JP5142451B2 - 水性顔料組成物 - Google Patents
水性顔料組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5142451B2 JP5142451B2 JP2004220349A JP2004220349A JP5142451B2 JP 5142451 B2 JP5142451 B2 JP 5142451B2 JP 2004220349 A JP2004220349 A JP 2004220349A JP 2004220349 A JP2004220349 A JP 2004220349A JP 5142451 B2 JP5142451 B2 JP 5142451B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- parts
- pigment
- aqueous pigment
- pigment composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Description
フッ化ナトリウムは、水に可溶な防腐剤で、水中ですぐにフッ素イオンとナトリウムイオンに分かれる。フッ素イオンは反応性が強く、顔料表面で反応し、顔料表面にとどまるので、他の水溶性防腐剤のように顔料内部まで浸透、吸着せず、防腐、防黴性能を発揮していると考えられる。
フェノキシエタノールは、パラオキシ安息香酸エステルと同様に水に溶けにくい物質であり顔料内部に浸透、吸着しにくく、また、室温で液体であるため、水性顔料組成物中で、パラオキシ安息香酸エステルのように顔料表面に吸着したとしても、液体であることから、流動性があり、強固に顔料を凝集させず、絵の具の発色を低下させるという問題を発生しにくいと考えられる。
また、この二つの防腐剤を併用すると、まず反応性の強いフッ化ナトリウムが顔料と反応する。これにより、顔料表面にフッ素を留め、顔料同士の接触を阻害する効果を発揮する。しかし、フッ化ナトリウムは人体に対する毒性が強いので多くの量を添加するのは好ましくない。そのため、少量のフッ化ナトリウムとパラオキシ安息香酸エステルのような水に溶けない粒子を併用した場合、水に溶けない固体粒子が顔料同志を仲介して凝集させる力が、フッ化ナトリウムによる顔料同士の接触を阻害する効果を上回り、顔料を凝集させ、水性顔料組成物の発色を低下させてしまう。これに対して、防腐剤としてフェノキシエタノールを併用した場合、フッ素の吸着していない顔料表面にフェノキシエタノールが吸着した場合でも、フェノキシエタノールは、液体で流動性があるので、重力や対流等の力で、凝集しかけた顔料同士が流動して、顔料表面のフッ素顔料同士の接触を阻害する効果を発揮させ、顔料凝集防止効果を相乗的に発揮していると考えられる。
顔料は、着色材として使用するものであって、従来公知の酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、鉄黒、アニリンブラック、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、タートラジンレーキ、パーマネントイエロートナー、カドミウムイエロー、ベンジジンオレンジ、クロムバーミリオン、カドミウムオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ファーストオレンジレーキ、レーキレッドC、弁柄、ワッチングレッド、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、パーマネントレッド2B、パーマネントレッドFRLL、カーマインレーキ、キナクリドンレッド、メチルバイオレットレーキ、ファーストバイオレットB、キナクリドンバイオレット、インダスレンバイオレット、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、紺青、群青、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニングリーン、マーカライトグリーンレーキ、ピグメントグリーンB、ビリジアン、シェンナー、アンバー、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末など、有機顔料、無機顔料及び金属粉顔料や、染料や顔料を樹脂粉体と組み合わせた着色加工粉体及び蛍光顔料などや、天然マイカの表面を金属酸化物で被覆したものや、合成マイカの表面を金属酸化物で被覆したパール顔料などの中から、適宣選択して用いることができる。
顔料は単独もしくは2種以上混合して使用することができ、その使用量は、顔料の種類や他の成分により異なるものの、水性顔料組成物全量に対して1〜30重量%が好ましい。
これらの樹脂は、単独又は2種以上混合して使用することができ、その有効成分の使用量は水性顔料組成物全量に対して1〜20%重量%が好ましい。
酸化チタン 40重量部
軽質炭酸カルシウム 15重量部
アラビアガム 7重量部
培焼デキストリン 3重量部
グリセリン 5重量部
水 30重量部
フェノキシエタノール 1重量部
フッ化ナトリウム 0.005重量部
上記成分をラボミキサーで15分攪拌した後、3本ロールミルにて2回通しを行ない白色のポスターカラーを得た。
ハンザイエロー10G(C.I.Pigment Name Yellow3)
11重量部
フタロシアニングリーン(C.I.Pigment Name Green7)
1重量部
フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Name Blue15:3)
1重量部
酸化チタン 2重量部
重質炭酸カルシウム 15重量部
軽質炭酸カルシウム 15重量部
アルミナシリカ(シペルナートP820、デグサ社製) 5重量部
アラビアガム 12重量部
培焼デキストリン 6重量部
グリセリン 8重量部
水 24重量部
上記成分をラボミキサーで10分攪拌した後、3本ロールミルにて1回通しを行なった後、
フェノキシエタノール 0.6重量部
フッ化ナトリウム 0.002重量部
ソルビン酸カリウム 1重量部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.25重量部
安息香酸ナトリウム 1重量部
