JP4532163B2 - 光空間通信システムとこのシステムに用いられる光送信装置、光受信装置及び光軸補正方法 - Google Patents

光空間通信システムとこのシステムに用いられる光送信装置、光受信装置及び光軸補正方法 Download PDF

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本発明は、空間中にレーザ光を伝播させて光通信を行う光空間通信システムにおいて、送受信装置間の相対位置・姿勢変化に伴う光軸のずれを検出し補正を行う光軸補正技術に関する。
例えば2組の光送受信装置をビル間に対向配置して光空間通信を行う場合、風や振動などによる光軸ずれの影響を補正する必要が生じる。この光軸補正の手法としては、それぞれの光送信装置側で出射するレーザ光のビーム径を拡大し、光受信装置側で到達光を集光しその入射方向を検出してレーザ光の送出方向と一致するように調整することにより、2組の光送受信装置の光軸を互いに一致させる手法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
ところが、上記の手法の場合、それぞれの光送受信装置でレーザ光のビーム径が拡大されるため、レーザ光に漏れが生じ、情報漏洩の虞や近接した複数の送受信装置による同時通信の場合の相互干渉などが予想される。
さらに、2組の光送受信装置の相対位置・姿勢が大きく変化する場合には、光軸の補正が集光レンズを含む光学系全体の向きを調整する必要があるため、駆動装置が大型化・重量化してしまい、特に移動を伴う光空間通信では相互干渉の問題と共に大きな制約となってしまう。
特開平05−133716号公報
以上のように、従来の光空間通信システムでは、光軸補正にビーム径を拡大する手法を採用するため、情報の漏洩、相互干渉等の問題が生じ、さらには駆動装置の大型化・重量化等の問題も指摘されている。
本発明の目的は、上記の問題を解決するためになされたもので、ビーム径を拡大することなく光軸補正が可能であり、秘匿性に優れ、複数同時通信時の干渉も少なく、小型軽量化で移動通信にも適用可能な光空間通信システムとこのシステムに用いられる光送信装置、光受信装置及び光軸補正方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために本発明に係る光空間通信システム及びこのシステムに用いられる光送信装置及び光受信装置は、以下のように構成したことを特徴とする。
(1) 光送信装置から送出されるレーザ光を、空間を伝播させて光受信装置で受光することにより光通信を行う光空間通信システムにおいて、
前記光送信装置は、前記レーザ光を生成する送信用レーザ装置と、前記送信用レーザ装置から出射されるレーザ光を第1及び第2のモータそれぞれの回転軸に装着された第1及び第2のミラーで順次反射して前記空間に向けて送出し、前記第1及び第2のミラーの反射角度をそれぞれ前記第1及び第2のモータで調整して前記レーザ光出射光軸のパン・チルト角を制御する出射光軸制御手段とを備え、
前記光受信装置は、前記空間を伝播して到達するレーザ光を第3及び第4のモータそれぞれの回転軸に装着された第3及び第4のミラーで順次反射し、前記第3及び第4のミラーの反射角度をそれぞれ前記第3及び第4のモータで調整して前記レーザ光入射光軸のパン・チルト角を制御する入射光軸制御手段と、前記入射光軸制御手段で光軸調整されるレーザ光の光軸上に直列に配置されそれぞれ入射光を2方向に分光する第1及び第2のビームスプリッタと、前記第1のビームスプリッタで光軸から分岐されるレーザ光を受光する受信用光検出器と、前記第2のビームスプリッタで2分岐されるレーザ光がそれぞれ入射され、受光面に入射されるレーザ光のレーザスポットの照射位置から基準軸に対するずれ方向及びその大きさを検知する第1及び第2の照射位置検知器とを備え、
前記出射光軸及び入射光軸制御手段は、前記第1及び第2の照射位置検知器の検知結果から前記レーザ光光軸のずれ量及び方向を検出し、この検出結果からモータ回転角の微小変化と前記レーザスポットの位置変化とを関係付けるヤコビ行列を推定し、この推定されたヤコビ行列に基づいて前記第1乃至第4のモータを回転駆動して前記ずれを補正する光軸補正手段とを具備することを特徴とする。
