JP4533045B2 - ゴム材料の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴムとカーボンブラックとを含むゴム材料の評価方法に関する。
タイヤのような工業製品に使用されるゴム材料には、硬さ、引張り強さ、弾性、引裂抵抗又は耐摩耗性等を高める目的でカーボンブラックが添加されている。ゴム中におけるカーボンブラックの分散度は、ゴムの機械的物性に大きな影響を与える。例えばゴム材料の耐摩耗性は、カーボンブラックの分散性を高めることで向上することが知られている。
カーボンブラックは、加硫前のゴムに配合されかつ混練されることにより、該ゴム中に分散する。このとき、カーボンブラックとゴム分子ないしそれを構成している化合物(以下、ゴム分子等と呼ぶ。)との吸着性が高いと、カーボンブラックは混練時に種々のゴム分子等に吸着されて全体に広がり、良好な分散性が得られる。逆に、カーボンブラックとゴム分子等との吸着性が低い場合、カーボンブラックの分散性は低下する。したがって、ゴムとカーボンブラックとの吸着エネルギーを調べることは、ゴムの機械的特性を評価する上で有効である。しかしながら、ゴムとカーボンブラックとの間の吸着エネルギーに関して、原子レベルのメカニズムを実験的に知ることは不可能である。
カーボンブラックとゴム分子との吸着エネルギーを原子レベルで定量的に把握する方法の一つとして、第一原理計算が考えられる。第一原理計算は、実験により得られた結果を基本的に用いず、物理・化学現象の素過程を量子力学に基づいて計算を行うものである。しかし、実用上の計算機能力を考慮すると、第一原理計算では、計算可能な系の大きさに限界がある。現在では、ゴムポリマー(もしくはモノマー)と、カーボンブラック表面とで構成される系全体について、第一原理計算を適用できない。
また、経験的な原子間相互作用を、大規模な分子動力学計算を用いることにより、カーボンブラックとポリマーとの界面のエネルギー状態を評価することは可能である。しかしながら、この方法は、計算中に多くの近似を含むため、計算精度が低いという問題がある。特に分子構造の違いによる微小なエネルギー状態の差異を見分けるためには、計算結果に十分な精度を確保することが重要になる。
発明者らは、第一原理計算を用いることを前提として種々の研究を重ねた結果、ゴムを全体として系に取り込むのではなく、ゴムを構成する少なくとも2つの化合物、より好ましくは炭素原子数が10以下の化合物を特定し、各化合物について各々の分子構造に基づいたシミュレーション用の化合物モデルを設定することを見出した。
また、図35(A)の断面図に示されるように、カーボンブラックCBはグラファイトの積層体cが、重なり合って球状に凝集したものである。同図(B)には、一層のグラファイトbの平面図を示す。該グラファイトbは、30〜40個の炭素六員環aが単一平面上に結合した板状である。これらを全て計算用のモデルとして取り込むことは現実的ではない。そこで、発明者らは、カーボンブラックの構造をグラファイト構造で近似しそれをモデル化してカーボンモデルとして設定することを知見した。
そして、前記各化合物モデルと、カーボンモデルとの吸着エネルギーを第一原理計算を用いてそれぞれ計算することを見出した。これにより、ゴムを構成する個々の化合物とカーボンブラックとの吸着エネルギーを評価することができる。
以上のように、本発明は、計算負荷を低減しつつゴムを構成する化合物とカーボンブラックとの吸着エネルギーを第一原理計算を用いて正確に計算することができ、ひいてはゴムの機械的特性を評価するのに役立つゴム材料の評価方法を提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、ゴムとカーボンブラックとを少なくとも含むゴム材料の評価方法であって、前記ゴムを構成する少なくとも2つの化合物を特定する化合物特定工程と、前記特定された化合物について、各々の分子構造に基づいたシミュレーション用の化合物モデルを定める化合物モデル設定工程と、炭素原子が基準平面上に六角形に並んだグラファイト構造をモデル化したカーボンモデルを定めるカーボンモデル設定工程と、前記カーボンモデルと前記全ての化合物モデルとの組み合わせについての吸着エネルギーを第一原理計算を用いて求める吸着エネルギー計算工程とを含むことを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記化合物は、炭素原子数が10以下である請求項1記載のゴム材料の評価方法である。
また請求項3記載の発明は、前記ゴムは、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(BrIIR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ニトリルゴム(NBR)又はエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)であり、前記化合物は、ベンゼン環、エチレン、エタン、プロピレン、イソブタン、エポキシ又はシアン化水素の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム材料の評価方法である。
