JP4532814B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪化粧料に関し、詳しくは、整髪保持効果に優れ、また、毛髪への塗布時の伸びが良く、べたつきが少なく、塗布後には再整髪性に優れ、粉体の脱落が少なく、更には洗髪除去性にも優れた毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、毛髪化粧料には毛髪にしなやかな感触や優れた艶を与える目的でシリコーン油、エステル油、炭化水素油等の液状油を、可溶化、乳化、溶解して用いている。しかしながら、シリコーン油に代表される油分では、毛髪に対するセット保持性が乏しく、不十分であった。整髪保持効果を向上するためにこれらの油分を多く配合するとべたつき感が出たり、不自然な艶(てかり)が出るなど満足できるものではなかった。
【0003】
また、毛髪化粧料には毛髪をセットする目的で種々の被膜形成能を有する高分子化合物が用いられている。特に、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物等が汎用されている。しかしながら、これらの高分子化合物は整髪保持効果に優れているが、ごわつきがあるものであり、また一度形成した皮膜が崩れてしまうと再整髪が困難であるという欠点もあった。
【0004】
これらの欠点を解決すべく、特開平11−124316号公報に開示された特定の融点を持つ油剤を組み合わせた毛髪化粧料、特開平05−139932号公報に開示されたシリコーン粉体と揮発性油剤とを組み合わせた毛髪化粧料、特開2001−316228号公報に開示された固形ワックス、水溶性高分子、液状油分及び粉体を組み合わせた整髪料などが提案されている。しかしながら、毛髪化粧料に粉体を配合した場合、塗布時に伸びが悪くなりきしみ感を生じたり、再整髪時に櫛を使用すると毛髪表面から粉体が脱落し衣服が汚れたり、フケの様に見えてしまうなどの改善の必要性があった。また、毛髪化粧料に固形ワックスなどの高融点の油剤を多く配合した場合、塗布時に伸びが悪くなりきしみ感を生じたり、洗髪除去性が悪くなるなど改善の必要性があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、整髪保持効果に優れ、また、毛髪への塗布時の伸びが良く、べたつきが少なく、塗布後には、再整髪性に優れ、粉体の脱落が少なく、更には洗髪除去性にも優れた毛髪化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明は、以下の、(A)〜(D)を含有することを特徴とする毛髪化粧料にある。
(A)アニオン性界面活性剤 0.5〜2.0質量%
(B)室温でペースト状の油剤
(C)多価アルコール
(D)粉体 0.1〜3.0質量%
【0007】
また、本発明は 更に、(E)高分子化合物を含有することを特徴とする上記の毛髪化粧料にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を詳述する。
【0009】
本発明に使用する(A)成分のアニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石けん、アルキル硫酸塩型界面活性剤、アルキルエーテル硫酸塩型界面活性剤、オレフィンスルホン酸塩型界面活性剤、リン酸エステル型界面活性剤、アルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤、アミノ酸塩型界面活性剤(サルコシン塩型、β−アラニン塩型、グルタミン酸塩型、アスパラギン酸塩型等)、スルホコハク酸塩型界面活性剤、タウリン型界面活性剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上が用いられる。また、上記アニオン性界面活性剤の内、脂肪酸石けんを用いると整髪保持効果に特に優れる。
【0010】
本発明における(A)成分のアニオン性界面活性剤の配合量としては、毛髪化粧料組成物全量に対して0.1〜10.0質量%(以下、単に%と略す。)が好ましく、更に好ましくは0.5〜2.0%である。上記アニオン性界面活性剤の配合量が0.1%未満であると、塗布時の伸びが悪くなる場合がある。また、配合量が10.0%を越える場合、べたつきを生じる場合がある。
【0011】
本発明に使用する(B)成分の室温でペースト状の油剤は、例えば、ラノリン、トリラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪酸、ワセリン、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット等)、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、乳酸ミリスチルなどが挙げられる。これらは、室温でペースト状(半固体)の油剤であり、室温(15〜25℃)の範囲を超える温度に融点をもち、かつこの範囲で完全に固化しない点で液体油、固体油脂と区別される油剤である。上記ペースト状の油剤の中でも、ワセリン、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、ジペンタエリトリット脂肪酸エステルを用いると再整髪性の面で特に優れる。
【0012】
尚、本発明における(B)成分のペースト状の油剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、その配合量としては、毛髪化粧料組成物全量に対して0.5〜25.0%が好ましく、更に好ましくは5.0〜20.0%である。上記ペースト状の油剤の配合量が0.5%未満であると、整髪保持効果が損なわれる場合がある。また、配合量が25.0%を越える場合、べたつきを生じる傾向にある。
【0013】
本発明に使用する(C)成分の多価アルコールは、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量が1000以下)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。上記多価アルコール中、1,3−ブチレングルコールを用いた場合、再整髪性の面で特に優れる。
【0014】
尚、本発明における(C)成分の多価アルコールは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、その配合量としては、毛髪化粧料組成物全量に対して0.1〜20.0%が好ましく、更に好ましくは2.0〜5.0%である。上記多価アルコールの配合量が0.1%未満であると、再整髪性の付与の向上が得られにくく、また、配合量が20.0%を越える場合、整髪保持効果を損なう場合がある。
【0015】
本発明に使用する(D)成分の粉体としては、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸(シリカ)、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、珪ソウ土、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、モンモリロナイト、クレー、ベントナイト、バーミキュライト、酸化チタン皮膜雲母(雲母チタン)、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、低次酸化チタン、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性臭化アルミニウム、塩基性ヨウ化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウムジルコニウム、硫酸亜鉛、塩基性乳酸アルミニウム亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、カーボンブラック等の無機粉体、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ポリエチレン、ポリプロピレン、ベンゾグアナミン粉末、ポリ四フッ化エチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(商品名:マイクロスフェア[松本油脂製薬社製])、ポリメチルシルセスキオキサン(商品名:トスパール[GE東芝シリコーン社製])、ジメチルポリシロキサン重合体(商品名:トレフィル[東レ・ダウコーニング・シリコーン社製])、オクテニルコハク酸デンプンエステルアルミニウム(商品名:ドライフロー[ナショナルスターチ社製])、等の有機粉体、及びこれらの複合体が挙げられ、粒径が0.5〜30μm、好ましくは1.0〜20μmの物を1種または2種以上選択し用いられる。粉体の粒径が0.5μm未満であると塗布時の伸びが悪くなる場合があり、粒径が30μmより大きい場合は毛髪から脱落しやすくなる傾向にある。
【0016】
また、上記粉体の内、タルク、マイカ、カオリン、無水ケイ酸(シリカ)、を用いると粉体の脱落しにくさの面で特に優れ、ナイロン12、ポリメチルシルセスキオキサン、ジメチルポリシロキサン重合体、オクテニルコハク酸デンプンエステルアルミニウムを用いると洗髪除去性に特に優れる。
【0017】
本発明における(D)成分の粉体の配合量としては、毛髪化粧料組成物全量に対して0.01〜5.0%が好ましく、更に好ましくは0.1〜3.0%である。上記粉体の配合量が0.01%未満であると、べたつきが生じる場合がある。また、配合量が5.0%を越える場合、塗布時の伸びを損なったり、再整髪性を損なう場合がある。
【0018】
本発明には、更に(E)成分として高分子化合物を配合すると、塗布時の伸びの面でより効果が向上する。
【0019】
本発明に使用する(E)成分の高分子化合物としては、アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性の各合成ポリマー又はそれらの塩、天然系ポリマー又はその誘導体のいずれも使用できる。
【0020】
アニオン性ポリマーの具体例としては、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体(商品名:ガントレッツES−225、ES−425、SP−215[ISP社製]等)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(商品名:レジン28−1310[ナショナル・スターチ社製]、ルビセットCA[BASF社製]等)、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体(商品名:レジン28−2930[ナショナル・スターチ社製」等)、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体(商品名:ルビセットCAP[BASF社製]等)、酢酸ビニル/マレイン酸モノブチルエステル/イソボロニルアクリレート共重合体(商品名:ADVANTAGE CP[ISP社製]等)、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体(商品名:プラスサイズL53PB[互応化学社製]、ダイヤホールド[三菱化学社製]、ルビマー100P[BASF社製]等)、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体(商品名:ウルトラホールド8、ウルトラホールド・ストロング[BASF社製]、アンフォマーV−42[ナショナル・スターチ社製]等)、ポリアクリル酸ナトリウム(商品名:(アロン[東亜合成社製])、アクリル酸/アクリル酸ヒドロキシエステル共重合体(商品名:アキュダイン258[Rohm&Haas社製])、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体(商品名:ルビフレックスVBM35[BASF社製]等)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール980、981[B.F.GOODRICH社製]等)、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体(商品名:PEMULEN TR−1、TR−2[B.F.GOODRICH社製]等)、アクリル酸/メタクリル酸ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体(アキュリン22[Rohm&Haas社製])、アクリル酸/イタコン酸ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体(商品名:ストラクチャー[ナショナルスターチ社製])、シリコーン変性アクリル系ポリマー(商品名:FZ−3148[日本ユニカー社製]、KP−545[信越化学工業社製]等)等が挙げられる。
【0021】
カチオン性ポリマーの具体例としては、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体(商品名:ルビカットFC370、FC550、FC905、HM552、[BASF社製]等)、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(商品名:セルコートH−100、L−200[ナショナル・スターチ社製]等)、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体(商品名:マーコート550[nalco社製])、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(商品名:ガフカット734、755N[ISP社製]等)、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体(商品名:コポリマーVC−713[ISP社製]等)、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体(商品名:ガフカットHS−100[ISP社製]等)、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体等が挙げられる。
【0022】
両性ポリマーの具体例としては、ジアルキルアミノエチルメタクリレート/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のモノクロル酢酸両性化物(商品名:ユカフォーマー301、205、SM[三菱化学社製]等)、アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体(商品名:アンフォマー28−4910、LV−71[ナショナル・スターチ社製]等)、アクリル酸/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体(商品名:マーコート3330[nalco社製])等が挙げられる。
【0023】
ノニオン性ポリマーの具体例としては、ポリビニルピロリドン(商品名:ルビスコールK−12、17、30、60、80、90[BASF社製]、PVPK−15、30、60、90[ISP社製]等)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(商品名:ルビスコールVA28E、37E、55E、64E、73E[BASF社製]、PVP/VA E−735、E−635、E−535、E−335、S−630、W−735[ISP社製]等)、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体(商品名:コポリマー845、937、958[ISP社製]等)、酢酸ビニル/N−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン共重合体(商品名:Dowlex[ダウ・ケミカル社製]等)、水分散性ポリエステル樹脂(商品名:Eastman AQ 38S、55S[イーストマン・ケミカルプロダクツ社製])、ポリアクリル酸アミド(商品名:セピゲル[セピック社製])、高重合ポリエチレングリコール(分子量100,000以上)(商品名:ポリオックスWSR[ユニオンカーバイド社製])等が挙げられる。
【0024】
天然系ポリマー及びその誘導体の具体例としては、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、キサンタンガム、プルラン、カラギーナン等の天然多糖類、キトサン塩、カルボキシメチルキチン、ヒドロキシプロピルキトサン等のキチン誘導体、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子化合物、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子化合物、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子化合物などが挙げられる。
【0025】
尚、これらの高分子化合物のうち、イオン性基を有するものについては、イオン性基の一部又は全部を中和して塩に変換したものを用いても良い。上記の高分子化合物はそれぞれ単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
また、上記高分子化合物の内、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、高重合ポリエチレングリコール(分子量20000以上)を用いると塗布時の伸びの向上が特に優れ、その中でも高重合ポリエチレングリコール(分子量500,000〜7,500,000)を用いた場合、最も効果的である。
【0027】
これらの高分子化合物は、本発明毛髪化粧料組成物中に0.01〜3%配合されることが望ましく、さらに望ましくは0.05〜0.3%配合される。配合量が0.01%未満では、塗布時の伸びの向上が得られにくく、3%を越えて配合するとべたつきを生じる場合がある。
【0028】
本発明において、発明の効果を損なわない範囲であれば、上記必須成分の他に、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、油脂類、ロウ類、炭化水素油、アミノ酸、タンパク質、低級アルコール、噴射剤、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、pH調整剤、色素、香料等を配合することも可能である。
【0029】
本発明の毛髪化粧料は、ヘアージェル、ヘアークリーム、ヘアフォーム、ヘアリキッド、ヘアスプレー等の各種剤型に応用でき、整髪料、ヘアートリートメント、ヘアリンスとして用いることが出来る。整髪料として用いると最も効果を発現する。
【0030】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を説明する。本発明は、これらにより限定されるものではない。
【0031】
実施例、比較例に示した官能試験の試験方法は下記の通りである。尚、以下の表に示す組成物の配合量は、それぞれ%で示す。
【0032】
(1)整髪保持効果
長さ15cm、重さ1gの毛束に毛髪化粧料の試料を0.5gを均等に塗布し、直径2cmのロッドに巻き、45℃の高温室内に6時間放置して、完全に乾燥させた。乾燥後、ロッドをはずして、毛束の見かけの長さ(L)を測定した。次に温度25℃湿度90%の恒温恒湿室に毛束を吊し、30分後に取り出し、再び毛束の見かけの長さ(L0)を測定した。
【0033】
整髪保持効果を次式にて求めた。
整髪保持力(%)=(15−L0)÷(15−L)×100
従って、この値が100に近いほど整髪保持効果が高い。
【0034】
評価基準は、以下の通りである。
◎:非常に良好 整髪保持力80%以上
○:良好 整髪保持力50%以上、80%未満
△:やや悪い 整髪保持力30%以上、50%未満
×:悪い 整髪保持力30%未満
【0035】
(2)官能試験
20名の被験者によって毛髪化粧料の試料を使用した。その後被験者本人が、毛髪化粧料の塗布時の伸び、べたつきの少なさ、再整髪性、洗髪除去性について官能評価した。評価基準は、以下の通りである。
【0036】
◎:非常に良好 良いと答えた被験者の数が18人以上
○:良好 良いと答えた被験者の数が12人以上、18人未満
△:やや悪い 良いと答えた被験者の数が8人以上、12人未満
×:悪い 良いと答えた被験者の数が8人未満
【0037】
洗髪除去性試験に用いた洗浄剤(シャンプー)の組成を下記に示す。
【0038】
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 6.0%
ラウロイルメチルアラニンナトリウム 4.5
ココアンホ酢酸ナトリウム 3.5
ココイルグルタンミン酸トリエタノールアミン 1.5
ラウリン酸モノイソプロパノールアミド 1.5
ジステアリン酸グリコール 1.5
ポリクオータニウム−10 0.4
メチルパラベン 0.2
サリチル酸 0.15
乳酸 0.05
l−メントール 0.3
エデト酸2ナトリウム 0.2
ジメチルポリシロキサン(10000mPa・s) 0.2
パラメトキシケイ皮酸オクチル 0.1
色素(黄色203号) 0.0002
色素(緑色201号) 0.0001
精製水 残 部
【0039】
(3)毛髪からの脱落
長さ15cm、重さ2gの毛束に毛髪化粧料の試料を0.5gを均等に塗布し、直径2cmのロッドに巻き、45℃の高温室内に6時間放置して、完全に乾燥させた。乾燥後、目の細かい櫛を用いて10回ブラッシングを行い粉体の脱落状況を観察した。
【0040】
評価基準は、以下の通りである。
◎:粉体の脱落がほとんどない
○:粉体の脱落が少なく、目立たない
△:粉体の脱落があり、目立つ
×:粉体の脱落が著しい
【0041】
実施例1,4〜7,10〜15、比較例1〜4
表1、表2に示した処方の毛髪化粧料を常法により作製し、前記各試験を実施した。その結果を表1に併せて示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
表1より明らかなように本発明の成分を用いた実施例の毛髪化粧料はいずれも優れた性能を有していた。一方、表2の必須成分のいずれかを欠いた比較例では、整髪保持効果、塗布時の伸び、べたつきが少なさ、再整髪性、粉体の脱落、洗髪除去性のいずれかの面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。尚、比較例1は毛髪化粧料が調製できなかった。
【0045】
【0046】
上記組成の毛髪化粧料(ヘアクリーム)を常法により調製し、評価したところ、整髪保持効果、塗布時の伸び、べたつきが少なさ、再整髪性、粉体の脱落、洗髪除去性のいずれ面においても優れていた。
【0047】
【0048】
上記組成の毛髪化粧料(ヘアワックス)を常法により調製し、評価したところ、整髪保持効果、塗布時の伸び、べたつきが少なさ、再整髪性、粉体の脱落、洗髪除去性のいずれ面においても優れていた。
【0049】
【0050】
上記組成の毛髪化粧料(ヘアワックス)を常法により調製し、評価したところ、整髪保持効果、塗布時の伸び、べたつきが少なさ、再整髪性、粉体の脱落、洗髪除去性のいずれ面においても優れていた。
【0051】
尚、上記の実施例16〜18において使用した香料の組成は表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
上記の如く、本発明は、整髪保持効果に優れ、また、毛髪への塗布時の伸びが良く、べたつきが少なく、塗布後には、再整髪性に優れ、粉体の脱落が少なく、更には洗髪除去性にも優れた毛髪化粧料を提供するものである。
Claims (2)
- 以下の、(A)〜(D)及び(F)を含有することを特徴とする整髪料。
(A)脂肪酸石けん、アルキル硫酸塩型界面活性剤及びグルタミン酸塩型界面活性剤から選ばれるアニオン性界面活性剤 整髪料の全量に対して0.5〜2.0質量%
(B)ワセリン、ラノリン、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油及びトリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリドから選ばれる室温でペースト状の油剤
(C)グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量1000以下)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール及びマンニトールから選ばれる多価アルコール
(D)無水ケイ酸(シリカ)、タルク、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルセスキオキサン、ナイロン12及びオクテニルコハク酸デンプンエステルアルミニウムから選ばれる、粒径が0.5〜30μmの粉体 整髪料の全量に対して0.1〜3.0質量%
(F)水 - 更に、(E)カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、高重合ポリエチレングリコール(分子量20000以上)から選ばれる単独又は2種以上の高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の整髪料。
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