(2)(1)の構成において、前記出射光軸及び入射光軸制御手段は、前記送信及び受信側合わせて前記第1乃至第4のモータの微小回転と前記第1及び第2の照射位置検知器の受光面上におけるレーザスポット座標の微小変化との関係からヤコビ行列を推定し、この推定されたヤコビ行列の逆行列に前記第1及び第2の照射位置検知器で得られるレーザスポットの基準位置からの変位を表す誤差ベクトルに乗じて前記第1乃至第4のモータそれぞれに対する速度指令ベクトルを生成することを特徴とする。
(3)(1)の構成において、前記光送信装置が前記出射光軸制御手段を複数個備え、互いに別の送信用レーザ装置のレーザ光または共通の送信用レーザ装置の分岐光を前記複数の出射光軸制御手段で互いに別の方向へ照射し、相対位置固定の複数の光受信装置で受信したとき、前記出射光軸及び入射光軸制御手段は、無線通信手段を通じて前記複数の光送受信装置間で生じる光軸ずれの情報を送受し、その光軸ずれに基づいて前記光送受信装置における反射鏡の回転角と前記第1及び第2の照射位置検知器の受光面上のレーザスポット座標から光受信装置と光送信装置間の相対位置姿勢を推定することを特徴とする。
また、本発明に係る光空間通信システムの光軸補正方法は、光送信装置から送出されるレーザ光を、空間を伝播させて光受信装置で受光することにより光通信を行う光空間通信システムに用いられ、
前記光送信装置が、前記レーザ光を生成する送信用レーザ装置と、前記送信用レーザ装置から出射されるレーザ光を第1及び第2のモータそれぞれの回転軸に装着された第1及び第2のミラーで順次反射して前記空間に向けて送出し、前記第1及び第2のミラーの反射角度をそれぞれ前記第1及び第2のモータで調整して前記レーザ光出射光軸のパン・チルト角を制御する出射光軸制御手段とを備え、
前記光受信装置が、前記空間を伝播して到達するレーザ光を第3及び第4のモータそれぞれの回転軸に装着された第3及び第4のミラーで順次反射し、前記第3及び第4のミラーの反射角度をそれぞれ前記第3及び第4のモータで調整して前記レーザ光入射光軸のパン・チルト角を制御する入射光軸制御手段と、前記入射光軸制御手段で光軸調整されるレーザ光の光軸上に直列に配置されそれぞれ入射光を2方向に分光する第1及び第2のビームスプリッタと、前記第1のビームスプリッタで光軸から分岐されるレーザ光を受光する受信用光検出器と、前記第2のビームスプリッタで2分岐されるレーザ光がそれぞれ入射され、受光面に入射されるレーザ光のレーザスポットの照射位置から基準軸に対するずれ方向及びその大きさを検知する第1及び第2の照射位置検知器とを備えるとき、
前記送信及び受信側合わせて前記第1乃至第4のモータの微小回転と前記第1及び第2の照射位置検知器の受光面上におけるレーザスポット座標の微小変化との関係からヤコビ行列を推定するヤコビ行列推定ステップと、
前記第1及び第2の照射位置検知器の検知情報からレーザスポットの基準位置からのずれ量及び方向の変位を表す誤差ベクトルを求める誤差ベクトル演算ステップと、
前記ヤコビ行列の逆行列に前記誤差ベクトルに乗じて前記第1乃至第4のモータの速度指令ベクトルを求める速度指令ベクトル演算ステップとを備え、
前記速度指令ベクトルに基づいて前記第1乃至第4のモータを駆動制御することを特徴とする。
以上のように本発明によれば、ビーム径を拡大することなく光軸補正が可能であり、秘匿性に優れ、複数同時通信時の干渉も少なく、小型軽量化で移動通信にも適用可能な光空間通信システムとこのシステムに用いられる光送信装置、光受信装置及び光軸補正方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係る光空間通信システムの一実施形態の構成を示す斜視図であり、11は光送信装置11、21は光受信装置を示している。
