JP4536309B2 - 樹脂フィルムの乾式エッチング方法及びその装置 - Google Patents

樹脂フィルムの乾式エッチング方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4536309B2
JP4536309B2 JP2001538157A JP2001538157A JP4536309B2 JP 4536309 B2 JP4536309 B2 JP 4536309B2 JP 2001538157 A JP2001538157 A JP 2001538157A JP 2001538157 A JP2001538157 A JP 2001538157A JP 4536309 B2 JP4536309 B2 JP 4536309B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
resin film
gas
mask
heating table
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001538157A
Other languages
English (en)
Inventor
亮明 濱中
賀正 中野
達也 竹内
信介 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Engineering Co Ltd
Shinko Seiki Co Ltd
Original Assignee
Toray Engineering Co Ltd
Shinko Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Engineering Co Ltd, Shinko Seiki Co Ltd filed Critical Toray Engineering Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP4536309B2 publication Critical patent/JP4536309B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/0011Working of insulating substrates or insulating layers
    • H05K3/0017Etching of the substrate by chemical or physical means
    • H05K3/0041Etching of the substrate by chemical or physical means by plasma etching
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/14Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by plasma treatment
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/31Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to form insulating layers thereon, e.g. for masking or by using photolithographic techniques; After treatment of these layers; Selection of materials for these layers
    • H01L21/3105After-treatment
    • H01L21/311Etching the insulating layers by chemical or physical means
    • H01L21/31127Etching organic layers
    • H01L21/31133Etching organic layers by chemical means
    • H01L21/31138Etching organic layers by chemical means by dry-etching
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K2203/00Indexing scheme relating to apparatus or processes for manufacturing printed circuits covered by H05K3/00
    • H05K2203/08Treatments involving gases
    • H05K2203/085Using vacuum or low pressure
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K2203/00Indexing scheme relating to apparatus or processes for manufacturing printed circuits covered by H05K3/00
    • H05K2203/11Treatments characterised by their effect, e.g. heating, cooling, roughening
    • H05K2203/1105Heating or thermal processing not related to soldering, firing, curing or laminating, e.g. for shaping the substrate or during finish plating
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K2203/00Indexing scheme relating to apparatus or processes for manufacturing printed circuits covered by H05K3/00
    • H05K2203/15Position of the PCB during processing
    • H05K2203/1545Continuous processing, i.e. involving rolls moving a band-like or solid carrier along a continuous production path

Description

技術分野
本発明は、樹脂フィルムの乾式エッチング方法及び装置に関し、更に詳しくは、FPC(Flexible Printed Circuit)基板などに用いられる樹脂フィルムの表面をガスエッチングする方法及び装置に関する。
背景技術
周知のように、情報通信機器の小型軽量化に伴いICチップ基板の薄肉多層化が進み、その薄肉多層化のため、特にFPC用基板材料には樹脂フィルムが使用されるようになっている。このように基板材料に使用される樹脂フィルムのうちでも、特にポリイミドフィルムは、化学的特性(耐薬品性)、熱的特性(熱可塑性、耐熱性)、電気的特性(誘電率、絶縁抵抗率)、物理的特性(吸水率、寸法安定性、熱膨張係数)及び機械的特性(引張強度、耐折強度)が優れているため広く使用されいる。昨今では、耐吸水性や耐膨潤性に優れた液晶性ポリエステルやポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂フィルムも使用されるようになっている。
かかるFPC基板用の樹脂フィルムは、樹脂フィルム単体のままで使用される場合と、樹脂フィルムに金属箔をラミネートした積層材にして使用される場合とがある。いずれの場合も、その樹脂フィルムにビィアホール(貫通孔)又はブラインドホール(非貫通孔)が穿孔加工されている。従来、このような樹脂フィルムに対する穿孔方法には、機械的、物理的又は化学的な多数の穿孔方法が提案されている。しかし、いずれの方法も、ビィアホールしか穿孔できなかったり、ビィアホールとブラインドホールの両方を穿孔できたとしても、迅速かつ高精度に穿孔することができなかったり、特定の種類の樹脂フィルムにしか穿孔できなかったりする制約があったため、汎用性に欠ける欠点があった。
また、ガスエッチングによる穿孔方法の場合には、穿孔作業の停止制御が難しく、その不適切な停止制御のために穿孔精度が低下する問題があった。また、プラズマエッチングの場合は、穿孔に供給される反応性活性ガス種(ラジカル)が装置自体の触媒作用によって再結合するため、穿孔速度が低下するという欠点があった。
