JP4538982B2 - 水性顔料組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ポスターカラー、水彩絵の具、アクリル絵の具、顔料インキ等に好適に用いられる水性顔料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水性顔料組成物は、顔料と、樹脂と、湿潤剤とを少なくとも含み、ポスターカラー、水彩絵の具、アクリル絵の具、顔料インキ等に用いられている。
【0003】
ところで、水性顔料組成物は、経時的に黴が発生したり、腐敗菌が繁殖したりする欠点を有しているので、抗菌性物質即ち防黴剤、防腐剤の使用が不可欠である。
しかしながら、公知の防黴剤、防腐剤の内、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、モルホリン及びイミダゾリン系化合物は、水性顔料組成物に添加した場合、顔料に吸着して、防黴効果、防腐効果が低下して黴が発生したり、腐敗菌が繁殖したりするなどの問題が有った。
そこで、水性顔料組成物に用いる防黴剤、防腐剤としては、顔料に吸着しないものを選択する必要があり、多くの場合、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩を用いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、商品の安全性に関する意識が高まり、絵の具などに使用する水性顔料組成物は、使用する物質や、その添加量に対して規制を受けることが多くなってきている。
上記パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩についても、添加量について規制を受ける場合がある。具体的には、米国画材・工芸材料協会(以下、ACMIと略す)による添加量に対する規制が挙げられる。従って、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩を水性顔料組成物に多く用いることは好ましくない。
しかし、水性顔料組成物において、黴が発生したり、腐敗菌が発生したりしないことは、必須の品質特性である為、安全性が高く、且つ、防黴効果及び防腐効果の高い防黴剤、防腐剤が求められていた。
しかも、顔料に吸着しない防黴剤、防腐剤であるトリクロロヒドロキシジフェニルエーテルやクロロアセトアマイドを用いた場合、使用する顔料の種類により防黴性・防黴性の効果が得られないという問題を有している。更に、クロロアセトアマイドは、経時的に水性顔料組成物が凝集してしまうという問題を有している。
本発明は、これらの状況に基づき、長期間保管しても、防黴性、防腐性が低下せず、顔料の分散も良好で、顔料の凝集といったものが発生しない水性顔料組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明は、顔料と、樹脂と、湿潤剤と、オルトフェニルフェノール又はその塩類と、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテルと、フェノキシエタノールとを少なくとも含む水性顔料組成物を要旨とする。
【0006】
以下に本発明の水性顔料組成物について、更に詳細に説明する。
顔料は、着色材として使用するものであって、従来公知の酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、鉄黒、アニリンブラック、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、タートラジンレーキ、パーマネントイエロートナー、カドミウムイエロー、ベンジジンオレンジ、クロムバーミリオン、カドミウムオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ファーストオレンジレーキ、レーキレッドC、弁柄、ワッチングレッド、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、パーマネントレッド2B、パーマネントレッドFRLL、カーマインレーキ、キナクリドンレッド、メチルバイオレットレーキ、ファーストバイオレットB、キナクリドンバイオレット、インダスレンバイオレット、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、紺青、群青、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニングリーン、マーカライトグリーンレーキ、ピグメントグリーンB、ビリジアン、シェンナー、アンバー、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末など、有機顔料、無機顔料及び金属粉顔料や、染料や顔料を樹脂粉体と組み合わせた着色加工粉体及び蛍光顔料などの中から、適宣選択して用いることができる。
特に顔料を分散剤で分散させた加工顔料は、分散性、経時安定性、作業性及び水性顔料組成物中に他の分散剤を配合しなくとも良いなどの面から好ましく用いることができる。
顔料の使用量は、顔料の種類や他の成分により異なるものの、水性顔料組成物全量に対して1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
【0007】
樹脂は、定着剤及び展色剤として用いるものである。
本発明の水性顔料組成物による筆跡または塗布跡に皮膜形成能を与え、被筆記面や被塗布面への付着性を付与したり、水性顔料組成物に粘性を付与したり、顔料の分散安定性を付与したりするといった目的で使用する。
水に可溶または分散するものであれば使用可能であり、水溶性高分子や水性樹脂エマルションを用いることが出来る。
具体的には、膠、アラビアゴム、デキストリン等の天然水溶性高分子やカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の半合成水溶性高分子、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂などの合成水溶性高分子や、アクリル系エマルション、酢酸ビニル系エマルション、塩化ビニル−酢酸ビニル系エマルション等の水性樹脂エマルションが使用でき、その使用量は水性顔料組成物全量に対して1〜20重量%が好ましい。
【0008】
湿潤剤は、凍結防止剤、再溶解性向上剤、乾燥遅乾剤などとして使用するものであって、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。
【0009】
オルトフェニルフェノール又はその塩類、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル及びフェノキシエタノールは、防黴剤、防腐剤として用いるものである。オルトフェニルフェノールの塩としてはナトリウム塩、カリウム塩があるが特にナトリウム塩が好ましい。これらの物質は、水性顔料組成物に併用して用いることによって、充分な防黴性、防腐性を示し、且つ、水性顔料組成物中の顔料に吸着されず、顔料を凝集させないものである。
オルトフェニルフェノール又はその塩類の使用量は、水性顔料組成物全量に対して、0.01〜0.10重量%が好ましく、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテルの使用量は、水性顔料組成物全量に対して、0.01〜0.10重量%が好ましく、フェノキシエタノールの使用量は、水性顔料組成物全量に対して、0.1〜0.6重量%が好ましい。そして、これらの物質を併用しての使用量は、水性顔料組成物全量に対して、0.1〜0.8重量%が好ましい。この使用量は、ACMIの規制値範囲内の使用量であり、即ち、本発明の水性顔料組成物は、ACMIの規制値範囲内の使用量で良好な防黴性、防腐性の効果を示す。
【0010】
以上に示した成分以外に必要に応じて、湿潤剤、粘度調整剤、凍結防止剤、消泡剤、一般の各種活性剤または分散剤など、種々の添加剤を適宣選択して使用することができる。
【0011】
尚、本発明の水性顔料組成物は、上記の各成分を必要量混合し、ホモミキサー、ラボミキサー等の高速撹拌機や、3本ロールミルやビーズミル等の分散機にて混合、分散することにより容易に得ることができる。
【0012】
【作用】
本発明の水性顔料組成物は、防黴剤、防腐剤であるオルトフェニルフェノール又はその塩類とトリクロロヒドロキシジフェニルエーテルとフェノキシエタノールとを併用した場合、抗菌性が相乗的に向上し、良好な防黴性、防腐性を示すと考えられる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1(ポスターカラー)
上記成分をラボミキサーに入れ15分間撹拌した後、3本ロールミルにて2回通しを行い白色のポスターカラーを得た。
【0014】
実施例2(水彩絵の具)
上記成分をラボミキサーに入れ15分間撹拌した後、3本ロールミルにて2回通しを行い黄緑色のポスターカラーを得た。
【0015】
実施例3(アクリル絵の具)
上記成分をラボミキサーに入れ15分間撹拌した後、3本ロールミルにて1回通しを行い青色のアクリル絵の具を得た。
【0016】
実施例4(水性顔料インキ)
上記成分をホモミキサーにて3時間撹拌して水性顔料インキを得た。
【0017】
実施例5(水性顔料インキ)
上記成分をボールミルにて5時間分散して水性顔料インキを得た。
【0018】
比較例1
実施例1において、フェノキシエタノールをバイオクリーンP−1487(4−(2−ニトロブチル)モルホリン、ケイ・アイ化成(株)製)0.45重量部にかえた以外は、実施例1と同様になしてポスターカラーを得た。
【0019】
比較例2
実施例2において、オルトフェニルフェノールナトリウム塩を抜き、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテルの配合量を0.10重量部から0.20重量部にかえた以外は、実施例2と同様になして水彩絵の具を得た。
【0020】
比較例3
実施例3において、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテルをメッキンスP(パラオキシ安息香酸プロピル、上野製薬(株)製)に変えた以外は、実施例3と同様になしてアクリル絵の具を得た。
【0021】
比較例4
実施例4において、フェノキシエタノールを抜き、オルトフェニルフェノールナトリウム塩の配合量を0.05重量部から0.35重量部に、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテルの配合量を0.05重量部から0.35重量部にかえた以外は、実施例4と同様になして水性顔料インキを得た。
【0022】
比較例5
実施例5において、フェノキシエタノールをKM101A(クロロアセトアマイド、独国、Gerbstoff−Chemie Franz Martgold社製)0.5重量部に変えた以外は、実施例5と同様になして水性顔料インキを得た。
【0023】
比較例6
実施例4において、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテルを抜き、オルトフェニルフェノールナトリウム塩の配合量を0.05重量部から0.10重量部にかえた以外は、実施例4と同様になして水性顔料インキを得た。
【0024】
以上の実施例1〜5及び比較例1〜6で得た水性顔料組成物の初期及び経時の防黴・防腐性及び水性顔料組成物の分散安定性の試験を行った。
結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
黴抵抗性試験:日本工業規格(JIS Z 2911)に記載された方法に従って試験を行った。
評価
○:阻止円あり。
△:僅かな阻止円あり。
×:阻止円なし。水性顔料組成物中に黴が発生。
【0027】
黴抵抗性試験1
初期の水性顔料組成物の黴抵抗性試験の確認を行った。
【0028】
防黴性試験2
50℃恒温槽にて30日間経時した水性顔料組成物の黴抵抗性試験の確認を行った。
【0029】
分散安定性試験
50℃恒温槽にて30日間経時した水性顔料組成物の分散安定性の確認を行った。
評価
○:分散は安定である。
△:やや凝集している。
×:凝集している。
【0030】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の水性顔料組成物は経時的にも充分な防黴性、防腐性を示し、且つ顔料との反応性もないので、長期間保存しても分散が安定なものである。
Claims (1)
- 顔料と、樹脂と、湿潤剤と、オルトフェニルフェノール又はその塩類と、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテルと、フェノキシエタノールとを少なくとも含む水性顔料組成物。
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