上記成分を追加し、ラボミキサーで5分攪拌した後、3本ロールミルにて2回通しを行ない、黄緑色の水彩絵の具を得た。
ハンザイエロー10G(C.I.Pigment Name YELLOW3)
2重量部
フタロシアニングリーン(C.I.Pigment Name Green7)
2重量部
重質炭酸カルシウム 28重量部
軽質炭酸カルシウム 14重量部
アルミナシリカ(シペルナートP820、デグサ社製) 5重量部
シリカ 1重量部
培焼デキストリン 19重量部
カルボキシメチルセルロース(セロゲン7A、第一工業製薬製) 1重量部
グリセリン 7重量部
水 21重量部
上記成分をホモミキサーで10分攪拌した後、3本ボールミルにて1回通しを行なった後、
フェノキシエタノール 0.6重量部
フッ化ナトリウム 0.002重量部
ソルビン酸カリウム 0.5重量部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.25重量部
サンアイバックソディウムオマジン(2−ピリジンチオール−1−オキサイド・ナトリウム塩40%含有、三愛石油(株)製) 0.4重量部
上記成分を追加し、ホモミキサーで5分攪拌した後、3本ロールミルにて2回通しを行ない、緑色の水彩絵の具を得た。
ジオキサジンバイオレット(C.I.Pigment Name Violet23)
2重量部
群青(C.I.Pigment Name Blue29) 2重量部
蛍光顔料(NKP−8377 日本蛍光(株)製) 8重量部
重質炭酸カルシウム 35重量部
シリカ 2重量部
アラビアガム 10重量部
培焼デキストリン 6重量部
グリセリン 8重量部
分散剤(デモールN 花王(株)製) 0.3重量部
水 26.7重量部
上記成分をボールミルで5時間分散した後、
フェノキシエタノール 0.6重量部
フッ化ナトリウム 0.001重量部
ソルビン酸カリウム 0.5重量部
安息香酸ナトリウム 0.5重量部
フェノール 0.6重量部
上記成分を追加し、ホモミキサーで5分攪拌した後、3本ロールミルにて2回通しを行ない、紫色のポスターカラーを得た。
パール顔料(パールグレースMRY−100、日本光研工業(株)製)
27重量部
アクリル酸エステル系エマルジョン(プライマルAC2235、有効成分46.5%、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製) 25重量部
アクリル酸エステル系エマルジョン(ビニゾール1020、有効成分29%、大同化成工業(株)製) 6重量部
ヒドロキシエチルセルロース(チローゼH4000P、クラリアントポリマー(株)製)
1重量部
水 31重量部
トリエタノールアミン 1.7重量部
プロピレングリコール 4重量部
シリカ 3.5重量部
消泡剤(ディスホームCA−104C、日本油脂(株)製) 0.3重量部
分散剤(SNデフォーマー247、サンノプコ(株)製) 0.5重量部
フェノキシエタノール 1重量部
フッ化ナトリウム 0.005重量部
ソルビン酸カリウム 0.3重量部
安息香酸ナトリウム 0.5重量部
サンアイバックAP(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン10%水溶液、三愛石油(株)製) 0.4重量部
上記成分を追加し、ラボミキサーで30分攪拌し、金色のアクリル絵の具を得た。
実施例1において、フッ化ナトリウム0.005重量部を除いた他は、実施例1と同様になしてポスターカラーを得た。
実施例1において、フェノキシエタノール1重量部を除いた他は、実施例1と同様になしてポスターカラーを得た。
実施例2において、フェノキシエタノール1重量部をパラオキシ安息香酸メチル0.5重量部、フッ化ナトリウム0.005重量部をパラオキシ安息香酸エチル0.7重量部に変えた他は、実施例2と同様になして水彩絵の具を得た。
実施例2において、フェノキシエタノール1重量部をパラオキシ安息香酸ブチル0.5重量部に変えた他は、実施例2と同様になして水彩絵の具を得た。
実施例3において、フッ化ナトリウム0.005重量部をパラオキシ安息香酸エチル0.7重量部に変えた他は、実施例3と同様になして水彩絵の具を得た。
実施例5において、フェノキシエタノール1重量部をモルホリン0.5重量部に変えた他は、実施例5と同様になして水彩絵の具を得た。
結果を表1に示す。
水性顔料組成物作成後48時間以内の水性顔料組成物を、日本工業規格(JIS Z 2911)に記載された「6.塗料の試験」の方法に従い黴抵抗性試験を行った。このとき試験片の代わりに、水性顔料組成物を試料として、培地中心を直径30mmにくりぬいたところに入れ試験した。試料に菌糸の発育が認められないものを「○」、試料に菌糸の発育が認められたものを「×」とした。
絵の具用ポリエチレンチューブに入れ、ポリプロピレンキャップをして、60℃恒温槽にて240時間経時した水性顔料組成物を、日本工業規格(JIS Z 2911)に記載された「6.塗料の試験」の方法に従い黴抵抗性の確認を行った。このとき試験片の代わりに、水性顔料組成物を試料として、培地中心を直径30mmにくりぬいたところに入れ試験した。試料に菌糸の発育が認められないものを「○」、試料に菌糸の発育が認められたものを「×」とした。
水性顔料組成物約2gをガラス板上に出し、約等量の水を加え画筆でよく混合し、図画用紙(坪量73.3〜210g/立方メートル、白色度75%以上のもの)に、波状に塗り延ばし、この塗布したものを37℃±5℃で1時間乾燥後、水性顔料組成物塗描跡に着色粒子があることが目視で確認できるか評価した。
Claims (1)
- 顔料と樹脂と湿潤剤と水とフェノキシエタノールとフッ化ナトリウムとを少なくとも含む水性顔料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004220349A JP5142451B2 (ja) | 2004-07-28 | 2004-07-28 | 水性顔料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004220349A JP5142451B2 (ja) | 2004-07-28 | 2004-07-28 | 水性顔料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006036966A JP2006036966A (ja) | 2006-02-09 |
