JP4537305B2 - 結晶製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶製造方法に関し、より詳細には、垂直ブリッジマン法、垂直温度勾配凝固法等の製造方法において、結晶成長速度を所望の速度に制御することにより、経済的に効率よく結晶を製造するための結晶製造方法に関する。
従来、酸化物結晶材料の作製方法として、成長容器内の液化された原料を種結晶から徐々に固化させる水平ブリッジマン法または水平温度勾配凝固法、成長容器を垂直に設置して温度勾配を与え、 低温度側に移動させて結晶を固化する垂直ブリッジマン法(例えば、特許文献1参照)、成長容器を垂直に固定して温度勾配を変化させて結晶を固化する垂直温度勾配凝固法などが知られている。
図1を参照して、従来の垂直ブリッジマン法による結晶の作製方法について説明する。るつぼ1内に種子結晶4と原料を充填し、結晶製造炉に設置する。加熱ヒータ6により、原料を加熱液化させて液体原料2とする。結晶製造炉は、るつぼ1の下方が結晶化温度より低い低温領域であり、るつぼ1の上方が結晶化温度より高い高温領域である温度分布5を有する。加熱ヒータ6の出力を一定のままで、るつぼ1を一定速度で低温領域へ、すなわち下部へ移動させることにより、液体原料2を冷却する。るつぼ1の移動により、結晶化温度に達した結晶3は、種子結晶4を核として結晶成長する。
このとき、成長結晶3は、種子結晶4を核として順次成長するから、種子結晶4の結晶方位を継承し、種子結晶4の結晶方位と同じ結晶方位を有する成長結晶3として成長させることができる。なお、種子結晶4がない場合には、るつぼ1の底部から自然発生した成長核を核として順次結晶が成長する。るつぼ1の移動速度は、経験的知見に基づいて調整されている。
米国特許第5,342,475号明細書 A. Reisman et al., "Phase Diagram of the System KNbO3-KTaO3 by the Methods of Differential Thermal and Resistance Analysis", J. American Ceramic Society, Vol.77, (1955) J. R. Carruthers et al., "Nonstoichiometry and Crystal Growth of Lithium Niobate", J. Appl. Phys., Vol.42, No.5, pp1846-1851 (1971)
液体原料を用いる垂直ブリッジマン法は、液体原料内で結晶が成長することから、結晶成長中の固液界面の位置など、結晶成長状態を観察することができない。従って、結晶成長中の成長速度を把握することができず、成長した結晶の結晶品質から推定している。推定した成長速度に基づいて、成長条件を修正し、再度結晶を成長させて検証するという工程を繰り返す。そして、多くの経験的知見を集積し、るつぼの移動速度などの結晶成長条件の最適値を求めているが一般的である。
しかし、上述した成長速度は、あくまでも推定値であり、この方法を繰り返す限り正確な成長速度を確定することができないという問題があった。求めた成長速度は、あくまでも推定値であるから、例えば、結晶成長中に所望の時間毎に成長速度を調整したり、結晶成長中は所与の速度で一定にするといったよりきめ細かい成長速度の制御を行うことができない。
また、多くの経験的知見を集積した製造装置とは別の製造装置を使用する場合、求めた結晶成長条件を適用することができないので、別の製造装置で再度、多くの経験的知見を集積しなければならないという問題もあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、結晶成長中の結晶成長速度を所望の速度に制御することにより、結晶特性の均一な結晶を製造するための結晶製造方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、炉内に保持されたるつぼ内に種子結晶を配置し、前記るつぼ内に充填された原料を加熱液化し、前記るつぼの下方より上方に向かって、液体原料を徐冷することにより結晶成長させる結晶製造方法において、結晶成長中に任意の時間が経過した後に所望の固液界面位置となるように、前記任意の時間が経過した結晶成長後における成長した結晶のモル数(m )を、前記るつぼの形状から算出する第1ステップと、結晶成長前の前記液体原料の組成(x )とモル数(m )と前記成長した結晶のモル数(m )とから、前記任意の時間が経過した結晶成長後における前記液体原料の組成(x )を算出する第2ステップと、前記液体原料の相図の液相線に基づいて、前記液体原料の組成(x )から、前記任意の時間が経過したときの結晶化温度(T )を算出する第ステップと、前記所望の固液界面位置での温度が前記結晶化温度(T )となるように、前記るつぼの上下方向の位置を制御し、または前記炉内のヒータを制御する第ステップとを備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記任意の時間が経過した結晶成長後の固液界面位置と結晶成長前の固液界面位置の差を前記任意の時間で除算した成長速度を1mm/hr以下に設定することを特徴とする。
前記結晶は酸化物結晶であって、酸素を除く主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウム、リチウムの少なくとも1つを含み、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含む。前記結晶は酸化物結晶であって、酸素を除く主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウム、リチウムの少なくとも1つを含み、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含み、添加不純物として周期率表Ia、IIa族の1または複数種を含むこともできる。
請求項1または2に記載の結晶製造方法において、溶媒KOから、KTaO、KNbOまたはK(Ta,Nb)Oのいずれかからなる前記結晶を製造することができ、また、溶媒LiOから、LiTaO、LiNbOまたはLi(Ta,Nb)Oのいずれかからなる前記結晶を製造することができる。
以上説明したように、本発明によれば、液体原料の構成元素で構成された相図の液相線と炉内の温度分布とに基づいて、成長中の結晶成長量と成長速度とを予め算出し、算出された成長速度となるように、るつぼの冷却速度を制御するので、結晶育成中に任意の成長速度を任意の時点で設定することができ、結晶特性の均一な結晶を製造することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、液体原料の元素で構成された相図の液相線と製造装置内温度分布とを用いて、成長中の結晶成長量とその時の成長速度を予め算出する。算出された成長速度となるように、結晶製造装置の冷却速度を制御することにより、結晶品質の均一性が高い結晶を、より簡便に成長させることができる。
ここでは、一例として、図1に示した垂直ブリッジマン法により、KCOとTaとを原料として、溶媒KOからKTaO結晶を結晶成長させる場合について説明する。垂直ブリッジマン法においては、結晶成長が進行し、成長結晶量が増加すると、それに対応して液体原料の組成は、相図の液相線に従って変化する。KTaO結晶の結晶成長状態は、KOとTaの二元系相図を用いて、定性的に理解することができる(例えば、非特許文献1参照)。
図2に、非特許文献1から抜粋したKO−Ta相図を示す。KOモル比40%から80%の領域を示している。温度1500℃、液体原料の組成KOモル比52%の点Aから結晶を成長させ、液体原料を充填したるつぼを冷却していく。最初、結晶は成長せず、液体原料は点Aから点B(温度T1、KOモル比x1)に到達する。点Bは液相線上であるから、さらなる冷却を加えることにより、液体原料は過飽和状態になり、KTaO結晶の成長が始まる。
さらに液体原料を冷却していくと、結晶成長が進行し、液体原料の組成は、液相線に沿って点Bから、点C(温度T2、KOモル比x2)へと移動、すなわちKOモル比の高い方向に移動していく。液体原料の冷却を継続していくと、最終的には、KOモル比x3の共晶点に到達するまで、KTaO結晶の成長が継続する。
液相線の傾きは、液体原料の組成KOモル比に非線形に依存しているから、一定温度の冷却に対して、成長する結晶量と液体原料組成の変化量とは、KOモル比によって異なる。具体例として、液体原料が一定速度の冷却速度で冷却された場合を図3(a)に示す。この場合、単位時間あたりの冷却温度量は一定であるが、結晶成長の進行に伴ってKOモル比が増加し液相線の傾きが急になる。従って、単位時間あたりの結晶成長量と液体原料組成の変化量は減少する。
単位時間あたりの結晶成長量は成長速度によって決まるから、この場合は、結晶成長の進行につれて成長速度が遅くなる。ここで、成長速度を一定にするためには、図3(b)に示したように、液体原料の冷却速度をその時の液体原料組成に応じて、増加させる必要がある。
