JP4538160B2 - コンクリート舗装機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、オーバレイ施工に適するコンクリート舗装機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンクリート舗装の表面が傷んだ路面の修復を行なうオーバレイ施工にあっては、ショットブラスト等の手段によって傷んだ路面の表面を剥ぎとるハツリ作業を行なった後に型枠を設置し、型枠と型枠との間に生コンクリートを流し込み、その表面をコンクリート舗装機械によって規定の仕上面に仕上げるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
オーバレイ施工によって例えば、面積の広い空港エプロン等の修復を行なう時には、コンクリート舗装機械の舗装幅が7mの場合、コンクリート舗装機械による円滑な施工性を確保する観点から、始めに一番端から7mの幅で施工を行ない、7mあけて次の施工を行なう。以下、7mおきに施工を行なうようにし、その施工した生コンクリートが硬まった時点で、既設コンクリート舗装と既設コンクリート舗装の未修復区間を施工する手段を採っている。
【0004】
この場合、1つおきに施工された既設コンクリート舗装の舗装幅は型枠によって決定されるが、型枠と型枠の間を長い距離にわたって正確に設置管理することは技術的に難しいことと、締固め作業時の影響によって場合によっては型枠の一部領域が未修復側となる外側に倒れることで、外側に倒れた分、舗装幅が広がり、既設コンクリート舗装と既設コンクリート舗装の間の未修復区間の幅員が狭くなるケースが生じる。
【0005】
未修復の幅員が狭くなると、締固め装置の締固め振動体は規定された締固め幅に設定されているため、張り出し部と干渉し合い、先へ進むことが困難となる。
【0006】
一般には、締固め振動体の幅は、修復する幅員より十分なクリアランスを有する長さに設定することで対応が図られており、クリアランスの領域は人手によって締固めが行なわれている。
【0007】
しかしながら、空港エプロン等のようにコンクリート舗装によるオーバレイ施工にあっては、幅員全領域にわたって重要な要因となるため、中央部はもとより許す限り端部まで機械による締固めが求められる。
【0008】
その結果、十分なクリアランスを持たない締固め振動体となるため、前記したように幅員が狭くなった領域では、締固め作業が困難となる問題を招く。
【0009】
この場合、締固め層が小さい時は、既設コンクリート舗装面の上まで生コンクリートを一度に流し込むようにすれば、既設コンクリート舗装面と揃う同一面で締固め作業が行なえるため、幅員が狭くなっても干渉という問題は起きないが反面、締固め層が大きい時は下層まで確実な締固めが得られなくなる。
【0010】
これを解消するには、途中で一回締固めを行ない、さらに残りの部分を締固める作業手順をふむことで下層まで確実な締固めが得られるようになるが、前記したように幅員が狭くなった所では実施が困難となる。
【0011】
このために、今までは、その都度人手に頼る締固め作業を行なって来たが、人手に頼る締固め領域は機械による締固めと異なるようになり、全領域にわたって均一な締固め面が得られなくなる。また、作業性の面でも望ましくなかった。
【0012】
そこで、この発明は未修復の幅員が狭くなる領域であっても、機械による均一な仕上面が得られるようにしたコンクリート舗装機械を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明のコンクリート舗装機械によれば、少なくともフロントスクリードと締固め装置とフィニッシングスクリードとを備えたコンクリート舗装機械において、前記締固め装置を、車幅方向に長い締固め振動体と締固め振動体に締固め運動を与える起振体とで構成し、締固め振動体の作用面両サイドに作用面から垂直に立上がり、さらに外側へ向かって水平にカットされたカット部を設け、締固め振動体の幅は、設定された舗装幅より若干小さい幅に設定しつつ、締固め振動体の作用面の幅を、締固め振動体の幅より狭い形状としたことを特徴とする。
【0014】
これにより、フロントスクリードによって均一に均きられた後、締固め装置によって締固められ、フィニッシングスクリードによって規定された仕上面が得られるようになる。
【0015】
これら一連の舗装作業において、既設コンクリート舗装と既設コンクリート舗装の未修復区間の舗装を行なうには、締固め振動体のカット部の水平面が既設コンクリート舗装の上に出る位置まで生コンクリートを流し込み締固め作業を行なう。この時、未修復の幅員が狭くなっても、カット部によって支障なく締固め作業が行なえる。
【0016】
続いて、生コンクリートを既設コンクリート舗装の上にでるまで流し込み締固め作業を行なうことで幅員の幅に影響されることなく全領域にわたり機械による均一な締固め作業が行なえると共に、上層から下層領域まで確実な締固め状態が得られるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図4の図面を参照しながらこの発明の実施の形態について具体的に説明する。
【0018】
図1はコンクリート舗装機械1の概要側面図を示している。コンクリート舗装機械1は、前方からフロントスクリード3、締固め装置5、フィニッシングスクリード7とを備えている。フロントスクリード3と締固め装置5は機体9に固定支持され、運転部11及び駆動部13を除き上面はカバー15によって覆われている。
【0019】
機体9は側方から見て八字状に構成された走行脚17の走行輪19によって走行自在に支持されている。走行輪19は駆動部13からの回転動力が与えられると共に、未修復路面に敷設された左右のガイドレール21に沿って走行可能となっている。
【0020】
フロントスクリード3は、両サイドに設定された舗装幅より、所定のクリアランスを有する幅に設定されている。フロントスクリード3のシャフト23には、前記駆動部13からの回転動力が与えられると共に、ロータリ歯25がスパイラル状に設けられたロータリタイプとなっている。
【0021】
締固め装置5は、車幅方向に長い締固め振動体27と締固め振動体27に締固め運動を与える起振体29とで構成されている。
【0022】
