JP4539791B2 - アクリレート化合物及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂環式アクリレート化合物及びその製造法に関する。本発明の化合物は、半導体製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程に関し、紫外線、遠紫外線、電子線、イオンビーム及びX線などの活性光線を用いたリソグラフィに好適なパターン形式材料分野のモノマ−に関する。また、本発明のモノマーは、歯科用接着剤、歯科用修復材料、歯科用仮封材、歯科用補綴材料等に要求される光を照射した場合に速やかに重合硬化し、硬化深度が深く、疎水性が大きく、変色し難い、又機械的物性等に優れた性能を十分に満たした光重合用モノマー組成物としての用途もある。
【0002】
【従来の技術】
波長193nmに対し透明性を持ち、なおかつドライエッチング耐性を持つ高分子化合物として、脂環族高分子であるアダマンチルメタクリレート単位を持つ共重合体[S.タケチ等、ジャーナル・オブ・フォトポリマー・サイエンス・アンド・テクノロジー(Journal of Photopolymer Science and Technology),5巻(3号),439〜446頁(1992);及び特開平5−265212号公報]、ポリ(イソボルニルメタクリレート)単位を持つ共重合体[G.M.ウォルラフ(G.M.Wallraff)ら、ジャーナル・オブ・ヴァキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー(Journal of Vacuum Science and Technology),B11巻(6号),2783〜2788頁(1993年)]およびポリ(メンチルメタクリレート)単位を持つ共重合体[特開平8−82925号公報]などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術は、ドライエッチング耐性の由来となる脂環基(アダマンチル基、イソボルニル基、メンチル基)の残基単位中に露光前後での溶解度差を発現しうる残基を有していないため、例えばターシャリブチルメタクリレートやテトラヒドロピラニルメタクリレートなどの溶解度差を発揮しうるコモノマーとの共重合体とすることによりレジストの樹脂成分として利用できた。 しかしパターンニングにはコモノマーが30〜50%程度含有させることが必要であり、結果的に脂環基骨格によるドライエッチング耐性効果が著しく低下し実用性の乏しいものになっている。
【0004】
又、従来品は、極性部位を含有しないため、シリコン基板に対する密着性が悪い。更に、アルカリ性現像水溶液に対する溶解性が低いため、低感度であり、かつ現像液に残渣が出やすいという欠点があった。
【0005】
本発明は、波長248nm以下の遠紫外線、特にArFエキシマレーザに対して高い透明性を有し、かつ耐ドライエッチング耐性に優れ、基板密着性、アルカリ現像液に対し良好な溶解性を示し、更に高感度、高解像度を有するフォトレジスト用モノマーの提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。高い透明性と高いドライエッチング耐性を得るために脂環基としてトリシクロデカニル基を選択し、更に基板密着性とアルカリ現像液に対して良好な溶解性かつ高感度・高解像度を付与する極性置換基としてヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基及びジカルボン酸無水基の導入を図り、その結果本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明化合物は、式[1]、[2]、[3]及び[4]
【0008】
【化17】
【0009】
(式中、R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3、R4及びR5は、水素原子または炭素1〜10のアルキル基を表す。)
で表される3(4)−ヒドロキシ−4(3)−アクリロイルオキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(式[1])、3,4−ビス(アクリロイルオキシ)−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(式[2])、3(4)−ヒドロキシ−4(3)−アクリロイルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物化合物(式[3])及び3(4),4(3)−ビス(アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物化合物(式[4])に関する。
【0010】
又、本発明は、式[5]
【0011】
【化18】
【0012】
(式中、R4及びR5は、水素原子または炭素1〜10のアルキル基を表す。)
で表される3,4−エポキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物と式[6]
【0013】
【化19】
【0014】
(式中、R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2及びR3は、水素原子または炭素1〜10のアルキル基を表す。)
