JP4541685B2 - 脂肪族イソシアネートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は実質的に3段階で芳香族イソシアネートから脂肪族イソシアネートを製造するための方法に関する。本発明は特にビス[4−イソシアナトフェニル]メタン(MDI)からビス[4−イソシアナトシクロヘキシル]メタン(H12MDI)を製造するための方法に関する。本発明は特に、トランス−トランス−異性体の含有率30%未満、有利には20%未満、特に有利には5〜15%の含有率を有するH12MDIの製造方法に関する。
イソシアネートの合成方法は一連の種々の経路により行うことができる。たとえばテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)は古典的なイソシアネート合成(US4,130,577号)の生成物であり、これはハロゲン化アルコールとイソシアヌル酸の金属塩との反応に基づいている。この方法により良好な収率が得られるが、しかし金属塩化物を使用する場合には必然的に問題が生じる。さらに、長い反応時間を甘受しなくてはならない。特に実験室規模ではカーティウス(Curtius)、ロッセン(Lossen)およびホフマン(Hofmann)の名前と結びついたニトリルに基づいた転位が適切であり、これはイソシアネート前駆物質としてカルボン酸を基とする(DE19922996号;W. Hentschel, Chem. Ber. 17, 1284(1884年))。イソシアネートを大工業的に製造するために最も古く、かつ今日でもなお主流となっている変法はいわゆるホスゲン経路である。この方法のベースは、アミンと、高反応性および有効なカルボニル化剤としてのホスゲンとの反応であり、その際、得られるイソシアネートは機械的に見ると付加−脱離反応の連続からの生成物である。方法技術的には2つの基本的な変法を区別することができ、これらは溶剤ホスゲン化(DE19942299号、US4,922,005号、EP0175117号、EP0716079号)および気相ホスゲン化(US4,847,408号、EP0676392号、DE19800529号)である。溶剤法の場合、ホスゲン付加およびHCl脱離反応の連続は溶剤中で行われ、気相ホスゲン化の場合、該方法は気体空間中で行う。後者は現代的な技術として種々の利点が要求され、その利点の中には改善された空時収率および明らかに高い収率で特定のイソシアネートを得られるという可能性が含まれる(EP0764633号、EP0749958号)。両方のホスゲン化構想の欠点はホスゲンの使用であり、つまりその毒性および腐食性に基づいて、工業的な規模ではその取り扱いに特に高い要求が課されることである。
従って、工業的な規模でイソシアネートを製造するためにホスゲンの使用を回避する多数の提案が行われた。ホスゲン不含の方法の概念はしばしば代替的なカルボニル化剤、たとえば尿素またはジアルキルカーボネートの使用下でのアミンのイソシアネートへの変換と関連している(EP0018586号、EP0355443号、US4,268,683号、EP0990644号)。別のホスゲン不含の技術は、イソシアネートにつながる一連の反応のための初期段階として、芳香族ニトリルの還元カルボニル化または芳香族アミノ官能基の酸化カルボニル化に基づいている[ドイツ特許出願公開第2343826号、ドイツ特許出願公開第2635490号;F. J. Weigert, J. Org. Chem. 38(1973年)、1316;S. Fukuoka等、J. Org. Chem. 49(1984年)、1458]。
上記のホスゲン不含の方法から今日までに尿素技術のみがホスゲン法のために商業的に競争力のある大工業的な代替法を確立することができた(EP018586号、EP0126299号、EP0126300号、EP0143320号、EP0355443号、EP0566925号、EP0568782号)。こうして挙げられた尿素経路の基礎は2段階の方法を経由したアミンからイソシアネートへの尿素に媒介される変換である。第一工程ではアミンおよびアルコールを尿素の存在下でウレタンへと反応させ、これを第二工程で熱的にイソシアネートおよびアルコールへと分解する(EP0355443号、EP00568782号、EP0566925号、EP0524554号)。
脂環式イソシアネートを製造するための代替的な可能性は、まず1つもしくは複数のウレタン基を有する脂環式ウレタンを、1つもしくは複数のウレタン基および場合により別の置換基を有する相応する単環式もしくは多環式の芳香族ウレタンの接触水素化により製造し、かつ引き続き脂環式ウレタンをアルコール基の分離により相応する脂環式ジイソシアネートへと変換することである。
さらに、上記の芳香族ウレタンを水素化する際に脂肪族ウレタンが形成されることは公知であり、その際、シス−トランス−異性が可能である。MDUをH12MDUへと水素化する場合、3つのシス−トランス−異性体が可能である:シス−トランス、シス−シスおよびトランス−トランスのH12MDUである。H12MDU異性体混合物のアルコール基の分離はビス[4−イソシアナトシクロヘキシル]メタンの形成下にH12MDI異性体の混合物を生じ、その比率はほぼ、出発生成物中でのH12MDU異性体の比率と同じである。
応用技術的なH12MDIの特性は直接、異性体の比率、特に4,4′−トランス−トランス−異性体の含有率に結びついている。H12MDIから製造されるポリウレタンの製品品質が常に同じであることを保証するために、およびより容易なハンドリング性の理由から、H12MDIが室温で固体成分を含有しない均質な液体として存在することが特に重要である。4,4′−トランス−トランス−異性体の含有率が上昇すると共に温度は下がり、その際にH12MDI中で最初の固体粒子が形成される。従って低い4,4′−トランス−トランス−割合を有する生成物は広い温度範囲で液状であり、従って著しい応用技術的な利点を有する。
すでに上で記載したように、H12MDUからアルコール基の分離により製造されたH12MDI中の異性体比はH12MDU中の異性体比とほぼ同じである。従ってH12MDI中で低い4,4′−トランス−トランス−割合を達成すべき場合、MDUを水素化する際に低い4,4′−トランス−トランス−割合を有するH12MDUが生じ、その後、相応して低い4,4′−トランス−トランス−割合を有するH12MDIへと直接加工することができる場合に特に経済的に有利である。
芳香族ウレタンの、相応する脂環式ウレタンへの水素化は、前記の刊行物から明らかであるように、特に担持触媒を使用して行う。
US特許第5,360,934号はこのような方法を教示しているが、しかしこの場合、ロジウムを含有する担持触媒を使用している。活性金属としてルテニウムもまた存在していてよい。この文献の教示によれば触媒活性は、担体として使用される酸化アルミニウムの変態に著しく依存する。この教示によれば担体材料としてδ−、θ−およびκ−酸化アルミニウムは、市販のγ−酸化アルミニウムを担体材料として含有する触媒よりも活性が高い。
EP0813906号に記載の方法では、少なくとも1つの官能基が芳香族環に結合している芳香族化合物も含む有機化合物をルテニウム担持触媒の使用下で水素化することができる。触媒は活性金属としてルテニウムに加えて、周期系の第I、第VIIまたは第VIII副族からのその他の金属を含有していてもよい。担体材料は最大で30m/gのBET表面積および少なくとも50nmの平均孔径を有する。ここで使用される触媒はさらに活性金属の表面積と触媒担体の表面積との比率が0.05よりも小さいことを特徴とする。有利に500nm〜約50μmの平均孔径を有する担体材料は、有利には酸化アルミニウムおよび二酸化ジルコニウムである。MDUをHMDUへと水素化するための詳細はこの文献から読みとることができない。特に少なくとも1つのヒドロキシ基またはアミノ基が芳香族環に結合している置換された芳香族化合物の水素化が記載されている。これに対して本出願の発明者らは置換された芳香族ウレタンを低い4,4′−トランス−トランス−割合を有する脂環式ウレタンに変換するという課題を設けた。
EP0813906号の方法と類似の方法をEP0814098号は教示している:担体に結合したルテニウム−水素化触媒のための担体材料としてここでは、その細孔容積の10〜50%が50〜10000nmの範囲の細孔径を有するマクロ細孔からなり、かつ50〜90%が2〜50nmの範囲の細孔径を有するメソ細孔から形成されている材料を使用している。担体のBET表面積は50〜500m/g、特に200〜350m/gであると記載されている。活性金属の表面積と担体の表面積との比率は0.3よりも小さく、特に0.1よりも小さい。このような触媒の活性ならびにMDUをH12MDUへと水素化する際の異性体比に関する記載はこの文献からは読みとれない。
EP0653243号から、芳香族化合物の水素化のために適切な触媒が公知である。該明細書に記載されている触媒は溶解した活性成分を有機ポリマー中に導入することにより製造される系である。この混合物を引き続き、担体材料と配合して最終的に成形し、かつ温度処理しなくてはならない。このような構成の触媒の製造は比較的高価である。というのも、多数の個々の部分工程を考慮しなくてはならないからであり、これは総じて費用がかかる。というのも、一連の化学的な添加剤が必要だからである。さらに活性成分は均一に担体材料と混合されるので部分的に触媒反応のために使用されるにすぎない。
ドイツ特許出願公開第2639842号は、芳香族ウレタンを水素化することにより脂環式ウレタンを製造する方法を記載している。水素化触媒として周期系の第VIII族の遷移金属が使用され、その際、ロジウムが特に有利である。特にジメチル4,4′−メチレンジカルバニレートの、ジメチル4,4′−メチレンジシクロヘキシルカルバメートへの水素化もまた記載されている。水素化は不活性溶剤中、有利には脂肪族アルコール中で実施する。この方法の欠点は使用される触媒が迅速に活性を失い、かつ硫酸、メタノールおよび2−プロパノールによる洗浄により部分的に再生できるにすぎないことである。さらに生成物中の4,4′−トランス−トランス−割合に関する記載は存在せず、かつこれが重要であるとの記載も見られない。
ドイツ特許出願公開第4407019号には芳香族イソシアネートから脂環式イソシアネートを製造するための方法が記載されている。該方法は3つの反応工程を含む:
1.芳香族イソシアネートとアルコール、有利にはメタノールとの反応(ウレタン化)。ウレタン化は「自体公知の方法」で行う(請求項5)。
2.不活性溶剤中、周期系の第VIII族の金属またはその化合物を水素化触媒として使用する芳香族ウレタンの水素化、この場合、ルテニウムが特に有利である。
3.「自体公知の方法」でのイソシアネートの遊離下でのアルコールの分離(請求項5)。
例としてMDIからのH12MDIの製造が記載されている。この例はジメチル−4,4′−メチレンジカルバニレートからジメチル4,4′−メチレンジシクロヘキシルカルバメートへの水素化を含む。生成物の4,4′−トランス−トランス−割合に関する記載はこの文献から読み取ることはできない。担体触媒は周辺的に記載されているにすぎない。
EP0023649号からは、芳香族イソシアネートから脂肪族イソシアネートを製造する方法が公知であり、この方法の特徴はまず芳香族イソシアネートをラクタムと反応させ、かつその後の工程でラクタムブロックされたイソシアネートをロジウム触媒で環水素化することである。遊離の脂肪族イソシアネートを取得するためにラクタムを熱分解する。欠点はラクタムブロックされた芳香族イソシアネートはすでに比較的低い温度でイソシアネートとラクタムとに再分解され、かつこのことが収率の損失および触媒の失活につながることである。従って低い反応温度を保証するためにもっぱら、ルテニウムと比較して高価なロジウムの価格に基づいて極めて高価なロジウムベースの触媒を使用する。EP0023649号に記載されている実施例から、MDIからH12MDIへの反応の場合、32.1%の4,4′−トランス−トランス−異性体割合を有する生成物が生じることが明らかである。この生成物は記載によれば、予測されるように、室温ではもはや完全に液状ではなく、結晶を含有する。
EP0268856号は、ホルムアルデヒドおよびカルバミン酸エステルを芳香族化合物に酸性触媒によって付加することによりアラルキル−モノ−およびジウレタンを製造する方法を教示している。こうして製造した生成物は直接、芳香族イソシアネートへと分解することができるか、またはまず環水素化し、かつ次いで脂肪族イソシアネートを遊離しながら分解することができる。生成物中のシス−トランス−異性体の分布に関する示唆は見られない。特に該刊行物からH12MDUを製造する方法を導き出すことはできない。
US4,130,577号 DE19922996号 DE19942299号 US4,922,005号 EP0175117号 EP0716079号 US4,847,408号 EP0676392号 DE19800529号 EP0764633号 EP0749958号 EP0018586号 EP0355443号 US4,268,683号 EP0990644号 DE−OS2343826号 DE−OS2635490号 EP0126299号 EP0126300号 EP0143320号 EP0355443号 EP0566925号 EP0568782号 EP0524554号 US5,360,934号 EP0813906号 EP0814098号 EP0653243号 DE2639842号 DE4407019号 EP0023649号 EP0268856号 W. Hentschel, Chem. Ber. 17, 1284(1884年) F. J. Weigert, J. Org. Chem. 38(1973年)、1316 S. Fukuoka等、J. Org. Chem. 49(1984年)、1458
本発明の課題は、所望の脂環式イソシアネートが高い選択率で得られる、ルテニウム含有の担持触媒の存在下に芳香族イソシアネートから脂肪族イソシアネートを製造する方法を見出すことである。本発明のもう1つの課題は、H12MDUの4,4′−トランス−トランス−異性体割合が30%未満、有利には20%未満、特に有利には5〜15%であるべきH12MDIの製造方法を提供することである。もう1つの課題は高い反応率にも係わらず、低い4,4′−トランス−トランス−割合が維持されることに関する。もう1つの課題によれば方法中で使用される触媒が高い寿命を有し、かつ異性体分布が比較的長い運転時間の後でもほぼ変化しない。
上記課題は本発明により1つもしくは複数の芳香族環および1つもしくは複数の、直接および/または間接的に1つもしくは複数の芳香族環に結合したイソシアネート基を有する相応する芳香族イソシアネートから脂肪族イソシアネートを製造するための方法において、該方法が次の3つの段階:
1.芳香族イソシアネートのウレタン化、