発明の開示
本発明の第1の目的は、穿設する孔が貫通孔であるか否かや樹脂フィルムの種類の如何を問わず、迅速かつ高精度に穿孔することができる汎用性の高い樹脂フィルムの乾式エッチング方法及び装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、穿孔の停止制御を容易、かつ正確に行える樹脂フィルムの乾式エッチング方法及び装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、エッチングガスの反応性活性ガス種の再結合による穿孔速度の低下を防止する樹脂フィルムの乾式エッチング装置を提供することにある。
本発明は、上記第1の目的を達成するため、次の3通りの樹脂フィルムの乾式エッチング方法を提供する。
第1の方法は、樹脂フィルム単体材及び樹脂フィルムに金属箔を積層した積層材のいずれかを被処理材とし、該被処理材を挟むように片側の表面に加熱テーブルを密接すると共に、反対側の表面にエッチング用開口パターンを形成したマスクを密接させ、該密接状態を保ちながら前記被処理材を真空雰囲気下で前記マスク側からガスエッチングすることを特徴とするものである。
第2の方法は、樹脂フィルム単体材を被処理材として、該被処理材に該被処理材とは異種のガスを発生する異種樹脂フィルムを重ね合わせた状態にし、該異種樹脂フィルム側の表面に加熱テーブルを密接させると共に、前記被処理材側の表面にエッチング用開口パターンを形成したマスクを密接させ、該密接状態を保ちながら前記被処理剤材を真空雰囲気下で前記マスク側からガスエッチングすることを特徴とするものである。
第3の方法は、樹脂フィルムの片面にエッチング用開口パターンを形成した金属箔を積層した積層材を被処理材とし、該被処理材の前記樹脂フィルム側の表面に加熱テーブルを密接させ、該密接状態を保ちながら前記被処理材の前記金属箔側を真空雰囲気下でガスエッチングすることを特徴とするものである。
また、本発明は、第1の目的達成すのため、次の3通りの樹脂フィルムの乾燥エッチング装置を提供する。
第1の装置は、内部を真空可能にする処理室と、該処理室の内部に設置されたエッチングガス供給部と、該エッチングガス供給部のガス流出口を覆うように装着されたエッチング用開口パターンを形成したマスクと、前記処理室の内部に可動自在に設置された加熱テーブルとからなり、該加熱テーブルが樹脂フィルムを主材とする被処理材の片面に密接すると共に、前記マスクが前記被処理材の反対側に密接するようにした、樹脂フィルムの乾式エッチング装置を特徴とするものである。
第2の装置は、内部を真空可能にする処理室と、該処理室の内部に設置されたエッチングガス供給部と、前記エッチングガス供給部のガス流出口を覆うように装着されたエッチング用開口パターンを形成したマスクと、前記処理室の内部に可動自在に設置された加熱テーブルとからなり、被処理材の樹脂フィルム単体材と該樹脂フィルム単体材とは異種のガスを発生する異種樹脂フィルムとを重ね合わせた両材料に対し、前記加熱テーブルが前記異種樹脂フィルムに密着すると共に、前記マスクが前記被処理材に密接するようにした、樹脂フィルムの乾式エッチング装置を特徴とするものである。
第3の装置は、内部を真空可能にする処理室と、該処理室の内部に設置されたエッチングガス供給部と、前記処理室の内部に可動自在に設置された加熱テーブルとからなり、樹脂フィルムの片面にエッチング用開口パターンが形成された金属箔を積層した積層材を被処理材として、該被処理材の前記樹脂フィルム側に前記加熱テーブルが密接するようにし、前記金属箔側を前記エッチングガス供給部のガス流出口に臨ませるようにした、樹脂フィルムの乾式エッチング装置を特徴とするものである。
上記した第1〜3の方法及び装置は、いずれも被処理材の樹脂フィルムを真空雰囲気下でガスエッチングする。第1及び第2の方法及び装置では、被処理材の片側に加熱テーブルを密接させた状態にすることで、反対側のマスクを被処理材の樹脂フィルムに密接させ、そのマスク側をエッチングする。第3の方法及び装置は、被処理材としてエッチング用開口パターンをもつ金属箔を積層した積層材を使用し、この積層材の樹脂フィルム側に加熱テーブルを密接させた状態にすることで、反対の金属箔で覆われた側を緊張させてガスエッチングする。
したがって、いずれの方法も、被処理材の樹脂フィルムに加熱と緊張を与えた状態で、マスク又は金属箔に設けた開口パターンを介してガスエッチングするため、高精度にかつ迅速に穿孔することができる。また、貫通孔であるか否かや樹脂フィルムの種類の如何にかかわらず、高精度かつ迅速な穿孔をすることができる。
第2の目的については、第1の方法及び装置では、マスクのエッチング用開口から、また第3の方法及び装置では、金属箔のエッチング用開口から、それぞれ放出される反応生成ガスの発生量を検知し、その検出量が激減したときにガスエッチングを停止している。すなわち、被処理材の穿孔が完了すると反応生成ガスの発生量は激減するので、この激減の時期を検知すれば、エッチング操作を適切な時点で停止することができる。第2の方法及び装置では、マスクのエッチング用開口から放出される反応生成ガスの組成を検知し、その組成の種類が激変したときガスエッチングを停止する。被処理用樹脂フィルムの穿孔完了時と異種樹脂フィルムの穿孔開始時とで反応生成ガスの組成が激変するので、この激変の時期を検知すればガスエッチング操作を適切に停止することができる。
第3の目的については、第1及び第2の装置では、マスク等の装置構成材をプラズマ発生室から流出されるエッチングガスの反応性活性ガス種に対して非触媒性の材料で構成しているので、反応性活性ガス種の再結合による穿孔速度の低下を防止することができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明において、ガスエッチングを行う被処理材である樹脂フィルムの態様としては、樹脂フィルム単体材であってもよく、或いは樹脂フィルムに金属箔を積層した積層材であってもよい。本発明の第3の発明に供する被処理材は、上記のうちの積層材であるが、その金属箔にエッチング用の開口パターンを設けた積層材を使用する。積層材に積層される金属箔の材料は特に限定されるものではなく、一般には銅が使用される。樹脂フィルムは特に限定されるものではなく、いずれも対象にすることができる。例えば、FPC基板用の樹脂フィルムには、ポリイミドフィルムの場合が多い。そのほか液晶ポリエステルフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム等も対象にすることができる。
本発明の第1の方法及び第2の方法では、被処理材の片側に加熱テーブルを密接させ、反対側の樹脂フィルムに、エッチング用開口パターンをもつマスクを密接させ、そのマスク側をガスエッチングする。被処理材の片側に加熱テーブルを密接させるのは、反対側のマスクを樹脂フィルムに良好な密接状態に維持するようにすることと、樹脂フィルムを加熱するためである。マスクを樹脂フィルムに良好な密接状態に維持することで、マスクの開口パターンにエッチングガスを均一に分散させ、穿孔精度を向上することができる。また、樹脂フィルムを加熱することでエッチング速度を高め、迅速な穿孔を可能にする。
本発明の第3の方法では、積層材の樹脂フィルム側に加熱テーブルを密接させ、エッチング用開口パターンを設けた金属箔側をガスエッチングする。このように積層材の樹脂フィルム側に加熱テーブルを密接させるのは、加熱テーブルにより樹脂フィルムを加熱するためである。この加熱によりエッチング速度を高め、迅速な穿孔を可能にする。また、金属箔にエッチング用開口パターンが形成されているので、マスクを使用せずに精度の高いエッチングをすることができる。すなわち、金属箔にエッチング用開口パターンを形成した積層材を被処理材とすることにより、その金属箔がマスクと同等の機能を有しているので、マスクの使用が省略できるのである。
加熱テーブルの加熱温度としては、樹脂フィルムの種類にもよるが、150℃〜350℃の範囲が好ましい。このような加熱温度により、樹脂フィルムを溶融若しくは変形させることなく高速エッチングすることができる。
ガスエッチングの停止制御については、被処理用樹脂フィルムがガスエッチング操作中に発生する反応生成ガスの量を検知すれば、その発生量の変化を利用することにより正確に行うことができる。すなわち、本発明の第1の方法や第3の方法では、樹脂フィルムがガスエッチングされている間は反応生成ガスの発生量が大量であるが、穿孔を完了すると激減するので、この発生量が激減したときガスエッチングを停止することで高い穿孔精度にすることができる。