液体原料を用いた垂直ブリッジマン法においては、図1に示したように、るつぼ1の下方が結晶化温度より低い低温領域であり、るつぼ1の上方が結晶化温度より高い高温領域である温度分布5を有するから、液体原料2も種子結晶4付近が低温で、液体原料の表面に近づくにつれて高温になる。従って、結晶成長は、成長結晶3と液体原料2の境界、すなわち固液界面位置で進行する。この場合、結晶成長中の任意の時間における固液界面位置とその位置の温度が求められれば、結晶成長中の任意の時間における結晶の成長速度と冷却速度(るつぼの下降速度またはヒータ温度下降速度)を知ることができる。
そこで、相図に基づいて、結晶成長中の任意の時間における固液界面位置と液体原料組成と結晶化温度とを定量的に導出する計算式を示す。この計算式を用いれば、成長速度と結晶化温度との関係を定量的に導出できる。
溶媒KOからKTaO結晶を結晶成長させる場合について、液体原料の組成をKOモル比xで表し、モル数mmolとする。ここから、モル数mmolのKTaO結晶が成長し、液体原料の組成がKOモル比x、モル数mmolに変化したとする。結晶成長の前後でKならびにTaの元素量は変化しないから、質量保存則により次式が得られる。
Kの元素量 :x=0.5m+x (1)
Taの元素量:(1−x)m=0.5m+(1−x)m (2)
ここで、左辺は結晶成長前の元素量であり、右辺第一項は結晶の元素量であり、右辺第二項は、結晶成長後の元素量である。(1)、(2)式より、変数mを消去して次式が得られる。
=(x−0.5m)/(m−m) (3)
(3)式によって、結晶成長前の液体原料の組成(x)とモル数(m)および成長した結晶のモル数(m)によって結晶成長後の液体原料組成(x)が求められる。
結晶成長は、相図の液相線に沿って行われるから、液体原料の組成、KOモル比xの時の結晶化温度Tは、図2に示したB−C液相線を近似した下記の関数で決定することができる。
=h+ix+jx +kx (4)
但し、h=9370、i=−4.546×10、j=8.661×10、k=−5.538×10である。ここでは、相図から(4)式の定数を求めたが、実際に測定したB−C液相線に基づいて定数を決定してもよい。(3),(4)式を用いれば、結晶成長前の液体原料の組成とモル数、および成長した結晶のモル数によって、結晶化温度を求めることができる。
垂直ブリッジマン法の場合、成長結晶の形状はるつぼ形状で規定されるから、結晶成長中の任意の時間での固液界面位置から、成長結晶の体積、すなわち成長結晶のモル数が分かる。結晶成長前の液体原料の組成とモル数は、結晶成長を開始する際に決定する成長条件であるから、定数である。従って、結晶成長中の任意の時間における固液界面位置を設定すれば、成長結晶のモル数を決定でき、結晶成長後の液体原料組成の結晶化温度を決定することができる。このことは、結晶成長中の任意の時間における、所望の固液界面位置を指定し、液体原料組成と結晶化温度を求められることを意味する。言い換えれば、結晶成長中の任意時間における結晶成長量と成長速度とを指定し、冷却速度を求められることになる。
固液界面位置と結晶化温度とを決定した後、結晶製造炉内の結晶成長に反映させるためには、予め測定した炉内の温度分布を参考に、決定したるつぼ内位置で決定した温度を実現できるように、るつぼの位置またはヒータの温度を調整すればよい。言い換えれば、結晶成長時に決定した固液界面位置、結晶化温度、および予め測定した炉内温度分布を参考に、るつぼの移動速度またはヒータの温度を調整すればよい。
ここでは、液体原料を用いた垂直ブリッジマン法について説明したが、垂直温度勾配凝固法、水平ブリッジマン法または水平温度勾配凝固法に適用できることは言うまでもない。以下、表1に示した溶媒から結晶を成長させる場合にも、適用できることも言うまでもない。
Figure 0004537305
また、KTaOのように、酸素以外の二成分元素が同比率でなくても、結晶成長前後の質量保存は成り立つから、目的とする材料系の比率に応じて、(1),(2)式を変更することにより、他の材料系にも拡張することができる。以下に本発明の実施例を具体的に説明する。なお、本実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更あるいは改良を行いうることは言うまでもない。
さらに、結晶の主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含み、添加不純物として周期率表Ia、IIa族の1または複数種を含むこともできる。