2.活性金属としてルテニウムを単独で、または周期系の第I副族、第VII副族または第VIII副族の少なくとも1種の金属と一緒に、担持触媒に対して担体上に施与された活性金属0.01〜20質量%の量で含有し、その際、触媒担体は30m/gより大きく70m/gより小さい範囲のBET表面積を有し、かつ触媒担体の細孔容積の50%以上は50nmよりも大きな孔径を有するマクロ細孔であり、かつ50%未満が2〜50nmの孔径を有するメソ細孔である担持触媒の存在下で水素を用いた芳香族ウレタンの水素化、
3.水素化したウレタンの脂肪族イソシアネートへの分解
を有することを特徴とする方法により解決されることが判明した。
請求項2以降は本発明による方法の有利な実施態様に関する。
冒頭に記載した前記の従来技術、特にEP0814098号を鑑みると、30m/gより大きく70m/gより小さい範囲の比表面積を有する触媒担体が、細孔容積の50%以上はマクロ細孔から形成され、かつ細孔容積の50%未満がメソ細孔から形成される場合に、芳香族ウレタンの水素化法において特に効果的であることは意外であった。従って重要なことはBET表面積単独または細孔分布単独ではなく、これらの両方の特徴を組み合わせることである。最後に、本発明による方法において使用される触媒は原則的にEP0813906号に記載された触媒とは異なる。というのは、触媒担体が公知の方法ではたしかにマクロ細孔を有しているが、しかしBET表面積は最大で30m/gであり、かつ有利には最大で15m/gであるべきだからである。活性金属および触媒担体の表面積の比率は0.01〜0.5、特に0.03〜0.3の範囲である。意外にも、CO−化学吸着により測定される活性金属、およびBETにより測定される触媒担体の小さい、0.03〜0.06の表面積比もまた、本発明による使用される触媒の場合、緩和な水素化条件下で高い触媒活性につながる。
意外なことに本発明による方法により、本発明により使用される触媒と関連して、30%未満の低いトランス−トランス−異性体割合を有するイソシアネートが得られることが判明した。本方法は特に、橋かけした二環式の出発生成物、たとえば次の段落に記載する、20%未満、特に5〜15%のトランス−トランス−異性体割合を有する水素化生成物を製造するためにも適切である。
本方法は特に<30%、有利には<20%、特に有利には5〜15%のトランス−トランス−異性体割合を有するビス[4−イソシアナトシクロヘキシル]メタン(H12MDI)を製造するために適切である。
本発明による方法によりあらゆる種類の芳香族イソシアネートを相応する脂環式イソシアネートへと反応させることができる。その際、芳香族イソシアネートは単環式もしくは多環式の芳香族化合物であってもよい。有利には芳香族化合物は単環式および二環式の芳香族イソシアネートまたはジイソシアネートまたはトリイソシアネートである。芳香族イソシアネートは芳香族の環において、および/またはイソシアネート基において、たとえば1つもしくは複数のアルキル基および/またはアルコキシ基により、有利にはC〜C20−アルキル基および/またはC〜C20−アルコキシ基により置換されていてもよい。特に有利な置換基はC〜C10−アルキル基、特にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基であり、アルコキシ基の中でもC〜C−アルコキシ基、特にメトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシが有利である。芳香族環ならびにアルキル基およびアルコキシ基は場合によりハロゲン原子、特にフッ素原子により置換されているか、またはその他の適切な不活性もしくは水素化可能な置換基を有していてもよい。
芳香族イソシアネートは、2価の炭化水素基、たとえばメチレン基またはエチレン基により結合している複数の芳香族環を有していてもよく、その際、芳香族環の1つもしくは両方が別のイソシアネート基および/またはC〜C−アルキル基またはアルコキシ基を有していてもよい。結合する基は1つもしくは複数のアルキル置換基、特にC〜C20−アルキル基、有利には1つもしくは複数のメチル基、エチル基、n−もしくはイソ−プロピル基、n−もしくはs−ブチル基またはt−ブチル基を有していてもよい。
特に有利な芳香族イソシアネートは次に挙げる、以下に式により記載される化合物である:
ビス[4−イソシアナトフェニル]メタン、2−イソシアナトフェニル−4′−イソシアナトフェニルメタン、2−イソシアナトフェニル−2′−イソシアナトフェニルメタン(MDI)および多環式のメチレン橋かけイソシアナトフェニル(PMDI)ならびにこれらの混合物、
Figure 0004541685
Figure 0004541685
4,4′−ジメチル−3,3′−ジイソシアナトメタン、2,4′−ジメチル−3,3′−ジイソシアナトメタン、2,2′−ジメチル−3,3′−ジイソシアナトメタンならびにこれらの混合物、
Figure 0004541685
1,2−ジイソシアナトベンゼン、1,3−ジイソシアナトベンゼンおよび1,4−ジイソシアナトベンゼンならびにこれらの混合物、
Figure 0004541685
2,4−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエンならびにこれらに混合物、
Figure 0004541685
1,6−ジイソシアナトナフタリン、
Figure 0004541685
MXDIおよびTMXDI、
Figure 0004541685
特に有利にはMDIを使用する。
本発明による方法の範囲では有利には、触媒の寿命を損なうことのない出発材料を使用する。リン、硫黄および/または塩素を含有する化合物が出発材料中に存在していない場合に有利であることが判明した。
ウレタン化:
イソシアネートとアルコールとの反応は公知であり、かつ専門書にすでにしばしば記載されている(たとえばUllmann's Enzyklopaedie der technischen Chemie、第4版、第19巻、第310〜340頁を参照のこと)。
反応は純粋な物質として行うことができるが、しかし通常は低い粘度に基づいて溶剤を使用する。溶剤として、反応体に対して不活性であることが判明している全ての液体、たとえばアセトンおよびメチルエチルケトンのようなケトン、たとえばトルエンおよびキシレンのような芳香族化合物、ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンのようなアミド、ジエチルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフランのようなエーテル、エチルアセテート、ブチルアセテートおよびメトキシプロピルアセテートのようなエステルが考えられる。溶剤の混合物も当然、可能である。
考えられる溶剤はできる限り無水であるほうがよい(含水率<0.1質量%)。
アルコールとして第一、第二もしくは第三モノアルコール、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソ−ペンタノール、ネオ−ペンチルアルコール、ヘキサノール,シクロヘキサノールおよびエチルヘキサノールを使用することができる。アルコールの混合物もまた可能であることは自明である。
イソシアネート基対アルコール基の比は、それぞれのイソシアネート基に対して少なくとも1つのアルコール基がくるように調整する。しかし通常は過剰のアルコールを使用する。過剰はイソシアネート等量の100倍までであってよい。この場合、アルコール成分はさらに溶剤として機能する。
イソシアネート、特にMDIおよびアルコール、特にn−ブタノールとの反応は、標準圧力において通常、20〜160℃、有利には40〜120℃の温度で実施する。