本発明の第2の方法では、被処理用の樹脂フィルム単体材に、その樹脂フィルムのガスエッチング時に発生するガスとは異種のガスを発生する異種樹脂フィルムを重ね合わせてガスエッチングする。このように異種樹脂フィルムを重ね合わせてガスエッチングすると、被処理用樹脂フィルムが穿孔完了した後、次の異種樹脂フィルムの穿孔が開始するとき異種ガスを発生するので、その反応発生ガスの組成の激変を検知することで被処理用の樹脂フィルムの穿孔完了時点を正確に知ることができる。また、その検知によって、高精度の穿孔をするようにガスエッチングの停止制御を行うことができる。
このような異種樹脂フィルムとしては、被処理用樹脂フィルムと組成の異なる反応成形ガスを発生するものであれば特に限定されない。例えば、被処理用樹脂フィルムがポリイミドフィルムであれば、異種樹脂フィルムとして、塩素を含有するポリ塩化ビニリデンや硫黄を含有するポリエチレンサルフェート(PES)等を使用することができる。
ガスエッチングの方法は特に限定されるものではないが、好ましくはプラズマエッチングで行うのがよい。プラズマエッチングの場合のプラズマ形成用ガスとして、活性酸素や活性水酸基を含有したものを使用するのがよい。例えば、酸素と水蒸気との混合ガスが好ましい。これ以外のプラズマ形成用ガスとしては、例えば三弗化メタンCHFやシランSiF等の活性フッ素を挙げることができる。
ガスエッチングは真空雰囲気下で行う必要がある。真空雰囲気の圧力としては、13.3Pa〜1330Paが好ましい。真空雰囲気圧力が1330Paよりも高いと、マスクと樹脂フィルムとの密接部分でのガスシールが不十分になり、その密接部分にエッチングガスが侵入し易くなるため、穿孔精度を低下させる原因になる。
加熱テーブルは表面形状を二次元曲面にすることが好ましい。具体的には、円柱を中心軸を含む面で二分割したときの片方の分割体の曲面に形成したものがよい。加熱テーブルの表面を二次元曲面に形成することにより、被処理材の表面に皺や隙間を発生させないように均一に密接させることができる。また、加熱テーブルは、少なくとも表面を磁石で構成すると共に、マスクを強磁性の金属材料にするとよい。さらに好ましは、加熱テーブルの表面をキュリー点(磁性を失う温度)の高いサマリウム含有コバルト基をもつ磁石(永久磁石又は電磁石)で構成すると共に、マスクをSUS430等の強磁性のフェライト系ステンレスフォイルにするとよい。このような構成により、加熱テーブルの磁力でマスクを吸着させて被処理材の密接度合を一層完全なものにすることができる。
マスクは一般には薄い金属板に多数のエッチング用微細孔からなる開口パターンを形成することで構成されるが、その素材は必ずしも金属である必要はない。エッチング用微細孔の形状は特に限定されるものではなく、例えば、円形、角形、溝形などにすることができる。
マスクを金属材で構成する場合、その金属材料としては、エッチングガスで浸食されない材料であれば特に限定されない。例えば、アルミニウム、ステンレス鋼などを挙げることできる。しかし、プラズマエッチングの場合には、マスクの金属材料がエッチングガスの反応性活性ガス種(ラジカル)に対して触媒作用を有するものであると、穿孔速度を低下させる作用を行う。したがって、マスク用の材料には、非触媒性の材料を選択することが好ましい。
非触媒性の材料としては、アルミニウムAlや酸化珪素SiOを挙げることができる。しかし、これらアルミニウムや酸化珪素は、機械的強度が低かったり、高温時の熱膨張係数が大きかったりする問題があるので、これらの材料は主材ではなく、表面被覆材として使用するのがよい。例えば、SUS304、SUS430などのステンレス鋼、アンバー等の金属材、石英ガラス、アルカリガラスなどのガラス材又はセラミック材などを主材とし、その表面にアルミニウム又は酸化珪素を被覆するようにする。被覆方法としては、塗布、メッキ、蒸着又はスパッタリングなどの方法で行えばよい。
マスク以外の加熱テーブル等のエッチングガスが接触する構成部材は、アルミニウムから構成することが好ましい。アルミニウムは、反応性活性ガス種である酸素ラジカルにより、その表面に化学的に安定で、かつ緻密な酸化アルミニウムAlの被膜を形成するからである。この酸化被膜は、水素ガスを分解して得られる水素ラジカルや、シランSiFなどを分解して得られるフッ素ラジカルに対しても所定の温度以下で安定であるため、長期間耐えることができる。ただし、酸化珪素SiOの場合は、ステンレス鋼を主材として被覆した場合には、フッ素ラジカルに対しては浸食されるため好ましくない。
本発明によるエッチング処理は、樹脂フィルムに穿孔加工する場合に限定されず、粗面加工等の表面加工にも適用することができる。
以下、本発明を図に示す実施形態を参照して具体的に説明する。
図1(A),(B)は、本発明の第1の方法を実施する装置を例示し、(A)はエッチング処理開始前の状態、(B)はエッチング処理中の状態をそれぞれ示している。
処理室17は、図示しない開閉扉で密閉可能に構成され、管路19を介して真空ポンプ18が連結され、また弁20を介して空気導入管が連結されている。この処理室17の内部は、弁20を閉弁し、開閉扉を閉じ、真空ポンプ18により内部空気を排気すると、真空雰囲気になるようになっている。
この処理室17の内側上部には、エッチングガス供給部5が設けられ、その下部に加熱テーブル3が設けられている。エッチングガス供給部5にはプラズマ発生室11が設けられ、そのプラズマ発生室11はマイクロ波透過板14により上下に仕切られ、その下部側の室に原料ガス導入管12が、また上部側の室に導波管13が夫々接続されている。この原料ガス導入管12の他端には原料ガスの供給源(図示せず)が接続され、導波管13の他端にはマイクロ波発振器16が接続されている。
処理室17の内部を、例えば133Pa程度の真空雰囲気にし、プラズマ発生室11に原料ガス導入管12からプラズマ形成用ガスGを供給すると共に、マイクロ波発振器16からマイクロ波を伝送すると、プラズマ形成用ガスGが励起分解されて反応性活性ガス種(ラジカル)を発生する。この反応性活性ガス種は、プラズマ発生室11の下部に一定間隔に装着された複数のガス拡散板15から下方へ流出し、被処理材である樹脂フィルム単体材Fのエッチングに供される。
反応性活性ガス種が流出するエッチング供給部5のガス流出口にはマスク4が取り付けられている。そのマスク4には、図2に示すように、多数のエッチング用微細孔4aからなる開口パターンが形成されている。このマスク4は、図3に示すように、左右両端を引張りコイルバネ等からなるエキスパンダ9を介して、マスクフレーム10に軽い緊張又は適度の弛緩状態になるように取り付けられている。また、マスクフレーム10はエッチングガス供給部5のガス流出口に着脱自在に取り付けられている。
加熱テーブル3は、エッチングガス供給部5のガス流出口のマスク4に対向するように設置されている。この加熱テーブル3はヒータ8を埋設し、このヒータ8により加熱されるようになっている。また、加熱テーブル3は被処理材の樹脂フィルム単体材Fに押し当てられる表面3aが、円弧状の二次元曲面に形成されている。この加熱テーブル3の少なくとも表面部分3aは、磁石で構成されている。
加熱テーブル3は下部テーブル軸23により支持固定され、このテーブル軸23をアクチュエータ(図示せず)により上下動させることにより昇降するようになっている。また、加熱テーブル3の側部にはスカート21が取り付けられ、処理室17側に固定されたスライダー22に沿って上下動するようになっている。スライダー22の下端には間隙30が設けられ、この間隙30から処理室17内の空気や反応生成ガスが開口31を介して管路19へ排出されるようになっている。
エッチングガス供給部5と加熱テーブル3とが上下に対向する中間位置には、その一方の端部(左側)に未処理の被処理材である樹脂フィルム単体材Fが巻かれた巻出しリール1と共に搬送ローラ6とテンションローラ7が設置され、他方の端部(右側)にエッチング処理後の樹脂フィルム単体材Fを巻き取る巻取りリール2と共に搬送ローラ6とテンションローラ7が設置されている。
巻出しリール1と巻取りリール2は、それぞれ駆動軸に着脱自在に嵌着され、樹脂フィルム単体材Fの未処理部分を加熱テーブル3の上にセットするようにする。そして加熱テーブル3上の樹脂フィルム単体材Fがエッチング処理を終了すると、そのエッチングを終了した部分が巻取りリール2へ送り出されると共に、巻出しリール1から新たな未処理部分が加熱テーブル3の上に引き出されるように間欠移動を行うようになっている。
上述したエッチング装置によると、被処理材の樹脂フィルム単体材Fが以下のようにしてエッチング処理される。
まず、処理室17の内部は真空ポンプ18の作動により真空状態にされる。図1(A)のように巻出しリール1と巻取りリール2との間に樹脂フィルム単体材Fのセットが完了すると、図1(B)のように加熱テーブル3が上昇し、樹脂フィルム単体材Fの上面をエッチングガス供給部5側のマスク4の下面に密接させる。マスク4はマスクフレーム10に軽く緊張又は弛緩状態に支持されているが、上記のように加熱テーブル3が上昇すると、表面3aが樹脂フィルム単体材Fの下面に密接した状態になって、その樹脂フィルム単体材Fの上面をマスク4の下面に密接させる。
より詳しくは、図2に示すように、加熱テーブル3が二次元曲面の表面3aを樹脂フィルム単体材Fを介してマスク4に押し付けることにより、樹脂フィルム単体材Fとマスク4を湾曲させてマスク4に張力Tを発生させる。そのマスク4は、樹脂フィルム単体材Fに対して加熱テーブル3の表面3aに垂直方向に圧力Pを作用させる。従って、樹脂フィルム単体材Fは皺や折れ等を発生しないように緊張状態になり、マスク4と樹脂フィルム単体材Fと加熱テーブル3とが三者間相互に空隙を形成しないように密接状態になる。
このような密接状態で、原料ガス導入管12からプラズマ形成用ガスGが供給され、そのプラズマ形成用ガスGにマイクロ波発振器16のマイクロ波が作用し反応性活性ガス種を発生させる。樹脂フィルム単体材Fは加熱テーブル3で加熱されながら、マスク4のエッチング用微細孔4aから侵入する反応性活性ガス種によってエッチングされる。このときマスク4と樹脂フィルム単体材Fと加熱テーブル3との三者間は相互に空隙を生じないように密接しているため、相互の隙間にエッチングガスが侵入することがない。そのため樹脂フィルム単体材Fは、マスク4に設けられたエッチング用微細孔4aの開口パターンの部分だけがエッチングされる。
エッチング処理が終ると、原料ガス導入管12から供給されるプラズマ形成用ガスGが停止すると共に、マイクロ波発振器16の作動も停止する。また、加熱テーブル3が図1(A)に示す中間位置に降下して、次のエッチングのため待機する状態になる。このように加熱テーブル3が降下する際、マスク4と樹脂フィルム単体材Fとの界面は単に密接しているだけであるので、マスク4は樹脂フィルム単体材Fから容易に分離することができる。従って、分離に手間取ることはなく、エッチングのサイクルを短縮することができる。
次いで、巻出しリール1と巻取りリール2とが回転し、エッチング処理された所定長さの樹脂フィルム単体材Fが巻取りリール2に巻き取られ、巻出しリール1から次の未処理の樹脂フィルム単体材Fが引き出されて加熱テーブル3上にセットされる。以下、上述したエッチング工程が次々と繰り返されてエッチング処理が行われる。
巻取りリール2に巻かれた樹脂フィルム単体材Fの全量がエッチング処理されると、加熱テーブル3は図1(A)に示される中間位置よりも下方の最下位置まで降下して待機する。この状態で、次の新しい未処理の樹脂フィルム単体材Fを巻き上げた巻出しリール1を空リールと交換し、エッチング済みの樹脂フィルム単体材Fが巻き取られた巻取りリール2を空リールと交換する。そして再び上述した工程を繰り返す。
上述したように、本発明では、減圧の真空雰囲気中で、マスク4と加熱テーブル3の間に樹脂フィルム単体材Fを互いに密接するように挟み込み、マスク4のエッチング用微細孔4aの部分だけがガスエッチングされるようにしたため、樹脂フィルムの種類や穿設孔が貫通孔か否か等の諸条件に影響されることなく、迅速かつ高精度にエッチングすることができる。従って、加工上の自由度が拡大し、汎用性を一段と高めることができる。
図4は、第1の方法を実施する他の実施形態からなる装置を示す。
このエッチング装置は、図1のエッチング装置では枚葉式であったマスクを、連続帯状式のマスク4に代えるようにしたものである。この連続帯状式のマスク4は、加熱テーブル3とエッチングガス供給部5とで挟まれながら、左側の巻出しリール26から右側の巻取りリール27へ間欠的に移送されるようになっている。
加熱テーブル3は一定高さに固定され、図1のエッチング装置のように昇降しないようになっている。その代わり、左右のダンサーローラ28,28が上下に移動可能になっていて、連続帯状のマスク4と樹脂フィルム単体材Fとを加熱テーブル3の二次元曲面の表面3aに湾曲状に押し付け、マスク4、樹脂フィルム単体材F、加熱テーブル表面3aの三者を互いに密接させるようにしている。
次いで、図1の装置と同様に、マスク4の表面側に矢印で示すようにエッチングガスをフローさせると、樹脂フィルム単体材Fの表面にマスク4のエッチング用微細孔4aの開口パターンに沿ったエッチングを施すことができる。
一定高さに固定された加熱テーブル3は、スカート29を介して処理室17の内部に装着されている。そのスカート29の下端には間隙30が形成され、この間隙30から処理室内部の空気やガスが開口31を経て管路19へ排気されるようになっている。
密接手段としては、上記ダンサーローラ28の設置に代えて、図1の装置と同様に、加熱テーブル3を昇降させるようにしてもよいことは勿論である。
図5(A),(B)は、第1の方法を実施する装置の更に他の実施形態であり、(A)はエッチング処理開始前の状態を、(B)はエッチング処理中の状態をそれぞれ示す。
このエッチング装置は、加熱テーブル3の表面3aを二次元曲面にせず、平面状にしている。加熱テーブル3は一定高さに固定され、その表面3aにテンションローラ7,7を介して樹脂フィルム単体材Fを密接させるようにしている。この加熱テーブル3の表面3aに対し、マスクフレーム10を上下動させることによりマスク4を密接させ、マスク4と樹脂フィルム単体材Fと加熱テーブル3との三者を互いに密接状態にする。この密接状態を保ちながら、図1や図4の装置と同様に、マスク4の表面側にエッチングガスを供給し、エッチング用微細孔4aの開口パターンに沿ったエッチングを樹脂フィルム単体材Fに施すようにしている。
上述した図4や図5の実施形態の場合も、樹脂フィルムの種類や穿設孔が貫通孔か否か等の諸条件に影響されることなく、迅速かつ高精度にエッチングすることができる。
上述した各実施形態では、いずれも被処理材が樹脂フィルム単体材Fの場合について例示したが、樹脂フィルムに金属箔を積層した積層材のエッチング処理にも適用することができる。この積層材の場合には、金属箔側に加熱テーブルを密接させると共に、樹脂フィルム側にマスクに密接させて、そのマスク側からエッチング処理を行うようにする。また、上述した各実施形態では、被処理材の移送方式を、リール・ツー・リールのリール巻取式にした場合を例示したが、これに限定されることなく、枚葉式であってもよい。
図6は、第1の方法を実施する装置の更に他の実施形態を示す。
この実施形態は、図1のエッチング装置に、さらにエッチング停止手段40を設けたものである。エッチング停止手段40は、処理室17の両外壁にそれぞれ窓45a,45bを設け、一方の窓45aの外側に赤外線光源41と分光用のプリズム42を設置し、他方の窓45bの外側に受光器43を設置するようにしている。受光器43は制御装置47に接続され、さらに制御装置47は原料ガス導入管12の開閉弁の駆動部やマイクロ波発振器16の駆動部に接続されている。また、プリズム42は軸44を支点に左右に回動し、その回動角度に応じて赤外線光源41を発光した赤外線から特定波長の単色光を分光し、その単色光を窓45aから処理室17内へ投光する。投光された単色光は、マスク4の上面域に形成された発光層46を透過し、反対の窓45bを通過して受光器43で受光される。
図7(A)〜(C)は、ガスエッチングによって発生する発光層46を例示する。発光層46は、被処理材の樹脂フィルム単体材Fがエッチングガスの反応性活性ガス種Rでエッチングされる際に発生する反応生成ガスの雲状層のことであり、図7(A)はエッチングを開始した初期状態、図7(B)はその中期状態、図7(C)はその末期状態をそれぞれ示す。
樹脂フィルム単体材Fが、例えばポリイミドフィルムであるときは、その組成元素は炭素C、水素H、酸素O、窒素Nなどである。プラズマ発生室11から流出するエッチングガスの反応性活性ガス種Rが酸素ラジカルの場合には、反応生成ガスGxは、CO、HO、NO等の組成の混合ガスからなる。そのためエッチング処理の進行中には、これらの反応生成ガスGxが、マスク4の上面域においてラジカル化学反応時のエネルギー放散により、各ガス毎に特有の波長の光を放つ数mmの厚さの発光層46を形成する。この発光層46の色は、ガス組成により異なるが、可視光域から紫外光域の光であり、可視光では通常紫色から桃紫色に輝く光を放つ。
発光層46の混合ガスは、それぞれに特定の波長λの光だけを吸収し、その濃度(発生量)が高いほど多くの光量を吸収する。従って、プリズム42を左右に回動させて、波長が異なる分光を次々と発光層46に照射すると、受光器43に受光される量によって反応生成ガスの発生量を検出することができる。エッチング処理が図7(C)の末期状態になると、図7(A)の初期状態及び図7(B)の中期状態に比べて反応生成ガスの発生量が激減しているので、その反応生成ガス発生量の激減を受光器43で容易に検出することができる。受光器43で検出された信号は制御装置47に入力され、その制御装置47から原料ガス導入管12の開閉弁の駆動部やマイクロ波発振器16の駆動部に信号が出力されてエッチングを停止する。
このようにエッチング停止手段40は、赤外線分光分析法により反応生成ガスの発生量の激減を検出してエッチングを停止するので、穿孔の停止制御を容易に、かつ正確に行うことができる。なお、本発明において、反応生成ガスの発生量の激変検出に基づいてエッチング停止とは、激減検出と同時にエッチングを停止することに限定されず、激減検出後に一定時間経過した時点でエッチングを停止することも含む。一定時間とは、一般には数十秒間を意味する。
前述した図1,図4,図5の各装置の場合は、エッチング停止手段40を設けていないので、反応生成ガスGxの発生量の激減を自動検出することはできない。しかし、反応生成ガスGxの発生量の激減は、処理室17の側壁に覗窓(図示せず)を設けておけば、肉眼の目視により確認できるので、目視で確認することでエッチングを停止すればよい。
図8は、本発明の第2の方法を実施する装置を例示する。
この実施形態では、図1の装置に、被処理材の樹脂フィルム単体材Fに、この樹脂フィルム単体材Fとは異なるガスを発生する 異種樹脂フィルムFxを重ね合わせてガスエッチングする。そのため未処理の樹脂フィルム単体材Fを巻き上げた巻出しリール1を設置した側に、異種樹脂フィルムFxを巻き上げた巻出しリール47を設置し、処理後の樹脂フィルム単体材Fを巻き取る巻取りリール2を設置した側に、処理後の異種樹脂フィルムFxを巻き取る巻取りリール48を設置するようにしている。
巻出しリール47と巻取りリール48は、それぞれ巻出しリール1と巻取りリール2と同期して間欠的に駆動され、被処理材の樹脂フィルム単体材Fの下側に異種樹脂フィルムFxを重ねるように加熱テーブル3の上にセットされ、かつ搬送されるようになっている。
この装置もガスエッチングは真空雰囲気中で行われる。すなわち、互いに重ね合わされた樹脂フィルム単体材Fと異種樹脂フィルムFxとは、マスク4と加熱テーブル3の間に互いに密接するように挟まれ、マスク4の側をエッチング用微細孔4aを介してガスエッチングされるようになっている。このような処理により樹脂フィルムの種類や穿設孔が貫通孔か否か等の諸条件に影響されることなく迅速、かつ高精度にエッチングすることができる。
図9は、本発明の第2の方法を実施する装置の他の実施形態を例示する。
この実施形態は、図8の装置に対して、図6と同様のエッチング停止手段40を設けたものである。この図9の装置では、被処理材の樹脂フィルムFに異種樹脂フィルムFxを重ねるようにしているので、ガスエッチング処理は、図10(A),(B),(C)のように行われる。すなわち、それぞれ図10(A)はエッチングを開始した初期状態、(B)はその末期状態、(C)は異種樹脂フィルムFxのエッチングが開始した状態を示す。
異種樹脂フィルムFxは、被処理材の樹脂フィルム単体材Fとは異なる組成の反応生成ガスを発生するものが使用されている。例えば、被処理材の樹脂フィルム単体材Fがポリイミドフィルムの場合、塩素を含有するポリ塩化ビニリデンとか、或いは硫黄を含有するポリエチレンサルフェート(PES)等が使用さる。
エッチング処理の過程における図10(A)の初期状態及び図10(B)の末期状態では、樹脂フィルム単体材Fがエッチングされているため、エッチング停止手段40の受光器43には、図11のグラフに実線で示すように反応生成ガスG,Gの特定波長λ,λが強く現われるように検出される。しかし、図10(C)の異種樹脂フィルムFxのエッチングが開始し出す時点になると、破線で示すように反応生成ガスGの特定波長λが急激に出現し、それまで出願していた特定波長λ,λは急減する。
異種樹脂フィルムFxを重ね合わせないで、樹脂フィルム単体材Fを単独でエッチングする場合は、フィルム断面は図7(A),(B),(C)のように変化する。したがって、図7(A)の初期状態及び(B)の中期状態では、図12のグラフに実線で示すように、樹脂フィルム単体材Fから発生する反応生成ガスG,Gの特定波長λ,λが現われ、次いで図7(C)の末期状態では、破線で示すように前記特定波長λ,λが急減するだけで、波長λは出現しない。
かかる特定波長λの出現は、異種樹脂フィルムFxに基づいて、樹脂フィルム単体材Fから発生する反応生成ガスG,Gとは異なる組成の反応生成ガスGが発生したためであるから、それをエッチング停止手段40の受光器43が検出したとき、制御装置47を介して原料ガス導入管12の開閉弁を閉じ、マイクロ波発振器16の作動を停止してエッチング操作を停止する。反応生成ガス Gxの組成の激変検出に基づくエッチング操作の停止は、激変の検出と同時であってもよく、或いは一定時間経過した時点で行ってもよい。一定時間とは一般には数十秒である。
エッチング停止手段40を設けていない図8のエッチング装置の場合は、反応生成ガスGxの組成の激変を自動検出はできないが、反応生成ガスGの特定波長λが出現すると発光層46の色が変化するので、それを肉眼で目視することによりエッチングを停止することができる。
上述した図8及び図9の装置は、二次元曲面型の加熱テーブル8に代えて、図5のような平面型の加熱テーブル8に設けてもよい。枚葉型のマスク4についても、図4のような連続帯状型のマスク4に代えてもよい。被処理材の移送方式も、リール・ツー・リールのリール巻取式に代えて、枚葉式であってもよい。
本発明に使用されるマスク4は、ガスエッチングするとき被処理材に密接した状態にするので触媒作用の影響を最も受け易い。すなわち、マスクが ニッケルNi、鉄Fe、クロムCrなどの触媒作用を有する金属箔から構成されていると、エッチングガスの反応性活性ガス種(酸素ラジカル、水素ラジカル、フッ素ラジカル、塩素ラジカル等)が再結合することによって、その反応性活性ガス種の濃度が激減するため穿孔速度が低下するとう問題がある。しかし、反応性活性ガス種に対して非触媒性のアルミニウムAlや酸化珪素SiOなどの材料から構成することによって、穿孔速度の低下を防止することができる。
しかし、アルミニウム等は常温のみならず、例えば200℃以上の高温下では強度が低下し、かつ熱膨張が大きいため、直接構造材として使用することには問題がある。そのためアルミニウムAlや酸化珪素SiOは、主材として強度や熱膨張性に有利な金属材、ガラス材又はセラミック材などを使用し、その主材の表面に被覆材として使用することが好ましい。
また、マスク以外の加熱テーブル等の装置構成部材については、ニッケルNi、鉄Fe、クロムCrなどを含有するステンレス鋼SUS等よりも、アルミニウムから構成することが好ましい。アルミニウムは、酸素ラジカルにより、その表面に化学的に安定、かつ緻密な酸化アルミニウムAlの被膜を形成するからである。この酸化アルミニウムの被膜は、水素ラジカルや、フッ素ラジカルに対しても、所定の温度以下では安定であるから、長期に亘って耐えることができる。
図13は、本発明の第3の方法を実施する装置の一例を示す。
この実施形態では、被処理材として、樹脂フィルムに金属箔を積層し、かつその金属箔にエッチング用開口パターンを形成した積層材Faを使用している。この積層材Faは、エッチング用開口パターンを形成した金属箔側をエッチングガス供給部5に対面させ、反対の樹脂フィルム側を加熱テーブル8に密接させるようにセットしている。この状態で、真空雰囲気下に積層材Faの金属箔側をガスエッチングするようにしている。
したがって、金属箔がマスクの役目をしているため、マスクを設けていないことが特徴である。このようにマスクを設けていないが、金属箔がエッチング用開口パターンを有し、そのエッチング用開口パターンを介して樹脂フィルムがエッチングされるので、前述した各種形態の装置と同様に、樹脂フィルムの種類や穿設孔が貫通孔か否か等の諸条件に影響されることなく、迅速かつ高精度にエッチングすることができる。
なお、例えば銅箔等のように、金属箔が酸素ラジカルで著しく酸化され易い材料の場合には、その金属箔の表面を酸素ラジカルに侵されず、かつ触媒作用を有しない金メッキ又は金蒸着を施すことが好ましい。
図14は、本発明の第3の方法を実施する装置の他の実施形態を示す。
この実施形態は、図13の装置にエッチング停止手段40を設けるようにしたものである。前述した図6の装置と同様に、反応生成ガスの発生量の激減変化を検出することにより、エッチング操作の停止制御を容易に、かつ正確に行うことができる。
図13の装置では、エッチング停止手段40を設けていないが、前述した図1の装置と同様に、目視によって反応生成ガスGxの発生量の激減を検知することにより、エッチングの停止をすることができる。
前述した装置と同様に、図13及び図14の装置についても、二次元曲面型の加熱テーブル8に代えて、図5のような平面型の加熱テーブル8を使用すること、また被処理材の移送方式をリール・ツー・リールのリール巻取式に代えて、枚葉式にすることなどしてもよい。
また、図13及び図14の装置において、図8の装置のように、巻出しリール47及び巻取りリール48を設けて、被処理材の積層材Faに異種樹脂フィルムFxを重ねてエッチングするようにしてもよい。この場合は、異種樹脂フィルムFxから発生した反応生成ガスGxの組成を検出することによって、ガスエッチングを停止するようにすればよい。
上述したように、本発明によれば、樹脂フィルムの種類やエッチングする孔が貫通孔であるか否か等の諸条件に影響されることなく、迅速かつ高精度にエッチングすることができるので、汎用性の高いエッチングをすることができる。
また、エッチングに際して反応生成ガスの発生量を検出し、該発生量が所定値以上に激変したとき前記ガスエッチングを停止するようにした場合には、穿孔の停止制御を容易に、かつ正確に行うことができる。また、マスク等の装置構成部材として、エッチングガスの反応性活性ガス種に対して非触媒性の材料から構成した場合には、エッチングガスの反応性活性ガス種の再結合による穿孔速度の低下を防止することができる。
実施例1
被処理材として、厚さ50μmのポリイミドフィルム単体材(宇部興産株式会社製“ユーピレックス”)を、図1のエッチング装置を使用し、下記の処理条件により酸素ラジカルでプラズマエッチングした。
処理後のポリイミドフィルム単体材には、メタルマスクのエッチング用開口の直径50μmに対して、上面での平均直径が60μmで、下面側に向って径が縮小する平均テーパ角度が17°である多数のテーパー貫通孔を得ることができた。また、フィルム上面での直径のバラツキは、目標直径の±10%以下であると共に、孔壁傾斜角度も目標の15度〜45度の範囲内であり、実用に適するものであった。また、穿孔された全ての貫通孔には残さ物は全く見当らなかった。
〔処理条件〕
メタルマスク:厚さ50μmのステンレス鋼SUS304板
エッチング用開口 直径 50μm
装着張力 1.5kg
加熱テーブル:表面の曲率半径 800mm
加熱温度 200℃
処理時間(孔が貫通までの時間) 10分
マイクロ波出力:1.8kw
プラズマ形成用ガス:酸素1000ml/分及び水蒸気100cc/分
を供給
真空雰囲気の真空度:133Pa
実施例2〜6
エッチング用開口の直径が、それぞれ75μm、100μm、150μm、200μm、250μmと異なる5種類のメタルマスクを使用したこと以外は、実施例1と同一条件で、同じポリイミドフィルム単体材をエッチングした(実施例2〜6)。
実施例2〜6のいずれも、ポリイミドフィルムの上面での直径のバラツキは、目標直径の±10%以下であると共に、孔壁傾斜角度も目標の15度〜45度の範囲内にあり、実用に適するものであった。
実施例7〜17
図1のエッチング装置において、各構成部材をそれぞれ下記の材料で構成し、
厚さ50μmのポリイミドフィルム単体材(宇部興産株式会社製“ユーピレックス”)を、下記の処理条件で酸素ラジカルで孔が貫通するまでプラズマエッチングした。
このエッチング処理において、マスクとマスクフレームと加熱テーブルとガス拡散板との組み合わせを、その使用材質の面から図15に記載のように(a)〜(k)通りに異ならせ(実施例7〜17)、そのエッチング速度の材料依存性を調べた。その測定結果を図15に示す。
なお、上記(a)〜(k)は、直径が150μmのエッチング用開口を1mmピッチで形成した下記材質からなるマスクを示す。また、エッチング速度については、(a)のマスクを基準とする相対的倍率で示した。
〔装置の各構成部材〕
マイクロ波透過板14:石英ガラス材
原料ガス導入管12:アルミニウム材
エッチングガス供給部5:アルミニウム材
マスクフレーム10:アルミニウム材
ガス拡散板15:
(1)ステンレス鋼SUS304
(2)アルミニウム材
加熱テーブル3:
(1)ステンレス鋼SUS304
(2)アルミニウム材
マスク4:
(a)厚さが50μmのステンレス鋼SUS304(18%Cr+
8%Ni+74%Fe)材 (実施例7)
(b)厚さが50μmのステンレス鋼SUS430(12%Cr+
88%Fe)材 (実施例8)
(c)厚さが50μmのアンバー(36%Ni;64%Fe)材
(実施例9)
(d)上記▲1▼の材にSiOを0.1μmスパッタリングした材
(実施例10)
(e)上記(a)材にアルミニウムを0.1μmスパッタリングし
た材 (実施例11)
(f)上記(b)材に酸化珪素SiOを0.1μmスパッタリン
グした材 (実施例12)
(g)上記(b)材にアルミニウムを0.1μmスパッタリングし
た材 (実施例13)
(h)上記(c)材に酸化珪素Oを0.1μmスパッタリングし
た材 (実施例14)
(i)上記(c)材にアルミニウムを0.1μmスパッタリングし
た材 (実施例15)
(j)厚さが120μmの石英ガラス材 (実施例16)
(k)厚さが120μmのアルカリガラス材 (実施例17)
〔処理条件〕
真空雰囲気の真空度:199.5Pa
プラズマ形成用ガス流量:1000ml/分
加熱温度:250℃
原料ガス:酸素及び水蒸気
マイクロ波出力:2kw(最大5kw)
図15に示した結果から明らかなように、Ni8%を含有するSUS304材に対し、Niを含有しないSUS430材のエッチング速度は約2倍である。これは、SUS304材及びSUS430材は共に、 緻密なCr被膜を形成し、酸素ラジカルによるマスク材内部への酸化を阻止して酸素ラジカルの消費を阻止しているが、SUS304材の被膜中には触媒作用を有するNiを含有している為に、[O]+[O]→Oの再結合反応を生じ、マスク近傍及びマスク孔内部では、有効な酸素ラジカルが減少する為である。
ステンレス鋼SUS304材に対して約5倍のNiを含有するアンバー材のエッチング速度は約1/3以下である。これは、酸素ラジカルが基材をエッチングするまでに再結合させる触媒作用を有するNi含有量が多いことに加えて、内部酸化の進行を阻止する緻密なCrの不動態膜形成がない為である。
ステンレス鋼SUS304材、SUS430材、アンバー材の両面にスパッタリング法によってアルミニウムを被覆すると、それらは、非被覆のSUS304材に対し、約6倍以上のエッチング速度が得られる。これは、触媒作用を有していないアルミニウム膜で被覆したことで酸素ラジカルの再結合を阻止できる為と考えられる。
ステンレス鋼SUS304材、SUS430材、アンバー材の両面にスパッタリング法によってSiOを被覆すると、非被覆のSUS304材に対し、約8倍程度のエッチング速度が得られる。
これは、触媒作用を有していない酸化珪素SiO膜で被覆したことで酸素ラジカルの再結合を阻止できる為と考えられ、その効果は上記アルミニウム膜の被覆よりもやや大きい。しかし、非金属材の石英ガラス材やアルカリガラス材のエッチング速度よりもやや遅い。スパッター膜が極薄膜で多孔質であることに起因していると考えられる。
可撓性の石英ガラス材又はアルカリガラス材によると、被被覆のSUS304材に対し、約10倍程度のエッチング速度が得られる。
石英ガラス材又はアルカリガラス材で構成されたマスクを用いると共に装置の他の各部をアルミニウム材で構成した場合には、最大のエッチング速度を得ることができるが、ガス分散板をアルミニウム材からSUS304材に変更すると、エッチング速度は半減する。これは、プラズマ室11で生成される酸素ラジカルがSUS304製ガス分散板の触媒作用により再結合し、従って、エッチングに供される酸素ラジカル濃度が低減する為と考えられる。
同様に、加熱テーブルをアルミニウム材からSUS304材に変更すると、エッチング速度は、上記最大のエッチング速度の65%〜95%程度の範囲に減少し、かつバラツキが大きくなる。これはエッチングの末期状態において樹脂フィルムに孔が貫通されると、それまでは加熱テーブルは酸素ラジカルに直接、接触しない為に酸素ラジカルが有効に作用してエッチングが高速に行われていたのが、酸素ラジカルの接触によりSUS304材が触媒作用する為と考えられる。
実施例18,19
図1の装置からマスク4を取り外した図13の装置を使用して、下記の被処理材▲1▼(実施例18)及び▲2▼(実施例19)を下記の処理条件でエッチング処理した。
その結果、被処理材▲1▼の場合は5分で貫通し、被処理材▲2▼の場合は12分で貫通した。また、貫通孔の精度は、いずれの実施例18,19も、実施例1と同様に、直径のバラツキが目標直径の±10%以下であると共に、孔壁傾斜角度は目標の16〜45度の範囲内であり、実用に適するものであった。
〔被処理材〕
被処理材▲1▼:直径が100μmの貫通孔を所定パーンに設けた厚さ
が20μmのアルミニウム箔と、厚さが50μmのポ
リイミドフィルム(宇部興産株式会社製の“ユーピレ
ックス”)との積層材
被処理材▲2▼:直径が100μmの貫通孔を所定パーンに設けた厚さ
が20μmのSUS304箔と、厚さが50μmのポ
リイミドフィルム(宇部興産株式会社製の“ユーピレ
ックス”)との積層材
〔処理条件〕
加熱テーブル:表面の曲率半径 800mm
加熱温度: 200℃
マイクロ波出力: 1.8kw
プラズマ形成用ガス:酸素1000cc/分及び水蒸気100cc
/分を供給
真空雰囲気の真空度: 133Pa
産業上の利用可能性
樹脂フィルムの乾式エッチング方法及び装置として有効である。特に、FPC(Flexible Printed Circuit)基板に用いられる樹脂フィルムの表面をガスエッチングする場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
図1(A),(B)は、本発明の第1の方法を実施する装置を示し、(A)はエッチング処理開始前の状態の縦断面図、(B)はエッチング処理中の状態の縦断面図である。
図2は、図1の装置における要部を示す拡大縦断面である。
図3は、図1の装置におけるマスクの取付け態様を示す平面図である。
図4は、本発明の第1の方法を実施する他の実施形態からなる装置の縦断面図である。
図5(A)(B)は、本発明の第1の方法を実施する更に他の実施形態からなる装置の要部を示し、(A)はエッチング処理開始前の状態の縦断面図、(B)はエッチング処理中の状態の縦断面図である。
図6は、本発明の第1の方法を実施する更に他の実施形態からなる装置の縦断面図である。
図7は、本発明の方法によりガスエッチングされる箇所を示し、(A)はエッチング開始後の初期状態、(B)は中期状態、(C)は末期状態の縦断面図である。
図8は、本発明の第2の方法を実施する装置を示す縦断面図である。
図9は、本発明の第2の方法を実施する装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
図10は、本発明の第2の方法を実施する装置におけるガスエッチング箇所を示し、(A)はエッチング開始後の初期状態、(B)は末期状態、(C)は被処理材とは異種の樹脂フィルムがエッチングされる状態をそれぞれ示す縦断面図である。
図11は、本発明の第2の方法を実施する装置における反応生成ガスのピーク形成態様を示す説明図である。
図12は、本発明の第1の方法を実施する装置における反応生成ガスのピーク形成態様を示す説明図である。
図13は、本発明の第3の方法を実施する装置を示す縦断面図である。
図14は、本発明の第3の方法を実施する装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
図15は、本発明に係るエッチング装置のマスク、加熱テーブル及びガス拡散板の材料を異ならせた場合のエッチング速度を示すグラフである。

Claims (21)

  1. 樹脂フィルム単体材及び樹脂フィルムに金属箔を積層した積層材のいずれかを被処理材とし、該被処理材を挟むように片側の表面に加熱テーブルを密接すると共に、反対側の表面にエッチング用開口パターンを形成したマスクを密接させ、該密接状態を保ちながら前記被処理材を真空雰囲気下で前記マスク側からガスエッチングする樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  2. 前記加熱テーブルを可動にする一方、前記マスクを一定位置に固定し、前記加熱テーブルを前記被処理材に移動させて該被処理材を前記マスクに押し当てることにより、前記マスク、被処理材及び加熱テーブルを互いに密接させる請求の範囲1に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  3. ガスエッチング中に前記マスクのエッチング用開口から放出される反応生成ガスの発生量を検出し、該発生量が所定値以上に激変したとき前記ガスエッチングを停止する請求の範囲1又は2に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  4. 樹脂フィルム単体材を被処理材として、該被処理材に該被処理材とは異種のガスを発生する異種樹脂フィルムを重ね合わせ状態にし、該異種樹脂フィルム側の表面に加熱テーブルを密接させると共に、前記被処理材側の表面にエッチング用開口パターンを形成したマスクを密接させ、該密接状態を保ちながら前記被処理剤材を真空雰囲気下で前記マスク側からガスエッチングする樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  5. 前記加熱テーブルを可動にする一方、前記マスクを一定位置に固定し、前記加熱テーブルを前記異種樹脂フィルムに移動させて前記被処理材を前記マスクに押し当てることにより、前記マスク、被処理材、異種樹脂フィルム及び加熱テーブルを互いに密接させる請求項4に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  6. ガスエッチング中に前記マスクのエッチング用開口から放出される反応生成ガスの組成を検出し、該組成の種類が変化したとき前記ガスエッチングを停止する請求の範囲4又は5に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  7. 樹脂フィルムの片面にエッチング用開口パターンを形成した金属箔を積層した積層材を被処理材とし、該被処理材の前記樹脂フィルム側の表面に加熱テーブルを密接させ、該密接状態を保ちながら前記被処理材の前記金属箔側を真空雰囲気下でガスエッチングする樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  8. ガスエッチング中に前記金属箔のエッチング用開口から放出される反応生成ガスの発生量を検出し、該発生量が所定値以上に激変したとき前記ガスエッチングを停止する請求の範囲7に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  9. 前記加熱テーブルの押圧用の表面が凸状の二次元曲面に形成されている請求の範囲1,2,4,5,7又は8に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  10. 前記ガスエッチングがプラズマエッチングである請求の範囲1,2,4,5,7又は8に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  11. 前記被処理材を構成する樹脂フィルムがポリイミドフィルムである請求の範囲1,2,4,5,7又は8に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング方法。
  12. 内部を真空可能にする処理室(17)と、該処理室の内部に設置されたエッチングガス供給部(5)と、該エッチングガス供給部のガス流出口を覆うように装着されたエッチング用開口パターンを形成したマスク(4)と、前記処理室の内部に可動自在に設置された加熱テーブル(3)とからなり、該加熱テーブル(3)が樹脂フィルムを主材とする被処理材(F)の片面に密接すると共に、前記マスク(4)が前記被処理材の反対側に密接するようにした、樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
  13. ガスエッチング中に前記マスク(4)のエッチング用開口から放出される反応生成ガスの発生量を検出する検出手段(40)と、該検出手段の検知信号に基づき前記ガスエッチングを停止するエッチング停止手段を備えた請求の範囲12に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
  14. 内部を真空可能にする処理室(17)と、該処理室の内部に設置されたエッチングガス供給部(5)と、前記エッチングガス供給部のガス流出口を覆うように装着されたエッチング用開口パターンを形成したマスク(4)と、前記処理室(17)の内部に可動自在に設置された加熱テーブル(3)とからなり、被処理材の樹脂フィルム単体材と該樹脂フィルム単体材とは異種のガスを発生する異種樹脂フィルムとを重ね合わせた両材料に対し、前記加熱テーブル(3)が前記異種樹脂フィルムに密着すると共に、前記マスク(4)が前記被処理材に密接するようにした、樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
  15. ガスエッチング中に前記マスク(4)のエッチング用開口から放出される反応生成ガスの組成の変化を検出する検出手段(40)と、該検出手段の検知信号に基づき前記ガスエッチングを停止するエッチング停止手段を備えた請求の範囲14に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