光送信装置11において、送信用LD(Laser Diode:レーザダイオード)111から出射されるレーザ光の光軸上には第1のミラー112が配置される。この第1のミラー112は第1のモータ113の回転軸に取り付けられ、当該モータ113によって角度調整することが可能となされている。また、第1のミラー112で角度調整されるレーザ光の光軸上には第2のミラー114が配置される。この第2のミラー114は第2のモータ115の回転軸に取り付けられ、当該モータ115によって角度調整される。すなわち、送信用LD111から出射されるレーザ光は、第1及び第2のミラー112,114の反射を経て光受信装置21に向けて送出されるが、その送出光のパン・チルト角は第1、第2のミラー112,114を回転軸に装着した第1及び第2のモータ113,115の駆動制御によって適宜調整可能となっている。上記第1及び第2のモータ113,115は光軸制御部116からの指令信号に基づいて駆動制御される。
光受信装置21において、上記光送信装置11から到達するレーザ光は、第3のミラー211及び第4のミラー213で順次反射されて第1のビームスプリッタ215に入射される。上記第3のミラー211及び第4のミラー213は、それぞれ第3のモータ212、第4のモータ214の回転軸に装着され、各モータ212,214の回転駆動によって角度調整される。
上記第1のビームスプリッタ215に入射されたレーザ光はプリズム斜面(1)にて2分岐され、一方の分岐光(反射光)は受信用PD(Photo Detector:光検出器)217で受光され、他方の分岐光(透過光)は第2のビームスプリッタ216に入射される。この第2のビームスプリッタ216に入射されたレーザ光はプリズム斜面(2)にて2分岐され、一方の分岐光(透過光)は第1のPSD(Position Sensitive Device:照射位置検知器)218に入射され、他方の分岐光(反射光)は第2のPSD219に入射される。
上記第1及び第2のPSD218,219は、それぞれ入射されるレーザ光の基準軸に対するずれ方向及びその大きさを測定するためのもので、その測定結果は光軸制御部220に送られる。この光軸制御部220は、送信側の光軸制御部116と例えば無線LAN等によって情報の送受が可能となされており、双方で第1及び第2のPSD218,219の検知結果からレーザ光光軸のずれ量及び方向を検出し、この検出結果に基づいて光送受信装置11,21それぞれの第1乃至第4のモータ113,115,212,214を回転駆動して光軸のずれを補正する。
いま、光受信装置21への到達光が図1(b)に示すように第3のミラー211で反射され、さらに第4のミラー213で反射されて、直列に配置された第1及び第2のビームスプリッタ215,216を貫通するように、第3及び第4のモータ212,214の回転角が調整されているものとする。このとき、第1のビームスプリッタ215のプリズム斜面に対する受信用PD217の鏡像をPD′(=第2のビームスプリッタ216の透過像PSD1)、第2のビームスプリッタ216のプリズム斜面に対する第2のPSD219の鏡像をPSD2′とするとき、PSD1とPSD2′が重ならないように配置されていれば、第4のミラー213からの反射光と受光用PD217の鏡像PD′の光軸との関係は反射光とPSD1及びPSD2′受光面との交点の座標によりパラメトライズされることがわかる。
したがって、第4のミラー213からの反射光と受光用PD217の受光像PDの光軸が一致する場合に、第1及び第2のPSD218,219上のレーザスポット座標を基準点とすれば、光送信装置11及び光受信装置21の相対位置が変化して光軸が外れたときも、第1及び第2のPSD218,219上のレーザスポットが基準点に戻るように、第1乃至第4のモータ113,115,212,214の回転角を計算し調整することにより、常に光軸を一致させることが可能となる。
(第1の実施例)
以下、光送受信装置11,21それぞれの光軸が一致する条件を満たすモータ回転角が存在することを、第1の実施例として説明する。
図2は、光送受信装置11,21それぞれのモータ回転角の調整により、レーザ光の向きが変化する様子を模式的に示したものである。光送信装置11の送信用LD111から出射されたレーザ光が第1のミラー112の表面上にある回転軸と交わる点をO、第2のミラー114の表面上にある回転軸をベクトルA、OからAへ降ろした垂線の足を中心としてOを通過する円をC、垂線の方向を基準方向とする。この場合、光送信装置11から送出されるレーザ光は円C上の点PからベクトルA上の点を結ぶ直線として表現することができる。このことは、レーザ光のチルト角が第1のミラー112によって、パン角が第2のミラー114によって調整可能であることを意味する。
但し、Aの長さは第2のミラー114における回転軸方向の長さに対応しているため、これがチルト角の範囲を制限する。また、円C上の点Pの可動範囲は、レーザ光が光送信装置11自身の構造物に遮断されない範囲に応じて決定される。
一方、光受信装置21の受信用PD217を仮想的なLDで置き換えてレーザ光を出射させたときのパン・チルト角も、第3のミラー211における回転軸a上の点q、同様に定義される円c上の点pによってパラメトライズされる。したがって、光送受信装置21の光軸が一致することは、点P,Q,q,pが同一直線上に並ぶことと等化となる。
図3はある相対位置関係にある光送受信装置を図2の模式図を使用して表したものである。但し、この位置関係において、次の条件が成立しているものとする。
“光送信装置11の送信用LD111から出射されるレーザ光は、光受信装置21におけるα軸上の任意の点に到達可能であり、また、光受信装置21の受信用PD217を仮想的なLDで置き換えて送出したレーザ光は、光送信装置11におけるA軸上の任意の点に到達可能である。”
このとき、条件の前半から、円C上の一点からA軸上の一点を通過してa軸の端点a0 に達する直線が存在する。この直線の円Cとの交点をP0 、A軸との交点をQ0 とする。同様にa1 に達する直線に対応する点をそれぞれP1 ,Q1 とする。また、条件の後半から、円c上の一点からa軸上の一点を通過してA軸の端点A0 に達する直線が存在する。この直線の円cとの交点をp0 、a軸との交点をq0 とする。同様にA1 に達する直線に対応する点をそれぞれp1 ,q1 とする。
いま、a軸を含みこれを回転軸とする平面が円cと交差する点をp、A軸と交差する点をQ、pとQを結ぶ直線がa軸と交差する点をqとすれば、pがp0 からp1 まで移動するとき、qはq0 からq1 まで、QはA0 からA1 まで移動する。同様に、A軸を含みこれを回転軸とする平面を考えた場合、この平面が円C及びa軸と交差する点を結ぶ直線がqと一致するときの交点をそれぞれP,rとする。
このような交点は少なくともQがQ0 とQ1 の間にあるときには必ず存在する。したがって、pがp0 からp1 まで移動するとき、qはq0 からq1 まで、QはA0 からA1 まで移動し、PはP0 とP1 を含む区間を、rはa0 とa1 を含む区間を移動することになる。よって、ある時点でrがqと一致し、線分qQとQrは同一線分となり、点p,q,Q,Pは同一直線上に並ぶことになる。
(第2の実施例)
次に、第2の実施例として、第1の実施例で説明した光送受信装置間の光軸一致を実現する具体的な手法について説明する。まず、光送受信装置11,21のモータ回転角の変化に対する第1及び第2のPSD218,219上のレーザ光スポット座標値の変化を関連付けるため、送信側のLD111から受信側のPSD218または219までの光線追跡を行う。送信側のLD111からレーザ光出射点と出射方向ベクトルをそれぞれr0 ,p0 、第1乃至第4のミラー112,113,211,213でのレーザ光の反射点と反射方向ベクトルをそれぞれri ,pi (i=1,…,4)とする。また、第4のミラー213からの反射光とPSD1及びPSD2′(PSD2の鏡像)との交点をそれぞれrP1 ,r'P2 で表す。
各ミラーの中心位置、回転軸及び反射面の法線ベクトルをそれぞれmi ,ai ,ni とし、さらに回転軸と法線ベクトルから外積によって定義されるベクトルをbi (=ai ×ni )とする。PSD1及びPSD2′の中心位置をmP1 ,m'P2 、受光面法線ベクトルをnP1 ,n'P2 、x座標軸ベクトルをexP1 ,e'xP2 、y座標軸ベクトルをeyP1 ,e'yP2 とおく。
このとき、ri ,Pi とri+1 ,Pi+1 (i=0,…,3)の間の関係は次のように記述できる。
Figure 0004532163
また、rP1 ,r'P2 は次式で与えられる。