また請求項4記載の発明は、前記吸着エネルギー計算工程は、前記カーボンモデルと前記化合物モデルとを含む系全体の全エネルギーを第一原理計算を用いて計算する第1の段階と、カーボンモデル単体の全エネルギーを第一原理計算を用いて計算する第2の段階と、前記化合物モデル単体の全エネルギーを第一原理計算を用いて計算する第3の段階とを含み、かつ前記系全体の全エネルギーから、カーボンモデル単体の全エネルギー及び化合物モデル単体の全エネルギーの和を差し引いて前記吸着エネルギーを計算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴム材料の評価方法である。
また請求項5記載の発明は、前記第1の段階は、有限の大きさを持ったカーボンモデルと、このカーボンモデルとの相対位置を決定された一つの化合物モデルとからなるユニットセルを設定するユニットセル設定工程と、該ユニットセルに周期境界条件を適用した全体モデルから前記系全体の全エネルギーを計算する工程とを含むことを特徴とする請求項4記載のゴム材料の評価方法である。
また請求項6記載の発明は、前記カーボンモデルは、1層のグラファイト構造のみからなり、かつ前記ユニットセルは、前記カーボンモデルを前記基準平面と直角方向に投影した領域の中に含まれる一つの前記化合物モデルを含み、しかも前記全体モデルは、前記ユニットセルが前記基準平面に沿って繰り返されることにより得られる請求項5記載のゴム材料の評価方法である。
また請求項7記載の発明は、前記カーボンモデルは、端部に前記基準平面と平行でかつ一定方向にのびるダングリングボンドが設けられた少なくとも2層のグラファイト構造を有し、かつ前記ユニットセルは、前記カーボンモデルを前記基準平面と直角方向に投影した領域の外側でかつ前記カーボンモデルのダングリングボンドと前記一定方向に距離を隔てて向き合う化合物モデルを含むことを特徴とする請求項5記載のゴム材料の評価方法である。
また請求項8記載の発明は、前記全体モデルは、前記ユニットセルを前記ダングリングボンドの前記一定方向と直角方向に繰り返し配置されることにより得られる請求項7記載のゴム材料の評価方法である。
また請求項9記載の発明は、前記ダングリングボンドには、官能基が結合されていることを特徴とする請求項7又は8に記載のゴム材料の評価方法である。
本発明では、ゴムから少なくとも2つの化合物を特定し、特定された各化合物について各々の分子構造に基づいたシミュレーション用の化合物モデルが設定される。化合物モデルは、ゴム全体に比べると分子量を小さくできる。また本発明では、炭素原子が平面上に六角形に並んだグラファイト構造を有したカーボンモデルが設定される。このようなカーボンモデルは、カーボンブラックの表面を表すことができる。これらのモデルを用いることにより、トータル原子数を減じ、第一原理計算を用いたエネルギー状態(電子密度分布)の計算を可能とする。また本発明では、吸着エネルギー計算工程において、前記カーボンモデルと前記全ての化合物モデルとの組み合わせについての吸着エネルギーが求められる。計算された個々の化合物モデルとカーボンモデルとの吸着エネルギーに基づき、カーボンブラックの分散性や偏在性などを予測ないし評価できる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本発明のゴム材料の評価方法を実施する際に用いられるコンピュータ装置1が示される。このコンピュータ装置1は、本体1aと、入力手段としてのキーボード1b、マウス1cと、出力手段としてのディスプレイ装置1dとを含む。本体1aには、図示していないが、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの大容量記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスクのドライブ1a1、1a2が設けられている。そして、前記大容量記憶装置には後述する種々の計算を実行するための処理手順(プログラム)が記憶されている。好ましくは、複数台のコンピュータ装置1を用いて並列処理させるのが良い。
図2には、評価方法の処理手順の一例が示される。
本実施形態では、先ず評価の対象となるゴムから該ゴムを構成する少なくとも2つの化合物を特定する化合物特定工程が行われる(ステップS1)。言い換えれば、ゴムをその構成化合物に仮想的に分解する。化合物を特定する基準は特に限定されるものではないが、後述する第一原理計算を適用可能な大きさの化合物まで分解するのが良い。好ましくは炭素原子数や分子量などを基準としうる。具体的に述べると、炭素原子数を基準とする場合、各々の化合物の炭素原子数は10以下、より好ましくは8以下であるのが望ましい。また、分子量を基準とする場合、各々の化合物の分子量は150以下、より好ましくは120以下であるのが望ましい。
また化合物特定工程では、ゴムを、該ゴムを構成している全ての化合物が特定されることが望ましいが、ゴムを構成する代表的な2つ以上の化合物を特定することでも良い、これによっても、十分にゴム材料の性能を評価できる。後者の場合、ゴムを構成している化合物の一部が省略されることになる。
