JP4535469B2 - 二酸化チタン含有樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、特定の二酸化チタン顔料を用いることにより着色、色別および遮光性等を付与された樹脂組成物の、表面外観および印刷、塗装性に優れる樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジニアリングプラスチックは、金属代替機能材料として開発され、電気電子部品、自動車用部品、家電、OA、通信機器材料として、それぞれの樹脂の特性を生かし採用されている。
なかでもポリフェニレンエーテル樹脂は機械的特性、電気的特性、耐酸、耐アルカリ性、耐熱性等に優れしかも吸水性が低く寸法安定性が良いなどの性質を備えており、電気・電子部品、コンピュータやワープロなどのOA機器のハウジング、シャーシ材料などとして幅広く利用されている。
【0003】
エンジニアリングプラスチックの使用にあったては、ほとんどの場合において着色されて用いられる。また着色にあたっては、どの様な色の場合においても、二酸化チタン顔料を用いて下地色を作る事が多い。
特に、ポリフェニレンエーテル樹脂を含む樹脂組成物の着色では、ポリフェニレンエーテル樹脂のナチュラル色が黄味を帯びているため、無色および白色の他の樹脂に比べ使用する二酸化チタン顔料の量が多くなる傾向にある。
【0004】
さらに二酸化チタン顔料は、樹脂組成物の判別、色別のほか、遮光性等の特性の付与を目的としても用いられている。遮光性の付与を目的とする場合においては、さらに多くの使用量を必要とする。
しかしながら、着色や、遮光性の付与を目的として熱可塑性のエンジニアリングプラスチック、特にポリフェニレンエーテル樹脂を含む樹脂組成物と二酸化チタン顔料を混合した樹脂組成物は、近年のさらなる生産性向上の要求により、射出成形速度の大幅な向上あるいは成形温度のさらなる高温化が求められているが、さりとて必然的に伴う成形品表面の肌荒れ、シルバーストリークス、表面剥離等の不良現象は好ましいものではない。また、精密成形品開発の観点からは、射出成形のゲート跡を極力隠蔽するため、ゲートサイズを極小化する傾向にあるが表面外観には悪い影響を与える方向である。さらに、形状が複雑あるいは薄肉に設計された製品、または「勘合」を考慮した製品の場合も表面外観不良が発生し易く問題となっている。あるいはまた、成形体の印刷、メッキ、塗装等、高付加価値化のための二次加工処理ももとめられており、成形品に外観不良はやはり好ましいものではない
プラスチック製品のシルバーや剥離といった問題に関しては、これまで樹脂組成物の揮発分の低減、添加物の相溶性向上等、種々の改良が行われているが、二酸化チタンを用いて着色、遮光性付与を目的とした樹脂組成物での問題解決には至っていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は二酸化チタン顔料により熱可塑性のエンジニアリングプラスチックの着色、色別および遮光性の付与を行った樹脂組成物につき、表面外観および印刷、塗装性に優れる二酸化チタン含有樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく、二酸化チタン顔料と熱可塑性のエンジニアリングプラスチックについて鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、(A)ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物であり、その混合割合が40/60〜99/1wt%である熱可塑性のエンジニアリングプラスチック100重量部と、(B)無機表面処理剤としてのAl23 含有量が二酸化チタンに対し0.1〜2.0wt%であるルチル型二酸化チタン顔料5〜100重量部とよりなり、表面外観および印刷、塗装性に優れる二酸化チタン含有樹脂組成物である。
【0007】
本発明の(A)成分として用いる熱可塑性のエンジニアリングプラスチックとは、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物である。
【0008】
本発明の(A)成分の熱可塑性のエンジニアリングプラスチックとして、用いることが出来るポリフェニレンエーテル樹脂とは、一般式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し単位を有するポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体あるいは共重合体である。
【0009】
【化1】
Figure 0004535469
【0010】
(ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6は独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素を表す。但し、R1とR2、R5とR6は同時に水素ではない。)
ポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
【0011】
この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが特に好ましい。
ポリフェニレンエーテル共重合体とは、フェニレンエーテル構造を主単量単位とする共重合体である。その例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体あるいは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等がある。
【0012】
本発明に用いるポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体あるいは共重合体の製造方法は特に限定されるものではないが例えば米国特許4,788,277号明細書(特願昭62−77570号公報)に記載されている方法に従って、ジブチルアミンの存在下に、2,6−キシレノールを酸化カップリング重合して製造することができる。また、分子量および分子量分布も本発明の要件を満たす限り、特に限定されるものではないが、30℃クロロホルム溶媒下での還元粘度が0.3〜0.7デシリットル/gのものが好ましく用いられる。0.3デシリットル/g未満の還元粘度のものでは熱安定性が悪くなる傾向があり、また0.7デシリットル/gを越える還元粘度のものでは成形加工性が損なわれる傾向がある。
【0013】
また、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂中には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフェニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提案されている他の種々のフェニレンエーテルユニットを部分構造として含んでいても構わない。少量共存させることが提案されているものの例としては、特願昭63−12698号公報及び特開昭63−301222号公報に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等が挙げられる。
【0014】
また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中にジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。
さらに、ポリフェニレンエーテル樹脂には、一般にガラス繊維、炭素繊維等の繊維状補強剤との密着性を改良するためなどに用いられる下記のα, β不飽和カルボン酸またはその無水物等により変性されたポリフェニレンエーテル樹脂も含むことができる。
【0015】
α, β不飽和カルボン酸またはその無水物の例として、特公昭49−2343号公報、特公平3−52486号公報等に記載される無水マレイン酸、フタル酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸、無水ハイミツク酸、5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボン酸あるいはマレイン酸、フマル酸等が挙げられ、これらに限定されるものではないが、無水マレイン酸が特に好ましい。
【0016】
無水マレイン酸等のα, β不飽和カルボン酸またはその無水物とポリフェニレンエーテル樹脂との反応は、有機過酸化物の存在下または非存在下で両者を混合しポリフェニレンエーテル樹脂のガラス転移温度以上の温度まで加熱することによって製造できる。
本発明の二酸化チタン含有樹脂組成物を製造する際には、あらかじめ無水マレイン酸等のα, β不飽和カルボン酸またはその無水物を結合したポリフェニレンエーテル樹脂を用いても良いし、二酸化チタン含有樹脂組成物を製造する際に同時に、無水マレイン酸等のα, β不飽和カルボン酸またはその無水物を添加することによりポリフェニレンエーテル樹脂と反応させる方法でも良い。
【0017】
さらに、ポリフェニレンエーテル樹脂としては、エチレン性不飽和化合物により変性されたポリフェニレンエーテル樹脂を含むことが出来る。
本発明においては二酸化チタン含有樹脂組成物中のポリフェニレンエーテル樹脂の含量を多く含ませたり、無機充填剤を多く含ませると成形加工性が悪くなる傾向にあるが、該エチレン性不飽和化合物により変性されたポリフェニレンエーテル樹脂または二酸化チタン含有樹脂組成物は、成形流動性および成形加工時の変色抑制による製品着色性に優れるため、好適に用いることができる。
【0018】
エチレン性不飽和化合物の例として、アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソデシル、ラウリル、ラウリルートデシル、トリデシル、セチル−ステアリル、ステアリル、シクロヘキシル、ベンジルエステル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソデシル、ラウリル、ラウリルートデシル、トリデシル、セチル−ステアリル、ステアリル、シクロヘキシル、ベンジルエステル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、メチルスチレン、スチルベン、ケイ皮アルコール、ケイ皮酸ニトリル、4−ビニルピリジン等が挙げられる。これらに限定されるものではないが、なかでもアクリル酸ステアリルおよび/またはスチレンを用いた場合が最も好ましい。
【0019】
エチレン性不飽和化合物はポリフェニレンエーテル樹脂100重量%に対して、0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の割合で配合される。0.1重量%より少ないと成形流動性、着色性等の効果が小さくなり、15重量%より多すぎると耐熱性の低下が大きくなり好ましくない。
アクリル酸ステアリル等のエチレン性不飽和化合物とポリフェニレンエーテル樹脂との反応は、有機過酸化物の存在下または非存在下で両者を混合しポリフェニレンエーテル樹脂のガラス転移温度以上の温度まで加熱することによって製造できる。
【0020】
本発明の二酸化チタン含有樹脂組成物を製造する際には、あらかじめエチレン性不飽和化合物を結合したポリフェニレンエーテル樹脂を用いても良いし、二酸化チタン含有樹脂組成物を製造する際に同時にアクリル酸ステアリル等のエチレン性不飽和化合物を添加することによりポリフェニレンエーテル重合体と反応させる方法でも良い。
【0021】
本発明においてポリフェニレンエーテル樹脂は他の樹脂と混合して用いることが出来る。混合して用いることの出来る樹脂としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂である。
ポリスチレンとゴム変性ポリスチレンが特に好ましい。ポリスチレン系樹脂とは、一般式(c)
【0022】
【化2】
Figure 0004535469
【0023】
(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級アルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数である。)で表される芳香族ビニル系単量体単位50重量%以上から構成される単独重合体あるいは共重合可能な他のビニル系単量体またはゴム質重合体との共重合体である。
【0024】
これら単独重合体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。また、芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他の化合物としてはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル化合物類、無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、またゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムあるいは部分水添共役ジエン系ゴムあるいは共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。
【0025】
本発明において、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン、ゴム変性ポリスチレンのポリスチレン系樹脂は任意の割合で混合することが出来るが、通常その混合比率はポリフェニレンエーテル樹脂99〜1重量部に対してポリスチレン系樹脂1〜99重量部であり、好ましくは、ポリフェニレンエーテル樹脂40〜99重量部に対してポリスチレン系樹脂60〜1重量部である。
【0037】
本発明の(B)成分に用いる二酸化チタンとは、無機表面処理剤としてのAl23 含有量が0.1〜2.0wt%であるルチル型結晶構造を有する二酸化チタン顔料である。一般的に樹脂の顔料として用いられる二酸化チタン顔料は、その結晶形態によりルチルとアナターゼ型の二種類に分けられるが、耐候性(黄変)を改良する目的で一般にAl23 やSiO2 などの無機処理剤が二酸化チタンに対して2〜5wt%コーティングされている。
【0038】
本発明に用いられる二酸化チタンはルチル型顔料であり、かつAl2 3 含有量は、0.1〜2.0wt%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.8wt%である。Al2 3 含有量が2.0wt%より多いと本発明の効果を得ることが難しくなり好ましくなく、0.1wt%より少ない場合には耐候性(黄変)が悪化し好ましくない。該無機処理剤の処理方法は、湿式処理、乾式処理の方法があるが、本発明に用いる二酸化チタン顔料の無機処理法は、乾式処理で行われることが好ましい。さらに二酸化チタン顔料の粒子径は、何れのものでも構わないが顔料として一般的な大きさである0.1〜0.4μmのものが好ましい。
【0039】
本発明の組成物には、他の添加剤、例えば、耐衝撃性付与剤、可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、離型剤、滑剤等を添加することができる。
耐衝撃性付与剤としては、複合ゴム系グラフト共重合体、アクリル酸エステル系コア−シェル型ポリマー、水添ブロック共重合体、ブロック共重合体を単独でまたは組み合わせて使用することが出来る。複合ゴム系ブロック共重合体としては、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートからなる複合ゴムに芳香族ビニル化合物およびまたはシアン化ビニル化合物をグラフト重合してなるグラフト共重合体である。アクリル酸エステル系コア−シェル型ポリマーとは、アクリル酸エステル系ゴムをコアとし、1種以上のビニル化合物重合体をシェルとしたコア−シェル型ポリマーである。ブロック共重合体としては、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックXおよび共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックYとからなるブロック共重合体であり、これに水素添加反応して得られるものが水添ブロック共重合体である。各部ブロックの結合形式は、例えばX−Y、X−Y−X、X−Y−X−Y、(X−Y−)4 −Si、X−Y−X−Y−Xなどである。
【0040】
安定剤としては、亜リン酸エステル類、ヒンダードフェノール類、アルカノールアミン類、酸アミド類、ジチオカルバミン酸金属塩類、無機硫化物、金属酸化物類の中から単独でまたは組み合わせて使用することができる。
難燃剤としては、芳香族リン酸エステル、赤燐、芳香族ハロゲン化合物、三酸化アンチモン等が特に有効である。
【0041】
本発明を構成する各成分を混合する方法は通常公知の方法が用いられ、例えば、押出機、加熱ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等を使用することが出来る。
本発明の成形体を成形する方法は、通常公知である加熱圧縮成形、溶融射出成形等の手法をとることが出来るが、溶融射出成形の加熱加工温度が270℃以上において金型ゲート部の最小部断面積が4mm2 以下の場合、およびまたは得られる成形体の最小肉厚部の厚みが1mm以下の場合、従来の二酸化チタン含有樹脂組成物と比べ著しく表面外観が改良された成形体を得ることが出来る。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
成分(A)熱可塑性のエンジニアリングプラスチック
A−1 :2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.50のポリ フェニレンエーテル樹脂。(以下PPEと略称する。)
A−2 :2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度0.50のポリ フェニレンエーテル100重量部に対して、アクリル酸ステアリル2 重量部を320℃に設定したベントポート付き二軸押出機(PCM−30;池貝鉄工株式会社)を用いて溶融混練しアクリル酸ステアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂(以下SA−PPEと略称する。)
A−3 :ポリアミド樹脂 ナイロン−6(宇部興産株式会社製、商品名、宇部ナイロン6 1022B)
A−4 :ポリカーボネート樹脂(以下PCと略称する。)(三菱瓦斯化学株式会社製、商品名、ユーピロンE−2000)
成分(B)
B−1 :無機処理剤としてAl2 3 含有量が0.5wt%である二酸化チ タン顔料(Tioxide Japan社製 商品名 HT5G)
B−2 :無機処理剤としてAl2 3 含有量が1.8wt%である二酸化チ タン顔料(Tioxide Japan社製 商品名 TR23)
B−3 :無機処理剤としてAl2 3 含有量が3.5wt%である二酸化チ タン顔料(Tioxide Japan社製 商品名RTC−30)
その他の成分
C−1 :ポリスチレン(以下GPPSと略称する。)(旭化成工業株式会社)製 商品名、旭化成ポリスチレン685)
C−2 :ゴム変性ポリスチレン(以下HIPSと略称する。)(旭化成工業 株式会社製、商品名、旭化成ポリスチレン494)
C−3 :ABS樹脂 平均粒子径0.30μmであるブタジエンラテックス750重量部(ゴム換算40重量%)および乳化剤(不均化ロジン酸カリウム)1重量部を重合槽に仕込み、拡散しながら窒素気流中で70℃に昇温し、これにアクリロニトリル200重量部、スチレン500重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.8重量部、t−ドデシルメルカプタン0.7重量部の混合液と蒸留水500重量部にソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート1.0重量部、硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H 2 O)0.10重量部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.2重量部を溶解させた水溶液を6時間にわたって添加することにより重合を行った。添加終了後、さらに2時間撹拌継続し重合を終えた。重合率は94%であった。生成したグラフト共重合体ラテックスは、希硫酸水溶液で凝固した後、洗浄、脱水、乾燥して白色のABS樹脂を得た。
C−4 :水添ブロック共重合体(以下HTRと略称する。) ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量35%、数平均分子量180000、分子量分布1.05、水素添加前のポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が40%、ポリブタジエン部の水素添加率が99.9%の水添ブロック共重合体。
C−5 :無水マレイン酸(以下MAHと略称する。)
本実施例中の特性値は下記の方法により測定した。
<成形品のシルバーストリークスの評価>
270〜310℃に設定されたスクリューインライン型射出成形機を用い、次の2種類の金型により、以下の基準でシルバーストリークスを評価した。
【0043】
○:無しまたはほとんど無し
△:成形品表面積の半分以下発生
×:成形品表面積の半分以上発生
屋根型金型:3点ゲート
ゲートサイズ 0.7mmφ(断面積0.385mm2
金型温度 80℃
平板金型 :1点ゲート
ゲートサイズ 2.5mmφ(断面積4.91mm2
金型温度 80℃
金型肉厚 0.8mm
<印刷品の剥離性の評価>
270〜310℃に設定されたスクリューインライン型射出成形機を用い、シルバーストリークスの評価で用いた平板金型で得た平板表面を、印刷後(インク:ゼンテックス 大同インク株式会社製)斜め45度のNTカッタークロスラインを施した。日東電工株式会社製 No.336Tテープを密着貼り付けし、125℃、6時間熱エージングを行ったあと、90度ピールにより剥離試験を実施した。
【0044】
○:剥離無しまたはほとんど無し
△:成型品表面積の半分以下剥離
×:成型品表面積の半分以上剥離
【0045】
【実施例1】
(A)成分、PPE(A−1)60重量部、(B)成分の二酸化チタン顔料(B−1)30重量部、その他の成分としてGPPS(C−1)及びHIPS(C−2)各20重量部を、320℃に設定したベントポート付き二軸押出機(PCM−30;池貝鉄工(株))を用い、溶融混練して二酸化チタン含有樹脂組成物をペレットとして得た。評価試験結果を表1に示す。
【0046】
【実施例2】
(A)成分、PPE(A−1)をSA−PPE(A−2)に代えた他は実施例1と同様にして、二酸化チタン含有樹脂組成物をペレットとして得た。評価試験結果を表1に示す。
【0047】
【実施例3】
(A)成分PPE(A−1)45重量部、(B)成分の二酸化チタン顔料(B−1)5重量部、その他の成分としてGPPS(C−1)及びHIPS(C−2)各25重量部、HTR(C−4)5重量部を、実施例1と同様の方法にて二酸化チタン含有樹脂組成物をペレットとして得た。評価試験結果を表1に示す。
【0048】
参考例1
(A)成分、PPE(A−1)30重量部、ナイロン−6(A−3)70重量部、(B)成分の二酸化チタン顔料(B−1)5重量部、その他の成分と
してMAH0.5重量部を、実施例1と同様の方法にて二酸化チタン含有樹脂組成物をペレットとして得た。評価試験結果を表1に示す。
【0049】
参考例2
(A)成分、PC(A−4)100重量部、(B)成分の二酸化チタン顔料(B−1)5重量部を、実施例1と同様の方法にて二酸化チタン含有樹脂組成物をペレットとして得た。評価試験結果を表1に示す。
【0050】
参考例3
(A)成分、PC(A−4)60重量部、(B)成分の二酸化チタン顔料(B−1)5重量部、その他の成分としてABS樹脂(C−3)40重量部を、実施例1と同様の方法にて二酸化チタン含有樹脂組成物をペレットとして得た。評価試験結果を表1に示す。
【0051】
【実施例7】
実施例1中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−2)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表2に示す。
【0052】
【実施例8】
実施例2中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−2)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表2に示す。
【0053】
参考例4
参考例1中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−2)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表2に示す。
【0054】
参考例5
参考例2中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−2)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表2に示す。
【0055】
【比較例1】
実施例1中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−3)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表3に示す。
【0056】
【比較例2】
実施例2中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−3)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表3に示す。
【0057】
【比較例3】
実施例3中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−3)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表3に示す。
【0058】
【比較例4】
実施例4中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−3)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表3に示す。
【0059】
【比較例5】
実施例5中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−3)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表3に示す。
【0060】
【比較例6】
実施例6中の(B)成分、二酸化チタン顔料(B−1)を(B−3)へ代える他は実施例1と同様の操作により二酸化チタン含有樹脂組成物を得た。評価試験結果を表3に示す。
【0061】
【表1】
Figure 0004535469
【0062】
【表2】
Figure 0004535469
【0063】
【表3】
Figure 0004535469
【0064】
【発明の効果】
本発明の組成物、及び成形体は、従来の二酸化チタン含有樹脂組成物と比較し、著しく表面外観および印刷、塗装性が改良され、近年のエンジニアリングプラスチック成形加工の厳しい条件にも耐え得る産業上有用なものである。

Claims (7)

  1. (A)ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物であり、その混合割合が40/60〜99/1wt%である熱可塑性のエンジニアリングプラスチック100重量部と、(B)無機表面処理剤としてのAl23含有量が二酸化チタンに対し0.1〜2.0wt%であることを特徴とするルチル型二酸化チタン5〜100重量部とからなる樹脂組成物。
  2. 無機表面処理剤としてのAl23 含有量が二酸化チタンに対し0.5〜2.0wt%である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. (A)熱可塑性のエンジニアリングプラスチックが、ポリフェニレンエーテル樹脂をエチレン性不飽和化合物により変性されたポリフェニレンエーテル樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. エチレン性不飽和化合物がアクリル酸ステアリルまたはスチレンであることを特徴とする請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 270℃以上の樹脂温度で成形されることを特徴とする請求項1〜4記載の樹脂組成物より得られる成形体。
  6. ゲート断面積が4mm2 以下で射出成形されることを特徴とする請求項1〜5記載の樹脂組成物より得られる成形体。
  7. 成形体の最小肉厚が1mm以下であることを特徴とする請求項1〜6記載の樹脂組成物より得られる成形体。
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