JP2003306468A - 2,2,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo−エステル化合物及びその製造方法 - Google Patents

2,2,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo−エステル化合物及びその製造方法

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JP2003306468A JP2002113877A JP2002113877A JP2003306468A JP 2003306468 A JP2003306468 A JP 2003306468A JP 2002113877 A JP2002113877 A JP 2002113877A JP 2002113877 A JP2002113877 A JP 2002113877A JP 2003306468 A JP2003306468 A JP 2003306468A
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Tokiaki Miyazaki
常昭 宮崎
Yutaka Saito
裕 斉藤
Takeshi Endo
剛 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な材料から容易に合成できる、ArFレ
ジスト樹脂の原料モノマーなどとして有用な新規な重合
性エステル化合物ならびにその製造方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表わされ、ノルボル
ナン骨格に対しexoの位置にエステル結合を有する
2,2,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ニル−exo−エステル化合物である。 【化1】 (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素、ま
たはメチル基を表わす。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種のポリマーの
原料として、あるいは熱硬化性樹脂や感光性樹脂等の硬
化性成分として有用であって、例えばフォトレジスト材
料、インキ、塗料、封止剤、レンズ、光ディスク等の各
種用途に活用が期待される新規な重合性エステル化合物
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学材料に適した透明性の熱可塑
性樹脂として、ポリメチルメタクリラート(PMMA)
樹脂が知られ、その良好な光学特性と、軽量性、かつ成
形が容易であるという性質から多方面に使用されてい
る。
【0003】また、多環構造の置換基を有するポリメタ
クリラートまたはポリアクリラートは、近年、その19
3nmの波長での透明性の良さと優れたドライエッチン
グ耐性とから、193nmでの波長のArFエキシマー
レーザー露光に対するフォトレジスト材料としての研究
開発が盛んに行われている。
【0004】フォトレジストとして求められる性能に
は、前記のドライエッチング耐性の他、露光量に対する
感度などがあり、それらドライエッチング耐性及び感度
は高い次元で両立していなければならない。
【0005】このArFエキシマーレーザー露光に対す
るフォトレジストは、化学増幅系レジストであり、マト
リックスとなるポリマーと、露光により酸を形成する光
酸発生剤などとを含んだ溶液が使用される。そして、一
般的に、前記マトリックスとなるポリマーの構造上の特
徴は、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ易溶性部位の一部
または全部を適当な酸脱離性基で保護したものである。
【0006】このようなポリマーからなるフォトレジス
トの光反応機構を次に簡単に説明する。フォトレジスト
の一部に光を照射すると、光により発生した酸がポリマ
ーの酸脱離性基を脱離させてポリマーをアルカリ易溶性
とする。その後でアルカリ現像すれば露光部分だけが溶
解し、未露光部分が残ることになる。
【0007】フォトレジストとして重要な性能のひとつ
である露光量に対する感度は、前記ポリマーの酸脱離性
基の種類、保護率などを選択することで調整できるが、
エッチング耐性との両立は難しい。
【0008】例えば、イソボルニルメタクリラートはノ
ルボルナン構造を保持しているものであり、193nm
での透明性とドライエッチング耐性とに優れている。し
かし、実際にフォトレジストのマトリックスポリマーと
して使用する場合、2級のエステルであるため酸に対す
る反応性が低く、フォトレジスト中に通常含有させる光
酸発生剤由来の酸程度の酸強度ではエステルの加水分解
反応は起きず、アルカリ現像できない。従って、他の酸
に対して反応性の高いモノマーユニット、例えばメタク
リル酸ブチルなどのドライエッチング耐性の低い物質を
組み込まなければならない。
【0009】そこで近年、特開平11−84663号公
報に開示されているように、多環構造を有するアクリル
酸エステルまたはメタクリル酸エステルのような3級エ
ステルをポリマーとしてフォトレジスト材料に使用し、
酸に対する反応性を高めて、フォトレジストの感度を向
上させたものが多く報告されている。
【0010】また、このような多環構造を有するアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとしては、特
開2000−336121号公報に、多環構造の置換基
であるノルボルナン骨格からみてexo位にエステル結
合をもつ3級エステル化合物が開示されている。このよ
うなexo位の3級エステル結合は、endo位の3級
エステル結合に比較して酸に対する反応性が非常に優れ
ているので、優れたフォトレジストの材料となるという
利点を有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報のexo−3級エステル化合物は、グリニアール
試薬等を用いてカルボニル化合物からendo−型のア
ルコールを製造した後、endo−型のアルコールをe
xo−型アルコールに変換し、その後エステル化するも
のであり、合成するのに多くの工程が必要であったり、
合成時にグリニアール試薬等の高価な試薬を使用したり
するため非常に高価なものであるという問題がある。
【0012】本発明は、このような事情に鑑み、安価な
材料から容易に合成できる、ArFレジスト樹脂の原料
モノマーなどとして有用な新規な重合性エステル化合物
ならびにその製造方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、比較的安価な
カンフェンをハロゲン化水素と実質的に水を含まない系
で所定の条件下で反応させると、ノルボルナン骨格が安
定に維持され、次に加水分解することで2,2,3−ト
リメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo−
3−オール(「以下、exo−カンファニルアルコー
ル」という)が安定して得られるという新たな知見を得
て、本発明を完成させた。ここで、本発明において実質
的に水を含まない系とは、水分含有濃度が、500pp
m以下、好ましくは100ppm以下、さらに好ましく
は、50ppm以下である反応系のことを意味する。
【0014】なお、かかる知見は、水を含まない系でカ
ンフェンと塩化水素を反応させても10分程度でノルボ
ルナン骨格の転位が起こるとの報告(J.Am.Che
m.Soc.,600−610(1975))に反する
ものであるが、このような報告に反して、exo−カン
ファニルアルコールを簡便に且つ安価に製造できるとい
う新たな知見により本発明が完成された。
【0015】かかる本発明の第1の態様は、下記一般式
(I)で表わされ、ノルボルナン骨格に対しexoの位
置にエステル結合を有することを特徴とする2,2,3
−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−ex
o−エステル化合物にある。
【0016】
【化5】
【0017】(式中、R、R及びRはそれぞれ独
立に水素、またはメチル基を表わす。)
【0018】本発明の第2の態様は、実質的に水を含ま
ない系でカンフェンにハロゲン化水素を反応させてカン
フェンのexoの位置にハロゲンを導入して2,3,3
−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−exo
−2−ハロゲン化物とする工程と、この2,3,3−ト
リメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−exo−2
−ハロゲン化物を加水分解して下記一般式(II)で表さ
れる2,2,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プタニル−exo−3−オールとする工程と、この2,
2,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル
−exo−3−オールと下記一般式(III)で表される
酸クロリドとを反応させて下記一般式(I)で表される
2,2,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ニル−exo−エステル化合物とする工程とを具備する
ことを特徴とする2,2,3−トリメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプタニル−exo−エステル化合物の
製造方法にある。
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】(式中、R、R及びRはそれぞれ独
立に水素、またはメチル基を表わす。)
【0022】
【化8】
【0023】(式中、R、R及びRはそれぞれ独
立に水素、またはメチル基を表わす。)
【0024】かかる本発明では、安価なカンフェンから
容易に且つ確実に合成できる、ArFレジスト樹脂の原
料モノマーなどとして有用な新規な重合性エステル化合
物である2,2,3−トリメチルビシクロ[2.2.
1]ヘプタニル−exo−エステル化合物(以下「ex
o−カンファニルエステル化合物」という)を提供する
ことができる。
【0025】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0026】本発明に係るexo−カンファニルエステ
ル化合物は、一般式(I)に示すような、ノルボルナン
骨格を有し且つノルボルナン骨格からみてexoの位置
にエステル結合をもつ3級エステル化合物である。かか
る本発明の3級エステルであるexo−カンファニルエ
ステル化合物は、安価な天然物であるカンフェンを原料
とし、グリニアール試薬等の高価な試薬を使用せずに比
較的容易に合成できる重合性エステル化合物である。し
たがって、本発明のexo−カンファニルエステル化合
物は、フォトレジストの材料として有用であり、ドライ
エッチング耐性及び感度に優れた安価なフォトレジスト
となる。
【0027】なお、前記一般式(I)で表されるexo
−カンファニルエステル化合物のうち、R、R、R
がすべて水素であるアクリル酸誘導体、Rがメチル
基で、R、Rがともに水素であるメタクリル酸誘導
体は、特に重合性に優れており、本発明のexo−カン
ファニルエステル化合物のなかでも特に好適である。
【0028】本発明のexo−カンファニルエステル化
合物は、カンフェンを原料として下記反応式(1)及び
(2)に示す反応により、製造することができる。
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】本発明のexo−カンファニルエステル化
合物の製造方法では、まず、実質的に水を含まない系で
カンフェンにハロゲン化水素を反応させ、ハロゲン化水
素を付加しカンフェンのexoの位置にハロゲンを導入
して2,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン−exo−2−ハロゲン化物(一般式(IV))と
した後、加水分解してexo−カンファニルアルコール
とする(反応式(1))。
【0032】ここで、カンフェンにハロゲン化水素を付
加させる際に、水が共存する状態でカンフェンに酸HX
(Xはハロゲンを表す)を反応させた場合、例えば、塩
化水素酸、臭化水素酸等の水を含む酸を用いた場合に
は、ノルボルナン骨格の転位が起こるため一般式(IV)
