JP4534341B2 - 硬化性樹脂組成物および反射防止膜 - Google Patents
硬化性樹脂組成物および反射防止膜 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性樹脂組成物に関し、特に硬化性、耐擦傷性、透明性および低反射率特性に優れた硬化膜を形成することのできる硬化性樹脂組成物、その硬化物及びこの硬化物からなる反射防止膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表示装置の視認性を向上させるための一手段として、低屈折率材料から構成される反射防止膜を表示装置の基板に被覆することが行われている。反射防止膜を形成する方法としては、例えばフッ素化合物の薄膜を蒸着法により形成する方法が知られている。また近年、生産性や低コスト性に優れた手法として、屈折率の低いフッ素系重合体を溶剤に溶解して液状組成物を調製し、これを基板の表面に塗布することによって反射防止膜を形成する方法が検討されている。しかし、フッ素含有量を増加させようとすると組成物が一般的な溶剤に溶解しにくいものとなり、結局、高価で環境的に問題視されている含ハロゲン系溶剤を使用せざるを得ないという問題もあった。
【0003】
例えば特開平2000−17028号公報には、反射防止膜材料として、含フッ素重合体と、多官能(メタ)アクリレートと、放射線重合開始剤とからなる放射線硬化性樹脂組成物が開示されている。
【0004】
しかしながら、従来の多官能(メタ)アクリレートは含フッ素重合体との相溶性があまり良くなく、またその屈折率が高いため従来の多官能(メタ)アクリレートを組成物中に多量に含有する場合、低屈折率の硬化物を得ることが困難であり、逆に、組成物中の多官能(メタ)アクリレートの含有量が少ない場合、得られる反射防止膜の架橋密度が下がり、耐擦傷性が低下し、その結果、硬化膜の低屈折率と耐擦傷性の向上を十分に両立させることが困難であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような状況を背景としてなされたものであって、その目的は透明性に優れ、かつより良好な反射防止効果を発揮することができ、更に耐擦傷性に優れた硬化膜を形成することができ、しかも一般的な炭化水素系溶剤に溶解しうる硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、透明性が高く、しかも優れた耐擦傷性を有する反射防止膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)フッ素含量が30重量%以上であり、かつ数平均分子量が5,000以上である含フッ素共重合体、および、(B)少なくとも3つの重合性不飽和基を有する含フッ素ウレタン化合物を含有する硬化性樹脂組成物を提供する。
【0007】
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分が(a)下記一般式1で表されるフッ素原子を含有する構造単位、および、(b)下記一般式2で表される構造単位から成る含フッ素共重合体であることを特徴とする。
【0008】
【化6】
(1)
【0009】
[式中、R1はフッ素原子、塩素原子、炭素数1〜10のフロロアルキル基、または−OR2で表される基(R2は炭素数1〜10のアルキル基またはフロロアルキル基を示す)を示す。]
【0010】
【化7】
(2)
【0011】
[式中、R3は水素原子またはメチル基を、R4は炭素数1〜15のアルキル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、−(CH2)X−OR5で表される基(R5は炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはグリシジル基を、Xは0または1の数を示す)、または−OCOR5で表される基(R5は前記と同じ)を示す。]
【0012】
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分がさらに(c)下記一般式3で表されるシロキサン構造単位を有する含フッ素共重合体であることを特徴とする。
このように構成することにより、表面平滑性や表面摺動性に優れた硬化物を得ることができる。
【0013】
【化8】
(3)
【0014】
[式中、R6およびR7は同一でも異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示す。]
【0015】
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、(B)成分が、ポリイソシアネート化合物、重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物及びフロロアルキル基含有ヒドロキシ化合物を反応して得られる含フッ素ウレタン化合物であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、(B)成分が、ポリイソシアネート化合物、重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物及びフロロアルキル基含有ヒドロキシ化合物を反応して得られる含フッ素ウレタン化合物であることを特徴とする。
このように構成することにより、組成物の相溶性が良好で、フッ素を多く含み屈折率を低くかつ架橋密度を向上させることができるため、硬化物において優れた透明性、低反射率、耐擦傷性を効果的に得ることができる。
【0017】
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、(B)成分が下記一般式4で表される含フッ素ウレタン化合物であることを特徴とする。
【0018】
【化9】
【0019】
[式中、R8はフロロアルキル基またはフロロアルキレン基を有する炭素数1〜20の二価の有機基を、Aはアクリロイル基またはメタクリロイル基を、B1、B2は各々独立に(n+1)価、(m+1)価の炭素数1〜20の有機基を示し、nは1〜5、mは1〜5の数であり、3≦n+m≦10である。]
【0020】
B1、B2は好ましくは炭素数2〜10の有機基であり、特に好ましい例として−CH2−C(CH2−)2CH2−が挙げられる。
【0021】
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、(B)成分の特に好ましい具体例として下記化学式5で表される含フッ素ウレタン化合物を含有することを特徴とする。
【0022】
【化10】
【0023】
また、本発明は、上述した硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物を提供する。
このように硬化物を構成すると、各成分の相溶性が良好で、フッ素を多く含み屈折率を低くかつ架橋密度を向上させることができるため、硬化物において優れた透明性、低反射率、耐擦傷性を効果的に得ることができる。
【0024】
また、本発明は、上述した硬化性樹脂組成物を硬化してなる反射防止膜を提供する。
このように構成した反射防止膜は、優れた反射防止性能を有するとともに、優れた耐擦傷性、耐溶剤性を有している。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)フッ素含量が30重量%以上であり、かつポリスチレン換算による数平均分子量が5,000以上である含フッ素共重合体(以下「(A)成分」ともいう。)、および、(B)少なくとも3つの重合性不飽和基を有する含フッ素ウレタン化合物(以下「B成分」ともいう。)からなる。
<(A)含フッ素共重合体>
(A)成分である含フッ素共重合体は、フッ素含量が30重量%以上、好ましくは30〜70重量%であり、さらにゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって得られるポリスチレン換算による数平均分子量が5,000以上、好ましくは10,000〜500,000、より好ましくは15,000〜200,000である。
ここに、フッ素含量はアリザリンコンプレクス法により測定された値、数平均分子量は、展開溶剤としてテトラヒドロフランを用いたときの値である。
【0026】
本発明における(A)成分は、(a)一般式1で表される構造単位を含む含フッ素モノマ成分(以下「(a)成分」という。)および(b)この(a)成分と共重合可能な一般式2で表される構造単位を含む単量体化合物(以下「(b)成分」という。)、並びに、必要に応じて(c)一般式3で表される構造単位を含む単量体化合物(以下「(c)成分」という。)を反応させることにより得ることができる。
【0027】
<(a)成分>
(a)成分としては、重合性不飽和二重結合と少なくとも3個のフッ素原子を有する化合物であり、その具体例としては、例えば(1)テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレンなどのフロロオレフィン類;(2)アルキルパーフロロビニルエーテル類もしくはアルコキシアルキルパーフロロビニルエーテル類;(3)パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)などのパーフロロ(アルキルビニルエーテル)類;(4)パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)などのパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を併用することができる。
以上のうち、特にフロロオレフィン類、パーフロロ(アルキルビニルエーテル)類、またはパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類が好ましく、さらにはこれらを組み合わせて使用することが好ましい。具体的には、ヘキサフロロプロピレン、パーフロロプロピルビニルエーテルまたはパーフロロプロポキシプロピルビニルエーテルのうちから選ばれた一種または二種以上を使用するのが好ましい。
【0028】
<(b)成分>
(b)成分は(a)成分と共重合可能な化合物であり、共重合後、前記一般式2に示されるR3およびR4の基を有する化合物であれば良く、その具体例としては、(1)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類もしくはシクロアルキルビニルエーテル類;(2)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸などのカルボン酸ビニルエステル類;(3)エチレン、プロピレン、イソブテンなどのα−オレフィン類;(4)スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ジイソプロペニルベンゼン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、p−メトキシスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールなどのビニル芳香族化合物;(5)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボキシル基含有化合物;
【0029】
(6)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;(7)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;(8)フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類;(9)メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0030】
(10)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類;(11)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類;(12)シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート類;(13)ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、および下記一般式6〜一般式8で表される化合物などの(メタ)アクリレート類;
【0031】
【化11】
(6)
【0032】
[式中、R9 は水素原子またはメチル基を示し、R10 は炭素数2〜6のアルキレン基を示し、R11 は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を示す。pは0〜12の整数である。]
【0033】
【化12】
(7)
【0034】
[式中、R12 は水素原子またはメチル基を示し、R13 は炭素数2〜8のアルキレン基を示す。qは1〜8の整数である。]
【0035】
【化13】
(8)
【0036】
[式中、R14 は水素原子またはメチル基を示し、R15 は炭素数2〜8のアルキレン基を示し、R16は水素原子またはメチル基を示す。rは1〜8の整数である。]
【0037】
(14)アクリロイルモルホリン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;(15)クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸プロピル、ケイ皮酸ブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル類;
【0038】
(16)(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリルなどの不飽和ニトリル類;(17)2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテルなどの水酸基含有ビニルエーテル類;(18)2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどの水酸基含有アリルエーテル類;その他を挙げることができる。なかでも、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテルおよびエチルビニルエーテルが好ましく用いられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を併用することができる。
さらに上記単量体の他に、エポキシ基、イソシアネート基、その他の各種の官能基を含有する単量体を共重合することにより、官能基を有する含フッ素共重合体を得ることができる。
【0039】
上記の単量体化合物のうち、含フッ素共重合体を得るための重合反応における収率を高くする点からは、アルキルビニルエーテル類、シクロアルキルビニルエーテル類、またはカルボン酸ビニルエステル類が好適に使用される。
一方、含フッ素共重合体中に共重合されるフッ素含量を高くする点からは、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどの低分子量単量体を用いることが好ましい。
さらに、硬化性樹脂組成物の硬化後の薄膜の硬度を高くし、屈折率を低いものとするためには、イソプロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ピバリン酸ビニルなどの分岐状単量体、シクロヘキシルビニルエーテルなどの脂環式単量体を使用することが有効である。
【0040】
<(c)成分>
(c)成分は一般式3で表される構造単位を有する化合物であり、含フッ素共重合体に導入することが出来る化合物であれば特に限定されないが、導入するため(c)成分はアゾ基含有ポリシロキサン化合物であることが好ましく、このアゾ基含有ポリシロキサン化合物は−N=N−で示される熱解裂容易なアゾ基を含有する化合物であり、例えば特開平6−93100号公報に記載された方法により製造することのできるものである。
(c)成分として使用することのできる化合物の市販品としては、例えば「VPS−0501」、「VPS−1001」(以上、和光純薬工業社製)などを挙げることができる。
【0041】
上記の(a)成分、(b)成分および(c)成分の好ましい組み合わせは、例えば、(1)フロロオレフィン/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(2)フロロオレフィン/パーフロロ(アルキルビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(3)フロロオレフィン/パーフロロ(アルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(4)フロロオレフィン/(パーフロロアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(5)フロロオレフィン/(パーフロロアルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位である。
【0042】
本発明の含フッ素共重合体において、(a)成分に由来する構造単位は20〜90モル%、好ましくは25〜85モル%、さらに好ましくは30〜70モル%である。(a)成分に由来する構造単量体の割合が20モル%未満では、得られる含フッ素共重合体中のフッ素含量が過少となりやすく、得られる硬化性樹脂組成物の硬化物は屈折率が十分に低いものとなりにくい。一方、(a)成分に由来する構造単位の割合が90モル%を超えると、得られる含フッ素共重合体中の有機溶剤への溶解性が著しく低下するとともに、得られる硬化性樹脂組成物は、透明性および基材への密着性が小さいものとなる。
【0043】
本発明の含フッ素共重合体において、(b)成分に由来する構造単位は10〜80モル%、好ましくは15〜75モル%、さらに好ましくは30〜70モル%である。(b)成分に由来する構造単位の割合が10モル%未満では、得られる含フッ素共重合体中は有機溶剤への溶解性が劣ったものとなり、80モル%を超えると硬化性樹脂組成物による硬化物は、透明性および低反射率の光学特性が悪化したものとなる。
【0044】
好ましい(c)成分であるアゾ基含有ポリシロキサン化合物は、それ自体が熱ラジカル発生剤であり、含フッ素共重合体を得るための重合反応において重合開始剤としての作用を有するが、他のラジカル開始剤を併用することもできる。含フッ素共重合体における(c)成分に由来する一般式3で表される構造単位の割合は、通常0〜20モル%、好ましくは0.1〜15モル%、さらに好ましくは0.1〜10モル%となる割合である。一般式3で表される構造単位の割合が20モル%を超える場合には、得られる含フッ素共重合体は透明性に劣ったものとなり、また塗布剤として用いる場合には塗布時にハジキなどが発生し易くなる。
【0045】
<(d)成分>
本発明においては、上記(a)〜(c)成分以外に、さらに(d)成分として反応性乳化剤を単量体成分として用いることが好ましい。この(d)成分を用いることにより、含フッ素共重合体を塗布剤として使用する場合に、良好な塗布性およびレベリング性を得ることができる。
この反応性乳化剤としては、特にノニオン性反応性乳化剤を用いることが好ましい。ノニオン性反応性乳化剤の具体例としては、例えば下記一般式9で示される化合物を挙げることができる。
【0046】
【化14】
(9)
【0047】
[式中、n、mおよびsは繰り返し単位を示し、s=1〜20、t=0〜4、u=3〜50である。]
(d)成分として使用することのできる化合物の市販品としては、例えば「アデカリアソープNE−5」、「アデカリアソープNE−10」、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」、「アデカリアソープNE−40」(以上、旭電化工業社製)などを挙げることができる。
【0048】
含フッ素共重合体において、(d)成分由来の構成単位の割合は、通常0〜10モル%であり、好ましくは0.01〜5モル%、さらに好ましくは0.05〜2モル%である。この割合が10モル%を超えると、得られる硬化性樹脂組成物が粘着性を帯びたものとなるために取り扱いが困難となり、塗布剤として使用する場合に耐湿性が低下する。
【0049】
(d)成分を含有する場合の好ましい組み合わせは次のとおりである。
(1)フロロオレフィン/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(2)フロロオレフィン/パーフロロ(アルキルビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(3)フロロオレフィン/パーフロロ(アルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(4)フロロオレフィン/(パーフロロアルキル)ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(5)フロロオレフィン/(パーフロロアルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤。
【0050】
本発明の(A)成分である含フッ素共重合体において、(a)〜(d)以外の共重合成分を使用することもできる。
【0051】
本発明において含フッ素共重合体を製造するための重合様式としては、ラジカル重合開始剤を用いる、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法または溶液重合法のいずれをも用いることができ、重合操作としても、回分式、半連続式または連続式の操作などから適宜のものを選択することができる。さらに、重合条件についても特に制限されるものではないが、例えば、50〜200℃の温度で、1〜100時間の条件で重合することが好ましい。
【0052】
(c)成分と併用することができるラジカル重合開始剤としては、例えば(1)アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;(2)メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;(3)過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;(4)ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;(5)tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類;(6)アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系化合物類;(7)過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類;その他を挙げることができる。
【0053】
上記のラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、パーフロロエチルアイオダイド、パーフロロプロピルアイオダイド、パーフロロブチルアイオダイド、(パーフロロブチル)エチルアイオダイド、パーフロロヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロヘプチルアイオダイド、パーフロロオクチルアイオダイド、2−(パーフロロオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロデシルアイオダイド、2−(パーフロロデシル)エチルアイオダイド、ヘプタフロロ−2−ヨードプロパン、パーフロロ−3−メチルブチルアイオダイド、パーフロロ−5−メチルヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロ−7−メチルオクチルアイオダイド、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロ−9−メチルデシルアイオダイド、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルアイオダイド、2,2,3,3−テトラフロロプロピルアイオダイド、1H,1H,5H−オクタフロロペンチルアイオダイド、1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチルアイオダイド、テトラフロロ−1,2−ジヨードエタン、オクタフロロ−1,4−ジヨードブタン、ドデカフロロ−1,6−ジヨードヘキサンなどのヨウ素含有フッ素化合物を挙げることができる。
ヨウ素含有フッ素化合物は単独で、または上記の有機過酸化物、アゾ系化合物あるいは過硫酸塩と併用することができる。
これら(c)成分と併用できるラジカル重合開始剤のなかでも、特にジラウロイルパーオキサイドが好ましく用いられる。
【0054】
含フッ素共重合体を得るための重合反応は、溶剤を用いた溶剤系で行うことが好ましい。ここに、好ましい有機溶剤としては、例えば、(1)酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブなどのエステル類;(2)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;(3)テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;(4)N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;(5)トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;その他を挙げることができる。さらに必要に応じて、アルコール類、脂肪族炭化水素類などを混合使用することもできる。
なかでも、各成分の溶解性の点から、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン等が好ましく用いられる。
【0055】
上記のようにして得られる含フッ素共重合体は、その重合反応で得られた反応溶液をそのまま硬化性樹脂組成物として使用することが可能な場合もあるが、重合反応溶液に対して適宜の後処理を行うことも自由である。
この後処理としては、例えば重合反応溶液を、アルコールなどよりなる当該含フッ素共重合体の不溶化溶剤に滴加して当該含フッ素共重合体を凝固させる精製方法に代表される一般的な再沈殿処理を行うことができ、次いで、得られる固形の共重合体を溶剤に溶解させることにより、含フッ素共重合体の溶液を調製することができる。
また、重合反応溶液から残留モノマを除去したものを、そのまま含フッ素共重合体の溶液として使用することもできる。
【0056】
(A)成分は、硬化物の光学特性、組成物の塗布性、塗膜の耐擦傷性を適度に維持する観点から、組成物中の有効成分(溶剤以外の成分)の合計量を100重量%としたとき10〜95重量%であり、好ましくは20〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%となる割合で配合される。
【0057】
<(B)含フッ素ウレタン化合物>
本発明の(B)成分は少なくとも3つの重合性不飽和基を有する含フッ素ウレタン化合物であればよいが、具体的には▲1▼フロロアルキル基含有ヒドロキシ化合物(以下「▲1▼成分」という。)、▲2▼ポリイソシアネート化合物(以下「▲2▼成分」という。)、及び▲3▼重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物(以下「▲3▼成分」という。)とを反応させることにより製造される。すなわち、▲2▼成分中のイソシアネート基を、▲1▼成分中の水酸基、及び▲3▼成分中の水酸基と、それぞれ反応させることにより製造される。
【0058】
この反応としては、例えば▲1▼成分、▲2▼成分、及び▲3▼成分を一括に仕込んで反応させる方法;▲1▼成分、及び▲2▼成分を反応させ、次いで▲3▼成分を反応させる方法;▲2▼成分及び▲3▼成分を反応させ、次いで▲1▼成分を反応させる方法等が挙げられる。
【0059】
しかし、▲1▼成分であるフロロアルキル基含有ヒドロキシ化合物が未反応物として系中に存在すると、塗膜の耐擦傷性を低下させることになるため、▲1▼成分は十分に反応させる必要がある。従って、先ず▲1▼成分であるフロロアルキル基含有ヒドロキシ化合物と▲2▼成分であるポリイソシアネート化合物を反応させ、次いで▲3▼成分である重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物を反応させる方法が好ましい。
【0060】
ここで用いられる▲1▼成分としては、ジヒドロキシ化合物とモノヒドロキシ化合物が挙げられるが、ジヒドロキシ化合物の例としては、3−(2−パーフロロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフロロヘキサン−1,6−ジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフロロ−1,8−オクタンジオールを挙げることができる。本発明の含フッ素多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、架橋点間分子量が小さい方が好ましい。従って、ここで用いられるフロロアルキル基を含有するジヒドロキシ化合物は、フロロアルキル基が側鎖に結合した3−(2−パーフロロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンが好ましい。
【0061】
また、モノヒドロキシ化合物の例としては、1H,1H−トリフロロエタノール、1H,1H−ペンタフロロプロパノール、6−(パーフロロエチル)ヘキサノール、1H,1H−ヘプタフロロブタノール、2−(パーフロロブチル)エタノール、3−(パーフロロブチル)プロパノール、6−(パーフロロブチル)ヘキサノール、2−パーフロロプロポキシ−2,3,3,3−テトラフロロプロパノール、2−(パーフロロヘキシル)エタノール、2−(パーフロロヘキシル)プロパノール、6−(パーフロロヘキシル)ヘキサノール、2−(パーフロロオクチル)エタノール、3−(パーフロロクチル)プロパノール、6−(パーフロロクチル)ヘキサノール、2−(パーフロロデシル)エタノール、1H,1H−2,5−ジ(トリフロロメチル)−3,6−ジオキサウンデカフロロノナノール、6−(パーフロロ-1-メチルエチル)ヘキサノール、
2−(パーフロロ−3−メチルブチル)エタノール、2−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)エタノール、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エタノール、1H,1H,3H−テトラフロロプロパノール、1H,1H,5H−オクタフロロペンタノール、1H,1H,7H−デカフロロヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフロロノナノール、2H−ヘキサフロロ−2−プロパノール、1H,1H,3H−ヘキサフロロブタノール、2,2−ビス(トリフロロメチル)プロパノール、2−(パーフロロオクチル)エタノール、(パーフロロ−n−ブチル)メタノール、(パーフロロ−n−ヘキシル)メタノール、(パーフロロ−n−オクチル)メタノール、(パーフロロ−n−デシル)メタノール、3−(パーフロロ−n−ブチル)−2−プロペノール、3−(パーフロロ−n−ヘキシル)−2−プロペノール、3−(パーフロロ−n−オクチル)−2−プロペノール、3−(パーフロロ−n−デシル)−2−プロペノール、11−(パーフロロ−n−ヘキシル)ウンデカノール、11−(パーフロロ−n−ヘキシル)−10−ウンデセノール、11−(パーフロロ−n−オクチル)−10−ウンデセノール、等が挙げられる。
【0062】
用いられる▲2▼成分であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(または6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられ、特に、イソホロンジイソシアネートが好ましい。イソホロンジイソシアネートはシクロヘキサン環を有しているため、環構造を有しないジイソシアネートよりもガラス転移温度が高く、塗膜の耐擦傷性は有利である。また、シクロヘキサン環よりもベンゼン環の方が、ガラス転移温度が高いが、ベンゼン環は屈折率が高いため、反射防止膜とした時に反射率が高くなり、不利である。
【0063】
これらのポリイソシアネート化合物は、単独で或いは二種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0064】
▲3▼成分である重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物としては、例えばトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も使用することができる。
【0065】
これら重合性不飽和基を含有するヒドロキシ化合物のうち、特にペンタエリスリトールトリアクリレート(別名:テトラメチロールメタントリアクリレート)が好ましい。重合性不飽和基を含有するヒドロキシ化合物として、単官能のヒドロキシエチルアクリレートを使用すると、得られる化合物における架橋基が1または2であり、良好な塗膜強度が得られない。また、重合性不飽和基を含有するヒドロキシ化合物として、5官能のジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレートを使用すると、良好な塗膜強度は得られるものの、塗膜の屈折率が高くなり、不利である。入手できるペンタエリスリトールトリアクリレートの市販品としてNKエステルA−TMM−3、NKエステルA−TMM−3L、NKエステルA−TMM−3LM−N(以上、新中村化学工業社製)が挙げられる。
【0066】
これらの、重合性不飽和基を含有するヒドロキシ化合物は、単独で或いは二種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0067】
フロロアルキル基を含有するジヒドロキシ化合物、ポリイソシアネート化合物及び重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物の使用割合は、ジヒドロキシ化合物1モルに対しポリイソシアネート化合物1.5〜3モル、重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物1.5〜3モルとなるような割合が好ましく、更に、ジヒドロキシ化合物1モルに対し、ポリイソシアネート化合物1.8〜2.5モル、重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物1.8〜2.5モルとなるような割合が特に好ましい。
【0068】
フロロアルキル基を含有するモノヒドロキシ化合物、ポリイソシアネート化合物及び重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物の使用割合は、ヒドロキシ化合物1モルに対しポリイソシアネート化合物0.7〜1.5モル、重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物0.7〜1.5モルとなるような割合が好ましく、更に、ヒドロキシ化合物1モルに対し、ポリイソシアネート化合物0.9〜1.2モル、重合性不飽和基含有ヒドロキシ化合物0.9〜1.2モルとなるような割合が特に好ましい。
【0069】
市販のペンタエリスリトールトリアクリレートはジアクリレート体、テトラアクリレート体を混合していることがあり、使用に関しては精製して用いても良いが、混合物のまま使用しても良い。
【0070】
これらの化合物の反応においては、通常ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ラウリル酸ジn−ブチルスズ、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の総量100重量部に対して0.01〜1重量部用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常0〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
また、これらの化合物の反応においては、無触媒で行うこともできる。
【0071】
本発明の化合物の製造にあたっては溶剤を用いることもできる。溶剤としては炭化水素形容剤であるメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等を用いることができる。
【0072】
(B)成分の配合割合は、組成物中の有効成分(溶剤以外の成分)の合計量を100重量%としたとき5〜90重量%であり、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜60重量%となる割合で配合される。この割合が5重量%未満の場合には、硬化物の硬度や耐擦傷性が十分でなく、90重量%を超えると組成物の屈折率が高くなって反射防止効果が不十分となる。
【0073】
<(C)放射線重合開始剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は、光により硬化する場合、(C)成分として放射線重合開始剤を配合することが好ましい。その具体例としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4' −ジメトキシベンゾフェノン、4,4' −ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどを挙げることができる。これらの化合物は、単独であるいは2種以上を併用することができる。
これらの化合物のうち、硬化性の観点から2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノ−プロパン−1−オン、ジエチルチオキサントンなどが好ましい。入手できる2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノ−プロパン−1−オン、ジエチルチオキサントンとしてイルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ社製)が挙げられる。
【0074】
(C)成分が配合されることにより、得られる組成物は十分な硬化性を有するものとなるが、(C)成分の過剰の配合は経済的でないばかりか硬化物を脆化させる原因ともなるので、(C)成分の配合割合は、組成物中の不揮発分の合計量を100重量%としたとき、0〜10重量%であり、好ましくは0.5〜7重量%、より好ましくは1〜5重量%となる割合で配合される。
【0075】
<(D)重合性モノマ>
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記の(A)成分および(B)成分に、さらに硬化物の低屈折率化および高硬度化などの目的で、(A)成分および(B)成分以外の分子中に重合性不飽和基を1個以上有する化合物よりなる(D)成分を配合することができる。
(D)成分としては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1個以上含有する化合物および(B)成分と共重合可能なその他の重合性モノマを挙げることができる。
【0076】
(D)成分の具体例としては、前記含フッ素共重合体(A)成分中の構成成分である(a)成分、(b)成分として例示された化合物や、(1)2,2,2−トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフロロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフロロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフロロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフロロデシル)エチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフロロオクタンジ(メタ)アクリレート、3−(2−パーフロロヘキシル)エトキシ−1,2−ジ(メタ)アクリロイルプロパン、N−n−プロピル−N−2,3−ジ(メタ)アクリロイルプロピルパーフロロオクチルスルホンアミドなどの含フッ素(メタ)アクリレート類;(2)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリヒドロキシエチルトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;(4)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどのイソシアヌレートのポリ(メタ)アクリレート類;(5)トリシクロデカンジイルジメチルジ(メタ)アクリレートなどのシクロアルカンのポリ(メタ)アクリレート類;(6)ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とから得られる(メタ)アクリレートなどのビスフェノールAの(メタ)アクリレート誘導体類;その他を挙げることができる。これらの共重合性単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0077】
さらに、硬化物の屈折率を低く維持する観点からはフッ素含有(メタ)アクリレートを、硬化被膜の硬度を向上させる観点からは多官能(メタ)アクリレートを、また組成物全体の相溶性を高めると共に塗膜の基材への密着力を高める観点からはN−ビニルラクタムを使用することが特に好ましく、このような化合物の具体例としては、ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−カプロラクタムなどが挙げられる。
【0078】
(D)成分は、組成物中の有効成分(溶剤以外の成分)の合計量を100重量%としたとき、0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%となる割合で配合される。この割合が過剰の場合は、硬化被膜の硬度が低いものとなったりあるいは屈折率が高くなったりする傾向がある。また(B)成分と(D)成分の合計量の割合は組成物中の有効成分の合計量を100重量%としたとき、5〜90重量%とすることが好ましい。
【0079】
本発明の硬化性樹脂組成物は、含フッ素共重合体と、重合性単量体、必要に応じて放射線重合開始剤を有機溶剤下で攪拌等により均一化させることにより得ることができる。本発明の硬化性樹脂組成物は、これらの混合物をそのまま用いることもできるし、必要に応じて各種の添加剤を配合して使用することもできる。
【0080】
<各種添加剤>
本発明の硬化性樹脂組成物には、当該硬化性樹脂組成物の塗布性および硬化後の薄膜の物性の改善、塗膜に対する感光性の付与、その他を目的として、例えば顔料または染料などの着色剤、老化防止剤や紫外線吸収剤などの安定化剤、架橋性化合物、熱酸発生剤、光酸発生剤、界面活性剤、溶剤、重合禁止剤などの各種の添加剤を含有することができる。
特に、形成される硬化膜の硬度および耐久性の改善を目的として、架橋性化合物を添加することが好ましい。これらの使用にあたっては、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化後の透明性を低下させず、かつその溶液に均一に溶解するものを選択するのが好ましい。
【0081】
<顔料または染料等の着色剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる着色剤としては、例えば、(1)アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウム等の体質顔料;(2)亜鉛華、鉛白、黄白、群青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料;(3)ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料;(4)マゼンタ、ローダミン等の塩基性染料;(5)ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジ等の直接染料;(6)ローセリン、メタニルイエロー等の酸性染料;その他を挙げることができる。
【0082】
<老化防止剤、紫外線吸収剤等の安定化剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる老化防止剤、紫外線吸収剤としては、公知のものを使用することができる。
老化防止剤の具体例としては、例えばジ−tert−ブチルフェノール、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−〔1−{4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類、フェノチアジン、メルカプトベンズイミダゾールなどを挙げることができる。
【0083】
また紫外線吸収剤の具体例としては、例えばフェニルサリシレートに代表されるサリチル酸系紫外線吸収剤、ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の各種プラスチックの添加剤として使用される紫外線吸収剤を利用することができる。
【0084】
<架橋性化合物>
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、他の架橋性化合物を配合することにより、当該組成物から形成される被膜の硬度を改善することもできる。
架橋性化合物の具体例としては、例えば各種アミノ化合物や、ペンタエリスリトール、ポリフェノール、グリコール等の水酸基含有化合物、その他を挙げることができる。
架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、含フッ素共重合体中に存在する水酸基またはエポキシ基と反応可能なアミノ基、例えばヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方または両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えばメラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を挙げることができる。
硬化性樹脂組成物中の有効成分(溶剤以外の成分)の合計量を100重量%としたとき、架橋性化合物の使用量は50重量%以下であり、好ましくは0〜30重量%である。この架橋性化合物の使用割合が50重量部を越えると、硬化物が脆く膜強度が低下し、かつ屈折率も高くなるために好ましくない。
【0085】
<熱酸発生剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる熱酸発生剤は、当該硬化性樹脂組成物の塗膜を紫外線照射により硬化した後、加熱して更に塗膜の架橋を促進させる場合に、その加熱条件をより穏和なものに改善することができる物質である。
この熱酸発生剤の具体例としては、例えば各種脂肪族スルホン酸とその塩、安息香酸、フタル酸等の各種芳香族カルボン酸とその塩、アルキルベンゼンスルホン酸とそのアンモニウム塩、各種金属塩、リン酸や有機酸のリン酸エステル等を挙げることができる。
【0086】
<光酸発生剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる光酸発生剤は、当該硬化性樹脂組成物の塗膜に感光性を付与し、例えば光等の放射線を照射することによって当該塗膜を光硬化させることを可能にする物質である。
この光酸発生剤としては、例えば、(1)ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の各種オニウム塩;(2)β−ケトエステル、β−スルホニルスルホンとこれらのα−ジアゾ化合物用のスルホン化合物;(3)アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等のスルホン酸エステル類;(4)下記一般式10で示されるスルホンイミド化合物類;(5)下記一般式11で示されるジアゾメタン化合物類;その他を挙げることができる。
光酸発生剤は、単独で、または2種以上を併用することができ、さらに前記熱酸発生剤と併用することもできる。
【0087】
【化15】
(10)
【0088】
[式中、Xはアルキレン基、アリレーン基、アルコキシレン基などの2価の基を示し、R17はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基などの1価の基を示す。]
【0089】
【化16】
(11)
【0090】
[式中、R18およびR19は、互いに同一でも異なってもよく、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基などの1価の基を示す。]
【0091】
<重合禁止剤>
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することのできる熱重合禁止剤としては、例えば、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン等を挙げることができる。
この熱重合禁止剤の使用割合は、硬化性樹脂組成物中の有効成分(溶剤以外の成分)100重量%に対して好ましくは5重量%以下である。
【0092】
<界面活性剤>
本発明の硬化性樹脂組成物には、当該硬化性樹脂組成物の塗布性を改善する目的で界面活性剤を配合することができる。この界面活性剤としては公知のものを使用することができ、具体的には、例えば各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を利用することができるが、特に硬化膜が優れた強度を有し、しかも良好な光学特性を有するものとするために、フッ素系界面活性剤を用いることが好ましい。
界面活性剤の使用割合は、硬化性樹脂組成物中の有効成分(溶剤以外の成分)100重量%に対して好ましくは5重量%以下である。
【0093】
<溶剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は、含フッ素共重合体の製造に用いた溶剤による溶液状で得られ、通常、溶剤を必須成分として含むものである。また、硬化性樹脂組成物の塗布性等を改善すること、その他の目的で、別途溶剤を添加し配合することができる。本発明の硬化性樹脂組成物に含有される好ましい溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が挙げられ、特に溶解性、揮発性の観点からメチルイソブチルケトンが好ましい。これらの溶剤は単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物の溶液には、含フッ素共重合体を溶解しない溶剤、例えば水、アルコール類、エーテル類などの貧溶剤を、含フッ素共重合体が析出しない範囲で併用することができる。これにより、当該硬化性樹脂組成物の溶液が良好な保存性と好ましい塗布性を有するものとなる場合がある。このような貧溶媒としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類を挙げることができる。
溶剤の使用割合は、硬化性樹脂組成物中の有効成分(溶剤以外の成分)100重量部に対して、300〜5,000重量部、好ましくは500〜3,500重量部である。
【0094】
<塗膜の形成方法>
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶液状として各種の基材に塗布することが可能であり、特に基材が透明基材の場合には優れた反射防止膜が形成される。
ここに透明基材としては、具体的に、例えば無機ガラスの他、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチリル樹脂、アリレート樹脂、ノルボルナン樹脂、トリアセチルセルロースなどの各種透明プラスチック板、フィルム等を挙げることができる。
塗布方法としては公知の方法を使用することができ、特にコーター法、ディッピング法、印刷法などの各種の方法を適用することができる。
硬化方法としては、放射線硬化や熱硬化を用いることができ、特に紫外線硬化、電子線硬化が好ましい。本発明の特徴である硬化膜の耐久性を確実に得るためには、紫外線硬化の場合、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0095】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
なお、以下において「部」および「%」は特にことわらない限り、それぞれ重量部および重量%を示す。
<合成例1>
<含フッ素共重合体の合成>
内容積0.5リットルの電磁撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内を窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル200g、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)21.3g、エチルビニルエーテル(EVE)20.1g、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)10.6gおよびジラウロイルパーオキサイド(LPO)0.5gを仕込んだ。次いで、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで置換した。 次いでヘキサフロロプロピレン(HFP)48.0gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は4.0×105Paを示した。そのまま攪拌しながら70℃で20時間反応を継続させた。そして圧力が1.5×105Pa に低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。そのままの状態で放置し室温に達した後、未反応モノマを放出させてオートクレーブを開放しポリマー溶液を得た。このポリマー溶液中の不揮発分濃度(有効成分濃度)はアルミ皿上150℃で5分焼くことにより26.4%であった。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行って88gの含フッ素共重合体を得た。この含フッ素共重合体を含フッ素共重合体A1という。表1に、この含フッ素共重合体A1を得るための単量体の仕込み量、収量、重合添加率および不揮発分濃度を示す。
【0096】
この含フッ素共重合体A1をテトラヒドロフラン(THF)に溶解して調製した0.5%溶液を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)を求めたところ、54000であった。さらに示差熱分析法(DSC)によるガラス転移温度(Tg)、アリザリンコンプレクス法によるフッ素含量、および無水酢酸を用いたアセチル化法による水酸基価をそれぞれ測定した。また、1H−NMR分析、FT−IR分析、並びに測定されたフッ素含量から含フッ素共重合体A1を構成する各単量体成分の割合を決定した。得られた結果を表1に示す。
【0097】
<合成例2>
各成分の仕込量をFPVE17.3g、EVE16.5g、HEVE8.6gおよびLPO0.5g、HFP39.0gに変更し、さらにノニオン性反応性乳化剤としてアデカリアソープNE−30(旭電化工業社製)16.2gと、アゾ基含有ポリジメチルシロキサンとしてVPS−1001(和光純薬工業社製)2.4gとを使用した以外は、合成例1と同様にしてポリシロキサンセグメントを有する含フッ素共重合体(以下含フッ素共重合体A2と称する。)を得た。なお、評価は合成例1の場合と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
<合成例3>
<少なくとも3つの重合性不飽和基を有する含フッ素ウレタン化合物の合成>
マグネチックスターラー、窒素ガス導入管のついた還流冷却器および温度計を備えた300ml丸底フラスコにイソホロンジイソシアネート10.0g(45mmol、3−(2−パーフロロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン(トーケムプロダクツ社製、MF100)9.87g(22.5mmol)、メチルイソブチルケトン39gを順に添加し室温下で攪拌した。さらに、ジブチル錫ジラウレート0.07gを添加し、50℃で2時間攪拌した。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA−TMM−3LM−N)22.0gとメチルイソブチルケトン58gの混合溶液とジブチル錫ジラウレート0.06gを添加し66℃で4時間攪拌した。この反応液のイソシアネート含量を測定すると0.08wt%であり、反応は十分進行したことを確認した。このようにして含フッ素ウレタン化合物の30.0%MIBK溶液を得た。この反応液からエバポレーターで溶剤を留去することによって得られた不揮発成分を含フッ素ウレタン化合物B1とする。
【0100】
<合成例4>
マグネチックスターラー、窒素ガス導入管のついた還流冷却器および温度計を備えた300ml丸底フラスコにイソホロンジイソシアネート5.0g(22.5mmol)、2−パーフロロオクチルエタノール(ダイキンファインケミカル研究所社製、A1820)10.5g(22.5mmol)、メチルイソブチルケトン40gを順に添加し室温下で攪拌した。ジブチル錫ジラウレート0.07gを添加し、50℃で2時間攪拌した。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA−TMM−3LM−N)10.5gとメチルイソブチルケトン30gの混合溶液とジブチル錫ジラウレート0.06gを添加し66℃で5時間攪拌した。この反応液のイソシアネート含量を測定すると0.01wt%であり、反応は十分進行したことを確認した。このようにして含フッ素ウレタン化合物の30.0%MIBK溶液を得た。この反応液からエバポレーターで溶剤を留去することによって得られた不揮発成分を含フッ素ウレタン化合物B2とする。
【0101】
本発明の含フッ素ウレタン化合物B1、B2を日本電子社製 フーリエ変換赤外分光光度計JIR−5500を用いてIR分析を行った。その分析結果などから、B1及びB2に含有される化合物は、それぞれ下記化学式5及び下記化学式12の化合物であると判断された。
【0102】
【化17】
【0103】
【化18】
【0104】
<実施例1>
<硬化性樹脂組成物の調製>
合成例1で得られた含フッ素共重合体A1を7.00g、合成例3で得られた含フッ素ウレタン化合物B1の30.0%MIBK溶液を10.00g(B1として3.00g)、放射線重合開始剤イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ社製)を0.20g、KAYACURE DETX−S(日本化薬社製)を0.05g、メチルイソブチルケトン(MIBK)153.58g中に溶解し、室温にて2時間攪拌下で溶解させることにより、有効成分濃度6%の硬化性樹脂組成物の溶液を得た。
【0105】
<硬化性樹脂組成物の塗膜の形成および評価>
反射率の測定
前記硬化性樹脂組成物の塗膜を、厚さ3mmのアクリル板上にバーコーター#3にて形成した後、アイグラフィックス社製紫外硬化用電源装置を用いて窒素雰囲気下で500mJ/cm2 の紫外線を照射して積層フィルムを成形した。このフィルムの裏面に艶消し黒スプレー(即乾アクリルラッカースプレー 艶消しブラック:カンペアピオ社製)を塗布して乾燥させた。このフィルムを試料として、顕微反射分光膜厚計FTM−1000(大塚電子社製)を用いて反射率の測定を行った。
【0106】
密着性の測定
塗膜の基材への密着性の評価として、上記の硬化膜が形成されたフィルムを試料として、耐擦傷性テストを実施した。すなわち、キムワイプ(十條キンバリー社製)を用いて硬化膜の表面を荷重1kgf/cm2 の条件で200回繰り返しこすり、当該表面における傷の発生の有無を目視で確認した。そして、硬化膜の剥離や傷の発生が認められないのをAA、硬化膜の表面に筋状の傷が僅かに発生したものをA、硬化膜の表面に筋状の傷が多数発生したものをB、硬化膜に剥離が生じたものをCと評価した。
以上の結果を表2に示す。
【0107】
透明性の測定
塗膜の透明性の評価として、上記の硬化膜が形成されたフィルムを試料として、目視により外観を観察した。
【0108】
実施例2〜6および比較例1〜6
実施例1において、組成物の内容を表2および3に示すものに変えたこと以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を調製した。
これらの硬化性樹脂組成物を上記と同様にして硬化膜を形成し、各種物性を測定した。結果を表2および3に示す。
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
表中の略号は、下記内容を示す。
KAYARAD DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬社製)
ビスコート17F :ヘプタデカフロロデシルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
イルガキュア907:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノ−プロパン−1−オン(チバスペシャルティケミカルズ社製)
KAYACURE DETX−S :ジエチルチオキサントン(日本化薬社製)
【0112】
【発明の効果】
本発明の硬化性樹脂組成物によれば、優れた透明性、耐久性、 低屈折率という特性を有する硬化膜が形成される。従って、本発明の硬化性樹脂組成物は、特に反射防止膜、光ファイバー鞘材等の光学材料の形成、またフッ素材料本来の特性である耐候性を活かした塗料用材料、耐候フィルム用材料、コーティング用材料として好適に使用することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物から得られる塗膜は、撥水性、 耐候性にも優れ、撥水・防湿用コーティング材料、 超耐候性塗料用材料として好適に使用することができる。
そして、本発明の硬化性樹脂組成物は、一般的な炭化水素系溶剤に溶解するため、安価で環境に影響の少ない材料を提供することができ、しかも良好な放射線硬化性を示す。
【0113】
また、本発明の反射防止膜は、上記の硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜よりなり、耐擦傷性に優れており、低い屈折率ならびに可視光に対する優れた透明性を有するため、良好な反射防止効果を発揮するものである。
Claims (4)
- (A)(a)下記一般式1で表されるフッ素原子を含有する構造単位、および、(b)下記一般式2で表される構造単位から成り、フッ素含量が30重量%以上であり、かつ数平均分子量が5,000以上である含フッ素共重合体、および、(B)下記化学式5および下記化学式12から選ばれる少なくとも1種の重合性不飽和基を有する含フッ素ウレタン化合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化膜。
- 請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物よりなることを特徴とする反射防止膜。
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