JP4541189B2 - レーダ装置 - Google Patents
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Description
レーダの波長は、光と比べて長いため、霧などの悪視界環境下においても、遠方の画像を生成することができる利点がある。
したがって、レーダ装置を例えば航空機に搭載すれば、進行方向の視界が悪い環境でも、移動体の進行方向の正面の画像を正確に生成して、航空機の着陸支援などに寄与することができる。
しかし、これらの画像レーダ技術は、いずれも移動体の進行方向の横、あるいは、斜め前方を画像化することができるが、正面を画像化することができない。
その理由は、これらの画像レーダ技術は、本質的にプラットフォームの移動を利用して、仮想的にプラットフォームの進行方向に広がる大きなアレイアンテナを構成することによって、移動体の進行方向に平行な方向の分解能を稼ぐ手法だからである。
したがって、SARやDBSの処理を実施して、移動体の進行方向を画像化すると、真正面方向については、十分な分解能を得ることができない。
例えば、プラットフォームが航空機である場合、その航空機の主翼にアンテナを並べれば、両翼端の幅に相当する長さのアレイアンテナを構成することができるため、実開口長を大きくすることができる。
具体的には、例えば、正面方向のX帯のレーダ画像を生成することを考えると、両翼端の幅が10m、波長が3cmであれば、角度分解能が3mrad程度の画像を得ることができる。
しかし、グレーティングローブの発生を防止するために、半波長(1.5cm)間隔で素子アンテナを配置すると、素子アンテナが666個必要になり、多数の素子アンテナを主翼に配置する必要がある。
この方式では、送信用アレイアンテナと受信用アレイアンテナの素子間隔を半波長よりも広げることで、素子アンテナの本数を削減している。
また、送信用アレイアンテナの素子間隔と、受信用アレイアンテナの素子間隔とが異なるように配置することで、送信のアンテナパターン(以下、送信パターンと称する)に生じるグレーティングローブと、受信のアンテナパターン(以下、受信パターンと称する)に生じるグレーティングローブの間隔が一致しないようにして、送受信全体としてのパターン(以下、送受信パターンと称する)に生じるグレーティングローブを抑圧している。
さらに、送信パターンと受信パターンを同期させて走査することにより、領域を走査して観測するものである。
その理由は、移動体であるプラットフォームから左右対称な2点までの距離が常に等しいため、左右対称な2点からの反射信号の位相変化が完全に一致するからである。
この問題の解決策としては、モノパルスアンテナを利用して、Σチャネルにおける正面方向のSAR画像又はDBS画像を生成するとともに、Δチャネルにおける正面方向のSAR画像又はDBS画像を生成し、これらの画像を線形結合して、左右対称の折り返しを抑圧する方式が知られている(例えば、特許文献2参照)。
この方式では、分解能が合成開口長によって決まるため、真正面については充分な分解能が得られないが、左右のアンビギュイティを抑圧することが可能である。しかし、アンテナパターンの計測誤差が、得られる画質に強く影響を与えることになる。
しかし、各受信アンテナの位相中心の位置が移動体の進行方向に対して直交する方向にずれているため、各受信アンテナにより受信された信号を用いて、正面方向のSAR画像又はDBS画像を生成すると、これらの画像における折り返しの軸もずれている。
そのため、これらの画像の線形結合から得られる画像においては、左右の折り返しの電力抑圧比が高々アンテナ数の2乗となり、高い抑圧比を得るためには、受信アンテナ数を増加する必要がある。
また、受信手段により受信されるパルス信号毎に、当該パルス信号の受信方向と対称な方向にナルが存在する受信ビームパターンを形成する場合よりも、演算量を削減することができる効果がある。
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置を示す構成図であり、図において、送信器1は基準となるパルス信号を生成し、そのパルス信号を繰り返し送受切換器2に出力する処理を実施する。
