JP2007211235A - 硬化性組成物、及びそれを用いた硬化物、積層フィルム、反射防止フィルム、並びに該反射防止フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水酸基含有ポリマーを少なくとも1種、フッ素原子を有し水酸基と反応可能な架橋剤を少なくとも1種、及び硬化触媒を少なくとも1種含む硬化性組成物、該硬化性組成物に架橋剤として好適に用いられる特定構造の化合物又はその部分縮合物、該硬化性組成物を加熱することにより得られる硬化物、及び透明支持体上に、該硬化性組成物を塗設して形成された層を有する積層フィルム又は反射防止フィルム、並びに該反射防止フィルムが偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの一方に用いられた偏光板、及び該反射防止フィルム又は該偏光板がディスプレイの最表面に用いられた画像表示装置。
【選択図】図1
Description
(2)水酸基含有ポリマーが、(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位及び(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位を、それぞれ少なくとも1種ずつ含有するポリマーである上記(1)に記載の硬化性組成物。
一般式(1):
一般式(2)
(8)透明支持体上に、上記(2)〜(5)のいずれかに記載の硬化性組成物を塗設して形成された低屈折率層を有する反射防止フィルム。
一般式(2)
〔架橋剤〕
本発明の硬化性組成物は、フッ素原子を有し水酸基と反応可能な架橋剤を少なくとも1種含む。架橋剤は、フッ素原子を有する他に、水酸基と反応しうる官能基を有するものであれば特に限定はなく、骨格としては例えばポリイソシアネート類、イソシアネート化合物の部分縮合物、多量体や、多価アルコール、低分子量ポリエステル皮膜などとの付加物、イソシアネート基をフェノールなどのブロック化剤でブロックしたブロックポリイソシアネート化合物、アミノプラスト類、多塩基酸又はその無水物などを挙げることができる。
中でも、本発明では、保存時の安定性と架橋反応の活性の両立の観点、及び形成される膜の強度の観点から、酸性条件下で水酸基含有化合物と架橋反応するアミノプラスト類が好ましい。アミノプラスト類は、水酸基含有ポリマー中に存在する水酸基と反応可能なアミノ基、すなわちヒドロキシアルキルアミノ基もしくはアルコキシアルキルアミノ基、又は窒素原子に隣接し、且つアルコキシ基で置換された炭素原子を含有する化合物である。具体的には、例えばメラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物等を挙げることができる。
一般式(2)
一般式(3−1)
次に、本発明に好ましく用いられるフッ素原子を有する架橋剤の合成法について説明する。
本発明では、水酸基含有ポリマーの水酸基と前記架橋剤との架橋反応で膜を硬化させる。この系では酸により硬化が促進されるため、硬化性組成物に、酸性物質を添加することが望ましいが、通常の酸を添加すると塗布液中でも架橋反応が進行してしまい、故障(ムラ、ハジキなど)の原因となる。従って、保存安定性と硬化活性を両立するために、熱硬化する場合には加熱により酸を発生する化合物を、光硬化する場合には光照射により酸を発生する化合物を、それぞれ硬化触媒として添加することがより好ましい。
熱硬化系において、硬化触媒は酸と有機塩基からなる塩であることが好ましい。酸としては、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸など有機酸や硫酸、リン酸のような無機酸が挙げられ、水酸基含有ポリマーに対する相溶性の観点から有機酸がより好ましく、スルホン酸、ホスホン酸が更に好ましく、スルホン酸が最も好ましい。好ましいスルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸(PTS)、ベンゼンスルホン酸(BS)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS)、p−クロロベンゼンスルホン酸(CBS)、1,4−ナフタレンジスルホン酸(NDS)、メタンスルホン酸(MsOH)、ノナフルオロブタン−1−スルホン酸(NFBS)などが挙げられ、何れも好ましく用いることができる{( )内は略称}。
b−3:ピリジン(115℃)、b−14:4−メチルモルホリン(115℃)、b−20:ジアリルメチルアミン(111℃)、b−19:トリエチルアミン(88.8℃)、b−21:t−ブチルメチルアミン(67〜69℃)、b−22:ジメチルイソプロピルアミン(66℃)、b−23:ジエチルメチルアミン(63〜65℃)、b−24:ジメチルエチルアミン(36〜38℃)、b−18:トリメチルアミン(3〜5℃)。
光硬化系では、光照射により酸を発生する化合物、すなわち感光性酸発生剤を硬化触媒として用いることが好ましい。該感光性酸発生剤は当該硬化性組成物の塗膜に感光性を付与し、例えば、光等の放射線を照射することによって当該塗膜を光硬化させることを可能にする物質である。この感光性酸発生剤としては、例えば、(1)ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の各種オニウム塩;(2)β−ケトエステル、β−スルホニルスルホンとこれらのα−ジアゾ化合物等のスルホン化合物;(3)アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等のスルホン酸エステル類;(4)スルホンイミド化合物類;(5)ジアゾメタン化合物類;その他を挙げることができ、適宜使用することができる。