で表されるアクリル酸化合物とを反応させることを特徴とする前記式[1]、[2]、[3]及び[4]で表される3(4)−ヒドロキシ−4(3)−アクリロイルオキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(式[1])、3,4−ビス(アクリロイルオキシ)−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(式[2])、3(4)−ヒドロキシ−4(3)−アクリロイルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物化合物(式[3])及び3(4),4(3)−ビス(アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物化合物(式[4])の製造法に関する。
【0015】
更に本発明は、式[7]
【0016】
【化20】
【0017】
(式中、R4及びR5は、水素原子または炭素1〜10のアルキル基を表す。)
で表される3,4−ジヒドロキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物と式[8]
【0018】
【化21】
【0019】
(式中、R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2及びR3は、水素原子または炭素1〜10のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で表されるアクリロイルハライド化合物とを、塩基存在下反応させることを特徴とする前記式[1]、[2]、[3]及び[4]で表される3(4)−ヒドロキシ−4(3)−アクリロイルオキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(式[1])、3,4−ビス(アクリロイルオキシ)−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(式[2])、3(4)−ヒドロキシ−4(3)−アクリロイルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物化合物(式[3])及び3(4),4(3)−ビス(アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物化合物(式[4])の製造法に関する。
【0020】
又、本発明は、前記式[7]で表される3,4−ジヒドロキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物と式[9]
【0021】
【化22】
【0022】
(式中、R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3及びR6は、水素原子または炭素1〜10のアルキル基を表す。)
で表されるアクリル酸化合物とを、酸触媒存在下反応させることを特徴とする前記式[1]、[2]、[3]及び[4]で表される3(4)−ヒドロキシ−4(3)−アクリロイルオキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(式[1])、3,4−ビス(アクリロイルオキシ)−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(式[2])、3(4)−ヒドロキシ−4(3)−アクリロイルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物化合物(式[3])及び3(4),4(3)−ビス(アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物化合物(式[4])の製造法に関する。
【0023】
又、本発明は、前記式[7]で表される3,4−ジヒドロキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物及び前記式[5]で表される3,4−エポキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物に関する。
【0024】
更にまた本発明は、式[11]
【0025】
【化23】
【0026】
で表される3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物に関する。
【0027】
更にまた本発明は、、式[10]
【0028】
【化24】
【0029】
(式中、R4及びR5は、水素原子または炭素1〜10のアルキル基を表す。)
で表される8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン化合物と酸素又は過酸化物と反応させて、前記式[5]で表される3,4−エポキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物の製造法に関する。
【0030】
次に、このエポキシ化合物に酸触媒下、水を付加させることを特徴とする前記式[7]で表される3,4−ジヒドロキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物の製造法に関する。
【0031】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の前記式[1]、[2]、[3]及び[4]化合物は、下記の反応スキームで製造される。
【0033】
【化25】
【0034】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びXは、前記と同じ意味を表す。)
(1)及び(2)の反応から説明する。
【0035】
