JP4532876B2 - 給水方法 - Google Patents

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Description

この発明は、吐出圧力一定制御、あるいは、推定末端圧力一定制御によって水を使用個所へ供給する給水方法に関するものである。
従来の給水方法または給水装置は、吐出圧力一定、または、推定末端圧力一定の圧力制御を行っているため、給水負荷の変動に応じてモータの省エネ運転を行う制御、例えば、給水負荷が小さい時、モータの電圧を低下させてモータの効率を高める制御などが主たる圧力制御系の外乱として作用するので、省エネ運転制御を実施していない。
したがって、可変電圧・可変周波数電源、例えば、インバータの電圧/周波数特性を、V/F一定に設定して運転するのが普通であった。
もちろん、負荷トルクが想定される場合には、いわゆる、逓減トルク負荷特性に設定して運転することもあった。
なお、給水装置以外のインバータによる可変速駆動の用途では、モータの運転周波数、負荷トルクのもとで、周波数および電圧を調整することにより、モータが最高効率となるいくつかの省エネ制御方式が提案され、実用に供されている。
例えば、モータの入力を計測してモータの負荷トルクを推定し、この負荷トルクおよび運転周波数から効率が最大になる電圧をモータの等価回路から計算し、モータの電圧をこの計算省エネ電圧に、ゆっくり移行させることにより、モータを省エネ運転する方法がある。
また、負荷が軽負荷になった場合、例えば、定常状態になった場合、ある電圧のもとでのモータの効率を効率計算式で計算し、それが予想される最大効率よりも小さい場合には電圧を僅かな値だけ低下させ、先に求めた効率と比較し、効率が改善されていれば、さらに僅かな値だけ電圧を降下させるのを繰り返すことにより、その負荷と周波数のもとで最高効率になるモータの電圧を探索して決定する方法がある。
上述した方法は、モータの効率が最大になる電圧を運転中の負荷に応じてその都度計算して設定するので、正確で、汎用性が高い特長を有している。
しかし、給水装置におけるモータの場合、圧力制御を遂行中に電圧を調整すると、圧力制御の制御性能を低下させるため、採用しにくいという問題がある。
また、負荷が増加した場合、電圧をできるだけ早く復帰させ、十分な駆動トルクを発生させる必要があるが、そうすると、モータ速度が振動応答するという問題がある。
つまり、給水装置のように、圧力制御を遂行しつつ省エネ制御行う用途には、適用が困難であった。
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、圧力制御の性能を低下させることなく、省エネ運転を行うことのできる給水方法を提供するものである。
この発明は、以下のような発明である。
(1)この発明の給水方法は、インバータを介してモータを駆動することにより、ポンプを作動させて給水する給水方法において、前記ポンプへの押し込み圧力と吐出側の圧力とから前記モータを駆動する各周波数における前記モータを駆動するのに最低必要なトルクを発生させる省エネベース電圧を演算する省エネベース電圧演算回路と、前記各周波数に基づくV/F(電圧/周波数)特性が一定となる電圧を出力するV/F一定電圧演算回路とを有し、前記インバータは、前記V/F一定電圧演算回路の出力電圧で前記モータを駆動して給水している状態で前記インバータに装備されている周波数一致信号で前記ポンプの圧力制御が定常状態に入ったことを検出する前記V/F一定電圧演算回路の前記周波数一致信号の周波数における出力電圧値を、前記省エネベース電圧演算回路が演算した前記周波数一致信号の周波数における省エネベース電圧値にゆっくりと近付かせるように移行させて、前記モータを前記省エネベース電圧演算回路が演算した省エネベース電圧による駆動とし、また、前記インバータは、前記省エネベース電圧演算回路が演算した省エネベース電圧で前記モータを駆動している状態で定常状態が解除されると、前記周波数一致信号の周波数における省エネベース電圧値を前記V/F一定電圧演算回路の前記周波数一致信号の周波数における出力電圧値へゆっくりと近付かせるように移行させて、前記省エネベース電圧による前記モータ駆動を、前記V/F一定電圧演算回路の出力電圧による前記モータ駆動とする、ことを特徴とする。
(2)(1)の給水方法において、前記モータの周波数に基づく省エネ電圧を下記の式により求める省エネ電圧演算回路を有し、前記省エネ電圧が前記省エネベース電圧よりも高くなると前記省エネ電圧で前記モータを駆動する、ことを特徴とする。
(3)(2)の給水方法において、前記省エネ電圧は、前記モータの1次抵抗、鉄損抵抗、および、2次抵抗を温度補正して求めることを特徴とする。
(4)(2)または(3)の給水方法において、前記モータの各周波数における過励磁防止制限電圧を求め、前記省エネ電圧が前記過励磁防止制限電圧よりも高くなると、前記過励磁防止制限電圧で前記モータを駆動する、ことを特徴とする。
この発明によれば、通常の給水状態から省エネの給水状態の移行、および、省エネの給水状態から通常の給水状態への移行が、圧力制御の制御機能を低下させることなく、モータ速度を振動させないようにスムーズに行える。
また、モータの負荷状態に応じてトルクを変更することにより、モータを常に最高効率で運転することになり、省エネ化が可能になる。
そして、省エネ電圧を求め、この省エネ電圧が省エネベース電圧よりも高くなると、省エネ電圧を省エネ出力電圧とするので、常に省エネ効果を得ることができる。
さらに、省エネ電圧を、モータの1次抵抗、鉄損抵抗、および、2次抵抗を温度補正して求めるので、モータをさらに効率よく運転することができ、使用環境に応じた効率的な運転ができ、さらなる省エネ化が可能になる。
そして、モータの各周波数における過励磁防止制限電圧を求め、省エネ電圧が過励磁防止制限電圧よりも高くなると、過励磁防止制限電圧を省エネ出力電圧とするので、モータの過励磁を防止でき、モータの寿命を長くすることができる。
以下、この発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態である給水装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は水道管、2は給水配管を示し、この給水配管2は、水道管1の下流に接続され、給水本管3と、この給水本管3の途中に、並列に挿入された2本の給水分岐管4A,4Bとで構成されている。
5はバイパス管を示し、給水分岐管4A,4Bよりも上流の給水本管3と、給水分岐管4A,4Bよりも下流の給水本管3とを接続するものである。
11は吸い込み側圧力検出器を示し、水道管1に配設され、後述するポンプ13A,13Bへの押し込み圧力hsuを検出して後述する補償圧力演算器21bへ出力するものである。
12は吸い込み側逆止め弁を示し、水道管1と給水配管2との間に配設され、給水配管2側から水道管1側へ水が逆流するのを防止するものである。
13A,13Bはポンプを示し、ポンプ13Aは給水分岐管4Aに配設され、ポンプ13Bは給水分岐管4Bに配設されている。
14A,14Bは吐出側逆止め弁を示し、吐出側逆止め弁14Aはポンプ13Aよりも下流の給水分岐管4Aに、吐出側逆止め弁14Aよりも下流からポンプ13Aへ水が逆流しないように配設され、吐出側逆止め弁14Bはポンプ13Bよりも下流の給水分岐管4Bに、吐出側逆止め弁14Bよりも下流からポンプ13Bへ水が逆流しないように配設されている。
15A,15Bは締め切り弁を示し、締め切り弁15Aは吐出側逆止め弁14Aよりも下流の給水分岐管4Aに配設され、締め切り弁15Bは吐出側逆止め弁14Bよりも下流の給水分岐管4Bに配設されている。
16は圧力タンクを示し、締め切り弁15A,15Bよりも下流の給水配管2に配設され、ポンプ13A,13Bが起動して停止する頻度、すなわち、発停の頻度を少なくするため、所定量の加圧水を貯えるものである。
17はバイパス逆止め弁を示し、バイパス管5に配設され、押し込み圧力hSUがポンプ13A,13Bの運転が不要な位高圧となった場合にはバイパス逆止め弁17が開き、ポンプ13A,13Bを運転する状態であれば、締め切り弁15A,15Bよりも下流の給水本管3側からポンプ13A,13Bよりも上流の給水本管3側へ加圧水が逆流するのを防止するためのものである。
18はフロースイッチを示し、圧力タンク16よりも下流の給水配管2に配設され、図示を省略するが、ポンプ13A,13Bを起動、停止させるための小流量を検出するための流量を検出して補償圧力演算器21bへ出力するものである。
19は吐出側圧力検出器を示し、フロースイッチ18よりも下流の給水配管2に配設され、給水の圧力hiを検出して後述する演算器21cへ出力するものである。
21は推定末端圧力一定制御部を示し、設定変更可能な最低設定圧力hsを出力する推定末端圧力設定器21aと、吸い込み側圧力検出器11からの押し込み圧力hsuに基づいて推定末端圧力一定制御のための補償圧力Δhを算出して出力する補償圧力演算器21bと、推定末端圧力設定器21aからの最低設定圧力hsに補償圧力演算器21bからの補償圧力Δhを加え、その値から吐出側圧力検出器19からの圧力hiを引いて出力する演算器21cと、この演算器21cからの出力に基づく周波数f*を出力する比例積分制御器21dと、この比例積分制御器21dからのディジタル信号の周波数f*をアナログ信号の周波数faに変換して後述するインバータ41Aへ出力するD/A(ディジタル・アナログ)変換器21eと、比例積分制御器21dからのディジタル信号の周波数f*をアナログ信号の周波数fbに変換して後述するインバータ41Bへ出力するD/A変換器21fとで構成されている。
上記した補償圧力演算器21bは、ポンプ13A,13Bの推定流量を演算する推定流量演算回路を内蔵し、推定流量の2乗に推定末端圧力一定目標圧力線の傾斜を決定する流量係数を乗じて補償圧力Δhを算出する。
そして、補償圧力演算器21bは、押し込み圧力hsuが規定値以上でなければ、ポンプ13A,13Bを駆動できないようにロックする。
また、補償圧力演算器21bは、小流量検出から保圧、ポンプ13A,13Bを停止させるシーケンス制御機能の他、圧力検出、ポンプ13A,13Bの始動、ポンプ13A,13Bの自動交互運転シーケンス制御機能を内蔵している。
なお、以上の、推定末端圧力一定制御部21の構成は、公知の推定末端圧力一定制御回路を構成している。
31は省エネ電圧演算部を示し、推定末端圧力一定制御部21からの最低設定圧力hs、周波数f*に基づき、後述するように電圧Va,Vbを算出してインバータ41A,41Bへ出力するものである。
41A,41Bはインバータを示し、インバータ41Aは推定末端圧力一定制御部21からの周波数fa、および、省エネ電圧演算部31からの電圧Vaに基づき、すなわち、インバータ41Aに設定されている周波数faの電圧に、電圧Vaを加えた電圧で、モータ42Aを介してポンプ13Aを制御し、また、インバータ41Bは推定末端圧力一定制御部21からの周波数値fb、および、省エネ電圧演算部31からの電圧Vbに基づき、すなわち、インバータ41Bに設定されている周波数fbの電圧に、電圧Vbを加えた電圧で、モータ42Bを介してポンプ13Bを制御するものである。
図2は図1に示した省エネ電圧演算部の構成を示すブロック図、図3は図2に示した省エネ電圧演算部を説明するための省エネ電圧特性を示す特性図である。
図2において、省エネ電圧演算部31は、省エネベース電圧演算回路32と、省エネ電圧演算回路33と、V/F一定電圧演算回路34と、省エネ電圧演算回路33からの省エネ電圧VCを所定の条件で選択する選択スイッチ35と、省エネベース電圧演算回路32からの省エネベース電圧VBと選択スイッチ35を介した省エネ電圧VCとを比較し、高い方の電圧を電圧VBCとして出力する第1高電圧優先回路36と、この第1高電圧優先回路36の出力とV/F一定電圧演算回路34からのV/F一定電圧VV/Fとを比較し、高い方の電圧を出力する第2高電圧優先回路37と、この第2高電圧優先回路37からの出力を出力するとともに、所定の上限値、例えば、後述する過励磁防止制限電圧VEmax(図3における直線A−E4の電圧)で出力をカットする可変電圧リミッタ38と、この可変電圧リミッタ38からのディジタル信号の電圧(省エネ出力電圧VENE)をアナログ信号の電圧Vaに変換してインバータ41Aへ出力するD/A変換器39Aと、可変電圧リミッタ38からのディジタル信号の電圧をアナログ信号の電圧Vbに変換してインバータ41Bへ出力するD/A変換器39Bとで構成されている。
上記した選択スイッチ35は、省エネ制御(運転)が開始(選択)されると、閉じて省エネ電圧VCを選択し、それ以外のときに開いて省エネ電圧VCを選択せずにゼロを出力する。
また、可変電圧リミッタ38は、省エネ運転中のモータ42A,42Bの過励磁を防止するために設けたもので、省エネ運転が選択されると、次のように動作する。
電圧VBCがモータ42A,42Bの過励磁防止制限電圧VEmax以上ならば、省エネ出力電圧VENEを過励磁防止制限電圧VEmaxに制限する。
ただし、VEmax=Kemax×VN×(f*/fN)で、かつ、VEmax≦VNとする。
ここで、VEmax:過励磁防止制限電圧(V)
emax:許容電圧係数で1.00〜1.15(ただし、省エネ制御運転が選択されていない場合は、自動的に1.00に変更される。)
N :モータの定格電圧(V)
N :モータの定格周波数(Hz)
したがって、モータ42A,42Bの定格電圧VNが200V、モータ42A,42Bの定格周波数fNが120Hzで、許容電圧係数Kemaxが図3の一点鎖線A−E4 (過励磁防止制限電圧VEmax)のように設定されていたとすれば、周波数が常用制御範囲の周波数n12から周波数n13まで変化すると、後述するするように、省エネ出力電圧VENEは、折れ線E1−E2−E3−E4−Dのように変化、制御される。
なお、第1高電圧優先回路36から出力される電圧VBCと、V/F一定電圧電圧演算回路34から出力されるV/F一定電圧VV/Fとの関係が、VBC>VV/Fとなった場合、出力される電圧を、VENE=VV/Fとし、最大負荷状態であっても省エネ化を図れるようにしてもよい(ただし、省エネ出力電圧VENEは定格電圧VN以下である。)。
この場合、モータ42A,42Bの定格電圧VNが200V、モータ42A,42Bの定格周波数fNが120Hzで、V/F一定電圧VV/Fが図3の直線A−C−Dのように設定されていたとすれば、周波数が常用制御範囲の周波数n12から周波数n13まで変化すると、後述するように、省エネ出力電圧VENEは、図3のE1−E2−E5−Dのように変化、制御される。
この制御は、ポンプを駆動するのに必要なトルクを満たし、かつ、段落〔0022〕の制御より、特に、大流量域において、低電圧での運転、つまり、低トルクでの運転となるため、省エネ化が図れる。
上記した省エネベース電圧演算回路32は、推定末端圧力一定制御において、駆動トルク条件を満足できる最低制御電圧、例えば、負荷を駆動するのに要求されるトルクの150%以上の最大トルクを発生させる電圧を演算する。
なお、この電圧(省エネベース電圧VB)は、図3に示す直線(折れ線)A−E1−Bとなる。
そして、省エネベース電圧演算回路32は、推定末端圧力一定制御部21を構成する比例積分制御器21dからの周波数f*から、図3に示す常用制御範囲における最低の周波数n12(例えば、60Hz)を引いた値を出力する減算器32aと、この減算器32aの出力がゼロ未満の場合はゼロを出力し、減算器32aの出力がゼロ以上の場合はその値を出力するとともに、所定の上限値(例えば、モータの定格周波数120Hz)で出力をカットするリミッタ32bと、このリミッタ32bの出力に、図3に示す直線E1−Bの傾斜係数、すなわち、〔(n24−n22)/(n13−n12)〕を掛けて出力する乗算器32cと、この乗算器32cの出力に、図3の周波数n12における点E1の電圧n22を加えて電圧VB1を出力する加算器32dと、周波数f*から、図3に示す周波数n11(例えば、3Hz)を引いた値を出力する減算器32eと、この減算器32eの出力がゼロ未満の場合はゼロを出力し、減算器32eの出力がゼロ以上の場合はその値を出力するリミッタ32fと、このリミッタ32fの出力に、図3に示す直線A−E1の傾斜係数、すなわち、〔(n22−n21)/(n12−n11)〕を掛けて出力する乗算器32gと、この乗算器32gの出力に、図3の周波数n11における点Aの電圧n21を加えて電圧VB2を出力する加算器32hと、この加算器32hの出力か、加算器32dの出力かを省エネベース電圧VB として出力する選択スイッチ32iとで構成されている。
なお、選択スイッチ32iの駆動手段の図示は省略するが、減算器32aの出力がゼロ以上であれば、加算器32dの出力を選択し、減算器32aの出力がゼロ未満であれば、加算器32hの出力を選択するように構成されている。
したがって、周波数f*がn12未満では加算器32hが出力する電圧VB2となり、周波数f*がn12以上では加算器32dが出力する電圧VB1となるので、省エネベース電圧演算回路32は、図3に示す直線(折れ線)A−E1−Bの省エネベース電圧VBを出力する。
次に、省エネ電圧演算回路33は、推定末端圧力一定制御部21を構成する推定末端圧力設定器21aからの最低圧力設定hsから、推定末端圧力一定制御が可能な許容最低設定圧力hsminを引いた値を出力する減算器33aと、この減算器33aの出力がゼロ以下の場合はゼロを出力し、減算器33aの出力がゼロを越える場合はその値(Δhs)を出力するリミッタ33bと、このリミッタ33bの出力に、最小自乗回帰直線の推定式の比例係数C1を掛けて出力する乗算器33cと、この乗算器33cの出力に、最小自乗回帰直線の推定式の定数C2を加えて出力する加算器33dと、この加算器33dの出力に、周波数f*を掛けて出力する乗算器33eと、リミッタ33bの出力に、最小自乗回帰直線の推定式の比例係数C3を掛けて出力する乗算器33fと、この乗算器33fの出力に、最小自乗回帰直線の推定式の定数C4を加えて出力する加算器33gと、この加算器33gの出力に、乗算器33eの出力を加えて出力する加算器33hと、この加算器33hの出力か、ゼロかを省エネ電圧VCとして出力する選択スイッチ33iとで構成されている。
なお、選択スイッチ33iの駆動手段の図示は省略するが、減算器33aの出力がゼロ以上であれば、加算器33hの出力を選択し、減算器33aの出力がゼロ未満であれば、ゼロを選択するように構成されている。
したがって、省エネ電圧演算回路33は、図3に示す直線P−Qの省エネ電圧VCを出力する。
この省エネ電圧VCは、次の(1)式によって得られる。
Figure 0004532876
次に、V/F一定電圧演算回路34は、省エネベース電圧演算回路32を構成する減算器32a(34a)、リミッタ32b(34b)、減算器32e(34e)、および、リミッタ32f(34f)と、リミッタ32bの出力に、図3に示す直線C−Dの傾斜係数(V/F一定の電圧を与える傾斜係数)、すなわち、〔(VN −n23)/(n13−n12)〕を掛けて出力する乗算器34cと、この乗算器34cの出力に、図3の周波数n12におけるV/F一定の電圧、つまり、n23を加えて電圧VV/F1を出力する加算器34dと、リミッタ32fの出力に、図3に示す直線A−Cの、低周波数での電圧補償を考慮したV/F一定制御における電圧の傾斜係数、すなわち、〔(n23−n21)/(n12−n11)〕を掛けて出力する乗算器34gと、この乗算器34gの出力に、図3の周波数n11における点Aの電圧n21を加えて電圧VV/F2を出力する加算器34hと、この加算器34hの出力か、加算器34dの出力かを出力する選択スイッチ34iと、この選択スイッチ34iの出力に、後述するソフト切換制御定数Sotを掛けてV/F一定電圧VV/Fを出力する乗算器34jとで構成されている。
なお、選択スイッチ34iの駆動手段の図示は省略するが、減算器32aの出力がゼロ以上であれば、加算器34dの出力を選択し、減算器32aの出力がゼロ未満であれば、加算器34hの出力を選択するように構成されている。
したがって、周波数f*がn12未満では加算器34hが出力する電圧VV/F2となり、周波数f*がn12以上では加算器34dが出力する電圧VV/F1となるので、V/F一定電圧演算回路34は、図3に示す直線A−DのV/F一定電圧VV/Fを出力する。
次に、ソフト切換制御定数Sotについて説明する。
まず、図示は省略されているが、通常制御状態において、ポンプ13A,13Bの圧力制御が定常状態に入ったことを、例えば、インバータ41A,41Bに通常装備されている“周波数一致信号”で検出し、この状態が一定時間、例えば、5秒〜10秒継続すると、通常制御から省エネ制御へと移行する。
そして、負荷状態が変動して省エネ制御が解除されると、省エネ制御から通常制御へ移行する。
このように省エネ運転に移行する前のソフト切換制御定数Sotは、“1”に設定され、省エネ運転に移行すると、“1”から“0”へとゆっくりと直線的に、あるいは、1次遅れ関数的に変化して移行する。
そして、省エネ制御から通常制御へと移行するときのソフト切換制御定数Sotも、“0”から“1”へとゆっくりと直線的に、あるいは、1次遅れ関数的に変化して移行する。
したがって、演算設定される図3の直線A−Dの傾斜は、ゆっくりと小さくなり、また、ゆっくりと大きくなってもとに戻る。
次に、動作について説明する。
まず、給水を開始すると、推定末端圧力一定制御部21は、その給水状態における各圧力hsu,hi,hs,Δhに基づいて周波数f*を求め、インバータ41A,41Bへ周波数fa,fbを出力する。
一方、給水の開始時、または、給水の非定常状態においては省エネ制御になっていないので、省エネ電圧演算部31の選択スイッチ35はオンにならない。
したがって、周波数f*がn12未満のときは、前述したように、省エネベース電圧演算回路32から電圧VBとして図3に示す直線A−E1の電圧が出力され、選択スイッチ35から出力がないので、第1高電圧優先回路36から直線A−E1の電圧が電圧VBCとして出力される。
また、V/F一定電圧演算回路34からV/F一定電圧VV/Fとして図3に示す直線A−Cの電圧が出力されるので、第2高電圧優先回路37から直線A−E1の電圧よりも大きい直線A−Cの電圧が出力される。
そして、図3に示す直線A−Cの電圧は図3に示す直線A−E4よりも小さいので、可変電圧リミッタ38から直線A−Cの電圧が省エネ出力電圧VENEとして出力され、このディジタル信号の省エネ出力電圧VENEがD/A変換器39Aでアナログ信号の電圧Vaに変換されてインバータ41Aへ出力され、また、ディジタル信号の省エネ出力電圧VENEがD/A変換器39Bでアナログ信号の電圧Vbに変換されてインバータ41Bへ出力され、モータ42A,42Bを介してポンプ13A,13Bを制御する。
しかし、周波数f*がn12以上のときは、前述したように、省エネベース電圧演算回路32から電圧VBとして図3に示す直線E1−Bの電圧が出力され、選択スイッチ35から出力がないので、第1高電圧優先回路36から直線E1−Bの電圧が電圧VBCとして出力される。
また、V/F一定電圧演算回路34からV/F一定電圧VV/Fとして図3に示す直線C−Dの電圧が出力されるので、第2高電圧優先回路37から直線E1−Bの電圧よりも大きい直線C−Dの電圧が出力される。
そして、図3に示す直線C−Dの電圧は図3に示す直線A−E4よりも小さいので、可変電圧リミッタ38から直線C−Dの電圧が省エネ出力電圧VENEとして出力され、このディジタル信号の省エネ出力電圧VENEがD/A変換器39Aでアナログ信号の電圧Vaに変換されてインバータ41Aへ出力され、また、ディジタル信号の省エネ出力電圧VENEがD/A変換器39Bでアナログ信号の電圧Vbに変換されてインバータ41Bへ出力され、モータ42A,42Bを介してポンプ13A,13Bを制御する。
このようして給水している状態で定常状態になると、選択スイッチ35がオンになることにより、省エネ電圧演算回路33から直線P−Qの電圧が省エネ電圧VCとして出力され、ソフト切換制御定数Sotは“1”から“0”へとゆっくりと移行する。
なお、ソフト切換制御定数Sotが“1”から“0”へとゆっくりと移行すると、直線A−Dの電圧は、ゆっくりと直線A−E1−Bの電圧へと近づいて、直線A−E1−Bの電圧よりも小さくなる。
したがって、省エネ制御(運転)の場合、周波数f*がn12未満のときは、前述したように、省エネベース電圧演算回路32からV/F一定電圧VBとして図3に示す直線A−E1の電圧が出力され、選択スイッチ35から出力がないので、第1高電圧優先回路36から直線A−E1の電圧が電圧VBCとして出力される。
また、V/F一定電圧演算回路34から電圧VV/Fとして図3に示す直線A−Cの電圧が出力されるので、第2高電圧優先回路37から直線A−E1の電圧以上である直線A−Cの電圧が出力される。
そして、図3に示す直線A−Cの電圧は図3に示す直線A−E4よりも小さいので、可変電圧リミッタ38から直線A−Cの電圧が省エネ出力電圧VENEとして出力され、このディジタル信号の省エネ出力電圧VENEがD/A変換器39Aでアナログ信号の電圧Vaに変換されてインバータ41Aへ出力され、また、ディジタル信号の省エネ出力電圧VENEがD/A変換器39Bでアナログ信号の電圧Vbに変換されてインバータ41Bへ出力され、モータ42A,42Bを介してポンプ13A,13Bを制御する。
しかし、周波数f*がn12以上のときは、前述したように、省エネベース電圧演算回路32から電圧VBとして図3に示す直線E1−Bの電圧が出力され、選択スイッチ35から直線P−Qの電圧が出力されるので、第1高電圧優先回路36から折れ線E1−E2−Q−Dの電圧が電圧VBCとして出力される。
また、V/F一定電圧演算回路34からV/F一定電圧VV/Fとして図3に示す直線C−Dの電圧が出力されるが、選択スイッチ35がオンとなっているため、後述するソフト切換制御定数Sotが“0”となるので、第2高電圧優先回路37から折れ線E1−E2−Q−Dの電圧が出力される。
そして、図3に示す折れ線E1−E2−Q−Dの電圧は図3に示す直線A−E4よりも一部が大きいので、可変電圧リミッタ38から折れ線E1−E2−E3−E4−Dの電圧が省エネ出力電圧VENEとして出力され、このディジタル信号の省エネ出力電圧VENEがD/A変換器39Aでアナログ信号の電圧Vaに変換されてインバータ41Aへ出力され、また、ディジタル信号の省エネ出力電圧VENEがD/A変換器39Bでアナログ信号の電圧Vbに変換されてインバータ41Bへ出力され、モータ42A,42Bを介してポンプ13A,13Bを制御する。
このように省エネ制御で給水している状態で負荷が変動し、インバータ41A,41Bからの周波数一致信号が解除されると、ソフト切換制御定数Sotは“0”から“1”へゆっくりと移行し、選択スイッチ35がオフとなることにより、前述した通常制御へゆっくりと移行する。
なお、モータ42A,42Bの周波数f*がfc*未満になると、直線A−E1の省エネ出力電圧VENEは、上述したように、ソフト切換制御定数Sotが“0”から“1”へゆっくりと移行するので、折れ線A−C−Dの電圧へ移行する。
以上説明したように、省エネベース電圧VBによって駆動トルク条件を満足させ、省エネ電圧VCによって省エネ条件を満足させ、また、過励磁防止制限電圧VEmaxによってモータ42A,42Bが過励磁になることを防止することにより、給水装置の安全な省エネ運転が達成できる。
また、給水装置の省エネ制御で流量が頻繁に変動する場合、V/F一定電圧VV/Fによって圧力変動を抑制することができる。
そして、許容電圧係数Kemaxが図3の直線A−E4のように1.0以上に設定され、モータ42A,42Bの周波数f*がfc*以上であれば、省エネ切換信号が発せられると、直ちに、折れ線E2−E3−E4−Dの電圧へ上昇するが、電圧上昇は最大でも15%程度であり、圧力制御系に与える影響は少ない。
また、流量が増加した場合の省エネ電圧は、図3の直線E2−Qのように、V/F一定の電圧より高くなる。
したがって、モータ42A,42Bの設計磁束密度に余裕ある場合には、その限度まで電圧を上昇させた方が、モータ42A,42Bの効率がよくなる。
また、従来、負荷が低下する場合にモータ42A,42Bの電圧を低下させる一方向だけの制御を行う省エネ制御に対して、この発明では、許容電圧係数Kemaxを1.0以上に設定できるようにし、負荷が増加する場合、モータ42A,42Bの電圧を上昇させる方向の制御も行っているので、通常のV/F一定制御を行う場合に比べ、大流量域でモータの効率を高めることができる。
次に、推定末端圧力一定制御を行って給水装置のモータが最高効率となる電圧を決定する方法について説明する。
最初に、給水装置で給水流量が低下した場合、モータの電圧を調整すれば、モータの効率低下を改善できることについて説明する。
吐出圧力一定制御を行っている場合、例えば、図1の構成で、最低設定圧力hsを100%揚程に設定し、補償圧力Δhをゼロに設定した場合において、インバータをV/F一定に設定した場合と、電圧を調整して運転した場合の効率の比較例を表1に示す。
Figure 0004532876
表1に示すように、流量が低下した場合のモータ効率は、100%流量の時よりも確かに低下しているが、電圧を調整することにより、この効率の低下を少なくすることができることが分かる。
電圧を調整した場合の電圧は、その時の周波数で最大効率になる電圧を設定した場合を示している。
このように、流量とその時の周波数に応じてモータの電圧を調整すれば、従来のV/F一定の電圧で運転する場合よりも省エネ運転ができる。
この発明は、この原理を応用している。
給水流量が変化した場合、その変化に応じてモータを最高効率で運転するためには、モータ効率がその周波数とトルクのもとで、最高になるモータの電圧を検討しなければならない。
そのためには、最初に、モータの負荷トルクをパラメータとして、モータのすべりと効率の関係を求めておく必要がある。
図4は表1の給水装置におけるモータのすべりと効率の関係を負荷トルク0.225kg・mの場合と0.009kg・mの場合について、モータのT形等価回路から計算した特性図である。
このように、モータの等価回路定数が与えられると、公知の計算方法によってすべりに対する効率特性が計算できる。
つまり、その時の最大効率を与えるモータのすべりが計算できる。
最大効率を与えるすべりが決定されると、同様に、モータの等価回路からその時のモータ電圧が計算できる。
この計算を繰返すことにより、図5のように、最大効率を与えるモータ電圧(以下、“省エネ電圧”と記す。)と周波数の関係が、負荷トルクをパラメータにして計算できる。
この計算を遂行した結果、省エネ電圧に関して重要な特性が明かとなった。
つまり、負荷トルクが一定の場合、省エネ電圧と周波数は、ほぼ比例関係にある。
これを、最小自乗法による回帰直線を求めて確かめた。
Figure 0004532876
表2は回帰直線式の比例係数および定数の結果である。
表2に示すように、モータトルク一定のもとでは、省エネ電圧は、周波数を変数とする直線方程式で推定できることが明かとなった。
つまり、比例係数Aと定数Bを決定すれば、精度のよい省エネ電圧の推定ができる。
ここで、省エネ電圧の推定値をVL(V)とすれば、
Figure 0004532876
で、省エネ電圧が推定できることを示している。
しかしながら、このままでは、省エネ電圧の推定値VLを計算するため、比例係数Aと定数Bをモータトルクによって変更しなければならない煩わしさがある。
そこで、比例係数A、定数Bと、トルクとの関係を求めた。
図6、図7が比例係数Aと定数Bとモータトルクとの関係を計算したものである。
図6、図7に示すように、比例係数A、定数Bは、若干の誤差があるものの、実用的な値をモータトルクから推定できる。
以上の説明により、モータが決定し、モータのT形等価回路定数が与えられれば、省エネ電圧は、モータの周波数とモータトルクから推定できることが明かとなった。
次に、吐出圧力一定制御、または、推定末端圧力一定制御を行っている時のモータの周波数とトルクの関係を明らかにする。
図8は推定末端圧力一定制御を行っている場合のモータトルクと周波数の関係を計算したものである。
ただし、この計算では、モータトルクを、定格トルクをベースにしたパーユニット(p.u.)としている。
このトルクと周波数の関係を、前述の(2)式、図6、図7の結果に適用することにより、インバータに設定すべき省エネ電圧が図9のように計算できる。
つまり、最低設定圧力hsの値に応じて、図9の省エネ電圧の計算値を選択、設定するようにすれば、実際に、省エネ電圧の設定が可能である。
さらに、この発明では、最低設定圧力hsの値に応じて図9の計算結果を選択する煩わしさから逃れるため、以上に述べた方法に準じて最低設定圧力hsの値をパラメータとする省エネ電圧の直線の回帰式を計算した。
この結果、図9の例では、最低設定圧力hsをパラメータとする、省エネ電圧の回帰直線式の比例係数A’と定数B’は、表3のように計算された。
Figure 0004532876
つまり、省エネ電圧の推定値をVL(V)とした場合、
Figure 0004532876
で近似できることを示している。
ただし、比例係数A’、定数B’は、(2)式の省エネ電圧の計算のように、モータトルクを使用する必要はなく、推定末端圧力一定制御の最低設定圧力hsによって決定される値である。
この最低設定圧力hsに対する係数A’、定数B’は、同様に、直線の式で表すことができる。
このようにして計算される省エネ電圧(VL)を、図2では、省エネ電圧VCとして算出している。
つまり、最低設定圧力hsに変え、最低設定圧力hsと許容最低設定圧力hsminとの差Δhsに比例係数C1を乗じ、定数C2を加えて比例係数A’を計算する形になっている。
また、定数B’は、差Δhsに比例係数C3を乗じ、定数C4を加えて演算している。
この演算は、図2の省エネ電圧演算回路33で実行される(1)式の省エネ電圧VCが、省エネ電圧の推定式(3)式と同じであることを示している。
なお、説明に使用した図8、図9から計算した表3は、推定末端圧力一定制御の場合を示しているが、吐出圧力一定制御の場合のトルク、電圧、電圧の回帰直線式が同様に計算できることは明らかである。
例えば、その形は、最低設定圧力hsが0.9p.u.の特性から容易に推定できる。
ここで、比例係数C1,C3および定数C2,C4の具体的な数値について説明する。
まず、最低設定圧力hsと周波数とから各周波数におけるトルクを求める(この特性は、図8を参考にする。)。
そして、必要なトルクから比例係数A、定数Bを求める(比例係数Aは図6を参考にし、定数Bは図7を参考にする。)
次に、最低設定圧力hsをパラメータとしたときの周波数と省エネ電圧の1次直線式の比例係数A’、定数B’は表3のようになる。
そして、差Δhs(最低設定圧力hs−許容最低設定圧力hsmin)と比例係数A’との関係は図10となり、また、差Δhs(最低設定圧力hs−許容最低設定圧力hsmin)と定数B’との関係は図11となる。
なお、計算における差Δhsは、図2の省エネ電圧演算回路33に準拠している。
次に、図10に示した特性を直線近似式とすると、
Figure 0004532876
となり、また、図11に示した特性を直線近似式とすると、
Figure 0004532876
となる。
したがって、比例係数C1は0.0175、定数C2は0.0155、比例係数C3は−2.0125、定数C4は−0.7998となる。
以上のように、この発明は、モータのT形等価回路定数をベースに、最高効率となるすべりを周波数とモータトルクから決定し、この結果をもとに省エネ電圧を計算しているので、モータの等価回路定数が、例えば、モータの温度上昇によって、変動した場合の問題、つまり、モータ定数変動に対する最高効率を与えるすべりの感度特性を検討しておかねばならない。
図12はこの発明における感度解析の例を示している。
図12から、モータの2次抵抗r2’の変化によるすべりの変動が大きく、1.5倍の変動に対して1.38倍変動している。
これ対して、1次抵抗r1や鉄損抵抗rmの変動に対しては、2次抵抗r2’の変化に対する感度より、かなり感度が低いことが分かる。
つまり、実用面から、2次抵抗r2’の変化による最高効率すべりの変化を考慮した設計を行えばよいことが分かる。
ただし、図12におけるr2’base、rmbase、r1base、は、感度解析の基準値を示す。
例えば、2次抵抗r2’の変動がモータ温度上昇に依存する場合に対しては、モータの温度を検出し、図12のような感度解析結果を利用して最高効率のすべりの変化から修整すべき電圧を計算し、省エネ電圧を自動的に修整するような制御を加えることができる。
これは、モータが大容量の場合に、価値ある方法となる。
吐出圧力一定制御または推定末端圧力一定制御を行っている時の必要トルクは、前述のように容易に計算できる。
したがって、必要トルクより十分大きな、例えば、150%以上のモータトルクを保証する省エネ最低電圧は、T形等価回路から容易に計算できる。
つまり、図3の直線E1−Bの電圧は、容易に決定できる。
図13はこの発明における省エネ特性の試験結果の例を示している。
V/F一定制御に比べ、この発明の省エネ電圧制御が、低流量域で大きく効率を改善できていることが示されている。
なお、この試験では、最低設定圧力hsを0.7p.u.に設定し、許容電圧係数Kemaxを1.0に設定した場合を示している。
上記した実施例では、省エネ電圧VCを考慮して省エネ出力電圧VENEを求める例を示したが、例えば、第1高電圧優先回路36への選択スイッチ35を介した入力をV/F一定電圧演算回路34の出力とし、第1高電圧優先回路36の出力を直接D/A変換器39A,39Bへ出力する構成としても、同様な制御が可能となり、同様な効果を得ることができる。
この発明の一実施形態である給水装置の構成を示すブロック図である。 図1に示した省エネ電圧演算部の構成を示すブロック図である。 図2に示した省エネ電圧演算部を説明するための省エネ電圧特性を示す特性図である。 モータスリップ(すべり)とモータ効率との関係を示す特性図である。 図4の結果からモータトルクをパラメータにして周波数に対する省エネ電圧を示す特性図である。 図5の結果から回帰直線式の比例係数Aの比例係数と定数を求めた図である。 図5の結果から回帰直線式の定数Bの比例係数と定数を求めた図である。 給水装置で推定末端圧力一定制御を行っている時のモータに必要なトルクと周波数の関係を、図5の結果をもとに計算した図である。 第8図の結果に対する省エネ電圧を、図5の結果をもとに計算した図である。 省エネ電圧の回帰直線式の比例係数A’を求める説明図である。 省エネ電圧の回帰直線式の定数B’を求める説明図である。 この発明がモータのT形等価回路定数をもとに省エネ電圧を計算しているので、モータの温度が変動してモータの2次抵抗が変動した場合、計算設定した省エネ電圧がどのような影響を受けるのかを検討した感度解析の一例を示す図である。 この発明の試験結果の特性とV/F一定の従来方式の特性を比較した一例を示す図である。
符号の説明
1 水道管
2 給水配管
3 給水本管
4A,4B 給水分岐管
5 バイパス管
11 吸い込み側圧力検出器
12 吸い込み側逆止め弁
13A,13B ポンプ
14A,14B 吐出側逆止め弁
15A,15B 締め切り弁
16 圧力タンク
17 バイパス逆止め弁
18 フロースイッチ
19 吐出側圧力検出器
21 推定末端圧力一定制御部
21a 推定末端圧力設定器
21b 補償圧力演算器
21c 演算器
21d 比例積分制御器
21e,21f D/A変換器
31 省エネ電圧演算部
32 省エネベース電圧演算回路
32a,32e 減算器
32b,32f リミッタ
32c,32g 乗算器
32d,32h 加算器
32i 選択スイッチ
33 省エネ電圧演算回路
33a 減算器
33b リミッタ
33c,33e 乗算器
33d,33g 加算器
32f 乗算器
33h 加算器
33i 選択スイッチ
34 V/F一定電圧演算回路
34c,34g 乗算器
34d,34h 加算器
34i 選択スイッチ
34j 乗算器
35 選択スイッチ
36 第1高電圧優先回路
37 第2高電圧優先回路
38 可変電圧リミッタ
39A,39B D/A変換器
41A,41B インバータ
42A,42B モータ
su 押し込み圧力
i 圧力
s 最低設定圧力
Δh 補償圧力
smin 許容最低設定圧力
Δhs
f* 周波数
a,fb 周波数
N モータの定格周波数
11〜n13 周波数
a,Vb 電圧
B 省エネベース電圧
C 省エネ電圧
BC 電圧
V/F V/F一定電圧
Emax 過励磁防止制限電圧
ENE 省エネ出力電圧
N モータの定格電圧
B1,VB2 電圧
V/F1,VV/F2 電圧
L 省エネ電圧の推定値
21〜n24 電圧
emax 許容電圧係数
ot ソフト切換制御定数
1,C3 比例係数
2,C4 定数

Claims (4)

  1. インバータを介してモータを駆動することにより、ポンプを作動させて給水する給水方法において、
    前記ポンプへの押し込み圧力と吐出側の圧力とから前記モータを駆動する各周波数における前記モータを駆動するのに最低必要なトルクを発生させる省エネベース電圧を演算する省エネベース電圧演算回路と、
    前記各周波数に基づくV/F(電圧/周波数)特性が一定となる電圧を出力するV/F一定電圧演算回路とを有し、
    前記インバータは、前記V/F一定電圧演算回路の出力電圧で前記モータを駆動して給水している状態で前記インバータに装備されている周波数一致信号で前記ポンプの圧力制御が定常状態に入ったことを検出する前記V/F一定電圧演算回路の前記周波数一致信号の周波数における出力電圧値を、前記省エネベース電圧演算回路が演算した前記周波数一致信号の周波数における省エネベース電圧値にゆっくりと近付かせるように移行させて、前記モータを前記省エネベース電圧演算回路が演算した省エネベース電圧による駆動とし、
    また、前記インバータは、前記省エネベース電圧演算回路が演算した省エネベース電圧で前記モータを駆動している状態で定常状態が解除されると、前記周波数一致信号の周波数における省エネベース電圧値を前記V/F一定電圧演算回路の前記周波数一致信号の周波数における出力電圧値へゆっくりと近付かせるように移行させて、前記省エネベース電圧による前記モータ駆動を、前記V/F一定電圧演算回路の出力電圧による前記モータ駆動とする、
    ことを特徴とする給水方法。
  2. 請求項1に記載の給水方法において、
    前記モータの周波数に基づく省エネ電圧を数1により求める省エネ電圧演算回路を有し、
    前記省エネ電圧が前記省エネベース電圧よりも高くなると前記省エネ電圧で前記モータを駆動する、
    ことを特徴とする給水方法。
    Figure 0004532876
    但し、
    Vcは、省エネ電圧
    Δhsは、最低設定圧力hsと許容最低設定圧力hsminとの差
    1,C3は、最小自乗回帰直線の推定式の比例係数
    2,C4は、最小自乗回帰直線の推定式の定数
    f*は、最低設定圧力hsに補償圧力Δhを加え、その値から給水の吐出側圧力hiを引いた出力に基づく周波数
  3. 請求項2に記載の給水方法において、
    前記省エネ電圧は、前記モータの1次抵抗、鉄損抵抗、および、2次抵抗を温度補正して求める、
    ことを特徴とする給水方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の給水方法において、
    前記モータの各周波数における過励磁防止制限電圧を求め、
    前記省エネ電圧が前記過励磁防止制限電圧よりも高くなると、前記過励磁防止制限電圧で前記モータを駆動する、
    ことを特徴とする給水方法。
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