本発明で用いられる水酸基含有ポリマーは、水酸基を含有しているものであれば特に限定されることはなく、ポリマー骨格としては(メタ)アクリル系ポリマー類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリオレフィン類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルアセタール類、フッ素オレフィン系ポリマー及びセルロース誘導体などが挙げられる。ポリマーへの水酸基の導入法にも特に制限はなく、水酸基を有する構成単位を用いて重合する方法、水酸基に変換し得る官能基を有するポリマーを官能基変換により水酸基を有するポリマーに導く方法などが挙げられる。本発明に用いられる架橋剤は硬化物の屈折率を下げる特徴を有するので、屈折率が低いポリマーと組み合わせることにより、その特徴をより生かすことができる。
本発明においては、水酸基を有する含フッ素ポリマーを用いることにより屈折率が低い硬化膜を形成でき、例えば反射防止フィルムなどに有用である。以下に水酸基を有する含フッ素ポリマーについて説明する。
本発明において、硬化膜の形成に用いられる水酸基含有含フッ素ポリマー(以下、単に含フッ素ポリマーともいう)に含まれる含フッ素ビニルモノマーに基づく重合単位(以下、含フッ素ビニルモノマー重合単位(a))の構造には、特に制限なく、例えば含フッ素オレフィン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、含フッ素アルキル基を有するビニルエーテルや(メタ)アクリレートなどに基づく重合単位を挙げることができる。製造適性と、屈折率や膜強度など低屈折率層に必要とされる性質から、該含フッ素ポリマーは、含フッ素オレフィンとビニルエーテルとの共重合体であることが好ましく、ペルフルオロオレフィンとビニルエーテルとの共重合体であることがより好ましい。また、共重合成分として屈折率を低下させる目的でペルフルオロアルキルビニルエーテル、含フッ素アルキル基を有するビニルエーテルや(メタ)アクリレートなどに基づく単位を含んでいてもよい。
本発明で用いられる含フッ素ポリマーは、水酸基含有ビニルモノマーに基づく重合単位(以下、水酸基含有ビニルモノマー重合単位(b))を含むが、その含率には特に制限はない。水酸基は架橋剤と反応して硬化する機能を有するため、水酸基の含有率が高いほど硬い膜を形成できて好ましく、その含有率は10モル%以上70モル%以下であることが好ましく、20モル%を超えて60モル%以下であることがより好ましく、25モル%以上55モル%以下であることが更に好ましい。
本発明においては、水酸基含有ポリマー、好ましくは水酸基含有含フッ素ポリマーは、防汚性を付与するためにポリシロキサン構造を有する構成単位を有することも好ましい。本発明で有用な水酸基含有ポリマーとしては、(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位、(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位、及び(c)側鎖に下記一般式(1)で表されるポリシロキサン繰り返し単位を含むグラフト部位を有する重合単位をそれぞれ少なくとも1種類含み、且つ主鎖が炭素原子のみからなるポリマー、又は(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位、(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位をそれぞれ少なくとも1種類含み、(d)主鎖に下記一般式(1)で表されるポリシロキサン繰り返し単位を含むポリマーが挙げられる。
一般式(1):
側鎖に一般式(1)であらわされるポリシロキサン構造を有する水酸基含有ポリマーは、例えば“J.Appl.Polym.Sci.”、2000巻、p.78(1955年)、特開昭56−28219号公報等に記載のごとく、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基等の反応性基を有するポリマーに対して、相対する反応性基(例えばエポキシ基、酸無水物基に対してアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基等)を片末端に有するポリシロキサン[例えば「サイラプレーン」シリーズ{チッソ(株)製}など]を高分子反応によって導入する方法、ポリシロキサン含有シリコンマクロマーを重合させる方法によって合成することができ、どちらの方法も好ましく用いることができる。本発明ではシリコンマクロマーの重合によって導入する方法がより好ましい。
S−(37):「サイラプレーンFM−0721」(同上)、
S−(38):「サイラプレーンFM−0725」(同上)。
本発明では、前記の側鎖にポリシロキサン繰り返し単位を含む水酸基含有ポリマーの代わりに、主鎖に一般式(1)で表されるポリシロキサン構造を有する水酸基含有ポリマー、好ましくは(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位、(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位をそれぞれ少なくとも1種類含み、(d)主鎖に下記一般式(1)で表されるポリシロキサン繰り返し単位を含むポリマーも好ましく用いることができる。
一般式(1):
一般式(4):
上記以外の重合単位を形成する共重合成分としては、硬度、基材への密着性、溶媒への溶解性、透明性等種々の観点から適宜選択することができ、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等のビニルエステル類を例として挙げることができる。これらの共重合成分の導入量は、0〜40モル%の範囲であり、0〜30モル%の範囲であることが好ましく、0〜20モル%の範囲であることが特に好ましい。
本発明で特に好ましいポリマーの形態は、下記一般式(5)で表わされる形態である。