原料のエポキシ化合物は、以下の反応スキームで表される反応で製造される。
【0036】
【化26】
【0037】
即ち、ジシクロペンタジエン(DCPD)と一酸化炭素及びアルコール化合物から、塩化第二銅存在下、パラジウム触媒によって8,9−ビス(アルコキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン(TCDE)が得られる(特公平4−60100)。TCDEを加水分解すると8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン(TCDC)が得られる(特公平2−32267)。更に、TCDE及びTCDCを酸化剤で酸化することにより3,4−エポキシ−8,9−ビス(アルコキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(ETCDE)及び、3,4−エポキシ−8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(ETCDC)が得られる。
【0038】
エポキシ化の酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酢酸、過安息香酸化合物、オゾン及び酸素等が挙げられる。溶媒としては、例えば、ジオキサン、アセトニトリル、水、1,2−ジクロロエタン(EDC)及び1,2−ジメトキエタン等の一元系又は多元系溶媒を用いて行なわれる。
反応温度は、0〜150℃間が好ましいが、特には30〜100℃間が相応しい。
【0039】
次に、こうして得られたETCDE及びETCDCと前記式[6]で表されるアクリル酸化合物の付加反応について述べる。
式[6]で表されるアクリル酸化合物のR1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜2である。また、R2及びR3は水素原子または炭素数1〜10であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜5である。
【0040】
具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、チグリル酸、3,3−ジメチルアクリル酸、2−メチル−2−ペンテン酸、2−エチル−2−ヘキセン酸及び2−オクテン酸等が挙げられる。
【0041】
式[6]で表されるアクリル酸化合物の使用量は、ETCDE及びETCDCに対して1〜50倍モル、好ましくは2〜30倍モルである。
【0042】
又、本反応では、無触媒下でも反応するが、触媒として四級塩(相間移動触媒)を使用することも有効である。その種類としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液及びテトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液等が挙げられる。
【0043】
触媒の使用量は、反応基質に対し1〜200モル%、好ましくは、5〜50モル%が適当である。又、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤の種類としては、公知のものが使用できる。例えば、ハイドロキノン、ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン及び9−tert−ブチルカテコールが挙げられる。その添加量はアクリル酸化合物に対し、0.1〜10モル%が好ましい。
【0044】
尚、本反応では、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒等のエーテル系溶媒を使用することも出来るが、一般に溶媒を用いると反応速度が低下する傾向にある。
【0045】
反応温度は、0〜200℃で行われるが、好ましくは、40〜150℃の間で行うのが目的物の収率を向上させる。又、反応は、常圧でも加圧でも行うことができる。
【0046】
反応時間は、塩基の種類・量・反応温度・溶媒等で異なるが、通常1〜50時間で行われ、好ましくは、2〜30時間で終了する条件が望ましい。また、反応は、回分式でも連続式でも行うことができる。
【0047】
尚、前記式[5]のデカン化合物においてR4、R5が水素の場合、反応後もジカルボン酸であるが、後処理で、加熱減圧乾燥により、反応スキーム(2)で示す様に式[3]、式[4]で表される酸無水物が得られる。
【0048】
次に、反応スキーム(3)〜(6)の製造法について述べる。
出発原料のジオール化合物は、以下の反応スキームにより製造される。
【0049】
【化27】
【0050】
即ち、ETCDEを酸触媒下、加水分解することにより3,4−ジヒドロキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(DHDE)が得られる。ここで前記式[5]においてR4及びR5が水素の場合であるジカルボキシエポキシ体(ETCDC)の場合は、加水分解反応後もジカルボン酸であるが反応後の後処理で、加熱減圧乾燥により3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物(DHDA)が得られる。
【0051】
酸触媒としては、塩酸、硫酸及び燐酸等の鉱酸が用いられ、特には硫酸が好ましい。その使用量は、基質に対し0.05〜20モル%が好ましく、特には0.1〜10モル%が相応しい。
【0052】
反応溶媒としては、例えば、水、ジオキサン及びアセトニトリル等の単独または混合系で使用することができる。その使用量は、基質に対し1〜20重量倍が好ましく、特には2〜10重量倍が好ましい。
【0053】
反応温度は、20〜150℃が好ましく、特には50〜130℃が好ましい。反応後は、濃縮してから1,2−ジクロロエタン(EDC)と水で抽出して、有機層を濃縮すると目的ジオールが得られる。
【0054】
以下、これらのジオールを用いて(3)〜(6)の反応について述べる。まず、反応スキーム(3)及び(4)の製造法について述べる。
【0055】
前記式[8]で表されるアクリル酸ハライド化合物は、前記のアクリル酸化合物をハロゲン化チオニルなどで酸ハライドにして得られる。ハロゲン元素としては、F、Cl、Br及びIが挙げられるが、最も安価なClが使用される。具体的には、アクリロイルクロライド、メタアクリロイルクロライド、チグリロイルクロライド、3,3−ジメチルアクリロイルクロライド、2−メチル−2−ペンテノイルクロライド、2−エチル−2−ヘキセノイルクロライド及び2−オクテロイルクロライド等が挙げられる。その使用量は、基質に対し、2.0〜2.5当量が好ましい。
【0056】
反応式(3)及び(4)で表される方法は、塩基が必須でありその種類としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリプロピルアミン等に代表される鎖状アルキルアミン化合物、ピリジン、アニリン及びN−メチルアニリン等に代表される芳香族アミン化合物、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノ−5−ネン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DBO)及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン(DBU)等に代表される環状アルキルアミン化合物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。これらの塩基の中で好ましいものは、トリエチルアミンやトリプロピルアミンである。その使用量は、基質に対し2.0〜2.5当量(酸クロライドと当量)が好ましい。
【0057】
本法は溶媒を使用するのが好ましい。溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン及び2−メトキシエチルエーテル等のエーテル化合物、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc),N−メチルピロリドン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等が好ましい。これらの中で安価な1,2−ジメトキシエタンやDMFが好ましい。その使用量は、基質に対して1〜10重量倍が好ましく、特には2〜5重量倍が好ましい。
【0058】
反応温度は、0〜100℃、特には0〜50℃が好ましい。反応後は、水を添加し、残余酸クロライドを加水分解してから、溶媒を留去し、難水溶性溶媒(エーテル系やエステル系)で抽出した後、蒸留又はカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を得ることができる。
【0059】
尚、式[7]においてR4、R5が水素の場合、反応後もジカルボン酸であるが、反応後の後処理で、加熱減圧乾燥により、反応スキーム(4)で示す式[3]、[4]で表される酸無水物が得られる。
【0060】
次に、反応スキーム(5)及び(6)の製造法について述べる。
一般式[9]で表されるアクリル酸化合物のR1は、水素または炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜2である。また、R2、R3及びR4は水素原子または炭素数1〜10であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜5である。
【0061】
具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、チグリル酸、3,3−ジメチルアクリル酸、2−メチル−2−ペンテン酸、2−エチル−2−ヘキセン酸及び2−オクテン酸等、及びそれらの炭素数1〜10のアクリル酸エステル化合物、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、チグリル酸メチル、チグリル酸エチル、3,3−ジメチルアクリル酸メチル、3,3−ジメチルアクリル酸エチル、2−メチル−2−ペンテン酸メチル、2−メチル−2−ペンテン酸エチル、2−エチル−2−ヘキセン酸メチル、2−エチル−2−ヘキセン酸エチル、2−オクテン酸メチル及び2−オクテン酸エチル等が挙げられる。
【0062】
本反応は、触媒が必要であり、触媒としては、硫酸、塩酸及び硝酸等の鉱酸が使用でき、特には、硫酸が好ましい。また、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸及びトリフルオロ酢酸等の有機酸も使用でき、特にはp−トルエンスルホン酸が好ましい。
【0063】
更に、触媒としてタングステン酸、モリブデン酸或いはこれらのヘテロポリ酸が挙げられる。ヘテロポリ酸の具体例としては、H3PW12O40、H4SiW12O40、H4TiW12O40、H5CoW12O40、H5FeW12O40、H6P2W18O62、H7PW11O33、H4TiMo12O40、H3PMo12O40、H7PMo11O39、H6P2Mo18O62、H4PMoW11O40、H4PVMo11O40、H4SiMo12O40、H5PV2Mo10O40、H3PMo6W6O40、H0.5Cs2.5PW12O40及びそれらの水和物等が代表的なものとして挙げられる。また、これらを炭素やシリカに担持させた触媒等が挙げられる。これらのヘテロポリ酸のなかでは、H3PW12O40、H3PMo12O40及びそれらの水和物等が特に好ましい。
【0064】
また更に、アンバーリストIR120等の陽イオン交換樹脂、H−ZSM−5等のH型ゼオライト等も使用することができる。
特に、エステル交換法の場合の触媒としては、前述の鉱酸類、ヘテロポリ酸類、有機酸、陽イオン交換樹脂及びH型ゼオライトの他に、3ZnO−2B2O3、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛及び酢酸カルシウムに代表される周期律表第II族化合物の脂肪酸塩等が使用できる。
【0065】
これらの触媒の使用量は、基質に対し0.1〜100重量%が使用でき、経済的には、1〜20重量%が好ましい。
【0066】
本反応は、アクリル酸化合物またはアクリル酸エステル化合物を大過剰用いることもできるが、それらを理論量近傍に減少させて、溶媒を用いて行うこともでき、通常は、溶媒を使用することが好ましい。溶媒の種類としては、1,2−ジクロロエタン(EDC)や1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、1,2−ジメトキシエタンやジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル等が挙げられる。
【0067】
溶媒の使用量は、基質に対し1〜20重量倍、より好ましくは1〜6重量倍である。反応温度は、50〜200℃、より好ましくは70〜150℃である。反応は常圧でも加圧でも行うことができる。反応時間は、1〜50時間で行うことができ、通常2〜12時間で行うのが実用的である。
【0068】
反応後得られた生成物は、カラムクロマトグラフィー等により精製することができる。
【0069】
尚、式[7]においてR4、R5が水素の場合、反応後もジカルボン酸であるが反応後の後処理で、加熱減圧乾燥により、反応スキーム(4)で示す式[3]、[4]で表される酸無水物が得られる。
【0070】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
【0071】
【化28】
【0072】
50ml四つ口反応フラスコに3,4−エポキシ−8,9−ビス(メトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(EMD)2.66g(10mmol)、メタアクリル酸5.16g(60mmol)及びテトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)0.055g(0.5mmol)を仕込み、110℃で19時間撹拌した。室温に冷却してから1,2−ジクロロエタン(EDC)と水を加えて分液後、EDC層を水洗し濃縮すると油状物5.41gが得られた。この残渣を、n−ヘプタン/酢酸エチル=5/1〜3/1でシリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精製すると、無色透明な油状物質の3−ヒドロキシ−4−メタアクリロイルオキシ−8,9−ビス(メトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(HMMD)2.58g(収率73.3%)が得られた。尚、この無色透明な油状物質中には4−ヒドロキシ−3−メタアクリロイルオキシ−8,9−ビス(メトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(HMMD2)の異性体が6.0%含有していた。HMMDの構造は、下記の分析結果から確認した。
【0073】
MASS(FAB+,m/e(%)):353(M+1,17),321(100),235(34).
1H-NMR(CDCl3,δppm):1.43(dd,J1=9.77Hz,J2=22.6Hz,1H),1.55(d,J=10.4Hz,1H),1.95(s,3H),2.10-2.16(m,1H),2.29-2.35(m,2H),2.48(d,J=4.3Hz,1H),2.53-2.57(m,1H),2.68(d,J=4.3Hz,1H),3.07(dd,J1=7.9Hz,J2=22.9Hz,2H),3.61(brs,1H),3.63(s,6H),3.93(t,J=7.3Hz,1H),5.03(dd,J1=6.7Hz,J2=10.4Hz,1H),5.62(t,J=1.5Hz,1H),6.15(s,1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm):18.25,28.10,39.61,40.61,41.74,43.13,43.72,44.84,49.28,51.81(2本分),75.06,83.47,126.37,136.00,167.88,173.56,173.65.
【0074】
更に、前留分として3,4−ビス(メタアクリロイルオキシ)−8,9−ビス(メトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(DMMD)が0.74g(収率17.6%)得られた。DMMDの構造は、下記の分析結果から確認した。
【0075】
MASS(FAB+,m/e(%)):421(M+1,22),389(100),335(94),189(95),157(60),129(81),105(48),81(71).