JP5142451B2 true JP5142451B2 (ja) | 2013-02-13 |
Family
ID=35902307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004220349A Expired - Fee Related JP5142451B2 (ja) | 2004-07-28 | 2004-07-28 | 水性顔料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5142451B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007009040A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | 水性絵具 |
JP5449713B2 (ja) * | 2008-07-23 | 2014-03-19 | 株式会社サクラクレパス | 水性絵具組成物 |
BRPI1009825A2 (pt) * | 2009-03-26 | 2015-08-25 | Lonza Ag | Sais de ácido dehidroacético utilizados como estabilizadores de piritiona em plásticos |
JP5696390B2 (ja) * | 2010-07-28 | 2015-04-08 | ぺんてる株式会社 | 水性絵の具組成物 |
JP5705481B2 (ja) * | 2010-09-08 | 2015-04-22 | 株式会社サクラクレパス | 水性描画材組成物 |
JP5827557B2 (ja) * | 2010-12-20 | 2015-12-02 | 株式会社サクラクレパス | 水性絵具組成物 |
ITAN20110108A1 (it) * | 2011-08-05 | 2013-02-06 | Spring Color S R L | Materiale artistico o per edilizia |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3225422B2 (ja) * | 1993-05-27 | 2001-11-05 | ぺんてる株式会社 | 水性インキ |
JP3291938B2 (ja) * | 1994-09-29 | 2002-06-17 | ぺんてる株式会社 | 水性インキ |
JP3716549B2 (ja) * | 1997-04-30 | 2005-11-16 | ぺんてる株式会社 | ボールペン用水性インキ |
JP4538982B2 (ja) * | 2001-04-26 | 2010-09-08 | ぺんてる株式会社 | 水性顔料組成物 |
-
2004
- 2004-07-28 JP JP2004220349A patent/JP5142451B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006036966A (ja) | 2006-02-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5705481B2 (ja) | 水性描画材組成物 | |
JP2007009198A (ja) | 固形水彩絵の具 | |
WO2019026804A1 (ja) | 顔料水分散体 | |
JP5142451B2 (ja) | 水性顔料組成物 | |
JP5827582B2 (ja) | 水性描画材組成物 | |
JPS6291574A (ja) | 不透明インキ | |
JP4919726B2 (ja) | 水性絵具組成物 | |
WO2010024332A1 (ja) | 水性ネイルエナメル用分散体の製造法 | |
JP2018158991A (ja) | 水性絵の具組成物 | |
JP4538982B2 (ja) | 水性顔料組成物 | |
JP3941625B2 (ja) | 水性顔料組成物 | |
JP6523032B2 (ja) | 水性描画材組成物 | |
JP4860846B2 (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物及び当該組成物を用いた水性ボールペン | |
JP2005036173A (ja) | 水性インキ組成物 | |
JP3964743B2 (ja) | 水性インキ組成物 | |
JP2009074042A (ja) | 水性絵の具組成物 | |
JP2008255137A (ja) | 筆記板用マーキングインキ組成物 | |
JP5696390B2 (ja) | 水性絵の具組成物 | |
JP2024046519A (ja) | 水性絵具組成物 | |
JP5561917B2 (ja) | 油性修正液組成物 | |
JPH1067963A (ja) | 水性蛍光顔料組成物 | |
JP2016160289A (ja) | 中国画顔料として用いることができる画仙紙用絵具 | |
JP2017061677A (ja) | 水性絵の具組成物 | |
JPS5959754A (ja) | 修正液 | |
JPH08199093A (ja) | 水性顔料組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060628 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100202 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100518 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121120 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151130 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5142451 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |