JP4534973B2 - 窓曇り検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、窓曇り検出装置に関するもので、車両用空調装置の制御に用いて好適なものである。
従来、車両用の窓曇り検出装置は主に次の2つに分類できる。第1は、ガラス温度とその周辺空気の露点温度との比較から窓曇りを推定する方式(以後湿度検出方式と呼ぶ)である。ここで、露点温度は、車室内に設置された湿度センサの出力と空気温度センサの出力とから計算式で求める。ガラス温度は、ガラス内面に配置された温度センサにて接触検出する方式、赤外線センサで非接触検出する方式、車外温度・車速・車室内温度などから計算式で推定する方式等がある。
このような湿度検出方式の中には、ガラス温度と露点温度とを比較するのでなく、室内空気の相対湿度を、ガラス温度における相対湿度(以後、ガラス表面相対湿度と呼ぶ)に換算して、曇り判定をしているものもあり、以下この方式で説明を進める。
第2は、光学センサによりガラス内面に生じた曇りを非接触に検出する方式(以後、光学方式と呼ぶ)である。この光学方式は、受光素子および発光素子を備え、窓曇りによる直接反射光の低減を検知するもの(例えば、特許文献1参照)と、窓曇りによる散乱反射光の増加を検知するもの(例えば、特許文献2、3参照)がある。さらに、光学方式の中には画像処理により曇りが生じたことを判定する方式もある(例えば、特許文献4参照)。
これらの従来技術において、窓曇り検出の狙いは次の3つの効果a〜cを発揮することにある。
(a)空調用冷凍サイクルの除湿運転(圧縮機の運転)を車両の窓が曇らない範囲で低減し、それによって、除湿運転の稼働率を低減して圧縮機動力の低減を図る。これは、圧縮機を駆動する車両エンジンの燃費低減に貢献できる。
(b) 車両の窓曇り判定を行って、車両用空調装置の窓曇り防止性能を高める制御を行うことにより、車両の窓曇りを防止する。
(c)冬期の低温時には、車両用空調装置における吸い込み空気の内気比率を窓が曇らない範囲で増大することにより、換気熱損失を低減して暖房性能を向上する。
特開昭59−108939号公報 特開2000−296762号公報 特開平5−294139号公報 特開2004−212404号公報
ところで、前者の湿度検出方式では、湿度センサの検出精度のばらつきと耐久劣化があるため、窓曇りが生じないように制御するためには、窓の曇り判定において湿度センサの出力値に対して大きな安全率を設定する必要がある。この結果、上記aの圧縮機動力の低減効果および上記cの換気熱損失低減効果を十分発揮できない。
また、後者の光学方式では、湿度検出方式に比較して検出精度が高いので、窓の曇り判定の安全率を大きくする必要がなく、上記a、cの各効果を十分に発揮できるが、その反面、窓ガラスのうちセンサを設置した部位の曇りしか検出しないので、センサ設置部位以外の領域では窓曇りが発生するリスクがある。また、窓曇りが発生し始める位置は車両により異なるため、センサ設置部位を車両開発時に決める適合作業が煩雑となるなどの不具合がある。
本発明は上記点に鑑みて、光学方式の窓曇り検出装置における曇り検出を長期間にわたり精度よく行うことができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、窓ガラス(12)に向けて光を照射する発光素子(15)と、前記窓ガラス(12)からの反射光(B)を受光する受光素子(16)とからなる光学式曇り検出センサと、
前記発光素子(15)からの照射光(A)と前記反射光(B)との比(B/A)に基づいて曇り度合い判定値(Fw)を演算する曇り度合い演算手段(S60a)と、
前記曇り度合い判定値(Fw)に基づいて前記窓ガラス(12)の曇りを判定する曇り判定手段(S70a)と、
前記曇り判定手段(S70a)により前記窓ガラス(12)が曇っていないと判定されたときに、前記曇り度合い判定値(Fw)の演算式を補正する第1補正手段(S140)と、
室内側空気の相対湿度を検出する湿度センサ(17)と、
前記湿度センサ(17)の出力値を演算する湿度演算手段(S20)と、
前記湿度演算手段(S20)の演算値と、前記室内側空気の温度と、前記窓ガラス(12)の温度とに基づいてガラス表面相対湿度(RHw)を演算するガラス表面相対湿度演算手段(20f、S50)と、
前記曇り判定手段(S70a)により前記窓ガラス(12)が曇っていると判定されたときに、前記湿度演算手段(S20)の演算値が前記ガラス表面相対湿度(RHw)=100%における前記室内側空気温度での相対湿度となるように前記湿度演算手段(S20)における湿度演算式を補正する第2補正手段(S90)とを具備し、
前記曇り度合い演算手段(S60a)は、前記窓ガラス(12)が曇っていない状態では前記曇り度合い判定値(Fw)として1もしくは1近傍の値を演算し、
前記曇り判定手段(S70a)は、1よりも小さい所定のしきい値を設定し、前記曇り度合い判定値(Fw)が前記しきい値よりも減少すると前記窓ガラス(12)の曇りを判定し、
前記第1補正手段(S140)は、前記曇り判定手段(S70a)により前記窓ガラス(12)が曇っていないと判定されたときに、前記曇り度合い判定値(Fw)が1もしくは1近傍の値となるように前記曇り度合い判定値(Fw)の演算式を補正することを特徴としている。
これによると、曇り度合い演算手段(S60a)は、発光素子(15)からの照射光(A)と反射光(B)との比(B/A)に基づいて曇り度合い判定値(Fw)を演算し、窓ガラス(12)が曇っていない状態では、曇り度合い演算手段(S60a)は曇り度合い判定値(Fw)として1もしくは1近傍の値を演算する。
そして、上記曇り度合い判定値(Fw)に基づいて窓ガラス(12)の曇りを判定する曇り判定手段(S70a)は、1よりも小さい所定のしきい値を設定し、曇り度合い判定値(Fw)がこの1よりも小さい所定のしきい値よりも減少すると窓ガラス(12)の曇りを判定する。
第1補正手段(S140)は、曇り判定手段(S70a)により窓ガラス(12)が曇っていないと判定されたときに、曇り度合い判定値(Fw)が1もしくは1近傍の値となるように曇り度合い判定値(Fw)の演算式を補正する。
このように曇り度合い判定値(Fw)の演算式を補正するから、窓ガラス(12)が曇っていないと判定されたときに発光素子(15)自身の耐久劣化、あるいはタバコの脂等の付着による窓ガラス反射面の汚れ等が発生していても、これらの誤差要因を解消した状態に曇り度合い判定値(Fw)を正規化できる。
その結果、発光素子(15)の耐久劣化による照射光(A)の減少、窓ガラス反射面の汚れによる反射光(B)の減少等の影響を受けることなく、光学式曇り検出精度を長期間にわたって良好に維持できる。
さらに、請求項1に記載の発明では、室内側空気の相対湿度を検出する湿度センサ(17)と、
前記湿度センサ(17)の出力値を演算する湿度演算手段(S20)と、
前記湿度演算手段(S20)の演算値と、前記室内側空気の温度と、前記窓ガラス(12)の温度とに基づいてガラス表面相対湿度(RHw)を演算するガラス表面相対湿度演算手段(20f、S50)と、
前記曇り判定手段(S70a)により前記窓ガラス(12)が曇っていると判定されたときに、前記湿度演算手段(S20)の演算値が前記ガラス表面相対湿度(RHw)=100%における前記室内側空気温度での相対湿度となるように前記湿度演算手段(S20)における湿度演算式を補正する第2補正手段(S90)とを具備している。
ところで、窓ガラス(12)が曇るときは、窓ガラス(12)の表面相対湿度(RHw)が100%に到達しているときである。そして、窓ガラス(12)の曇りは光学式曇り検出センサ(15、16)の出力値に基づいて正確に判定できる。
従って、請求項1に記載の発明によると、このガラス表面相対湿度(RHw)=100%を基準として第2補正手段(S90)にて湿度演算式を補正することにより湿度センサ(17)の計測ばらつきや耐久劣化を的確に自己補正することができる。その結果、計測ばらつきや耐久劣化の影響を排除して、室内側空気の湿度検出を長期間にわたり精度よく行うことができる。
そして、室内側空気の湿度を精度よく検出できるため、窓ガラスの曇り有無に直結する窓ガラス表面相対湿度(RHw)をガラス表面相対湿度演算手段(20f、S50)にて精度よく演算できることになり、この結果、窓ガラス表面相対湿度の演算値を用いて空調の防曇制御を的確に実行できる。
なお、光学方式のみによると、窓ガラスのうちセンサを設置した部位の曇りしか検出できないという不具合があるが、請求項1に記載の発明は窓ガラス表面相対湿度(RHw)を演算できるので、湿度検出方式の窓曇り検出装置を構成することができる。そのため、光学方式のみによる上記不具合が発生せず、窓ガラス全域の窓曇りを適切に検出できる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の窓曇り検出装置において、前記光学式曇り検出センサの周囲温度が所定温度以下であるか判定する周囲温度判定手段(S110)を具備し、
前記周囲温度が所定温度以下であるときのみ、前記光学式曇り検出センサを作動状態にして、前記曇り度合い判定値(Fw)を演算することを特徴とする。
ここで、所定温度とは窓ガラスの曇りが発生しない程度の高温域の温度であって、具体的には、例えば、35℃程度の温度である。
請求項によると、周囲温度が所定温度以下であるとき(低温時)のみに曇り判定を行うから、発光素子(15)の輝度が高温時に低下して反射光が減少するという温度特性の影響を受けない。
また、周囲温度が所定温度以下の低温時のみに光学式曇り検出センサを作動状態にするから、発光素子(15)の高温劣化を抑制できるとともに、発光素子(15)の累計使用時間を低減して、発光素子(15)の耐久寿命を延ばすことができる。
しかも、周囲温度が上記所定温度よりも高い高温時には窓ガラスの曇りが生じないから、高温時に曇り判定を停止しても実用上支障はない。
請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の窓曇り検出装置において、前記窓ガラス(12)が曇っていないと判定されたときに、前記曇り度合い判定値(Fw)の演算式補正の前回の実行時期から所定期間経過したときのみ、前記曇り度合い判定値(Fw)の演算式の補正を行うことを特徴とする。
ところで、タバコの脂等が付着して窓ガラス反射面が汚れる現象や発光素子(15)の耐久劣化は、時間をかけて非常にゆっくり進行する。
そこで、請求項では演算式補正の前回の実行時期から所定期間(例えば30日)経過したときのみ、次回の演算式の補正を行うことにより、演算式補正を不必要に頻繁に行うことを防止できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
第1実施形態は窓曇り検出装置と、この窓曇り検出装置を用いた車両用空調装置に関するもので、図1は本実施形態による窓曇り検出装置を車両の窓ガラスの内面に装着した状態を示す概略断面図で、図2は図1の概略斜視図である。図3は第1実施形態における電気制御のシステム構成図である。
最初に、図1、図2に基づいて窓曇り検出装置部分の具体例を説明する。窓曇り検出装置10は、樹脂等により成形されたケース11を有している。このケース11は高さの低い薄型の直方体状であって、底面部は全面的に開口した形状になっている。
ケース11の前面および背面の壁面には凸形状の開口部11aを形成している。この前面および背面の開口部11aによりケース11の内部空間が周辺の空間、すなわち、車室内空間に常時連通するようになっている。ケース11の前面および背面の壁面のうち、開口部11aの左右両側部分は窓ガラス12の内面12aへの取付ステー部11bを構成する。
窓ガラス12は本例では車両の前面(フロント)ガラスであり、図1の上面側が車室内に面する内面12aであり、図1の下面側が車室外に面する外面12bである。従って、図2は窓ガラス12の内面12aを図示している。取付ステー部11bの下端面には遮光フィルム13が貼り付けられ、さらに、遮光フィルム13が窓ガラス12の内面12aに貼り付けられる。
遮光フィルム13はアルミニウムのような熱伝導率の高い金属遮光材料からなる薄膜状部材であって、窓ガラス12を通過して光がケース11内部へ入射されることを防止するものである。なお、遮光フィルム13は取付ステー部11bの下端面および窓ガラス12の内面に対して接着等の手段で貼り付ければよい。
ケース11の内部空間において開口部11aの上端部と上側壁面11cとの間に回路基板14が窓ガラス12の面と平行に配置され、図示しない取付手段にて回路基板14はケース11の内壁面に固定される。回路基板14は絶縁基板上に導体回路部を構成する一般にプリント基板と称される部材であり、以下述べるセンサ類および回路部が実装される。
回路基板14のうち、窓ガラス12側の表面(図1の下側面)には、発光素子15、受光素子16、湿度センサ17、空気温度検出用温度センサ18、増幅器19、演算回路20、および通信回路21が実装されている。
なお、湿度センサ17と温度センサ18は回路基板14の長手方向(図1、2の左右方向)の中央部に配置され、開口部11aの上端部付近、すなわち、車室内空間への連通部位に配置されている。このため、湿度センサ17と温度センサ18は車室内の窓ガラス内面付近の空気の代表的な湿度と温度を検出できる。
遮光フィルム13のうちセンサ側の表面の1箇所にガラス温度検出用の温度センサ23が一体化して配置される。遮光フィルム13は上述のように熱伝導率の高い薄膜状部材であるから、窓ガラス12の車室内側表面温度(内面温度)とほぼ同一の温度になっている。
なお、本例では、湿度センサ17として、感湿膜の誘電率が空気の相対湿度に応じて変化し、それにより、静電容量が空気の相対湿度に応じて変化する容量変化型のものを用いている。また、温度センサ18、23としては温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタを用いている。また、発光素子15として発光ダイオードを用い、受光素子16としては受光量に応じて出力電流が変化するホトダイオードを用いている。
この受光素子16を構成するホトダイオードは、受光量の増加により出力電流が増加する特性を有している。窓ガラス、より具体的には、遮光フィルム13上に曇りが発生すると、この曇りの水滴により散乱光が発生してホトダイオードへ向かう反射光が減少するので、ホトダイオードの受光量が減少してホトダイオードの出力電流が減少する。
発光素子15の光出口部にはレンズ22が配置されている。このレンズ22は、発光素子15からの光が遮光フィルム13の表面で反射して受光素子16に到達するに際して、この反射光が受光素子16で焦点を結ぶように集光するものである。また、受光素子16の入口側にはフィルタ24が配置されている。このフィルタ24は、発光素子15の発する光線の波長域周辺の光だけを通すものである。
なお、遮光フィルム13のうちセンサ側の表面(図1の上側面)には光沢を付けて、遮光フィルム13の光反射率を高めるようにしてある。これにより、遮光フィルム13表面における曇り発生の有無によって受光素子16に向かう光反射量に大きな差が生じるようにして、曇り検出がし易いようになっている。
リード線25はケース11の内部空間からケース11の外部へ取り出される電源線および通信線であり、回路基板14の電気回路部(増幅器19、演算回路20、および通信回路21)と、外部回路(後述の図4の空調制御装置26、車両電源等)との間を電気的に接続するものである。
前述したケース11の取付ステー部11bは、回路基板14および回路基板14上に実装される各種センサ類と窓ガラス12の内面12aとの間隔を規定する位置決め手段としての役割を果たす。
次に、図3により電気制御のシステム構成を説明すると、上記受光素子16および各センサ17、18、23の出力信号をそれぞれ増幅器19a〜19dで増幅して各演算回路20a〜20dに加える。
そして、曇り判定演算回路20aの演算値に基づいて湿度演算式の補正を行う演算式補正回路20eと、相対湿度演算回路20bの演算値、空気温度演算回路20cの演算値、およびガラス温度演算回路20dの演算値に基づいてガラス表面相対湿度を演算するガラス表面相対湿度演算回路20fが設けられ、この演算回路20fの演算値および曇り判定演算回路20aの演算値を通信回路21を通して空調制御装置26に出力するようになっている。
次に、図4により車両用空調装置の全体システムの概要を説明する。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)内側部等に配設される。この室内空調ユニット30はケース31を有し、このケース31内に車室内へ向かって空気が送風される空気通路を構成する。
このケース31の空気通路の最上流部に内外気切替箱32を配置し、内気導入口33および外気導入口34を内外気切替ドア35により切替開閉するようになっている。この内外気切替ドア35はサーボモータ36によって駆動される。
内外気切替箱32の下流側には車室内に向かって空気を送風する電動式の送風機37を配置している。この送風機37は、遠心式の送風ファン37aをモータ37bにより駆動するようになっている。送風機37の下流側には送風空気を冷却する冷房用熱交換器をなす蒸発器38を配置している。
この蒸発器38は、冷凍サイクル装置39を構成する要素の一つであり、低温低圧の冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却する。なお、冷凍サイクル装置39は周知のものであり、圧縮機40の吐出側から、凝縮器41、受液器42および減圧手段をなす膨張弁43を介して蒸発器38に冷媒が循環するように構成されている。凝縮器41には電動式の冷却ファン41aによって室外空気(冷却空気)が送風される。この冷却ファン41aはモータ41bによって駆動される。
冷凍サイクル装置39において、圧縮機40は電磁クラッチ40aを介して車両エンジン(図示せず)により駆動される。従って、電磁クラッチ40aの通電の断続により圧縮機40の作動を断続制御できる。
一方、室内空調ユニット30において、蒸発器38の下流側にはケース31内を流れる空気を加熱するヒータコア44を配置している。このヒータコア44は車両エンジンの温水(エンジン冷却水)を熱源として、蒸発器38通過後の空気(冷風)を加熱する暖房用熱交換器である。ヒータコア44の側方にはバイパス通路45が形成され、このバイパス通路45をヒータコア44のバイパス空気が流れる。
蒸発器38とヒータコア44との間に温度調整手段をなすエアミックスドア46を回転自在に配置してある。このエアミックスドア46はサーボモータ47により駆動されて、その回転位置(開度)が連続的に調整可能になっている。
このエアミックスドア46の開度によりヒータコア44を通る空気量(温風量)と、バイパス通路45を通過してヒータコア44をバイパスする空気量(冷風量)との割合を調節し、これにより、車室内に吹き出す空気の温度を調整するようになっている。
ケース31の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラス12に向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口48、乗員の顔部に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出口49、および乗員の足元部に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口50の計3種類の吹出口が設けられている。
これら吹出口48〜50の上流部にはデフロスタドア51、フェイスドア52およびフットドア53が回転自在に配置されている。これらのドア51〜53は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ54によって開閉操作される。
空調制御装置26は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置26は、そのROM内に空調制御のための制御プログラムを記憶しており、その制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。
空調制御装置26には、上述した検出装置10の演算値が入力される他に、周知の空調用センサ群61〜65からの検出信号、および空調操作パネル70からの各種操作信号が入力される。
空調用センサ群としては、具体的には、外気温(車室外温度)Tamを検出する外気センサ61、内気温(車室内温度)Trを検出する内気センサ62、車室内に入射する日射量Tsを検出する日射センサ63、蒸発器38の空気吹出部に配置されて蒸発器吹出空気温度Teを検出する蒸発器温度センサ64、ヒータコア44に流入する温水(エンジン冷却水)温度Twを検出する水温センサ65等が設けられる。
また、空調操作パネル70には各種空調操作部材として、車室内温度を設定する温度設定手段をなす温度設定スイッチ71、吹出モードドア51〜53により切り替わる吹出モードをマニュアル設定する吹出モードスイッチ72、内外気切替ドア35による内外気吸込モードをマニュアル設定する内外気切替スイッチ73、圧縮機40の作動指令信号(電磁クラッチ40aのON信号)を出すエアコンスイッチ74、送風機37の風量をマニュアル設定する送風機作動スイッチ75、空調自動制御状態の指令信号を出すオートスイッチ76等が設けられる。
空調制御装置26の出力側には、圧縮機40の電磁クラッチ40a、各機器の電気駆動手段をなすサーボモータ36、47、54、送風機37のモータ37b、凝縮器冷却ファン41aのモータ41b等が接続され、これらの機器の作動が空調制御装置26の出力信号により制御される。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。最初に、室内空調ユニット30の作動の概要を説明すると、送風機37を作動させることにより、内気導入口33または外気導入口34より導入された空気がケース31内を車室内に向かって送風される。また、電磁クラッチ40aに通電して電磁クラッチ40aを接続状態とし、圧縮機40を車両エンジンにて駆動することにより、冷凍サイクル装置39内を冷媒が循環する。
送風機37の送風空気は、先ず蒸発器38を通過して冷却、除湿され、この冷風は次にエアミックスドア46の回転位置(開度)に応じてヒータコア44を通過する流れ(温風)とバイパス通路45を通過する流れ(冷風)とに分けられる。
従って、エアミックスドア46の開度によりヒータコア44を通る空気量(温風量)と、バイパス通路45を通過する空気量(冷風量)との割合を調整することにより、車室内に吹き出す空気の温度を調整できる。
そして、この温度調整された空調風が、ケース31の空気通路の最下流部に位置するデフロスタ吹出口48、フェイス吹出口49およびフット吹出口50のうち、いずれか1つまたは複数の吹出口から車室内へ吹き出して、車室内の空調および車両の前面窓ガラス12の曇り止めを行う。
次に、本実施形態による曇り検出装置10の作動を図5に基づいて説明する。図5は、図3の演算回路20により実行される制御ルーチンであり、この制御ルーチンは車両の運転開始または空調装置の運転開始によりスタートし、まず、図3の各センサ16、17、18、23の出力値(実際には増幅器19a〜19dで増幅された出力値)を読み込む(S10)。
次に、湿度センサ17の出力値Vに基づいて窓ガラス付近の車室内空気の相対湿度RHを演算する(S20)。すなわち、湿度センサ17の出力値Vを相対湿度RHに変換するための所定の演算式が予め設定されており、この演算式に出力値Vを適用することにより、相対湿度RHを演算する。下記(1)式は、この湿度演算式の具体例である。
RH=αV+β (1)
但し、αは制御係数で、βは定数である。
次に、空気温度センサ18の出力値を予め設定された所定の演算式に適用することにより、窓ガラス付近の車室内空気温度を演算する(S30)。次に、ガラス温度センサ23の出力値を予め設定された所定の演算式に適用することにより、窓ガラス温度(ガラス室内側表面温度)を演算する(S40)。
次に、上記各ステップS20〜S40で演算された相対湿度RH、空気温度および窓ガラス温度に基づいて、窓ガラス表面相対湿度(窓ガラス室内側表面の相対湿度)RHwを演算する(S50)。すなわち、湿り空気線図を用いることにより、相対湿度RHと空気温度と窓ガラス温度とから窓ガラス表面相対湿度RHwを演算できる。
次に、光学式曇り検出センサを構成する受光素子16の出力値を予め設定された所定の演算式に適用することにより、曇り度合い判定値を演算する(S60)。この曇り度合い判定値は、受光素子16の出力値(生値)を窓ガラスの実際の曇り度合いに適合するように変換した値である。なお、受光素子16の出力値(ホトダイオード出力電流)は前述のように窓ガラスの曇り発生によって減少するという関係がある。そして、曇り度合い判定値は、窓ガラスの曇り度合いの上昇に応じて増大する値、または窓ガラスの曇り度合いの上昇に応じて減少する値となるように演算される。
ところで、本実施形態においては、光学式曇り検出センサを構成する発光素子15を予め設定した所定の時間間隔にてパルス発光させるようにしている。このように、発光素子15をパルス発光させることにより、発光素子15の発熱によるケース11内の温度上昇を抑えることができる。従って、発光素子15の発熱による温度センサ18、23の検出温度等への悪影響を抑えることができる。
次に、上記S60の演算値である曇り度合い判定値に基づいて窓ガラスの曇り有無を判定する(S70)。この判定は、上記ステップS60による曇り度合い判定値が予め設定した所定の速度以上で変化しているかどうかを判定する。
つまり、たばこの脂や細かい塵埃の付着等による窓ガラスの汚れは長時間をかけて極めてゆっくりと進行する。これに反し、窓ガラスの曇りははるかに早い速度で進行する。そこで、本実施形態ではこの点に着目して、ステップS70において上記曇り度合い判定値が予め設定した所定の速度以上で変化している場合、すなわち、曇り度合い判定値の変化速度が所定値以上になった場合を窓ガラスの曇り発生と判定する。
曇り度合い判定値の変化速度は、発光素子15のパルス発光時における所定時間間隔前後での判定値変化割合として求めることができる。
このような曇り判定によれば、たばこの脂や細かい塵埃の付着等による窓ガラスの汚れに起因する窓曇りの誤判定を回避して、窓曇りを正確に判定できる、
ステップS70にて曇りありを判定した場合はステップS80に進み、窓ガラス表面相対湿度RHw=100%とする。つまり、ステップS50にて演算された、湿度センサ出力値等に基づいて演算された窓ガラス表面相対湿度RHwを100%に強制的に置き換える。そして、ステップS90にて上記湿度演算式(1)の自己補正を行う。
ところで、空調制御装置26では、窓ガラス表面相対湿度RHwに基づいて後述の図6以降の防曇制御を行っている。それにも係わらず、窓ガラスの曇りが発生することは、湿度センサ17の出力値に基づいて演算される相対湿度RHが実際の相対湿度よりも小さい側にずれていることになる。
そこで、ステップS90では、上記湿度演算式(1)を相対湿度RHの演算値が大きくなる側へ自己補正する。具体的には、上記湿度演算式(1)のごとく湿度センサ出力値Vと相対湿度RHが、RH=αV+βで表されている場合に、窓ガラス表面相対湿度RHw=100%における空気温度での相対湿度に変換した値を空気湿り線図により求め、これをRH’とする。補正された湿度演算式をRH=αV+β’とすると、
β’=β+(RH’−RH)→β’=β−RH+RH’となる。
このように湿度演算式を補正することにより、ステップS20における次回以降の相対湿度RHの演算処理では、実際の相対湿度に近似した演算処理を行うことができる。
ステップS100では、最終的に得られた窓ガラス表面相対湿度RHwの値を空調制御装置26に出力する。すなわち、窓ガラスの曇り有りと判定されたときは、ステップS80にて置換された窓ガラス表面相対湿度RHw=100%の値を空調制御装置26に出力し、窓ガラスの曇り無しと判定されたときは、ステップS50にて演算された窓ガラス表面相対湿度RHwを空調制御装置26に出力する。また、ステップS100では、窓ガラス表面相対湿度RHwの他に、ステップS60にて演算された曇り度合い判定値も空調制御装置26に出力する。
なお、上記湿度演算式補正の具体例では、定数βを補正する例について説明したが、定数βの代わりに制御係数αを補正してもよく、また、定数βと制御係数αの両方を補正してもよい。
次に、窓ガラス表面相対湿度RHwに基づく空調制御を説明する。図6は空調制御装置26により実行される制御ルーチンであり、まず、図5の制御ルーチンで演算された窓ガラス表面相対湿度RHw、および図5のS70の窓ガラス曇り判定結果を読み込む(S200)。
次に、内外気吸込モードが空調操作パネル70の内外気切替スイッチ73により内気モードにマニュアル設定されていないか判定し(S210)、その判定がNOのときは、図5のS70の曇り判定結果が曇り有無のいずれであるか判定する(S220)。窓ガラスの曇り無しのときは内外気制御指令値Sを算出する(S230)。
ここで、内外気制御指令値Sは図7に示すように空調装置吸い込み空気の内気比率を決める数値であり、図7の例では、S=0のとき内気比率=0%(すなわち、外気:100%の外気モード)とし、S=7のとき内気比率=100%(すなわち、内気モード)とし、S=1からS=7に向かって内気比率が順次増大する。
図8は上記S230の具体例を示す制御ルーチンであり、まず、車速SPDが低速域Aにあるか高速域Bにあるかを図9のマップに基づいて判定する(S300)。そして、車速SPDが高速域Bにあるときは、図10のマップに示すように窓ガラス表面相対湿度RHwに基づいて内外気制御指令値Sを決定する(S310)。
すなわち、窓ガラス表面相対湿度RHwが所定の目標窓ガラス表面相対湿度TRHwよりも上昇すると、S=0(外気モード)とし、そして、窓ガラス表面相対湿度RHwが(TRHw−a)よりも低下するとS=7(内気モード)にする。なお、目標窓ガラス表面相対湿度TRHwは例えば、85%程度の、窓ガラス曇りを十分防止できるレベルの相対湿度である。
一方、車速SPDが低速域Aにあるときは、窓ガラス表面相対湿度RHwに基づいて図11のマップに示す制御モード1、2、3を決定する(S320)。
すなわち、窓ガラス表面相対湿度RHwが所定の目標窓ガラス表面相対湿度TRHw(例えば、85%)よりも上昇すると、制御モード3を決定し、窓ガラス表面相対湿度RHwが目標窓ガラス表面相対湿度TRHwと(TRHw−b)との間にあるときは制御モード2を決定する。さらに、窓ガラス表面相対湿度RHwが(TRHw−b)よりも低下すると制御モード1を決定する。
そして、制御モード1を決定したときは所定時間経過ごとにS=S+1の制御処理を行う(S330)。すなわち、所定時間経過ごとに内外気制御指令値Sの値を「1」づつ増加して、内気比率を所定割合づつ順次増加する制御処理を行う。
また、制御モード2を決定したときは窓ガラス表面相対湿度RHwが目標窓ガラス表面相対湿度TRHw付近にあるため、S=Sの制御処理、すなわち、内外気制御指令値Sの値として、前回算出のSの値を持続する制御処理を行う(S340)。
また、制御モード3を決定したときは所定時間経過ごとにS=S−1の制御処理を行う(S350)。すなわち、所定時間経過ごとに内外気制御指令値Sの値を「1」づつ減少して、内気比率を所定割合づつ減少する制御処理を行う。
なお、図10、図11のa、bは内外気制御のハンチングを防ぐためのヒステリシス幅を設定する所定値である。
再び、図6に戻って、ステップS240では、上記内外気制御指令値Sの値が外気モードの値(S=0)であるか判定する。この判定がNOであるときはステップS250に進み、上記内外気制御指令値Sの値に基づく内気比率となるように内外気切替ドア35の位置(内外気吸込モード)を制御する。
この内外気吸込モード制御において、目標窓ガラス表面相対湿度TRHwは窓ガラスの曇りが生じない上限湿度付近に設定するから、窓ガラスの曇りが生じない範囲で常に内気比率が高くなるように内外気吸込モードを制御できる。これにより、冬期の暖房始動時に内気比率を上昇することにより換気熱損失を低減して、車室内暖房効果の立ち上げを促進できる。
一方、図6のステップS210、S220、S240の判定がYESであるときは、窓ガラスの曇り止めの必要性が高いときであり、この場合はステップS260に進み窓ガラスの防曇制御を行う。
図12はこの防曇制御の具体例を示す制御ルーチンであり、図5のステップS70の曇り判定結果が曇り有無のいずれであるか判定する(S400)。曇り無しのときはステップS410〜S510の防曇制御を行う。
これに対し、曇り有りのときはステップS520にて曇り除去の制御モードを実行する。すなわち、内外気吸込モードを強制的に外気モードに切り替え、また、空調用電動送風機37のブロワレベルを6レベル増加し、吹出モードをデフロスタモードに切り替える。なお、ブロワレベルとは、空調用電動送風機37のモータ印加電圧レベルであり、風量はこのモータ印加電圧レベルの増減に応じて増減されるから、ブロワレベルは空調用電動送風機37の風量レベルを意味することになる。
ステップS520の実行により、低湿度の外気を導入して加熱した温風をデフロスタ吹出口48から窓ガラス12の内面に吹き出すとともに、この温風の吹出風量を増加することにより、窓ガラス表面相対湿度RHwを速やかに引き下げて窓ガラス12の曇りを除去できる。
一方、ステップS410〜S450の制御モード10〜制御モード50の判定は図13のマップに示すように、窓ガラス表面相対湿度RHwに応じて決定される。図13の制御例では、目標窓ガラス表面相対湿度TRHw(例えば85%)と、これに対して所定量c1、c2、c3、c4を増減した合計5つの判定しきい値を設定し、窓ガラス表面相対湿度RHwの変化により6つの制御モード10〜60のいずれか1つを選択する。
図12のステップS460〜S510は6つの制御モード10〜60のいずれか1つを選択し実行する。なお、ステップS460〜S510において、「AUTO」は、内外気吸込モード、ブロワレベル、および吹出モードの各制御を車室内への吹出空気の目標吹出温度TAOに基づいて行う通常の自動制御であることを表している。
また、吹出モードの「Face」、「B/L」、「Foot」、「F/D」および「DEF」はそれぞれフェイス吹出口49から空気を吹き出すフェイスモード、フェイス吹出口49とフット吹出口50の両方から空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口50から空気を吹き出すフットモード、フット吹出口50とデフロスタ吹出口48の両方から空気を吹き出すフットデフロスタモード、およびデフロスタ吹出口48から空気を吹き出すデフロスタモードを表している。
なお、ステップS490(制御モード40)における吹出モードの遷移は具体的には次のように行う。すなわち、制御モード40に移行する前の制御モードの吹出モードがF/DモードであるときはDEFモードに移行し、F/Dモード以外であるときはF/Dモードに移行する。そして、制御モード40にてF/Dモードに移行したときは制御モード40の状態が続いてもF/Dモードが維持される。
また、図12のステップS460〜S500において、内気モードがマニュアル設定されている場合は、内外気吸込モードを内気モードに維持する。
図12、図13の防曇制御によると、窓ガラス表面相対湿度RHwの上昇に応じて、制御モード10から制御モード60へと順次、RHwの引き下げ効果の高い制御モードに切り替えることができ、これにより、窓ガラスの防曇を自動的に良好に行うことができる。
次に、図14は本実施形態による圧縮機制御を示すフローチャートであり、この圧縮機制御は基本的には特開平7−179120号公報と同様であるので、圧縮機制御の概要を述べる。まず、車室内への吹出空気の目標吹出温度TAOに基づいて車室内温度制御のための目標蒸発器温度(すなわち、目標冷房用熱交換器温度)TEOaを算出する(S600)。
このTEOaは、具体的には目標吹出温度TAOが上昇するにつれて最低温度(例えば3℃)から最高温度(例えば11℃)に向かって上昇するように算出される。
なお、目標吹出温度TAOは空調熱負荷変動にかかわらず、温度設定スイッチ71により設定した設定温度Tsetに車室内温度(内気温)Trを維持するために必要な車室内吹出空気温度である。このTAOは周知のように設定温度Tset、外気温Tam、内気温Tr、日射量Tsに基づいて算出できる。
次に、湿度センサ17により検出される車室内湿度RHrに基づいて車室内湿度制御のための目標蒸発器温度TEObを算出する(S610)。このTEObは、車室内湿度RHrが所定の快適範囲、例えば50〜60%の範囲に維持されるように算出される。
そのため、車室内湿度RHrが例えば60%以上に上昇すると、TEObの値を低温側へ移行する。また、車室内湿度RHrが例えば50%以下に低下すると、TEObの値を高温側へ移行する。
次に、防曇制御のための目標蒸発器温度TEOcを算出する(S620)。このTEOcは、蒸発器38の冷却(除湿)能力により防曇制御を行うことができるように算出される。
具体的には、窓ガラス表面相対湿度RHwが図11の目標窓ガラス表面相対湿度TRHwと(TRHw−b)との間に維持できる蒸発器温度を目標蒸発器温度TEOcとする。この目標蒸発器温度TEOcは湿り空気線図を用いることにより、ガラス温度と、上記TRHwおよび(TRHw−b1)と、蒸発器吹出空気の相対湿度(≒95%)とから求めることができる。
次に、上記3つの目標蒸発器温度TEOa、TEOb、TEOcのうち、最低温度を最終的な目標蒸発器温度TEOとして算出する(S630)。次に、この最終的な目標蒸発器温度TEOに基づいて圧縮機40の能力制御を行う(S640)。この圧縮機40の能力制御は、目標蒸発器温度TEOと蒸発器温度センサ64により検出される蒸発器吹出空気温度Teとの比較により行う。
すなわち、蒸発器吹出空気温度Teが目標蒸発器温度TEO以上に上昇すると、電磁クラッチ40aに通電して圧縮機40を稼働(ON)状態とする。一方、蒸発器吹出空気温度Teが目標蒸発器温度TEOより所定温度z(例えば1℃)だけ低い温度(TEO−z)以下に低下すると、圧縮機40を停止(OFF)状態とする。
このような圧縮機40の作動の断続制御により実際の蒸発器吹出空気温度Teが目標蒸発器温度TEO付近に制御される。しかも、目標蒸発器温度TEOは、車室内温度制御のための目標蒸発器温度TEOaと、車室内湿度制御のための目標蒸発器温度TEObと、防曇制御のための目標蒸発器温度TEOcのうち、最低温度にしているから、上記圧縮機40の能力制御により蒸発器冷却度合いを制御して、車室内温度制御、車室内湿度制御および防曇制御を実行できる。
なお、上述の圧縮機40の能力制御は、圧縮機40として固定容量型圧縮機を用い、この固定容量型圧縮機の断続作動により圧縮機の稼働率を変化させるもであるが、圧縮機40として可変容量型圧縮機を用い、圧縮機の吐出容量を変化させることにより、圧縮機40の能力制御を行うようにしてもよい。
なお、「目標蒸発器温度」という用語は蒸発器38の冷却度合いの目標値を表す用語であり、蒸発器38の冷却度合いは、上記蒸発器吹出空気温度Teの他に蒸発器フィン表面温度等で測定してもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、湿度センサ17の出力値の演算値が、実際の湿度よりも低めの側にずれてしまい、その結果、空調装置が防曇制御を行っているにも係わらず、窓の曇りが発生する場合における湿度演算式の補正について説明したが、第2実施形態は、湿度センサ17の出力値の演算値が、実際の湿度よりも高めの側にずれてしまう場合における湿度演算式の補正に関する。
なお、湿度センサ17の出力値の演算値が、実際の湿度よりも高めの側にずれてしまう場合は、空調装置の防曇制御にとって安全側に作用するが、これは、内気比率を必要以上に低下させ換気熱損失を増大させるという不具合、および圧縮機能力を必要以上に増大させ圧縮機動力を無駄に増大させるという不具合につながるので、実用上好ましいことではない。
ところで、乗員が空調操作パネル70のエアコンスイッチ74をOFF位置にマニュアル操作すると、空調制御装置26は圧縮機40の電磁クラッチ40aへの通電を遮断するので、圧縮機40は強制的に停止状態となる。その結果、蒸発器38の冷却除湿能力も強制的に停止される。これにより、車室内相対湿度RHrが上昇して窓の曇りが発生する場合がある。
同様に、乗員が空調操作パネル70の内外気切替スイッチ73を内気モード位置にマニュアル操作すると、空調制御装置26はサーボモータ36を介して内外気切替ドア35を内気モード位置(外気導入口34:全閉、内気導入口33:全開)に制御する。これにより、外気よりも絶対湿度が高い内気を再循環して車室内の空調が行われるので、車室内相対湿度RHrが上昇して窓の曇りが発生する場合がある。
このように、乗員のマニュアル操作に起因して窓の曇りが発生する場合に、第2実施形態では、ガラス表面相対湿度RHwが防曇制御のしきい値(図11のTRHw)を超えても、光学式曇り検出センサ(受発光素子15、16)の出力値を演算する曇り判定演算回路20aの演算値に基づいて、窓の曇りが判定されるまでは、前述の防曇制御の開始を遅らせる。
そして、曇り判定演算回路20aの演算値に基づいて、窓の曇りが判定されたときに、図5のステップS80のごとくガラス表面相対湿度RHw=100%とし、そして、ステップS90による湿度演算式の補正を行う。
前述のごとく、湿度センサ17の出力値の演算値が、実際の湿度よりも高めの側にずれている場合は、防曇制御の安全率が高くなって、防曇制御が早めのタイミングで実行されるので、窓の曇りが原則発生しないことになるが、第2実施形態のように、乗員のマニュアル操作により窓の曇りが発生する機会を利用すれば、湿度センサ17の出力値の演算値が、実際の湿度よりも高めの側にずれている場合でも、湿度演算式の補正を行うことができる。
(第3実施形態)
第2実施形態では、乗員のマニュアル操作が原因で曇りが生じた場合の補正方法を述べたが、同様な補正は、低温時の暖房立ち上がり時にも可能である。冬季のように外気温度が低い場合は、駐車中(エンジン停止中)にエンジン水温が低下するため、次回のエンジン始動後の空調開始時にエンジン水温が一定以上に上がるまで空調風を吹き出さない制御(ウォームアップ制御)を行う場合が多い。
このウォームアップ制御では空調風を吹き出さないので、その間に、窓曇りを生じることがあるため、その機会に湿度演算式の補正を行うことができる。
このように、空調装置の空調風吹出の遅動に起因して窓の曇りが発生する場合に、空調風を吹き出すことは乗員の快適性を悪化させる。そのため、光学式曇り検出センサ(受発光素子15、16)で窓曇りの発生を確認してから防曇制御を行った方が乗員の納得を得られやすい。
そこで、エンジン水温が空調風を吹き出すしきい値よりも低い場合には、防曇制御のしきい値(図11のTRHw)を高くし、光学式曇り検出センサ(受発光素子15、16)の出力値を演算する曇り判定演算回路20aの演算値に基づいて、窓の曇りが判定されるまでは、前述の防曇制御の開始を遅らせる。
そして、曇り判定演算回路20aの演算値に基づいて、窓の曇りが判定されたときに、図5のステップS80のごとくガラス表面相対湿度RHw=100%とし、そして、ステップS90による湿度演算式の補正を行う。
第3実施形態のように、低水温時の遅動制御(ウォームアップ制御)中に窓の曇りが発生する機会を利用すれば、湿度センサ17の出力値の演算値が、実際の湿度よりも高めの側にずれている場合でも、湿度演算式の補正を行うことができる。
(第4実施形態)
第1実施形態では、光学式曇り検出センサを構成する発光素子15および受光素子16と、湿度センサ17とを、同一の回路基板14上に実装しているが、光学式曇り検出センサを構成する発光素子15および受光素子16と、湿度センサ17とを別々の回路基板上に実装するようにしてもよい。
このように光学式曇り検出センサと湿度センサ17とでそれぞれ別の回路基板を用いても、これらを同一のケース11内に収容して一体化することができる。
(第5実施形態)
第1実施形態では、光学式曇り検出センサを構成する発光素子15および受光素子16と、湿度センサ17とを、同一ケース11内にて同一の回路基板14上に実装しているが、光学式曇り検出センサと湿度センサ17とをそれぞれ別の場所に配置してもよい。
例えば、車両(自動車)用空調装置の場合、車室内温度(内気温度)Trを検出する内気センサ62(図4)を車室内の計器盤付近に配置して、車室内の代表的温度を検出するようにしている。そこで、湿度センサ17を内気センサ62と同一場所(計器盤付近)に配置して、湿度センサ17と内気センサ62とを一体化し、光学式曇り検出センサは車両前面窓ガラスの内面に配置するようにしてよい。
これによると、内気センサ62が第1実施形態の空気温度センサ18の役割を兼務するから、空気温度センサ18を廃止できる。
(第6実施形態)
第1実施形態では、光学式曇り検出センサを構成する発光素子15を発光ダイオードで構成し、また、受光素子16をホトダイオードで構成しているが、発光素子15を赤外線発光素子で構成し、受光素子16を赤外線受光素子で構成してもよい。
ここで、赤外線受光素子は検出対象物からの赤外線の受光量により検出対象物の温度を非接触で検出できる機能を持っているので、IRセンサとも称される。そして、第4実施形態においても、赤外線発光素子を所定の時間間隔にてパルス発光させる。
これにより、赤外線発光素子の発光時には、赤外線受光素子の受光量により窓ガラス12の曇りを検出する。一方、赤外線発光素子の非発光時(消灯時)には、窓ガラス12から放出される赤外線量を赤外線受光素子により受光し、この赤外線受光素子の受光量により窓ガラス12の温度を検出する。
これによると、光学式曇り検出センの赤外線受光素子が窓ガラス温度検出の役割を兼務するから、ガラス温度センサ23を廃止できる。
(第7実施形態)
第1実施形態では、曇り検出装置10のケース11内に配置される回路基板14に演算回路20を設けているが、この演算回路20の機能を空調制御装置26内に設定するようにしてもよい。
(第8実施形態)
第1実施形態では、図5のステップS70にて曇り発生を判定すると、湿度センサ出力値等に基づいて演算された窓ガラス表面相対湿度RHwを100%に強制的に置き換え(S80)、そして、ステップS90にて湿度演算式(1)の自己補正を行っているが、例えば、ステップS70にて曇り発生を判定した後に、湿度センサ出力値を複数回記憶しておき、その複数回の湿度センサ出力値の平均値を用いて、湿度演算式(1)の自己補正(定数βと係数αの一方または両方の補正)を行うようにしてもよい。
(第9実施形態)
上記した実施形態では、湿度センサ17の耐久劣化等による湿度検出精度の低下を防ぐための湿度演算式の補正について説明したが、第9実施形態では、光学式曇り検出センサを構成する発光素子15の耐久劣化等による曇り度合いの判定精度の低下を防ぐものである。
まず、図15は第9実施形態による窓曇り検出装置の概略断面図であり、第1実施形態(図1)と同等部分には同一符号を付して説明を省略する。第9実施形態では、光学式曇り検出センサを構成する発光素子15と受光素子16とを直接隣接配置している。
発光素子15は具体的には第1実施形態と同様に発光ダイオードからなり、受光素子16は具体的には第1実施形態と同様にホトダイオードからなる。発光素子15から照射された照射光Aが窓ガラス12の内面にある遮光フィルム13上で反射して、その反射光Bを受光素子16が受光するようになっている。
ここで、光学式曇り検出センサにおいては、(1)発光素子15自身の耐久劣化等により発光素子15の輝度が低下して照射光Aが減少し、それにより、反射光Bが減少するという現象が起きる。
(2)曇りの発生以外に、窓ガラス反射面(本例では遮光フィルム13の表面)にタバコの脂、塵埃等が付着して窓ガラス反射面が汚れることによって散乱光が生じ、その結果、受光素子16へ向かう反射光Bが減少する。
(3)発光素子15を構成する発光ダイオードの順電圧(Vf)は周囲温度の上昇によって低下するという温度特性があり、そして、高温時にはこの順電圧(Vf)の低下によって照射光Aが減少し、それにより、反射光Bが減少する。
これらの原因によって反射光Bが減少すると、窓ガラス12の曇りが発生した場合と同様に受光素子16の受光量が減少するので、この反射光B(受光量)の減少だけで窓ガラス12の曇りを判定すると、窓ガラス12の曇りが発生していなくても、曇りを判定してしまう場合(誤判定)が生じる。
そこで、第9実施形態では、反射光Bと照射光Aとの比(B/A)に基づいて曇り度合い判定値Fwを演算するとともに、窓ガラス12に曇りが発生していないときに、反射光Bを照射光Aで正規化する光量正規化処理に基づく演算式の補正を実行することにより、上記原因(1)(2)に基づく曇り度合いの判定精度の低下を防ぐものである。
ここで、光量正規化処理に基づく演算式の補正とは、その処理を実行する時点において実際には反射光Bが照射光Aより減少していても、窓ガラス12に曇りが発生していない状態、すなわち、反射光Bと照射光Aとの比(B/A)=1となるように、曇り度合い判定値Fwの演算式を補正することである。
そして、この演算式の補正処理をした後に、窓ガラス12の曇りが実際に発生すると、演算式補正処理の時点よりも反射光Bが減少するので、曇り度合い判定値Fwが1よりも小さい値となって、所定のしきい値より減少することで窓ガラス12の曇りを確実に判定できる。
また、上記原因(3)に対しては、発光素子15の温度特性によって照射光Aが減少する所定温度よりも高温時には曇り度合いの演算、判定を禁止し、この所定温度以下の低温時のみに曇り判定を行うようにすれば、高温時における発光素子15の温度特性に基づく照射光Aの減少の影響を排除できる。
ここで、上記所定温度は例えば、35℃程度の真夏の外気温相当の温度であって、このような高温時には窓ガラス12も同様の高温状態になっている。そのため、窓ガラス12の温度が車室内空気の露点温度よりも十分高い温度になっているので、窓ガラス12の表面に曇りが発生しない。それ故、上記所定温度以上の高温時に曇り度合いの判定を禁止しても実用上支障はない。
むしろ、発光素子15の高温での使用を禁止することは、発光素子15の高温劣化を抑制できると同時に発光素子15の累計使用時間を低減できることになるので、発光素子15の耐久劣化抑制のために極めて有益である。
次に、上記考え方に基づく本実施形態の曇り検出装置の具体的作動を図16により説明する。図16は図5に対応するフローチャートであり、図5と同等の制御処理部分には同一符号を付して説明を省略する。ステップS110は、ステップS30で演算された空気温度演算値が所定値以下であるか判定する。この空気温度は窓ガラス12付近の車室内空気温度であって、光学式曇り検出センサ(15、16)の周囲温度でもある。また、ステップS110の所定値は上記した35℃程度の真夏の外気温相当の温度である。
ステップS110の判定がYESの時は窓ガラス12の曇りが発生する可能性がある。そこで、ステップS120に進み、光学式曇り検出センサ(15、16)をオン状態とする。具体的には、発光素子15を構成する発光ダイオードを第1実施形態と同様に、予め設定した所定の時間間隔にてパルス発光させ、窓ガラス12表面からの反射光Bを受光素子16にて受光する。
次のステップS60aでは、反射光Bと照射光Aとの比(B/A)に基づいて曇り度合い判定値Fwを演算する。具体的には、Fw=γ・(B/A)の演算式にて判定値Fwを演算する。
ここで、γは制御係数である。この制御係数γは後述するように窓ガラス12の曇りが発生していないときに、所定期間ごとにFw=1となるように自己補正される。従って、窓ガラス12の曇りが発生していないときは曇り度合い判定値Fwが1もしくは1近傍の値に演算される。
そして、窓ガラス12表面に曇りが発生すると、前述のように反射光Bが減少するので、判定値Fwが1もしくは1近傍の値から減少する。
なお、上記演算式において、反射光Bは受光素子16の出力値(受光量)から求める。また、照射光Aは発光素子15を構成する発光ダイオードの順電流と比例関係があるから、照射光Aはこの順電流から求めることができる。
次のステップS70aでは、この判定値Fwに基づいて窓ガラス12表面の曇り有無を判定する。具体的には判定値Fwに対するしきい値として1よりも所定量小さい値を設定し、判定値Fwがこのしきい値以下に減少すると曇りありと判定し、判定値Fwが所定のしきい値より大きいときは曇りなしと判定する。
曇りありのときは、第1実施形態と同様にステップS80、S90の処理を行ってから、ステップS100の空調制御装置への出力を行う。
一方、曇りなしのときはステップS130に進み、曇り度合い判定値演算式の前回の補正時期から所定期間経過したか判定する。
具体的には、後述のステップS140による曇り度合い判定値演算式の前回の補正時期(年月日)を記憶しておき、この前回の補正時期から所定期間(例えば、30日)経過したか判定する。あるいは、コンピュータのカレンダー機能を利用して、毎月特定の日(例えば、毎月の1日)であるか判定してもよい。
ステップS130の判定がNOのときはステップS100に進み、曇り度合い判定値演算式の補正を行わない。
一方、曇り度合い判定値演算式の前回の補正時期から所定期間経過したときは、ステップS130の判定がYESとなり、ステップS140に進み、曇り度合い判定値演算式を補正する。この演算式補正処理は、前述した反射光Bを照射光Aで正規化する光量正規化処理に基づくものである。
具体的には、前述したFw=γ・(B/A)の演算式において、Fw=1となるように制御係数γを補正する。従って、以後は、反射光Bの量が上記補正時点の反射光Bの量と同じである限り、ステップS130の曇り度合い判定値Fwは「1」に維持される。これにより、ステップS70aでは確実に曇りなしと判定される。
そして、窓ガラス12に曇りが発生すると、反射光Bが減少し、それにより、曇り度合い判定値Fwが「1」よりも小さくなる。そして、ステップS70aでは、判定値Fwが前述の所定のしきい値よりも小さくなることで、確実に曇りありと判定できる。
なお、タバコの脂等が付着して窓ガラス反射面が汚れる現象は、時間をかけて非常にゆっくり進行するので、上記演算式の補正処理(S140)を頻繁に行う必要がない。そこで、本実施形態では、ステップS130にて、前回の補正時期から所定期間(例えば30日)経過したことを判定した場合のみ、上記演算式の補正を行うようにしている。
本実施形態によると、発光素子15自身の耐久劣化等により照射光Aが減少する現象、あるいはタバコの脂等の付着により窓ガラス反射面が汚れて反射光Bが減少する現象等の影響を受けることなく、光学式曇り検出精度を長期間にわたって良好に維持できる。
しかも、周囲温度が所定温度(例えば、35℃)以下であるときのみに曇り判定を行うから、発光素子15の輝度が高温時に低下するという温度特性の影響も受けない。また、周囲温度が所定温度以下であるときのみに曇り判定を行うから、発光素子15の高温劣化を抑制できるとともに、発光素子15の累計使用時間を低減して、発光素子15の耐久寿命を延ばすことができる。
なお、本実施形態では、曇り度合い判定値Fwを、Fw=γ・(B/A)の演算式にて演算する場合に、Fw=1となるように制御係数γを補正しているが、例えば、Fw=γ・(B/A)+δ(但し、δは定数)の演算式にて曇り度合い判定値Fwを演算する場合は、Fw=1となるように定数δを補正してもよい。また、Fw=1となるように制御係数γと定数δの両方を補正してもよい。
また、制御係数γや定数δを補正するに際して、厳格に、Fw=1となるように補正せずに、Fwが1近傍の値となるように制御係数γや定数δを補正してもよい。
(他の実施形態)
なお、第1実施形態では、車両の前面(フロント)ガラスに配置する窓曇り検出装置について説明したが、車両の後部(リヤー)ガラス等に配置する窓曇り検出装置に本発明を適用してもよい。また、本発明は車両以外の用途における窓曇り検出装置にも適用できる。
なお、第9実施形態では、発光素子15を発光ダイオードで構成し、受光素子16をホトダイオードで構成しているが、発光素子15を発光ダイオード以外の素子、例えば、第6実施形態のように赤外線発光素子で構成してもよい。また、受光素子16を、ホトダイオード以外の素子、例えば、第6実施形態のように赤外線受光素子で構成してもよい。
本発明の第1実施形態による窓曇り検出装置の概略断面図である。 図1の窓曇り検出装置の概略斜視図である。 図1の窓曇り検出装置の電気的ブロック図である。 本発明の第1実施形態による車両用空調装置の全体システム構成図である。 図3に示す演算回路により実行される演算処理のフローチャートである。 第1実施形態による空調装置側制御の基本ロジックを示すフローチャ−トである。 内外気制御指令値と内気比率との関係を示す特性図である。 第1実施形態による内外気制御ロジックを示すフローチャ−トである。 内外気制御における車速判定の特性図である。 窓ガラス表面相対湿度と内外気制御指令値(内外気吸い込みモード)との関係を示す特性図である。 窓ガラス表面相対湿度と内外気制御モードとの関係を示す特性図である。 第1実施形態による防曇制御ロジックを示すフローチャ−トである。 窓ガラス表面相対湿度と防曇制御モードとの関係を示す特性図である。 第1実施形態による圧縮機制御ロジックを示すフローチャ−トである。 第9実施形態による窓曇り検出装置の概略断面図である。 第9実施形態による窓曇り検出作動を示すフローチャートである。
符号の説明
12…窓ガラス、15…発光素子、16…受光素子、17…湿度センサ、
20…演算回路。

Claims (3)

  1. 窓ガラス(12)に向けて光を照射する発光素子(15)と、前記窓ガラス(12)からの反射光(B)を受光する受光素子(16)とからなる光学式曇り検出センサと、
    前記発光素子(15)からの照射光(A)と前記反射光(B)との比(B/A)に基づいて曇り度合い判定値(Fw)を演算する曇り度合い演算手段(S60a)と、
    前記曇り度合い判定値(Fw)に基づいて前記窓ガラス(12)の曇りを判定する曇り判定手段(S70a)と、
    前記曇り判定手段(S70a)により前記窓ガラス(12)が曇っていないと判定されたときに、前記曇り度合い判定値(Fw)の演算式を補正する第1補正手段(S140)と、
    室内側空気の相対湿度を検出する湿度センサ(17)と、
    前記湿度センサ(17)の出力値を演算する湿度演算手段(S20)と、
    前記湿度演算手段(S20)の演算値と、前記室内側空気の温度と、前記窓ガラス(12)の温度とに基づいてガラス表面相対湿度(RHw)を演算するガラス表面相対湿度演算手段(20f、S50)と、
    前記曇り判定手段(S70a)により前記窓ガラス(12)が曇っていると判定されたときに、前記湿度演算手段(S20)の演算値が前記ガラス表面相対湿度(RHw)=100%における前記室内側空気温度での相対湿度となるように前記湿度演算手段(S20)における湿度演算式を補正する第2補正手段(S90)とを具備し、
    前記曇り度合い演算手段(S60a)は、前記窓ガラス(12)が曇っていない状態では前記曇り度合い判定値(Fw)として1もしくは1近傍の値を演算し、
    前記曇り判定手段(S70a)は、1よりも小さい所定のしきい値を設定し、前記曇り度合い判定値(Fw)が前記しきい値よりも減少すると前記窓ガラス(12)の曇りを判定し、
    前記第1補正手段(S140)は、前記曇り判定手段(S70a)により前記窓ガラス(12)が曇っていないと判定されたときに、前記曇り度合い判定値(Fw)が1もしくは1近傍の値となるように前記曇り度合い判定値(Fw)の演算式を補正することを特徴とする窓曇り検出装置。
  2. 前記光学式曇り検出センサの周囲温度が所定温度以下であるか判定する周囲温度判定手段(S110)を具備し、
    前記周囲温度が所定温度以下であるときのみ、前記光学式曇り検出センサを作動状態にして、前記曇り度合い判定値(Fw)を演算することを特徴とする請求項に記載の窓曇り検出装置。
  3. 前記窓ガラス(12)が曇っていないと判定されたときに、前記曇り度合い判定値(Fw)の演算式補正の前回の実行時期から所定期間経過したときのみ、前記曇り度合い判定値(Fw)の演算式の補正を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の窓曇り検出装置。
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