締固め振動体27は、底面が作用面31となる断面矩形状に形成され、油圧装置33によって上下動が可能となっている。即ち、図1に示すように側方からみて八字状に形成された走行脚17に油圧装置33を装着し、油圧装置33のピストン33aをシリンダ33bに対して伸縮させることで、八字状に形成された走行脚17の開度を強くしたり、あるいは、弱くすることで、機体9の上下動と対応する締固め振動体25の上下動が得られるようになっている。
【0023】
締固め振動体27の幅Dは、設定された舗装幅より若干小さい幅に設定され、作用面31の前端部は、前進時に前方に投入された生コンクリートを作用面31へ向けて誘導案内するテーパ状の誘導案内面35となっている。
【0024】
締固め振動体27の作用面31の両サイドには、作用面31から垂直に立上がり外側へ向かって水平にカットされた垂直面37aと水平面37bとを有するカット部37が設けられ、作用面31の幅dは、締固め振動体27の幅Dより狭い形状となっている。
【0025】
起振体29は、締固め振動体27の上面に所定の間隔で配置され、図示していないが偏心体が回転することで締固め振動体27に上下の振動を与えるよう機能する。
【0026】
この場合、起振体29は振動タイプに特定されず、締固め振動体27に締固め運動を与える手段であれば、いずれのタイプのものであってもよい。
【0027】
一方、フィニッシングスクリード7は、最終の仕上面に仕上げるもので、昇降装置39により上下動可能な前後の走行支持輪41によって支持されたフレーム43に支持され、クランク機構部45によって左右方向への運動が可能となっている。
【0028】
このように構成されたコンクリート舗装機械1において、路面の修復作業を行なうには、ハツリ作業を行なった路面に左右のガイドレール21を敷設すると共に、その内側に型枠45を設置した後、コンクリート舗装機械1をガイドレール21に沿って走行可能にセットする。
【0029】
次に、型枠45内に投入された生コンクリートを、フロントスクリード3によるロータリ歯25の回転によって均一に均した後、締固め装置5によって締固める。
【0030】
続いて、フィニッシングスクリード7によって規定された最終の仕上面に仕上げるようにする。
【0031】
このようなオーバレイ施工の施工幅が1つおきとなるよう施工を行ない、図3に示すように硬化した時点で、硬化完了後の既設コンクリート舗装47と既設コンクリート舗装(反対側は図示していない)の間の未修復区間の施工を続いて行なう。
【0032】
この場合、左右のガイドレール21は、既設コンクリート舗装47の表面にマット等を介して敷設を行なう。この時、左右の既設コンクリート舗装47の縦壁47aが型枠となるから、既設コンクリート舗装47と既設コンクリート舗装の間に生コンクリート49を投入する。
【0033】
この時の生コンクリート49の投入量は、締固め振動体22のカット部37の水平面37bが既設コンクリート舗装上面から上方に位置するまで投入し、コンクリート舗装機械1によって未修復区間の施工を行なう。
【0034】
この施工時において例えば、図4に示すように張り出し部Pを施工する幅員が狭くなっても、カット部37によって水平部37bは、既設コンクリート舗装47の上面に臨むため何等支障なく締固め作業が続けられる。この結果、作業が迅速に完了するようになる。
【0035】
締固め完了後、再び生コンクリートを既設コンクリート舗装面まで投入し、フロントスクリード3、締固め装置5、フィニッシングスクリード7の順に作用させることで、上層から下層まで確実に締固められた最終の仕上面が得られるようになる。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したようにこの発明にかかるコンクリート舗装機械によれば、締固め振動体の作用面両サイドに設けられたカット部によって、型枠の倒れにより局所的に施工幅が狭くなる領域が発生しても、締固め振動体による締固め作業が何等支障なく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるコンクリート舗装機械の概要側面図。
【図2】締固め装置の中間部分を省略した概要背面図。
【図3】通常の締固め作業時の動作説明図。
【図4】張り出し部によって幅員が狭くなった締固め作業時の動作説明図。
【図5】コンクリート舗装機械の概要平面図。
【符号の説明】
1 コンクリート舗装機械
3 フロントスクリード
5 締固め装置
7 フィニッシングスクリード
27 締固め振動体
29 起振体
31 作用面
37 カット部
D 締固め振動体の幅
d 作用面の幅
Claims (1)
- 少なくともフロントスクリードと締固め装置とフィニッシングスクリードとを備えたコンクリート舗装機械において、前記締固め装置を、車幅方向に長い締固め振動体と締固め振動体に締固め運動を与える起振体とで構成し、締固め振動体の作用面両サイドに作用面から垂直に立上がり、さらに外側へ向かって水平にカットされたカット部を設け、締固め振動体の幅は、設定された舗装幅より若干小さい幅に設定しつつ、締固め振動体の作用面の幅を、締固め振動体の幅より狭い形状としたことを特徴とするコンクリート舗装機械。
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JP2001050447A JP4538160B2 (ja) | 2001-02-26 | 2001-02-26 | コンクリート舗装機械 |
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JP2001050447A JP4538160B2 (ja) | 2001-02-26 | 2001-02-26 | コンクリート舗装機械 |
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Family
ID=18911398
Family Applications (1)
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JP2001050447A Expired - Lifetime JP4538160B2 (ja) | 2001-02-26 | 2001-02-26 | コンクリート舗装機械 |
Country Status (1)
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