Figure 0004532163
モータの回転速度に対して光送信装置及び光受信装置の相対位置変化速度が十分に小さいと仮定して式(1)と式(2)の両辺を微分する。その際、ni =bi θi の微分値を考慮して整理すれば、次式が得られる。
Figure 0004532163
但し、θi はモータiの回転角、I3 は3×3の単位行列を表す。
ここで、式(5)と式(6)をまとめて次のように表すことにする。
Figure 0004532163
このとき、rP1 ,pP1 の微分は式(5)、式(6)のi+1をP1 のように読み換えれば、次のように求められる。
Figure 0004532163
但し、AP1,i =AP1,44,3 …Ai+1,i (i=1,…,4)である。
したがって、PSD1上のレーザ光スポット位置の時間微分
Figure 0004532163
は次のように与えられる。
Figure 0004532163
ここで、JP1 は、
Figure 0004532163
と与えられる。但し、Om,n はm×nの零行列を表す。同様に、PSD2上のレーザ光スポット位置の時間微分
Figure 0004532163
は次のように与えられる。
Figure 0004532163
ここで、JP2 は、
Figure 0004532163
と与えられる。
結局、モータ回転角の微小変化に対するPSD上のレーザ光スポットの位置変化を関係付けるヤコビ行列JP は次式で定義することができる。
Figure 0004532163
今、ヤコビ行列の推定値をJ^P とおいて、次のようなモータへの速度指令フィードバックを考える。
Figure 0004532163
ここで、x0P1 ,y0P1 ,x0P2 ,y0P2 は第4のミラー213からの反射光とPD217の光軸が一致している場合の各PSD上のレーザ光スポットの座標値である。
式(11)を式(10)に代入すれば、
Figure 0004532163
とみなせるとき、次式が成り立つ。
Figure 0004532163
ここで、
Figure 0004532163
と表される。よって、kP >0であれば、t→∞においてε→0となり、第4のミラー213からの反射光はPD217の光軸に一致することがわかる。
(第3の実施例)
次に、第3の実施例として、光送信装置11側に2組の反射鏡を備えるレーザ光送出用の光学系が用意され、互いに異なる方向にレーザ光が送出され、それぞれ別々の光受信装置で受信される場合のシステム構成を提案する。この場合、光送信装置11に固定された座標系をΣm 、この座標系をΣm から見た第2のミラー114上の反射点をそれぞれmr2 ,mr'2 、反射方向ベクトルをmp2 ,mp'2 とする。一方、受信側に固定された基準座標系Σから見た2つの光受信装置の位置・姿勢は既知であるとする。また、PSD上のレーザ光スポット位置とモータの回転角による光線軌跡から第3のミラー211上の反射点と反射方向スペクトラムが求まるので、Σから見た反射点をr3 ,r'3、反射方向ベクトルをp3 ,p'3とおく。Σから見たΣm の位置と姿勢をrm ,Om で表せば、次式が成立する。
Figure 0004532163
いま、p3 ,p'3 は平行でないと仮定すれば、左辺及び右辺右側の行列は正則となるから、Om を決定することができる。一方、送信及び受信側のレーザ反射点に関して次式が成立する。
Figure 0004532163
但し、t,t′は未知のスカラー乗数である。これより次式が得られる。
Figure 0004532163
前述のように、p3 ,p'3 は平行でないと仮定すれば、上式の左辺第1項の行列はフルランクとなり、これをC、右辺の行列をDとすると、rm ,t,t′は以下のように求められる。
Figure 0004532163
以上の説明から明らかなように、上記構成による本発明の光空間通信システムによれば、光送信装置11が出射したレーザ光と光受信装置21との間の軸ずれ量を検出し、これを補正するように光送受信装置11,21の反射鏡回転用モータの回転角を調整するようにしているので、光送受信装置11,21間の相対位置関係が変化しても、光軸を一致させ、通信状態を維持することが可能となる。このとき、ビーム径を絞った状態での光通信も可能であることから、従来のビーム径を拡大する方法に比して秘匿性が高く、また、複数同時通信時の干渉性を低く抑えることができる。さらに、光学系自体をモータで駆動する場合と異なり、光送受信装置11,21の各構成要素は独立しており、それぞれの持つ反射鏡の角度を調整するだけでよいため、小型軽量化に適するという効果がある。
また、モータ回転角の微小変化に対する軸ずれ量の微小変化を関係付けるヤコビ行列の逆行列を軸ずれ量に乗じてフィードバックし、モータの速度指令値とすることにより、軸ずれ量がとらえられている限り、自動的に光軸補正が行われ、光送受信装置間の相対位置が連続して変化する場合でも、継続した光通信が維持可能となる。
また、光送受信装置11,21に2組以上の反射鏡回転用モータを用意し、同時に2つ以上の光通信リンクを形成することにより、光送受信装置間の相対位置・姿勢がオンラインで求められることになり、ヤコビ行列の計算や送信側の位置・姿勢に応じた、より最適な光受信装置への切替判断等に使用可能となる。さらに、光リンクの一つが障害物などによって遮断させたときでも、他の光リンクにより通信を継続させることができるという効果がある。
尚、上記実施形態では、光送信装置と光受信装置との間で光軸ずれの情報を送受するために無線LANを利用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の無線通信手段を利用してもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形してもよいことは勿論である。
本発明に係る光空間通信システムの第1の実施形態の構成を示す斜視図である。 図1に示すシステムにおいて、モータ回転角の調整によりレーザ光の向きが変化する様子を模式的に示す図である。 図1に示すシステムにおいて、ある相対位置関係にある光送受信装置を図2の模式図を使用して表した図である。
符号の説明
11…光送信装置、
111…送信用LD、
112…第1のミラー、
113…第1のモータ、
114…第2のミラー、
115…第2のモータ、
116…光軸制御部、
21…光受信装置、
211…第3のミラー、
212…第3のモータ、
213…第4のミラー、
214…第4のモータ、
215…第1のビームスプリッタ、
216…第2のビームスプリッタ、
217…受信用PD、
218…第1のPSD、
219…第2のPSD、
220…光軸制御部。

Claims (6)

  1. 光送信装置から送出されるレーザ光を、空間を伝播させて光受信装置で受光することにより光通信を行う光空間通信システムにおいて、
    前記光送信装置は、前記レーザ光を生成する送信用レーザ装置と、前記送信用レーザ装置から出射されるレーザ光を第1及び第2のモータそれぞれの回転軸に装着された第1及び第2のミラーで順次反射して前記空間に向けて送出し、前記第1及び第2のミラーの反射角度をそれぞれ前記第1及び第2のモータで調整して前記レーザ光出射光軸のパン・チルト角を制御する出射光軸制御手段とを備え、
    前記光受信装置は、前記空間を伝播して到達するレーザ光を第3及び第4のモータそれぞれの回転軸に装着された第3及び第4のミラーで順次反射し、前記第3及び第4のミラーの反射角度をそれぞれ前記第3及び第4のモータで調整して前記レーザ光入射光軸のパン・チルト角を制御する入射光軸制御手段と、前記入射光軸制御手段で光軸調整されるレーザ光の光軸上に直列に配置されそれぞれ入射光を2方向に分光する第1及び第2のビームスプリッタと、前記第1のビームスプリッタで光軸から分岐されるレーザ光を受光する受信用光検出器と、前記第2のビームスプリッタで2分岐されるレーザ光がそれぞれ入射され、受光面に入射されるレーザ光のレーザスポットの照射位置から基準軸に対するずれ方向及びその大きさを検知する第1及び第2の照射位置検知器とを備え、
    前記出射光軸及び入射光軸制御手段は、前記第1及び第2の照射位置検知器の検知結果から前記レーザ光光軸のずれ量及び方向を検出し、この検出結果からモータ回転角の微小変化と前記レーザスポットの位置変化とを関係付けるヤコビ行列を推定し、この推定されたヤコビ行列に基づいて前記第1乃至第4のモータを回転駆動して前記ずれを補正することを特徴とする光空間通信システム。
  2. 前記出射光軸及び入射光軸制御手段は、前記送信及び受信側合わせて前記第1乃至第4のモータの微小回転と前記第1及び第2の照射位置検知器の受光面上におけるレーザスポット座標の微小変化との関係からヤコビ行列を推定し、この推定されたヤコビ行列の逆行列を前記第1及び第2の照射位置検知器で得られるレーザスポットの基準位置からの変位を表す誤差ベクトルに乗じて前記第1乃至第4のモータそれぞれに対する速度指令ベクトルを生成することを特徴とする請求項1記載の光空間通信システム。
  3. 前記光送信装置が前記出射光軸制御手段を複数個備え、互いに別の送信用レーザ装置のレーザ光または共通の送信用レーザ装置の分岐光を前記複数の出射光軸制御手段で互いに別の方向へ照射し、相対位置固定の複数の光受信装置で受信したとき、前記出射光軸及び入射光軸制御手段は、無線通信手段を通じて前記複数の光送受信装置間で生じる光軸ずれの情報を送受し、その光軸ずれに基づいて前記光送受信装置における反射鏡の回転角と前記第1及び第2の照射位置検知器の受光面上のレーザスポット座標から光受信装置と光送信装置間の相対位置姿勢を推定することを特徴とする請求項1記載の光空間通信システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか記載の光空間通信システムに用いられ、前記出射光軸及び入射光軸制御手段からの指示に従って前記第1及び第2のモータを駆動制御することを特徴とする光送信装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか記載の光空間通信システムに用いられ、前記出射光軸及び入射光軸制御手段からの指示に従って前記第3及び第4のモータを駆動制御することを特徴とする光受信装置。
  6. 光送信装置から送出されるレーザ光を、空間を伝播させて光受信装置で受光することにより光通信を行う光空間通信システムに用いられ、
    前記光送信装置が、前記レーザ光を生成する送信用レーザ装置と、前記送信用レーザ装置から出射されるレーザ光を第1及び第2のモータそれぞれの回転軸に装着された第1及び第2のミラーで順次反射して前記空間に向けて送出し、前記第1及び第2のミラーの反射角度をそれぞれ前記第1及び第2のモータで調整して前記レーザ光出射光軸のパン・チルト角を制御する出射光軸制御手段とを備え、
    前記光受信装置が、前記空間を伝播して到達するレーザ光を第3及び第4のモータそれぞれの回転軸に装着された第3及び第4のミラーで順次反射し、前記第3及び第4のミラーの反射角度をそれぞれ前記第3及び第4のモータで調整して前記レーザ光入射光軸のパン・チルト角を制御する入射光軸制御手段と、前記入射光軸制御手段で光軸調整されるレーザ光の光軸上に直列に配置されそれぞれ入射光を2方向に分光する第1及び第2のビームスプリッタと、前記第1のビームスプリッタで光軸から分岐されるレーザ光を受光する受信用光検出器と、前記第2のビームスプリッタで2分岐されるレーザ光がそれぞれ入射され、受光面に入射されるレーザ光のレーザスポットの照射位置から基準軸に対するずれ方向及びその大きさを検知する第1及び第2の照射位置検知器とを備えるとき、
    前記送信及び受信側合わせて前記第1乃至第4のモータの微小回転と前記第1及び第2の照射位置検知器の受光面上におけるレーザスポット座標の微小変化との関係からヤコビ行列を推定するヤコビ行列推定ステップと、
    前記第1及び第2の照射位置検知器の検知情報からレーザスポットの基準位置からのずれ量及び方向の変位を表す誤差ベクトルを求める誤差ベクトル演算ステップと、
    前記ヤコビ行列の逆行列に前記誤差ベクトルに乗じて前記第1乃至第4のモータの速度指令ベクトルを求める速度指令ベクトル演算ステップとを備え、
    前記速度指令ベクトルに基づいて前記第1乃至第4のモータを駆動制御することを特徴とする光空間通信システムの光軸補正方法。
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