介して送油部42に接続され、他端が霧化室33の底部に設けられた排出口331に接続されている。これにより、送気部41に空気が流れると、ベンチュリ43内で生じるベンチュリ効果によって第3配管6内が負圧になり、その放端側、すなわち排出口331から潤滑油が吸い込まれる。
【0044】
この実施形態において、第3配管6を通って霧化室33内から吸い出された潤滑油は、そのまま送油部42内に導き入れられ、空気流に乗って再びベンチュリノズル31まで運ばれるが、これ以外に送気部41の一部をバイパスして、そこにベンチュリ43を設けて、第3配管6の一端側をタンク2内に導き入れるようにしてもよい
【0045】
このように構成された噴霧潤滑装置1を作動させる、すなわち送気手段70から送気ポート35に圧縮空気を送り込むと、霧化室33内およびミスト輸送管34内に流れ込んだ圧縮空気の一部が送気部41に導かれ、ベンチュリノズル31に向かって送油部42内を移動する。
【0046】
送気部41を流れる圧縮空気は、ベンチュリ43を通ることでベンチュリ効果を生み、第3配管6内に負圧雰囲気を形成することにより、霧化室33内の潤滑油を吸い込みながら、ベンチュリ43を通って、次の送油部42の区間に流れ込む。
【0047】
ポンプ51から吐出された潤滑油Oは、送油部42の接続部44に供給され、送油部42内に導かれた圧縮空気によって接続部44から空気の流れに沿って油面が均され、吐出ノズル311方向に徐々に押し流される。
【0048】
これによれば、吐出ノズル311には、ほぼ一定量の潤滑油Oが途切れることなく連続的に供給されることとなり、常に安定した油霧が発生する。さらに、従来のように排出専用のポンプ回路を別途設ける必要がなく、ベンチュリ43を既設回路上に簡単に組み込むことで、簡単に霧化室33内に貯留した潤滑油を排油することができる。
【0049】
ところで、この実施形態おいて、送気部41の一端はミスト輸送管34の一部に接続され、そこから送気部41に圧縮空気を供給するようにしているが、被潤滑部への供給ポイントが増えた場合や油霧を開放部へ吹き付けるような特殊な使用方法をする場合において、ミスト輸送管34内の内圧が低くなる場合がある。
【0050】
この内圧があまり低いと第1配管4内を流れる空気流の流速が遅くなる場合がある。そこで、このような場合には図2に示すように、第1配管4に送気手段70の一次圧側を用いてもよい。なお、このときは圧縮空気の流量を制御するための減圧弁411が設けられるが、これ以外に減圧弁411の代わりに流量制御バルブであってもよい。
【0051】
ところで、現在市場に出回っている噴霧潤滑装置の霧化室の容積は約250cm程度であり、霧化された潤滑油は数秒で被潤滑部へと送り出されている。したがって、例えば0.05cmの潤滑油の15%が油霧になり5秒程度で被潤滑部へ送られるとした場合、その霧化量と単位時間当たりの供給量は、霧化量:0.05×0.15=0.0075cmであり、単位時間当たりの供給量:0.075÷5=0.0015cm/sとなる。
【0052】
これを本発明の空気流により潤滑油Oを均してベンチュリノズル31に供給する噴霧潤滑装置では、潤滑油Oは、1回の吐出量を約10秒かけて霧化するため、その1回の吐出量に対する総霧化量は上述した従来と同じでも、その単位時間当たりの霧化量は、従来の10分の1程度に抑えることが可能となる。
【0053】
この単位時間当たりの霧化量を制御するには、定容量ポンプ51から吐出された潤滑油Oがベンチュリノズル31まで送られる時間を変えればよい。換言すれば、第1配管4の接続部44から吐出ノズル311までの配管長さ、すなわち送油部42の長さを変えることで制御可能となる。
【0054】
そこで、図3に示すように、本発明において第1配管4は、接続部44から吐出ノズル311に至るまでの送油部42を通常配管4aと迂回配管4bとの2通りの配管経路を備えている。これら通常配管4aと迂回配管4bには一方をONとしたとき、他方をOFFをする制御弁45a、45bが設けられており、制御弁45a、45bを制御することにより、潤滑油Oを通常配管4aもしくは迂回配管4bのいずれか一方に選択的に流すことができる。
【0055】
この実施形態において、通常配管4aの長さは適宜選択され、他方の迂回配管4bは少なくとも通常配管4aよりも長く、例えば2倍程度の長さを備えている。これによれば、通常配管4aを選択した場合は、接続部44より吐出された潤滑油Oは、吐出ノズル311までの到達時間が短く、すなわち送油部42内での空気流による「均し」が少ないため、単位時間当たりの油霧の発生量を増加させることができる。
【0056】
他方、迂回配管4bを選択した場合は、第1配管4内での空気流による「均し」が長時間にわたって行われるため、吐出ノズル311までの到達時間が長くなり、単位時間当たりの油霧の発生量を微量に抑えることができる。とりわけ、この迂回配管4bは、長時間連続で同じ回転数を維持するような機械を潤滑するのに適している。
【0057】
なお、この各配管4a、4bに設けられた制御弁45a、45bは、手動で制御する方法が最も単純であるが、これ以外に例えば被潤滑部である工作機械などの回転数に応じて自動的に選択できるようにしてもよく、また併せて定容量ポンプ51の吐出回数も同時に制御するようにしてもよい。
【0058】
これ以外の方法としては、図4に示すように、通常配管4aと迂回配管4bとを四方弁46で連結する方法がある。すなわち、通常配管4aを四方弁46の一方のinポートとoutポートとを直列に繋ぎ、他方のinポートとoutポートとを迂回配管4bでループ配管する。
【0059】
これによれば、図4(a)に示すように四方弁46を操作すると、通常配管4aのみに潤滑油Oが流れる回路を形成でき、上述した単位時間当たりの油霧量を増やすことができる。
【0060】
他方、図4(b)に示すように四方弁46を操作すると、in側の通常配管4aから導入された潤滑油Oは、四方弁46を介して迂回配管4bへと導かれ、迂回配管4bのループ回路を通って、out側の通常配管4aに導かれる。これによれば、吐出ノズル311までの到達時間が長くなり、結果単位時間当たりの油霧量を抑えることができる。このような手段を用いて、潤滑油Oの配管長を変えてもよい。
【0061】
図5には、霧化室33内に捕捉された潤滑油Oを外部に排出するための排出手段の具体的な構成が示されている。図5(a)に示すように、この排出口331の上部には、第3配管6への潤滑油Oの流入を制御する流入制御手段であるフロート36が設けられている。
【0062】
フロート36は、樹脂などの発泡体からなる円筒体からなり、下部側に排出口331の上端が差し込まれる下部凹溝361が設けられている。下部凹溝361は、排出口331の外径よりも若干大きな開口径を備え、排出口331を有する排出管に沿って上下移動可能になっている。
【0063】
フロート36の上部にも、同様の上部凹溝362が設けられている。この上部凹溝362は、霧化室33内の上部(ベンチュリノズル31側)より垂下された異常検知手段37に沿って移動可能に設けられている。異常検知手段37は、円筒パイプ内に配置されたリードスイッチ371からなり、このリードスイッチ371は上部凹溝362の外周に沿って配置されたマグネットリング363によってON/OFF駆動するようになっている。
【0064】
この噴霧潤滑装置1を駆動させると、粒子の粗い潤滑油は、ディフュージョンプラグ312によって霧化室33内に回収され、霧化室33の底に徐々に貯まっていく。ある程度潤滑油Oが貯留すると、図5(b)に示すように、潤滑油O内に埋没したフロート32は、浮力によって徐々に上方に浮き上がり、下部凹溝361と排出口331との間に隙間を生ずる。
【0065】
このとき、第3配管6内は、霧化室内内圧によって油面が加圧され、ベンチュリ43のベンチュリ効果によって負圧とされているため、この隙間を通って霧化室33内に貯留された潤滑油Oが徐々に吸い出されていく。霧化室33内の潤滑油Oがなくなると、フロート361は下降し、下部凹溝361と排出口331とが接することにより、隙間が閉鎖される。
【0066】
もし隙間に不純物などが混入して、潤滑油Oの排出を妨げるようなことがあった場合、図3(c)に示すように、フロート36が所定の位置まで上昇するとフロート36のマグネットリング363と協働するリードスイッチ371が作動して、外部に設けられた警報ベルなどの警報発生手段を作動させる。これによれば、万が一の場合にも安全に運転を停止することができる。
【0067】
これ以外の方法としては、例えば警報手段を持たない場合は、排出口311の上部に球体からなるボールキャップを設けておき、これを上下にフロート制御する方法であってもよく。上述した方法以外でも、実施可能な方法があれば、好適に採用される。
【0068】
図2のように第1配管4をソレノイドバルブ72の後から分岐して圧縮空気を得る場合には、ベンチュリ43→第3配管6を介して空気流が霧化室33内に逆流する場合もある。これは、フロート36をある程度の重さがあるもの採用するなどの方法が簡単ではあるが、ベンチュリ43を次に示すような構造としてもよい。
【0069】
すなわち、図6にはベンチュリーの断面図とA−A線側部断面図が示されている。具体的な説明をするに当たり、このベンチュリ43は図1のように送気部41上に接続されるものであり、圧縮空気は右方向→左方向に流れるものとする。
【0070】
図6(a)に示すように、このベンチュリ43は、内部に潤滑油Oが専用に流れる潤滑油通路431と、圧縮空気が専用に流れる空気通路432とを備えたノズル430が設けられている。潤滑油通路431は、上部の第3配管6の吐出側からほぼ直角に折り曲げられている。空気通路432は、ノズル430に沿って平行に複数箇所、この実施形態では3箇所設けられている。
【0071】
ノズル430の潤滑油通路431と空気通路432のout側は左側に向けて設けられている。これによれば、第1配管4の圧力が高まっても、ノズル430により空気の流量が制限され、空気通路432の出口付近で生じた圧力差によって潤滑油Oが吸い出されるため、逆流が好適に抑制される。
【0072】
なお、この実施形態において霧化室33内の潤滑油Oは、霧化室33内の内圧とベンチュリ43によるベンチュリ効果を利用して潤滑油Oを半ば強制的に排出しているが、比較的粘度の低い潤滑油を用いた場合には、ベンチュリ43を設けなくても、潤滑油Oの自重によって第3配管6内を下降し排出される。ただし、内圧がほとんど発生しないような特殊な使用方法については、別の回路からの送気手段が必要となる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、霧化器に至るまでの配管の配管長さを適宜選択できることにより、単位時間当たりの油霧量を調節することができ、被潤滑部の条件によって使い分けることができ、さらには潤滑油の節約や環境にも優しい噴霧潤滑装置が得られる。
【0074】
また、霧化器に至る配管の空気流の圧力差によりベンチュリ効果を奏する吸引手段を設けて、霧化室内に貯留した潤滑油を排油することにより、専用の排油回路を設けることなく、安価かつ簡単に霧化室内の潤滑油を排出することができる。
【0075】
さらには、霧化室内に貯留された潤滑油を安全に外部に排油するために、排出口にフロートからなる流入制御手段と、フロートの異常を検知する異常検知手段を設けたことにより、より安全な噴霧潤滑が行える。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態に係る噴霧潤滑装置の模式図。
【図2】第1配管の接続変形例を示す模式図。
【図3】上記実施形態の変形例を示した模式図。
【図4】上記変形例の別の態様を説明する説明図。
【図5】排出口の具体的な構成と作用を説明する説明図。
【図6】ベンチュリの具体的な構成を説明する説明図。
【符号の説明】
【0077】
1 噴霧潤滑装置
2 タンク
21 送油口
3 霧化器
31 ベンチュリノズル
311 吐出ノズル
312 ベンチュリ本体
313 ディフュージョンプラグ
33 霧化室
331 排出口
34 ミスト輸送管
35 送気ポート
36 フロート
37 異常検知手段
4 第1配管
41 送気部
42 送油部
43 ベンチュリ
44 接続部
5 第2配管
51 ポンプ(定容量ポンプ)
52 ソレノイドバルブ
53 アキュムレータ
54 絞り弁
6 第3配管
70 送気手段
71 減圧弁
72 ソレノイドバルブ
O 潤滑油

Claims (7)

  1. 潤滑油を貯留するタンクと、上記潤滑油を霧化する霧化器を含み上記霧化器により生成された油霧を所定の被潤滑部へと送り出す霧化室と、一端が上記霧化器に接続され、他端が所定の送気手段に接続された第1配管と、一端が上記タンクに接続され、他端がポンプを介して上記第1配管内に接続された第2配管とを含み、上記第2配管から上記第1配管内に供給された上記潤滑油の油面が上記送気手段から供給される空気流により均されて上記霧化器に導かれ、霧化された上記油霧のうち、粒子の粗いものを上記霧化室内で回収し、粒子の細かいものを上記被潤滑部に送油する噴霧潤滑装置において、
    上記第1配管は、上記第2配管の接続部から上記霧化器に至る送油側に、切換手段により選択的に切り換えられる少なくとも2つの異なる長さの送油配管を備えていることを特徴とする噴霧潤滑装置。
  2. 一端が上記霧化室の底部側に接続され、他端が上記送気手段の空気流によりベンチュリ効果を奏する吸引手段を介して上記第1配管内の上記第2配管の接続部よりも上流側に接続された第3配管をさらに備えている請求項1に記載の噴霧潤滑装置。
  3. 上記第1ポンプは、間欠吐出型の定容量ポンプからなり、上記定容量ポンプの吐出側にはアキュムレータが設けられている請求項1または2に記載の噴霧潤滑装置。
  4. 上記アキュムレータの吐出側には、絞り弁が設けられている請求項に記載の噴霧潤滑装置。
  5. 上記霧化室内に接続される上記第3配管の一端側には、上記霧化室内の潤滑油の貯留量に応じて、上記第3配管への上記潤滑油の流入を制御する流入制御手段が設けられている請求項2に記載の噴霧潤滑装置。
  6. 上記霧化室内には、上記流入制御手段の異常を検知する異常検知手段がさらに設けられている請求項に記載の噴霧潤滑装置。
  7. 上記流入制御手段は、上記潤滑油の浮力によって作用するフロートからなる請求項またはに記載の噴霧潤滑装置。
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