で表される物質を安定に得ることはできない。従って、
本発明においては、実質的に水を含まない系でハロゲン
化水素とカンフェンを反応させる。なお、あまりに過剰
のハロゲン化水素が反応系中に存在すると、カンフェン
の炭素骨格の転位反応を引き起こす可能性があるので、
ハロゲン化水素を付加する際に添加するハロゲン化水素
の量は、カンフェンに対して、好ましくは、2.0モル
当量以下、さらに好ましくは1.5モル当量以下、さら
に好ましくは1.0モル当量以下である。
【0033】カンフェンに反応させるハロゲン化水素と
しては、ヨウ化水素、臭化水素、塩化水素が挙げられ
る。
【0034】また、カンフェンにハロゲン化水素を付加
させる際の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレ
ン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、ペンタンなどの炭
化水素系溶媒や、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩
化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系
の溶媒や、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のエーテル系の溶媒を挙げることができる。なお、ノル
ボルナン骨格の転位を防ぐためには、溶媒の極性は低い
方が好ましい。従って、炭化水素系の溶媒やハロゲン化
炭化水素系の溶媒が特に好適であり、より好ましくは炭
化水素系の溶媒が好適であり、さらに好ましくは、トル
エン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、ペンタンが好適
である。
【0035】なお、ハロゲン化水素を付加させたカンフ
ェン(一般式(IV))を加水分解するための塩基は、ト
リエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム、アンモニアなどが好適で
あるが、他の塩基でもよい。
【0036】次に、反応式(1)で得られたexo−カ
ンファニルアルコールを酸クロリドと反応させてエステ
ル化すると、本発明のexo−カンファニルエステル化
合物を得ることができる(反応式(2))。
【0037】exo−カンファニルアルコールと反応さ
せる酸クロリドは、前記一般式(III)で表される酸ク
ロリドであればよく、アクリル酸クロリド、メタクリル
酸クロリド、クロトン酸クロリド、3,3−ジメチルア
クリル酸クロリド等が挙げられるが、アクリル酸クロリ
ド、メタクリル酸クロリドは入手が容易であるため、特
に好適に用いることができる。
【0038】エステル化の溶媒としては様々な溶媒を適
用できるが、ジエチルエーテル、THF、ジオキサンな
どのエーテル系の溶媒が特に好適である。
【0039】また、exo−カンファニルアルコールと
酸クロリドとを反応率良く反応させるには、塩基類を触
媒として用いることが好ましい。塩基類としては、例え
ば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、
2,6−ジメチル−4−アミノピリジンなどの有機溶媒
に可溶な有機塩基類を挙げることができる。
【0040】従って、本発明のexo−カンファニルエ
ステル化合物の製造方法のエステル化(反応式(2))
の好ましい例は、一般式(II)で表されるexo−カン
ファニルアルコール、一般式(III)で表される酸クロ
リド、そして上記塩基の3つの物質を混合することとな
る。
【0041】実際の製造においては、前記3つの物質の
うち2つの物質を有機溶媒中に混合しておき、残りのひ
とつの物質を徐々に滴下してゆっくりと反応させるよう
にすると、反応熱による副反応を押さえることができ、
操作も簡単であるため好ましい。
【0042】また、例えば、前記3つの物質をあらかじ
め溶媒に溶かしておき、それらを徐々に混ぜ合わせて
も、3つの物質をあらかじめ溶媒に溶かしておいて充分
に冷却しながら一気に混ぜ合わせても製造することがで
きる。
【0043】このようにアルコールと酸クロリドとの反
応は従来から公知のエステル化反応であるので、使用す
るexo−カンファニルアルコール、酸クロリド及び塩
基類のモル比、反応時間、各種物質の滴下速度または混
ぜ合わせ方、反応温度、反応時間、使用する溶媒の種類
などの基本的な条件は、一般的な方法により最適化する
のが好ましい。
【0044】上記のようにして製造した前記一般式
(I)で表されるexo−カンファニルエステル化合物
は、蒸留や再結晶など、通常の方法で精製できる。
【0045】なお、本発明に係るexo−カンファニル
エステル化合物は、例えば、前記一般式(II)で表され
るexo−カンファニルアルコールと、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸または3,3−ジメチルアクリ
ル酸などの不飽和有機酸とを無触媒または酸触媒の存在
下で縮合させることによっても得ることができる。
【0046】また、前記一般式(IV)で表されるカンフ
ェンとハロゲン化水素との付加体と前記不飽和有機酸の
塩とを反応させても、カンフェンに前記不飽和有機酸を
付加させても、本発明のexo−カンファニルエステル
化合物を得ることができる。
【0047】しかし、これらの反応では使用する有機酸
や反応系中で発生する酸により3級エステル結合が切れ
やすいためexo−カンファニルエステル化合物を安定
に得ることは難しい。したがって、確実に本発明のex
o−カンファニルエステル化合物を得るためには、ex
o−カンファニルアルコールを酸クロリドでエステル化
することが好ましい。
【0048】このように、安価な天然物であるカンフェ
ンを原料とし、またグリニアール試薬等の高価な試薬を
必要としないため、本発明の一般式(I)で表されるe
xo−カンファニルエステル化合物は、安価なものとな
る。また、製造方法も上述のように簡便であり、好適に
本発明のexo−カンファニルエステル化合物を得るこ
とができる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって、
さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によっ
て何ら制限されるものではない。
【0050】(実施例1) カンファニルメタクリラート(2,2,3−トリメチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo−3−メタ
クリラート)の合成 カンフェン497.27gをトルエン200.35gに
溶解させた溶液を窒素雰囲気下で反応容器に入れ、その
反応容器を水温約20℃の水浴に浸した。次に前記トル
エン溶液をスターラーで撹拌しながら、前記反応容器に
塩化水素ガスを満たした風船を取りつけると、直ちに反
応が始まり風船中のHClガスの消費が観察された。そ
の消費に合わせて塩化水素ガスを補充しながら2時間反
応を続けた。塩化水素の導入量は全部で141.85g
であった。反応終了後、その反応液をトリエチルアミン
500g、アセトン400g、水800gからなる混合
溶液に注ぐことで加水分解し、有機物をジエチルエーテ
ルで抽出した後濃縮した。この結果、純度約65%、4
93.68gのexo−カンファニルアルコール(2,
2,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル
−exo−3−オール)が得られた。なお、得られたe
xo−カンファニルアルコールは、原料としたカンフェ
ンの構造から考えて転位したものではなく、また、1週
間以上安定な物質であった。
【0051】窒素雰囲気下、純度約65%の上記exo
−カンファニルアルコール199.85gと、トリエチ
ルアミン210.37gとを651.25gのTHFに
溶解させた。そのTHF溶液を撹拌しながら、THF溶
液にメタクリル酸クロリド106.53gを、室温で1
時間かけて滴下し、滴下終了後、適宜トリエチルアミン
80g及びメタクリル酸クロリド50.28gを追加し
ながら、40℃でさらに12時間反応させた。反応生成
物に純水500ml及びシクロヘキサン200mlを加
え、攪拌し静置したあと分液し、得られた有機層を水で
洗浄した後、エバポレーターで低沸点有機物を減圧留去
した。その後得られた濃縮液を減圧蒸留した。この結
果、純度87%、重量109.19gのカンファニルメ
タクリラート(2,2,3−トリメチルビシクロ[2.
2.1]ヘプタニル−exo−3−メタクリラート)を
得た。得られた物質のH−NMRスペクトルデータを
図1に示す。
【0052】
【発明の効果】本発明に係る2,2,3−トリメチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo−エステル化
合物は、安価な原料から容易に製造できるので、例えば
フォトレジストの材料とした場合に、exo位の3級エ
ステル結合により酸に対して反応性が高く、またノルボ
ルナン骨格によりドライエッチング耐性を備え、且つ安
価なフォトレジストの材料を得ることができるという効
果を奏する。
【0053】また、本発明に係る2,2,3−トリメチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo−エステ
ル化合物の製造方法によれば、exo位の3級エステル
結合とノルボルナン骨格を持つ2,2,3−トリメチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo−エステル
化合物を簡便な方法で、安価に、しかも確実に得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のH−NMRスペクトルデータを
示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 剛 山形県米沢市門東町2−4−33 マンショ ンテラセ3F−8 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB92 AC48 BJ20 KA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされ、ノルボル
    ナン骨格に対しexoの位置にエステル結合を有するこ
    とを特徴とする2,2,3−トリメチルビシクロ[2.
    2.1]ヘプタニル−exo−エステル化合物。 【化1】 (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素、ま
    たはメチル基を表わす。)
  2. 【請求項2】 実質的に水を含まない系でカンフェンに
    ハロゲン化水素を反応させてカンフェンのexoの位置
    にハロゲンを導入して2,3,3−トリメチルビシクロ
    [2.2.1]ヘプタン−exo−2−ハロゲン化物と
    する工程と、この2,3,3−トリメチルビシクロ
    [2.2.1]ヘプタン−exo−2−ハロゲン化物を
    加水分解して下記一般式(II)で表される2,2,3−
    トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo
    −3−オールとする工程と、この2,2,3−トリメチ
    ルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo−3−オ
    ールと下記一般式(III)で表される酸クロリドとを反
    応させて下記一般式(I)で表される2,2,3−トリ
    メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニル−exo−エ
    ステル化合物とする工程とを具備することを特徴とする
    2,2,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ
    ニル−exo−エステル化合物の製造方法。 【化2】 【化3】 (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素、ま
    たはメチル基を表わす。) 【化4】 (式中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素、ま
    たはメチル基を表わす。)
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