反応時間は通常20分〜10時間であり、パラメータ、たとえば温度、モノマー濃度およびモノマー反応率によって影響を与えることができる。
さらに反応は、ウレタン化学において以前から公知のように、触媒を用いて促進することもできる。問題となっている金属含有の触媒、たとえばジブチルスズジラウレートおよびオクタン酸亜鉛および第三アミン、たとえばトリエチルアミンおよび1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタンである。
反応容器として撹拌反応器、撹拌反応器カスケード(連続的または不連続的に運転される)、流れ管反応器(Stroemungsrohre)または押出機が考えられる。押出機は特に、溶剤を使用しない場合に適切である。適切な押出機の選択は当業者に自明である(Schneckenmaschinen in der Verfahrenstechnik, H. Hermann, Springer Verlag, Berlin ,Heidelberg, New York、1972年を参照のこと)。
水素化:
水素化のために特に有利な芳香族ウレタンは次に挙げる、以下に式により記載される化合物である:
ジアルキル4,4′−メチレンジカルバニレート、ジアルキル2,4′−メチレンジカルバニレート、ジアルキル2,2′−メチレンジカルバニレートおよび多環式のメチレン橋かけしたアルキル−カルバニレート(PMDU)ならびにこれらの混合物、
Figure 0004541685
ジアルキル4,4′−メチレン−3,3′−ジカルバニレート、ジアルキル2,4′−メチレン−3,3′−ジカルバニレート、ジアルキル2,2′−メチレン−3,3′−ジカルバニレートならびにこれらの混合物、
Figure 0004541685
ジアルキル1,2′−フェニルジカルバメート、ジアルキル1,3−フェニルジカルバメートおよびジアルキル1,4−フェニルジカルバメートならびにこれらの混合物、
Figure 0004541685
ジアルキル2,4−トルエンジカルバメート、ジアルキル2,6−トルエンジカルバメートならびにこれらの混合物、
Figure 0004541685
ジアルキル1,6−ナフタリンジカルバメート、
Figure 0004541685
いわゆるMXDIおよびTMXDIに相応するウレタン
Figure 0004541685
有利な化合物はジアルキル4,4′−(C〜C)アルカン−ジカルバニレートおよび/または2,4′−および/または2,2′−異性体またはこれらの混合物、特に有利にはジブチル4,4′−メチレンジカルバニレートまたは異性体または混合物(MDU)である。特にジブチル4,4′−メチレンジカルバニレートを、<30%、有利には<20%、特に有利には5〜15%のトランス−トランス−異性体割合を有するジブチル4,4′−メチレンジシクロヘキシルカルバメートへと水素化する。
本発明により使用すべき担持触媒はルテニウムおよび場合により第I、第VIIまたは第VIII副族の少なくとも1種の金属を適切な担体上に施与することにより工業的に製造することができる。施与は金属塩水溶液、たとえばルテニウム塩溶液中に担体を浸漬することにより、相応する金属塩溶液を担体上に噴霧することにより、またはその他の適切な方法により行うことができる。ルテニウム塩溶液ならびに第I、第VIIまたは第VIII副族の元素の金属塩の溶液を製造するための塩として、相応する金属の硝酸塩、ニトロシル硝酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩、カルボン酸塩、アセチルアセトン酸塩、塩素錯体、ニトロ錯体またはアミン錯体が適切である。硝酸塩および硝酸ニトロシル塩が有利である。
ルテニウム以外に担体上に施与された別の金属を含有する触媒の場合、金属塩もしくは金属塩溶液を同時に、または順次、施与することができる。
ルテニウム塩もしくはさらに別の金属塩溶液により被覆した、もしくは浸漬した担体を、有利には100〜150℃の温度で乾燥させ、かつ選択的に200〜600℃の温度でか焼する。引き続き被覆した担体を遊離の水素を含有する気体流中、30〜600℃、有利には150〜400℃の温度で処理することにより被覆した担体を活性化する。気体流は有利にはH 50〜100体積%およびN 0〜50体積%からなる。
担体上にルテニウム以外にさらに第I、第VIIまたは第VIII副族の1種もしくは複数のその他の金属を施与する場合、および順次塗布する場合、担体をそのつどの塗布もしくは浸漬の後に100〜150℃の温度で乾燥させ、かつ選択的に200〜600℃の温度でか焼することができる。その際、金属塩溶液を施与する順序は任意に選択することができる。
有利な1実施態様によれば担体の被覆は金属塩溶液を高めた温度で、特に50℃を上回る温度、および特に有利には80〜150℃で噴霧することにより行うので、すでに被覆の際に溶剤は少なくとも部分的に気化し、かつ触媒作用のある金属の浸入深さが制限される。有利には浸入深さは5〜250μm、特に10〜150μmおよびとりわけ有利には50〜120μmの範囲である。触媒上に施与された活性金属は20〜500μm、特に25〜250μmの、担体中への浸入深さを有する。
ルテニウム塩溶液および場合により別の金属塩溶液は、触媒の総質量に対してルテニウムおよび場合により第I、第VIIまたは第VIII副族のその他の金属が担体上に0.01〜20質量%施与されるような量で担体上に施与する。有利には活性金属の量は0.2〜15質量%、特に約0.2〜3質量%であり、その際、ルテニウム含有率はその他の金属の含有率を有利に上回る。
本発明により使用される触媒の担体材料は30m/gより大きく、かつ70m/gより小さい範囲の比BET表面積(DIN66131によりNを用いて測定)を有する。
担体は50nmより大きい孔径を有するマクロ細孔を有する。マクロ細孔の直径は特に50〜50000nmの範囲であるが、しかし多くの場合、50〜10000nmの範囲である。担体がメソ細孔も有している場合、メソ細孔は2〜50nmの範囲の孔であると理解する。細孔容積の少なくとも50%はマクロ細孔から形成され、かつ50%未満はメソ細孔から形成される。有利な担体は細孔容積の55〜85%の量でマクロ細孔を有し、かつ細孔容積の15〜45%はメソ細孔である。特に有利な担体ではメソ細孔は細孔容積の約25〜45%であり、かつマクロ細孔は細孔容積の残りである。2nmより小さい孔径を有するミクロ細孔は存在する場合には細孔容積の10%未満であり、特に1%未満にすぎない。
担体の変性は単一的でも混合されていてもよいので、細孔分布は単峰性、双峰性または三峰性であってもよい。
原則として、特許請求の範囲に記載したBET表面積、孔径および細孔分布を有していれば、水素化触媒のためのすべての公知の担体材料を使用することができる。酸化物、ケイ酸塩および窒化物の担体および特に単相もしくは多相の結晶質もしくはX線非晶質もしくは混合された構造が適切である。
担体はさらに公知の方法でアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の化合物および/またはランタニド系列の金属により変性されていてもよい。
担体の例は、Al、TiO、ZrO、SiO、MgOおよびZnOの系列からの酸化物、さらに混合酸化物、たとえばスピネル、たとえばMgAlである。アルミノケイ酸塩および活性炭もまた、これらの担体が本発明による特性の組み合わせを有していれば適切である。酸化物AlおよびTiOが特に有利である。
水素化は20〜250℃の範囲、特に200℃より低い温度で、および約1〜30MPaの範囲、有利には15MPa未満の有効なH分圧で、連続的に、または不連続的に運転される懸濁液−もしくは固定床水素化反応器中で実施する。本発明による触媒の活性により、水素化を緩和な条件下で、特に50〜150℃、特に70〜120℃の範囲の温度および3〜15MPaの範囲のH圧力で実施することができるので、技術的にそれほど高価でない反応器を使用することができ、このことにより方法の経済性が向上する。
緩和な水素化条件から生じるもう1つの経済的な利点は、方法の全収率の向上である。これは特に温度の上昇と共にウレタンの、イソシアネートとアルコールとへの再分解が増加することに起因する。保護されていないイソシアネート基を引き続き水素化することにより不所望の副生成物が形成され、これを生成物から分離しなくてはならず、従って収率の損失はこのようにして条件付けられる。
水素化は適切な溶剤の存在下または不在下で実施することができる。有利には溶剤が存在し、かつしかも水素化すべき芳香族ウレタンの溶液に対して約10〜90質量%の量で存在する。
適切な溶剤はたとえば次のものである:第一級、第二級および第三級の一価もしくは多価アルコール、たとえばメタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール、n−、s−およびt−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノ(C〜C)アルキルエーテル;直鎖状エーテル、たとえばエチレングリコールジ(C〜C)アルキルエーテル;環式エーテル、たとえばテトラヒドロフランおよびジオキサン、アルカン、たとえば4〜12個の炭素原子を有するn−およびイソ−アルカン、たとえばn−ペンタン、n−ヘキサンおよびイソオクタン、および環式アルカン、たとえばシクロヘキサンおよびデカリン。
溶剤は水素化生成物自体、つまり脂環式ウレタンであってもよい。
本方法の有利な実施態様では、アルコールおよびエーテルからなる2種類または複数の溶剤からなる混合物を使用し、その際、アルコールは特にウレタン中に含有されているアルコール基に相応し、有利にはn−ブタノールである。有利なエーテルはTHFである。意外なことに、アルコールの添加は、質量作用の法則に基づいて予測されるウレタンのアルコールとイソシアネートとへの再分解の低減に起因する水素化の選択率の上昇につながるのみではなく、触媒の活性ひいては全プロセスの空時収率が著しく上昇することが判明した。溶剤混合物のアルコール含有率は0.1質量%から99.9質量%まで、有利には50質量%未満、特に有利には5質量%から30質量%までで変化する。
連続的な水素化のためには固定床反応器が有利である。固定床反応器はバブル反応器(Blasenreaktor)として運転することができるが、しかし有利にはかん液床(Rieselbett)の運転方法である。有利には0.1〜5h−1の範囲のLHSV値(=固定床触媒1Lおよび1時間あたりの反応溶液のL)を有するかん液床反応器が有利である。本発明による方法の特に有利な実施態様によれば、管束反応器を使用し、かつ該反応器をかん液床運転法で運転する。
分解:
尿素法と同様に、ホスゲン不含のイソシアネート合成のための記載した全ての変法の多数は、最後の段階の1つ前の段階でウレタン族に属する化合物につながる。カルバメートともよばれるウレタンは直接のイソシアネート前駆物質として見なすことができる。重要な工程はいずれの場合も所望のイソシアネートの、特にベースとなるウレタンもしくはカルバメートの熱分解によるイソシアネートの遊離である。
同様に本発明による方法は最後の工程で熱的に誘導されるウレタンの分解に起因する。これは基本的にウレタン分解のための公知の方法に基づいて行うことができる。つまり気相または液相中、溶剤を用いるか、または用いずに、および触媒を用いるか、または用いずに行うことができる(EP0126299号、EP0126300号、EP0355443号、EP0092738号、EP0396977号、EP0396976号)。有利には本発明による方法は、ウレタン分離に関して本質的にEP0568782号の尿素技術からの認識に方向付けられる。模範から逸脱する方法パラメータ(圧力、温度、触媒量)の詳細においては、本発明による方法および尿素技術のウレタンは異なった発生履歴を有し、かつこの理由からたしかに基本的に区別されるのではなく、副生成物の範囲において相互に区別することができるという事実から生じる。
上記の尿素技術からの従来技術に準拠して本発明による方法の範囲での脱ブロック反応は有利には、ウレタンを液相で、溶剤を使用せずに適切な触媒1〜2000ppm、有利には2〜1000ppm、特に有利には5〜500ppmの存在下に、組み合わされた分解−および精留塔中、塔底温度200〜300℃、有利には215〜245℃で、および塔底圧力1〜50ミリバール、有利には5〜30ミリバールで熱分解し、かつ形成されたイソシアネートを粗製イソシアネートとして精留塔の側方排出部から排出し、その一方でアルコールを塔頂から留去して実施する。分解のための下部と分解生成物の精留のための上部とからなる組み合わされた分解−および精留塔は、効果の高い、有利には規則充てん体を有していてよく、かつ塔底でその場でエネルギー供給のために、流下薄膜式蒸発器を備えていてもよい。分解の際に形成される副生成物を除去するために、塔底から連続的に反応混合物を、使用量に対して2〜50質量%、有利には5〜25質量%の量で除去する。分解すべきウレタンは塔の下の三分の一の部分に供給するが、しかし代替的に流下薄膜式蒸発器への供給部(Waelzung)に供給することもできる。
イソシアネート基の反応率ひいてはこれと結びついて不所望の高分子副成分を形成する傾向に基づいて、分解帯域中での平均的な滞留時間はできる限り短く維持する方がよく、このことは液体体積の低減により相応する構造的な措置および規則充填体の使用によりわずかな「ホールドアップ」ならびにできる限り迅速な、形成されたイソシアネートの分解塔からの蒸留除去により達成される。
可能な範囲で最善の条件を維持する場合でさえ、平均的な滞留時間および形成されたイソシアネートの迅速な除去に関して高分子の副生成物の形成を完全に抑制することはできないので、その除去は連続的に反応混合物を部分的に塔底から排出する。排出により材料の樹脂化はほぼ抑制されるので、装置の析出物および閉塞により生じる工業的な方法の過程における顕著な障害は回避することができる。
組み合わされた分解−および精留塔から留去される粗製ジイソシアネートの精製は真空蒸留により行い、その際、前抽出物および蒸留残留物は組み合わされた分解−および精留塔に返送することができる。
本発明による方法の意味での適切な触媒は周期系のIB、IIB、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIBおよびVIIIBの群の金属のハロゲン化物または酸化物である。有利には亜鉛またはスズの塩化物ならびに亜鉛、マンガン、鉄またはコバルトの酸化物を使用する。
前方に接続されたウレタンの分解は、まず溶剤、たとえばテトラヒドロフラン(THF)および過剰のブタノールを窒素ストリッピングにより分離し、かつ引き続きフラッシュ蒸発(Kurzwegverdampfung)および薄膜蒸発からなる2段階の組合せによりウレタン化/水素化の連続において生じるか、かつ/またはすでに不純物として使用物質中に存在するその他の低沸点の副成分が低減される、大まかな前精製段階である。場合により蒸発器組合せの前域にある溶剤(たとえばTHFおよびブタノール)のストリッピングは完全に省略することもできる。
分解での使用前に精製ウレタンに分解触媒を、ウレタンの製造のためにも有利なアルコール中の約5%の溶液または懸濁液として、分解反応器中の混合物の体積に対して1〜2000ppm、有利には2〜1000ppm、特に有利には5〜500ppmの量で計量供給する。
本発明を以下の実施例に基づいて詳細に説明する。
I.ウレタン化:
例:
MDI157g(0.63モル)を無水テトラヒドロフラン(THF)2.2l中に溶解し、かつ少量づつn−ブタノール343g(4.63モル)を添加した。該溶液を撹拌下で加熱(70℃)し、5時間還流させ、かつ次いで冷却した。溶剤(THFおよび過剰のブタノール)を回転蒸発器で留去した後で、MDU388g(99%)が白色の粉末として生じ、これは融点115〜117℃およびNCO含有率0.8%を有していた。
II.水素化:
A.触媒の製造:
例1:
約33m/gのBET表面積および0.41ml/gの細孔容積を有する双峰性の細孔分布を有し、その際、直径2〜50nmの細孔は実質的に確認されないが、しかし細孔容積の100%は50〜10000nmの範囲の直径を有するマクロ細孔からなる酸化アルミニウム成形体(押出成形体、d=3mm)を、硝酸ルテニウム(III)水溶液を用いて約90〜100℃で、運動しながら存在する担体材料上に触媒溶液を噴霧し、その際、同時に水を蒸発させることにより被覆した。触媒溶液は溶液の質量に対して金属5%の濃度を有していた。こうして被覆した担体を温度120〜180℃で加熱し、かつ引き続きH 50%およびN 50%からなる混合物により200℃で4時間還元した。こうして製造した触媒は触媒の総質量に対してルテニウムを3質量%含有していた。ルテニウムの浸入深さは70〜90μmであった。CO化学吸着により測定したルテニウム表面積対BETにより測定した被覆していない担体材料の表面積の比率は約0.05であった。酸化アルミニウム成形体はほぼα−およびγ−Al(SiO 約18質量%ならびにアルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物FeおよびTiO 約2質量%)からなっていた。
例2:
約32m/gのBET表面積、三峰性の細孔分布および0.58ml/gの細孔容積を有する例1の担体と同様の組成の酸化アルミニウム成形体(押出成形体、d=3mm)を例1においてと同様に含浸させた。担体材料の細孔容積は2〜50nmの細孔31%、50〜10000nmの細孔44%および10000nmを越え5μmまでの孔径を有する細孔25%からなっていた。こうして製造した触媒は例1と同様にルテニウム3質量%を有しており、かつ浸入深さは70〜90μmであった。
例3:
約54m/gの表面積を有する酸化アルミニウム成形体(押出成形体、d=3mm)は三峰性の細孔分布で0.77ml/gの細孔容積を有していた。細孔容積の40%は直径2〜50nmの細孔からなり、細孔の60%は50〜10000nmの孔径を有していた。担体の含浸、触媒のか焼および還元は例1と同様に行った。こうして製造した触媒は触媒の総質量に対してルテニウムを3質量%含有していた。浸入深さは70〜90nmであった。使用した酸化アルミニウム成形体はα−、θ−およびγ−Al−変態を有していた。
例4:
約35m/gのBET表面積を有する2〜4mmの酸化アルミニウム成形体の球体は単峰性の細孔分布で0.5ml/gの細孔容積を有していた。細孔容積の42%はメソ細孔(2〜50nm)から、および58%はマクロ細孔(50〜10000nm)から形成されていた。担体材料はθ−およびγ−Al−変態を有していた。含浸、か焼および還元は例1と同様に行った。こうして得られたルテニウム担持触媒は触媒の総質量に対してルテニウムを3質量%含有していた。ルテニウムの浸入深さは80〜120μmであった。
比較例1:
ほぼルチルとアナターゼとからなる混合物からなり、45m/gのBET表面積を有する二酸化チタン成形体(押出成形体、d=2mm)は単峰性の細孔分布で0.35ml/gの細孔容積を有していた。細孔容積は100%までメソ細孔(2〜50nm)から形成されていた。成形体を例1と同様に含浸したが、しかし乾燥は150〜160℃で行い、かつ引き続き180℃で4時間以内に還元を行った。こうして製造した触媒は触媒の総質量に対してルテニウム3質量%を含有していた。浸入深さは90〜120μmであった。
比較例2:
ほぼγ−Alからなり、220m/gのBET表面積を有する酸化アルミニウム成形体(押出成形体、d=1.2nm)は細孔容積0.65ml/gを有しており、その際、細孔容積の95%はメソ細孔(2〜50nm)および細孔容積の5%はマクロ細孔(50〜10000nm)から形成されていた。担体を硝酸ルテニウム(III)水溶液を用いて室温で含浸させた。触媒溶液は溶液の質量に対して金属5%の濃度を有していた。含浸させた担体を150〜160℃の温度で加熱し、かつ引き続きH 50%およびN 50%からなる混合物を用いて180℃で4時間還元した。こうして製造した触媒は触媒の総質量に対してルテニウムを5質量%含有していた。浸入深さは600μmであった。
B.水素化反応の実施
例1:
MDU10質量%、n−ブタノール10質量%およびTHF80質量%を含有するMDU溶液の製造
加熱可能な滴下漏斗を有する5Lの三口フラスコ攪拌装置中でTHF2400g(33.3モル)およびn−BuOH300g(4.05モル)を装入した。該溶液を加熱して沸騰させ(約70℃)、その後、MDI188.4g(0.75モル)を溶融液として迅速に滴加した。反応が完了するまで該混合物を還流下に維持した(約6時間)。反応の完了をNCO数の測定およびIR分光分析により確認した。
その他のMDUおよびn−ブタノールの含有率を所望する場合、エダクト量を相応して調整する。
例2:
100℃でオートクレーブ中での異なったn−ブタノール含有率を有するMDU溶液の水素化
この例は触媒活性に対するn−ブタノールの影響を明らかにすべきものである。
例1に準じて異なったn−ブタノール含有率(最終溶液中で0質量%、10質量%および20質量%、Aldrich社のMDI)を有する3つの10質量%のMDU溶液を製造した。この溶液を100℃および80バールで触媒バスケット(Katalysatorkorb)を用いて1Lの実験室用オートクレーブ中で水素化した。そのつどMDU溶液600gおよび本発明による触媒48.3gを使用した。5時間後に反応器から試料を採取し、これをHPLC/CLND、HPLC/MSおよびGC−KAS−MSを用いて分析した。結果は第1表に記載されている。5時間後に反応混合物のn−ブタノール含有率が増大すると共に最終生成物中では水素化可能な中間生成物の含有率は低下し、かつH12MDUの含有率が高くなることが明らかであり、このことは反応速度の明らかな上昇を意味する。4,4′−トランス−トランス−異性体の割合は約8%で本発明により低い。
Figure 0004541685
例3:
120℃でオートクレーブ中、異なったn−ブタノール含有率を有するMDU溶液の水素化
この例は選択率に対するn−ブタノールの肯定的な影響を明らかにすべきものである。
例1に準じて異なったn−ブタノール含有率(最終溶液中0質量%、10質量%および20質量%、Aldrich社のMDI)を有する3つの10質量%のMDU溶液を製造した。この溶液を120℃および80バールで触媒バスケットを用いて1Lの実験室用オートクレーブ中で水素化した。そのつどMDU溶液600gおよび本発明による触媒48.3gを使用した。4時間後に反応器から試料を採取し、これをHPLC/CLND、HPLC/MSおよびGC−KAS−MSを用いて分析した。結果は第2表に記載されている。すべての試験において4時間後に水素化可能な中間生成物はもはや検出されなかった。反応混合物のn−ブタノール含有率が増大すると共に副生成物の割合が低下することが明らかであり、これは選択率の明らかな上昇を意味する。4,4′−トランス−トランス−異性体の割合は約8%で本発明により低い。
Figure 0004541685
例4:
かん液床反応器中100℃での異なったn−ブタノール含有率を有するMDU溶液の水素化
例1に準じて異なったn−ブタノール含有率(最終溶液中0質量%、5質量%および10質量%)を有する3つの10質量%のMDU溶液を製造した。この溶液を100℃および80バールで本発明による触媒14.5gを充填したかん液床反応器中で水素化した。採取した試料をHPLC/CLND、HPLC/MSおよびGC−KAS−MSを用いて分析した。結果は第3表に記載されている。
反応混合物のn−ブタノール含有率が増大すると共に副生成物の割合が低下することが明らかであり、これは選択率の明らかな上昇を意味する。同時に未反応のMDU割合は低下した。4,4′−トランス−トランス−異性体の割合は約8.9〜9.8%で本発明により低い。
Figure 0004541685
III.分解:
A.水素化からのH12MDU含有THF−ブタノール−溶液の後処理
水素化から生じるTHF−ブタノール−溶液は、前方に接続されたフラッシュ段階の効率に応じてH12MDU20%までおよび溶剤80%までの割合を有する。
後処理の際の過酸化物の形成を回避するために、この溶液を連続的に2段階のフラッシュ蒸発/薄膜蒸発装置において後処理した。安全技術的な理由から、生成物と加熱面との間で短い接触時間を維持することが推奨される。
例:
12MDU含有のTHF−ブタノール−溶液2500g/hを連続的に、140℃および700ミリバールで運転されるフラッシュ蒸発器で処理した。生じる蒸留液を−5℃で凝縮させた。7時間で蒸留液13903gが生じた。蒸留液はH12MDU不含であり、かつTHF81%およびブタノール19%からなっていた。
残りのTHF−ブタノール−混合物ならびに易揮発性不純物を分離除去するために、フラッシュ蒸発器の排出流を、上部に設置されたカラムを有する薄膜蒸発器で処理した。上部に設置したカラムは連行されるH12MDUを返送するという役割を果たす。
薄膜蒸発器での蒸留は230℃および6ミリバールで行った。上部に設置されたカラムは170℃で加熱した。塔頂生成物の凝縮は同様に−5℃で行った。記載した時間で塔頂生成物246gおよびH12MDU3220gが生じた。塔頂生成物はブタノール−THF70%ならびに前留出物30%からなっていた。
12MDUはTHF0.05%未満およびブタノール0.5%未満を含有していた。それ以上蒸留精製することなく、分解において直接使用することができる。
B.H12MDIおよびブタノールへのH12MDUの熱分解
分解は組み合わされた分解−および精留塔中、230℃および10ミリバールで触媒として塩化スズ(II)約10〜20ppmの存在下で行った。
形成されたジイソシアネートを粗製ジイソシアネートとして側方排出部から取り出し、その一方で純粋なアルコールを塔頂で留去した。組み合わされた分解−および精留塔は、エネルギー供給のために流下薄膜式蒸発器を備えていた。流下薄膜式蒸発器の供給部においてH12MDUおよび触媒の供給を行った。
例:
12MDU溶融液(140℃)毎時750gを分解−および精留塔の流下薄膜式蒸発器の供給部に供給した。分解ガスH12MDIおよびブタノールを2つの直列接続された凝縮器中、85℃および−25℃で凝縮させた。得られた、約97%の粗製H12MDIを精留塔に供給し、その際、純度>99.5%を有するH12MDI400g/hが得られた。ブタノール260g/hが分解−および精留塔の塔頂生成物として生じた。このブタノールは純度>99.5%を有しており、かつ少量のモノイソシアナト−モノウレタンの割合を不純物として含有していた。分解−および精留塔内で質量を一定に維持し、かつ分解装置の析出物および閉塞を回避するために循環流(Waelzkreislauf)から60g/hを排出した。

Claims (31)

  1. 1つもしくは複数の芳香族環を有し、かつ1つもしくは複数の、直接および/または間接的に1つもしくは複数の芳香族環に結合したイソシアネート基を有する相応する芳香族イソシアネートから脂肪族イソシアネートを製造するための方法において、実質的に次の3つの段階:
    1.芳香族イソシアネートのウレタン化、
    2.活性金属としてルテニウムを単独で、または周期系の第I副族、第VII副族または第VIII副族の少なくとも1種の金属と一緒に、担持触媒に対して担体上に施与された活性金属0.01〜20質量%の量で含有し、その際、触媒担体は30m/gより大きく70m/gより小さい範囲のBET表面積を有し、かつ触媒担体の細孔容積の50%以上は50nmよりも大きな孔径を有するマクロ細孔であり、かつ50%未満が2〜50nmの孔径を有するメソ細孔である担持触媒の存在下で水素を用いた芳香族ウレタンの水素化、
    3.水素化したウレタンの脂肪族イソシアネートへの分解
    を有することを特徴とする、脂肪族イソシアネートの製造方法。
  2. ビス[4−イソシアナトフェニル]メタン、2−イソシアナトフェニル−4′−イソシアナトフェニルメタン、2−イソシアナトフェニル−2′−イソシアナトフェニルメタン(MDI)および多環式のメチレン橋かけイソシアナトフェニル(PMDI)ならびにこれらの混合物、
    Figure 0004541685
    4,4′−ジメチル−3,3′−ジイソシアナトメタン、2,4′−ジメチル−3,3′−ジイソシアナトメタン、2,2′−ジメチル−3,3′−ジイソシアナトメタンならびにこれらの混合物、
    Figure 0004541685
    1,2−ジイソシアナトベンゼン、1,3−ジイソシアナトベンゼンおよび1,4−ジイソシアナトベンゼンならびにこれらの混合物、
    Figure 0004541685
    2,4−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエンならびにこれらに混合物、
    Figure 0004541685
    1,6−ジイソシアナトナフタリン、
    Figure 0004541685
    MXDIおよびTMXDI
    Figure 0004541685
    から選択される芳香族イソシアネートを使用する、請求項1記載の方法。
  3. 第1段階のウレタン化を連続的に、または不連続的に、溶剤または溶剤混合物の存在下または非存在下で、触媒の存在下または非存在下で、温度20〜160℃で実施する、請求項1または2記載の方法。
  4. ウレタン化をアルコール中で実施する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 第2段階の触媒上に施与される活性金属が、20〜500μmの範囲の担体中での浸入深さを有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. BETにより測定される触媒担体の表面積に対するCOパルス化学吸着により測定される活性金属の表面積の比率が0.01より大である、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 担体材料が結晶質および非晶質の酸化物およびケイ酸塩からなる群から選択されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 触媒担体が32〜67m/gの範囲のBET表面積を有し、活性金属の浸入深さは50〜200μmの範囲であり、かつRu量は触媒に対して0.2〜3質量%の範囲であり、かつ触媒担体の細孔容積の少なくとも55%はマクロ細孔から形成され、かつ45%未満はメソ細孔から形成される、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 水素化を、連続的または不連続的に運転される懸濁液−もしくは固定床−水素化反応器中、20〜250℃の範囲の温度および1〜30MPaの範囲の水素分圧で実施する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 水素化を固定床反応器中、かん液床法で実施する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 希釈したルテニウム塩溶液を少なくとも80℃の温度で担体に噴霧し、引き続き温度処理し、かつ水素含有ガス中で還元することにより触媒を活性化することにより、活性金属ルテニウムが担体上に施与された担持触媒を使用する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. ジアルキル4,4′−メチレンジカルバニレート、ジアルキル2,4′−メチレンジカルバニレート、ジアルキル2,2′−メチレンジカルバニレートおよび多環式のメチレン橋かけしたアルキル−カルバニレート(PMDU)ならびにこれらの混合物
    Figure 0004541685
    ジアルキル4,4′−メチレン−3,3′−ジカルバニレート、ジアルキル2,4′−メチレン−3,3′−ジカルバニレート、ジアルキル2,2′−メチレン−3,3′−ジカルバニレートならびにこれらの混合物
    Figure 0004541685
    ジアルキル1,2−フェニルジカルバメート、ジアルキル1,3−フェニルジカルバメートおよびジアルキル1,4−フェニルジカルバメートならびにこれらの混合物
    Figure 0004541685
    ジアルキル2,4−トルエンジカルバメート、ジアルキル2,6−トルエンジカルバメートならびにこれらの混合物
    Figure 0004541685
    ジアルキル1,6−ナフタリンジカルバメート
    Figure 0004541685
    いわゆるMXDIおよびTMXDIに相応するウレタン
    Figure 0004541685
    から選択される化合物を水素化する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. ジアルキル4,4′−(C〜C)アルカン−ジカルバニレートおよび/または2,4′−および/または2,2′−異性体またはこれらの混合物を水素化する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. ジブチル4,4′−メチレンジカルバニレートまたはその異性体またはその混合物を水素化する、請求項13記載の方法。
  15. 橋かけされた二環式出発生成物から30%未満のトランス−トランス−異性体割合を有する水素化生成物を製造する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. ジブチル4,4′−メチレンジカルバニレートを、30%未満のトランス−トランス−異性体割合を有するジブチル4,4′−メチレンジシクロヘキシルカルバメートへと水素化する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 水素化を溶剤または溶剤混合物中で実施する、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. 溶剤としてアルコールを用い、該アルコールがウレタンのアルコール基に相応する、請求項17記載の方法。
  19. 溶剤混合物としてn−ブタノールおよびテトラヒドロフランを使用する、請求項17または18記載の方法。
  20. 第3段階における水素化ウレタンの分解を気相または液相中、触媒を用いるか、または用いずに溶剤の存在下または非存在下で連続的に、または不連続的に行う、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
  21. 分解を組み合わされた分解および蒸留塔中で行う、請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
  22. 分解を液相中、付加的な溶剤を用いずに行う、請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
  23. 分解を少なくとも1種の触媒の存在下で行う、請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
  24. 分解反応器中の混合物の体積に対して触媒1〜2000ppmを使用する、請求項23記載の方法。
  25. 高分子の副生成物を分解塔の塔底から排出する、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
  26. 組み合わされた分解−および精留塔から留去される粗製イソシアネートの精製を真空蒸留により行い、その際、前留出物および蒸留残留物を組み合わされた分解−および精留塔に返送することができる、請求項1から25までのいずれか1項記載の方法。
  27. 分解を温度200〜300℃で熱的に行う、請求項1から26までのいずれか1項記載の方法。
  28. 第3段階のウレタン分解に、まず溶剤を窒素ストリッピングにより分離し、かつ引き続き、フラッシュ蒸発および薄膜蒸発からなる2段階の組合せによりさらに低沸点の副成分を低減させる、大まかな前精製段階が前方接続されている、請求項1から27までのいずれか1項記載の方法。
  29. 全ての方法を完全に連続的に、部分的に連続的に、または不連続的に実施する、請求項1から28までのいずれか1項記載の方法。
  30. MDIから30%未満のトランス−トランス−異性体割合を有するH12MDIを製造するための請求項1から29までのいずれか1項記載の方法において、実質的に次の3つの段階:
    1.MDIのウレタン化、
    2.活性金属としてルテニウムを単独で、または周期系の第I副族、第VII副族または第VIII副族の少なくとも1種の金属と一緒に、担持触媒に対して担体上に施与された活性金属0.01〜20質量%の量で含有し、その際、触媒担体は30m/gより大きく70m/gより小さい範囲のBET表面積を有し、かつ触媒担体の細孔容積の50%以上は50nmよりも大きな孔径を有するマクロ細孔であり、かつ50%未満が2〜50nmの孔径を有するメソ細孔である担持触媒の存在下で水素を用いたMDUの水素化、
    3.H12MDIへの水素化ウレタンの分解
    からなる、請求項1から29までのいずれか1項記載の方法。
  31. 硫黄および/またはリンおよび/または塩素を含有しない原料を使用する、請求項1から30までのいずれか1項記載の方法。
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