垂直ブリッジマン法により、溶媒KOからKTaO結晶を結晶成長させる場合について説明する。素原料のKCOとTaを、K:Ta=60:40の割合で520g(2.0mol)秤量し、るつぼ1に充填する。るつぼ1は、Pt製、直径50mm、長さ100mm、先端拡がり角90度であり、1.4gの種子結晶4が充填されている。
るつぼ1を、図1に示した結晶製造炉に固定し、加熱ヒータ6により、結晶製造炉内を昇温し、原料を加熱液化させて、KOモル比60%の液体原料2とする。結晶化温度は、相図から1310℃である。種子結晶と4と液体原料2との界面(以下、種子付け位置という)の温度が1310℃となるように、予め測定しておいた結晶製造炉内の温度分布5を用いて、るつぼ1の位置を調整し、結晶成長を開始する。
種子付け位置から結晶を長さ1mm成長させた場合、るつぼ1の形状から、体積2.9×10−2cm、すなわち0.20molのKTaO結晶が成長する。液体原料の組成0.6、モル数2.0mol、および成長結晶3のモル数0.20molを、(3)式に代入して、KTaO結晶が成長した後の原料組成、KOモル比61%を導出する。KOモル比61%の液体原料の結晶化温度は、(4)式から1297℃である。
結晶の成長速度を1mm/hrに設定する。種子付け位置から結晶を長さ1mm成長させた場合、結晶化温度が1310℃から1297℃に下がる。予め測定しておいた結晶製造炉内の温度分布5を用いて、1時間後に種子付け位置から1mm高い位置での製造装置内温度が1297℃となるように、るつぼ1の下降速度を設定する。以後、同様にして、結晶が成長した後の結晶化温度が、共晶点1090℃以下になるまで、成長結晶の長さが1mm増すごとに計算を繰り返し、るつぼ1の下降速度を調整する。
結晶化温度が1090℃以下になった時点で、結晶成長を終了し、加熱ヒータ6の発熱量を調整することにより室温まで徐冷する。るつぼ1から取り出した結晶には、介在物の取り込み、欠陥が見られず透明な結晶が得られる。成長速度が速い場合に観測される溶媒の取り込みも認められない。また、X線背面ラウエ法により成長結晶の結晶方位を測定すると、成長結晶全体で種子結晶と同じ方位を有しており、成長結晶が単結晶であることが確認される。
このように、結晶成長中の結晶成長速度を所望の速度に制御する方法を、表1に記載したKNbO、K(Ta,Nb)O材料系に適用しても、欠陥の無い高品質結晶を得ることができる。また、不純物を添加した場合、不純物添加による凝固点硬下を考慮した相図を用いることにより、結晶特性の均一な結晶を製造することができる。
垂直ブリッジマン法により、溶媒LiOからLiNbO結晶を結晶成長させる場合について説明する。素原料のLiCOとNbを、Li:Nb=52:48の割合で332g(2.0mol)秤量し、るつぼ1に充填する。るつぼ1は、Pt製、直径50mm、長さ100mm、先端拡がり角90度であり、種子結晶4は充填されていない。
るつぼ1を、図1に示した結晶製造炉に固定し、加熱ヒータ6により、結晶製造炉内を昇温し、原料を加熱液化させて、LiOモル比52%の液体原料2とする。結晶化温度は、相図から1232.6℃である(非特許文献2参照)。種子結晶と4と液体原料2との界面(以下、種子付け位置という)の温度が1233℃となるように、予め測定しておいた結晶製造炉内の温度分布5を用いて、るつぼ1の位置を調整し、結晶成長を開始する。LiNbOの場合、相図から求めた(4)式の定数は、h=−4382、i=2.984×10、j=−5.135×10、k=2.831×10である。
種子付け位置から結晶を長さ1mm成長させた場合、るつぼ1の形状から、体積1.0×10−3cm、すなわち0.033molのLiNbO結晶が成長する。液体原料の組成0.52、モル数2.0mol、および成長結晶3のモル数0.033molを、(3)式に代入して、KTaO結晶が成長した後の原料組成、LiOモル比52.03%を導出する。LiOモル比52.03%の液体原料の結晶化温度は、(4)式から1232.4℃である。
結晶の成長速度を1mm/hrに設定する。種子付け位置から結晶を長さ1mm成長させた場合、結晶化温度が1232.6℃から1232.4℃に下がる。予め測定しておいた結晶製造炉内の温度分布5を用いて、1時間後に種子付け位置から1mm高い位置での製造装置内温度が1232.4℃となるように、るつぼ1の下降速度を設定する。以後、同様にして、結晶が成長した後の結晶化温度が、共晶点1150℃以下になるまで、成長結晶の長さが1mm増すごとに計算を繰り返し、るつぼ1の下降速度を調整する。