  16. 前記エッチングガス供給部(5)にプラズマ発生室(11)を設けた請求の範囲12,13,14又は15に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
  17. 前記マスク(4)を前記プラズマ発生室から流出するエッチングガスの反応性活性ガス種に対して非触媒性の材料から構成した請求の範囲16に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
  18. 前記非触媒性の材料が、金属材、ガラス材及びセラミック材のいずれかに、アルミニウム及び酸化珪素のいずれかで表面被覆したものである請求の範囲17に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
  19. 内部を真空可能にする処理室(17)と、該処理室の内部に設置されたエッチングガス供給部(5)と、前記処理室(17)の内部に可動自在に設置された加熱テーブル(3)とからなり、樹脂フィルムの片面にエッチング用開口パターンが形成された金属箔を積層した積層材を被処理材として、該被処理材の前記樹脂フィルム側に前記加熱テーブル(3)が密接するようにし、前記金属箔側を前記エッチングガス供給部(5)のガス流出口に臨ませるようにした、樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
  20. ガスエッチング中に前記金属箔のエッチング用開口から放出される反応生成ガスの発生量を検出する検出手段(40)と、該検出手段の検知信号に基づき前記ガスエッチングを停止するエッチング停止手段を備えた請求の範囲19に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
  21. 前記エッチングガス供給部(5)にプラズマ発生室(11)を設けた請求の範囲19又は20に記載の樹脂フィルムの乾式エッチング装置。
JP2001538157A 1999-11-15 2000-11-13 樹脂フィルムの乾式エッチング方法及びその装置 Expired - Fee Related JP4536309B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32355999 1999-11-15
PCT/JP2000/007995 WO2001036181A1 (en) 1999-11-15 2000-11-13 Method of dry-etching resin film and device therefor

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP4536309B2 true JP4536309B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=18156057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001538157A Expired - Fee Related JP4536309B2 (ja) 1999-11-15 2000-11-13 樹脂フィルムの乾式エッチング方法及びその装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP4536309B2 (ja)
TW (1) TW479446B (ja)
WO (1) WO2001036181A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4783524B2 (ja) * 2001-08-06 2011-09-28 株式会社アルバック 巻取り式ドライエッチング方法及び装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5947734A (ja) * 1982-08-02 1984-03-17 モトロ−ラ・インコ−ポレ−テツド 有機材料のプラズマエツチング法
JPS59214210A (ja) * 1983-05-20 1984-12-04 ティーディーケイ株式会社 誘電体磁器材料
JPH05326457A (ja) * 1992-05-19 1993-12-10 Hitachi Ltd 排気気体の成分検出によるプラズマエッチング装置用終点検出器
JPH08134666A (ja) * 1994-11-10 1996-05-28 Mitsui Toatsu Chem Inc ドライエッチング方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59214240A (ja) * 1983-05-09 1984-12-04 Fujitsu Ltd 半導体装置の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5947734A (ja) * 1982-08-02 1984-03-17 モトロ−ラ・インコ−ポレ−テツド 有機材料のプラズマエツチング法
JPS59214210A (ja) * 1983-05-20 1984-12-04 ティーディーケイ株式会社 誘電体磁器材料
JPH05326457A (ja) * 1992-05-19 1993-12-10 Hitachi Ltd 排気気体の成分検出によるプラズマエッチング装置用終点検出器
JPH08134666A (ja) * 1994-11-10 1996-05-28 Mitsui Toatsu Chem Inc ドライエッチング方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW479446B (en) 2002-03-11
WO2001036181A1 (en) 2001-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107073891B (zh) 硅烷偶联剂层层叠高分子膜
US5709754A (en) Method and apparatus for removing photoresist using UV and ozone/oxygen mixture
JPWO2016031746A6 (ja) シランカップリング剤層積層高分子フィルム
JP2006049892A (ja) 真空蒸着によって金属メッキ層を形成するフレキシブル回路基板用積層構造体の製造方法およびその装置
US8088294B2 (en) Method for manufacturing printed circuit boards
KR19990044727A (ko) 박막형성처리장치내의 부착금속막의 클리닝 방법
JPWO2011024777A1 (ja) 真空処理装置及び真空処理方法
JP4536309B2 (ja) 樹脂フィルムの乾式エッチング方法及びその装置
JP2009535513A (ja) ウェブシール装置
JP2003051493A (ja) プラズマプロセス装置
JPWO2019135367A1 (ja) スティフナー
JP2007120777A (ja) 2層フレキシブル基板用樹脂フィルムの乾燥保管方法及び加熱乾燥装置
JP4486373B2 (ja) ラミネート方法およびその方法を用いたラミネート装置
US20020129900A1 (en) Method for processing specimens, an apparatus therefor and a method of manufacture of a magnetic head
WO2019156005A1 (ja) 薄膜形成方法、薄膜形成装置及びリチウム電池
JP6550964B2 (ja) 光処理装置およびその製造方法
KR900002403A (ko) 비정질 탄소 지지막을 이용한 x-선 리소그라피 마스크의 제조방법
JP4546032B2 (ja) プラズマ処理装置及び方法
CN109689927A (zh) 成膜装置及成膜方法
JP2002280369A (ja) シリコン基板の酸化膜形成装置及び酸化膜形成方法
JP4495471B2 (ja) エッチング方法
JPH01211921A (ja) ドライエッチング装置
JP2021179005A (ja) ナノ炭素材料の連続製造装置及びナノ炭素材料の連続製造方法
JP6547089B1 (ja) 薄膜形成方法、薄膜形成装置及びリチウム電池
JP4783524B2 (ja) 巻取り式ドライエッチング方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100616

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees