JP4539076B2 - 膜形成方法、デバイス製造方法、プラズマディスプレイ装置の製造方法および電子機器の製造方法 - Google Patents
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Description
このプラズマディスプレイ装置500では、アドレス電極511および表示電極512が図示略の交流電源に接続される。そして、アドレス電極511および表示電極512の間に放電を発生させ、放電表示部510において蛍光体517を励起発光させて、カラー表示ができるようになっている。
この構成によれば、溝部の内面に塗布された固着部材に対して、散布された粉体が吸着される。さらに、固着材料を硬化させて粉体を溝部に固着させれば、溝部の内面に粉体からなる膜を形成することができる。これにより、粒子径の大きい粉体を使用する場合でも、その粉体からなる膜を溝部の内面に形成することができる。
この構成によれば、溝部に塗布された固着材料を、毛管現象によって溝部側面の上端部まで濡れ登らせることができる。これにより、溝部の内面全体に固着材料が塗布されるので、溝部の内面全体に粉体の膜を形成することができる。
この構成によれば、溝部と固着材料との接触角が小さくなるので、溝部に塗布された固着材料を毛管現象によって溝部側面に濡れ登らせることができる。これにより、溝部の内面全体に固着材料が塗布されるので、溝部の内面全体に粉体の膜を形成することができる。
この構成によれば、溝部の所定位置に対して所定量の固着材料を正確に吐出することができるので、溝部の内面全体に固着材料を塗布することが可能になる。したがって、溝部の内面全体に粉体の膜を形成することができる。
この構成によれば、液滴吐出装置におけるノズルの目詰まりを防止することが可能になり、液滴吐出装置による固着材料の安定吐出が可能になる。
この構成によれば、吐出された固着材料が溝部の長手方向に濡れ広がるので、固着材料を均一に塗布することができる。これにともなって、溝部側面における固着材料の濡れ登り高さを均一化することが可能になり、溝部の内面全体に固着材料を塗布することができる。
この構成によれば、溝部の内面のみに粉体の膜を形成することができる。また、回収した粉体を再利用すれば、膜形成コストを低減することができる。
この構成によれば、粒子径の大きい粉体の膜を溝部の内面全体に形成して、デバイスを製造することが可能になる。
この構成によれば、粒子径の大きい蛍光体を用いて、溝部の内面全体に蛍光体膜を形成することができるので、発光効率を向上させることができる。したがって、表示品質に優れたプラズマディスプレイ装置を提供することができる。
この構成によれば、表示品質に優れた電子機器を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る膜形成方法の工程の説明図である。本実施形態の膜形成方法は、例えば幅50〜1000μm、深さ20〜500μm程度の微細な溝部の内面全体に粉体からなる膜を形成する方法であり、溝部50に親液処理を施す工程と(a)、液滴吐出装置により溝部50の内面全体にバインダ70を塗布する工程と(b)、溝部50に粉体75を散布する工程と(c)、バインダを硬化させて粉体を溝部50に固着させる工程と(d)、溝部50以外の部分に付着した粉体を回収する工程と(e)、を有するものである。
本実施形態では、図1(e)に示すように、基板48の表面に形成された溝部50の内面全体に、粉体からなる膜80を形成する。そのため、図1(b)に示すように、溝部50の底面のみならず、溝部50の側面にもバインダ70を塗布する必要がある。そこで、毛管現象を利用することにより、溝部底面に塗布されたバインダ70を、溝部側面の上端部まで濡れ登らせる。ここで毛管現象とは、毛細管の内壁に水面接触角を与えた場合に、表面張力により水面が上昇する現象である。また接触角とは、静止液体の自由表面が固体壁に接する場所で液面と固体面とのなす角(液の内部にある角)であり、図2のθで表される。この接触角θは、液体が固体面を濡らす場合には鋭角となり、濡らさない場合には鈍角となる。そこで、溝部側面の濡れ性を向上させて、バインダ70と溝部側面との接触角θを小さくすれば、バインダを溝部側面の上端部まで濡れ登らせることができる。
次に、図1(b)に示すように、溝部50の内面にバインダ70を塗布する。このバインダ70は、溝部50に対して粉体を固着させる液状の固着材料である。バインダ70として、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂等のモノマーを採用することが可能である。なお必要に応じて、バインダ70を有機溶媒等に溶解して使用する。
次に、図1(c)に示すように、基板48の表面に対して、スプレー等により粉体75を散布する。上述したように、溝部50の内面にはバインダ70が塗布されているので、溝部内に散布された粉体はバインダに吸着される。
次に、図1(d)に示すように、バインダを硬化させる。本実施形態では、バインダとして熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂のモノマーを採用しているので、加熱や光照射によりモノマーを重合させてバインダを硬化させる。これにより、散布された粉体が溝部50の内面に固着されて、溝部の内面全体に粉体の膜80が形成される。なお、バインダに有機溶媒が含まれている場合には、加熱や光照射と同時にその有機溶媒を蒸発させる。
なお、散布された粉体75は、バインダを塗布した溝部50の内面以外の部分には固着されない。そこで、図1(e)に示すように、溝部50以外の部分に付着した粉体を回収する。粉体75の回収は、基板48を傾ける方法や、基板48の表面を拭い取る方法、基板48の表面に風を吹きつける方法などによって行うことが可能である。以上により、溝部50の内面全体に粉体からなる膜80を形成することができる。なお、回収した粉体75は、上述した粉体散布工程に再利用することができる。これにより、粉体を効率的に使用することが可能になり、膜形成コストを低減することができる。
上述した膜形成方法は、プラズマディスプレイ装置の製造に使用することができる。そこで、まずプラズマディスプレイ装置の構成につき、図5を用いて説明する。
図5は、3電極AC型プラズマディスプレイパネルの分解斜視図であり、符号500はプラズマディスプレイ装置である。このプラズマディスプレイ装置500は、互いに対向して配置された背面基板501および前面基板502と、これらの間に形成された放電表示部510とによって概略構成されている。放電表示部510は、複数の放電室516が集合されてなり、複数の放電室516のうち、赤色放電室516(R)、緑色放電室516(G)、青色放電室516(B)の3つの放電室516が対になって1画素を構成するように形成されている。
そして、上述した背面基板501と前面基板502とが貼り合わされ、各放電室516に希ガスが封入されて、プラズマディスプレイ装置500が形成されている。
上述したプラズマディスプレイ装置500において、隔壁515で区画される溝部に、蛍光体517を配置する方法について説明する。
次に、上記溝部に対して、液滴吐出装置によりバインダを吐出する(バインダ塗布工程)。そのバインダとして、例えばアクリル系の熱硬化性樹脂のモノマーを採用する。なお、上記溝部の長手方向に沿って所定間隔でバインダの液滴を吐出すれば、各液滴が濡れ広がって隣接する液滴と結合し、溝部の底面全体にバインダが塗布される。さらに、溝部の底面に塗布されたバインダは、毛管現象により隔壁515の側面に沿って濡れ登る。これにより、上記溝部の内面全体にバインダが塗布される。
次に、バインダを硬化させて、散布された粉体を上記溝部に固着させる(固着工程)。上述したように、バインダとして熱硬化性樹脂のモノマーを採用しているので、加熱によりモノマーを重合させてバインダを硬化させる。これにより、散布された粉体が上記溝部の内面に固着されて、溝部の内面全体に粉体の膜が形成される。
次に、上記溝部以外の部分に付着した粉体を回収する(粉体回収工程)。粉体の回収は、背面基板501を傾ける方法等によって行う。なお、回収した粉体は、上述した粉体散布工程に再利用することができる。
次に、本実施形態の膜形成方法を使用して製造した電子機器につき、図6を用いて説明する。図6は、携帯電話の斜視図である。図6において符号1000は携帯電話を示し、符号1001は表示部を示している。この携帯電話1000には、本実施形態の膜形成方法を使用して製造したデバイスが表示部1001に採用されている。したがって、表示品質に優れた携帯電話1000を低コストで提供することができる。
Claims (7)
- 前記固着材料を塗布する工程の前に、前記溝部に親液処理を施す工程を有することを特徴とする請求項1に記載の膜形成方法。
- 前記固着材料を吐出する際の温度下における前記固着材料の粘度は、50cps以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜形成方法。
- 前記固着材料の吐出は、前記溝部の長手方向に速度成分を有するように行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の膜形成方法。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の膜形成方法を使用して、粉体からなる膜を形成することを特徴とするデバイス製造方法。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の膜形成方法を使用して、放電室を構成する溝部の内面に蛍光体膜を形成することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の膜形成方法を使用して製造することを特徴とする電子機器の製造方法。
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