一般式(5):
HFP:ヘキサフルオロプロピレン、
M1−(1):CH2=CH−O−CH2CH2OCH2CH2(CF2)4F、
M1−(2):CH2=CH−O−CH2CH2OCH2(CF2)6H、
M2−(3):CF2=CF−O−CF2CF2CF3、
HEVE:2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、
HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、
HOVE:8−ヒドロキシオクチルビニルエーテル、
DEGVE:ジエチレングリコールビニルエーテル、
HMcHVE:4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチルビニルエーテル、
EVE:エチルビニルエーテル、
cHVE:シクロヘキシルビニルエーテル、
tBuVE:t−ブチルビニルエーテル、
VAc:酢酸ビニル。
FM−0721:「サイラプレーンFM−0721」{チッソ(株)製}
FM−0725:「サイラプレーンFM−0725」(同上)
VPS−1001:「マクロアゾ開始剤VPS−1001」{和光純薬工業(株)製}
VPS−0501:「マクロアゾ開始剤VPS−0501」(同上)
本発明に用いられる前記水酸基含有ポリマーの合成は、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合によって行うことができる。また回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で合成することができる。
本発明の硬化性組成物は、該硬化性組成物を加熱することにより硬化物を得ることができる。また、本発明の硬化性組成物は、薄層状に塗布して硬化させることにより硬化膜を得ることができる。得られた硬化膜は、例えば基材の保護層などに有用である。また該硬化性組成物を透明支持体上に塗設して硬化させて層を形成することにより積層フィルムを得ることができる。特に硬化性組成物が前記含フッ素ポリマーを含む場合には、反射防止フィルムの低屈折率層形成用組成物として有用である。以下に本発明の硬化性組成物が特に有用な反射防止フィルムに関して説明する。
本発明における低屈折率層は、水酸基含有ポリマーを少なくとも1種、フッ素原子を有し水酸基と反応可能な架橋剤を少なくとも1種、及び硬化触媒を少なくとも1種含む硬化性組成物を塗設して形成され、該水酸基含有ポリマーは、前記のとおり、(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位及び(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位を、それぞれ少なくとも1種ずつ含有する含フッ素ポリマーであることが好ましい。それぞれの成分については前に説明したとおりである。また、必要に応じて防汚・防塵性改良のためにポリシロキサン構造を有する化合物を含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物はまた、必要に応じて防汚・防塵性改良のためにポリシロキサン構造を有する化合物を含んでいてもよい。以下、ポリシロキサン構造を有する化合物について説明する。
“X−22−160AS”、“KF−6001”、“KF−6002”、“KF−6003”、“X−22−170DX”、“X−22−176DX”、“X−22−176D”、“X−22−176F”{以上、信越化学工業(株)製};“FM−4411”、“FM−4421”、“FM−4425”、“FM−0411”、“FM−0421”、“FM−0425”、“FM−DA11”、“FM−DA21”、“FM−DA25”{以上、チッソ(株)製};“CMS−626”、“CMS−222”{以上、Gelest社製}。
“X−22−162C”、“KF−105”{以上、信越化学工業(株)製};“FM−5511”、“FM−5521”、“FM−5525”、“FM−6611”、“FM−6621”、“FM−6625”{以上、チッソ(株)製}。
本発明の硬化性組成物は、前述の水酸基含有ポリマー、好ましくは水酸基含有含フッ素ポリマー、架橋剤、硬化触媒を含有し、必要に応じて用いられるポリシロキサン構造を有する化合物の他に、無機微粒子、オルガノシラン化合物、及びその他の各種添加剤を添加してもよく、更にこれらを適当な溶媒に溶解して作製される。この際、硬化性組成物の固形分の濃度は、用途に応じて、適宜選択されるが、一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%程度である。
本発明の硬化性組成物が反射防止フィルムの低屈折率層の形成に用いられるとき、該組成物には、通常、反射防止フィルムの耐擦傷性の改良などの目的で無機微粒子が配合される。低屈折率層中への無機微粒子の配合量は、1〜100mg/m2が好ましく、より好ましくは5〜80mg/m2、更に好ましくは10〜60mg/m2である。無機微粒子の配合量が該下限値以上であれば、耐擦傷性の改良効果が顕著であり、該上限値以下であれば、低屈折率層表面に微細な凹凸ができて、黒の締まりなどの外観や積分反射率が悪化するなどの不具合が生じないので、該範囲内とするのが好ましい。
本発明の硬化性組成物が低屈折率層の形成に用いられるとき、該組成物には、さらにオルガノシラン化合物を含んでいてもよい。オルガノシラン化合物の定義や好ましい化合物の構造などは、特開2004−331812号公報の段落番号[0131]〜[0132]に記載されている内容と同じである。
さらに本発明の硬化性組成物が低屈折率層の形成に用いられるとき、該組成物には、低屈折率層と直接接する下層との界面密着性等の観点からは、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物等の前記以外の架橋剤を少量添加することもできる。これらを添加する場合には低屈折率層皮膜の全固形分に対して30質量%以下の範囲とすることが好ましく、20質量%以下の範囲とすることがより好ましく、10質量%以下の範囲とすることが特に好ましい。
上記フッ素系化合物としては、フルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。該フルオロアルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜10であり、直鎖{例えば−CF2CF3、−CH2(CF2)4H、−CH2(CF2)8CF3、−CH2CH2(CF2)4H等}であっても、分岐構造{例えば−CH(CF3)2、−CH2CF(CF3)2、−CH(CH3)CF2CF3、−CH(CH3)(CF2)5CF2H等}であっても、脂環式構造(好ましくは5員環又は6員環、例えばペルフルオロシクロへキシル基、ペルフルオロシクロペンチル基又はこれらで置換されたアルキル基等)であってもよく、エーテル結合を有していてもよい(例えば−CH2OCH2CF2CF3、−CH2CH2OCH2C4F8H、−CH2CH2OCH2CH2C8F17、−CH2CH2OCF2CF2OCF2CF2H等)。該フルオロアルキル基は同一分子中に複数含まれていてもよい。
低屈折率層形成用の硬化性組成物には、防塵性、帯電防止等の特性を付与する目的で、さらに公知のカチオン系界面活性剤又はポリオキシアルキレン系化合物のような防塵剤、帯電防止剤等を適宜添加することもできる。これら防塵剤、帯電防止剤は、上記のシリコーン系化合物やフッ素系化合物に、その構造単位が機能の一部として含まれていてもよい。
本発明において、低屈折率層を形成するための塗布液(硬化性組成物)に用いられる溶媒としては、各成分を溶解又は分散可能であること、塗布工程、乾燥工程において均一な面状となり易いこと、液保存性が確保できること、適度な飽和蒸気圧を有すること、等の観点で選ばれる各種の溶媒が使用できる。乾燥負荷の観点からは、常圧、室温における沸点が100℃以下の溶媒を主成分とし、乾燥速度の調整のために沸点が100℃以上の溶媒を少量含有することが好ましい。
本発明の反射防止フィルムの低屈折率層は以下の塗設方法で形成することができるが、この方法に制限されない。
まず、低屈折率層を形成するため硬化性組成物(塗布液)が調製される。得られた塗布液を用いて、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書参照)等により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥する。
本発明で用いられるマイクログラビアコート法とは、直径が約10〜100mm、好ましくは約20〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグラビアロールを、支持体の下方に、且つ支持体の搬送方向に対して逆回転させると共に、該グラビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の塗布液を掻き落として、ほぼ一定量の塗布液を、該支持体の上面が自由状態にある位置におけるその支持体の下面に転写させて塗工するコート法である。ロール形態の透明支持体を連続的に巻き出し、該巻き出された支持体の一方の側に、低屈折率層をマイクログラビアコート法によって塗工することができる。
本発明の反射防止フィルムは、溶媒の乾燥の後に、透明支持体とその上に形成された塗膜からなるウェブの状態で、電離放射線及び/又は熱により各塗膜を硬化させるゾーンを通過させ、塗膜を硬化することができる。使用する素材により任意に選択することができるが、熱硬化単独でも電離照射線照射単独でも、両者を逐次行うことも好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、透明支持体上に、以上述べた本発明の硬化性組成物を塗設して形成された低屈折率層を有するものである。
本発明の反射防止フィルムは、必須の光学層である低屈折率層と共に、必要に応じて、後述のハードコート層を有し、その上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層される。
・基材フィルム/低屈折率層、
・基材フィルム/帯電防止層/低屈折率層、
・基材フィルム/防眩層/低屈折率層、
・基材フィルム/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・基材フィルム/帯電防止層/防眩層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/防眩層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/防眩層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層。
数式(2):(iλ/4)×0.7<n2d2<(iλ/4)×1.3
数式(3):(jλ/4)×0.7<n3d3<(jλ/4)×1.3
数式(2−1):(iλ/4)×0.75<n2d2<(iλ/4)×0.95
数式(3−1):(jλ/4)×0.95<n3d3<(jλ/4)×1.05
次ぎに、本発明の反射防止フィルムにおける低屈折率層について以下に説明する。
数式(3):(jλ/4)×0.7<n3d3<(jλ/4)×1.3
なお、上記数式(3)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(3)を満たすj(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
[皮膜形成バインダー]