送受切換器2は送信器1からパルス信号を受けると、そのパルス信号を送受信アンテナ4−0に出力する一方、送受信アンテナ4−0からパルス信号を受けると、そのパルス信号を受信器5−0に出力する処理を実施する。
受信アレイアンテナ3は送受信アンテナ4−0とN−1個の受信アンテナ4−1〜4−(N−1)から構成されているアレイアンテナである。
送受信アンテナ4−0は開口長がLtのアンテナであり、送受切換器2から出力されたパルス信号を目標20に向けて照射する一方、その目標20に反射されたパルス信号を受信する機能を備えている。なお、送信器1、送受切換器2、送受信アンテナ4−0から送信手段が構成されている。
この実施の形態1では、受信アレイアンテナ3を構成する送受信アンテナ4−0がパルス信号の送信用と受信用を兼ねているものについて示しているが、その送受信アンテナ4−0を受信専用にして、別途、パルス信号を送信する送信アンテナを設けてもよい。
また、この実施の形態1では、送受信アンテナ4−0と受信アンテナ4−1〜4−(N−1)の素子間隔が不等間隔であるものについて説明するが、素子間隔が必ずしも不等間隔である必要はない。
また、この実施の形態1では、送受信アンテナ4−0と受信アンテナ4−1〜4−(N−1)の配列が直線状であるものについて説明するが、その配列が直線状でない場合や、その配列が2次元配列であってもよく、同様に適用することができる。
また、適当な通信手段を備えていれば、同一又は異なるプラットフォームに搭載された他のレーダ装置の送受信アンテナを使用することができる。
A/D変換器6−0,6−1,・・・,6−(N−1)は受信器5−0,5−1,・・・,5−(N−1)により増幅されたアナログのパルス信号をディジタルのパルス信号に変換する処理を実施する。
記憶部7はA/D変換器6−0,6−1,・・・,6−(N−1)によりA/D変換されたパルス信号を一時的に格納するメモリである。
レンジ圧縮部8は記憶部7に記憶されているパルス信号に対するパルス圧縮処理を実施して、レンジ分解能を高めた信号(以下、「レンジプロフィール」という)を取得する処理を実施する。
なお、受信アレイアンテナ3、受信器5−0,5−1,・・・,5−(N−1)、A/D変換器6−0,6−1,・・・,6−(N−1)、記憶部7及びレンジ圧縮部8から受信手段が構成されている。
対称方向抑圧型合成開口処理部10は自機位置情報収集部9により収集された位置情報からプラットフォームの進行方向を把握し、レンジ圧縮部8から出力されるレンジプロフィール毎に、そのプラットフォームの進行方向を対称軸として、受信アレイアンテナ3により受信されるパルス信号の受信方向と対称な方向にナルが存在する受信ビームパターンを形成して、その受信ビームパターンに対する合成開口処理を実施する処理を実施する。
なお、自機位置情報収集部9及び対称方向抑圧型合成開口処理部10から受信ビームパターン形成手段が構成され、自機位置情報収集部9及び対称方向抑圧型合成開口処理部10から合成開口処理手段が構成されている。
表示部11は対称方向抑圧型合成開口処理部10の合成開口処理により生成されたレーダ画像を表示する処理を実施する。
対称方向抑圧型位相補償・積分処理部10bは対称方向抑圧用荷重算出部10aにより算出された荷重ベクトルをレンジ圧縮部8から出力されるレンジプロフィールに乗算して、その対称な方向にナルが存在する受信ビームパターンを形成するとともに、その受信ビームパターンに対する合成開口処理、即ち、プラットフォームの移動により生じるパルス信号の位相変化を補償し、位相補償後のパルス信号(レンジプロフィール)をコヒーレント積分する合成開口処理を実施してレーダ画像を生成する。
図3では、x座標軸がプラットフォームの進行方向と垂直な方向(図中、水平な方向)に取られ、y座標軸がプラットフォームの進行方向と平行な方向に取られている。
プラットフォームは、y軸の正の方向に速度vで等速度運動するものとする。
また、送受信アンテナ4−0と、N−1個の受信アンテナ4−1〜4−(N−1)はプラットフォームの進行方向に対して直交し、かつ、水平な直線上に不等間隔に配置されており、時刻t=0において、送受信アンテナ4−0が原点に配置されているものとする。受信アンテナ4−1〜4−(N−1)は、時刻t=0において、x軸上のx=d1,d2,・・・,dN-1の位置に配置されているものとする。
まず、送信器1は、基準となるパルス信号を生成し、送受切換器2を介して、そのパルス信号を所定の周期で繰り返し送受信アンテナ4−0に出力することにより、そのパルス信号を目標20に向けて送信する。
ここで、送受信アンテナ4−0の開口長をLt、パルス信号の波長をλとすると、送受信アンテナ4−0の主ビームのnull to nullの幅Δθt[rad]は、下記の式(1)で与えられる。
Δθt=2λ/Lt (1)
受信アレイアンテナ3の送受信アンテナ4−0及び受信アンテナ4−1〜4−(N−1)は、目標20に反射されたパルス信号を受信し、そのパルス信号を受信器5−0,5−1,・・・,5−(N−1)に出力する。
受信器5−0,5−1,・・・,5−(N−1)は、受信アレイアンテナ3により受信されたパルス信号を受けると、そのパルス信号を増幅してA/D変換器6−0,6−1,・・・,6−(N−1)に出力する。
A/D変換器6−0,6−1,・・・,6−(N−1)は、受信器5−0,5−1,・・・,5−(N−1)により増幅されたアナログのパルス信号を受けると、そのパルス信号をディジタルのパルス信号に変換し、ディジタルのパルス信号を記憶部7に格納する。
これにより、記憶部7にはN個のパルス信号が記憶される。
ここで、レンジ圧縮部8により取得されるレンジプロフィールsn(t)は次式で表される。
sn(t)=αexp(−j(4πLx)/(λsinθt))
・exp(j(2πdnsinθt)/λ) (2)
ただし、n=0,1,・・・,N−1、d0=0である。
θt=tan-1(Lx/(Ly−vt)) (3)
また、αは目標20の散乱強度であり、nは送受信アンテナ4−0と受信アンテナ4−1〜4−(N−1)を表すインデックスである。
なお、式(2)は、反射波が平面波で近似できるものとしており、式(2)より、PRI(Pulse Repetition Interval)をΔt秒として、M個のパルス信号が送受信されることにより得られる信号sn,mは、次式のように表される。
sn,m
=sn(mΔt)
=αexp(−j(4πLx)/(λsinθm))
・exp(j(2πdnsinθm)/λ) (4)
ただし、n=0,1,・・・,N−1、d0=0、m=0,1,・・・,M−1である。
θm=tan-1(Lx/(Ly−v(m−M/2)Δt)) (5)
なお、式(2)及び式(3)では、1個のパルス信号の送受信に要する時間が、Δtと比べて十分に短いため、1個のパルス信号を送受信する間、なす角θt,θmが一定であるものとして近似している。
対称方向抑圧型合成開口処理部10は、上記のようにして、レンジ圧縮部8がレンジプロフィールを取得すると、自機位置情報収集部9により収集された位置情報からプラットフォームの進行方向を把握し、レンジ圧縮部8から出力されるレンジプロフィール毎に、そのプラットフォームの進行方向を対称軸として、受信アレイアンテナ3により受信されるパルス信号の受信方向と対称な方向にナルが存在する受信ビームパターンを形成する処理を実施する。
ここでは、対称方向抑圧型合成開口処理部10の動作を具体的に説明する前に、ある所望の方向にビームを向けると同時に、異なる方向の信号を抑圧するビームパターンを形成するための荷重の算出方法について説明する。
ここでは、一般化のため、G個の異なる方向にナルを形成することを考える。これらのステアリングベクトルは次式で表される。なお、以下では、ビームを向けたい所望の方向θfのことをステアリング角と称する。
a(θf)
=[1 exp(j(2πd1sinθf)/λ) ・・・
・・・ exp(j(2πdN-1sinθf)/λ)]T (6)
a(θsg)
=[1 exp(j(2πd1sinθsg)/λ) ・・・
・・・ exp(j(2πdN-1sinθsg)/λ)]T (7)
w=[w1 w2 ・・・wN]T (8)
そして、ステアリング角方向のゲインを1として、抑圧したい方向θsgのゲインを抑圧するために、次式で定義される二乗誤差σを最小化するような荷重ベクトルwを決定する。
σ=‖y−Aw‖2 (9)
ただし、Aはステアリング角とナルを形成する方向に対応するステアリングベクトルをまとめた(G+1)×Nの行列であり、yは所望のゲインパターンを表す(G+1)次元ベクトルである。
A=[a(θf) a(θs1) ・・・ a(θsG)]*T (10)
y=[1 ε ・・・ ε]T (ε<<1) (11)
ただし、式(10)における上付きの*は複素共役、上付きのTは行列の転置を表しており、荷重ベクトルwは下記の式(12)に示すように、最小二乗法によって求めることができる。
w=A+y (12)
ただし、上付きの+は疑似逆行列を表している。
即ち、m番目の受信パルス信号については、m番目のパルスを送信した時刻mΔtにおいて、送受信アンテナ4−0と位置(Lx,Ly)に存在する目標20とを結ぶ直線と、y軸がなす角θmの方向をステアリング角として、そのθmの方向と対称な−θmの方向の信号を抑圧するような荷重ベクトルwを算出するため、下記の式(13)(14)で表されるなす角θm,−θmに対応するステアリングベクトルa(θm),a(−θm)を算出する。
=[1 exp(j(2πd1sinθm)/λ) ・・・
・・・ exp(j(2πdN-1sinθm)/λ)]T (13)
a(−θm)
=[1 exp(−j(2πd1sinθm)/λ) ・・・
・・・ exp(−j(2πdN-1sinθm)/λ)]T (14)
w(θm)=A+y (15)
ただし、Aは所望の方向とナルを形成する方向のステアリングベクトルをまとめた2×Nの行列であり、yは所望のゲインパターンを表す2次元ベクトルである.
A=[a(θm) a(−θm)]*T (16)
y=[1 ε]T (ε<<1) (17)
zm=w(θm)*Tsm (18)
ただし、smはレンジ圧縮部8から出力されたレンジプロフィール、即ち、送受信アンテナ4−0及び受信アンテナ4−1〜4−(N−1)により受信されたのち、レンジ圧縮部8によりレンジ圧縮処理されたパルス信号s0,m,s1,m,・・・,sN-1,mをまとめて、次式のようなベクトル形式で表現されたパルス信号のベクトルである。
wk,m=w(θk,m)=Ak +y (20)
Ak=[a(θk,m) a(−θk,m)]*T (21)
θk,m=tan-1(Lx,k/(Ly,k−v(m−M/2)Δt))
(22)
この場合、プラットフォームの進行方向を対称軸にして、目標20が存在する方向と対称な方向の信号を抑圧するための荷重ベクトルwを算出するには、自機位置情報収集部9により収集された自機位置情報を参照してプラットフォームの進行方向を把握し、そのプラットフォームの進行方向と、送受信アンテナ4−0及び受信アンテナ4−1〜4−(N−1)が配置された直線とのなす角度を計算して抑圧方向を決定すればよい。
この際、プラットフォームの移動により生じるパルス信号の位相変化を補償するため、下記の式(23)に示すように、荷重ベクトルwk,mに位相変化を補償するための参照関数rk,mを乗算するようにしている。信号z(k)は受信ビームパターンに相当する。
ただし、k=0,1,・・・,K−1である。
表示部11は、対称方向抑圧型合成開口処理部10の対称方向抑圧型位相補償・積分処理部10bがレーダ画像を生成すると、そのレーダ画像をプラットフォームの進行方向正面のレーダ画像として表示する。
また、この実施の形態1によれば、プラットフォームの移動により生じるパルス信号の位相変化を補償し、位相補償後のパルス信号をコヒーレント積分するように構成したので、プラットフォームの移動に伴うレーダ画像の劣化を防止することができる効果を奏する。
また、この実施の形態1では、受信アレイアンテナ3の開口面が移動体の進行方向を向いているものについて示したが、他の方向を向いている場合についても容易に拡張することができることは言うまでもない。
図4はこの発明の実施の形態2によるレーダ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
アレイ処理部21は方向固定型対称方向抑圧用荷重算出部21a及びビーム合成部21bから構成され、予め設定された固定方向にナルが存在する受信ビームパターンをH個形成する処理を実施する。なお、アレイ処理部21は受信ビームパターン形成手段を構成している。
方向固定型対称方向抑圧用荷重算出部21aは予め設定された固定方向にナルを形成するための荷重ベクトルをH個算出する処理を実施する。
ビーム合成部21bは方向固定型対称方向抑圧用荷重算出部21aにより算出されたH個の荷重ベクトルをレンジ圧縮部8から出力されたレンジプロフィールに乗算して、H個の受信ビームパターンを形成する処理を実施する。
ビーム選択部22aはアレイ処理部21により形成されたH個の受信ビームパターンの中から、プラットフォームの進行方向を対称軸として、受信アレイアンテナ3により受信されたパルス信号の受信方向と対称な方向にある信号を最も抑圧することが可能な受信ビームパターンを選択する処理を実施する。
動き補償部22bはプラットフォームの移動により生じるパルス信号の位相変化を補償する処理を実施する。
コヒーレント積分部22cは動き補償部22bによる位相補償後のパルス信号をコヒーレント積分してレーダ画像を生成する。
しかし、実際にはパルス信号毎に、厳密に対称方向である−θk,mの方向にナルを向ける必要はなく、−θk,mの方向の近傍にナルがあって、−θk,mの方向の信号が十分に抑圧されればよい。
そこで、この実施の形態2では、H個の受信ビームパターンを形成した後、パルス信号毎に、−θk,mの方向の信号が十分に抑圧されている受信ビームパターンを1つ選択し、その受信ビームパターンに対する合成開口処理を実施するようにしている。
この場合、受信ビームパターンの形成数であるHを、ビーム形成処理回数であるK×Mよりも十分小さい値にすることが可能であるため、上記実施の形態1よりも、ビーム形成処理回数を大幅に削減して、演算量を軽減することができる。
アレイ処理部21の方向固定型対称方向抑圧用荷重算出部21aは、予め設定された固定方向(抑圧したい対称方向)にナルを形成するための荷重ベクトルwh=w(θh)(h=0,1,・・・,H−1)をH個算出する。
wh=w(θh)=Ah +y (25)
Ah=[a(θh) a(−θh)]*T (26)
ただし、θhは画像化する範囲内において、事前に定義されたH個の異なる方位を示している。
zh,m=wh *Tsm (27)
h=0,1,・・・,H−1
即ち、下記の式(28)を計算することにより、−θk,mの方向の信号が十分に抑圧されている受信ビームパターンのビーム番号hk,mを求め、そのビーム番号hk,mに対応する受信ビームパターンを選択する。ただし、式(28)の内積演算は事前に実施して、θk,mの値に対応するビーム番号hk,mをテーブル化し、そのテーブルを参照してθk,mの値に対応するビーム番号hk,mを選択するようにしてもよい。
zk,m=rk,mz(hk,m),m (29)
8 レンジ圧縮部(受信手段)、9 自機位置情報収集部(受信ビームパターン形成手段、合成開口処理手段)、10 対称方向抑圧型合成開口処理部(受信ビームパターン形成手段、合成開口処理手段)、10a 対称方向抑圧用荷重算出部、10b 対称方向抑圧型位相補償・積分処理部、11 表示部、20 目標、21 アレイ処理部(受信ビームパターン形成手段)、21a 方向固定型対称方向抑圧用荷重算出部、21b ビーム合成部、22 合成開口処理部(合成開口処理手段)、22a ビーム選択部、22b 動き補償部、22c コヒーレント積分部。
Claims (3)
- パルス信号を目標に向けて繰り返し送信する送信手段と、アレイ状に配置されている複数の素子アンテナを用いて、上記目標に反射されたパルス信号を繰り返し受信する受信手段と、予め設定された固定方向にナルが存在する受信ビームパターンを複数形成する受信ビームパターン形成手段と、上記受信ビームパターン形成手段により形成された複数の受信ビームパターンの中から、プラットフォームの進行方向を対称軸として、上記受信手段により受信されたパルス信号の受信方向と対称な方向にある信号を最も抑圧することが可能な受信ビームパターンを選択し、その受信ビームパターンに対する合成開口処理を実施する合成開口処理手段とを備えたレーダ装置。
- 受信ビームパターン形成手段は、予め設定された固定方向にナルを形成するための荷重ベクトルを複数算出し、複数の荷重ベクトルを受信手段により受信されたパルス信号に乗算して、固定方向にナルが存在する受信ビームパターンを複数形成することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 合成開口処理手段は、プラットフォームの移動により生じるパルス信号の位相変化を補償し、位相補償後のパルス信号をコヒーレント積分することを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ装置。
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