ここで、ゴム材料を用いた工業製品の例として空気入りタイヤを考える。それに用いられる代表的なゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(BrIIR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ニトリルゴム(NBR)又はエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が挙げられる。これらのゴムは、概ねベンゼン環、エチレン、エタン、プロピレン、イソブタン、エポキシ又はアクリロニトリルの化合物で構成される。各ゴムから化合物を特定した例を表1に示す。
Figure 0004533045
次に、本実施形態では、前記各化合物について、各々の分子構造に基づいたシミュレーション用の化合物モデルを定める化合物モデル設定工程が行われる(ステップS2)。図3は、化合物モデル2として、エチレンをモデル化した一つのエチレンモデル2Aを視覚化して示す。同図(A)はエチレンモデル2Aの平面図、同図(B)は正面図、同(C)は斜視図である。
エチレンモデル2Aは、エチレンが具える分子構造(CH2 =CH2 )に基づいて三次元上にモデル化されている。即ち、構成原子及びそれらの相対位置が、実際の化合物(この例ではエチレン)のそれと等しく定義される。モデル化は、各炭素原子モデル3や水素原子モデル4といった構成原子の種類及びその配置を特定し、それをコンピュータ装置1に数値データとして記憶させる作業を意味する。
エチレンモデル2Aは、2つの炭素原子をモデル化した炭素原子モデル3と、4つの水素原子をモデル化した水素原子モデル4とを含む。エチレンモデル2Aは、炭素原子モデル3及び水素原子モデル4の各々の重心(中心)が単一の基準平面P1に上に位置している。この例では、基準平面P1がXY平面と平行に示されている。このように、化合物モデル2には、基準となる一つの平面が与えられる。
図4及び図5には、視覚化された化合物モデル2の他の例として、プロピレンをモデル化した一つのプロピレンモデル2Bが示される。図4(A)はプロピレンモデル2Bの平面図、同図(B)は正面図、図5はその斜視図である。プロピレンモデル2Bは、プロピレンが具える分子構造(CH(CH3 )=CH2 )に基づいて三次元上にモデル化される。即ち、プロピレンモデル2Bは、3つの炭素原子モデル3と、6つの水素原子モデル4とを含む。またプロピレンモデル2Bは、3つの炭素原子モデル3は、各々の重心が単一の基準平面P1上に位置している。各炭素原子モデル3及び水素原子モデル4の各原子種及び相対位置(格子定数)などは、プロピレンの分子構造等のそれと等しく設定され、コンピュータ装置1に記憶される。
上記2つの例では、原子モデルの結合を示すボンド5が示されている。これは、原子の互いの位置関係を理解しやすいように描かれているに過ぎず、モデル化には必須ではない。また図示していないが、他の化合物についても、各々の分子構造に基づき、上述の例と同様にモデル化しうる。
次に、本実施形態では、カーボンモデルを定めるカーボンモデル設定工程が行われる(ステップS3)。図6及び図7には、視覚化されたカーボンモデル6が示され、図6(A)はその平面図、同図(B)は正面図、図7はその斜視図である。この実施形態のカーボンモデル6は、炭素原子モデル3が平面上に六角形に並び、グラファイト構造のみで構成される。具体的には、球状をなす炭素原子モデル3の重心が、単一の基準平面P2上にあり、かつそれらはハニカム状に配置された正六角形の各々の頂点に配置される。従って、カーボンモデル6には、化合物モデル2と同様に、一つの基準平面P2が与えられる。
また本実施形態では、カーボンモデル6において、グラファイト構造の格子定数は、a=2.456オングストローム、グラファイト構造の層間距離c=3.348オングストロームとした。そして、原子種(炭素原子)、その配置(格子定数など)がコンピュータ装置1に記憶されてモデル化が行われる。上で述べた通り、カーボンブラックは、グラファイトの積層体が集まった球状と言える。そのままモデル化すると、計算負荷が著しく増大し第一原理計算を適用できない。このため、本発明ではカーボンブラックをグラファイト構造を有したカーボンモデル6で代用する。
次に、本実施形態では、カーボンモデル6と前記全ての化合物モデル2との組み合わせについての吸着エネルギーを第一原理計算を用いて求める吸着エネルギー計算工程が行われる(ステップS4)。
吸着エネルギー計算工程では、先ず、複数個の化合物モデル6から任意に一つの化合物モデル2が選択される。次に、該選択された化合物モデル2とカーボンモデル6との吸着エネルギーが計算される。吸着エネルギーの計算を終えると、他の一の化合物モデル2が選択され、これとカーボンモデル6との吸着エネルギーが同様に計算される。このような手順を繰り返すことにより、全ての化合物モデル2とカーボンモデル6との吸着エネルギーがそれぞれ得られる。
カーボンモデル6と、任意に選択された一の化合物モデル2との吸着エネルギーの計算は、カーボンモデル6と化合物モデル2とを含む系全体の全エネルギーを第一原理計算を用いて計算する第1の段階と、カーボンモデル6単体の全エネルギーを第一原理計算を用いて計算する第2の段階と、化合物モデル2単体の全エネルギーを第一原理計算を用いて計算する第3の段階とを含んで行われ、かつ下記式(1)のように、前記系全体のエネルギーから、カーボンモデル6単体のエネルギー及び化合物モデル2単体のエネルギーの和を差し引くことによって吸着エネルギーが計算される。
吸着エネルギー = 系全体の全エネルギー−[(カーボンモデル単体の全エネルギー) + ( 吸着させる化合物モデル単体の全エネルギー)]
…式(1)
前記第1の段階では、例えば図8及び図9に示されるように、有限の大きさのカーボンモデル6と、このカーボンモデル6に相対位置が決定付けられた一の化合物モデル2(この例ではエチレンモデル2A)とからなるユニットセル7を設定するユニットセル設定工程が行われる。図8(A)には、ユニットセル7の一例を示す平面図、同図(B)にはその正面図、図9にはその斜視図がそれぞれ示されている。ユニットセル7の単位領域は符号Uで示されている。
後述の第一原理計算では、周期境界条件が用いられる。周期境界条件は、境界の影響を無くし実質的に無限の大きさを持つ系を表すために、ユニットセル7の一方の境界Uaが、その系の反対側の境界Ubと繋がっていると考える(境界Uc、Udについても同様である。)。このカーボンモデル6のユニットセル7をXY平面方向、即ちX方向及びY方向に連続させて繰り返すとともに、上記の境界条件を与えることにより、計算上、擬似的に均一かつ無限大のグラファイト構造(グラファイト表面構造)とそれに吸着した化合物とが擬似的に形成される。
なお化合物モデル2がカーボンモデル6のユニットセル7よりも大きいと、周期境界条件を適用をすることができない。従って、ユニットセル7の領域Uは、吸着させる化合物モデル2の大きさを考慮して定められる。本実施形態では、評価する化合物の中で最も大きい化合物をベンゼン環とする。従って、ユニットセル7の領域Uは、その中にベンゼン環モデルを含め得る。
また、ユニットセル7のカーボンモデル6は、有限の大きさを持つ。この例では、カーボンモデル6は24個の炭素原子モデル3からなる。また、この実施形態では、ユニットセル7の単位領域UのサイズはX方向距離:3a、Y方向距離: 2√3a及びZ方向距離:4c(c=3.348オングストローム)の直方体である。即ちX、Y及びZ方向において、7.368×8.508×13.392(単位:オングストローム)の大きさを持つ。またユニットセル7は、計算負荷の観点よりグラファイト構造をZ軸方向に1層だけ有するカーボンモデル6で構成されている。なお現実のグラファイトの層間距離は3.348オングストロームである。この距離の4倍を隔てることによって、周期境界条件を与える上で、上下のグラファイトの層間の影響を無視することができる。
この例のユニットセル7は、エチレンモデル2Aの基準平面P1が、カーボンモデル6の前記基準平面P2と平行であり、かつ、それらと直角方向に距離rを隔てて向き合っている。さらに、本実施形態のユニットセル7は、カーボンモデル6を前記基準平面P2と直角方向に投影した領域の内部に、エチレンモデル2Aを完全に含んでいる。カーボンモデル6を一つのグラファイトの壁体と考えると、この全体モデルはグラファイトの壁面(表面)と化合物との吸着エネルギーをシミュレーションするためのモデルである。
さらに本実施形態では、エチレンモデル2Aとカーボンモデル6とのXY平面での相対位置については、図8及び図9に示した「サイトA」(site−A)と、図10及び図11に示されるような「サイトB」(site−B)との2種類を考慮する。サイトAは、基準平面P1及びP2と直角方向(Z方向)で見た場合、エチレンモデル2AのC=C結合が、グラファイトモデル6の6員環内にあり、かつ、該6員環の対角線上に位置する配置とする。他方、サイトBは、Z方向から見ると、エチレンモデル2AのC=C結合がカーボンモデル6のC−C結合と直交する配置と定める。ただし、カーボンモデル6と化合物モデル2との相対位置については、上記2種類に限定されるものではなく、種々変更しうるのは言うまでもない。
次に、前記ユニットセル7に周期境界条件を適用して第一原理計算により系全体の全エネルギー(ポテンシャルエネルギー)を計算する工程が行われる。図12には、周期境界条件を適用して得られた全体モデルM1が略示される。この例の全体モデルM1は、周期境界条件により、ユニットセル7が、基準平面P2に沿って繰り返し配置される。具体的には、ユニットセルUがX及びY方向に繰り返し連続し互いに繋がることで全体モデルM1が得られる。これにより、均質かつX2 −Y2 −Z2 上に擬似的な無限に大きい系が得られる。
また本明細書で対象とする「第一原理計算」とは、実験結果に依拠しない計算を意味し、各モデルについて量子力学に基づいてシュレディンガーの波動方程式を解き、原子間相互作用を求める方法と定義する。また、第一原理計算の具体的なものとして、「分子軌道計算」又は「バンド計算」を少なくとも含み、本実施形態では、バンド計算が採用される。また本実施形態において、第一原理計算は、ユニットセル、カーボンモデル6単体及び化合物モデル2単体の各エネルギーを計算する際に用いられる。吸着エネルギーについては、第一原理計算によって得られたそれぞれのエネルギー値を用いて上記式(1)から計算される。
バンド計算に必要な入力情報は、上述のモデル化によって得られる。即ち、モデルに含まれている原子の種類及びそれらの配置(格子定数)のみである。バンド計算を行うことにより、入力された原子の基底状態での電子密度分布及びエネルギーが得られる。エネルギーーは、原子核による電子のポテンシャルエネルギー、電子の運動エネルギー、電子間クーロンエネルギー及び交換相関エネルギーの和であり、基底状態ではこの値が最小になる。またユニットセルにおいて、カーボンモデル6と化合物モデル2との距離rは、所定の範囲で変化させるのが望ましい。本実施形態では、前記距離rを6.5〜12.654(Bohr)(1Bohrは0.529オングストロームである。)の範囲で変化させ、各々の距離のときの全エネルギーを計算している。
バンド計算には、汎用の第一原理電子状態計算プログラムを用いることができる。本実施形態では、「ABINIT v4.1.3 」を使用した。また計算条件は次の通りとした。
擬ポテンシャル:TM型GGA擬ポテンシャル
k点:1×1×1
カットオフエネルギー:60(Ha)
表2には、エチレンモデル2Aとカーボンモデル6とを含む系全体の全エネルギーの計算結果を示す。なお1[Ha]は27.212[eV]である。
Figure 0004533045
第2及び第3の段階では、エチレンモデル2A単体の全エネルギーと、カーボンモデル6単体の全エネルギーとが第一原理計算により求められる。これらの段階では、バンド計算における入力情報を各々のモデルの原子種及びそれらの配置状態とし、第1の段階と同様に行われる。表3に、エチレンモデル2A及びカーボンモデル6の各々の全エネルギーの計算結果を示す。
Figure 0004533045
表2及び表3の計算結果を式(1)に代入することにより、カーボンモデルとエチレンモデル2Aとの距離毎に、吸着エネルギーを計算できる。表4及び図13は、カーボンモデル6とエチレンモデル2Aとの吸着エネルギー(eV)と、それらの距離(Bohr)との関係を示すグラフである。
Figure 0004533045
グラフは、表4の計算結果に対して三次元スプラインフィッティングを行った結果である。この結果より、基底状態の吸着エネルギー(極小値)は、次の通りである。
<エチレンモデルとカーボンモデルとの吸着エネルギー>
サイトA:−0.01758[eV](距離r=7.47[Bohr])
サイトB:−0.01586[eV](距離r=7.67[Bohr])
以上のような手順により、カーボンモデル6と任意の位置の化合物モデル2(この例ではエチレンモデル2A)との吸着エネルギーを得ることができる。そして、これらの手順を分解工程により得た全ての化合物のモデル2に適用することにより、ゴムを構成している各々の化合物とカーボンブラックとの吸着エネルギーを得ることができる。
図14及び図15には、化合物モデル2の他の例としてプロピレンモデル2Bとカーボンモデル6とからなるユニットセル7の平面図を示し、前者はサイトA、後者はサイトBの配置をそれぞれ示す。いずれのユニットセル7も、カーボンモデル6を基準平面P2と直角方向に投影した領域にプロピレンモデル2Bを含んでいる。また図16には、図15の正面図を示すが、前記と同様に、基準平面P1、P2間に距離rを設定し、この距離を種々変えてカーボンモデル6の壁面とプロピレンモデル2Bとの吸着エネルギーを計算した。それを上記同様にグラフ化したものを図17に示す。この結果より、基底状態の吸着エネルギーは、次の通りである。
<プロピレンモデルとカーボンモデルとの吸着エネルギー>
サイトA:−0.02224[eV](距離r=7.80[Bohr])
サイトB:−0.02070[eV](距離r=7.95[Bohr])
図18には、化合物モデル2を、ベンゼン環(C6 6 )をモデル化したベンゼン環モデルとして同様の計算を行った結果を示す。ユニットセル7は、図19(A)、(B)に示されるように、カーボンモデル6の基準平面P2(ここでは図示せず)と、ベンゼン環モデル2Cの六員環が作る平面とを平行に配置されている。また、サイトAは図19(A)のように、ベンゼン環モデル2Cの六員環がカーボンモデル6の六員環の真上に、またサイトBは同図(B)のように、ベンゼン環モデル2Cの六員環の中心がカーボンモデル6の炭素原子モデル3の真上にそれぞれ位置するものとした。この結果によれば、基底状態の吸着エネルギーは次の通りである。
<ベンゼン環モデルとカーボンモデルとの吸着エネルギー>
サイトA:−0.02425[eV](距離r=8.03[Bohr])
サイトB:−0.02610[eV](距離r=7.86[Bohr])
また図20には、化合物モデル2を、エタン(CH3 CH3 )をモデル化したエタンモデル2Dとして同様の計算を行った結果を示す。図21に示されるように、ユニットセル7は、カーボンモデル6の基準平面P2と、エタンモデル2DのC−C結合ならびに片側の炭素原子モデルに結合する水素原子モデルを頂点とした正三角形の一辺が平行になるように配置して設定した。この結果より、基底状態の吸着エネルギーは次の通りである。
<エタンモデルとカーボンモデルとの吸着エネルギー>
サイトA:−0.01685[eV](距離r=8.09[Bohr])
サイトB:−0.01876[eV](距離r=7.92[Bohr])
図22には、上記の結果とともに、他の化合物(シアン化水素:HCN、エポキシ:CH2 OCH2 、イソブタン:CH3 −CH(CH3 2 )を含めてそれらの結果をまとめたものである。各化合物のカーボンモデル6の壁面に対する吸着エネルギーは、近距離では強い斥力が、遠距離では緩やかな引力が働く典型的な粒子間相互作用モデルと類似した形状を有する。吸着の際に最も安定な位置と考えられるエネルギー極小点に着目すると、各化合物の吸着エネルギーは0.015〜0.03[eV]程度であり、吸着距離は7.5〜8.5[Bohr]程度の範囲で分布している。
吸着エネルギーの値については、現時点において信頼できる実験値が報告されていないため、比較検証は行えない。しかし、N.Jacobson(2001)らによるグラファイト壁面に対する水素分子の吸着に関する第一原理計算結果(N.Jacobson, B.Tegner, E.Schroder, P.Hyldgaard, and B.I.lumdqvist, Applied Physics Reports 2001-35 )においても、吸着エネルギーは0.02[eV]程度及び吸着距離は6.2[Borh]程度の値が示される。従って、本実施形態の計算値は実験値のオーダーに一致しており、十分に信頼性がある値と判断できる。
また各化合物モデル2の吸着エネルギーの計算結果においてサイトA、B間を比較すると、カーボンモデル6の炭素6員環の中心に化合物モデル2の炭素原子モデルが位置する配置の方が吸着エネルギーが小さく(絶対値で大きく)なる傾向があった。したがって、グラファイトの壁面に対する各化合物の実際の吸着においては、炭素原子同士の重なりが少ない配置の方が安定していると考えられる。このことは、プロピレンモデルの例において、結合距離が短い2重結合が炭素6員環の中心に配置されるサイトAの方が吸着エネルギーが高いことからも窺える。しかし、サイト間の吸着エネルギーの差は、各化合物モデル間の差異と比較して非常に小さい。従って、粗視化分子動力学計算を実施する際に構築する粒子間相互作用のモデルとしては、サイト間の差の影響を無視することが可能と考えられる。
図23には、縦軸に吸着エネルギーを、横軸に各化合物モデル2の分子量をとったグラフが示されている。炭素および水素のみによって構成されている分子については、吸着エネルギーはその分子量に比例する傾向がある。
このように、本発明によれば、評価の対象となるゴムを各化合物に仮想分解し、それら各々の化合物とカーボンブラックとの吸着エネルギーを調べることにより、ゴムとカーボンブラックとの吸着エネルギーを間接的に評価できる。従って、カーボンブラックの分散性を高め得る配合を得るために、吸着エネルギーの大きな化合物の採用、置換等を検討できる。また、吸着エネルギーが近似した化合物の採用、置換等を検討することによって、カーボンブラックの偏在などを防止することができ、現実のゴム配合設計に大いに役立つ。また、例えば空気入りタイヤにおいて、ブレンドゴム中のカーボンブラックの偏在をコントロールすることにより、耐摩耗性、グリップ力、転がり抵抗などをバランス良く向上させることができる。
次に本発明の他の実施形態について述べる。
図24に略示されるように、カーボンモデル6をグラファイトの壁体と考えると、前記実施形態はカーボンモデル6のグラファイト壁面と化合物モデルとの間の吸着エネルギーEaを計算しかつ評価するものである。しかし、前述のユニットセル7には、無限に連続するグラファイト壁面が構成されるため、グラファイト側面を得ることができない。このため、グラファイト側面と化合物との間の吸着エネルギーEbを計算する系を得ることができない。この実施形態では、グラファイト側面と化合物モデルとの吸着エネルギーを計算しかつ評価するモデルを提供する。これは、以下のようにユニットセル7の設定を変えることにより実現できる。
先ずカーボンモデル6は、図25及び図26に示されるように、第1のモデル部6aと、第2のモデル部6bとを含む2層のグラファイト構造を有して設定されている。第1のモデル部6a及び第2のモデル部6bは、炭素原子モデル3が六角形に並んだ各々の基準平面P2a、P2bを有する。基準平面P2aと基準平面P2bとは、互いに平行であり、かつこの実施形態ではZX平面と平行に定義される。また各々の基準平面P2a、P2bは、Y方向に距離R(R≠0)が設定され、両者は隔てられている。
また第1及び第2のモデル部6a、6bの原子の配置は、一方のモデル部の原子の配置をZ軸周りに180度回転させたときに他方のモデル部の原子の配置と等しくなる対称性を持っている。具体的に述べると、第1及び第2のモデル部6a、6bは、ハニカムを描く正六角形の頂点に配された複数個の炭素原子モデル3と、そのZ方向の少なくとも一端、この例ではZ方向の両端に設けられ未結合手たるダングリングボンド9とを含む。
また全てのダングリングボンド9は、一定方向(この例ではZ方向)にのびている。この例では、6つのダングリングボンド9があり、その全てに水素原子モデル8が結合されている。このようなダングリングボンド9と、それに結合された炭素以外の原子モデルとによって、前記グラファイト側面が表現できる。また図27(A)、(B)に示されるように、ダングリングボンド9には、水素原子モデルに代えて酸素原子モデル11と水素原子モデル8とからなるOH基モデル10を結合させても良い。さらにはこれら以外の種々の官能基、例えばCOOH基又はCOO基など任意の基を結合させることができる。
図28〜図30には、本実施形態のユニットセル7の一例が示される。
図28は、そのユニットセル7の正面図、図29はその平面図、図30はその斜視図である。ユニットセルは、図27に示したカーボンモデル6と、エチレンモデル2Aとで構成した例を示す。エチレンモデル2Aには、前記実施形態と同じものが適用できる。
ユニットセル7において、エチレンモデル2Aは、カーボンモデル6を、その基準平面P2a(又はP2b)と直角方向に投影した領域の外側に設定される。またエチレンモデル2Aは、ダングリングボンド9がのびている方向、即ちZ方向に距離を隔てて該ダングリングボンド9と向き合うように設定される。したがって、図28のように、エチレンモデル2Aの基準平面P1は、カーボンモデル6からZ方向に離間する。両者の距離r(r≠0)は、OH基モデル10における酸素原子モデル11の重心Gと、エチレンモデル2Aの基準平面P1とのZ方向の距離として示される。吸着エネルギー計算工程では、この距離rを種々変化させるのは上述の実施形態と同じである。また図29に示されるように、エチレンモデル2AのC=C結合の中心は、第2のモデル部6bの酸素原子モデル11の重心上(Z軸方向上方)に定められている。
このようなユニットセル7には、そのダングリングボンド9が前記一定方向(Z方向)と直角方向に繰り返し配置されるように周期境界条件が適用される。即ち、図29に示されるように、ユニットセル7をX及びY方向に繰り返し配置することにより、図31に示されるような全体モデルM1が得られる。このような全体モデルM1は、連続したグラファイト側面を擬似的に表現する。そして、このようなモデルを得ることで、グラファイト側面と化合物との間の吸着エネルギーを計算することができ、かつ評価しうる。これは、吸着エネルギーについて、グラファイト側面のダングリングボンドに結合される官能基の影響を評価できる。このように、ユニットセルの設定の仕方及び周期境界条件の適用によってグラファイトの表面のみならず、側面についても吸着エネルギーを評価できる。
図32には、このようなモデルに基づいたカーボンモデル6とエチレンモデル2Aとの吸着エネルギー(eV)と、それらの距離(Bohr)との関係を示すグラフである。この結果より、基底状態の吸着エネルギー(極小値)は、次の通りであることが分かる。
<エチレンモデルとカーボンモデルとの吸着エネルギー(側面)>
OH基なし:−0.02168[eV](距離r=6.87[Bohr])
OH基あり:−0.00693[eV](距離r=8.09[Bohr])
また図33〜図34には、カーボンモデル6とプロピレンモデル2Bとの吸着エネルギー(eV)と、それらの距離(Bohr)との関係を示すグラフである。この結果より、基底状態の吸着エネルギー(極小値)は、次の通りであることが分かる。
<プロピレンモデルとカーボンモデルとの吸着エネルギー(側面)>
OH基なし:−0.02305[eV](距離r=7.13[Bohr])
OH基あり:−0.01223[eV](距離r=8.52[Bohr])
グラファイト壁体の側面に関する吸着エネルギー曲線の形状は、前述のグラファイト壁体の壁面の場合の結果に類似している。また、ダングリングボンド9に結合されているOH基の有無によって、吸着エネルギーが有意に変化することも確認できる。
本実施形態で使用するコンピュータ装置の一例を示す斜視図である。 本実施形態の処理手順を示すフローチャートである。 エチレンモデルを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は斜視図である。 プロピレンモデルを示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。 プロピレンモデルの斜視図である。 カーボンモデルを示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。 カーボンモデルの斜視図である。 ユニットセル(サイトA)を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。 その斜視図である。 ユニットセル(サイトB)を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。 その斜視図である。 ユニットセルへの周期境界条件の適用を説明する線図である。 カーボンモデルとエチレンモデルとの吸着エネルギーを示すグラフである。 カーボンモデルとプロピレンモデルとからなるユニットセル(サイトA)の平面図である。 カーボンモデルとプロピレンモデルとからなるユニットセル(サイトA)の平面図である。 その正面図である。 カーボンモデルとプロピレンモデルとの吸着エネルギーを示すグラフである。 カーボンモデルとベンゼン環モデルとの吸着エネルギーを示すグラフである。 カーボンモデルとベンゼン環モデルとのユニットセルの平面図を示し、(A)はサイトAを、(B)はサイトBをそれぞれ示す。 カーボンモデルとエタンモデルとの吸着エネルギーを示すグラフである。 カーボンモデルとエタンモデルとのユニットセルの平面図を示し、(A)はサイトAを、(B)はサイトBをそれぞれ示す。 カーボンモデルと代表的な化合物モデルとの吸着エネルギーをまとめて示すグラフである。 化合物モデルの分子量と吸着エネルギーとの関係を示すグラフである。 グラファイト壁体と化合物との位置関係を説明する略図である。 カーボンモデルの他の実施形態を示し、(A)は第1のモデル部、(B)は第2のモデル部のそれぞれ正面図である。 (A)は他の実施形態のカーボンモデルの正面図、(B)はその斜視図である。 さらに他の実施形態のカーボンモデルの正面図である。 そのカーボンモデルとエチレンモデルとからなる他の実施形態のユニットセルの正面図である。 その平面図である。 その斜視図である。 その全体モデルの斜視図である。 カーボンモデルとエチレンモデルとの吸着エネルギーを示すグラフである。 カーボンモデルとプロピレンモデルとからなるユニットセルを斜視図である。 カーボンモデルとプロピレンモデルとの吸着エネルギーを示すグラフである。 (A)はカーボンブラックの構成図、(B)はグラファイトの平面図である。
符号の説明
1 コンピュータ装置
2 化合物モデル
2A エチレンモデル
2B プロピレンモデル
2C ベンゼン環モデル
2D エタンモデル
3 炭素原子モデル
4 水素原子モデル
6 カーボンモデル
7 ユニットセル
M1 全体モデル
P1 化合物モデルの基準平面
P2 カーボンモデルの基準平面

Claims (9)

  1. ゴムとカーボンブラックとを少なくとも含むゴム材料の評価方法であって、
    前記ゴムを構成する少なくとも2つの化合物を特定する化合物特定工程と、
    前記特定された化合物について、各々の分子構造に基づいたシミュレーション用の化合物モデルを定める化合物モデル設定工程と、
    炭素原子が基準平面上に六角形に並んだグラファイト構造をモデル化したカーボンモデルを定めるカーボンモデル設定工程と、
    前記カーボンモデルと前記全ての化合物モデルとの組み合わせについての吸着エネルギーを第一原理計算を用いて求める吸着エネルギー計算工程とを含むことを特徴とするゴム材料の評価方法。
  2. 前記化合物は、炭素原子数が10以下である請求項1記載のゴム材料の評価方法。
  3. 前記ゴムは、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(BrIIR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ニトリルゴム(NBR)又はエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)であり、
    前記化合物は、ベンゼン環、エチレン、エタン、プロピレン、イソブタン、エポキシ又はシアン化水素の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム材料の評価方法。
  4. 前記吸着エネルギー計算工程は、前記カーボンモデルと前記化合物モデルとを含む系全体の全エネルギーを第一原理計算を用いて計算する第1の段階と、
    カーボンモデル単体の全エネルギーを第一原理計算を用いて計算する第2の段階と、
    前記化合物モデル単体の全エネルギーを第一原理計算を用いて計算する第3の段階とを含み、
    かつ前記系全体の全エネルギーから、カーボンモデル単体の全エネルギー及び化合物モデル単体の全エネルギーの和を差し引いて前記吸着エネルギーを計算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴム材料の評価方法。
  5. 前記第1の段階は、有限の大きさを持ったカーボンモデルと、このカーボンモデルとの相対位置を決定された一つの化合物モデルとからなるユニットセルを設定するユニットセル設定工程と、
    該ユニットセルに周期境界条件を適用した全体モデルから前記系全体の全エネルギーを計算する工程とを含むことを特徴とする請求項4記載のゴム材料の評価方法。
  6. 前記カーボンモデルは、1層のグラファイト構造のみからなり、
    かつ前記ユニットセルは、前記カーボンモデルを前記基準平面と直角方向に投影した領域の中に含まれる一つの前記化合物モデルを含み、
    しかも前記全体モデルは、前記ユニットセルが前記基準平面に沿って繰り返されることにより得られる請求項5記載のゴム材料の評価方法。
  7. 前記カーボンモデルは、端部に前記基準平面と平行でかつ一定方向にのびるダングリングボンドが設けられた少なくとも2層のグラファイト構造を有し、
    かつ前記ユニットセルは、前記カーボンモデルを前記基準平面と直角方向に投影した領域の外側でかつ前記カーボンモデルのダングリングボンドと前記一定方向に距離を隔てて向き合う化合物モデルを含むことを特徴とする請求項5記載のゴム材料の評価方法。
  8. 前記全体モデルは、前記ユニットセルを前記ダングリングボンドの前記一定方向と直角方向に繰り返し配置されることにより得られる請求項7記載のゴム材料の評価方法。
  9. 前記ダングリングボンドには、官能基が結合されていることを特徴とする請求項7又は8に記載のゴム材料の評価方法。
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