結晶化温度が1150℃以下になった時点で、結晶成長を終了し、加熱ヒータ6の発熱量を調整することにより室温まで徐冷する。るつぼ1から取り出した結晶には、介在物の取り込み、欠陥が見られず透明な結晶が得られる。成長速度が速い場合に観測される溶媒の取り込みも認められない。また、X線背面ラウエ法により成長結晶の結晶方位を測定すると、成長結晶全体で種子結晶と同じ方位を有しており、成長結晶が単結晶であることが確認される。
本実施形態では、1mm間隔の結晶成長に応じて、るつぼ1の下降速度を調整する例を示したが、その間隔を任意に設定できることは言うまでもない。また、本実施形態の結晶製造方法をプログラム化し、結晶製造装置の制御プログラムとして使用できることは説明を要しない。更に加えて、結晶径に応じて成長速度を増減調整することも可能である。
従来の垂直ブリッジマン法による結晶の作製方法を説明するための図である。 O−Ta相図である。 液体原料の冷却速度と結晶成長速度との関係を示す図である。
符号の説明
1 るつぼ
2 液体原料
3 成長結晶
4 種子結晶
5 温度分布
6 発熱体

Claims (6)

  1. 炉内に保持されたるつぼ内に種子結晶を配置し、前記るつぼ内に充填された原料を加熱液化し、前記るつぼの下方より上方に向かって、液体原料を徐冷することにより結晶成長させる結晶製造方法において、
    結晶成長中に任意の時間が経過した後に所望の固液界面位置となるように、前記任意の時間が経過した結晶成長後における成長した結晶のモル数を、前記るつぼの形状から算出する第1ステップと、
    結晶成長前の前記液体原料の組成とモル数と前記成長した結晶のモル数とから、前記任意の時間が経過した結晶成長後における前記液体原料の組成を算出する第2ステップと、
    前記液体原料の相図の液相線に基づいて、前記液体原料の組成から、前記任意の時間が経過したときの結晶化温度を算出する第ステップと、
    前記所望の固液界面位置での温度が前記結晶化温度となるように、前記るつぼの上下方向の位置を制御し、または前記炉内のヒータを制御する第ステップと
    を備えたことを特徴とする結晶製造方法。
  2. 前記任意の時間が経過した結晶成長後の固液界面位置と結晶成長前の固液界面位置の差を前記任意の時間で除算した成長速度を1mm/hr以下に設定することを特徴とする請求項に記載の結晶製造方法。
  3. 前記結晶は酸化物結晶であって、酸素を除く主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウム、リチウムの少なくとも1つを含み、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の結晶製造方法。
  4. 前記結晶は酸化物結晶であって、酸素を除く主成分は、周期率表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウム、リチウムの少なくとも1つを含み、Va族はニオブ、タンタルの少なくとも1つを含み、添加不純物として周期率表Ia、IIa族の1または複数種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の結晶製造方法。
  5. 溶媒KOから、KTaO、KNbOまたはK(Ta,Nb)Oのいずれかからなる前記結晶を製造するとき、結晶成長前の前記液体原料の組成をx、モル数をm、および前記成長した結晶のモル数をmとしたとき、前記任意の時間が経過した結晶成長後の前記液体原料の組成x を、
    =(x−0.5m)/(m−m
    により求め、前記相図の液相線を、定数h、i、j、kを用いて近似して、前記結晶化温度Tを、
    =h+ix+jx +kx
    により算出することを特徴とする請求項1または2に記載の結晶製造方法。
  6. 溶媒LiOから、LiTaO、LiNbOまたはLi(Ta,Nb)Oのいずれかからなる前記結晶を製造するとき、結晶成長前の前記液体原料の組成をx、モル数をm、および前記成長した結晶のモル数をmとしたとき、前記任意の時間が経過した結晶成長後の前記液体原料の組成x を、
    =(x−0.5m)/(m−m
    により求め、前記相図の液相線を、定数h、i、j、kを用いて近似して、前記結晶化温度Tを、
    =h+ix+jx +kx
    により算出することを特徴とする請求項1または2に記載の結晶製造方法。
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