本発明において、低屈折率層以外の層を形成する皮膜形成組成物の主たる皮膜形成バインダー成分としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を用いることが、皮膜強度、塗布液の安定性、塗膜の生産性、などの点で好ましい。主たる皮膜形成バインダーとは、無機粒子を除く皮膜形成成分のうち10質量%以上をしめるものをいう。好ましくは、20質量%以上100質量%以下、更に好ましくは30質量%以上95質量%以下である。
2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル{例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート等}、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン等)、ビニルスルホン(例えばジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えばメチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが挙げられる。上記モノマーは2種以上併用してもよい。
なお本明細書においては、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を表す。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル重合開始剤又は熱ラジカル重合開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、有機又は無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド;無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等;アゾ化合物として2−アゾビスイソブチロニトリル、2−アゾビスプロピオニトリル、2−アゾビスシクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
本発明においては、ポリエーテルを主鎖として有するポリマーを使用することもできる。多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。多官能エポシキ化合物の開環重合は、光酸発生剤又は熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
本発明の反射防止フィルムにはハードコート層を設けることが好ましい。ハードコート層は、バインダーに、防眩性を付与するためのマット粒子を添加して防眩層を兼ねることができる。また、高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための無機フィラーを添加することで高屈折率層を兼ねることができる。さらには前記の低屈折率層におけるオルガノシラン化合物を添加して形成してもよい。
ハードコート層には、防眩性付与の目的で、フィラー粒子より大きく、平均粒径が0.1〜5.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子が含有させることができる。
マット粒子の形状は、真球又は不定形のいずれも使用できる。
2種類以上のマット粒子を用いる場合には両者の混合による屈折率制御を効果的に発揮するために屈折率の差が0.02以上、0.10以下であることが好ましく、0.03以上、0.07以下であることが特に好ましい。またより大きな粒子径のマット粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径のマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。例えば、133ppi以上の高精細ディスプレイに反射防止フィルムを貼り付けた場合に、ギラツキと呼ばれる光学性能上の不具合のないことが要求される。ギラツキは、フィルム表面に存在する凹凸(防眩性に寄与)により、画素が拡大もしくは縮小され、輝度の均一性を失うことに由来するが、防眩性を付与するマット粒子より小さな粒子径で、バインダーの屈折率と異なるマット粒子を併用することにより大きく改善することができる。
ハードコート層には、層の屈折率を高めるため、及び硬化収縮を低減するために、上記のマット粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、平均粒径が0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である無機フィラーが含有されることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムの透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル{例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士フイルム(株)製“TAC−TD80U”、“TAC−TD80UF”等}、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂{「アートン」(商品名)、JSR(株)製}、非晶質ポリオレフィン{「ゼオネックス」(商品名)、日本ゼオン(株)製}などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
本発明の反射防止フィルムを画像表示装置に用いる場合、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置する。反射防止フィルムの透明支持体がトリアセチルセルロースの場合は、偏光板の偏光膜を保護する保護フィルムとしてトリアセチルセルロースが用いられるため、本発明の反射防止フィルムをそのまま保護フィルムに用いることがコストの上では好ましい。
(2)透明支持体上に反射防止層を形成する前又は後に、アルカリ液を反射防止フィルムの反射防止層を形成する面とは反対側の面に塗布し、加熱、水洗及び/又は中和することで、該フィルムの裏面だけを鹸化処理する。
本発明の反射防止フィルムは以下の方法で形成することができるが、この方法に制限されない。
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。得られた塗布液を用いて、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書参照)等により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥する。
〔偏光板〕
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムで主に構成される。本発明の反射防止フィルムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の反射防止フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の反射防止フィルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
偏光膜としては、公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。
本発明の反射防止フィルム、および反射防止フィルムを偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いた偏光板は、いずれも、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、
(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル{“SID97,Digest of tech.Papers”(予稿集)、28集(1997年)、p.845記載}、
(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル{「日本液晶討論会の予稿集」p.58〜59(1998年)記載}及び、
(4)SURVAIVALモードの液晶セル(「LCDインターナショナル98」で発表)
が含まれる。
〔フッ素原子を有する架橋剤の合成〕実施例1−1:フッ素原子を有する架橋剤(H−3)の合成
2,4,6−トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン1.76g、2,2,2−トリフルオロエタノール15.0g、p−トルエンスルホン酸一水和物140mgの混合物を、攪拌しながら4時間加熱還流させた後室温に冷却し、トリエチルアミン75mg添加した。酢酸エチル80cm3と水100cm3を加えて分液し、有機相を更に水で2回洗った後硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機相を濾過してから溶媒を減圧留去し、架橋剤(H−3)を無色油状物質2.4gとして得た。
上記実施例1−1とほぼ同様にして、フッ素原子を有する架橋剤(H−6)、(H−13)及び(H−14)を合成した。得られた架橋剤は前記一般式(2)及び表1に示したとおりである。
1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル3.18g、2,2,2−トリフルオロエタノール40g、p−トルエンスルホン酸一水和物0.32gの混合物を室温で6時間攪拌した。トリエチルアミンを0.2cm3添加した後、酢酸エチル120cm3と水120cm3を加えて分液し、有機相を更に水で2回洗った後硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機相を濾過してから溶媒を減圧留去し、架橋剤(H−28)を無色油状物質3.7gとして得た。
上記実施例1−5とほぼ同様にして、フッ素原子を有する架橋剤(H−24)を合成した。得られた架橋剤は前記一般式(3−2)及び表2に示したとおりである。
合成例1−1:含フッ素ポリマー(P2)の合成
内容量100mLのステンレス製撹拌機付オートクレーブに、酢酸エチル18.5g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)8.8g、「サイラプレーンFM−0725」{チッソ(株)製}1.0g、及び“V−65”{熱ラジカル発生剤、和光純薬(株)製}0.40gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)15gを、オートクレーブ中に導入して62℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が62℃に達した時点の圧力は、8.9kg/cm2であった。オートクレーブ内を62℃に保持して9時間反応を続け、圧力が6.2kg/cm2に達した時点で加熱をやめ放冷した。
内容量100mLのステンレス製撹拌機付オートクレーブに、酢酸エチル30g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)8.8g、“VPS−1001”{マクロアゾ開始剤:和光純薬(株)製}0.88g、及び過酸化ラウロイル0.29gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)15gを、オートクレーブ中に導入して70℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が70℃に達した時点の圧力は、9.0kg/cm2であった。オートクレーブ内を70℃に保持して9時間反応を続け、圧力が6.0kg/cm2に達した時点で加熱をやめ放冷した。
上記合成例1とほぼ同様にして、含フッ素ポリマー(P1)、(P7)、(P8)、(P9)、(P14)、及び(P19)をそれぞれ合成した。得られた含フッ素ポリマーそれぞれの数平均分子量は、前記の表12及び表13に示したとおりである。
合成例2−1:p−トルエンスルホン酸のトリエチルアミン塩溶液の調製
トリエチルアミン3.0gを2−ブタノン30mLに溶解し、攪拌しながらp−トルエンスルホン酸一水和物5.7gを少量ずつ添加し、さらに1時間攪拌して調製した。
合成例2−1とほぼ同様にして、p−トルエンスルホン酸の4−メチルモルホリン塩溶液及び、p−トルエンスルホン酸のジエチルメチルアミン塩溶液をそれぞれ調製した。
実施例2−1〜2−23及び比較例2−1〜2−4
[低屈折率層用塗布液(LL−1〜LL−23)及び(LLr−1)〜(LLr−4)の調製]
表14に示す各成分を混合し、2−ブタノンに溶解して固形分6%の低屈折率層用塗布液を作製した。表14中の( )内は各成分の固形分の質量部を表す。
TBMAT:2,4,6−トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、東京化成(株)製
CY303:「サイメル303」、メチロール化メラミン、日本サイテックインダストリーズ(株)製、
MX270:「ニカラックMX−270」、テトラメトキシメチルグリコールウリル、三和ケミカル(株)製、
FM4425:“FM−4425”、ポリシロキサン構造を有する化合物、チッソ(株)製、
FM4421:“FM−4421”、ポリシロキサン構造を有する化合物、チッソ(株)製、
CMS626:“CMS−626”、ポリシロキサン構造を有する化合物、Gelest社製、
160AS:“X−22−160AS”、ポリシロキサン構造を有する化合物、信越化学工業(株)製、
コロイダルシリカ:日産化学工業(株)製“MEK−ST”、
をそれぞれ表す。
PTS・Et3N:p−トルエンスルホン酸のトリエチルアミン塩
PTS・NMM:p−トルエンスルホン酸の4−メチルモルホリン塩
PTS・Et2NMe:p−トルエンスルホン酸のジエチルメチルアミン塩
“PET−30” 50.0g
「イルガキュア184」 2.0g
“SX−350”(30%) 1.5g
架橋アクリル−スチレン粒子(30%) 13.9g
“KBM−5103” 10.0g
トルエン 38.5g
“PET−30”:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物{日本化薬(株)製}
「イルガキュア184」:重合開始剤{チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製}
“SX−350”:平均粒径3.5μm架橋ポリスチレン粒子{屈折率1.60、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用}。
架橋アクリル−スチレン粒子:平均粒径3.5μm{屈折率1.55、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用}。
“KBM−5103”:アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン{信越化学工業(株)製}。
実施例3−1[反射防止フィルム(101)の作製]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士写真フイルム(株)製}をロール形態で巻き出して、直接、上記のハードコート層用塗布液(HC−1)を、線数180本/in、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下酸素濃度0.1体積%で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量110mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの層を形成し、巻き取った。このようにして作製して得られたハードコート層の表面粗さは、Ra=0.18μm、Rz=1.40μm、ヘイズ35%であった。
[反射防止フィルム(102)〜(123)及び(R01)〜(R04)の作製]
反射防止フィルム(101)の作製において、低屈折率層用塗布液(LL−1)を用いる代わりに、(LL−2)〜(LL−23)の何れかを用いる以外は反射防止フィルム(101)の作製と同様にして、反射防止フィルム(102)〜(123)を作製した。また、低屈折率層用塗布液(LL−1)を用いる代わりに、(LLr−1)〜(LLr−4)の何れかを用いる以外は反射防止フィルム(101)の作製と同様にして、比較用の反射防止フィルム(R01)〜(R04)を作製した。
得られた反射防止フィルムは、以下の鹸化標準条件で処理・乾燥した。
アルカリ浴:1.5モル/dm3水酸化ナトリウム水溶液、55℃−120秒。
第1水洗浴:水道水、60秒。
中和浴:0.05モル/dm3硫酸、30℃−20秒。
第2水洗浴:水道水、60秒。
乾燥:120℃、60秒。
このようにして得られた、鹸化済みの反射防止フィルムを用いて以下の評価を行った。評価結果を、各反射防止フィルムの層の構成と共に表15に示す。
分光光度計“V−550”{日本分光(株)製}を用い、380〜780nmの波長領域において、積分球を用いて、入射角5°における分光反射率を測定した。分光反射率の評価において、450〜650nmの平均反射率を用いた。
反射防止フィルムの裏面を粗面化処理した後、黒色のインクで光吸収処理(380〜780nmにおける透過率が10%未満)を行い、黒色の台上にて測定した。
ラビングテスターを用いて、以下の条件で擦りテストをおこなった。
評価環境条件:25℃、60%RH。
擦り材:試料と接触するテスターの擦り先端部(1cm×1cm)にプラスチック消しゴム{(株)トンボ鉛筆製“MONO”}を固定した。
移動距離(片道):4cm、
擦り速度:2cm/秒、
荷重:500g/cm2、
先端部接触面積:1cm×1cm。
擦り回数:100往復。
○ :非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○△:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
△ :弱い傷が見える。
△×:中程度の傷が見える。
× :一目見ただけで分かる傷がある。
××:一面膜が傷ついている。
以下に示す多層反射防止フィルムを作製した。
「デソライトZ7404」{ジルコニア微粒子含有ハードコート組成液:JSR(株)製}100質量部、“DPHA”{UV硬化性樹脂:日本化薬(株)製}31質量部、“KBM−5103”{シランカップリング剤:信越化学工業(株)製}10質量部、メチルエチルケトン(MEK)29質量部、メチルイソブチルケトン(MIBK)13質量部、シクロヘキサノン5質量部をミキシングタンクに投入し攪拌してハードコート層塗布液(HC−2)とした。
支持体として、トリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士写真フイルム(株)製}をロール形態で巻き出して、上記のハードコート層用塗布液(HCL−2)を、線数135本/インチ、深度60μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、搬送速度10m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量100mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、ハードコート層を形成し、巻き取った。硬化後のハードコート層の厚さが4.0μmとなるようにグラビアロール回転数を調整してハードコート層を形成した。
[反射防止フィルム(202)〜(223)の作製]
反射防止フィルム(201)の作製において、低屈折率層用塗布液(LL−1)を用いる代わりに、(LL−2)〜(LL−23)の何れかを用いる以外は反射防止フィルム(201)の作製と同様にして反射防止フィルム(202)〜(223)を作製した。得られた各反射防止フィルムの層の構成を表16に示す。
〔反射防止フィルム付き偏光板の作製〕
実施例5
延伸したポリビニルアルコールフィルムに、ヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。次に実施例3で作製した鹸化処理済みの反射防止フィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、該反射防止フィルムの支持体(トリアセチルセルロース)側が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。光学補償層を有する視野角拡大フィルム「ワイドビューフィルムSA12B」{富士写真フイルム(株)製}を鹸化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜のもう一方の側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。この偏光板状態で実施例1に準じた評価を行った結果、本発明の低屈折率層を用いることにより同様の効果が得られた。
実施例6
実施例3及び4の反射防止フィルム試料、並びに実施例3の反射防止フィルムを用いた実施例5の偏光板試料を、それぞれ有機EL表示装置の表面のガラス板に、粘着剤を介して貼り合わせたところ、いずれもガラス表面での反射が抑えられ、視認性の高い表示装置が得られた。本発明の硬化性組成物を用いて作製した反射防止フィルムの方が比較例と比べてより効果が大きく見えた。
1b:反射防止フィルム
2:透明支持体
3:ハードコート層
4:防眩ハードコート層
5:低屈折率層
7:中屈折率層
8:高屈折率層
Claims (11)
- 水酸基含有ポリマーを少なくとも1種、フッ素原子を有し水酸基と反応可能な架橋剤を少なくとも1種、及び硬化触媒を少なくとも1種含む硬化性組成物。
- 水酸基含有ポリマーが、(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位及び(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位を、それぞれ少なくとも1種ずつ含有するポリマーである請求項1に記載の硬化性組成物。
- 架橋剤が、アミノプラスト骨格を有する請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を加熱することにより得られた硬化物。
- 透明支持体上に、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を塗設して形成された層を有する積層フィルム。
- 透明支持体上に、請求項2〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を塗設して形成された低屈折率層を有する反射防止フィルム。
- 請求項8に記載の反射防止フィルムが、偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの一方に用いられている偏光板。
- 請求項8に記載の反射防止フィルム、又は請求項9に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられている画像表示装置。
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