1H-NMR(CDCl3,δppm):1.44-1.54(m,2H),1.93(s,3H),1.94(s,3H),2.20-2.25(m,1H),2.30-2.35(m,2H),2.50(d,J=3.67Hz,1H),2.55-2.64(m,1H),2.72(d,J=4.88Hz,1H),3.13(d,J=9.77Hz,1H),3.36(d,J=9.77Hz,1H),3.65(s,3H),3.66(s,3H),4.97(t,J=7.64Hz,1H),5.36(dd,J1=7.95Hz,J2=17.7Hz,1H),5.58(dd,J1=1.84Hz,J2=3.06Hz,1H),5.60(t,J=1.5Hz,1H),6.11(s,1H),6.13(d,J=7.94Hz,1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm):18.20,18.27,27.92,40.03,40.48,42.33,43.22,43.78,44.82,47.02,51.92(2本分),76.73,78.87,126.26,126.33,135.84,135.89,167.16,167.31,173.64,173.78.
実施例2
【0076】
【化29】
【0077】
50ml四つ口反応フラスコに3,4−エポキシ−8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(ECD)2.38g(10mmol)、メタアクリル酸5.16g(60mmol)、ヒドロキノン0.044g(0.4mmol)及びテトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)0.055g(0.5mmol)を仕込み、110℃で8時間撹拌した。室温に冷却してから1,2−ジクロロエタン(EDC)と水を加えて分液後、EDC層を水洗し濃縮すると油状物3.35gが得られた。この残渣を、n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1〜0/1及びアセトニトリルでシリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精製すると、3−ヒドロキシ−4−メタアクリロイルオキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボキシ酸無水物(HMDA)の結晶1.91g(収率59.0%)が得られた。HMDAの構造は、下記の分析結果から確認した。
【0078】
MASS(FAB+,m/e(%)):307(M+1,68),289(100),221(82),131(79),129(71),84(85),81(69).
1H-NMR(CDCl3,δppm):1.45(dd,J1=9.77Hz,J2=22.6Hz,1H),1.54(d,J=10.4Hz,1H),1.95(s,3H),2.09-2.16(m,1H),2.29-2.35(m,2H),2.49(d,J=4.3Hz,1H),2.53-2.57(m,1H),2.68(d,J=4.3Hz,1H),3.07(dd,J1=7.9Hz,J2=22.9Hz,2H),3.56(brs,1H),3.89(t,J=7.3Hz,1H),5.03(dd,J1=6.7Hz,J2=10.4Hz,1H),5.62(t,J=1.5Hz,1H),6.15(s,1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm):18.27,27.90,37.88,38.31,38.53,38.75,42.86,43.32,44.38,48.53,75.27,83.50,126.87,135.87,168.15,171.22(2本分).
融点(℃):100〜101.
尚、未反応ECDが0.426g(収率17.9%)回収された。
【0079】
実施例3
50ml四つ口反応フラスコにECD2.38g(10mmol)、メタアクリル酸5.16g(60mmol)、ヒドロキノン0.044g(0.4mmol)及びテトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)0.055g(0.5mmol)を仕込み、110℃で15時間撹拌した。室温に冷却してから1,2−ジクロロエタン(EDC)と水を加えて分液後、EDC層を水洗し濃縮すると油状物4.30gが得られた。この残渣を、n−ヘプタン/酢酸エチル=1/2〜0/1及びアセトニトリルでシリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精製すると、前留分として3,4−ビス(メタアクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボキシ酸無水物(DMDA)の油状物1.34g(収率34.8%)が得られた。DMDAの構造は、下記の分析結果から確認した。
【0080】
MASS(FAB+,m/e(%)):374(M+1,7),307(13),289(36),96(30),88(100).
1H-NMR(CDCl3,δppm):1.23(d,J=7.3Hz,1H),1.27(t,J=5.8Hz,1H),1.44(dd,J1=10.1Hz,J2=23.8Hz,1H),1.57(d,J=12.6Hz,1H),1.64(d,J=12.2Hz,1H),1.82(s,1H),2.08(s,1H),2.30-2.35(m,1H),2.38-2.43(m,1H),2.79(d,J=3.67Hz,1H),2.98(d,J=4.89Hz,1H),3.30(d,J=7.94Hz,1H),3.642.38-2.43(m,1H),3.90(t,J=8.25Hz,1H),5.35-5.40(m,1H),5.60(s,1H),6.11(d,J=12.4Hz,1H),6.73(s,1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm):18.25(2本分),27.85,38.32,39.12,43.21,43.54,44.43,44.48,45.76,76.96,78.27,126.56,126.77,135.69,135.81,166.82,167.49,173.17,173.73.
尚、後留分としてHMDAが2.00g(収率61.8%)が得られた。
【0081】
実施例4
50ml四つ口反応フラスコにECD2.38g(10mmol)、メタアクリル酸5.16g(60mmol)及びヒドロキノン0.044g(0.4mmol)を仕込み、120℃で8時間撹拌した。室温に冷却してから1,2−ジクロロエタン(EDC)と水を加えて分液後、EDC層を水洗後ガスクロマトグラフィ−で分析した結果、HMDA収率69.9%及びDMDA収率23.1%が得られた。
実施例5
【0082】
【化30】
【0083】
200ml四つ口反応フラスコに8,9−ビス(メトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デセ-3-エン(TCDME)12.5g(50mmol)と1,4−ジオキサン55.5gを仕込み、37%過酢酸11.3g(55mmol)を40℃で1時間撹拌しながら滴下した。更に同温度で6時間撹拌した。濃縮後油状物17.1gが得られた。室温に冷却してから1,2−ジクロロエタン(EDC)と水を加えて分液後、EDC層を水洗・濃縮すると、固形物12.1g(収率91.1%)が得られた。この結晶を分析の結果、3,4−エポキシ−8,9−ビス(メトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(EMD)であることを確認した。
【0084】
MASS(FAB+,m/e(%)):267(M+1,14),187(40),149(48),102(41)
1H-NMR(CDCl3,δppm):1.52(d,J=10.4Hz,1H),170(dd,J1=2.44Hz,J2=1.58Hz,1H),1.95(dd,J1=8.55Hz,J2=15.88Hz,1H),2.21(dd,J1=1.83Hz,J2=10.83Hz,1H),2.46(s,1H),2.48-2.51(m,1H),2.55(dd,J1=4.89Hz,J2=9.78Hz,1H),2.70(d,J=4.28Hz,1H),2.96(dd,J1=9.78Hz,J2=31.16Hz,2H),3.35(s,1H),3.55(t,J=2.43Hz,1H),3.64(d,J=4.28Hz,6H).
13C-NMR(CDCl3,δppm):27.91,40.01,41.95,43.75,44.53,44.57,44.61(2本分),47.11,51.77,59.46,60.82,173,27,173.48.
融点(℃):82〜83
実施例6
【0085】
【化31】
【0086】
200ml四つ口反応フラスコに8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デセ−3−エン(TCDC)11.1g(50mmol)と1,4−ジオキサン55.5gを仕込み、37%過酢酸11.3g(55mmol)を40℃で1時間撹拌しながら滴下した。更に同温度で15時間撹拌した。濃縮後ゼリー状固体15.8gが得られた。水を加え室温で撹拌する結晶がスラリーで析出した。濾過、水洗更に減圧乾燥することにより白色結晶8.82g(収率74.1%)が得られた。
【0087】
この結晶を分析の結果、3,4−エポキシ−8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(ECD)であることを確認した。
【0088】
MASS(FAB+,m/e(%)):239(M+1,78),221(100),178(56),169(87),110(98),96(58),86(54).
