JP4532003B2 - 二輪車の衝撃吸収構造 - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体から衝撃吸収部材を突出させ、この衝撃吸収部材を潰すことで衝撃を吸収する二輪車の衝撃吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6(a),(b)は従来の自動二輪車の衝撃吸収構造の作用説明図である。
(a)に示すように、自動二輪車100の車体フレーム101に備えたヘッドパイプ102にフォーク103を取付け、このフォーク103に前輪104を取付け、車体フレーム101の前端部に変形エレメント(以下、「衝撃吸収部材」という)105を取付けることにより、衝撃吸収部材105を前輪104の上方に配置する。
この衝撃吸収部材105は、枠体106の中空部107に発泡材108を備える。
【0003】
(a)において、自動二輪車100が障害物110に衝突した際に、衝撃吸収部材105の先端部105aが障害物110に当たり、発泡材108の先端部108aに衝突による衝撃力F1が矢印の如く作用する。
(b)において、発泡材108の先端部108aに衝撃力が作用して、発泡材108の先端部108aが潰れる。このように、発泡材108の先端部108aを潰すことにより衝撃力F1を減少させ、この減少させた衝撃力をフレームに伝達させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、自動二輪車100が障害物110に衝突した際に、衝撃力F1を十分に減少させるためには、衝撃吸収部材105の潰れ量をある程度大きく設定する必要がある。
しかしながら、衝撃吸収部材105の潰れ量が大き過ぎると、自動二輪車100は矢印の如く移動して車体後部が浮き上がってしまい、ピッチング(すなわち、車体の前のめりや、のけぞり等)が発生することが考えられる。
【0005】
よって、衝撃力F1を好適に減少させ、かつピッチングの発生を防止させるという2つの効果を得るためには、衝撃吸収部材105の潰れ量を比較的厳格に設定する必要がある。このため、衝撃吸収部材105の潰れ量の調節を簡単に行うことができる衝撃吸収部材105の実用化が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、衝撃力を十分に減少させ、かつピッチングの発生を防止させるという2つの要求を満たすように、衝撃吸収構造の潰れ量を簡単に設定することができる二輪車の衝撃吸収構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、車体から突出させた衝撃吸収体を潰すことにより衝撃を吸収させる二輪車の衝撃吸収構造において、前記衝撃吸収体は、上側に配置した上側衝撃吸収部材と、この上側衝撃吸収部材の下側に配置した下側衝撃吸収部材とからなり、上・下側衝撃吸収部材を潰れ特性の異なる二部材で構成にし、前記下側衝撃吸収部材は、前記上側衝撃吸収部材と比較して低い荷重で変形し易い部材であることを特徴とする。
【0008】
衝撃吸収体を上側衝撃吸収部材と下側衝撃吸収部材とで構成し、上・下側衝撃吸収部材を潰れ特性の異なる二部材で構成にした。このように、衝撃吸収体を潰れ特性の異なる二部材を組合せて形成したので、衝撃吸収体の潰れ具合を二輪車に対応させて好適に決めることができる。
【0009】
さらに、請求項において、下側衝撃吸収部材、上側衝撃吸収部材と比較して低い荷重で変形し易い部材とした
【0010】
下側衝撃吸収部材を低い荷重で変形し易い部材にすることで、衝撃を十分に吸収することができる。加えて、上側衝撃吸収部材で衝撃吸収体が潰れ過ぎることを防ぐことができるので、衝突の際に、二輪車の車体後部が浮き上がることを防ぐことができる。
【0011】
請求項は、請求項1において、二部材を、同一素材の発泡樹脂で密度違いにより異なる潰れ特性を有する構成にしたことを特徴とする。
【0012】
二部材を同一素材の発泡樹脂で密度違いに構成することで、二部材の潰れ特性を異なるようにした。発泡樹脂の密度を異ならせるだけでよいので、二部材の潰れ特性を比較的簡単に異ならせることができる。
また、発泡樹脂は比較的簡単に入手可能な素材であり、かつコストが比較的安い。このため、上・下側衝撃吸収部材のコストを抑えることができる。
加えて、発泡樹脂は比較的簡単に加工することができる材料なので、所望の形状に比較的簡単に加工することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る衝撃吸収構造(第1実施形態)を備えた二輪車の側面図であり、以下二輪車を自動二輪車として説明する。
自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11のヘッドパイプ11aに取付けたフロントフォーク12と、フロントフォーク12に取付けた前輪13と、フロントフォーク12に連結したハンドル14と、車体フレーム11の後部に取付けたスイングユニット15(エンジン15a、伝導機構15b)と、スイングユニット15の後部に取付けた後輪16と、車体フレーム11の後上部に配置したシート17と、ヘッドパイプ11aの前部を覆うフロントカバー18aと、このフロントカバー18aから後方へ延ばし車体フレーム11の中央を覆うセンタカバー18bと、センタカバー18bから後方へ延ばし車体フレーム11の後部を覆うサイドカバー18cと、車体フレーム11またはヘッドパイプ11aに取り付けた衝撃吸収構造20とを主構成としたスクータ型車両である。
【0014】
衝撃吸収構造20は、断面コ字形の枠体21を、一例として締結手段(図示しない)でフロントカバー18aに取付け、この枠体21の空間24に衝撃吸収体25を備える。
すなわち、枠体21の周壁22と天井壁23とで断面略コ字形を形成することで空間24を備え、この空間24に衝撃吸収体25を配置する。これにより正常時には、衝撃吸収体25を枠体21で保護することができる。
なお、衝撃吸収構造20は、断面コ字形の枠体21を備えないで、衝撃吸収体25のみで構成することも可能である。
【0015】
衝撃吸収体25は、空間24のうちの上部空間に上側衝撃吸収部材26を配置し、上側衝撃吸収部材26の下側に下側衝撃吸収部材27を配置したものである。
上下側の上側衝撃吸収部材26,27は、それぞれ発泡樹脂で形成したもので、これらの部材26,27を潰れ特性の異なる二部材で構成にした。具体的には、上側衝撃吸収部材26は、下側衝撃吸収部材27と比較して密度の高い発泡樹脂で形成したものである。
この衝撃吸収構造25は、枠体21の先端を前輪13から前方に寸法L1だけ前方に突出している。
【0016】
図2は図1の2−2線断面図である。
枠体21の周壁22は、左右方向に延びた前壁22aと、前壁22aの左右端から後方に延びた左右壁22b,22cと、左右壁22b,22cの後端をつなぐ略湾曲形の後壁22dとからなる。
後壁22dをフロントカバー18aの形状に倣わせることにより、フロントカバー18aにフィットさせた状態に取付けることができる。
なお、衝撃吸収体25は、枠体21の空間24に収容した際に、外周25aが枠体21の内周21aに接触した状態になる。
【0017】
図3は本発明に係る二輪車の衝撃吸収構造(第1実施形態)の断面図であり、衝撃吸収構造が潰れた状態を示す。
衝撃吸収体25を上側衝撃吸収部材26と下側衝撃吸収部材27とで構成した。このように、衝撃吸収体25を2種の衝撃吸収部材26,27を組合せて形成し、上・下側衝撃吸収部材26,27を潰れ特性の異なる二部材で構成にした。
【0018】
このように、衝撃吸収体25を潰れ特性の異なる二部材を組合せて形成したので、衝撃吸収体25の潰れ具合を二輪車に対応させて好適に決めることができる。
このため、二輪車のピッチングの発生を抑制し、かつ衝撃力を十分に低減させるように、衝撃吸収体25の潰れ具合を設定することができる。
【0019】
さらに、下側衝撃吸収部材27を上側衝撃吸収部材26と比較して低い荷重で変形し易い部材とした。このため、下側衝撃吸収部材27で衝撃を十分に吸収することができる。
加えて、上側衝撃吸収部材26を下側衝撃吸収部材27と比較して密度の高い発泡樹脂で形成することで、下側衝撃吸収部材27と比較して比較的潰れ難くすることができる。よって、上側衝撃吸収部材26で衝撃吸収体25が潰れ過ぎることを防ぐことができる。
このため、衝突の際に、下側衝撃吸収部材27で衝撃を十分に吸収することができ、かつ上側衝撃吸収部材26で二輪車の車体後部が浮き上がることを防ぐことができる。
【0020】
さらに、上・下側衝撃吸収部材26,27を同一素材の発泡樹脂で密度違いにより異なる潰れ特性を有する構成にした。
上・下側衝撃吸収部材26,27を同一素材の発泡樹脂で密度違いに構成することで、二部材26,27の潰れ特性を異なるようにした。発泡樹脂の密度を異ならせるだけでよいので、二部材26,27の潰れ特性を比較的簡単に異ならせることができる。
【0021】
また、発泡樹脂は比較的簡単に入手可能な素材であり、かつコストが比較的安い。このため、上・下側衝撃吸収部材26,27のコストを抑えることができる。
加えて、発泡樹脂は比較的簡単に加工することができる材料なので、所望の形状に比較的簡単に加工することができる。このため、上・下側衝撃吸収部材26,27の形状を比較的自由に選択することができる。
【0022】
以上に述べた本発明に係る衝撃吸収構造20の作用を次に説明する。
図4(a),(b)は本発明に係る二輪車の衝撃吸収構造(第1実施形態)の第1作用説明図である。
(a)において、自動二輪車10の走行中に、万が一衝撃吸収構造25の前端25aが障害物30に衝突したとき、衝突により発生した衝撃力Fが、衝撃吸収構造25に作用する。
【0023】
(b)において、衝撃吸収構造25が潰れて衝撃力Fを吸収する。ここで、衝撃吸収体25を2種の衝撃吸収部材26,27で構成することにより、衝撃吸収体25の潰れ具合を好適に決めることができる。
よって、衝撃吸収体25を潰れ過ぎないように設定することができるので、衝突の際に、自動二輪車10の車体後部が浮き上がることを防ぐことができる。
加えて、衝撃吸収体25を適度に潰すことができるので、衝撃力Fを十分に吸収することができる。
【0024】
次に、第2実施形態について図5に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については同じ符号を付して説明を省略する。
図5は本発明に係る二輪車の衝撃吸収構造(第2実施形態)の断面図である。
二輪車の衝撃吸収構造40は、衝撃吸収体41を上側衝撃吸収部材42及び下側衝撃吸収部材43で構成し、上側衝撃吸収部材42及び下側衝撃吸収部材43を上下に所定間隔をおいて個別に配置したものである。
上側衝撃吸収部材42を上側枠体45内の空間46に備え、下側衝撃吸収部材43を、上側枠体45の下方に所定間隔をおいて配置した下側枠体47に備える。
【0025】
上・下側枠体45,47は、第1実施形態の枠体21(図1に示す)と同様の形状であり、第1実施形態と同様に、一例として締結手段(図示しない)でフロントカバー18aに取付けた枠体である。
衝撃吸収構造40は、上・下側枠体45,47の先端を前輪13から前方に寸法L2だけ前方に突出している。
【0026】
第2実施形態の衝撃吸収構造によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
加えて、衝撃吸収体41を上側衝撃吸収部材42と下側衝撃吸収部材43とを切り離してそれぞれを個別に車体に取付けた。このように、上下側の衝撃吸収部材42,43を切り離すことができるので、設計の自由度を高めることができる。
【0027】
すなわち、上下側の衝撃吸収部材42,43を切り離す構成にすると、潰れ難い上側衝撃吸収部材42を、乗員を含んだ車体の重心位置より高い位置に取付けることが比較的簡単にできる。
よって、万が一自動二輪車が障害物30(図4に示す)に衝突しても、自動二輪車のピッチングの発生をより確実に防ぐことができる。
【0028】
なお、前記実施形態では、衝撃吸収構造20,40は、前輪13から突出させた例について説明したが、衝撃吸収構造20,40を前輪13から突出させなくてもよい。
また、前記実施形態では、衝撃吸収部材21を車体の前端に取付けた例について説明したが、衝撃吸収部材21を車体の後端や左右側部に取付けても同様の効果を得ることができる。
【0029】
さらに、前記実施形態では、二輪車を自動二輪車10とした例に説明したが、二輪車は自動二輪車10に限らないで、その他にスクータや原付自転車などに適用することも可能である。
加えて、前記実施形態では、上側衝撃吸収部材26を下側衝撃吸収部材27より潰れ難く構成した例について説明したが、これに限らないで、下側衝撃吸収部材27を上側衝撃吸収部材26より潰れ難く構成してもよい。
【0030】
また、前記実施形態では、衝撃吸収構造20,40の先端を、それぞれ前輪13から前方に寸法L1、寸法L2だけ前方に突出させた例について説明したが、これに限らないで、衝撃吸収構造20,40の先端を前輪13から突出させなくてもよい。
この場合には例えば、前輪のタイヤや車体フレームなどが変形して衝突力をある程度減少させた後、衝撃吸収構造20,40を潰して衝突力を減少させることになる。
【0031】
さらに、前記第1実施形態では、衝撃吸収構造20を断面コ字形の枠体21の内部に衝撃吸収体25を収容した構成について説明したが、これに限らないで、衝撃吸収体25のみで衝撃吸収構造20を構成することも可能である。
加えて、前記第2実施形態では、上・下側衝撃吸収部材42,43をそれぞれ上・下側枠体45,47の空間に納めた例について説明したが、これに限らないで、上・下側衝撃吸収部材42,43を枠体に納めないように構成することも可能である。
【0032】
また、前記実施形態では、衝撃吸収部材を発泡樹脂で形成した例について説明したが、発泡樹脂に代えて、例えばアルミ製のハニカム構成(一例として、蜂の巣のように形成したもの)を採用することで衝撃吸収部材を形成してもよく、さらに樹脂リブを障子の桟のように格子状に配置したり、あるいは補強リブで格子状に配置した後、格子の対角線上にさらに補強リブを配置することで衝撃吸収部材を形成してもよい。
【0033】
アルミハニカム構成の衝撃吸収部材は、一例としてアルミハニカムの形状を変えたり、ハニカムの一部に切欠きを形成することで潰れ特性を調整することができるので、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
一方、樹脂リブ構成の衝撃吸収部材は、一例として樹脂リブの配置状態を変えたり、油脂リブに切欠きを形成することで潰れ特性を調整することができるので、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、衝撃吸収体を上側衝撃吸収部材と下側衝撃吸収部材とで構成し、上・下側衝撃吸収部材を潰れ特性の異なる二部材で構成にした。このように、衝撃吸収体を潰れ特性の異なる二部材を組合せて形成したので、衝撃吸収体の潰れ具合を二輪車に対応させて好適に決めることができる。
従って、二輪車のピッチングの発生を抑制し、かつ衝撃荷重を十分に低減させるように、衝撃吸収体の潰れ具合を簡単に設定することがができる。
【0035】
さらに、請求項は、下側衝撃吸収部材を低い荷重で変形し易い部材にすることで、衝撃を十分に吸収することができる。加えて、上側衝撃吸収部材で衝撃吸収体が潰れ過ぎることを防ぐことができる。従って、衝突の際に、衝撃を十分に吸収し、かつ二輪車の車体後部が浮き上がることを防ぐことができる。
【0036】
請求項は、二部材を同一素材の発泡樹脂で密度違いに構成することで、二部材の潰れ特性を異なるようにした。発泡樹脂の密度を異ならせるだけでよいので、二部材の潰れ特性を比較的簡単に異ならせることができる。このため、上・下側衝撃吸収部材のコストを抑えることができる。
【0037】
さらに、発泡樹脂は比較的簡単に入手可能な素材であり、かつコストが比較的安い。このため、上・下側衝撃吸収部材のコストを抑えることができる。
加えて、発泡樹脂は比較的簡単に加工することができる材料なので、所望の形状に比較的簡単に加工することができる。従って、上・下側衝撃吸収部材の形状を比較的自由に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る衝撃吸収構造(第1実施形態)を備えた二輪車の側面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】本発明に係る二輪車の衝撃吸収構造(第1実施形態)の断面図
【図4】本発明に係る二輪車の衝撃吸収構造(第1実施形態)の第1作用説明図
【図5】本発明に係る二輪車の衝撃吸収構造(第2実施形態)の断面図
【図6】従来の自動二輪車の衝撃吸収構造の作用説明図
【符号の説明】
10…自動二輪車(二輪車)、20,40…衝撃吸収構造、25,41…衝撃吸収体、26,42…上側衝撃吸収部材、27,43…下側衝撃吸収部材。

Claims (2)

  1. 車体から突出させた衝撃吸収体を潰すことにより衝撃を吸収させる二輪車の衝撃吸収構造において、
    前記衝撃吸収体は、
    上側に配置した上側衝撃吸収部材と、この上側衝撃吸収部材の下側に配置した下側衝撃吸収部材とからなり、上・下側衝撃吸収部材を潰れ特性の異なる二部材で構成にし
    前記下側衝撃吸収部材は、
    前記上側衝撃吸収部材と比較して低い荷重で変形し易い部材であることを特徴とする二輪車の衝撃吸収構造。
  2. 請求項1において、前記二部材は、同一素材の発泡樹脂で密度違いにより異なる潰れ特性を有する構成にしたことを特徴とする二輪車の衝撃吸収構造。
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