JP2004307524A - フッ素含有オレフィン系重合体、硬化性樹脂組成物及び反射防止膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなる、主鎖中にポリシロキサンセグメントを有することを特徴とするフッ素含有オレフィン系重合体。この重合体と溶剤を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物を低屈折率膜として用いて反射防止膜が得られる。本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物は、特に、埃拭き取り性に優れる。
【選択図】 無し
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素含有オレフィン系重合体及び該フッ素含有オレフィン系重合体を含有する硬化性樹脂組成物に関し、特に、高い透明性と低い反射率特性を有し、埃拭き取り性が良好である硬化膜を形成する硬化性樹脂組成物及び反射防止膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、マルチメディアの発達に伴い、各種の表示装置(ディスプレイ装置)において種々の発展が見られている。そして、各種の表示装置のうち、特に、携帯用を中心に屋外で使用されるものでは、その視認性の向上がますます重要となってきており、大型表示装置においても、より見易くすることが需要者に要求されており、この事項がそのまま技術課題となっている。
【0003】
従来、表示装置の視認性を向上させるための一手段として、低屈折率材料から構成される反射防止膜を、表示装置の基板に被覆することが行われており、反射防止膜を形成する方法としては、例えば、フッ素化合物の薄膜を蒸着法により形成する方法が知られている。然るに、近年では、液晶表示装置を中心として、低いコストで、しかも大型の表示装置に対しても、反射防止膜を形成することのできる技術が求められている。しかしながら、蒸着法による場合には、大面積の基板に対して、高い効率で均一な反射防止膜を形成することが困難であり、しかも真空装置を必要とするために、コストを低くすることが困難である。
【0004】
このような事情から、屈折率の低いフッ素系重合体を有機溶剤に溶解して液状の組成物を調製し、これを基板の表面に塗布することによって反射防止膜を形成する方法が検討されている。例えば、基板の表面にフッ素化アルキルシランを塗布することが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、特定の構造を有するフッ素系重合体を塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−40845号公報
【特許文献2】
特公平6−98703号公報
【特許文献3】
特開平6−115023号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフッ素系材料による反射防止膜は、基材との密着が十分ではなく、特に、繰り返し擦過を受けた場合に、当該反射防止膜層が剥がれてしまう、加えて液晶ディスプレイ等の反射防止膜表面に空気中のゴミ、埃が付着し、視認性を低下させるという問題を有している。本発明は、以上のような状況を背景としてなされたものであって、その目的は、透明性が高く、屈折率が低く、基材に対する密着性が大きく、しかも優れた耐擦傷性及び埃拭き取り性を有する硬化膜を形成することができる硬化性樹脂組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、透明性が高く、基材に対する密着性が大きく、しかも優れた耐擦傷性及び埃拭き取り性を有する反射防止膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のフッ素含有オレフィン系重合体は、水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなる、主鎖中にポリシロキサンセグメントを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記のフッ素含有オレフィン系重合体及び溶剤を含有することを特徴とする。
【0009】
本発明の反射防止膜は、上記の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物を含むことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
1.フッ素含有オレフィン系重合体
本発明のフッ素含有オレフィン系重合体は、水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなる、主鎖中にポリシロキサンセグメントを有するものである。フッ素含有オレフィン系重合体は、好ましくは、フッ素含量が30重量%以上であり、ポリスチレン換算による数平均分子量が5000以上である。本発明において、フッ素含有オレフィン系重合体は、下記一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントを主鎖に有するオレフィン系重合体であり、フッ素含有オレフィン系重合体における当該ポリシロキサンセグメントの割合は、通常0.1〜20モル%とされる。
【0011】
【化1】
式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す。
【0012】
また、フッ素含有オレフィン系重合体は、好ましくはフッ素含量が30重量%以上、より好ましくは40〜60重量%のものであり、さらにゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって得られるポリスチレン換算による数平均分子量が、好ましくは5000以上、より好ましくは10000〜500000のものである。ここに、フッ素含量は、アリザリンコンプレクソン法により測定された値、数平均分子量は、展開溶剤としてテトラヒドロフランを用いたときの値である。
【0013】
本発明におけるフッ素含有オレフィン系重合体は、(a)フッ素含有オレフィン化合物(以下「(a)成分」という。)、(b)この(a)成分と共重合可能な水酸基を含有する単量体化合物(以下「(b)成分」という。」)及び(c)アゾ基含有ポリシロキサン化合物(以下「(c)成分」という。)、並びに、必要に応じて、(d)反応性乳化剤(以下「(d)成分」という。)、及び/又は(e)前記(a)成分と共重合可能な(b)成分以外の単量体化合物を反応させることにより得ることができる。
【0014】
(a)成分であるフッ素含有オレフィン化合物としては、少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げることができ、その具体例としては、例えば、(1)テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン等のフロロオレフィン類;(2)パーフロロ(アルキルビニルエーテル)類もしくはパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;(3)パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルキルビニルエーテル)類;(4)パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を併用することができる。以上のうち、特にヘキサフロロプロピレン、パーフロロ(アルキルビニルエーテル)又はパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)が好ましく、さらにはこれらを組み合わせて使用することが好ましい。
【0015】
(b)成分である水酸基を含有する単量体化合物としては、例えば、(1)2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類;(2)2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類;(3)アリルアルコール;(4)ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を併用することができる。好ましくは、水酸基含有アルキルビニルエーテル類である。
【0016】
(c)成分のアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、−N=N−で示される熱解裂容易なアゾ基を含有すると共に、前記一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントを有する化合物であり、例えば、特開平6−93100号公報に記載された方法により製造することのできるものである。(c)成分の具体例としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
【0017】
【化2】
式中、y=10〜500、z=1〜50である。
【0018】
上記の(a)成分、(b)成分及び(c)成分の好ましい組み合わせは、例えば、(1)フロロオレフィン/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(2)フロロオレフィン/パーフロロ(アルキルビニルエーテル)/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(3)フロロオレフィン/パーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(4)フロロオレフィン/パーフロロ(アルキルビニルエーテル)/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(5)フロロオレフィン/パーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位である。
【0019】
本発明のフッ素含有オレフィン系重合体において、(a)成分に由来する構造単位は、好ましくは20〜70モル%、さらに好ましくは25〜65モル%、特に好ましくは30〜60モル%である。(a)成分に由来する構造単位の割合が20モル%未満では、得られるフッ素含有オレフィン系重合体中のフッ素含量が過少となりやすく、得られる硬化性樹脂組成物の硬化物は、屈折率が十分に低いものとなりにくい。一方、(a)成分に由来する構造単位の割合が70モル%を超えると、得られるフッ素含有オレフィン系重合体の有機溶剤への溶解性が著しく低下するとともに、得られる硬化性樹脂組成物は、透明性及び基材への密着性が小さいものとなる。
【0020】
フッ素含有オレフィン系重合体において、(b)成分に由来する構造単位は、10〜50モル%である。好ましくは下限値は13モル%以上であり、さらに好ましくは20モル%を超え、21モル%以上であり、また、好ましくは上限値は45モル%以下であり、さらに好ましくは35モル%以下である。このような(b)成分を所定量含有するフッ素含有オレフィン系重合体を用いて硬化性樹脂組成物を構成することにより、その硬化物において、良好な耐擦傷性と埃拭き取り性を実現することができる。他方、(b)成分に由来する構造単位の割合が10モル%未満では、フッ素含有オレフィン系重合体は、有機溶剤への溶解性が劣ったものとなり、50モル%を超えると、硬化性樹脂組成物による硬化物は、透明性及び低反射率の光学特性が悪化したものとなる。
【0021】
(c)成分のアゾ基含有ポリシロキサン化合物は、それ自体が熱ラジカル発生剤であり、フッ素含有オレフィン系重合体を得るための重合反応において重合開始剤としての作用を有するが、他のラジカル開始剤を併用することもできる。フッ素含有オレフィン系重合体における(c)成分に由来する構造単位の割合は、一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントが、好ましくは0.1〜20モル%、さらに好ましくは0.1〜15モル%、特に好ましくは0.1〜10モル%、特に好ましくは0.1〜5モル%となる割合である。一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントの割合が20モル%を超える場合には、得られるフッ素含有オレフィン系重合体は、透明性に劣ったものとなり、また塗布剤として用いる場合には、塗布時にハジキ等が発生し易くなる。
【0022】
本発明においては、上記(a)〜(c)成分以外に、さらに(d)成分として、反応性乳化剤を単量体成分として用いることが好ましい。この(d)成分を用いることにより、フッ素含有オレフィン系重合体を塗布剤として使用する場合に、良好な塗布性及びレベリング性を得ることができる。この反応性乳化剤としては、特に、ノニオン性反応性乳化剤を用いることが好ましい。ノニオン性反応性乳化剤の具体例としては、例えば、下記一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物を挙げることができる。
【0023】
【化3】
式中、n、m及びsは、繰り返し単位を示し、n=1〜20、m=0〜4、s=3〜50である。
【0024】
【化4】
式中、m及びsは、一般式(3)と同様である。R3は、直鎖状でも分岐状でもよいアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜40のアルキル基である。
【0025】
フッ素含有オレフィン系重合体において、(d)成分由来の構成単位の割合は、好ましくは0〜10モル%であり、さらに好ましくは0.1〜5モル%、特に好ましくは0.1〜1モル%である。この割合が10モル%を超えると、得られる硬化性樹脂組成物が粘着性を帯びたものとなるために取り扱いが困難となり、塗布剤として使用する場合に耐湿性が低下する。
【0026】
(e)成分の、(a)成分と共重合可能な(b)成分以外の単量体化合物としては、(1)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;(2)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;(3)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(4)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体化合物等であって、水酸基を含有しないものを挙げることができる。好ましくは、アルキルビニルエーテルである。
【0027】
フッ素含有オレフィン系重合体において、(e)成分由来の構成単位の割合は、好ましくは0〜70モル%であり、さらに好ましくは5〜35モル%である。この割合が70モル%を超えると、得られる硬化性樹脂組成物が粘着性を帯びたものとなるために取り扱いが困難となり、塗布剤として使用する場合に耐湿性が低下する。
【0028】
(d)成分を含有する場合の、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び(e)成分の好ましい組み合わせは次のとおりである。
(1)フロロオレフィン/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤/アルキルビニルエーテル、(2)フロロオレフィン/パーフロロ(アルキルビニルエーテル)/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤/アルキルビニルエーテル、(3)フロロオレフィン/パーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤/アルキルビニルエーテル、(4)フロロオレフィン/パーフロロ(アルキルビニルエーテル)/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤/アルキルビニルエーテル、(5)フロロオレフィン/パーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤/アルキルビニルエーテル。
【0029】
(c)成分と併用することができるラジカル重合開始剤としては、例えば、(1)アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;(2)メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;(3)過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;(4)ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;(5)tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類;(6)アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物類;(7)過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;その他を挙げることができる。
【0030】
上記のラジカル重合開始剤以外の具体例としては、例えば、パーフロロエチルアイオダイド、パーフロロプロピルアイオダイド、パーフロロブチルアイオダイド、(パーフロロブチル)エチルアイオダイド、パーフロロヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロヘプチルアイオダイド、パーフロロオクチルアイオダイド、2−(パーフロロオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロデシルアイオダイド、2−(パーフロロデシル)エチルアイオダイド、ヘプタフロロ−2−ヨードプロパン、パーフロロ−3−メチルブチルアイオダイド、パーフロロ−5−メチルヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロ−7−メチルオクチルアイオダイド、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロ−9−メチルデシルアイオダイド、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルアイオダイド、2,2,3,3−テトラフロロプロピルアイオダイド、1H,1H,5H−オクタフロロペンチルアイオダイド、1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチルアイオダイド、テトラフロロ−1,2−ジヨードエタン、オクタフロロ−1,4−ジヨードブタン、ドデカフロロ−1,6−ジヨードヘキサン等のヨウ素含有フッ素化合物を挙げることができる。ヨウ素含有フッ素化合物は、単独で、又は上記の有機過酸化物、アゾ系化合物あるいは過硫酸塩と併用することができる。
【0031】
本発明において、フッ素含有オレフィン系重合体を製造するための重合様式としては、ラジカル重合開始剤を用いる、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法のいずれをも用いることができ、重合操作としても、回分式、半連続式又は連続式の操作等から適宜のものを選択することができる。
【0032】
フッ素含有オレフィン系重合体を得るための重合反応は、溶剤を用いた溶剤系で行うことが好ましい。ここに、好ましい有機溶剤としては、例えば、(1)酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類;(2)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;(3)テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;(4)N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;(5)トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;その他を挙げることができる。さらに必要に応じて、アルコール類、脂肪族炭化水素類等を混合使用することもできる。
【0033】
上記のようにして得られるフッ素含有オレフィン系重合体は、その重合反応で得られた反応溶液をそのまま硬化性樹脂組成物として使用することが可能な場合もあるが、重合反応溶液に対して適宜の後処理を行うことも自由である。この後処理としては、例えば、重合反応溶液を、アルコール等よりなる当該フッ素含有オレフィン系重合体の不溶化溶剤に滴加して当該フッ素含有オレフィン系重合体を凝固させる精製方法に代表される一般的な再沈殿処理を行うことができ、次いで、得られる固形の共重合体を溶剤に溶解させることにより、フッ素含有オレフィン系重合体の溶液を調製することができる。また、重合反応溶液から残留モノマーを除去したものを、そのままフッ素含有オレフィン系重合体の溶液として使用することもできる。
【0034】
2.硬化性樹脂組成物
本発明の硬化性樹脂組成物は、実際上、硬化性を有することが必要であり、フッ素含有オレフィン系重合体それ自体が十分な硬化性を有しない場合には、架橋性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができ、また硬化特性を改善することができる。そして、架橋性化合物が用いられる場合に、当該架橋性化合物とフッ素含有オレフィン系重合体との混合物を硬化性樹脂組成物として用いること、又はフッ素含有オレフィン系重合体と架橋性化合物との全部を反応させた反応生成物もしくはそれらの一部のみを反応させた状態のものを硬化性樹脂組成物として用いることができる。
【0035】
(1)架橋性化合物
架橋性化合物としては、例えば、各種アミノ化合物や、ペンタエリスリトール、ポリフェノール、グリコール等の各種水酸基含有化合物、その他を挙げることができる。
【0036】
架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、フッ素含有オレフィン系重合体中に存在する水酸基と反応可能なアミノ基、例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えば、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を挙げることができる。
【0037】
メラミン系化合物は、一般にトリアジン環に窒素原子が結合した骨格を有する化合物として知られているものであり、具体的には、メラミン、アルキル化メラミン、メチロールメラミン、アルコキシ化メチルメラミン等を挙げることができるが、1分子中にメチロール基及びアルコキシ化メチル基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上有するものが好ましい。具体的には、メラミンとホルムアルデヒドとを塩基性条件下で反応させて得られるメチロール化メラミン、アルコキシ化メチルメラミン、又はそれらの誘導体が好ましく、特に硬化性樹脂組成物に良好な保存安定性が得られる点、及び良好な反応性が得られる点で、アルコキシ化メチルメラミンが好ましい。架橋性化合物として用いられるメチロール化メラミン及びアルコシ化メチルメラミンには特に制約はなく、例えば、文献「プラスチック材料講座[8]ユリア・メラミン樹脂」(日刊工業新聞社)に記載されている方法で得られる各種の樹脂状物の使用も可能である。
【0038】
また、尿素系化合物としては、尿素の他、ポリメチロール化尿素その誘導体であるアルコキシ化メチル尿素、ウロン環を有するメチロール化ウロン及びアルコキシ化メチルウロン等を挙げることができる。そして、尿素誘導体等の化合物についても、上記の文献に記載されている各種樹脂状物の使用が可能である。
【0039】
フッ素含有オレフィン系重合体100重量部に対する架橋性化合物の使用量は、好ましくは70重量部以下であり、さらに好ましくは3〜50重量部、特に好ましくは5〜30重量部である。架橋性化合物の使用量が過少であると、得られる硬化性樹脂組成物により形成される薄膜の耐久性が不十分となる場合があり、70重量部を超えると、フッ素含有オレフィン系重合体との反応においてゲル化を回避することが困難であり、しかも硬化膜が低屈折率のものとならず、硬化物が脆いものとなる場合がある。
【0040】
フッ素含有オレフィン系重合体と架橋性化合物との反応は、例えば、フッ素含有オレフィン系重合体を溶解させた有機溶剤の溶液に架橋性化合物を添加し、適宜の時間加熱、攪拌等により反応系を均一化させながら行えばよい。この反応のための加熱温度は、好ましくは30〜150℃の範囲であり、さらに好ましくは50〜120℃の範囲である。この加熱温度が30℃未満では、反応の進行が極めて遅く、150℃を超えると、目的とする反応の他に、架橋性化合物中のメチロール基やアルコキシ化メチル基同士の反応による橋掛け反応が生じてゲルが生成するので、好ましくない。反応の進行は、メチロール基又はアルコキシ化メチル基を赤外分光分析等により定量する方法、あるいは溶解している重合体を再沈殿法によって回収して、その増加量を測定することにより、定量的な確認を行うことができる。
【0041】
また、フッ素含有オレフィン系重合体と架橋性化合物との反応には、有機溶剤、例えば、フッ素含有オレフィン系重合体の製造において用いられる有機溶剤と同じもの用いることが好ましい。本発明においては、このようにして得られる、フッ素含有オレフィン系重合体と架橋性化合物による反応溶液を、そのまま硬化性樹脂組成物の溶液として用いることもできるし、必要に応じて各種の添加剤を配合した上で使用することもできる。
【0042】
(2)添加剤
本発明の硬化性樹脂組成物には、当該硬化性樹脂組成物の塗布性及び硬化後の薄膜の物性の改善や、塗膜に対する感光性の付与等を目的として、例えば、水酸基を有する種々のポリマーやモノマー、顔料又は染料等の着色剤、老化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤、熱酸発生剤、感光性酸発生剤、界面活性剤、重合禁止剤、溶剤、シリカを主成分とする粒子等の各種の添加剤を含有させることができる。特に、形成される硬化膜の硬度及び耐久性の改善を目的として、熱酸発生剤又は光酸発生剤を添加することが好ましく、特に、硬化性樹脂組成物の硬化後の透明性を低下させず、かつその溶液に均一に溶解するものを選択して用いるのが好ましい。
【0043】
▲1▼ 水酸基を有するポリマー
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有共重合性単量体を共重合して得られるポリマー、ノボラック樹脂又はレゾール樹脂として公知のフェノール骨格を有する樹脂等を挙げることができる。
【0044】
▲2▼ 顔料又は染料等の着色剤
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる着色剤としては、例えば、(1)アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウム等の体質顔料;(2)亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料;(3)ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料;(4)マゼンタ、ローダミン等の塩基性染料;(5)ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジ等の直接染料;(6)ローセリン、メタニルイエロー等の酸性染料;その他を挙げることができる。
【0045】
▲3▼ 老化防止剤、紫外線吸収剤等の安定化剤
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる老化防止剤、紫外線吸収剤としては、公知のものを使用することができる。
老化防止剤の具体例としては、例えば、ジ−tert−ブチルフェノール、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類、フェノチアジン、メルカプトベンズイミダゾール等を挙げることができる。
【0046】
また、紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレートに代表されるサリチル酸系紫外線吸収剤、ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の各種プラスチックの添加剤として使用される紫外線吸収剤を利用することができる。
【0047】
▲4▼ 熱酸発生剤
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる熱酸発生剤は、当該硬化性樹脂組成物の塗膜等を加熱して硬化させる場合に、その加熱条件を、より穏和なものに改善することができる物質である。この熱酸発生剤の具体例としては、例えば、各種脂肪族スルホン酸とその塩、クエン酸、酢酸、マレイン酸等の各種脂肪族カルボン酸とその塩、安息香酸、フタル酸等の各種芳香族カルボン酸とその塩、アルキルベンゼンスルホン酸とそのアンモニウム塩、各種金属塩、リン酸や有機酸のリン酸エステル等を挙げることができる。この熱酸発生剤の使用割合は、硬化性樹脂組成物中のフッ素含有オレフィン系重合体100重量部に対して、好ましくは0〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。この割合が過大となると、硬化性樹脂組成物の保存安定性が劣るものとなるので好ましくない。
【0048】
▲5▼ 感光性酸発生剤
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる感光性酸発生剤は、当該硬化性樹脂組成物の塗膜に感光性を付与し、例えば、光等の放射線を照射することによって当該塗膜を光硬化させることを可能にする物質である。この感光性酸発生剤としては、例えば、(1)ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の各種オニウム塩;(2)β−ケトエステル、β−スルホニルスルホンとこれらのα−ジアゾ化合物等のスルホン化合物;(3)アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等のスルホン酸エステル類;(4)下記一般式(5)で示されるスルホンイミド化合物類;(5)下記一般式(6)で示されるジアゾメタン化合物類;その他を挙げることができる。
【0049】
【化5】
式中、Xは、アルキレン基、アリレーン基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、R4は、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。
【0050】
【化6】
式中、R5及びR6は、互いに同一でも異なってもよく、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。
【0051】
感光性酸発生剤は、単独で、又は2種以上を併用することができ、さらに前記熱酸発生剤と併用することもできる。感光性酸発生剤の使用割合は、硬化性樹脂組成物中のフッ素含有オレフィン系重合体100重量部に対して、好ましくは0〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。この割合が過大であると、硬化膜の強度が劣ったものとなり、透明性も低下するために好ましくない。
【0052】
▲6▼ 界面活性剤
本発明の硬化性樹脂組成物には、当該硬化性樹脂組成物の塗布性を改善する目的で界面活性剤を配合することができる。この界面活性剤としては、公知のものを使用することができ、具体的には、例えば、各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を利用することができるが、特に、硬化膜が優れた強度を有し、しかも良好な光学特性を有するものとするために、カチオン系界面活性剤を用いることが好ましい。さらには、第4級アンモニウム塩であることが好ましく、その中でも第4級ポリエーテルアンモニウム塩を用いると、埃拭き取り性がさらに改善される点で特に好ましい。第4級ポリエーテルアンモニウム塩であるカチオン系界面活性剤としては、旭電化工業社製アデカコールCC−15、CC−36、CC−42等が挙げられる。界面活性剤の使用割合は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは5重量部以下である。
【0053】
▲7▼ 重合禁止剤
本発明の硬化性樹脂組成物に配合することができる熱重合禁止剤としては、例えば、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン等を挙げることができる。この熱重合禁止剤は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは5重量部以下で用いられる。
【0054】
▲8▼ 溶剤
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶剤を必須の成分として含有するものであるが、当該硬化性樹脂組成物の溶剤は、通常、フッ素含有オレフィン系重合体の製造に用いた溶剤、あるいはフッ素含有オレフィン系重合体と架橋性化合物との反応に用いた溶剤による溶液として得られ、従ってそのままで溶剤を含有するものである。
また、硬化性樹脂組成物の塗布性等を改善すること、その他の目的で、別途溶剤を添加し、配合することができる。本発明の硬化性樹脂組成物に含有される好ましい溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類を挙げることができる。さらに、本発明の硬化性樹脂組成物の溶液には、フッ素含有オレフィン系重合体を溶解し得ない溶剤、例えば、水、アルコール類、エーテル類等の貧溶剤を、フッ素含有オレフィン系重合体が析出しない範囲で併用することができる。これにより、当該フッ素含有オレフィン系重合体の溶液が、良好な保存性と好ましい塗布性を有するものとなる場合がある。このような貧溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等を挙げることができる。
【0055】
▲9▼ シリカを主成分とする粒子
本発明の硬化性樹脂組成物には、当該硬化性樹脂組成物の硬化物の耐擦傷性、特にスチールウール耐性を改善する目的でシリカを主成分とする粒子を配合することができる。このシリカを主成分とする粒子としては、公知のものを使用することができ、また、その形状も、球状であれば通常のコロイダルシリカに限らず中空粒子、多孔質粒子、コア・シェル型粒子等であっても構わない。また、球状に限らず、不定形の粒子であっても良い。動的光散乱法で求めた数平均粒子径が1〜100nm、固形分が10〜40重量%、pHが2.0〜6.5のコロイダルシリカが好ましい。
【0056】
また、分散媒は、水あるいは有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエ−テル類等の有機溶剤を挙げることができ、これらの中で、アルコール類およびケトン類が好ましい。これら有機溶剤は、単独で、または2種以上混合して分散媒として使用することができる。
シリカを主成分とする粒子の市販品としては、例えば、日産化学工業(株)製のスノーテックスO(動的光散乱法で求めた数平均粒子径7nm、固形分20重量%、pH2.7)、スノーテックスOL(動的光散乱法で求めた数平均粒子径:15nm、固形分:20重量%、pH2.5)等を挙げることができる。
【0057】
また、コロイダルシリカ表面に化学修飾等の表面処理を行ったものを使用することができ、例えば分子中に1以上のアルキル基を有する加水分解性ケイ素化合物又はその加水分解物を含有するもの等を反応させることができる。このような加水分解性ケイ素化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリブチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、1,1,1―トリメトキシ−2,2,2−トリメチル−ジシラン、ヘキサメチル−1,3−ジシロキサン、1,1,1―トリメトキシ−3,3,3−トリメチル−1,3−ジシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−ジメチルメトキシシリル−ポリジメチルシロキサン、α−トリメチルシリル−ω−トリメトキシシリル−ポリジメチルシロキサンヘキサメチル−1,3−ジシラザン等を挙げることができる。また、分子中に1以上の反応性基を有する加水分解性ケイ素化合物を使用することもできる。分子中に1以上の反応性基を有する加水分解性ケイ素化合物は、例えば反応性基としてNH2基を有するものとして、尿素プロピルトリメトキシシラン、N―(2−アミノエチル)―3―アミノプロピルトリメトキシシラン等、OH基を有するものとして、ビス(2−ヒドロキシエチル)―3―アミノトリプロピルメトキシシラン等、イソシアネート基を有するものとして3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等、チオシアネート基を有するものとして3−チオシアネートプロピルトリメトキシシラン等、エポキシ基を有するものとして(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等、チオール基を有するものとして、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。好ましい化合物として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
【0058】
シリカを主成分とする粒子の使用割合は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは10〜100重量部であり、さらに好ましくは10〜60重量部である。
【0059】
3.反射防止膜
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶液状で各種の基材に塗布することができ、得られた塗膜を硬化させることにより、例えば、基材が透明基材の場合には、優れた反射防止膜が形成される。
反射防止膜の具体的構造は、通常、基材、高屈折率膜、及び本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物を低屈折率膜として積層したものである。尚、基材と高屈折率膜、又は高屈折率膜と低屈折率膜の間には、他の層を介在させてもよく、例えば、基材と高屈折率膜の間には、ハードコート層や反射防止層を設けることができる。
透明基材の具体例としては、例えば、無機ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチリル樹脂、アリレート樹脂、ノルボルナン樹脂等の各種透明プラスチック板、フィルム等を挙げることができる。塗布法としては、公知の塗布方法を使用することができ、特に、ディップ法、コーター法、印刷法等各種の方法を適用することができる。
【0060】
塗布により形成される硬化性樹脂組成物の塗膜は、硬化させて優れた光学特性と耐久性を有する硬化膜を形成させるために、特に、加熱による熱履歴を与えることが好ましい。もちろん、常温で放置した場合にも、時間の経過と共に硬化反応が進み、目的とする硬化膜が形成されるが、実際上は、加熱して硬化させることが、所要時間を短縮する上で効果的である。また、熱酸発生剤を硬化触媒として添加しておくことにより、さらに硬化反応を促進させることができる。この硬化触媒としては特に制限は無く、一般のウレア樹脂、メラミン樹脂等のための硬化剤として使用されている前述の各種酸類やその塩類を利用することができ、特に、アンモニウム塩を好ましく用いることができる。硬化反応のための加熱条件は適宜選択することができるが、加熱温度は、塗布の対象である基材の耐熱限界温度以下であることが必要である。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明がこれらの実施例に制約されるものではない。また、以下の説明において「部」及び「%」は、特にことわらない限り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
<フッ素含有オレフィン系重合体の製造>
実施例1
内容積2.0リットルの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、溶剤の酢酸エチル500g、(a)成分のパーフロロ(プロピルビニルエーテル)52.7g、(e)成分のエチルビニルエーテル(EVE)48.9gと、(b)成分の4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)30.1g、(d)成分のノニオン性反応性乳化剤として「アデカリアソープNE−10」(旭電化工業株式会社製)19.0g、(c)成分のアゾ基含有ポリジメチルシロキサンとして「VPS−1001」(和光純薬工業株式会社製)3.0g及び重合開始剤の過酸化ラウロイル(LPO)2.0gを仕込み、ドライアイス−メタノール系寒剤により−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
【0062】
次に、(a)成分のヘキサフロロプロピレン(HFP)118.3gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は60Paであった。その後、60℃で攪拌下に20時間反応を継続し、圧力が25Paに低下した時点で、オートクレーブを水冷して反応を停止させた。反応物が室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入し、ポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行って、220gのフッ素含有重合体A1を得た。表1に、このフッ素含有重合体A1を得るための単量体の仕込み量を示す。
【0063】
このフッ素含有重合体A1をテトラヒドロフラン(THF)に溶解して調製した0.5%溶液を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算による数平均分子量を求めたところ、42000であった。さらに、示差熱分析法(DSC)によるガラス転移温度(Tg)、アリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量、及び無水酢酸を用いたアセチル化法による水酸基価をそれぞれ測定した。また、1H−NMR、13C−NMRの両NMR分析、元素分析を行い、さらにフッ素含量、水酸基価及び600℃での焼成後の残重量から無機シリカ分を測定し、これらの結果からフッ素含有重合体A1を構成する各単量体成分の割合を求めた。結果は表2のとおりである。
【0064】
実施例2〜9及び比較例1
各単量体の種類及び仕込み量を、表1に示したように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてフッ素含有重合体A2〜A9、B1を調製した。また、これらの重合体を構成する各単量体成分の割合及び物性は、表2のとおりである。
【0065】
【表1】
VPS−1001:前記一般式(2)で表され、y=120〜150、z=7〜10、数平均分子量が70000〜90000、ポリシロキサンセグメントの分子量が約5000のアゾ基含有ポリジメチルシロキサン(和光純薬工業社製)
NE−10:前記一般式(3)で表され、n=9、m=1、s=10であるノニオン性反応性乳化剤「NE−10」(旭電化工業社製)
NE−30:前記一般式(3)で表され、n=9、m=1、s=30であるノニオン性反応性乳化剤「NE−30」(旭電化工業社製)
ER−30:前記一般式(4)で表され、m=1、s=30であるノニオン性反応性乳化剤「ER−30」(旭電化工業社製)
【0066】
【表2】
NE−10:前記一般式(3)で表され、n=9、m=1、s=10であるノニオン性反応性乳化剤「NE−10」(旭電化工業社製)
NE−30:前記一般式(3)で表され、n=9、m=1、s=30であるノニオン性反応性乳化剤「NE−30」(旭電化工業社製)
ER−30:前記一般式(4)で表され、m=1、s=30であるノニオン性反応性乳化剤「ER−30」(旭電化工業社製)
【0067】
<シリカを主成分とする粒子の調製>
調製例1
固形分が20重量%、pHが2.7、BET法での比表面積が226m2/g、メチルレッド吸着法により求めたシリカ粒子上のシラノール濃度が4.1×10−5モル/g、原子吸光法で求めた溶媒中の金属含量が、Naとして4.6ppm、Caとして0.013ppm、Kとして0.011ppmの水分散コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックス−O)30kgをタンクに入れ、50℃に加熱し、循環流量50リットル/分、圧力1kg/cm2で、限外濾過膜モジュール((株)トライテック製)及びアルミナ製限外濾過膜(日本碍子(株)製、商品名:セラミックUFエレメント、仕様:4mmΦ、19穴、長さ1m、分画分子量=15万、膜面積=0.24m2)を用いて濃縮を行った。0.5時間後、10kgの濾液を排出したところ、固形分は30重量%となった。濃縮開始前の平均透過流速(限外濾過膜の単位面積、単位時間あたりの膜透過重量)は90kg/m2/時間であり、濃縮終了時は55kg/m2/時間であった。動的光散乱法で求めた数平均粒子径は11nmと濃縮前後で変化しなかった。
【0068】
前述の工程終了後、メタノール14kgを加え、温度50℃、循環流量50リットル/分、圧力1kg/cm2で前記限外濾過膜モジュール及び限外濾過膜を用いて濃縮を行い、14kgの濾液を排出する操作を6回繰り返すことで、固形分30重量%、カールフィッシャー法で求めた水分量が1.5重量%、動的光散乱法で求めた数平均粒子径が11nmのメタノール分散コロイダルシリカ20kgを調製した。6回の平均透過流速は60kg/m2/時間、所要時間は6時間であった。得られたメタノール分散コロイダルシリカのBET法での比表面積は237m2/g、メチルレッド吸着法により求めたシリカ粒子上のシラノール濃度は3.5×10−5モル/gであった。以上により得られたメタノール分散コロイダルシリカを「C−1」とする。
【0069】
調製例2
調製例1で調製したメタノール分散コロイダルシリカ20kgに、トリメチルメトキシシラン(東レダウコーニング(株)製)0.6kgを加え、60℃で3時間加熱攪拌した。動的光散乱法で求めた数平均粒子径は11nmであり、処理前と変化は見られなかった。得られたメタノール分散疎水化コロイダルシリカのBET法での比表面積は240m2/g、メチルレッド吸着法により求めたシリカ粒子上のシラノール濃度は2.1×10−5モル/gであった。
【0070】
前述の工程終了後、メチルエチルケトン(MEK)14kgを加え、温度50℃、循環流量50リットル/分、圧力1kg/cm2で前記限外濾過膜を用いて濃縮を行い、14kgの濾液を排出する操作を5回繰り返すことで、固形分30重量%、カールフィッシャー法で求めた水分量が0.3重量%、ガスクロマトグラフィー(GC)で求めたメタノール量が3.2重量%、動的光散乱法で求めた数平均粒子径が11nmのMEK分散疎水化コロイダルシリカ20kgを調製した。5回の平均透過流速は70kg/m2/時間、所要時間は4時間であった。得られたMEK分散コロイダルシリカのBET法での比表面積は230m2/g、メチルレッド吸着法により求めたシリカ粒子上のシラノール濃度は1.8×10−5モル/gであった。また、原子吸光法で求めたMEK分散疎水化コロイダルシリカの溶媒中の金属含量はNaが0.05ppm、Ca、Kが0.001ppmと極めて微量であった。以上により得られたMEK分散コロイダルシリカを「C−2」とする。
【0071】
調製例3:反応性シリカ微粉末ゾル(C―3)の製造
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.7重量部、調製例2で製造したシリカ粒子ゾル93.2重量部(シリカ粒子として28重量部)、イオン交換水0.25重量部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル2.9重量部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(分散液(C−3))を得た。この分散液(C−3)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、31%であった。
【0072】
<硬化性樹脂組成物の製造>
実施例10
(1)架橋重合体の製造
表3に示すように、実施例1で得られたフッ素含有重合体A1の100gを、架橋性化合物のメトキシ化メチルメラミン「サイメル303」(三井サイテック株式会社製)10gと共に、溶剤のメチルエチルケトン(MEK)900g中に溶解し、100℃にて5時間攪拌下で反応させた。反応後、室温まで冷却して、フッ素含有重合体と架橋性化合物との反応生成物である架橋重合体の溶液を得た。次いで、この溶液を、大過剰の冷メタノール中に攪拌しながら徐々に投入して架橋重合体を沈殿析出させた。さらに、得られた架橋重合体をMEKに溶解させた後、冷メタノールを用いて沈殿処理を行った。得られた架橋重合体を、真空乾燥により乾燥させた。
【0073】
(2)硬化性樹脂組成物の調製
表3に示すように、上記の架橋重合体100gと、硬化触媒であるp−トルエンスルホン酸2gとをMEK900gに添加して溶解させることにより、硬化性樹脂組成物を調製した。この硬化性樹脂組成物である溶液は、固形分濃度が10%、粘度が30cps以下のものであった。
【0074】
実施例11〜13、17、18、22〜26、29、31及び比較例2
実施例10において、フッ素含有重合体及び架橋性化合物を表3及び表4に示すものに変えたこと以外は、実施例10と同様にして架橋重合体を製造し、得られた架橋重合体に、表3及び表4に示す硬化触媒を添加して硬化性樹脂組成物を製造した。実施例11では、界面活性剤(CC−15)を、実施例24,25,26,29では、シリカ粒子を、実施例10において架橋重合体と同時に溶解させた。
尚、表3及び表4において、架橋性化合物、硬化触媒及び界面活性剤の量は、フッ素含有重合体100重量部に対する添加量(重量部)を示す。表4において、シリカ粒子の添加量は、フッ素含有重合体100重量部に対する添加量(重量部)であり、分散媒体を含まない固形分量(重量部)で示す。
【0075】
実施例14〜16、及び19〜21、27、28、30
実施例10と異なり、フッ素含有オレフィン系重合体と架橋性化合物とを予め反応させることなく、表3及び表4に示す成分を溶解して硬化性樹脂組成物を調製した。
【0076】
<硬化物の評価>
実施例10〜23及び比較例2で得られた硬化性樹脂組成物を用いて形成した塗膜を、120℃で60分間加熱して硬化膜を形成し、これについて、以下に示す各種物性を測定した。結果を表3及び表4に示す。
【0077】
(1)反射率の測定
上記の硬化性樹脂組成物溶液をブタノールにより希釈して、固形分濃度が4%のワニスを調製し、このワニスを、厚さ3mmの透明ポリカーボネート板にディップコート法により引き上げ、速度100mm/分で塗布し、得られた塗膜を、120℃で1時間加熱して硬化膜を形成した。エリプソメータで測定したこの硬化膜の膜厚は、1110オングストロームであった。この硬化膜が形成されたポリカーボネート板(これを「試料1」とする。)について、直径60mmの積分球付き分光光度計「U−3410型」(日立製作所社製)を用いて、反射率の測定を行った。
【0078】
(2)耐擦傷性テスト1(布擦り耐性テスト)
上記の試料1について、硬化膜の基材に対する密着性及び硬化膜の強度を評価するために耐擦傷性テストを実施した。即ち、キムワイプ(十條キンバリー社製)を用いて、硬化膜の表面を荷重1kg/cm2の条件で25回繰り返し擦過し、当該硬化膜の表面における傷の発生の有無を目視で確認した。加えて、不織布(旭化成工業社製BEMCOT S−2)をMEKに浸漬したものを用いて、同様にして当該硬化膜の表面における傷の発生の有無を目視で確認した。そして、キムワイプとMEK浸漬不織布のいずれでも硬化膜の剥離や傷の発生が認められないのを「◎」、いずれかでのみ硬化膜の剥離や傷の発生が認められないのを「○」、硬化膜の一部に剥離が生じ、又は硬化膜の表面に筋状の傷が発生したものを「×」と評価した。
【0079】
(3)耐擦傷性テスト2(スチールウール耐性テスト)
上記の硬化性樹脂組成物溶液をメチルイソブチルケトン(MIBK)により希釈し、固形分濃度が4%のワニスを調製し、このワニスを、ワイヤーバーコータ(#3)を用いて、ハードコート付きポリカーボネート板(ハードコートの屈折率1.55、ポリカーボネート板の厚さ1mm、帝人化成(株)製)上に塗布し、室温で5分間風乾して塗膜を形成した。次いで、120℃で1時間加熱し、厚さ0.1μmの硬化膜を形成した。
この硬化膜のスチールウール耐性テストを次に示す方法で実施した。即ち、スチールウール(ボンスターNo.0000、日本スチールウール(株)社製)を学振型摩擦堅牢度試験機(AB−301、テスター産業(株)製)に取りつけ、硬化膜の表面を荷重200gの条件で10回繰り返し擦過し、当該硬化膜の表面における傷の発生の有無を目視で確認した。硬化膜の剥離や傷の発生がほとんど認められないのを「◎」、硬化膜に細い傷が認められるものを「○」、硬化膜の一部に剥離が生じ、又は硬化膜の表面に筋状の傷が発生したものを「×」と評価した。
【0080】
(4)埃拭き取り性評価
温度23℃、相対湿度30%環境下において、上記の試料1の表面全体を前記不織布で均一に5回褶動後に細断セルロース繊維を散布して付着させ、次いで清浄な不織布で試料表面を拭いた。そして、試料表面に付着していた細断繊維がほぼ完全に拭き取られたのを「◎」、拭き取られずに試料表面に残存した細断繊維が少なかったのを「○」、大半の断繊維が拭き取られずに試料表面に残存したのを「×」と評価した。
【0081】
【表3】
【表4】
サイメル300:下記式(7)で示される化合物が自己縮合して平均1.35量体となったもの
サイメル303:下記式(7)で示される化合物が自己縮合して平均1.7量体となったもの
CC−15:下記式(8)で示される構造を有する第4級ポリエーテルアンモニウム塩であるカチオン系界面活性剤(旭電化工業社製)
【0082】
【化7】
【0083】
【化8】
【0084】
表3及び表4の結果から、実施例に係る硬化性樹脂組成物によれば、耐擦傷性及び埃拭き取り性に優れ、低い屈折率を有することが明らかである。これに対し、比較例に係る、水酸基を含有する単量体を10モル%以下しか含まない硬化性樹脂組成物によれば、特に埃拭き取り性が不十分である。
【0085】
【発明の効果】
本発明の硬化性樹脂組成物は、良好な熱硬化性を示し、また、本発明の硬化性樹脂組成物から形成される硬化物は、低い屈折率及び耐擦傷性及び埃拭き取り性に優れる。従って、本発明の硬化性樹脂組成物は、特に、反射防止膜、光ファイバー鞘材等の光学材料の形成に有利に用いることができ、また、フッ素含量が高いことを利用して、耐候性が要求される基材に対する塗料用材料、耐候フィルム用材料、コーティング用材料、その他として好適に使用することができる。しかも、当該硬化膜は、基材に対する密着性に優れ、耐擦傷性が高く、良好な反射防止効果を付与することから、反射防止膜として極めて有用であり、各種の表示装置に適用することにより、その視認性を向上させることができる。
Claims (10)
- 水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなる、主鎖中にポリシロキサンセグメントを有することを特徴とするフッ素含有オレフィン系重合体。
- フッ素含量が30重量%以上であり、ポリスチレン換算による数平均分子量が5000以上であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素含有オレフィン系重合体。
- さらに反応性乳化剤由来の構造単位を0モル%〜10モル%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のフッ素含有オレフィン系重合体。
- さらにアルキルビニルエーテル由来の構造単位を0モル%〜70モル%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載のフッ素含有オレフィン系重合体。
- 請求項1〜4のいずれか一に記載のフッ素含有オレフィン系重合体及び溶剤を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- さらに架橋性化合物を含有することを特徴とする請求項5に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記フッ素含有オレフィン系重合体と前記架橋性化合物との架橋重合体を含有することを特徴とする請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに第4級ポリエーテルアンモニウム塩であるカチオン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項6又は7に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらにシリカを主成分とする粒子を含有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか一に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項5〜9のいずれか一に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物を含むことを特徴とする反射防止膜。
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