1H-NMR(CDCl3,δppm):1.46(d,J=10.4Hz,1H),1.74(d,J=15.3Hz,1H),1.90(dd,J1=8.55Hz,J2=15.9Hz,1H),2.26(d,J=10.4Hz,1H),2.42(s,1H),2.44-2.47(m,1H),2.51(dd,J1=4.89Hz,J2=9.78Hz,1H),2.66(d,J=4.27Hz,1H),2.90(dd,J1=9.78Hz,J2=35.2Hz,2H),3.35(d,J=1.83Hz,1H),3.57(s,1H).
13C-NMR(CDCl3,δppm):27.86,39.78,41.86,43.64,44.49,44.51,44.57,47.21,59.41,60.77,174.76,174.97.
融点(℃):165〜166.
実施例7
【0089】
【化32】
【0090】
50ml四つ口反応フラスコにEMD2.66g(10mmol)、1,4−ジオキサン13.3g、水6.2g及び95%硫酸0.05gを仕込み、100℃で7時間撹拌した。室温に冷却してから1,2−ジクロロエタン(EDC)と水を加えて分液後、EDC層を水洗後濃縮すると油状物1.28g(収率45.1%)が得られた。
【0091】
この油状物は分析の結果、3,4−ジヒドロキシ−8,9−ビス(メトキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(DHMD)であることを確認した。
【0092】
MASS(FAB+,m/e(%)):267(M+1,25),235(100),207(12),68(22).
1H-NMR(CDCl3,δppm):1.52(d,J=10.4Hz,1H),1.71(dt,J1=15.9Hz,J2=2.44Hz,1H),1.95(dd,J1=8.55Hz,J2=15.9Hz,1H),2.20(d,J=10.4Hz,1H),2.44-2.51(m,2H),2.55(dd,J1=4.89Hz,J2=9.17Hz,1H),2.70(d,J=4.88Hz,1H),2.93(dd,J1=1.83Hz,J2=7.94Hz,1H),2.99(dd,J1=1.83Hz,J2=9.77Hz,1H),3.35(d,J=2.44Hz,1H),3.56(t,J=1.83Hz,1H),3.63(s,3H),3.64(s,3H).
13C-NMR(CDCl3,δppm):27.97,40.06,42.01,43.80,44.57,44.63,44.67,47.18,51.81,51.82,59.49,60.86,173.31,173.52.
実施例8
【0093】
【化33】
【0094】
50ml四つ口反応フラスコにECD4.76g(20mmol)、1,4−ジオキサン19.0g、水4.8g及び95%硫酸0.12gを仕込み、100℃で5時間撹拌した。濃縮すると粘稠油状物5.92gが得られた。この残渣をアセトニトリル/エタノール=1/1〜0/1の展開溶媒によりシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、濃縮後固体の3,4−ジヒドロキシ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物(DHTC)4.01g(収率84.2%)が得られた。DHTCは、以下の分析結果より確認した。
【0095】
MASS(FAB+,m/e(%)):239(M+1,100),221(36),207(25),177(36),115(58),110(48).13C-NMR(CDCl3,δppm):30.29,38.48,40.95,41.24,42.64,43.25,44.48,76.41,78.91,174.72,174.83.
融点(℃):125〜126
【0096】
【発明の効果】
本発明は、ジシクロペンタジエンを原料として得られる3,4−エポキシ−8,9−ビス(アルコキシカルボニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(ETCDE)及び3,4−エポキシ−8,9−ジカルボキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(ETCDC)化合物或いはこれらの加水分解物である3,4−ジヒドロキシ−8,9−ビス[アルコキシカルボニル(カルボキシ)]トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物(DHDE)及び3,4−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8,9−ジカルボン酸無水物(DHDA)を用いて、優れた性質を有するフォトレジスト用モノマーとなる脂環式エステル化合物及びその製法を提供できる。
Claims (13)
- 式[5]
- 式[12]
- 式[7]
- 式[13]
- 式[7]
- 式[13]
- 式[10]
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